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財政制度分科会(平成31年4月4日開催)記者会見

平成31年4月4日
財政制度等審議会 財政制度分科会


 

〔増田分科会長代理〕 それでは、私のほうでこれからお話を申し上げたいと思います。

 本日、財政制度等審議会財政制度分科会が開催されました。

 新体制の初回ということでありますので、まず財政制度分科会の会長の互選を行いまして、榊原会長が選出されました。会長代理につきましては、榊原会長から、私、増田が指名されました。会長、会長代理はこれまでに引き続きとなります。改めましてどうぞよろしくお願い申し上げます。

 また、財政制度分科会の下に、これまで同様、法制・公会計部会を設置いたしますとともに、新たに歳出改革部会を設置することといたしまして、榊原会長から、法制・公会計部会の部会長には黒川委員、歳出改革部会の部会長には、私、増田が指名されたところであります。

 この歳出改革部会の設置の趣旨を改めて、申し上げたいと思います。委員が一堂に会する議事運営のみでは十分な審議は困難であるということが従来から分科会の中で言われておりました。前体制の中で2月に取りまとめられました「委員の意見の整理」というものがございます。本日の資料4に入っており、以前この場でも御説明をしたものでございます。この「委員の意見の整理」では、委員相互の活発な意見交換を確保すべくグループ等を設けるべきという提案があったところでございます。これを踏まえまして、新たに、財政制度分科会のもとに歳出改革部会を設置することとなりました。

 この財政制度分科会では、財政総論や社会保障総論、地方財政総論など、財政全体の議論を中心的に行うと、これは従来と変わらないわけでございますが、新たに設ける歳出改革部会におきましては、より少ない人数で、各歳出分野における予算編成上の課題について集中的に議論をする、このようなことを考えております。

 それから、本日は、この部会の設置をお諮りして決めた後、出席しました各委員全員から、1人ずつ簡単に自己紹介を行っていただきました。

 本日の分科会の主な議事概要は以上でございます。

 なお、この分科会に先立ちまして開催された財政制度等審議会の会長に榊原委員が選任されまして、この会長代理には池尾委員が指名されております。

 私からは、発表事項は以上でございます。続いて榊原会長から御発言がございます。お願いします。

〔榊原分科会長〕 榊原でございます。財政制度等審議会と、財政制度分科会におきまして、委員の皆様から、この2つの会合の会長を引き続き選任していただいたということであります。

 昨年の11月に、財政制度分科会が取りまとめた建議は、まず平成31年度の予算編成が平成最後の予算編成であったということで、この30年における財政がどのようなものであったかということを総括いたしました。その上で、新たな時代においては、財政を悪化させてしまった平成という時代における過ちを繰り返さないようにする必要があるということを強調して書いております。

 この財政制度分科会には、経済界、マスコミ、あるいは研究者など、各界の第一線で活躍する有識者の方に御出席をいただいております。委員の皆様の高い御見識を結集して、新しい「令和」の時代にふさわしい財政運営が実現するよう、私自身も先頭に立って取り組んで参りたいと思っております。

 記者の皆様には、引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。

〔増田分科会長代理〕 それでは、御質問等ございましたら、お願いいたします。

〔幹事〕 2点、お伺いします。今、榊原会長から言及のありました去年秋の建議では、平成の財政を総括して、将来世代にツケを回してきたということを厳しく指摘されたと思います。翻って、5月からは「令和」という新しい元号の新しい時代になるわけでして、これから財政審で始まる議論というのは令和時代の最初の予算編成の土台となるもので、とても重要な意味合いを持つと思っております。政治的には、現在、統一地方選、参院選などがあって、なかなか国民の痛みを伴う改革というのは議論しづらい環境にあると思うのですが、そういった状況を踏まえてどのように議論を進めていかれるのか、お考えをお願いします。

〔榊原分科会長〕 昨年の11月の建議において、この30年の間に財政が悪化しまった、このままツケを将来世代に回してはいけないということで、新しい時代においては思い切った改革をしなければいけないという趣旨を申し上げました。本日も、初回ということで委員の皆様方から、挨拶も含めたお話をしていただきました。その中で、今まで何をどうするということも言ってきたのですが、新しい時代においては、どうやってこれを実現していくかということが大事だということを御指摘された方が何人かいらっしゃいまして、まさにそのとおりであると思います。新年度において、春、秋2回に分けて、しっかりと具体的な取組を提言したいと思います。しかも、そのやり方は、先ほど御紹介いただきましたように、今度、分科会の下に歳出改革部会をつくりまして、より少人数で、突っ込んだ議論をしようということにしております。ここでの議論も踏まえて、建議を取りまとめていきたいと考えております。

〔幹事〕 次の質問は、この歳出改革部会についてです。名簿を見ると、三十人ぐらい入っていると思うのですが、少人数で進められるとおっしゃいましたけれども、この中からテーマごとにメンバーを厳選して行われるということなのか、その会合頻度や、具体的な進め方についてお願いします。

〔増田分科会長代理〕 その関係は、私が分科会長の榊原会長から部会長に指名を受けましたので、私のほうから申し上げたいと思います。大きな構造は、分科会として春、秋に建議を出す、ここは全く従来どおりであります。ただその際に、財政総論ですとか、社会保障総論、地方財政総論という財政全体の大きな議論は分科会で行います。

