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財政制度分科会(令和7年12月2日開催)記者会見の模様

〔幹事それでは、冒頭、御説明ありましたらお願いいたします。

〔増田分科会長代理それでは、私から発表させていただきます。本日10時より財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたしました。これまでの秋の財審で深めてきた議論を令和8年度予算の編成等に関する建議として先ほどとりまとめをしたところでございます。

その内容についてですが、今回の建議におきましては、人口減少、供給制約のもと、持続的な経済成長を実現するためにイノベーション、資本、労働を強化して供給力の強化に取り組み、強い経済を構築することが重要である。また、戦略的な財政運営を行うと同時に、財政に対する市場からの信認を確実なものとすることが重要である。今後の想定外の有事に備えるためにも債務残高対GDP比を安定的に引き下げ、財政余力を確保することが重要である。以上申し上げました3点、このような考え方を盛り込んだものとしております。また、社会保障をはじめとする各分野についても、令和8年度予算編成に向けた必要な改革の方向性等をその中に盛り込んでございます。

この建議についてですが、先ほど片山財務大臣にお渡しをいたしまして、その中で会長から令和8年度予算に適切に反映していただくようにお願いを申し上げたところでございます。

私からは以上です。

〔幹事ありがとうございました。それでは、冒頭、幹事社質問させていただきます。財政総論に関して、プライマリーバランスについて質問させていただきます。ちょうど1年前、昨年11月29日の建議では黒字化達成に向けて不退転の覚悟をもって予算編成に臨むとか、将来を見据えた営みこそ今を生きる我々の責務であると、かなり責任、プライマリーバランスに対しての強い表現がありましたが、今回の建議でプライマリーバランスに関する表現のまず御説明をいただきたいのと、読んだ限りではかなりトーンが弱まっているように受け止められます。なぜこうした今回のような表現に1年間で変えられたのかというところをまずお願いします。

〔増田分科会長代理今回の答申の中では4ページからプライマリーバランスについていろいろ記載をしておりまして、特に5ページのところでこの考え方を記載しております。政府、総理もおっしゃっていますが、債務残高対GDP比、これを順次引き下げていくのであるということ。それからプライマリーバランス、これについてもそれが重要な指標であるという認識は変わっていないというふうに思っております。この5ページの中で歳出改革の取組、それから歳出構造の平時化などということで、5ページの中ほどになりますが、「歳出改革の取組」、それから「歳出構造の平時化など、政府としてコントロールできる取組を継続しながら、フロー要因としてのプライマリーバランスの状況を確認・検証しつつ、毎年度の財政運営に臨むことが重要である」と、このように記載をいたしまして、結局市場の信認を得ることが、これはもう基本、財政としての市場からの信認を得ることが基本ですが、そのためにフロー面、ストック面できちんと踏まえておかなければいけないことを今回の建議の中に入れてあります。したがいまして、今回の建議におきましても、財政健全化に向けての取組といったものが昨年度と特に変わっているものでもございませんし、そうした考え方で今回はやはり強い経済、成長に向けて、いわゆる危機管理投資、成長投資とどう両立を図るかということを政府として取り組む、その中で、財政健全化との両立をどう図るか、それを十分に踏まえながら審議をし、こうした建議にとりまとめたと、こうしたことを申し上げます。

〔幹事追加で質問よろしいでしょうか。とはいえ、表現が変わっているのは間違いない事実であると思います。財審というのは関係法令でも国の予算など重要事項を調査・審議し、それに関して財務大臣に意見を述べることとされています。なので、去年こうした表現をされていたのに、それを1年で意見を変える必要まであるのかという疑問が生じるのですが、そこはいかがでしょうか。

〔増田分科会長代理特に意見を変えたという認識はございません。これは全員の共通認識であると思います。今の時点できちんと財務大臣に申し上げるべきことはこの建議で、先ほども、3点冒頭申し上げましたが、2番目で市場の信認、そしてその関係について、安定的に債務残高対GDP比を引き下げ、財政余力を確保することが重要であると、こう申し上げました。その点は財務大臣にも意見として申し上げておきました。

〔幹事ありがとうございました。会場から質問お願いします。

〔質問今の関連なのですが、基本的には市場の信認を得るという姿勢が基本にあると。一方で、今回プライマリーバランスの黒字化についての必要性については言及がされていないかと思うのですが、信認を得るための手段としてはプライマリーバランスの黒字化というのは必ずしも必要ではないという御見解なのでしょうか。

〔増田分科会長代理債務残高対GDP比を安定的に引き下げるということが大事ですので、そのためにもプライマリーバランスを黒字化させるということが必要であると思います。そのときにどういうふうにプライマリーバランスのことを考えるか、重要な指標ですが、それだけに総理からもそれについては、今、国会、あるいは記者会見等で言及をされておりますので、恐らく年明けになりましてからその関係について、また中長期の見通しを踏まえた上で考えてもらうような趣旨の御発言もこれまで出てきておりますので、その中で考えていく重要なポイントだろうというふうに思っています。

