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財政制度分科会(令和2年10月1日開催)議事要旨

財政制度等審議会 財政制度分科会
〔議事要旨〕

  • 1.日時令和2年10月1日(木)14:00~16:00

  • 2.場所財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

  • 3.出席者

    (委員)

    遠藤典子、大槻奈那、黒川行治、榊原定征、佐藤主光、十河ひろ美、武田洋子、中空麻奈、藤谷武史、増田寛也、宮島香澄、秋池玲子、上村敏之、宇南山卓、葛西敬之、河村小百合、喜多恒雄、木村旬、権丈英子、小林慶一郎、小林毅、進藤孝生、末澤豪謙、竹中ナミ、田近栄治、伊達美和子、田中里沙、土居丈朗、冨田俊基、冨山和彦、平野信行、広瀬道明、堀真奈美、神子田章博、村岡彰敏、横田響子、吉川洋(敬称略)

    (財務省)

    麻生財務大臣、伊藤副大臣、中西副大臣、船橋大臣政務官、元榮大臣政務官、太田事務次官、矢野主計局長、角田主計局次長、宇波主計局次長、青木主計局次長、中山主計局総務課長

4.

    • 事務局説明

  • 財政総論

  • 麻生財務大臣とのフリーディスカッション

5.議事内容

    • 本日は、前半では「財政総論」について審議を行い、後半では麻生財務大臣ご出席の下でフリーディスカッションを行った。

    • 各委員からの質疑や意見は以下のとおり。

【財政総論】

<委員からの御意見>

  • コロナ対策は勿論重要だが、それに加えて、優先度が低い事業などの既存事業を見直しつつ、コロナに対応した構造改革を進め、生産性向上につなげ、財政健全化を目指すべき。コロナ収束後を前提に、財源確保についても議論を行うとともに、歳出改革を緩めているというわけではないということを示すべき。

  • 今回のコロナ対策において、資金繰り対策は15兆円と最大の規模であり、政策効果などをきちんと説明すべき。

  • アメリカの大統領選や新型コロナの秋からの再流行リスクに備え、予備費を有効に活用すべき。

  • フィッチが日本国債の見通しをネガティブに下げており、格付けなど外部からも財政の使い方が見られているということを意識すべき。

  • 将来不安を軽減する観点からも、社会保障制度の見直しは重要。また、機動的に必要なところに適切に給付がおこなえるよう、所得捕捉など社会保障のインフラの整備が重要。

  • 労働者の質を高める方向、被用者保険の適用拡大などによる待遇改善を通じた付加価値生産性の向上を考えるべき。

  • 日本の質・サービスの良さは世界的に高い評価にもかかわらず、その価値を金銭としてプラスにしていくことができていない。付加価値を引き上げていくため、日本の価格転嫁しづらい構造は見直していくことが必要。

【麻生財務大臣とのフリーディスカッション】
<委員からの御意見>

  • 国債を発行しているのに暴落しないのは、これまで日本がまじめにお金を返してきたからという大臣の意見に賛成。今後、格付けを下げないためにも、コロナ下でも財政再建に向けた強い意思を示すべき。

  • 的を絞った賢い支出が必要。1つはグリーン。2つ目はレジリエンス。3つ目はデジタル。今後はデジタルの規格の統一が問題。

  • かつては貿易利益によって黒字を出していたが、現在は投資収益によって黒字となっている。海外投資を行うためには、財政健全化が改めて重要である。健全化によって国債の信用力を高め、外貨の調達を容易にすることで、海外投資も活発になる。

  • 若年層の貯蓄性向が高まっている問題について、全世代型社会保障という考え方をもとに、社会保障改革に関する発信があって然るべき。

  • デジタルは、コストではなく、投資であり、成果がなければならないという思想に変えていって欲しい。社会保障にもデジタルと生産性の考えを導入して欲しい。

  • 概算要求では、コロナ対応という名目で様々なものが入っているのではないか。コロナ対策、デジタル関連などがよく出てきているが、縦割りの省庁別の予算編成になっており、要求側・査定側も効率的な仕組みも必要ではないか。