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財政制度分科会(令和2年11月25日開催)議事録

財政制度等審議会財政制度分科会
議事録

令和2年11月25日
財政制度等審議会


財政制度等審議会財政制度分科会議事次第

令和2年11月25日(水)10:00~10:35
第3特別会議室(本庁舎4階中-412)

  • 1.開会

  • 2.議題

    • とりまとめに向けた審議

  • 3.閉会

出席者

分科会長

榊原定征

角田次長

中山総務課長

日室司計課長

森田法規課長

高田給与共済課長

有利調査課長

中島主計官

飯塚主計官

渡邉主計官

関主計官

岩佐主計官

一松主計官

坂口主計官

波戸本主計官

藤﨑主計官

渡辺主計官

山川主計企画官

井上主計企画官

分科会長代理

増田寛也

赤井伸郎

遠藤典子

大槻奈那

黒川行治

十河ひろ美

武田洋子

中空麻奈

藤谷武史

宮島香澄

臨時委

秋池玲子

上村敏之

宇南山

河村小百合

木村

権丈英子

小林慶一郎

小林

進藤孝生

末澤豪謙

竹中ナミ

田近栄治

田中里沙

土居丈朗

冨田俊基

広瀬道明

堀真奈美

横田響子


午前10時00分開会

増田分科会長代理時間が参りましたので、ただいまから財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたします。

本日は、前回に引き続きまして、建議の取りまとめに向けて、お手元にお配りしております「令和3年度予算の編成等に関する建議」、今、(案)がついておりますが、こちらについて御審議をいただきます。

今、お手元にお配りしております建議(案)ですが、前回、11月16日でございますが、前回の会議や、その後、書面でいただいた御意見等を踏まえて、起草委員の皆様に御修正いただいたものでございます。お手元に、前回の会議でお配りしたバージョンからの修正を見え消しにしたものと、それから、この修正を溶け込ませたクリーン版の両方を配付しております。御参考にしていただければと思います。

まず、今日の審議に先立ちまして、前回の会議でお配りしたバージョンからの主な変更点について、事務局から補足説明をお願いします。

有利調査課長調査課長の有利でございます。

各委員におかれては分科会での熱心な御議論、それから、起草委員の方々におかれてはこれまでの起草の関係につきまして大変熱心に御議論いただきまして、大変ありがとうございます。

前回、11月16日の分科会でいただいた御意見、及び書面でいただいた御意見について、起草委員の間で御審議をいただきました。原案からの修正案につきましては、先ほど分科会長代理から御説明ありましたが、お手元に修正反映後の溶け込み版、そして修正点が青字となっている見え消し版を配付しております。私からは、見え消し版に沿って、修正がなされた主な箇所につきまして順に御説明します。駆け足の御紹介になります。あらかじめおわび申し上げます。

まず、建議全体の平仄に関する修正です。

堀委員から、デジタル化、DX、ICTなどの文言を可能な限り統一すべき、デジタル技術を活用し、生活を豊かにする変革という意味であればDXを使うべきとの御指摘がございました。これを踏まえまして、固有名詞化している文言などを除き、表記を「デジタル化・DX」に統一しております。

大槻委員から、「ポストコロナ」という文言を「ウィズコロナ・ポストコロナ」で統一したほうが良いと御指摘がございました。これを踏まえまして、一部を除き表記を「ウィズコロナ・ポストコロナ」に統一しております。

次に、1ページ以降の総論の修正でございます。

1ページ、7行目から8行目、末澤委員の感染状況についてはアップデートすべきとの御指摘を踏まえ、修正されております。

9行目、平野委員の用語法に関する御指摘を踏まえまして修正がなされております。

3ページの2行目から3行目、佐藤委員の事後的な検証の場を明確に記載すべきとの御指摘も踏まえて、修正されております。

3ページ、9行目から14行目、小林慶一郎委員の「万全を期す必要がある。」の後に感染防止策が経済再生や財政健全化の前提になっているということを記載すべき、末澤委員の予備費の活用等に言及すべき、赤井委員のコロナ対応について地方公共団体においてもしっかり対応する必要がある旨、記載すべきとの御指摘を踏まえ、修正されております。

