財政制度等審議会 財政制度分科会
〔議事要旨〕
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1.日時令和6年10月28日(月)14:00~15:40
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2.場所財務省第3特別会議室(本庁舎4階)
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3.出席者
(委員)
土居丈朗、河村小百合、熊谷亮丸、佐藤主光、武田洋子、上村敏之、遠藤典子、小黒一正、木村旬、末澤豪謙、滝澤美帆、田中里沙、
中空麻奈、広瀬道明、福田慎一、堀真奈美、神子田章博、村岡彰敏、横田響子、吉川洋、大槻奈那、芳野友子、平野信行(敬称略)(財務省)
進藤大臣政務官、前田次長、中山次長、吉野次長他
4.議題
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防衛
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社会資本整備
5.議事内容
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本日は、「防衛」及び「社会資本整備」について事務局から資料に基づいて説明を行い、その後質疑を行った。
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各委員からの質疑や意見は以下のとおり。
【防衛】
- 厳しい安全保障環境の中で防衛力を強化していくことは必要だが、新しい戦略や技術の変化を踏まえつつ、中長期的な必要性も踏まえた予算のメリハリ付けを強化すべき。
- 防衛に関する具体的な支出内容については透明性が低く、ガバナンスが効いていないことが課題であり、最適化を進めるためにはチェック機能の強化などに取り組むべき。
- 有事における持続的な対応能力といった観点からも、財政余力の確保の重要性が増しており、財政の健全化は日本の抑止力につながるものである。
- 装備品の運用の観点からも自衛官の確保は重要であり、自衛官の再就職環境の整備や、他産業と比較した自衛隊の魅力向上を進めるべき。
- 生成AIやロボティクス技術の活用による省人化・無人化や、技能のある高齢人材の活用、定年の延長など、人口減少の中でも自衛隊機能の維持・強化を図るべき。
- 自衛官という職業の魅力向上の観点からもハラスメントの防止などについて取り組むべき。
- 日本の防衛産業の高コスト・低生産性は、対象市場が国内に限定かつ少量多種であることに加え、市場参加者の統合が進んでいないことが要因。
- 日本の装備品はハイスペックかつ独自仕様で汎用性に乏しいと言われる中、防衛産業育成のうえで何をもって市場拡大していくのか、国としても戦略的にマーケティングを考えるべき。
- サプライチェーンの維持強化のため、完成品メーカーのみならず、部品メーカー間の垂直統合、水平統合も視野にいれるべき。
- 技術開発にあたって、軍事と民生がバラバラで開発されるのは非効率であり、デュアルユースを推進していくことが重要。
【社会資本整備】
- これまでの国土強靱化の取組の成果と課題について、しっかり検証し、優先順位付け等、次に策定する実施中期計画に反映することが必要。
- 国土強靱化の議論をするには、人口動態を含む経済社会動向を踏まえた大局的なグランドデザインを描いた上で、事前防災計画の推進や規制等によるインセンティブ付け等のソフト対策も含め、効果的で必要な取組を議論することが必要。
- 強靱化の費用対効果を高め、地方経済の活力を高めるためには、コンパクト化が不可欠だが、各自治体において立地適正化計画の策定・見直しが十分にされていない。諸外国の事例も踏まえつつ、土地利用規制の厳格化などの手法に更に取り組むべき。
- 他方、地方の切り捨てにならないように留意しながら、縦割りを排除し、地域のまちづくりや産業構造等も踏まえつつ、民間活力の活用などの工夫に取り組むことも必要。
- 都心部の市街地再開発事業や、新築住宅取得支援、費用対効果の低い道路事業などは、国土強靱化の優先順位付けに際し、緊急性等の観点からよく議論する必要。
- 南海トラフ、首都直下の地震等の際には、非常に大きな財政支出を余儀なくされると見込まれるため、平時においては、可能な限り財政余力を蓄えておくことが必要。
- 整備新幹線の着工の判断に際しては、様々な課題やリスクを含め、包括的な視点で十分に検討・評価を行うことが必要。