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財政制度分科会(平成30年4月25日開催)記者会見

平成30年4月25日
財政制度等審議会 財政制度分科会

 
〔田近分科会長代理〕 本日14時より、財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたしました。

 本日は4つのテーマで審議を行いました。地方財政、社会資本整備、農林水産、そして社会保障のAということで、前回提示された3つの視点のうち、本日は給付と負担のバランスについて議論を行いました。

 事務局からそれぞれ資料に基づいて説明があった後、質疑を行いました。各委員からの主な意見を御紹介していきたいと思います。

 まず、地方財政について質疑を行いました。

 最初の方は、広域化の推進のことを議論されて、特に上下水道は、規模の小さい業者の中での共同運営が必要だ、それから、コストの見える化が重要だと。そして、地方の一般会計から公営企業特別会計への繰出が多いのは、コストが分からないからであり、給付水準と負担の見える化を進めるべきだという御意見でした。

 本日の事務局からの説明は大きく分けて2つあり、1つはマクロの地方財政から、いわゆる一般財源総額実質同水準ルールについて、マクロ的な地方財政の歳出管理をどうするかという議論がありました。それから、各論で、広域化や、公営企業の話を申し上げたわけです。

 委員の御意見に戻りますが、地方財政のマクロ的なことについて触れられて、一般財源総額をコントロールしていくということは、これからの地方財政の運営として適切ではないかという御意見でした。

 次の方は、地方財政計画で財源保障すべき範囲を徹底的に精査すべきだという御意見でした。御案内のように、基準財政需要額と基準財政収入額の差が交付税になるわけですから、歳出の背の高さである地方財政計画をしっかり立てる、どこまで財源保障するかは徹底的に精査すべきという御意見でした。

 それから、カテゴリカルには個別なイシューということになるのでしょうけれども、見える化と改革インセンティブ付けを進めていくことが地方財政の改善に資する。具体的には、広域連携を進めて、その成果をもとに、様々な地域にそれを横展開していくべきだと。

 それから、主計官の説明で、臨時財政対策債、赤字地方債ですけれども、地方債の残高を増やしながら、地方の基金残高を増やしている団体が7割に上っているという話があり、これはおかしいのではないか、改善すべきだという議論がありました。

 また個別のイシュー、具体的なイシューですけれども、計画と決算の乖離について、マクロだけではなくて、個別経費ごとにしっかり見ていくべきだという御意見でした。

 それから、イシューとしては、地方法人課税の偏在是正ということもありました。それに対して、地方自治体間で財政力格差は拡大しているが、格差があるということで過度な偏在是正を進めると、伸びていくべき自治体が伸びなくなる可能性もある。したがって、地方活性化にマイナスになるという点についても配慮して偏在是正を進めるべきだという御意見もありました。

 次の方は、端的に言うと決算のタイムラグについて指摘していて、PDCAを進めていくときに、DoとCheckの間にタイムラグがあるので、これを解消すべきだというような御意見でした。

 そういうことで、一般財源総額実質同水準ルールについては、多くの議論が交わされたわけではないのですけれども、あるべきルールではないかという意見でした。その他の分野については、個別のディスカッションがあったという感じです。

 次に、社会資本整備です。先日の教育、あるいは防衛やこれから述べる農業と同様に、公共支出の質をどう高めていくか、個別の予算で質をどのように高めていくかが共通のイシューだと私は思いました。

 最初の方からは、先程言ったことと同様ですが、社会インフラは今、概ね整ってきているので、今後は量の拡大より質の向上が重要だ、そうした観点から防災・減災の重点化を図っていく必要がある。その中で、これも同様で、限られた予算の中で社会資本整備を進めていく上では、ストック効果の高い事業に重点化する、少ない費用で整備する、蓄積したときの限界的な社会資本の効率性が高いものに整備を重点化していくべきだと。

 それから、効率化ということでは、個別的な話で、完全にフォローはし切れなかったのですけれども、例えば水位計についてコスト削減をしたように、新技術活用によるコスト削減は重要であり、インフラでもやるべきという御意見でした。

