〔幹事〕それでは、会見を始めます。冒頭よろしく御説明をお願いいたします。
〔増田分科会長代理〕それでは、私のほうから申し上げます。本日9時から財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたしました。本日は、事務局から「持続可能な社会保障制度の構築」、これは財政各論の2回目になりますが、こちらにつきまして説明をいただいて、その後、委員の皆様から御意見をいただいたところでございます。以下、順次その内容について御説明を申し上げます。それで順番は、総論の意見をいくつか紹介して、それから医療、介護、そして障害福祉と、こうした順番で順次御説明してまいります。
初めに、総論の意見です。最初の意見ですが、各種社会保障改革の効果や賃上げの進展によって令和8年度の社会保障負担率は低下をすると見込まれている。社会保障改革を断行することでこの傾向を定着させ、保険料率を確実に引き下げていくべきであり、そのための具体的な数値目標、年限を掲げるべきである。
それから次の意見ですが、社会保障給付は今後も増加が見込まれる。社会保険料負担を構造的に引き下げていくという明確な方向性が不可欠である。医療・介護を中心とした具体的な改革項目と工程を整理し、社会保障改革の工程表をアップデートすべきである。
それから、三つ目です。社会保障費の歳出水準をコントロールし、社会保障負担率の上昇を食い止めるため、その伸びを何らかの経済指標の伸びの範囲内に抑えていくことや、社会保障負担率に上限を設けることが必要ではないか。以上三つが総論についての主立った意見であると思います。
それから次、医療についてです。初めの意見です。高齢者医療の窓口負担について、年齢ではなく能力に応じた負担の観点から、3割負担化の実現に向けた制度改革の工程表を示すべきである。その際、制度の公平性、制度の分かりやすさの観点から、外来特例の廃止や、70から74歳の方の3割負担化に特に優先的に取り組むべき。その上で、75歳以上の高齢者についても、現行の線引きをゼロベースで見直し、原則3割からのバックキャストで制度改革を検討していくべきである。これが最初の意見です。
それから、次の意見です。働き方やライフスタイルの多様化が進む中、複数事業所で働くマルチワーカーへの被用者保険の適用や、3号被保険者、被扶養者制度の見直しについては、5年に一度の年金改革を待つことなく検討を加速し、見直しを図っていくべきである。
それから、次の意見です。医療保険の分立は制度間の非効率も生んでおり、将来的には統合や集約に向けた議論も進めていくべきである。国保の保険料水準の完全統一の動きを加速化すべきである。後期高齢者医療制度の都道府県化も、保険者機能の発揮には重要である。介護も小規模市町村は事務継続が困難であり、医療との連携強化の観点でも事務の都道府県化を進めるべきである。
それから、次の意見です。医療機関の経営状況の見える化を一層進めるべき。職種別給与の提出義務化等によるMCDBの精緻化に加え、今後は全ての保険医療機関の悉皆的なデータ把握を実現すべきである。
それから次です。医療DXによる効率化効果をアウトカムと評価し、それに応じた支援をすべきである。医療データ基盤の整備・利活用を推進し、必要な人へ必要な医療の提供がされているかの分析が必要である。医療現場へのAI導入も重要であり、好事例を横展開すべきである。
それから、この医療分野の最後の意見ですが、医療提供体制の改革は不可欠であり、地域医療連携推進法人を標準的な取組として推進をしていくべきである。
次、介護の分野の意見を紹介します。まず初めに、介護分野は費用が上昇し続ける一方、利用者負担はほぼ横ばいであり、制度の持続可能性が危ぶまれる状況である。この現状を直視した上で、令和9年度介護報酬改定に向け、介護報酬の抜本的な適正化と2割負担の範囲拡大などの制度改革の更なる推進が必要である。
それから、次の意見です。介護人材の確保は長年の課題であるが、人口減少下では対応に限界がある。介護報酬におけるインセンティブづけなどにより、介護事業所の共同化、大規模化、生産性向上を促進すべきである。介護は以上です。
最後は、障害福祉の関係です。障害福祉分野は、総費用の伸び率が年間10%を超えている現状を重く受け止めて、医療・介護等ともあわせて総合的に見直しを図る必要がある。
以上が本日の質疑として委員のほうから出た主立った意見でございました。
私からは以上でございます。
〔幹事〕御説明ありがとうございました。高齢者負担の原則3割化に向けた工程表というところで、先ほども委員から、バックキャストして考えるべきであるとか御意見がありましたが、逆に工程表という考え方について、ある種消極的というか否定的というか、課題を指摘するような御意見は上がったりしたのでしょうか。
〔増田分科会長代理〕いや、なかったと思います。3割負担を原則にして、そこからやはり1割負担、2割負担の話も出てくると思いますが、バックキャストしていろいろ考えていくのですが、その際にやはり予見可能性というか見える化も必要になってくると思いますので、したがって、工程表とか目標をはっきり示して、それできちんと進めていくべきと、こうしたことが意見の大宗だったと思います。
