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財政制度分科会(令和4年4月13日開催)議事要旨

財政制度等審議会 財政制度分科会
〔議事要旨〕

  • 1.日時令和4年4月13日(水)15:00~17:10

  • 2.場所財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

  • 3.出席者

    (委員)

    増田寛也、赤井伸郎、遠藤典子、大槻奈那、佐藤主光、武田洋子、土居丈朗、中空麻奈、南場智子、藤谷武史、宮島香澄、芳野友子、秋池玲子、上村敏之、宇南山卓、河村小百合、喜多恒雄、木村旬、熊谷亮丸、小林慶一郎、小林毅、末澤豪謙、角和夫、竹中ナミ、田近栄治、田中里沙、平野信行、広瀬道明、福田慎一、堀真奈美、神子田章博、村岡彰敏、横田響子、吉川洋(敬称略)

    (財務省)

    高村大臣政務官、奥次長、阿久澤次長、八幡総務課

4.

    • 事務局説明

  • 社会保障等について

5.議事内容

    • 本日は、「社会保障等について」という議題のもと、審議を行った。

    • 各委員からの質疑や意見は以下のとおり。

【社会保障について】

<委員からの御意見>

  • コロナ対策について、変異株への置き換わりで世界全体の感染者数は減っていく見通し。その意味では、ようやく検証のタイミングが来た。今回、財政支出が本当にワイズスペンディングされたか、ワイズスペンディングだったか次の危機のためにも早急に検証すべき。

  • 医療機関の経営実態を踏まえて、減収補填を補助金で積極的にする必要はない。今あるやり方で検討すべき。

  • 新型コロナ対応の包括的な検証を行い、次に生かすこと、速やかに改革につなげることが重要。データの見える化や、地域医療構想を進めてほしい。

  • コロナの医療対策について、国民の生命を守る費用は惜しむべきではないが、支出に見合った効果があったのかは検証する必要。資料で示されているように病院の経営の黒字がこれだけ大きいと、国費が感染対策のために効率的に使われたかは疑問。検証と改革、見える化が必要。

  • ワクチンの確保に2.4兆円使われているとあるが、2年前の補正等ではワクチン開発のために1.2兆円確保していた。しかし、2年経過してもなお、国内ワクチン開発は進まず輸入に頼っている。エビデンスベースドという観点から考えても、「なぜできなかったのか」政府として検証すべき。

  • ワクチンの接種体制について、必ずしも医師・看護士でなくても打てるし、1回当たりのコストが高いので、継続性や今後新しい感染症が起きた時のことも踏まえてタスクシフトという観点が必要。

  • 雇用調整助成金の正常化の必要性を申し上げたい。日本が、なぜ財政再建が進まず、経済が停滞してきたのか。現状維持バイアスが非常に強く働くことによって、成長分野に人や資金が適材適所に動き、産業の新陳代謝や失業なき労働移動が進むことが日本経済再生の最大の鍵であると考える。雇調金は、現状の産業構造を固定化する面があるので、コロナの情勢をしっかり見極めながら、徐々に雇調金の正常化を図ることが必要である。

  • 雇用調整助成金について、特例からの脱却が必要。例えば、労働移動を促せるような仕組みとして入れている在籍型出向プランも特例措置の延長が続いていて活用状況は芳しくない。労働の流動性を高めるような施策へとそろそろシフトを本格化すべき。

  • 雇用調整助成金について、コロナ禍は産業構造を大きく変えるチャンスであるのだから、労働移動を後押しできるように早めに切り上げていくべき。

  • コロナ対策について、コロナの影響で経済構造が恒久的に変化してしまい、コロナ前のようには飲食店や航空業界に客が完全に戻ってこないので、ビジネスモデルを変える必要がある。既存企業の雇用を維持するような雇用調助成金ではなく、労働移動を促すような、少なくとも労働移動に中立的であるような雇用対策をすべき。失業して別の企業に移る人に対する支援やリスキングの支援を更に充実させるべき。

  • 雇用保険について、コロナ禍で休業が長期化することによって、雇用調整助成金で失業給付が抑えられたことは事実だが、こうした対応には一般会計からの繰入れがなされている。今後、一般会計の繰入れを考える上では、雇用調整助成金と失業給付の役割の再整理をすべきであり、安易に繰入れを考えるべきではない。

  • 社会保障を誰が負担するのか決めないまま、ばらまくようなことが起こらないようにすべき。

  • 全世代型社会保障について、「将来世代も組み入れたうえで」と書かれていて賛成。是非その先の議論を進めてほしい。

  • 社会保障の持続可能性について、受益と負担の構造が2060年まで掲載されているが、今後の人口構造の在り方などを考えると、将来の社会保障の目指すべき姿を描き、財源の在り方も含めて改革工程表を作る必要があるのではないか。

