財政制度等審議会 財政制度分科会
〔議事要旨〕
1.日時令和2年1月27日(月)16:15~17:40
2.場所財務省第3特別会議室(本庁舎4階)
3.出席者
(委員)
赤井伸郎、遠藤典子、大槻奈那、黒川行治、神津里季生、榊原定征、十河ひろ美、武田洋子、増田寛也、宮島香澄、秋池玲子、宇南山卓、河村小百合、木村旬、権丈英子、小林慶一郎、小林毅、末澤豪謙、田中里沙、土井丈朗、冨田俊基、平野信行、広瀬道明、堀真奈美、神子田章博、村岡彰敏、横田響子(敬称略)
(財務省)
宮島大臣政務官、阪田主計局次長、角田主計局次長、宇波主計局次長、阿久澤主計局総務課長他
4.議題
事務局説明
令和2年度予算等について
5.議事内容
本日は、「令和2年度予算等」について、事務局から資料に基づいて説明があったのち、質疑を行った。
各委員からの質疑や意見は以下のとおり。
【令和2年度予算等について】
<委員からの御意見>
消費税率引き上げに伴い増えた税収は財政健全化にあてるべきだが、新規国債発行が減少幅はごく少額であり、引き続きの課題。
全世代型社会保障検討会議も行っているが、今後も手を緩めず社会保障改革を継続していく必要。今後、団塊の世代が後期高齢者入りする中、国民の不安を解消できるかと現役世代の負担感を軽減できるかがポイント。
医療費について、全世代型社会保障検討会議において、大方の委員が自己負担2割を主張しており、ありがたい。自己負担2割の対象が小さな範囲にならないようお願いしたい。
昨年秋の財審では、社会保障の議論が中心だった。社会保障関係支出の伸び全体を高齢化分におさめる、後期高齢者の窓口負担引上げも議論に出てきたが、できなかったことも多い。
中長期試算の結果は毎年悪くなっており、危機感。社会保障制度改革を思い切ってやる必要。
成長実現ケースが実績とずれるのはともかく、ベースラインケースが大きく下振れするのは、検討すべき課題。
中長期試算について、目標としている国・地方のPBはSNAベースである一方、国会での審議は予算ベースとなっている。予算からSNAベースへの転換プロセスを公表すべき。
経済見通しについて、民間の予測が必ずしも正しいわけではないが、その平均は0.5%であり、政府予測より保守的。中長期試算も含め、財政の見通しは、政府の成長戦略における経済見通しとは性質が異なるため、区別して考えるべき。
ベースラインケースで公債等残高対GDP比が高止まりをしている。金融サイクルを考えると、期間中に一回くらい大きなダウンサイドも見通さなければならず、この先さらに上昇する可能性がある。国民がどれくらい理解しているかを考えると、国民との新しい形のコミュニケーションが必要。
海外調査について、歳出改革に関する各国の取組み、社会保障に関する負担の増加について各国如何に国民の理解を得ているかについて調査していただきたい。
構造的な要因を背景に低金利は続くかもしれない一方、金融と財政の過剰な緩和によって、日本経済にゆがみがおき、コストがかかっているのではないか。海外調査では、構造的要因で金利は下がり、過剰な緩和政策がとられたことによるコストをどう考えるか(生産性の低下、ゾンビ企業の継続など。)調べていただきたい。