18行目、平野委員のワイズスペンディングという文言をさらに追記すべきとの御指摘を踏まえ、追記されております。

その後、25行目から26行目、木村委員の資金の使い方に介入するような表現は配慮が必要との御指摘を踏まえまして、修正がなされております。

4ページでございます。1行目から4行目、佐藤委員の非常時の財政の常態化、恒常化は避けるべきということを明確に記述すべき、それから進藤委員の「過度に」「適当でない」という表現が強過ぎる、平野委員の「現状の維持・固定化」は分かりづらいので「新陳代謝」という表現を使うべきとの御指摘を踏まえ、修正がなされております。

その後、8行目から9行目、平野委員、田中委員、伊達委員の予算の使い方について前向きな内容も言及すべきとの御指摘を踏まえ、修正がなされております。

6ページに参ります。21行目から22行目、神津委員の新型コロナで露呈した日本の脆弱性を是正していくという視点が重要との御指摘を踏まえ、修正がなされております。

7ページの18行目から19行目、それから8ページの4行目につきまして、冨山委員の企業規模と生産性の関係は企業規模が大きいから労働生産性が高いという因果関係ではない、因果関係があるかのような誤解を与える表現は避けるべき、生産性の高い企業が規模を拡大するという趣旨を記載すべきとの御指摘がございました。これを踏まえまして修正がなされております。

少しページが飛びますが、94ページの3行目から4行目、その下の注120も、その際の冨山委員の御指摘を踏まえ、修正がなされております。

戻りまして、8ページ、6行目から7行目でございます。田中委員の効果的・効率的な支出かどうかに加えて成長に寄与するかどうかも考慮した記述にすべき、それから伊達委員の生産性向上についてはKPIを示して経過をチェックしていくということを記載すべきとの御指摘を踏まえ、修正がなされております。

それから、後ほど御説明する17ページでも修正を加えておりますが、8ページの26行目においても、平野委員の社会保障部分で消費税率引上げ等の受益と負担のアンバランス是正の取組について将来を展望した記載とすべきとの御指摘を踏まえ、「道半ば」と書いてございますが、修正されております。

8ページから11ページの構成についてですが、大槻委員の、もともと(4)社会保障制度における受益(給付)と負担のアンバランス、(3)新型コロナへの対応に伴う国債発行を取り巻く現状ということで国債発行のほうが先に来ていたのですが、その2つの章立てにつきまして、社会保障制度を先にしたほうが一般に分かりやすいのではないかという御指摘を踏まえて、修正を加えております。順番の変更ということです。

10ページの26行目から11ページの2行目、平野委員の日本国債の格付にはファンダメンタルズ等の経済的ファクターも重要であることについても言及すべきとの御指摘、それから角委員からも御指摘がありまして、それを踏まえて修正がなされております。

13ページ、12行目から13行目、木村委員の第3次補正は規模の話が先行しているが、何が必要なのかを議論し、できるだけ効率的にやってもらえるような表現にすべきとの御指摘を踏まえ、修正されております。

同じページの16行目、平野委員の平仄の観点から「構造」という文言を「構造変化」とすべきとの御指摘を踏まえ、修正されております。

同じページの24行目、進藤委員、佐藤委員、大槻委員のワイズスペンディングについて言及すべきとの御指摘を踏まえ、修正がなされております。

14ページ目、2行目から3行目、平野委員の日本経済の再生、成長のためにDX、グリーンへの戦略的投資が必要との御指摘を踏まえ、修正がなされております。

9行目から10行目、佐藤委員の省庁との垣根は省庁だけでなく国と地方の話にも言及すべきとの御指摘を踏まえ、修正がされております。

続きまして、15ページから16ページの表でございます。平野委員の個別項目に偏っており、もう少し未来を開くニュアンスを打ち出すべきとの御指摘、それから大槻委員のここでスクラップ・アンド・ビルドという言葉を使うと、違うスクラップ・アンド・ビルド、企業のスクラップ・アンド・ビルドのような誤解を招くので削除すべきとの御指摘、それから伊達委員の社会保障や医療の記載が少ないとの御指摘を踏まえまして、修正がされております。