  • 医療分野等における社会保障給付費の規律の必要性について、是非実現していただきたいと思う。社会保障の基本は、「入るを量りていずるを制す」。給付費そのものに関する規律も必要。

  • 医療分野における社会保障給付費の規律の必要性について、日本は今後、後期高齢者が増えるから、医療費は上がり、公費負担が増える、という話が当たり前のように考えられているが、果たしてそうだろうか。例えば入院医療費について2008年と2018年を比べると、一人当たり入院日数は減っている。したがって、入院医療費総額も上がらない。問題は、一人当たりの入院費をどうコントロールするかである。外来医療費についても同様である。つまり、一人当たり1日あたりの入院医療費が上がったことが問題ということ。これをどう抑えるか、という議論をさらに膨らませて欲しい。外来医療についても同様。

  • 医療提供体制について、中小病院の大病院への集約と、かかりつけ医制度の組み合わせが今後の肝であり、いかに実現するかが重要。医療給付費総枠に上限を設ける方式も正しいと思うが、地域医療構想の進捗状況等を鑑みるに、自発的に制度や仕組みの改正が進んでいないことがコロナ禍ではっきりしてきた。国や地方の強制力も含めたトップマネジメントが大切

  • 地域医療連携推進法人はコロナでも、人材情報共有の面で有効に機能したので、是非進めてほしい。しかし、地域医療連携に関する基金が、地域によっては有効活用されていないので、検証が必要。

  • 有事と平時という言葉の定義について、曖昧なところを残すことがないよう、言葉遣いを見直すべき。

  • 医療について、かかりつけ医の選択的登録制も大事であるし、リフィル処方箋については実効性を担保することが必要。しかし、「2年経過してから検証」ではなく、各種データを用いて月次でスピーディーに検証することが必要。

  • リフィル処方箋について、医療費約470億円の節減効果があるとのことだが、これはメタボ健診による医療費適正化効果200億円をはるかに上回るものである。同時に、これは医療の質の向上にもつながる。患者の通院には、肉体的、経済的負担に加え、泌尿器科や婦人科への受診などの精神的負担もある。通院負担の軽減は、多忙な現役世代にとっても意義があり、全世代型社会保障の考え方にもつながる。また、医師にとっても、本当に診療が必要な方に時間がとれるようになると思うので、医療の質の向上にも期待したい。リフィル処方箋の制度を育て、当たり前の光景にしなくてはならないと考えている。

  • リフィル処方に関して、画期的だが、今までの体制に慣れている人には抵抗も多いと思うので、フォローアップをお願いしたい。

  • リフィル処方箋は、医療現場の中でのタスクシフトにも資するものだと思う。医師の役割は処方箋を書くことではなく診察・治療することであり、本来対人業務を重視できる薬剤師が処方箋に当たるという形でのタスクシフトの中に位置付けていく必要がある。しかしながら、現場が消極的であり、このボトルネックは出来高払いの診療報酬体系にあるのではないかと思う。

  • コロナ禍でがん検診の受診者が減ったと聞く。今後数年以内にがん診療者が増える可能性がありフォローアップすべき。高額医療や難病に対しては、非常に多くの医療費が投下されているが、病気を守るための対策については、後遅れになっているのではないか。

  • 特定健診の効果検証について200億円しかなかったと紹介されていたが、予防医療は実際のところどのような効果があるのかつかみにくい節があるところ、こうした検証で費用対効果を明らかにしていくことは重要。

  • 足もとでは、がん検診が減っているとの報道が出ているが、これが数年以内にどのような結果をもたらすのかは、予防医療の効果を測るうえで重要。もしかすると、それほど増えないかもしれない。今後、こうしたエビデンスベースドな費用対効果の検証を続けてほしい。

  • 将来にわたり医療、介護・障害福祉、保育を利用できるようにするため、処遇改善を続け、人材確保につなげていくことが必要。

  • コロナワクチンについて1回あたり3,700円というのは、海外からは驚かれるのではないか。タスクシフトは重要なことであり、医者でなくてもできたのではないかと思う。通常の医療においても、医師だけでなく、看護師や技師も含めてチーム医療が発揮されていない。

