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財政制度分科会(平成30年4月11日開催)記者会見

平成30年4月11日
財政制度等審議会 財政制度分科会

 
〔田近分科会長代理〕 本日13時より、財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたしました。

 本日は、社会保障について、事務局から「社会保障について」という資料に基づいて説明があった後、質疑を行いました。

 いつものとおりですけれども、主な質疑や意見について、委員個人の名前は伏せた上で、御紹介したいと思います。

 医療について、資料にも日本の医療制度の特色が書いてありますけれども、フリーアクセスの問題が大きいという指摘がまずありました。病院なり、クリニックに行く数が1人当たり12.7回ということですが、これは主要国と比較しても高いという御指摘です。

 それから、これから議題の一つになるものとして公的年金の支給開始年齢をどうしていくかという論点があります。支給開始年齢の引上げという点に関しては、それに伴ってデメリットを受ける世代があるのではないかという御指摘でした。これについては、追々これからその他の意見も紹介しますけれども、日本は人口が長寿化し、高齢化していることも踏まえると、支給開始年齢の引上げは方向性として避けられないのではないかという御意見もありました。

 次の方の御意見に移ります。地域別診療報酬のあり方、奈良県の取組等についてです。本日も一部、主計官からも触れましたけれども、この方の御意見は、そうした地域が医療費の抑制に向けてしっかり取り組む事例のポイントは、国民健康保険に対して法定外繰入れ、いわゆる地方自治体の一般会計から国保特別会計への繰入れをなくして負担と給付の対応関係をはっきりさせることであり、そうした取組の一環として重要だということをおっしゃられました。その方の御意見は、この前の海外調査の経験を踏まえて、スウェーデンでそうだったように負担と給付の対応関係を「見える化」することが大切ですということでした。それから、御指摘のもう一つは、医学部の定員を見直すべきだという御意見を述べられていました。

 次の方は、自助努力について述べられて、本来的には病気にならず、それぞれ個人が健康を維持するようにしていくことが大切だ。そのためには、個人が健康を管理して、良い健康状態を保つようなインセンティブが重要で、そうしたことは民間企業が創意工夫をしていくべきではないかということです。それから、医療・介護政策については、工程表等、様々なプランが出ているが、既に行われている施策がどの程度利用され、効果が出ているか検証することも重要だということをおっしゃっていました。

 次の方は、高額医療費について、財政健全化の観点で考えると、どの範囲を公的に担うか線引きを改めて考えるべきだということで、保険の収載に限定せず、より広い意味での問題を提起しておりました。

 次の方も、皆さん重要なことを御指摘なさいましたが、今回の資料にも、36ページの「財源別国民医療費の推移」、37ページの「財源別介護費の推移」ということで、医療費と介護費の財源はどうなっているのかというところで、ブルーの部分が公費負担分で、その中には財政赤字により確保している部分があり、しかも、その部分が大きくなっているということを踏まえて、この財源を、患者負担、保険料負担、公費負担の間でどう考えていくべきか。そうしたことを指摘した上で、今、この図で説明させていただいたように、公費負担と言いながら、結局、将来負担が上がっているのではないか。給付は現役世代が受けて、その負担を、公費と言いながら、将来世代に付け回しているのは問題だということを指摘されていました。

 そのほかの方も、多くの社会保障改革の提案に対しては賛成だけれども、どう実現していくかというところを我々も考えているのですが、この改革を国民に理解してもらうことも大切なのだという御意見がありました。実は、社会保障制度改革は、制度の持続性を高めるという意味で、高齢者にとっても重要な問題であるということを分かっていただくという視点が大切ですということをおっしゃっていました。

 次の方に移ります。都道府県の取組、奈良県モデルと言っていいのかどうかわかりませんけれども、都道府県がそれぞれ独自に診療報酬の点数をつける等の取組ですが、御意見としては、医療・介護に関して、都道府県、市町村がそれぞれの医療・介護に関する費用、それに対する財源、その管理に意欲的に取り組むようなインセンティブが必要ですと。少し専門的になりますけれども、調整交付金のあり方も重要ですということです。それから、これから2022年、2025年、団塊の世代が後期高齢者になっていく中で、マイナンバーを活用して金融資産の捕捉をもっと徹底すべきということをおっしゃっていました。