続きまして、16ページ以降の社会保障の修正点でございます。

17ページ、13行目から20行目、平野委員の消費税率引上げについて将来を展望した記載を入れ込むべき、先ほど総論のところでも触れましたが、この御指摘を踏まえて修正がなされております。

18ページ、1行目から4行目、伊達委員の総論で課題とされている生産性向上、人口構造への対応について大きな方針として言及すべきではないかとの御指摘を踏まえ、追記がされております。

19ページに参ります。18行目から19行目、十河委員の現在の患者負担の構造について慎重な言いぶりに修正すべきとの御指摘を踏まえ、修正されております。

20ページの8行目から11行目、平野委員の高齢者の負担割合引上げに関して、現役世代はより厳しい雇用、所得環境に直面していることを追記すべきとの御指摘を踏まえ、追記がなされております。

同じページの14行目、堀委員の高額療養費制度のほかにも高額医療・高額介護合算療養費制度もあり、所得水準を検討するにはこれらの制度との整合性を検討すべきとの御指摘を踏まえ、脚注が追記されております。

31ページ、4行目から5行目、佐藤委員の保険料水準の統一につきまして「期限を定めて」という文言を追記すべきとの御指摘を踏まえ、修正されております。また、同様の修正が、30ページの16行目から17行目にも行われてございます。

32ページの26行目、神津委員の医療扶助の頻回受診は医療機関側に契機があることを踏まえるべきとの御指摘を踏まえ、修正がなされております。

35ページの25行目、堀委員から臨時の措置といっても一度制度ができるとそのまま残ってしまうとの懸念が示されたことを踏まえ、追記がなされております。なお、39ページの4行目、44ページの11行目にも同様の追記がなされております。「時限」を付け加えたということです。

36ページの16行目、佐藤委員の平時から医療機関の経営状況を把握すべきとの御指摘を踏まえ、追記がなされております。

37ページの注45、神津委員の制度の持続可能性と介護離職ゼロの双方の観点が不可欠であることが分かるような表現にすべきとの御指摘を踏まえて、脚注が追記されております。

39ページ、17行目から20行目、堀委員の既存の処遇改善加算があるにもかかわらず、介護職員の処遇改善が進まない要因の把握の必要性について触れるべきとの御指摘を踏まえ、修正されております。

40ページ、20行目から22行目、佐藤委員の介護事業所についてはやる気のある経営者がM&Aをし、社会福祉連携推進法人を活用していくことが必要との御指摘を踏まえ、追記がなされております。併せて、注52で、社会福祉連携推進法人についての解説が追記されております。

42ページでございます。1行目から9行目、田中委員の福祉用具貸与について表現をより丁寧にすべきという御指摘を踏まえ、追記がなされております。

46ページ、12行目、神津委員の出生者数の減少に歯止めがかかっていない現状を踏まえたことが分かるような表現すべきとの御指摘を踏まえ、修正を加えております。

47ページ、1行目から12行目、十河委員の不妊治療についてア)からオ)を黒ポツにし、リード文を「以下のようなメリットがある。」とすべきとの御指摘を踏まえて、修正がされております。

同じページの注60、広瀬委員の育児休業給付の保険料率の引上げは雇用保険料負担の増加に直結するとの声があるとの御指摘を踏まえて、追記がなされております。

48ページ、19行目から20行目、神津委員の待機児童の解消に当たってはパートタイム、フルタイムといった労働者の属性だけではなく、潜在的な保育需要も含めた需要を把握することが必要との御指摘を踏まえ、追記されております。

