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財政制度分科会(令和5年9月27日開催)議事要旨

財政制度等審議会 財政制度分科会
〔議事要旨〕

  • 1.日時令和5年9月27日(水)9:00~11:05

  • 2.場所財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

  • 3.出席者

    (委員)

    十倉雅和、増田寬也、秋池玲子、河村小百合、熊谷亮丸、小林慶一郎、佐藤主光、武田洋子、土居丈朗、藤谷武史、宮島香澄、安永竜夫、芳野友子、上村敏之、遠藤典子、小黒一正、木村旬、國部毅、権丈英子、末澤豪謙、滝澤美帆、伊達美和子、田中里沙、中空麻奈、平野信行、広瀬道明、福田慎一、堀真奈美、神子田章博、村岡彰敏、横田響子、吉川洋(敬称略)

    (財務省)

    鈴木大臣、神田副大臣、矢倉副大臣、瀬戸大臣政務官、佐藤大臣政務官、茶谷事務次官、新川主計局長、寺岡次長、前田次長、吉野次長、大沢総務課長、横山調査課

4.

    • 財政総論

5.議事内容

    • 本日は、「財政総論」という議題のもと、審議を行った。

    • 各委員からの質疑や意見は以下のとおり。

【財政総論】

<委員からの御意見>

  • 経済活動が平常化しつつあり、物価高や金利の上昇など、これまでと構造的に違う経済財政の動きが見られる中、歳出構造を平時化するとともに、金利上昇を意識した、今までと違う経済財政運営が必要。

  • 生産性の高い分野に重点化した成長戦略を実施するとともに、国民の将来不安を減らし、規制改革と併せて政策を実施し、持続的な賃金上昇につながる成長と分配の好循環につなげていく必要。

  • 物価上昇、金利上昇がみられる中、世界から中長期的に日本の財政は持続可能だという信任を確保しておく必要。

  • 経済対策の指示が出されているが、過度な財政支出は物価高をもたらし得る。需給ギャップや物価動向を踏まえ、規模ありきの政策でなく、喫緊性や生産性の高い分野などに絞った対策とすべき。

  • EBPMなどを活用し、コロナ期の対応を含め、政策の成果をきちんと評価・公表し、それを次の政策に活かす取組が必要。

  • 将来の社会保険料率も上昇が見込まれる。子育てを担う現役世代の負担を抑制するため、医療介護についても、年金のマクロスライド的な仕組みの導入や、全体の社会保険料率に上限を定めることも検討すべき。

  • 歳出改革について、医療・介護の過剰な支出を削減すべき。収入面においても、高齢者の窓口負担の検証、資産と所得を把握して、応能負担を求めるべき。高額な医薬品も出てきている中、メリハリづけが重要。

  • 年々増える社会保険料負担が現役世代の手取りを縮小させている。こども未来戦略方針にも記載されている通り、現役世代に配慮し、実質的な負担増とならないように社会保障の給付の抑制に努めていく必要がある。これは成長と分配の好循環にもつながるもの。

  • こども・子育て支援の財源について、実質的に追加負担を生じさせないということが負担のない給付があると伝わることは避けるべき。皆で子育てを支えるということが、浸透していない。今回の改革の狙いについて、国民によく説明をする必要。

  • 今年の予算編成はトリプル改定がある中で、全世代型社会保障改革の実現に向けた岸田政権の本気度が試されている。保険料の増加は現役世代の負担増につながる。事業主負担も上がると賃上げ原資がなくなってしまう。

  • 医療・介護について、報酬がきちんと分配されているか、厳しい方もいるが、一部の方が高給を取っているのではないかという点も含めてよく検証する必要。病院・診療所などもよく分けて分析し、単に物価増に基づいて報酬を引き上げることは避けるべき。

  • 医療・介護の報酬改定は1%の上昇で3,000億円の保険料負担増となる。高齢化で不可避的に供給量が増加する中で、政策的に決定される改定率についてはデータに基づいて必要な水準をよく考える必要がある。雇用者報酬より給付が伸びるのはサステナブルではない。

  • 医療費の1受診当たりの単価が上昇する中で、コストの一部である医療従事者の賃上げは十分可能であると考える。今後公表される利益率を見て、必要であれば適正な水準に単価を下げることも視野に入れるべき。

  • 単価増が起きている中で、更に改定率をプラスとすることは、保険料引き上げ・手取り減となり、政府が進める物価高対策とも矛盾する。

  • 医療機関の経営データの見える化を進めるべき。医療経済実態調査はサンプル調査になっているが、情報開示を義務化し、さらに他の病床機能報告などのデータと紐づけできるようにすべき。

  • 介護の処遇改善加算により、加算対象以外の方の賃上げできたことは好ましい。更なる見える化・経営の協働化・合理化が必要。リテラシーも含めてICT導入を進めるべき。