〔幹事〕分かりました。あともう1点ですが、全体の話ですが、各論もこれで2回終えて実際の建議に向けて審議などに入っていくと思うのですが、今後の議論について、増田分科会長代理として、何かどういう議論をしたいとかというのがあれば教えていただければと。
〔増田分科会長代理〕連休前は本日でもちろん最後になるのですが、まだ建議を財務大臣のほうに出す日程等もフィックスしているわけではなくて、連休明けに、これまでの各論の議論も含めて、起草委員の人たちに集まっていただいて、どういう方向で建議を文章化していくのかという議論をしていただきます。そのときに、例の物価等も原油の問題等もありいろいろ変わっている可能性もありますし、やはり春財審の建議を取り巻く環境というか、それと、それから建議を出して、最終的には骨太に、これもいつ政府のほうでつくられるのか、従来より遅くなるのでしょうが、骨太への入れ込みを目指していくということになりますので、連休明けにいずれにしても起草委員の皆様方とよく相談して、そのときの置かれている経済環境であるとか時々のテーマをよく考えて、それで建議をまとめていければと思っています。
〔幹事〕ありがとうございました。
質問がある各社さん、お願いいたします。どうぞ。
〔質問〕2点ございます。
まず1点目については、医療の高齢者の窓口負担3割に関して、今の現役世代の負担などの観点から見て、改めて現在の課題感とか、原則3割をすることの意義を教えてください。これが1点目です。
〔増田分科会長代理〕まず、今の3割負担の関係ですが、今回提案しているのは、大きな流れとして保険料率の上昇を抑えると。特に若年層の保険料負担を減らして可処分所得を増やしていくという、こうした大きな世の中の流れを我々ももっともっと加速していきたいということがございまして、その中でどうしても応能負担原則をやはり貫いていきたいと。高齢の方でも負担能力のある方にそれなりの負担をお願いして、それでやはり共助の精神で医療保険制度をしっかりと持続可能なものにしていきたいと思っているものですから、そうした流れの中で原則3割負担化ということが出てきております。
当然、先ほども御質問にございましたが、そのためには工程表などもしっかりと作成をしていくべきであると思いますが、今回の3割負担を打ち出していく中で、従来との関係でいうと、特に70から74歳の方の原則3割負担ということが一つと、それからやはり高齢者だけに適用される外来特例というのがあるのですが、これも廃止をしていくべきではないかと。それから、75歳以上の方の負担割合は線引きされているが、それもゼロベースでもう1回見直しをして、適切な形にしていこうということ。それから、74歳までの負担をそのまま75歳以上のところに維持して、75歳以上となる方々の負担割合をそのまま継続、維持していくようなそうした形にしていくということを提案しています。
やはり大きな原則の若い人たちの負担増を少しでも軽減していくと。現役世代の負担増を少しでも様々な観点から軽減して、それでこの医療保険制度を持続可能にしていくという大きな文脈の中では、どうしてもこうした負担増を応能負担の原則の中でお願いしていくということが必要になります。これはやはり相当きちんとした形で説明責任を政府のほうで果たしていただければと思っています。
〔質問〕ありがとうございます。もう1点が、今の質問にも少し関連するのですが、工程表に関して、例えば年限だったり具体性だったりとかどういったような要素が必要であるとお考えになられているかも教えてください。
〔増田分科会長代理〕恐らく、工程表ですから年限は当然必要になりますし、どの段階でどの程度、その年にどのくらいのことを目標として達成させていくのか、そうしたものがはっきり書かれていて、予見可能性が高まるようなものであればいいのではないかなと思います。ですから、あまり長期の形のものというよりは、それなりの期間の年限においてつくられる工程表のようなもので、それに向けて決めたのであれば、よほどの環境の変化がない限りは毎年毎年しっかりそれを目がけて進めていくような、そうした工程表であってほしいと思います。
〔質問〕ありがとうございます。
〔幹事〕ほかにいかがでしょうか。
〔質問〕本日の資料の、ページでいうと25ページあたりの調剤薬局に対する量的規制というところで、少し聞き漏らしていたら申し訳ないのですが、このテーマに関してどういう意見が出たのかというのと、増田会長代理御自身のお考えがありましたら教えていただきたいと思います。
〔増田分科会長代理〕これは昨年の財審のときにも問題提起をしたかと思いますが、やはり調剤薬局については非常に小規模乱立の傾向があるということがございまして、今回も量的規制ということで、薬局の開業そのものの制約ではない、保険調剤への参入規制の導入というふうに書いてありますが、地域的に非常にそれが乱立をするような、非常に密集しているようなことであれば、ここで量的規制を考えていく余地があるのではないかと。