49ページの20行目でございます。宮島委員の児童手当の世帯合算に関する御指摘の趣旨を踏まえて、追記がなされております。

50ページの23行目から24行目、横田委員の雇用調整助成金について、出向、再就職などだけでは中小企業は賄い切れず、兼業やワークシェアリングなどについても言及すべきとの御指摘を踏まえ、修正されております。

続いて、52ページ以降の地方財政の修正点です。

52ページの18行目から20行目、赤井委員の新型コロナ対応について総論パートで記載したような国が目指す方向性について、地方も気を引き締めて取り組むべきとの御指摘を踏まえ、修正されております。

続いて、61ページ以降の文教・科学技術の修正点です。

65ページ、7行目から9行目、横田委員と大槻委員の義務教育のICT化について、教員の時間的な余裕ができることにより、教員の在り方もセットで変わっていくことを明記すべきとの御指摘を踏まえ、追記されております。

71ページの8行目から9行目、宇南山委員の産学連携が進まない一つの理由は企業側に広くノウハウを展開されてしまう大学とは連携しにくいという側面がありますので、企業側のメリットについての記述もすべきではないかという御指摘を踏まえて、修正がなされております。

続いて、72ページ以降の社会資本整備の修正点です。

73ページ、23行目から25行目、平野委員からのコンパクト・プラス・ネットワークはコンパクトシティーとネットワークを複合した文言であるが、このうちコンパクトシティーについての記述がないので、人口減少下において、むしろコンパクトシティーの記述を書くべき、強調すべきとの御指摘を踏まえて、修正がなされております。

74ページ、26行目から27行目、平野委員の老朽化対策の際にはコンパクト化を念頭に置いて、無駄遣いは厳に回避すべきであることを追記すべきとの御指摘を踏まえ、修正されております。

78ページに参ります。18行目から23行目、そして79ページにも12行目から14行目、修正が加わっています。それから、注99もありますが、神津委員の地域公共交通機関衰退の原因は人口減少によることを明確にすべき等の御指摘を踏まえ、修正がなされております。

続きまして、82ページ以降の農林水産の修正点でございます。

82ページ、9行目から11行目、上村委員の日本農業の収益性、生産性向上をアウトカム指標とすることを明記すべきとの御指摘を踏まえ、修正されております。

上村委員、86ページの2行目でも、輸出5兆円目標の達成だけではなく、それとともに農業の収益性、生産性の向上に向けても重要であることを明記すべきとの御指摘がございました。これを踏まえて、修正がなされております。

続きまして、90ページ以降のエネルギー・環境の修正点です。

90ページから92ページにかけまして、平野委員、進藤委員、遠藤委員、佐藤委員のエネルギー、環境分野を取り巻く国際的な競争環境、革新的なイノベーションの重要性、導入支援における受益者負担の考え方に関する御指摘を踏まえまして、文章の構造を入れ替えるとともに、文言についても修正がなされております。

続きまして、93ページ以降の中小企業の修正点でございます。

93ページの16行目、94ページの1行目から2行目、神津委員の技術、能力を担う人材の雇用継続と人材育成が必要、それからITを使いこなす人材の確保、育成の費用を含めるべきとの御指摘を踏まえて追記がなされております。

注122、同じ93ページでございますが、佐藤委員の中小企業の支援につきまして手続のワンストップ化が進んでいないとの御指摘を踏まえ、追記がなされております。

続きまして、96ページ以降の外交関係の修正です。

96ページ、3行目から4行目、遠藤委員の一国主義・反グローバル化の傾向は新型コロナに伴って始まったわけではないとの御質疑を踏まえ、修正がなされております。

続きまして、100ページ以降の情報システムの修正点です。

101ページ、3行目でございます。神津委員のマイナンバー普及の重要性に関する御指摘を踏まえて、追記がなされております。

続きまして、102ページ以降の防衛の修正点でございます。

102ページ、25行目、遠藤委員のサイバー・宇宙・電磁波については機動的に予算をやりくりするのではなくて長期的に予算措置すべきとの御指摘の趣旨を踏まえまして、追記がなされております。