〔質問再び財政総論に関連するところでして、補正予算など追加的な対応によりプライマリーバランスは悪化する可能性があることに十分留意が必要であるという指摘があります。足もとで、高市政権で責任ある積極財政で今般、去年の補正予算より4兆円以上増えたという形になりましたが、今回の建議はそうした財政支出が増えたということへの、問題なのではないかという問題意識を伝えたというふうに見るべきなのか、このあたりの考え方をお伺いします。

〔増田分科会長代理今回の建議について、この時期、私ども、補正予算も既に編成し終わって、間もなく国会でいろいろ御審議されると思いますが、我々としては毎年この時期に補正予算の編成もございますので、そうしたことを踏まえて財政健全化を果たしていく上での必要なことを申し上げたということで、特に今回の補正予算を意識して、それだけのために言ったということではなくて、財政健全化を図るということでは毎年同じようなことを常に言っておりますが、それを今回も建議として申し上げている。ですから、ここの中で書いてございますが、プライマリーバランスについていくつかきちんと踏まえておかなくてはいけないということを言うべきであるということで、4ページのところで補正予算など追加的な対応でプライマリーバランスが悪化する可能性があることに十分留意が必要であると書いていますが、これはこれまでもスタンスとして、昨年も一昨年もとっていたスタンスですが、それもきちんと踏まえて書いておく必要があると、そのように判断したものです。

〔質問先ほど御説明があったところのプライマリーバランスの5ページの中ほどのところの確認なのですが、「フロー要因としてのプライマリーバランスの状況を確認・検証しつつ、毎年度の財政運営に臨むことが重要である」と指摘されています。高市総理はプライマリーバランスの黒字化目標については単年度にこだわるべきではなく、複数年度で見ることもありなのではないかと言っているかと思いますが、ここで「毎年度」というふうに書いているのは、高市さんの発言に対してくぎを刺すような意味で書いているのか、どういう見解なのでしょうか。

〔増田分科会長代理御承知のとおり健全化についてはフローとストックの両方を気をつけなければいけないところがあって、フローについては、プライマリーバランスについての状況を確認・検証というふうに言っている意味は、総理がおっしゃっていること、これから具体的な内容は来年いろいろ出てくると思いますが、それに対して何か、今おっしゃったくぎを刺すとかということよりも、プライマリーバランスの状況を確認・検証するというのが予算編成の基本であると思いますので、それについてここで記述をしています。ただ、フローもストックも健全化のためにはこうした指標というのが非常に重要なので、いくつか重要な指標があると思いますが、そうした意味でプライマリーバランスを積極財政を考える上でも忘れてはいけないという意味でここに書いてあります。

〔質問防衛に関するところで1点お伺いしたいのですが、8年度の予算編成では計画で定められた経費の総額を堅持し、既定の方針に沿って財源を手当てしていくというふうにありますが、足もとで防衛費、GDPの2%にする目標を前倒しにするような動きがありまして、補正でも関連経費を積んでいますが、その受け止めについてはいかがでしょうか。

〔増田分科会長代理防衛費については前回、前々回だったか、議論していますが、基本、今決められた財政的な意味では43兆という総枠が決まっていますので、財審の立場とすると、防衛費について一つ一つきちんとした経費の積み上げで、しかも総枠の中でいろいろ防衛費全体のメリハリをつけて、やりくりをして、総額として守った上で防衛力の増強を図ってほしいというのが財審の今の立場です。防衛3文書の見直しとか、いろいろ今議論されていることもあるやにはというか、同時並行で行われていますが、財政的な枠とすれば、43兆の枠の中でいろいろと工夫することは工夫する、それから無駄を省くということで、その中できちんと一つ一つ必要な経費を積み上げていっていただきたいと、このように思っています。

〔質問国内投資のところで、建議の135ページなのですが、17の戦略分野の危機管理投資、成長投資について触れていらっしゃいますが、これについて具体的に財審として意見をした部分というのがほかにもありましたら御紹介をお願いします。

〔増田分科会長代理この議論をした段階では、まだ政府で、成長戦略会議が開かれる前だったか、開かれるぐらいのときだったかと思いますので、17の分野、戦略的な投資分野などが政府から示されたところぐらいだったかなというふうに思うのですが、御承知のとおり、そのときの財審の意見の紹介のときに申し上げたかと思いますが、17の分野というのもかなり広いは広いですよね。ですから、その中で強い経済をつくっていく上で、きちんと的を射た投資をしていく必要があると。17の分野の中でも相当メリハリをつけていく必要があるのだろうというふうに思いましたので、確実にいずれにしても成長につなげて、将来の税収増でそれを全部きちんと国民に裨益していくような必要があるかと思いますが、ここに書かれていること、そして重点分野として記したものも、単にそれだけでなくて、その中からきちんと投資するに必要な意味合いのあるものということ、それでここでも出融資とか信用保証とか金融支援とか、いろいろ書いていますが、そうしたものも駆使してきちんと成長につなげるような、成果を出していただきたいというのがそのときの議論だったかというふうに思います。それをベースにここのところも書かせていただいております。

