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財政制度分科会(令和5年10月19日開催)議事要旨

財政制度等審議会 財政制度分科会
〔議事要旨〕

  • 1.日時令和5年10月19日(木)14:00~16:00

  • 2.場所財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

  • 3.出席者

    (委員)

    増田寬也、秋池玲子、大槻奈那、河村小百合、熊谷亮丸、小林慶一郎、佐藤主光、武田洋子、土居丈朗、宮島香澄、上村敏之、小黒一正、木村旬、末澤豪謙、田中里沙、中空麻奈、平野信行、広瀬道明、福田慎一、堀真奈美、神子田章博、横田響子、吉川洋(敬称略)

    (財務省)

    神田副大臣、矢倉副大臣、瀬戸大臣政務官、佐藤大臣政務官、寺岡次長、前田次長、大沢総務課長他

4.

    • 社会資本整備

    • 農林水産

5.議事内容

    • 本日は、「社会資本整備」「農林水産」という議題のもと、審議を行った。

    • 各委員からの質疑や意見は以下のとおり。

【社会資本整備】

<委員からの御意見>

  • 人口減少が今後進んでいく中で、インフラ投資が、費用対効果を出しているのかをよく見ていく必要。B/Cの分析にあたっては、人口減少が進むことなどをよく考慮していく必要。

  • インフラ整備により、将来の維持・メンテナンス費用がかかることも念頭に置きながら必要性を検討する必要。

  • 国土強靱化対策については、ハード対策ばかりでなく、ソフト対策を組み合わせていくことが大事。これらの組み合わせで、大雨の被害も相当程度減るなど成果が出てきたことも踏まえながら、今後の対応を考えていく必要。

  • 人口減少や災害対応の観点から、コンパクトシティを進めることが大事。都市計画をしっかり考えるとともに、縦割りを超えて、国の在り方全体を見据えた国土形成の観点が必要。また、地域・自治体の境界線を越えて、社会資本整備の在り方を考えていく必要。

  • 人口密度が低ければ生産性が低い傾向があるので、人口減少が進む中で、都市部の人口密度をどう維持していくのかの観点が必要。

  • コンパクト化を進めつつ、東京一極集中のリスクも回避しながら、住民の快適性・利便性を高めるようなまちづくりを進めるべき。

  • 災害リスクエリアになるべく新規に人が住まないようにする必要。災害リスクエリアにおける居住を促さないような立地規制の強化、さらには補助金によるインセンティブの見直しや要件の厳格化など、さらに踏み込んだ対応も考えていく必要。

  • 建設業の人手不足が進み、2024年問題も迫る中で、問題は深刻な状況。人材育成を進めつつも、公共事業は優先順位をつけて必要不可欠なものに限定していく必要。また、こうした中で公共投資を増やすことは民間投資を抑制する可能性もあることも考慮する必要。こうした点を踏まえながら公共投資の規模を検討すべき。

  • 地域公共交通については、人口減少の中で次世代に公共交通をどう維持していくかを、規制の改革なども含め、地域自身が主体性を持ってよく考えていく必要。

  • 土地利用規制と組み合わせた治水対策などを優先的に進めることにより、より効率的で効果の高い対策を進めることも重要。

【農林水産】

<委員からの御意見>

  • 今般の食料・農業・農村基本法の見直しを機に、農業のグランドデザインをしっかり議論する必要。

  • 国際情勢や人口減少などを踏まえ、サプライチェーン全体や輸入・備蓄とのバランスなどを考慮しながら、日本が将来目指すべきグランドデザインを描くべき。その際には市場メカニズムをどのように発揮させていくかといった議論も必要。

  • 若者の新規参入や国際競争力の強化のために、産業として魅力ある分野にすることをしっかり考えていく必要。

  • 農業の生産性向上は必須であり、法人形態の増加、スマート農業の活用などにより、その規模拡大を支援していくことが重要。支援にあたっては、農業ベンチャーの活用が考えられる。また農業法人への就職を促す観点から、他業種並の労働条件の整備を進めていく必要。

  • 水活交付金について、小麦・大豆の生産が水田に偏重していることから全体として生産性が低いという問題に対し、水田の畑地化に踏み切ったところに支援を重点化するなどの見直しが必要。

  • セーフティネット施策について、収入保険と農業共済、他の価格補填制度に重複が見られること、また、現状では制度が選択制にもかかわらず、収入保険創設以降、財政負担が急激に増加していることから、収入保険への一本化を検討するとともに、各種制度の検証、特に、農業者の積み立ての3倍を国が保険金として負担する収入保険の特約補填金方式の見直しを早期に検討する必要。

  • 国民への説明を果たすためにもデータを検証することが必要。保険方式への一本化などを進めていただきたい。

  • 生産基盤の強化について、株式会社の農業参入はもとより、農地の集積・集約をより一層進めていくべき。