105ページの注129でございますが、平野委員の防衛産業再編による強靭化という問題意識を追記すべきとの御指摘を踏まえ、追記がなされております。

107ページ、8行目から9行目、富士の火力演習のところですが、末澤委員の新型コロナに触れていることも踏まえる旨の追記をすべきとの御指摘を踏まえて、追記がなされております。

なお、このほか、例えば1ページの21行目など、今回、説明を省略いたしました部分の修正がございます。これは、いずれも起草委員の先生方において御議論いただいた内容を踏まえて、修正を加えてございます。

また、本文に合わせまして、概要についても修正を加えてございます。

私のほうからの説明は以上です。

増田分科会長代理ありがとうございました。

それでは、ただいま説明をいたしました建議(案)について、いつもどおり委員の皆様方から御意見やコメントがあればお願います。テンプレートを立てていただければ御指名をいたします。テレビ会議の方は、いつもどおり挙手ボタンのクリックをお願いします。

御指摘ある場合は、見え消し版でも、溶け込みのクリーン版でもどちらでも結構ですが、恐らく見え消し版、今、説明した見え消し版のほうが行数まで数字で書いてあるので、指定したところが分かりやすいと思います。いずれにしても、どこの部分かということをおっしゃっていただいて、見え消し版とクリーン版、少しページがずれているので、できれば見え消し版のほうでお願いしたいと思います。

いつもどおり、これも恐縮ですが、発言される方の数にもよりますが、できる限り御発言は手短にお願いしたいと思います。

なお、今日、欠席でございますが、神津委員から意見書が提出をされておりますので、お目通しいただければと思います。

それでは、広瀬委員、お願いします。

広瀬委員ありがとうございます。

起草委員の先生方、本当にありがとうございました。

1点だけ、50ページの27行目でございます。雇用調整助成金については、いろいろな議論があったわけですが、実際、今、事業の存続、あるいは雇用の維持に頑張っている企業、特に中小企業にとっては大変大きな支えになっていることも事実であると思います。これから第3波が来て、恐らく経済を相当止めなくてはいけない中で、「縮減・廃止」という言葉だけを見ると相当ショッキングな向きもあるのではないか。一般論としてはもういいのですが、今、そういう状況の中で、少しちぐはぐな感じを受ける方もいらっしゃると思いますので、慎重な取扱いというか、特に誤解のないようにというか、世間に受け入れられるような発信の仕方をぜひよろしくお願いしたいと思います。

以上でございます。

増田分科会長代理ありがとうございました。

ほかには、いかがでございましょうか。それでは、次、宮島委員、お願いいたします。

宮島委員ありがとうございます。

大変なおまとめを、どうもありがとうございました。

私も、修文ではなくて発信というところですが、児童手当に関しましては、修文で取り上げていただいたとともに、今、議論されているのを、聞いているところでは、何とか配慮をして、今の施策を延長しないことで理解を得られる感じになるかとは思っております。ただ、これは明確に待機児童対策や子育て支援に使うというところを、よりはっきり示す必要があると思います。

コロナの中で、保育所に入れていても、医療関係者とかエッセンシャルワーカー以外は来ないでくれとなっている保育所も結構あります。やはりいざとなると、結局、子育ては助けてもらえないという気持ちになっている世帯も結構あります。もう子供の数は、今年、もしかしたら80万人を割るかもしれない、70万人台に入ってしまうかもしれないという状況の中で、きめ細かに子育て支援をして、やはり子供を産んでほしいと、みんなで支えますというようなことを、いろいろな形で強く打ち出してほしいと思います。

もう1つは、いろいろな政策がコロナの中であり、社会保障で修文があったのですが、やはり出口や状況変化に対する対応策というのは、どの政策に関してもしっかりと決めておいていただきたいと思います。

