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財政制度分科会(令和7年4月9日開催)議事要旨

財政制度等審議会財政制度分科会
〔議事要旨〕

  • 1.日時令和7年4月9日(水)14:00~16:00

  • 2.場所財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

  • 3.出席者

    • (委員)

      十倉雅和、増田寛也、秋池玲子、大槻奈那、河村小百合、熊谷亮丸、小林慶一郎、佐藤主光、武田洋子、田中里沙、土居丈朗、藤谷武史、宮島香澄、山口明夫、上村敏之、遠藤典子、小黒一正、木村旬、小林充佳、櫻井彩乃、佐野晋平、滝澤美帆、中空麻奈、平野信行、福田慎一、堀真奈美、神子田章博、横田響子、吉川洋(敬称略)

    • (財務省)

      東大臣政務官、新川事務次官、宇波主計局長、前田次長、中山次長、吉野次長、有利総務課長、片山調査課長、小田切公会計室長

  • 4.

    • 新任委員紹介
    • 分科会長互選、分科会長代理指名
    • 部会の構成及び部会長指名等
    • 分科会長挨拶
    • 令和7年度予算
    • 財政総論
    • 令和5年度国の財務書類
  • 5.議事内容

    • 本日は、前半では新任委員を紹介し、財政制度分科会長互選と分科会長代理指名などを行い、後半では「令和7年度予算」「財政総論」「令和5年度国の財務書類」という議題のもと事務局から資料に基づいて説明を行い、その後質疑を行った。
    • 各委員からの質疑や意見は以下のとおり。

      【財政総論】

      • 我が国は未曽有の人口減少に直面している。特に地域社会においてインフラの維持は困難になっていくが、少子高齢化も進み、働き手も減少する中、政府においては必要な支援と財政のバランスを重視すべき。
      • 若年女性からは、自分らしく働く環境整備が不十分である、との声が多く聞かれる。若年女性が地域を離れる要因は、人口減少と地方創生に密接につながる重要課題であるため、丁寧に見ていく必要がある。
      • 世界的に財政規律を緩める動きがあり、トランプ政権による相互関税の発動などを受けて、国内でも歳出拡大・減税圧力が高まっている。先行きが見通せない中で、今は正念場であるが、現下の日本の厳しい財政状況を踏まえても、中長期的な財政の持続可能性が損なわれないようにすべき。
      • トランプ政権による相互関税の発動に伴うショックへの対応については、リーマン・ショックやコロナ禍における対策を検証した上で、真に必要な対応に努めるべき。
      • 有事とそうでない場合の財政規律に関する考え方は、明確に区別すべき。有事の際には必要な財政出動をすべきだが、平時には有事に向けて財政の健全性を確保すべき。また、有事対応による財政状況の悪化にも対応できるよう、必要となる債務残高やプライマリーバランスの水準についても、民間試算のシミュレーション等を参考に検討していくべき。
      • 独立財政機関の設置、財政ルールの履行確保メカニズムなど、財政健全化の取組の実効性を高める制度についても、海外の事例等を参考に検討していくべき。
      • プライマリーバランス黒字化は、あくまで財政健全化に向けた一里塚である。プライマリーバランス黒字化という財政健全化目標は今年度も維持しつつ、2026年度以降の財政健全化目標のあり方についても、財審において議論すべき。
      • 財務省に対して様々な批判が向けられるなど、国内の不満が高まっている。議論が偏っている面もあるが、聞くべき声は聞く必要がある。特に若い世代に向けた情報発信が不十分である中、YouTubeやSNSも活用し、財政健全化の重要性をわかりやすく発信することで、国民一人一人が自分事として考えられるような形をつくっていくことが重要。
      • デジタル化などにより財政状況の見える化を徹底し、EBPMの取組を通じて、国民への適切な情報発信に努めるべき。
    • 【令和5年度国の財務書類】

      • 予算だけでは必ずしも捉えきれない国の財政状況の全体像について、ダッシュボードなどを活用し、わかりやすく整理している。こうした国民目線に立ったわかりやすいツールは、積極的に周知すべき。