〔質問御説明ありがとうございます。前の会見で、プライマリーバランスについて伺いたいのですが、いろいろな意見があって、それをうまく反映させる形でとりまとめていきたいとおっしゃっていたかと思います。今回建議がとりまとまった段階で改めてプライマリーバランスについてどういった意見があったか、それで今回こうした形にまとまった議論の途中経過というか、段階というのを教えていただければ幸いです。

〔増田分科会長代理プライマリーバランスについては、やはり財審としてのメッセージで言うと、プライマリーバランスの持つ意味というのは重要であるということですね。それで、これまで政府でも単年度の黒字化ということを目指してきて、25、26年度はできるだけ早期に黒字化をさせる、今はそこのちょうど、今までプライマリーバランスを掲げてから黒字化になったことはないのですが、黒字化が見えるようなところまで来たと。具体的にどうなるか、どういう数字になるかというのは年明けの1月の中長期試算を見ないと分からないと思いますが、やはりフローとして非常に重要な指標ですので、ですから、これをきちんと意識して毎年予算編成をしなければいけないということを政府に申し上げて、そうしたことで財審の中で議論がされてきたというふうに思います。一方で、同時に、政権が変わって、プライマリーバランスの扱いについて、政権としても、やはりもう一度具体的に考えてもらおうということで、年明けにその点について、聞きますと来年6月の骨太までにプライマリーバランスについて複数年度でバランスを見るということを考えておられるように総理もおっしゃっていましたが、具体的にどうされるのかというのはそこで、年明けに明らかになるのではないかなというふうに思いますが、その中でも強い経済をつくることと財政健全化と両立をさせると、ここは政府の強い方針で、それぞれできちんとやるべきことは行って、強い経済を実現していくということを目指す上でどういう検討をされるのか、財審としてはもちろん注視していきたいと思いますし、またそのあたりは春の財審の中の大きなテーマになるのだろうというふうに理解しています。

〔質問財政健全化のところで、14ページの下段、注釈のところをお聞きしたいのですが、「財政健全化目標の議論に当たっては、時間軸を含む明確な目標やそれが財政状況に与える影響等について検討を行うべきとの意見もあった」ということなのですが、検討を行うべきというのは政府が検討すべきということなのか、財審で検討すべきという趣旨なのか、どちらなのでしょうか。

〔増田分科会長代理政府です。

〔質問政府がということですね、分かりました。ちなみに、そうした文言が今回本文のほうには盛り込まれなかった理由についてもお聞きできますか。

〔増田分科会長代理明確な目標であるとかということは、いつも大体春のときに財審で議論することが多くて、ですからこうしたことについては、また年明けて春のときに、だからそれは骨太に向けてというときですが、そこでまた議論になるだろうというふうに思います。秋は今年の、今月中に編成する予算についていろいろ物申すということが議論の中心になりますので。

〔質問今までの質問とかぶるところも多いと思うのですが、プライマリーバランスについて、去年は不退転という非常に強い決意で示された象徴的なところで、プライマリーバランスの財政健全化の一つの象徴的な意味合いとして世の中に受け取られたと思うのですが、今回は経済成長とプライマリーバランスということで総体的な表現になっているかと思うのですが、考え方は変わらないとは言っているのですが、表現ぶりが変わったところの理由というのは、やはり経済状況によるものが多いのか、もしくは政権の方針が大きく変わることについて、財審としても前向きに対応していくという考えなのか。

〔増田分科会長代理経済状況が変わっている部分が随分あって、時々の財審も、財政の役割というのは時代時代によって変わってきているということを踏まえて、そのときに一番政府として考えてもらいたいポイントをしゃべるというのが財審の建議の意味合いであると、こうしたふうに理解しています。したがって以前に比べて、今国税収入も80兆までいくという、かつて見たことのないような数字ぐらいまで来ていて、いわゆるこれも税収の上振れ分というような言い方もされますが、財政を取り巻く環境も随分変わってきている、それから今市場の信認を得る上でインフレをどういうふうにコントロールするかというのが非常に重要です。ですから、そうしたことも含めながら、今ここの時期に必要なことは成長をどういうふうに実現していくのかということで、それを政権でも強い経済、そして危機管理投資というふうに言ってきた部分があると思いますが、ただ、一方で健全化も忘れてもらっては絶対困るので、それで両立というふうに言っていますが、そうした文脈の中で今政府に言うことを書くとすれば、こうしたプライマリーバランスについて、ちょうど政権でもどういうバランスで見るか、複数年度で見るように考えておられるようですから、その中でプライマリーバランスの持つ意味、重要性をこうした形で記載しておいて、それを毎年毎年、予算編成のときにもしっかり考えてもらうということを言う必要があるなと思って、こうした記載をさせていただいたというのが今回の建議の考え方です。

〔幹事ほかに質問はありますでしょうか。ないようでしたら終わらせていただきます。ありがとうございました。

〔増田分科会長代理秋の財審は本日までということになりまして、大変お世話になりました。ありがとうございました。