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財政制度分科会(平成30年10月9日開催)記者会見

平成30年10月9日
財政制度等審議会 財政制度分科会


 

〔増田分科会長代理〕 本日14時から、財政制度等審議会の財政制度分科会を開催いたしました。

 本日の議題は社会保障です。お配りしている資料に基づきまして社会保障の議論を行いました。

 事務局からの説明は、来年度予算編成における社会保障分野の課題、その中で医療、介護分野等における課題と今後の改革の考え方について事務局のほうから紹介をしまして、各委員から御意見をいただくと、こういう形で進めました。

 委員の御意見を御紹介したいと思います。詳細は、後日公表される議事録を御覧いただきたいと思いますが、委員名は伏せて申し上げたいと思います。

 初めに、A委員から、消費税率が来年の10月に引き上がりますけれども、その先についても議論していかなければならない、次の財源確保が必要であるということを、この建議の中に組み込んでほしいと、こういう意見がございました。御承知のとおり、今までも医療機関の中で、かかりつけ医の重要性について言ってきたわけですが、まず、かかりつけ医に国民の皆様が相談する、そこで受診するという流れをつくっていかないと地域医療構想がきちんとできていかないと、こういう御意見がございました。1割負担とか2割負担とか、あるいは窓口で負担するのか保険料で負担するのかなど、様々な考え方があるのですが、きちんとした給付はきちんと負担をしなければ受けられないということを認識すべきと、こういう意見であります。

 次にB委員ですが、医療費について、お金がある人が払ってくれるのではないかと、そういう認識が国民の間で広がっているのではないか。法定外一般会計繰入をやめさせる、給付と負担を1対1にしていくなどといった必要があって、お金のある人がどこまでも払っていくのは無理だということを分かっていただく必要があるという御意見がありました。その委員の方は、今、ちょうどオプジーボが話題になっているということがあって、そのことも引きながら、やはり皆、高額医療を受けたいという気持ちがあるので、それに対してどれを諦めるのかということを考える必要があると、こういう意見がありました。

 次のC委員ですが、高齢者に社会保障を支えてもらうとすれば、コストもやはりかかってくるわけで、コストベネフィットを示していく必要があるだろうという意見であります。

 次のD委員の意見でありますけれども、高額医療で対応するような大きなリスクについては民間保険が大きな役割を果たすことになるであろう、したがって民間保険の規制緩和も同時に検討すべきではないかと、こういう意見であります。

 次のE委員ですけれども、薬価についてです。薬価については様々な観点があるのですけれども、製薬企業の競争力を阻害しないことも非常に大事ではないかということを意見として述べられました。また、年金の財政検証が5年に一度、次回は来年にあるのですけれども、それについて、線引きをどうするかということに尽きると思うが、国民にとって納得のいく検証にしてもらいたいと言っております。

 次のF委員の意見です。地域別診療報酬についてなのですけれども、地域のほうで予算的な繰入れをいろいろ行っている、いわゆる法定外一般会計繰入について、それをできるだけやめて、見える化する努力を各県のほうで行っているのですが、法定外一般会計繰入を行うと見える化が進んでいかないので、そういうものは厳に慎んでいくべきではないかという意見を言っておりました。

 次のG委員ですけれども、この方は大きく2つ言っていますが、社会保障分野で責任ある制度改革をきちんと行っていく。そして、それにあわせた責任ある予算をつけるという意味で、支え手を増やすと同時に制度改革も行われないとサステナブルになっていかない、こういう認識を皆できちんと持つべきだとおっしゃっています。もう一つの意見は、これまで改革工程表をつくって、メニューとしては44の改革に取り組んできたわけですけれども、それぞれのメニューがどの程度まで、どういうふうに行われて、どう効果が出てきているかをきちんと分析して、優先順位づけをここできちんとして取り組んでいく必要がある、という主張でございました。

 次の委員の方、H委員です。かかりつけ医と薬局との関係についての意見ですけれども、日本ではなかなかこの点について成果が出ていない。やはりどうしても「大病院病」という、大きなところに頼りたがる傾向があるが、これは一体なぜなのかということを考えていく必要があり、それがきちんと分かれば、全体としての医療費の削減につながっていくのではないかと、こういう意見であります。

 次のI委員ですが、この人も優先順位をきちんと守っていくべきということと、後期高齢者の窓口負担を1割から2割に引き上げるとか、児童手当を見直していくとか、こういうことについてはしっかりとやってもらいたいと、こういう意見でありました。

 J委員でありますけれども、この方は国民医療の総額について、2016年度の増加率は小さくなっているのですが、その前年の15年度は非常に伸びています。それから、足元の2017年度も大きく伸びているのですが、これはちょうどオプジーボが出始めたときの伸びとなっており、今回のオプジーボのノーベル賞受賞という状況を契機として、その増を現役世代につけ回しているという事実を、国民の皆様、あるいは有権者の方々にもっと知ってもらう必要があるのではないかと、こういう意見であります。

 次はK委員です。来年10月、消費税率の引上げを控えていますが、この委員は、当然消費税率は引き上げていくべきであるが、単に引き上げるということだけではなくて、受益と負担の見直しも含めて、社会保障全体の在り方をしっかりと検討していく必要があると、こういうことをおっしゃっています。