 それから、ここでも質の問題、その背後にあるのはマクロの問題で、これはぜひ、お手元を煩わせて、6ページを見ていただきたいのですけれども、今の我々の議論の全部に関係するところではありますけれども、今後の公共事業関係費の水準に関する留意点で、需給ギャップの解消ということです。要は、完全雇用を考えたときの需給ギャップがプラスになってきたということは、もう日本は潜在的なGDPの水準を達成したということですから、これが激しくマイナスのときには潜在的なGDPよりも実際のGDPが低いので、GDPを上げるために公共投資は必要だったのかもしれない。しかし、現在はそれが逆転しているのではないか。それから、景気動向指数、DI(diffusion indexes)というインデックスも改善している。そうしたことを踏まえて、需給ギャップがマイナスのときは公共事業を増やせと言うが、プラスになったときに公共事業を減らすという声は起きない。しかしながら、今のように需給ギャップが解消されている状態では、補正予算では公共事業は必要ないという御意見がありました。では、中身の質をどうやって高めていくかということでは、個別事業のB/C、費用便益分析を徹底すべきだという話になります。

 それから、本日は、様々なお話があり、整備新幹線で興味深い具体的な話がありました。九州新幹線が例でしたけれども、コストが上振れしないように事業評価を徹底するべきだという話がありました。

 新技術の促進というのは先程述べたとおりです。

 個別具体的には、これも興味深い指摘だったと思いますが、いわゆるPFIです。事務局から、静岡空港のコンセッションについて好事例の紹介があって、それに対して上下水道はそれほど進んでいない。したがって、先程の地方財政の話に戻りますけれども、広域化が必要だという御意見でした。

 コンパクトシティについては、それを一方でやりながら、実際には病院等を郊外に配置するようなことが起きており、包括的になされていないのではないかというような話がありました。

 もう一人の方は、これも重要だと思いますけれども、社会資本整備の維持管理については予防保全が重要で、そのためにデータベースの整備や新技術の導入ということで、ここにお金がかかってもやむを得ないのではないか。短期的には費用がかかるかもしれないけれども、長期的にはコストが削減されるという御意見でした。

 そうしたところで、最初にお話ししたようにマクロ的には、需給ギャップがマイナスからプラスになったところでのマクロ経済政策の一環としての公共事業の意味は薄れた、ましてや補正予算の意義はないのではないか。あとは、地方財政と同じように、具体的に、効率的なものをどうしていくかという話でした。

 農業は、日本のお米についての話をされたということです。私から、縷々説明はしませんが、米政策が変わって、飼料用のお米など、主食用米以外の作物に助成金を与えてきた。その結果、全国ベースでお米の消費が減っているのだけれども、主食用米の価格が上がったではないかと。

 それはどうしてかというと、実は飼料用米の生産が増えていって、主食用米の生産が減ってきた、その結果、主食用米の価格が上がった。そういうインセンティブの在り方はいかがなものかというのがベースラインでした。つまり、今、申し上げたように、米政策として、主食用米以外の作物についての水田活用交付金という助成金が、飼料用米への過剰な誘導となったのではないか。また、飼料用米を110万トン生産するという目標があって、結局、今のようなことになったのであれば、国が定めた生産目標を何が何でも達成するということが、ある意味で裏目に出たのではないかということです。

 それから、同じことを言いかえているわけですけれども、飼料用米への偏りは、これからの農業の成長の伸び代を抑えてしまっているのではないか、若者にとって魅力のある農業の阻害となっているのではないかという御意見でした。

 それから、違う方ですけれども、地方が責任を持つべきで、大規模化や食味の向上も引き続き進めていくべきだと。

 議論のベースになるお考えは、大体共通だったように私は思いました。

 次は、社会保障について議論をしました。資料4の「社会保障についてA」です。これは重要なテーマなので、前回の復習をあえてさせてもらうと、3ページ目の3つの視点で、制度の持続可能性を踏まえた保険給付の範囲というような内容、それから、必要な保険給付を効率的にやるということで、価格適正化、医療提供体制を扱いました。本日は、ある意味で一番ストレートに懐に響く話で、高齢化や人口減少の中でも持続可能な制度、給付と負担のバランスということで、5ページ以降で、具体的な給付と負担に関するこれからの見直すべき点について議論したということです。