この建議とは少し離れているかもしれませんが、Go Toの政策は必要であると思います。ただ、どういう状況になるとか、はっきり決められない状態でスタートすると、結局、今、平均的、あるいはそんなに旅行に行けない人から見ると、非常に高いお金、旅行に行かせるお金を使った上に、キャンセルするとなると、そのキャンセルにお金を使う、逆向きの方向にお金を使うことになります。国民が、国って全然お金あるじゃん、自分たちが我慢する必要ないじゃんという気持ちになるのではないかと、とても不安に思っております。

もともとこれは、国民一人一人というよりは、旅行会社とか、交通の方々への支援という意味で目的ははっきりしているのですが、それがちゃんと伝わっているかどうかというところもあります。何よりも、では状況が変わったときには、どういうルールで、どのように変えていくかというところを、やはりできるだけ詳しく決めていかないと、最後のところというか、状況が変わったときのごたごたが国民の不信を招くこともあるとものすごく感じます。それだと、財政健全化しようという呼びかけは国民には響かないと思いますので、どの政策においても出口、状況変化に対する対応を用意するようお願いいたしたいと思います。

増田分科会長代理ありがとうございました。

末澤委員、どうぞお願いします。

末澤委員すみません。どうもお疲れさまでした。

今回の建議は、感染症で言えば1918年から21年にかけた、いわゆるスペイン風邪以来、世界経済の落ち込みという面で見ると、1929年から31年にかけた世界恐慌以来という中での建議ということで、恐らく、これは歴史に残ると思います。

私も本当に良い表現であると思うのですが、新型コロナ感染症拡大防止、経済再生、財政健全化の「三兎を追う」という表現がございます。但し、西洋のことわざでは「二兎を追う者は一兎をも得ず」と言いますので、後世に、さすが財務省、三兎を得た、全部捕まえて立派に解決したと言われるように、むしろ今後の不断の取組が重要であると思います。

以上でございます。

増田分科会長代理ありがとうございます。

ほかには、いかがでしょうか。御意見いただいたものを、大分丹念に起草委員の皆様方のほうで溶け込ませてというか、本文を修正していただいたこともあると思いますが、率直に申し上げますと、私が考えていたよりも御意見が少ないかと。

今、発信のほうの注意点というか、やはりそこは大変大事と思いますので、今日、この後も記者会見等もございますし、これからのこの建議の扱い、その点、十分に考えていかなければいけないと思っております。

それでは、そうした留意点も踏まえつつ、本文については特にほかに御意見ないようでございますので、ここまでとしたいと思います。

順番として、起草委員の皆様方から何かございますか。特によろしいですか。それでは、富田委員、どうぞお願いします。

冨田委員新年度の予算は、当初予算と補正予算が一体になった15か月予算と言われております。今回の建議は、私の気持ちとして、その両方に向けたもので、やはり補正予算も含めて、きちんとした規律が守られていくことが大事であるという、皆様の思いを込めたものになっていると思いますので、ぜひこの効果を期待したいと思います。

増田分科会長代理ありがとうございました。

それでは、起草委員の皆様、よろしゅうございますね。ありがとうございました。

ただいま御発言いただきました関係も修文には至らないようでございますので、建議の本文、それから概要版については、今、お配りしております案で確定としたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

それでは、最後になりますが、榊原会長から締めくくりで御発言、どうぞお願い申し上げます。

榊原分科会長榊原でございます。

委員の皆様におかれましては、これまで大変御熱心に御議論いただきまして、ありがとうございました。

また、建議を取りまとめていただいた起草委員の皆様方、大変御尽力いただきまして、重ねて感謝申し上げたいと思います。

今年は、新型コロナという未知の感染症に直面して、春の財政制度等審議会もなかなか開催できないという状況がございまして、建議を取りまとめることができない状況でした。ただ、第1次補正、第2次補正による新型コロナ対応の財政出動を受けまして、この7月に、建議ではなくて「会長談話」という形で意見を発出いたしました。今回の秋の財政制度等審議会におきましては、この会長談話の問題意識に沿った形で議論を深めていただいて、このたび建議として意見を取りまとめることができたと。今、お手元にありますように、大変しっかりとした建議ができたと思っております。