ですから、一方で、薬局の距離規制の違憲判決ということもここで書いていますが、実際に具体的な距離まで掲げた場合には裁判所の判断も一つ出ているようですが、全体として、旧薬事法の中での距離規制の判決も踏まえながら、現在の中でどの程度合理的な量的規制がいいのかと。これはきちんと政府のほうでも考えていただく、厚労省のほうで考えていただく必要があるのではないかという、そうした意味での問題提起と受け止めています。
この薬局の問題というのは、医療の中でもまた非常に重要な問題でもございますので、業界構造などもよく踏まえた上で考えていただきたいと思いますので、実態等々についてもさらにきちんとした把握を厚労省のほうでしていただきたいなと思います。
〔質問〕御説明ありがとうございました。高齢者の原則3割負担の部分に関して、高齢者からは反発の声も上がることも想定はされますが、そうした反発に対してどのように対応、説明されていくのか、増田会長代理のお考えをお聞かせいただければと思います。
〔増田分科会長代理〕もちろん御高齢の方々でも様々な経済的に困窮されている方もいらっしゃると思いますので、やはり原則3割ということを前提にしながら、それはやはり皆様が加盟している医療保険制度が非常に重要であり、また、給付が非常に今増えてきているという実態もございますので、その全体像というか、今、やはり公平な負担ということ、それから応能負担の原則という、ここはやはりきちんとした大原則を貫いていきたいので、負担能力をお持ちの方にも御負担いただきながら公平な負担を考えていくと。
それから、やはり全体とすると、現役世代の負担ですね。給付が何か高齢者に偏っていて、負担は現役世代ということを以前言われたことがあるのですが、やはりそこを公平な負担の在り方に切り替えていくという中で出てきた今回の話ですということをきちんと対象になる方々にお話をして、それで理解を求めていくということが必要ではないかと思います。
これについては、これまでも現役所得並みの方には3割負担ということで言ってきたことではありますが、やはり改めてここをきちんと国民の皆様方に説明していく、政府としてきちんと全体像を説明していくということと、あと一方で、医療についてであれ、社会保障関係費が今随分増えてきて、39.1兆ぐらいまでたしか増えたと思います。社会保障の保険料率、負担が上がったのが、少し辛うじてごく僅かですが下がって、そこを何とか維持して負担の公平を図っていきたいということがありますから、例えば医療についても無駄をきちんと排除していったり、医療のどういう部分がコストとして非常にかかっているのかということも含めてきちんと御説明する。
それから、特に公定価格ですから、診療報酬が、今年はございませんが、これからも診療報酬が適正に決められて、その下で行われているのかということに疑念があっても困りますので、今回も問題提起していますが、様々なファクトの見える化、職種別の給与であるとかそうしたことをもっと見える化をして、それで全体像がこうなっているという中で御負担をお願いするというようなことが大事であると思います。要は、きちんとした御説明に尽きるのですが、そのときに、やはり大きな原則であるとか、それからデータもきちんとお示しをして、それで無駄を省くような改革もしっかり行うこととセットで負担をお願いすると、こうしたことが必要になってくると思います。
〔質問〕先ほど建議の取りまとめに向けて、今後の経済環境の変化も踏まえていくということでしたが、今の原油高が広く物価上昇に影響するというふうになったときに、やはりコスト上昇分を予算にしっかり乗せていくという提言になるのか、補助金とかそうしたしかるべきサポートをやるべきとか、その辺のお考えというのはどのように?
〔増田分科会長代理〕建議の内容は全くまだこれからという感じです。それから、春の財審の建議ですから、具体的に今おっしゃったようなところまでの、何か政府に具体的な提言を建議でしていくということには恐らくならないとは思いますが、いずれにしても、連休明けの様々なそのときのファクターなんかはよく踏まえた上で建議を取りまとめていきたいなと思います。今のところはまだ全く議論していなくて、平場での各論の議論だけにとどまっています。
〔質問〕ありがとうございます。
〔幹事〕ほかはありますでしょうか。
すいません、幹事社からもう1点だけ追加で。今、与野党間で社会保障の国民会議の議論が進んで、給付付き控除と減税に関してですが、今回の議事にはないかもしれませんが、委員の方から何かこれについても意見が出たものがあれば教えていただければ。
〔増田分科会長代理〕特段そちらの関係はなかったかと思います。本日は社保の意見でしたのでというか、給付付き税額控除などはそうしたことかもしれませんが、特段のことはなかったかなというふうに思います。
〔幹事〕では、これで終わりでよろしいでしょうか。
では、終わりにします。ありがとうございました。
〔増田分科会長代理〕ありがとうございました。