 実は、分科会は今、委員・臨時委員があわせて45名います。御承知のとおり財政制度等審議会のほうは委員上限の30名と決められておりまして、財政制度分科会については30名の中の16名が委員となっています。これに加え、各分野の幅広い意見を吸い上げる、反映させる必要があるということで、29名の臨時委員が入っておりまして、総勢45名という大変大所帯で議論をするということで、行ってきました。いろいろ昨年から議論していた分科会の運営ということで2月にまとめた意見の中で、もう少しやはり機動的に、議論を整理したり、個々の論点についてより掘り下げた検討を行った上で、分科会全体のほうに、さらに建議に反映させるべきではないかということで、この部会、これは総勢30名ということで、確かにおっしゃるとおり結構な人数になりますけれども、しかし、従来に比べますと大分小ぶりにして、議論をきちんと、適宜行えるような形にしたつもりでございます。

 具体的な運営、開催などについては、これからまた、会長とも御相談しながらと思っておりますが、各歳出分野について、予算編成上の課題について集中的にそこで掘り下げたいと思っているので、ざっくりと、主に秋の建議の前さばきとして部会を開催して、そこで掘り下げた上で分科会のほうにお出しすると、こんなことを考えております。春の建議は、比較的従来から中長期の課題について議論することが多かったので、これはおそらく分科会、全体の分科会中心の運営になると。部会も、おそらく1回ぐらいは開くことになるかと思っていますが、そのあたりは、本日スタートでありますので、会長ともよく御相談しながらやっていきたいと思っております。主に部会のほうでの議論は秋にいろいろな議論を掘り下げていき、建議のほうへの反映は全体の分科会の中でしっかり議論して行っていきたいと考えております。

〔幹事〕 各社、どうぞ。

〔質問〕 もう1つの部会、法制・公会計部会も新たに今回、設置したと。

〔増田分科会長代理〕 これは、従来からございました。

〔質問〕 これは、従来からあるわけですね。

〔増田分科会長代理〕 はい、ございました。部会長も、黒川委員に引き続き当たっていただくということになっております。

〔質問〕 分かりました。

〔質問〕 先ほど事務局から、分科会のほうが45人で、そのうち30人が歳出部会という御説明ありましたが、基本的に歳出部会のメンバーは分科会のメンバーの中から選ばれているということで、歳出部会のほうだけに選ばれている人はいないということでしょうか。

〔増田分科会長代理〕 いません。

〔質問〕 榊原会長にお尋ねしたいのですけれども、会長は、先日4月1日付で、経産省の総合資源エネルギー調査会の会長にも御就任されていると思います。財審では、例えばFITの国民負担について警鐘を鳴らしたり、場合によっては資源獲得の政策についての疑問を呈したりする年があるのですけれども、財審のトップと総合資源エネルギー調査会のトップとして、利益相反の問題はどうやってクリアできるとお考えでしょうか。

〔榊原分科会長〕 FITの問題については、先だっての建議の中でも指摘をしているところです。それから、今後、総合資源エネルギー調査会でどういう議論になるかですけれども、実態として、FITが国民経済の大きな負担になっているのは間違いないわけで、今後の在り方についても、総合資源エネルギー調査会で議論していくことになると思います。利益相反の問題があるとすれば、きっちりとそこは峻別した上で対応できるように、御指摘のような問題が発生しないような形で取り組んでいきたいと思っております。

〔質問〕 そうしますと、報道で取り沙汰されている日産自動車の取締役会議長に御就任されても、その辺の問題はクリアできるということでしょうか。

〔榊原分科会長〕 それについては、報道で知っているだけで、全くそういう話はございませんので、お答えする立場ではございません。

〔質問〕 ありがとうございました。

〔質問〕 この歳出改革部会なのですが、議論の出発点の問題意識としてはどのようなところがあるのかということをお聞かせください。ぱっと思いつくのは、歳出が相当膨れ上がっているので、ここにメスを入れていくということなのかなとも思うのですが。

〔増田分科会長代理〕 歳出について、基本的にはやはり100兆という大変巨額なものになりました。したがって、なおさらやはり歳出の個々のものにきちんと目を光らせるということが必要になってくると思っております。全体、今までもそのつもりで分科会として見てきたところでありますが、やはり一方で、この前の秋の建議でも指摘されましたとおり、平成2年ですか、特例公債を発行せずに済んだ後、非常に財政も、我々としてはやはり問題にすべき状況へ来ているわけですので、やはり歳出に、きちんとにらみをきかすという意味で歳出改革を行う部会と、名前がそのようになっております。そのあたりをきちんと議論していく場と。

 したがって、まず私自身としては、メンバーが代わりましたので、そういう新しいメンバーの中で現状の財政の状況をきちんと、どういうふうにそれぞれの委員が理解するのかあたりから始めていきたいと思っております。

〔質問〕 この歳出部会の確認なのですが、先ほどおっしゃった財政総論、社保総論、地財総論という、大玉のところは引き続き分科会で議論して、それ以外の個々の歳出分野について議論するというイメージでしょうか。

〔増田分科会長代理〕 大玉というか、中長期の問題ですとか、今、おっしゃった総論的なところは、いずれにしても建議にきちんと反映されることにしていかなければいけない、分科会で必ず議論しなければいけない問題と思っております。歳出の各論のところも、今まで回数を区切って分科会の中で議論したのですが、より掘り下げてやろうかなと。したがって、イメージとすると、やはり歳出改革部会プラス分科会ということで、実は本日、その部会の人数は絞りましたけれども、分科会のメンバーで議論の様子を見たいという人は出ていただけるような、そういう運営の仕方をするということを御了承いただきました。考え方とすると、今までの運営でどうしても1人当たりの発言時間が短く、限られていたところを、もっともっと濃密にしていきたいと。それで、全体の歳出に目配りをよりきかせていきたいと、そういう趣旨で部会を設けております。それをどういうふうにきちんと建議として打ち出していくのかは、全員で、分科会全員でしっかりと議論していくということを考えております。

〔幹事〕 ほか、よろしいでしょうか。

〔増田分科会長代理〕 ありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。


(以上)