 ざっくり言えば、現在70歳〜74歳について段階的に自己負担割合を2割に引き上げているところであるが、75歳以上の方の自己負担率を、今、放っておくと75歳になると1割負担になってしまうので2割負担に、そして介護保険の利用者負担も同じように上げていくべきで、2割負担が原則だと。あと、金融資産等を考慮に入れる。実際に今、介護の補足給付で使っている制度を負担の公平から考えてみるとどうか。現役並みの所得と言うけれども、何が現役並みの所得なのか判断する基準を定めようと。今の基準はかなりの所得があっても負担をしなくて済むということになっており、見直すべきではないか。

 それから、既に色々と議論を呼んでいるようですけれども、医療保険の給付率を自動的に調整するというところで、医療というものには、後期高齢者医療制度や国保の給付の半分が公費といったように実は様々な形で公費が入っているが、高齢化等に伴い、保険料や公費で賄われる保険給付の割合(給付率)が非常に高くなっている。裏返して言えば、自己負担の割合が減っているという話になっているわけです。それをどのようにしていくのかということで、11ページ、給付だけをトンカチみたいに叩くわけではなく、負担もやみくもに上げろ、上げろと言うわけではなくて、給付と負担のバランスをとっていこうではないかという発想で問題を捉えていこうということです。ですので、給付が膨らんできた場合には相応の負担を求める。先程申し上げた75歳以上の負担率を上げるのも、このフレームワークの中に入ってくるというわけです。

 そうした形で論点が紹介されて、議論しました。

 最初の御意見は、これもまた適切だと思いますが、金融資産も考慮に入れた負担という趣旨はわかるのだけれども、金融資産は把握するのが難しい。預金だけなのか、株式も考慮するのか。株式を考慮するときは時価なのか、時価としてもどの時点なのかという配慮が必要だと。私もそう思いました。

 次の方は、医療費については、後期高齢者の自己負担は2割にしなければいけないという御意見でした。それから、最後に申し上げた給付率自動調整については誤解を生まないようにしなければいけない。これは、給付を調整するということではなくて、あくまでも給付と負担のバランスが重要なのだ、給付の総額管理というイメージでこの案を出しているわけではないということをしっかり理解してもらうべきだということを言っていました。

 それから、同じ意見になりますけれども、こうした改革シークエンスとしては、まずは後期高齢者の窓口負担を速やかに2割にしていくべき。これは、本日、出席された委員のほぼ一致した御意見でした。それから、最後の負担調整については、同じことを繰り返すようですけれども、客観的な事実を説明して国民的な議論を醸成し、議論を前に進めていくべきだという議論をなさっていました。

 最後に、色々な意見が出たので、全体的な意見をこのように紹介したらいいのではないかという形で私が発言した内容ですけれども、給付率の調整については、支え手が減る中で、今後、どのように給付と負担のバランスをとるかというように、両サイドをしっかりと考えなければいけないので、今後、具体的な仕組みについては中身を詰めていく必要がある。本日の段階ではこのような議論でしたと。また、負担については、先程からの繰り返しですが、やはり受益者である高齢者も応能的な負担はすべきだという議論をしました。

〔幹事〕 地方税収の格差是正のお話で、伸びる自治体が伸びない懸念とかという、これは具体的にどういう自治体とか何か話になったのでしょうか。

〔田近分科会長代理〕 論点として、財政力指数というものがあり、これは財政の健全度合いを示しているのですけれども、東京都区部と財政力指数が低いところとの格差が広がっていると。あるいは、地方法人二税の人口1人当たり税収で見ると、偏在が大きく、格差が広がっている。だから、そこで再配分が必要だという意見に対しては、伸びるところも税収が必要なのだから、その点もしっかり考えるべきではないかと。その程度の議論であり、だから反対だというような意見ではないのですけれども、一方的な議論ではなくてバランスが必要だということでした。

