財政制度等審議会 財政制度分科会
〔議事要旨〕
-
1.日時令和7年2月13日(木)9:30~11:00
-
2.場所財務省第3特別会議室(本庁舎4階)
-
3.出席者
(委員)
増田寬也、大槻奈那、河村小百合、熊谷亮丸、佐藤主光、藤谷武史、宮島香澄、芳野友子、上村敏之、遠藤典子、小黒一正、木村旬、國部毅、権丈英子、末澤豪謙、滝澤美帆、田中里沙、中空麻奈、平野信行、広瀬道明、福田慎一、堀真奈美、神子田章博、吉川洋(敬称略)
(財務省)
横山副大臣、前田次長、中山次長、有利総務課長、片山調査課長他
4.議題
-
令和7年度予算等
5.議事内容
-
本日は、「令和7年度予算等」という議題のもと、事務局から資料に基づいて説明を行い、その後質疑を行った。
-
各委員からの質疑や意見は以下のとおり。
<委員からの御意見>
- 昨年秋の建議の内容が令和7年度予算に反映されていることを歓迎。与野党間で予算修正の議論がなされているところであるが、最終的に総花的な予算にならないよう、議論を注視していく必要がある。
- 令和7年度予算が過去最大の歳出規模となっていることを懸念。税収が上振れていることは明るい兆しであるが、それが過剰な歳出に繋がってはいけない。歳出効率化努力を地道に積み重ねていく必要がある。
- 「中長期の経済財政に関する試算」において、2025年度の国・地方のプライマリーバランス黒字化が達成できない見込みとなったことは、非常に残念。昨年の経済対策の影響が大きいとされているが、補正予算も当初予算も、規模ありきの予算とならないようにするべき。
- 「中長期の経済財政に関する試算」において、国・地方のプライマリーバランスは2026年度に黒字化する見込みだが、これは楽観的に捉えるべきではなく、また黒字化後の財政健全化目標や、増加し続けている債務残高の在り方についても議論していくべき。
- 「令和7年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算」でも示されているとおり、今後長期金利が上昇すれば、利払費も増加するため、プライマリーバランスに利払費を加えた財政収支にも着目する必要がある。また、今は国と地方を合わせたプライマリ―バランス及び債務残高対GDP比を財政健全化目標の対象としているが、国のみのプライマリ―バランスや債務残高対GDP比に着目することも重要である。
- 今後の財政健全化目標について、本年夏の骨太の方針に向けて、具体的な目標年次の明記や目標達成を担保する仕組みの構築、ペイアズユーゴー原則の導入などについて、本分科会も含め、しかるべき検討を行うべき。
- 国民に、財政の役割や現状が伝わっていないことは問題。国民の受益である社会保障などの行政サービスなどが、財政赤字の要因であることなどが分かるよう、国民に分かりやすく伝える取組が必要。
- 長期金利が上昇しており、日銀の政策金利や国際収支の動向にも変化が見られる。米欧の金利上昇や、フランス国債の格下げなど、諸外国の動きにも注目する必要がある。今後の財政健全化目標については、金利のある世界が本格化し、これまでとは違う局面であることを踏まえて検討すべき。有事に備えた財政余力の確保も重要。
- 需要ばかりに着目した政策が散見されるが、民需主導で、供給サイドの生産性を高める方向にシフトしていかないといけない。生産性の向上なしに賃上げは進まない。
- 高齢化が進展していく中、医療・介護を担う人材確保を着実に進める必要がある。医療・介護分野の処遇改善などをしっかり行うべき。
- 高額療養費制度について、保険適用外の医療制度や医療保険制度の在り方を真剣に議論していく必要がある。
- 災害時における女性や子どもの安全確保及び生活環境改善等のため、防災担当女性職員の増員や備蓄設備整備が必要。
- 国土強靱化について、インフラの弱点を見極め、優先順位を付けながら着実に進めるべき。
- 予算の繰越や不用が多い印象がある。メリハリある予算にするためにも、EBPMの取組として、施策のプラス効果と財政負担増などのマイナス面をしっかり示し、真に必要な施策に予算を配分していくことが必要。