 年金に関しても御意見があり、今後、基礎年金の給付をどう考えていくかということで、基礎年金は半分、国庫負担になっているわけですけれども、高所得・高資産所有の高齢者に対して基礎年金の国庫負担部分の給付をどう考えるか。これは年金の資料の最後にありましたが、それに触れて、高所得・高資産所有の高齢者の基礎年金の給付のあり方について御意見がありました。

 医療費の伸びで高齢化要因というのは、高齢者数が増えていき、高齢者は一人当たりの医療費が高いわけですから医療費が上がるというものであり、一定程度理解できる。しかし、それでは説明できない、その他の伸びについてもっと分析する必要があるのではないか。それは、単にマクロ的な数字の分析だけではなくて、ミクロ的な分析が必要である。例えば、それぞれの人はなぜ頻回受診を行うのか、あるいは介護であればケアプランのチェック、誰が何回、どれだけ介護を受けているか、そうしたミクロの分析が必要ですという御意見でした。

 年金についても御意見がありまして、年金支給開始年齢の引上げについては、参考資料に記載の主要先進国の中で日本は一番支給開始年齢が低く、受給期間は長いということで、支給開始年齢の引上げは必要であるということを指摘されていました。

 次の方は、医療について、先ほど紹介させていただいた公費負担の部分と重複するわけですけれども、自己負担部分は引き上げるべきで、それはなぜかというと、先ほど私が御意見を紹介したように、公費と言いつつ、それは将来世代への先送りになっているからであるという御意見です。

 次の方は、これも重要ですが、病床の適正化について、いわゆる「7:1入院基本料」を算定する病床の適正化が重要だと言ってきたわけです。ところが、「7:1入院基本料」を算定する病床を適正化することで、76ページの地域医療構想を実現していくということですけれども、その取組が必ずしも進んでいないのではないかという御指摘がありました。

 それから、「経済・財政再生計画」の下、社会保障関係費の増を3年で1.5兆円におさめるべきだというようなことをやってきて、その中で薬価改定等を行ってきたけれども、全体としてもっと取り組むべき課題があるのではないかということをおっしゃっていました。

 そして、この前、海外調査のために私も行った国であるドイツのショイブレ財務大臣がお辞めになったときに、財務省の玄関に財務省の人が集まって、黒いゼロを描いた。シュヴァルツェ・ヌルといいますが、黒字のゼロです。そうしたことが印象的だった、こういったわかりやすいスローガンを示すべきだというようなこともおっしゃっていました。

 最後になりますけれども、薬局の数や薬剤師の数が多いのは違和感があったという御指摘もありました。

 そういうことで、社会保障は大変大きな分野ですけれども、今、御紹介したような意見があって、社会保障改革を国民に理解してもらえるような形でどう進めていくかということで、各委員がそれぞれ、様々な工夫をなさった上での御意見をいただいたと、そのように私は聞いていました。

 以上です。

〔幹事〕 御説明があった中で、3年で1.5兆円のいわゆる目安について、もっと取り組むべき課題があるとおっしゃったのは、金額的にもっとハードルを上げてもいいのではないかという趣旨ですか。

〔田近分科会長代理〕 今回、社会保障を議論し、目安をどうするかということですけれども、今回は社会保障の中でも、今、申し上げた医療・介護、年金を中心にした改革案について議論するということで、そうした事実認識を踏まえた上で、建議の取りまとめのところで議論を深めていきたいと、そういったスタンスで私は進めているつもりです。この段階で幾らにすべきだとか、そうした議論については、本日はなかったということです。

〔主計官〕 その発言をされた方はどちらかというと改革の中身に関して、これまでの目安については、薬価の見直し等が大きな削減効果を生んできたわけですが、これからも引き続き改革を行うに当たっては、もっと踏み込んで、それ以外にも様々な改革にしっかりと取り組むべきだと、本日の議論ではそうした趣旨だったと私は理解しました。

〔幹事〕 医学部の定員見直しというのは、もっと減らせという趣旨ですか。

〔田近分科会長代理〕 委員の御持論ですけれども、優秀な人材が医学部に集中しているのではないかと。それを踏まえて、定員管理ということも重要なのではないかという御意見です。

〔主計官〕 あと1点、やはり医師の数が医療費にも影響を与える可能性があるということを踏まえて、今後、医学部の定員がそもそもどの程度であるべきなのかということも含めて議論していくべきだという御意見でした。

