〔幹事〕それでは、冒頭、御発言のほうをお願いします。
〔増田分科会長代理〕本日14時から財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたしました。本日は、令和8年度予算等について議論を行いました。まず事務方から資料説明、その後委員からの御発言です。その発言の内容について、簡潔にこれから御紹介をいたしたいと思います。
まず、財政運営全般についてこうした意見がございました。初めは、財政はマーケットのシグナルに注視する必要がある。また、過度な金利上昇を招かないようにメリハリのついた財政運営に取り組む必要がある。短期的な地政学リスクもあり楽観視できない状況であり、どう市場の信認を得るかが課題である。
次の意見です。後年度影響資産のように、金利上昇の影響はラグをもって効くものである。地政学リスクも高まっており、下振れリスクを念頭に置いた財政運営を考えるべきである。
それから、次です。補正予算の当初化や複数年度予算の議論は、予見可能性を高めるものとして有効であるが、その仕組みやプロセスを整備しながら、いたずらに予算の膨張につながらないように留意をする必要がある。
それから次が、財政健全化目標についてですが、債務残高対GDP比が下がってきているが、この中にはインフレの影響もあることに留意が必要である。また、この対GDP比については、不確実性の高い外部環境に依存することにも留意が必要である。
それから、成長戦略についてです。日本の生産性、伸び悩んでいるのですが、今後官民で投資を促進する際には、これまで以上に量を増やすということではなく、質の向上が必要である。
それから、もう一つの意見ですが、社会資本の整備については、例えば建設業の人手不足が構造的課題である。人手不足の中では、社会資本と労働政策を一体的に考える必要がある。また、持続可能なインフラマネジメントの観点も重要である。
それから次です。こちらは社会保障の、どちらかというと国民会議関係の意見でございました。社会保障について、現役世代の負担をどう下げていくかが大きな課題。給付付き税額控除の話も含め、いかにデータを活用して裏づけのある政策を打つかが重要である。
もう一つの意見ですが、給付付き税額控除について、支援対象は本当に困っている人、政策的に支援すべき人、子育て世帯などに絞り込みを行うべきであるということです。
今までの範疇に入らない意見としては、これは、これまでの財審の中でも出ておりましたが、財政規律を確立する観点からも、独立の財政機関の検討を進めていくべきであると、こうした意見もございました。項目別でございますが、分科会の中では以上のような意見がございました。通常、分科会は平均2時間、昨年の秋の財審は少し時間を延ばして、1回2時間半でやりました。本日は予算の関係が主でということでございましたので、大体1時間半の議論で、以上で閉じております。
私からは以上でございます。
〔幹事〕御説明ありがとうございました。少し幹事社から伺いたいんですが、今の御意見の説明の中で、予算の立て方ですね、予見可能性を高めるものとして有効というのは、恐らく、当初でというところであると思うんですが、いたずらに予算の膨張につながらないように留意する必要がある、これは例えばどういったことを想定されている御意見だったのでしょうか。
〔増田分科会長代理〕補正予算は緊急性があるもののみをきちんと計上するということですが、これまで御批判もありましたように、やや常態化をして、一般に省庁の要求側から見ると、補正であると査定が大分甘くなって、それで当初よりは補正のほうが要求しやすいということもあって、それが結果としてずっとつながって常態化をしてきたということであると思います。したがって、そうした形で、ずさんとは言いません、その人はそうした言い方はしていなかったと思いますが、やはり本来は緊急性とか、厳密なものに該当しないものは、当初からきちんと計上していったほうが、いろんな民間の人を含めて予見可能性がぐっと高まるからいいが、やはりその際には、きちんと査定をするプロセスをしっかりやってですね。ただ補正で今まで計上していたものを当初に持っていくような、そうした形にはしないようにということなので、恐らく全体としても、今の補正の額をそのまま移すだけでは何の意味もないと、こうしたことであると思います。
〔幹事〕ありがとうございます。もう1点だけ。財政目標のところ、債務残高対GDP比のところですが、不確実性の高い部分があることにも留意が必要であるということでしたが、これはその債務残高対GDP比を目標にすることに警鐘を鳴らしているのか、これを目標にする中で何かたがをはめるというか、何かが必要なのか、どういった御意見でしょうか。
〔増田分科会長代理〕債務残高対GDP比ですが、インフレですとか金利の影響であるとか、要は政府でコントロールできない外的な環境によって、その数値が大分影響される。したがって、ある年、がたっと債務残高対GDP比が下がるかもしれませんが、またあるときは逆になる可能性もありますので、トータルとして、今230%ぐらいになっているんですかね、ということもございますので、やはりしっかりと政府としてコントロールできるような形で考えていくべきということではないかなというふうに思いますが、いずれにしても、財政健全化目標については、どういうふうにこれを見直すかというのは、これからの骨太に向けての話で、まだ全く情報がありませんので、これから6月に向けていろいろ議論が進んでいくと、具体的な意見が出てくるのではないかと思います。
〔事務方〕すみません、今お話がありました債務残高対GDP比230%というのは、皆様ご案内のとおりですが、健全化目標の数字というよりは、よく国際機関で出している数字が230、240で、ここから例えばFBですとか、そうしたものを除いた国・地方の債務残高といって、本日の資料を御覧になっていただければ分かりますが、それは今足もとで166.6、若干数字が違うことを申し添えます。