〔幹事〕 別に東京が更に伸びるために税収が必要とか、そういう話ではない。

〔田近分科会長代理〕 資料に東京が出ていますから、東京が伸びているだけで、だから云々というわけではないという議論でした。

〔幹事〕 あと、全体、今後の財審のスケジュール感はどういうように。というか、これで各論は。

〔田近分科会長代理〕 今までの議論についてはこれで一応、区切りをしたということで、起草委員にもお願いしているわけです。我々の中でこれだけの情報があるので、これからの進め方についてはまだ今後、咀嚼して考えていこうということで、この段階で何月までに何をするというのは、大どころとしては共有していると思いますけれども、本日はそれ以上のコメントは差し控えるべきだと思います。

〔主計官〕 すみません、少し補足をさせていただいてよろしいですか。

〔田近分科会長代理〕 はい、どうぞ。

〔主計官〕 先程、田近分科会長代理から、一般財源総額実質同水準ルールに関する議論、委員からの御意見を御紹介いただきましたけれども、念のため補足をしておきます。委員は、現行の一般財源総額実質同水準ルールを、そのまま単純延長すべきということまでおっしゃっておられるわけではなくて、一般財源総額をコントロールするような規律は必要だということであります。そうした意味で、単純延長ではないということは補足をさせていただきます。

〔田近分科会長代理〕 そうですね。だから、考えているのは、どうやってこれから地方財政の規律を維持していくかというところのアイデアとして、一般財源総額に対する規律ということです。一般財源というのは、自分の税収と交付税、それから今、交付税が足りないので赤字地方債になっている分がありますけれども、そこを見ていこうと。今、主計官のおっしゃったとおりで、一つの有力な指標としてあるにはある。ただ、これの持つ問題もまた見なければいけないので、本日、これで決まったとか、そういった話ではないと思います。

〔質問〕 社会保障のところの給付率自動調整なのですけれども、これについては委員の先生たちからは、概ね賛成だったのか、それとも少し慎重にやっていこうという話だったのか、その辺の全体的なあれをちょっと。

〔田近分科会長代理〕 その点も気をつけて、その場を踏まえて私は議論を紹介したと思うのですけれども、最初に、ある医療サービスが増えたら自動的に何をどの程度増やすかとか、そのような議論に対しては、まだ設計自身が分からないので、今、財審でも議論すべきではないと。財審で議論すべきことは、先程申し上げたように、一方的な給付の削減というわけではなくて、あるいは一方的な保険料負担の上昇というわけではなくて、高齢化、医療費の高騰を踏まえて、給付と負担をどのようにバランスさせていくのかという点であると。

 個別的には様々な取組をやってきて、先程申し上げたように、給付だけ、負担だけで議論していくのではなくて、両者をどうバランスさせていったらいいのかという議論が出てきたのだと私は思います。だから、負担について見直すべきことでやっていないことは見直しましょう、給付について頻回受診等も改めましょうと。そうしたことはそれなりにやっていきますけれども、これからしわ寄せが保険料だけに来たり云々という中で、やはり給付と負担をどうバランスさせるかというのは難しいですけれども、今言ったような両側面でやっていこうというのは、一つの考えなのかなと思いました。

 ですので、お答えは、財審はどうなのかというと、今、言ったところが我々の共通理解で、設計をどうしていくかというのは今後考えることだと。その前に、給付、負担の面で、既に工程表に書かれているようなことをやっていかなければいかんと。

〔主計官〕 本日の議論は、全体としては、今、分科会長代理がおっしゃったところだと思います。今まで書いてある工程表の後期高齢者の自己負担の見直しも含めて、それはそれでやらなければいけない。