 次にL委員です。この委員も年金の受給開始年齢について触れておりました。これまでも財審の中で議論してきたわけですが、財政にどういう影響を与えるかという観点だけではなくて、受給開始年齢を引き上げることによって労働への意欲を高めるインセンティブだとか、あるいは貯蓄のインセンティブに向けてどういう影響を与えるのか、こういう観点で年金の受給開始年齢を考えることも重要ではないかという意見と、それから来年の年金の財政検証が重要なので、現実的なデータに基づいた信頼性の高いものをつくっていただきたいという意見を述べられました。

 最後にM委員であります。この方は、中小企業が日本のほとんどを占めているという前提で、その中小企業の負担能力が限界に近づいてきている一方で改革をやっていかなければいけない。したがって、社会保障制度の持続性とか不安解消という観点からは、足元の不安解消の視点と、将来の不安を解消して安心をつくる視点の両方を持った上で、将来の不安解消や安心確保に軸足を置いて社会保障制度改革をやっていただきたい、こういうことをおっしゃっています。

 意見の紹介は以上であります。こういった意見を踏まえて、例年、秋に建議をまとめるのですけれども、どういう形でまとめていくかは起草委員の皆様とよく相談していきたいと、こういうふうに思っております。

 私のほうからは、少し時間かかりましたが、以上であります。

〔幹事〕 幹事社のほうから、1問、質問させてください。政府は、社会保障費の負担増に関する本格的な議論については、来年の夏の参院選以降というような考えを示されていると思います。財審としては、この辺りについてどうお考えなのかをお聞かせください。

〔増田分科会長代理〕 本日は、その点については議論していないのですが、私個人として言いますと、高齢者の雇用継続についてまず取り組んで、その上で時代に合った社会保障制度について議論を進めていくべきというふうに思うのですね。ですから、私も総理の会見を見ましたけれども、3年のうち、まず高齢者の雇用継続をどうするかを第一に議論するという方向が良いのではないかなというふうに思います。

〔幹事〕 ありがとうございます。

〔質問〕 今の質問に関連してなのですけれども、健康寿命の延伸とか、予防医療の促進という議論になると、どうしてもこれまでの歴史を振り返ると、給付と負担の議論先送りといったような話になりかねない部分があると思うのですけれども、そういった点についてはどういうふうにお考えでしょうか。

〔増田分科会長代理〕 健康予防について、いわゆる元気な皆様をつくっていくというのはとても重要なことであって、それはもう大いに進めていくべきで、いろいろな効果を見ながら、必要なことはやっていくべきです。それと同時に、一方で給付と負担のバランスをきちんととっていく、見直しをする、あるいは給付をより合理的なものに切り替えていく。やはりそれぞれ手を抜かずに取り組んでいくことが重要ではないかと思っています。現在の様々な財政状況を考えると、やはり合理的な給付の在り方をより追求していったり、また給付と負担の在り方をきちんと検討していく必要があると同時に、健康予防によって元気な人がどんどん増えていくというのは非常に好ましいことであり、それによって社会の支え手、高齢者の支え手も増える可能性はあるので、それはそれで一方できちんと取り組んでいくと、そういう関係にあるのではないかと思います。

〔質問〕 QOLの観点から、そういった施策が必要だというのは理解できるのですけれども、健康寿命が伸びればその分だけ医療費が増えると。例えば、過去を見れば、メタボ健診などでも費用対効果で見るとやはり費用のほうが上回るということで、どちらかというと社会保障増大につながると思うのですけれども、先に送れば先に送った分だけ、その分の社会保障をどうするかというのはかなり切迫した問題になると思っていて、この先を考えたとき、早くそのような議論を始めるべきだと思うのですが、その辺りはいかがですか。

〔増田分科会長代理〕 財審の資料でも、健康長寿を伸ばしていくことが財政削減に必ずしも結びついていないということが示されていました。これはいろいろな研究等があるので、様々な意見があるということが紹介されています。ただ、やはり企業が従業員も含めて健康予防に取り組むというのはとても重要なことでありますので、それはきちんとした取組を進めていくと。それによって、社会の中で働き手がいろいろな生産活動、付加価値を上げていけば、税収も増えるという可能性もあるわけですから、おそらく建議を取りまとめる中で、今言ったような意見をどう取り扱うかということは議論になると思いますけれども、私はやはりそこをきちんと両立させるべきであると思います。健康予防というのはやはり国民の多くの願いだと思うので、それはそれできちんと取り組んでいくことが大事だと思います。

〔質問〕 オプジーボの話ですけれども、何かを諦めるということの意味についてもう少し詳しく教えてください。

〔増田分科会長代理〕 資料にも出ていたのですが、オプジーボとか、他の高額医薬品、新薬等について、全ての皆様がああいうものを見ると、やはり切実な問題として、オプジーボを使って自分も健康になりたい、病気を治したいという思いがあると思うのですが、一方で薬によっては御承知のとおり効く人と効かない人とがいて、むしろうまく治らない、治癒につながらないという人がいるわけですね。これからますます増えると予想される高額医療に対して、高額医療を皆様が受けたいという一方で、どういう形で効かない人にそういうものを投与しないか、ということをやはり考えていただく必要があって、それで今回、高額医療についてちょうど社会的な国民の意見も非常に多く出てきていると思うので、今回のような議論になっており、財審としてどう表現するかはまた中でよく考えたいと思います。

〔質問〕 ありがとうございました。

〔幹事〕 他、ございませんでしょうか。

 ないようでしたらこれで終わります。どうもありがとうございました。

〔増田分科会長代理〕 ありがとうございました。


(以上)

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