この建議のポイントでございますが、まず基本的な認識として、危機的な財政状況にある我が国は、感染拡大防止、経済回復、財政健全化というこの3つのウサギ、三兎を追うという大変厳しい戦いを強いられていると。ただいま末澤委員から、この3つを全て解決しなければいけないと。そういう心意気を持つことが必要であると思います。

新型コロナ対応では、感染状況、あるいは経済の動向も踏まえつつ、単なる給付金とか一律のつなぎ的措置から、ポストコロナを見据えた経済の構造変化への対応、あるいは生産性の向上に前向きに取り組む主体への支援、そうした日本経済の未来、成長力の強化につながるような方向に軸足を移していくべきであるということを指摘しています。

それから、日本企業の労働生産性、先進国の中でも非常に低い水準と、特にサービス産業は低いということが指摘されているわけですが、我が国の労働生産性を高めるためには、規制とか制度改革、あるいは企業慣行の見直しも必要であると。それに向けての財政支出が必要な場合には、選択と集中、そしてワイズスペンディング、これを徹底すべきであるということを指摘しております。

それから、社会保障制度の受益と負担のアンバランスの問題、国債発行を取り巻く現状、そして危機管理としての財政健全化の必要性ということを考えますと、やはり2025年度のPB黒字化の目標に向けては、これまでの歳出改革の取組を着実に進めていくと。2025年度PB黒字化の旗を下ろさずに、それに向けてしっかりと努力をしていく必要があるという基本的な考え方を盛り込みました。

令和3年度予算編成に向けてでございますが、歳出改革の方向性として、先ほどお話しいたしました日本企業の生産性の向上、人口減少、少子高齢化への対応、そして行政のデジタル化や連携と、この3つの観点を示したところでございます。こうした基本的な観点に沿って、社会保障をはじめとする各分野についても、密度の濃い議論をこの場でしていただきました。

新型コロナの感染が広がる中で、感染拡大防止、経済回復、財政健全化、この三兎を追うべきという今回の建議の内容については、国民各層から厳しいという御意見が出るかもしれません。その一方で、ウィズコロナ・ポストコロナに向けて既に経済社会が変化し始めている中で、やはり今、この時期に将来を見据えた議論をしっかりとしておく、これが必要であると考えます。

財政制度等審議会の使命として、国民の耳が痛いことでも、日本の将来のために必要なことはきちんと提言する、臆することなく言うべきことはきっちりと言って発信する、そうした姿勢を堅持することが重要であると思っております。そうした意味で、今回の建議は、日本の経済、財政が抱える構造的な課題にもしっかりと切り込みができたと考えております。今後のあるべき姿、道しるべを示すものになったと考えております。財務省におかれましては、この建議を踏まえた上で、しっかりと令和3年度予算に反映していただくようにお願いをしたいと思います。

この後、麻生大臣にこの建議書を手交することになっております。増田分科会長代理、そして委員の皆様を代表して起草委員の先生方にも御一緒いただいて、大臣に手交したいと考えております。この建議に示されたメッセージを、しっかりと大臣にもお伝えしたいと思っております。

私からは以上です。

増田分科会長代理会長、どうもありがとうございました。

以上で、本日の議題は終了といたしますが、今、会長から御挨拶ございました中にありましたとおり、国会日程次第ではありますが、この後、会長と、起草委員の皆様方、そして私とで、麻生大臣に建議をお渡しして、その後、会長と私で記者会見を行う運びとなっております。

それから、本日、お手元に配付しております資料ですが、右肩に「会議後要回収」と記載のある建議(案)と、その見え消しにつきましては、保秘の観点から会議後回収とさせていただきます。お持ち帰りにならないようにお願いいたします。

なお、この建議ですが、本日、事務局で印刷、製本の後、明日以降、速やかに皆様方のお手元に届くように送付をいたします。

次回は、年明けということになります。また事務局から連絡が参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。

本日は、これにて閉会をいたします。どうもありがとうございました。

午前10時35分閉会