このページの本文へ移動

財政制度分科会(平成30年4月25日開催)議事要旨

 財政制度等審議会 財政制度分科会
〔議事要旨〕

1.日時 平成30年4月25日(水)14:00~16:15

2.場所 財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

3.出席者

(委員)
遠藤典子、倉重篤郎、黒川行治、佐藤主光、武田洋子、竹中ナミ、土居丈朗、伊藤一郎、井堀利宏、宇南山卓、老川祥一、大槻奈那、葛西敬之、小林毅、進藤孝生、末澤豪謙、田近栄治、冨田俊基、神子田章博(敬称略)

(財務省)
岡本主計局長、茶谷主計局次長、大鹿主計局次長、神田主計局次長、青木主計局総務課長 他 

4.議題

○ 事務局説明 

  • 地方財政
  • 社会資本整備
  • 農林水産
  • 社会保障②

5.議事内容

○ 本日は、「地方財政」、「社会資本整備」、「農林水産」、「社会保障②」について、事務局から資料に基づいて説明があったのち、質疑を行った。
○ 各委員からの主な質疑や意見は以下のとおり。

【地方財政】

    • 広域化の推進が重要であり、上下水道等の共同運営を進めるべき。
    • 一般財源総額をコントロールし続けるのはいいと思うが、国による財源保障の範囲や地方単独事業を精査すべき。
    • 歳出特別枠を廃止したことについては高く評価する一方、枠計上経費についてはどこまで財源保障をすべきか不明瞭。地財計画で財源保障すべき範囲を徹底的に精査すべき。
    • 見える化と改革インセンティブ付けを進めていくことが地方財政の改善に資する。広域連携についても、得られた成果を明らかにして、横展開を進めていくことが重要。
    • 臨時財政対策債の残高を増やしながら基金残高も増加している地方団体の数が7割に上っているのは問題であり、情報開示を進める等の対策を講じることで改善すべき。

【社会資本整備】

    • 社会インフラは概成しつつあり、今後は、量の拡大よりも質の充実が重要。こうした観点から、防災・減災対策への重点化を図っていく必要。
    • 限られた予算の中で社会資本整備を進める上では、ストック効果の高い事業に重点化することと、整備の効率を上げていくことが重要。
    • 需給ギャップがマイナスであれば公共事業を増やせというが、プラスになった時に公共事業を減らせという声は起こらない。しかしながら、今のように需給ギャップが解消されている状況では、補正予算で公共事業を行う必要はない。
    • 整備新幹線に追加費用がかかっているのは、費用便益分析の徹底という観点から問題。コストが上振れしないように事業評価を行うとともに、コスト管理を厳格に行っていく必要。
    • 維持管理については予防保全が重要であり、そのためのデータベースの整理や新技術の導入が重要。短期的にはコストがかかるかもしれないが、長期的な観点から、コストの大幅削減にしっかりとつなげていくべき。

【農林水産】

    • 水田活用交付金が飼料用米への過剰な誘導を引き起こしている。国が定めた基本計画における飼料用米の生産努力目標(110万トン)を何が何でも達成する必要はあるのだろうか。
    • 飼料用米への偏りは、農業の成長産業化を抑制し、若者にとって魅力のある農業への障害となっている可能性。

【社会保障②】

    • 医療費について、後期高齢者の自己負担割合を2割にすべき。その場合は、激変緩和措置で段階的に自己負担割合を引き上げていくことも一案。
    • 「給付率自動調整」については、具体的なイメージをもたせるために制度設計を深めていく必要。例えば、完全に独立会計になっている後期高齢者医療制度だけに導入するのも一案。その上で現役世代の負担に限界がある中にあっては、後期高齢者の自己負担率を調整していくという案もある。
    • まずは後期高齢者の窓口負担の引上げを速やかに実施すべき。団塊世代が後期高齢者になり始める2022年度までに実現の目処をつけるべき。
    • 支え手の大幅な減少が見込まれる中、医療の給付率調整は必要。その際、75歳未満と比べて後期高齢者の医療費に10倍近くかかることや、支え手の数が大きく減少するといった客観的な事実を丁寧に説明し、国民的な議論を醸成していくべき。

(以上)