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財政制度分科会(令和2年6月1日開催)議事要旨

財政制度等審議会 財政制度分科会
〔議事要旨〕

  • 1.日時令和2年6月1日(月)10:00~12:45

  • 2.場所財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

  • 3.出席者

    (委員)

    赤井伸郎、遠藤典子、大槻奈那、黒川行治、神津里季生、榊原定征、佐藤主光、角和夫、十河ひろ美、武田洋子、中空麻奈、南場智子、藤谷武史、増田寛也、宮島香澄、秋池玲子、雨宮正佳、上村敏之、宇南山卓、河村小百合、木村旬、権丈英子、小林慶一郎、進藤孝生、末澤豪謙、竹中ナミ、田近栄治、伊達美和子、田中里沙、土井丈朗、冨田俊基、平野信行、広瀬道明、堀真奈美、神子田章博、横田響子(敬称略)

    (財務省)

    井上大臣政務官、宮島大臣政務官、太田主計局長、阪田主計局次長、宇波主計局次長、阿久澤主計局総務課長

4.

    • 事務局説明

  • 新型コロナウイルス感染症に係る対応について

5.議事内容

    • 本日は、「新型コロナウイルス感染症に係る対応」について、事務局から資料に基づいて説明があったのち、質疑を行った。

    • 各委員からの質疑や意見は以下のとおり。

【新型コロナウイルス感染症に係る対応について】

<委員からの御意見>

  • 生命と生活を守っていく対策が規模最優先になってしまうのもやむを得ない。一方で、最低限の財政規律を重視する必要。ワニ口と呼ばれているものがワニ口でなくなっていることに危機感。

  • 財源は全て国債となり、財政破綻のリスクが従来より前倒しになっていることも事実。当初予算の見直しで財源措置や先送りできるものはなかったか。補正予算が財政規律の抜け道として使われているのではないか。

  • スピード感が重要だったので、規模はともかく、補正予算はもう少し早く実施すべきだった。

  • 財政政策には実施ラグがあることを国民が肝に銘じるべき。きちんと知っていただいた上で、ラグを短くする努力も必要。

  • 個人への給付は、市町村を混乱させないために一律にすべきだが、一律オンラインでこれほど市町村が混乱したのはデジタル化の遅れのため。

  • 特別定額給付金等の執行の迅速性が不足しているため、国民の安心につながっていないのではないか。

  • 家族形態・働き方が多様になり、企業や個人など、配り方も論点。税の徴収の仕方、配り方も新しい時代に転換できるチャンス。

  • 信用保証・資金繰り支援も立派な経済支援。真水にこだわらずに、しっかりとした経済支援をするという観点で議論をすべき。お金を使わずに満足度の高い支援をすることは必要。

  • 次世代に対して胸の張れるお金の使い方をすべき。真に必要なものとそれに付随してくるものを分けてやるべき。

  • 医療供給体制の基盤は充実する必要がある一方、コロナと関係ない要求については、精査する必要。今回の規模は、感染者数、死者数から見て妥当か後でしっかり検証する必要。

  • 臨機応変な対応ということで必要だと思うが、最低限にするべき。財政民主主義の観点からも10兆円は多すぎるのではないか。

  • 予備費は財務省の管理下に置かれるため、しっかり精査し、執行段階で現場から適切なフィードバックをもらい、効率化を図っていく必要。

  • 予備費はおそらく使い切るだろうし、基金化して拙速に使わないようにすることや別勘定にしていずれかの段階で閉じることを検討すべき。

  • 今の世代が感染症対策の支出を負担するような仕組みを考えるべき。東日本大震災の際は復興債というスキームを利用したように、今回も同様のスキームを考えられないか。

  • 景気がいい時に財政再建を進めることができなかった。平時の財政再建の意義を伝えていくべき。少子高齢化が今後進む可能性もある。終息後は、中長期の財政健全化と潜在成長率の引上げを行うべき。

  • 金融政策の結果、金利は低下している。格下げが直ちに起きる気配もない。しかしながら、こうした状況が未来永劫続くわけではない。低金利がいつまでも継続するということを所与の条件とせずに、財政健全化を進めることが重要であることを認識すべき。

  • コロナは日本にとって新しい問題ではなく、既存の問題を露呈した。今後大きく経済・社会が変わる可能性があり、その一つはデジタル化。デジタル化により、社会を効率化できれば財政再建にも資する。

  • 成長の観点から、資本性資金の支援については、長い目で成長できるような支援先に絞る必要。ESGのように、将来の産業を担う、社会的課題を解決する企業へ資本を供給することや、ビジネスモデルの転換を図る企業を対象にする支援策を進める視点が必要。

  • 教育関係、リモート学習などを後押しするような制度的な枠組みが必要。また、医療は大変な局面にあるが、一方で過剰な病床を抱えているのも事実。コロナ対策をもって地域医療構想をやめてしまい、病床を増やそうとなってはいけない。