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財政制度分科会(令和8年4月23日開催)議事要旨

財政制度等審議会 財政制度分科会
〔議事要旨〕

  • 1.日時令和8年4月23日(木)9:00~11:30

  • 2.場所財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

  • 3.出席者

    • (委員)

      増田寬也、大槻奈那、河村小百合、熊谷亮丸、小林慶一郎、佐藤主光、武田洋子、田中里沙、藤谷武史、宮島香澄、芳野友子、遠藤典子、小黒一正、木村旬、権丈英子、小林充佳、櫻井彩乃、佐野晋平、中空麻奈、平野信行、広瀬道明、福田慎一、堀真奈美、神子田章博、吉川洋(敬称略)

    • (財務省)

      中谷副大臣、三反園大臣政務官、宇波局長、中山次長、吉沢次長、一松次長

  • 4.

    • 人口減少社会の中での総合的な国力の強化(財政各論Ⅰ)
    • 租税特別措置・補助金・基金見直しの取組
  • 5.議事内容

    • 本日は、「人口減少社会の中での総合的な国力の強化(財政各論Ⅰ)」「租税特別措置・補助金・基金見直しの取組」という議題のもと、事務局から資料に基づいて説明を行い、その後質疑を行った。
    • 各委員からの質疑や意見は以下のとおり。

      「人口減少社会の中での総合的な国力の強化(財政各論Ⅰ)」

      【人口減少社会の中での総合的な国力の強化(総論)】

      • 人口減少社会においては、限られた資源を最適配分すべき。これまでの人口増加を前提とした資源分散・小規模なものから、資源を集約し効率的・実効的な構造に切り替えることを検討する必要。
      • 人口減少下で、労働生産性や潜在成長率を向上させるためには、資本投入量の増加は必要であるが、単に政府が財政支出の量を増やすだけでなく、質の向上も必要。また、財政支出だけでなく、構造改革や規制改革も必要。
    • 【財政資源の効率的な配分】

      <社会資本整備>

      • 人口減少下の社会資本整備・コンパクト化の推進については、選択と集中は不可欠な方向性。財政資源の効率的な配分という観点から政策転換の方向性として正しい。インフラのみならず医療や農業、教育等あらゆる観点から重要である。
      • 整備新幹線の貸付料については、特に次世代の国民負担をどう減らしていくかという観点が重要。適正な算定は進めてもらって結構。一方、事業者の経営努力を阻害しないという点には留意すべき。
    • <農林水産>

      • 農業人口の急減が見込まれており、各地域の土地利用のあり方を考える中で農地の集積・集約化を進め、大区画化や品種改良など、労働生産性と土地生産性の双方を向上させていくべき。
      • 米について、作付規模の拡大を目標に掲げ、引き続き、大規模化を進め、生産コストを着実に低減させていくべき。
    • <地方財政>

      • 東京都に税収が集中し、過剰な給付などが行われる中で、税源の偏在是正の取組を進めるべき。
      • 地方自治体業務の広域化・デジタル化による生産性向上が急務。
      • 人口減少が進む中で、都道府県を越えた事務を行う体制、基礎自治体の在り方の見直しについての検討も必要ではないか。行政の広域化を進めるためには、権限の整理が不可欠。
    • 【人材力・経済力の強化】

      <文教>

      • 2040年の就業構造等の長期推計に着目して、高等教育機関の規模適正化や理工系学部への重点化を進めていく必要。高等教育機関の再編のみならず、高等専門学校(高専)が果たすべき役割の重要性にも着目すべき。
      • 高等教育機関の規模適正化や理系学生数の確保に当たり、ジェンダーによる偏りの原因分析や学歴フィルター等の雇用慣行の見直しも同時に検討すべき。また、大学を18歳だけではなく社会人のリスキリングや留学生を含めた教育の場に位置づけていくべき。
      • 大学数・学部数の試算には意義がある。それを踏まえた具体的な対応については、大学の地域における役割等やその他の高等教育機関との役割分担等も踏まえつつ、撤退・再生戦略をよく考える必要。
      • AIの進化で求められる人材像が変わっており、高等教育の在り方自体を見直していくべきではないか。
    • <医療・介護>

      • 医学部の定員削減は、社会全体における希少な人材の最適配分の観点から喫緊の課題。人口当たり医師数と一人当たり医療費の間には正の相関があるとの実証分析もあり、医学部定員の削減は医療費適正化の観点からも重要な課題。
      • 医療・介護分野においては、サービスの質を維持しつつ、職員1人当たりでより多くの患者・利用者にサービスを提供できるよう、テクノロジーの導入や、協働化・大規模化等を通じた、生産性向上の取組を強化すべき。
      • 診療報酬は、現場での労働投入量の効率化と整合的な形に見直していくべき。病院と診療所の報酬体系を別建てとすることや、アウトカム重視の下、出来高払いから包括払いへの転換、配置基準の見直しや多職種連携を進めることが必要。
    • <成長戦略>

      • 企業支援は、「渡し切り」の補助金ではなく、資金回収も可能な金融支援を活用し、民間だけでリスクを取れない領域での出融資や保証を基本とすべき。また、DX・人的投資など、変化や成長に挑む企業に支援を重点化すべき。
      • 価格転嫁の徹底等に加え、生産性の高い企業・産業への人材の移動・集約や、成長やM&A等による企業規模拡大・再編を促し、中小企業の過度な「小規模・分散」構造を転換することで、限られた人的資源を有効活用すべき。
    • <農林水産>

      • 農業の輸出産業化が急務であり、産地を越えて、オールジャパンで戦略的な取組を進めるべき。
    • 【防衛力の強化】

      • 現在の地政学的環境を踏まえれば、総合的な防衛力強化は不可欠。金額ありきではなく、デュアルユース技術の重要性の高まりという大きなトレンドの中で、投資効率をどうすれば最適化できるかを官民で突き詰めて考える必要。
      • 経済・金融・財政の基盤強化、すなわちfiscal deterrence(フィスカル・ディタランス)という考えに賛同。国際秩序が変化する中、安全保障の観点を踏まえても、通貨・財政の信認が崩れてしまうと政策の実現性が揺らいでしまう認識を政府・国民で共有するべき。
    • 「租税特別措置・補助金・基金見直しの取組」

      • 基金に様々な問題が指摘される中、政府が新たな基金の造成を進める場合には、政府は、その必要性や妥当性を国民に丁寧に説明するとともに、見直しの結果については予算へ適切に反映していくべき。
      • 新たな財源の捻出に当たっては、個別事業の見直しだけでは限界がある。サンセット方式を原則とするなど、事業の継続には効果検証を要する仕組みや必要な検証体制を整備すべき。