 一方、御質問のあった給付率調整の話について言うと、全ての委員の方々が御発言になったわけではないのですけれども、支え手がどんどん減っていく中にあって、そういう意味では保険料に負担が集中してしまっているところに対して、制度設計上、給付との関係も含めて、ある程度見直しをしていかなければいけないだろうというところについては、委員の皆様としても、それほど異論があるわけではなくて、給付率についてもある程度見直しをしていかなければいけないだろうということでした。

 問題は、具体的にどういったツールで、もしくはどういった形で調整していくのか。そこについては、これから更に議論を深めていかなければいけないところなので、今後、具体的な設計を行っていく中で議論を深めていこうという感じだったと私は理解しています。

〔田近分科会長代理〕 今、そうした形で給付と負担を両サイドで考えていく、そうせざるを得ない状況であり、ただ、そこでの給付調整をどうするかという設計については、財審としても様々な議論が出てくる中で、本日は意見を保留とし、これから議論するということにしたということだと思います。本日、この問題をこれ以上方向づける議論は到底できないと思います。そうして、一同に了解してもらっているということです。

〔質問〕 今回の農林水産の中身の話ではないのですけれども、今回の提言は来年度予算に反映させようという目的でまとめたという理解でいいのですか。

〔田近分科会長代理〕 違います。

〔主計官〕 来年度予算をどうにか、こうにかするとか、それにどう反映させるかというような議論は、こちらから提示しておる資料でもございませんし、議論の中でもありませんでした。

〔質問〕 そうすると、どのようなスケジュール感で。

〔主計官〕 そういったことも、特に決まっているものではありません。

〔田近分科会長代理〕 大きな議題として、財政健全化のマクロのフレームワークをどう考えるか、各予算について、そこでの方向づけをしているということです。ただ、議論としてはお米にフォーカスが当たっていたということで、一言で言えば補助金のインセンティブが適切に働いていたのかという問題の範疇だと思います。

〔質問〕 先程の質問とも関連するのですが、自動調整については、要するに今後、議論を深めていかないといけないというのが全体の話だと理解するのですが、給付と負担のバランスが大事で、単なる給付削減でもなく負担の上昇でもないと。とはいえ、結局、給付率を下げていくとなると、給付なり、負担なりというところに手を突っ込んでいくことになるのですけれども、そこをもうちょっと、どういうようなイメージというか、要するに手をつけないとバランスはしないと思うのですが、意図しているところをもうちょっと。

〔田近分科会長代理〕 個人的な考えとしてはお話ししたいのですけれども、到底お話しできる状況にまだない。ただ、本日の議論が深まったのは、これまで改革工程表がたくさんあり、75歳の云々とか、資産も重要ですとか、先程言った頻回受診とか、ベッドのコントロールとかをやってきましたと。だから、ある意味でそれを総合的に、両者をインテグレートしていくような視野があり得るのかということだと私は理解をしていて、これからどういったものが出てくるのか、適切な政策が出てくるのかどうかだと思います。逆に言えば、今までの個別の、両サイドからの議論をやっていくことで済むのか。そのように理解すると、今後の一つの視点が議論され始めたのだなという気はします。

〔質問〕 これまでお話しいただいた内容をざくっと理解すると、要するにこれまでの改革工程表に書いてあるような中身、歳出なり、給付と負担の話を別のメニューで手をつければ、おのずから自動調整の議論の内容も変わってくるというようなイメージでいいわけですか。

〔主計官〕 要するに、どのような調整の仕方をするかは、これからの具体的設計の話だと先程申し上げました。仮に、これが入ったからといって、他の医療費適正化に向けた努力が要らないかと言われれば、そうではないということは以前申し上げたとおりでありまして、本日もまた御議論があったので御説明させていただきましたけれども、医療費そのものの伸びがある程度抑えられる適正化策を講ずることによって、医療費全体を抑えることができれば、調整しなければいけない規模が小さくなる、もしくは調整しなくてもよくなる。負担能力の増と医療費の増が見合えば調整しなくてもよくなる。そうした意味において、他の政策がうまくいけば、こちらのほうは動かなくて済むということはあるかと思います。

