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財政制度分科会(平成30年4月11日開催)議事要旨

 財政制度等審議会 財政制度分科会
〔議事要旨〕

1.日時 平成30年4月11日(水)13:00~15:00

2.場所 財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

3.出席者

(委員)
赤井伸郎、遠藤典子、黒川行治、神津里季生、榊原定征、角和夫、武田洋子、竹中ナミ、土居丈朗、中空麻奈、永易克典、宮島香澄、秋池玲子、伊藤一郎、老川祥一、大槻奈那、岡本圀衞、葛西敬之、加藤久和、北尾早霧、末澤豪謙、十河ひろ美、田近栄治、田中弥生、冨田俊基、南場智子、神子田章博、宮武剛(敬称略)

(財務省)
茶谷主計局次長、大鹿主計局次長、青木主計局総務課長 他 

4.議題

○ 社会保障 

5.議事内容

○ 本日は、「社会保障」について、事務局から資料に基づいて説明があり、その後、質疑を行った。 ○ 各委員からの質疑や意見は以下のとおり。

【社会保障】

  • 医療についてはフリーアクセスの問題が特に大きく、これは過剰投薬等の問題にもつながりうるため、提供体制へのコントロールが重要。
  • 年金の支給開始年齢引上げについては、引上げ後の世代には受給期間が短くなるというデメリットがある。既に受給をはじめている世代との不公平を考えるべき。
  • 年金の所得代替率50%を確保していくには、支給開始年齢引上げの議論も必要。
  • 高所得の高齢者へ給付する基礎年金については、国庫負担分である半額を支給しない仕組みをぜひ導入すべき。
  • 奈良県では県内の保険料を統一するといった抑制策に取り組んでいるが、地域別診療報酬等による医療費の適正化を考えるにあたっては、こうした先進事例を横展開していくことが重要。
  • 自助・共助・公助の観点のうち、自助については、個人に対し、病気にかからずに健康を維持するようなインセンティブ付けを考える必要があり、これは民間企業が創意工夫すべき分野。
  • これまでの施策がどの程度利用され、効果が出ているかについて検証することも重要。
  • 高額な医療技術・医薬品について、財政再建の必要性を前提に考えると、どこまでの範囲を公的に担うべきか、線引きを改めて考えるべき。
  • 財政健全化には社会保障の抑制が鍵となる。人口動態を適切に見て、抑制していくべき。
  • この20年間の公債金残高の累増は、社会保障の伸びによるものが大きい。また、歳出の増加に対し税収の増加が追いついていないことが広く認識されていないことが問題。公費負担と言いながら、結局将来世代に負担を付け回している状況であり、現役世代の負担により制度を維持することが重要。
  • 社会保障改革の必要性を国民に理解してもらうことが必要。財政健全化の文脈だけでなく、同時に、経済の文脈でも、若者の将来不安等が経済に対し悪影響を与えていること、人生100年時代の中で、社会保障制度が高齢者にとっても重大な問題であることを理解してもらう必要。
  • 2022年、2025年という節目の年が迫っている。改革工程表にも記載のある、金融資産の保有状況を考慮した負担能力の判定のための基盤整備については、金融資産の捕捉のためにマイナンバーの在り方も含めて検討すべき。
  • 今後の費用増が懸念されている医療・介護については、持続可能性の危機にあるのは言うまでもない。消費税率の着実な引上げや、応能負担の徹底が不可欠。
  • ケアプランのチェックを通じて、「誰が、何回、どれだけ介護を受けているのか」をミクロデータとして分析することが重要。社会保障政策は実験できないので、そのインパクトを数値化することは非常に大切。
  • 病床の適正化にあたっては、いわゆる「7:1入院基本料」を算定する病床の適正化が重要だと言ってきたが、十分な効果が出ていないので、今後も強く主張していくべき。

(以上)