  • 医療のDX化、デジタル化が重要。医療従事者の働き方改革の観点からも、デジタル化による業務効率化について強調されるとよい。

  • 介護については、介護事業者の大規模化や連携も重要であるが、もう一つ、デジタル化が重要。これに当たっては実施主体である市町村のイニシアチブが必要。しかし、現状デジタル化に後ろ向きな自治体が多いように感じられるので、自治体のお尻をたたくことは必要。

  • 全国の自治体が子供向け医療費助成を行っているが、コロナ禍で小児の医療受診行動が落ちている。医療費助成がどのようなどういった結果を生んだのか、検証すべき。

  • 介護について、第9期介護保険事業計画策定に向け、今年末までこれから本格的な議論が進んでいくと認識しているが、ケアマネジメントの利用者負担導入は行うべき。介護事業者の大規模化も待ったなしであり、小規模事業所減算もあっていいのではと思う。地域支援事業は、総合事業への移行も重要だが、伸び率管理を是非徹底してほしい。

  • パンデミックで少子化が世界的に進行。社会保障の持続可能性にとって大きな問題。子ども家庭庁の創設のなか、次元の異なる対策が必要。

  • 子ども・子育てについて、希望する全ての人が子どもを産み育てやすい環境整備が必要。特に、仕事と育児の両立に保育サービスは欠かせない。病児・病後児保育体制も早急な整備が必要。保護者が安心して子どもを預けられるよう、保育の質の向上のための0.3兆円を確保して職員の配置基準の見直しが必要。こども家庭庁設置法案が提出されているが、子供・子育ての財源確保の議論は十分でない。国民負担率が上昇している状況を踏まえ、社会保障全体の財源確保について、国民の意見を反映した見直しが必要。

  • 子ども・子育て支援について、人口問題でいえば、大都市に人口が集中し、地方の方が子どもを育てやすい、東京は保育園に入りづらいということがある。今、必要な給付も大事だが、将来にわたって、地方にもっと人を誘導する政策を行うことも重要な視点。

  • 子育てについて、応能負担やEBPMに基づくワイズスペンディングを追求していくべきであるということは当然であるが、単に社会保障というよりは、少子化問題・人口問題として捉えるべき。我が国の社会保障の持続可能性のみならず、国力の維持という観点でも、有効な施策が必要。育児休業給付金は受給対象を広げ、ユニバーサルなものにして出生率を向上させるべき。財源とあわせて本格的に議論を開始すべき。

  • 育児休業給付金について、広く非正規雇用の支援をお願いしたい。こども家庭庁では養育費を得られないという問題などについても取り組んでいるようだが、貧困の連鎖につながらないようにお願いしたい。

  • 子育て支援について、児童手当の所得制限を「主たる生計者」の所得のみで判定するのは限界だと思う。世帯合算で見ていくべき。

  • 児童手当の所得制限に関して、世帯合算での判定はぜひ進めてほしい。

【地方財政について】

<委員からの御意見>

  • 一般財源総額実質同水準ルールについて、地方の行政は、データの利活用、デジタル化によって、もっと効率化できるはず。この目標(ルール)自体、更に切り込んでいく必要があるのではないか。その場合に、マイナンバーが給付だけではなく、徴税の効率化という意味で一つの決め手になると思う。

  • 地方公務員の退職手当に関して、将来世代への負担の先送りにならないよう、退職手当債に安易に頼らないようにすべき。

  • 基金残高の変化にも現れているとおり、ほぼ全ての自治体で基金残高は増えており、この背景にはコロナ禍での臨時交付金があると考えられる。「地方自治体の業務は大変だ」という議論は多いが、それと「お金が足りない」というのは区別すべき。今回きちんと分析すれば、今後緊急時に、地方に向けてどのような資金を、どのぐらい手当てするのが効率的なのかを考えることもできる。

  • 金が足りないとよく言われるが、地方にないのは、むしろ「人」。人材が不十分であることを前提に議論・検討していくべき。

  • 基金の問題について、財審でも度重ねて指摘しているが、地方側の言い分は、まさかの時に備えてということだった。まさかの事態であるコロナの時に使わないでいるのはなぜか、財政当局の意見を聞きたい。交付金の良い使い道がなかったら返すという仕組みはないのか。

  • 地方創生臨時交付金について、どのような使われ方をしたのか、なぜそうなったのか、検証・見直しをすべき。財政事情が悪い国がこんなことをやっていて良いのか。非常に残念な結果。

  • 地方創生臨時交付金について、自治体によっては、交付を待たずに先手を打って対策をしてきた。有用なものには柔軟に対応しつつ、無用なものは返還や相殺の仕組みを導入するなど、柔軟性を持った費用対効果を担保できる仕組みを検討すべき。