〔田近分科会長代理〕 だから、病床数のことも、お医者さんの数も、結局、供給が需要を決定していく中で、医師数の見直しを図る必要があるのではないか。先ほど調剤薬局についても言いましたけれども、そのコンテクストをベースにして医学部の話をされたということです。

〔幹事〕 資料44ページの先進国間の比較を見ますと、必ずしも日本の医者が多いとは言えないのかなという気も少ししましたが。

〔田近分科会長代理〕 これは、病床が多いからです。病床が多いから、病床当たりのお医者さんの数は減る。

〔幹事〕 基本的には、医者の数と医療費は相関関係があるものだという認識でしょうか。

〔主計官〕 例えば、資料43ページ等において医療費の増加要因の分析をしてみた場合に、病床数や医師数等が影響している可能性があるというような分析結果が出ているだとか、次のページの病床と1人当たり医療費が極めて良好な相関関係にある等々を踏まえて、やはり一定程度供給量を適正化していくことが大事だということです。

 あと、足元の医師数もそうでありますが、今の大学の定員を前提に卒業生がどんどん医師になっていくと、実は医学部の定員を増やした世代の学生達が足元で既に医師になり始めていますが、今後、医師数の増加が本格的になっていくわけです。従来よりも多くの学生が医師になっていくということも踏まえて、今後の需給をどういうように見るのか。そうした観点からの御意見だと思っています。

〔質問〕 最初のほうで紹介された御意見の中で、年金支給開始年齢を遅らせると、デメリットが起きる世代があるというような懸念の声が示されたということですけれども、この方の意見についてもう少し詳しく御説明いただけますでしょうか。

〔主計官〕 簡単に言うと、今まで65歳でもらえると思っていた人が、受給開始年齢を仮に68歳まで引上げられたとしたら、やはり年金の受給総額だけで見ればその部分が減るということが生じるので、ただでさえマクロ経済スライドなどで給付が抑え込まれていく中で、ダブルパンチになるということがあり、現在、年金をもらっている人はあまり削減されない中での不公平感がありはしないかというような御意見でした。あとは、そもそも就労促進という観点で、今回、支給開始年齢の引上げの話もしましたけれども、本来、繰下げ受給の柔軟化で対応すべき話なのではないのかといったような、やや慎重な見方も示されたということであります。

〔質問〕 もしデータがあれば伺いたいのですけれども、高齢化による増加分と、その他要因、高度化によって生じる増加分の内訳が出せるものがあればお伺いしたいのですが。

〔主計官〕 医療費で言うならばおおむね半々だという資料はございます。41ページ、これまでの高齢化の伸びというものが青と赤でありまして、おおむね半分ぐらいが高齢化による増加、高齢人口増減による要因でありまして、残り半分がその他による伸びだと。それがこれまでの実績として出せるものです。

〔質問〕 というよりも、今後の、例えば何年間でというような推計も含めてございますか。

〔主計官〕 それはありません。

〔質問〕 そうしたら、この傾向は続いていくという見通しですか。その半々というような規模感というのは。

〔幹事〕 では、少なくとも財審が委託して、財審のためにというものではないと。

〔田近分科会長代理〕 ないです。

〔質問〕 というよりも、今後の、例えば何年間でというような推計も含めてございますか。

〔主計官〕 それはありません。

〔質問〕 そうしたら、この傾向は続いていくという見通しですか。その半々というような規模感というのは。

〔主計官〕 高齢化による増は人口動態に左右されますので、今後の人口動態の状況次第になるということで、それは動き得ることだと思いますし、高度化による増、もしくはその他増は様々な要因で増減します。直近で言えば、高額薬剤が多く売れた年は、それに伴いその他増がその年だけ大きく増える等、そうした要因もありますので、この傾向が続くかどうかについてはなかなかお答えが難しいです。

〔田近分科会長代理〕 私も多少は、医療費推計等を行っているので、座長というより研究者として言えば、今、阿久澤主計官が指摘されたとおりですけれども、人口部分というのは幾ら頑張っても、年齢が増えていけば医療費は上がる。多少議論があるとしても、それは一定程度避けられないです。そうではない要因というのは、医薬品等の保険収載の範囲やサプライサイドの問題ですが、そこをまさに医療・介護制度改革ということで、仕組みも含めて見直していこうとの議論がなされました。その要の一つとして、病床数、地域医療構想等があるという構造だと思います。

(以上)

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