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財政制度分科会(令和6年4月4日開催)議事要旨

財政制度等審議会 財政制度分科会
〔議事要旨〕

  • 1.日時令和6年4月4日(木)14:00~16:15

  • 2.場所財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

  • 3.出席者

    (委員)

    十倉雅和、増田寬也、大槻奈那、河村小百合、熊谷亮丸、小林慶一郎、佐藤主光、武田洋子、土居丈朗、藤谷武史、宮島香澄、芳野友子、上村敏之、遠藤典子、小黒一正、木村旬、國部毅、権丈英子、末澤豪謙、角和夫、滝澤美帆、田中里沙、中空麻奈、平野信行、堀真奈美、神子田章博、横田響子、吉川洋(敬称略)

    (財務省)

    矢倉副大臣、瀬戸大臣政務官、進藤大臣政務官、新川主計局長、寺岡次長、前田次長、吉野次長、大沢総務課長他

4.

    • 海外調査報告

    • 財政総論

    • 令和4年度国の財務書類(連結)について

5.議事内容

    • 本日は、「海外調査報告」について委員から資料に基づいて説明があり、続いて「財政総論」「令和4年度国の財務書類(連結)について」という議題のもと、事務局から資料に基づいて説明を行い、その後質疑を行った。

    • 各委員からの質疑や意見は以下のとおり。

<委員からの御意見>

【海外調査報告】

  • 欧米においては、コロナ禍からの平時化に際し、コロナ対策実施時に予め期限を設定していたことや、財政規律の枠組みの見直し、独立財政機関による客観的な分析などが効果を発揮した。

  • 欧州では、金利上昇等による利払費拡大で財政が逼迫する中、財政規律にのっとった財政運営の取組が進められている点や、ドイツにおいて、平時に財政の健全化をいち早く取り戻し、財政バッファーを再構築するための取組が行われている点などは、我が国にとっても参考になる。

  • 米国では、コロナ対策が決められた期限のとおりに終了することが前提となっている点が歳出構造の平時化において機能した。このような期限の設定と遵守は政策実施において重要。


【財政総論、令和4年度国の財務書類(連結)について】

  • 2025年のPB黒字化目標を堅持することが重要だが、その上でPB黒字を長期に維持することが重要。現状の金利と成長率との差に依存せず、金利のある世界で債務残高対GDP比を長期に安定的に引き下げていくためには、PB黒字の継続的な維持、財政収支赤字の継続的な縮減などに取り組むことが重要。

  • 利払費の増加が財政収支の悪化につながり、民間の資金調達に影響を与える可能性がある。財政が経済の足を引っ張ることを避ける必要。

  • 更なる歳出の平時化に取り組む必要。補正予算の規模をコロナ禍以前に戻し、歳出改革の取組を行うことが重要。PB黒字化が視野に入ってもなお、歳出改革努力を行い、規律ある目安を定めて継続し、PB黒字幅を継続して確保することが必要。

  • 歳出の見直しにおいては、EBPMを活用する等により、中長期の成長に資する歳出の質的な改革も必要。単に財政破綻しなければいいということではなく、強い経済の中でも持続可能な財政を維持することが重要で、強靱な財政を構築すべき。

  • 有事が起こった際の財政余力の確保が重要。債務残高対GDP比が高い状況下、有事の際に市場の信認を確保し十分な財政支出を行えるよう、フロー・ストック両面で財政健全化の取組を進め、財政の強靱化を図ることで、リスクマネジメントを行う必要。

  • 社会保障など中長期的な視点での財政健全化の必要性についても、継続的に発信し続ける必要。

  • 国債の格下げや金利の上昇、有事への備えは、それぞれに対して対応を考えるだけではなく、複合的に起こる可能性があることに留意する必要。

  • 財政状況を分かりやすく伝えるなど、透明化に向けた取組が重要。財政健全化は将来世代のためになることにもかかわらず、若年層にその重要性が伝わっていないことに難しさを感じる。SNSなどあらゆる手段を使って伝えていく必要。国の財務書類などは有益な資料であり、しっかりと国民に伝えていく必要。

  • フューチャーデザインの取組について、ポータルサイトの作成など進展が見られて大変良い。今後もこうした取組を進めるべき。