 問題は、本日の財審の議論の中では、まさにおっしゃられたように、更に支え手がどんどん減って負担能力が落ちていく中で、今後、特に大きな負担能力の減少局面の中にあっては、やはり支える側と支えられる側のバランスをとっていかなければいけないだろうという点については、議論としておかしいと言う人はいないので、給付率に手をつけなければいけないとしても、それを具体的にどういった手段で、どのようにやっていくのかについては、具体的制度設計を更に行っていく中で議論を深めていきたいというのが、本日の概ねの議論だったと理解しています。

〔田近分科会長代理〕 やはり好むと好まざるとに関わらず、政策的なシークエンスで言えば、本日の資料の4ページに改革項目があるわけですけれども、私は概ねこういうことだと理解しています。日本の医療政策というのは、大きな目で見ると地域医療構想ということで、都道府県の急性期から慢性期の病床数をコントロールしていく。それから、適切な医療をしてもらうための様々な措置がある。そして、負担を求めていく。今でもそれをやっているわけです。だから、まずは、本日ここに出ている視点1、2、3の項目を行っていく。もう一歩進むときには、給付率の調整があり得るのではないか。すなわち、最後のところから全部を紐解くというようなことではなく、前の改革項目をどう考えるか、政策的には、現在はそちらが主軸ということです。

〔質問〕 内容は、今、おっしゃっていただいた内容で理解したのですけれども、全体の雰囲気として、例えばこれまで改革内容についてここで御説明いただくとき、委員の方の受けとめとしては概ね前向きな意見というような説明を受けた感触を持っていて、今の御説明を聞くと、聞きようによっては、そういう諸々のメニューをやって初めてこういうところに手をつけたほうがいいのではないかと。どちらかというと、自動調整については慎重な意見と捉え……。

〔田近分科会長代理〕 私が本日、委員の皆様の意見を聞いてきて、それに対して何らかの集約はまだできる段階ではないと。だから、本日の議論としては、今までのものを進めていくときのインテグレーションという視点が入ってきたということだと思います。そこから全体を、今、この段階で振り返るようなものではないと思います。

〔質問〕 田近先生は、会長代理として、給付率自動調整の在り方、今度の骨太方針というのは社会保障の上では大事なものだと思うのですけれども、具体的な制度設計についてはこれからだと思いますけれども、基本的な考え方は骨太に盛り込みたいと考えられますか。

〔田近分科会長代理〕 先程言った繰り返しになりますけれども、これから議論を深めていくというところで、本日の私の総括とさせてもらいたいです。

〔質問〕 保険給付の給付率調整なのですけれども、厚生労働省は早速、これへの反対を示唆していますけれども、受け止め方はいかがでしょうか。

〔主計官〕 医療保険部会で、先般、御議論があったと承知しております。そこの一つ一つにどうこうと言及することはいたしませんが、例えば急激に経済などの変動があった場合にどうするのかだとか、そういった御議論があったと思います。それは、これまでも申し上げましたが、例えば調整する幅を算定する際に、単年度の数字だけではなくて、過去何年間かの移動平均を使う等の制度設計の仕方によって様々な形でクリアできる問題も当然あるわけであります。一方で、先程申し上げたように医療保険制度をめぐる状況というのは、現実問題として支え手がどんどん減っていく中で、どのように持続可能な制度をつくっていくのかという論点は、当然、厚生労働省も含めて持っている。その中で、将来に向けてある程度展望が持てるような、ある程度持続可能性が見通せるような仕組みとして考えられないかということで、これから制度設計も含めて議論を深めていく段階になるということだと思っています。

〔質問〕 すみません、制度設計というお話がありましたけれども、それはいわゆる春の建議がまとまる中で、その過程で財政審の中で具体化していくということでしょうか。

〔主計官〕 その辺のタイミング論はまた御相談ですけれども、周りの状況も踏まえながら、更に議論を深めていくためにも、様々な状況を踏まえながら行っていくことになりますので、今の段階で、この時期までにこのような制度設計まで深まるとかいうことは申し上げられません。

(以上)

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