〔幹事〕ありがとうございます。それでは各社さん、御質問のある方。
〔質問〕お話の中で、給付付き税額控除についての議論をされたということなのですが、消費税の減税については本日、何か意見はありましたでしょうか。
〔増田分科会長代理〕消費税については、国民会議で議論をするということで今、そうした政治的な意思決定がなされているですが、したがって、そこでは、今おっしゃった消費税減税と給付付き税額控除と、そこを議論するというか、両方まとめて議論していくのでしょうが、支援対象をきちんと絞り込んで、本当に困った人に絞り込むべきであると、こうした意見が中で出ておりました。恐らくその意図は、給付付き税額控除をやるまでのものとして消費税減税という言い方をされているので、全体とすると給付付き税額控除で支援対象を相当考えて制度設計していかなければいけないと思っています。ですから、そうしたこともトータル含めて、そうした話だったんではないかなというふうに思います。
〔質問〕本日の話の中でイランの軍事衝突とか中東情勢であるとか、あるいは原油高について言及はあったんでしょうか。
〔増田分科会長代理〕この中で地政学的リスクと言っているのは、恐らく、イランを前提に委員の方は発言されていると思いますが、イランという国名を出しての発言は本日はなかったと思います。それから、したがって原油のことについても、本日は直接的には意見はなかったかと思います。毎日揺れ動いてるということはあったかと思いますが、ただ、先ほど紹介した中で地政学的なリスクとか、二、三箇所言ったかと思いますが、それは恐らく、あのニュアンスはイランのことを踏まえてであると思います。
〔質問〕本日、中長期試算の資料も出されたかと思いますが、プライマリーバランスの達成目標について何か意見というのは出ているんでしょうか。
〔増田分科会長代理〕PBについては、特に具体的にそれがどうだこうであるということではなかったと思いますが、PBも複数年度でバランスをみるような話があるのですが、まだその中身をどうするかという具体的な提案というか、考え方がほとんど示されていないんですね。したがって、債務残高対GDP比の話はありましたが、PBの話は特になかったかと思います。フローの話はなくて、ストックの話だけだったかと思います。
〔質問〕先ほどの国民会議の議論なんですが、その中で財源についての御意見というのはありましたでしょうか。
〔増田分科会長代理〕財源については、当然のことながら、はっきりとした財源を確保するというのが大前提であると思うので、そのあたりについての財源の明確化というのは必要であると思います。私もそう思いますし、委員で、国民会議に関することを言った人も、恐らくニュアンスとすれば、やはり特例公債に頼らずに、消費税減税も考えますということをはっきり総理もおっしゃっているようですので、要は、借金せずにちゃんとした財源を見つけるということですから、皆様方もそのとおり、きちんとその方向でやってほしいということであると思います。
〔質問〕もう2点ありまして、本日の中で、暫定予算について、今の国会運営の中でテーマというか論点になっておりますが、それについての御意見のようなものはありましたか。
〔増田分科会長代理〕暫定予算の話は、特になかったですね。今のところはあれではないですかね、今の国会に出ている予算案をどう審議するかというか、あれを前提に委員の皆様は本日議論したということです。
〔質問〕もし会長代理の中で、議論の熟議という観点で、現在の国会運営の方法だったりとか、暫定予算の必要性のようなところを感じていらっしゃったら、御意見をいただきたいんですが。
〔増田分科会長代理〕国会の議論の様子なので、もう本日、明日で大体、いろいろ議論されるんでしょうから、少し何とも私も言いようがないですね、それについては。
〔質問〕分かりました。ありがとうございます。最後にもう1点だけ。今回、資料の中で、財審の意見がどう反映されたかというものを示していただいたんですが、何か反映されなかった点とか、もう少し今後も課題が残ったというような御意見がもしあれば、教えてください。
〔増田分科会長代理〕これが反映されてないのではないかという話はなかったですね。少なくとも私の理解はそうです。比較的、建議を丹念に予算のほうには反映させたと、そうした意味での意見が多かったと思います。社保の診療報酬なんかも結構、3%を超えるあれでしたが、実際の予算の中身は、診療所よりは病院のほうに随分寄せた格好でこの間決めましたし、だから、そうした意味じゃ建議の内容を相当意識して予算をつくったと、そうした評価だったと思います。
〔質問〕すみません、予算の当初化、複数年度化について追加でお伺いしたいんですが、課題点とか懸念すべきような点とかという観点での御意見というのは、ほかに出ていらっしゃれば教えていただきたいですが。
〔増田分科会長代理〕懸念、私の記憶というか、私の理解であると、いずれにしても予算の膨張について皆様、この関係は三人の方が触れたのかな、いずれにしても、予算の膨張について皆様おっしゃっていたかと思います。要は、補正予算の計上が、そのままただ時期をずらして、年度当初に移るという、そうしたものじゃ駄目ですよと。私もそう思います。理屈とすればもう常態化しているようなものは、最初から必要なものなのできちんと当初で、必要性も含めてしっかりと査定した上で計上するべきですから、そうしたことをやること、そのこと自身は皆様賛成の方向だったと思いますが、それは先ほど言ったように、予見可能性も高めるし、いいのですが、さっき言ったような大きな前提がついていて、ただ、そのプロセスを整備というふうに私、言いましたが、その方もそうした言い方をしていましたが、要は厳しい査定をきちんとした上で、必要性を吟味して、当初に最初から計上すべしと、そうしたことであると思います。
〔幹事〕ほかに御質問ないようであれば、会見はこちらで終了とさせていただきます。どうもありがとうございました。
〔増田分科会長代理〕はい、ありがとうございました。

