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財政制度分科会(令和7年11月11日開催)記者会見の模様

〔幹事それでは、御説明お願いします。

〔増田分科会長代理それでは、私から発表いたします。本日9時から財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたしました。本日は、「文教・科学技術」、「防衛」、それから「社会保障②」、2回目ですが、この三つについて議論を行いました。初めに、事務方から資料の概要を説明し、その後、委員の御発言に移りました。

委員の御発言について、順次申し上げますが、通例どおり、個人名は伏せます。

初めに、「文教・科学技術」から申し上げます。教育分野について、人口減少下においてダウンサイジングしていく必要がある中、限られた資源を効率的に配分していくためには、学校単位・個人単位のミクロデータを整備・活用し、効果検証に基づき政策立案を行うことが重要である。

それから、次です。少子化の中で教育の質の確保のため、私学助成のメリハリ強化は喫緊の課題。私学助成は、大学の存続が目的化しないよう留意して進めるべし。

それから、次です。産業界のニーズを踏まえ、日本全体での人材戦略の策定、学部構成の見直しが必要であり、また、高専など大学以外の高等教育という選択肢も示していくべきである。

それから次、こちらは教育の中でも科学技術になります。基礎研究への支援強化とともに、全体最適の観点から制度全体の再構築、大学の構造改革や閉鎖性の改善が必要である。

それから、次です。若手が長期的な基礎研究に専念でき、人生設計もしやすくなることが必要である。

それから、次二つですが、これは文化の関係、美術館の関係などです。まず一つ目、博物館法の文言を修正し、戦略的に自己収入確保ができるようにしていくべき。二重価格の設定も、受益と負担の観点から許容される。それから、次です。日本の博物館・美術館においても、常設展の魅力を高めるマネジメントなど工夫・努力をしていくべきである。このために必要な学芸員のインセンティブや戦略的な文化施策の策定が必要である。

まず、「文教・科学技術」は以上でございました。

続いて、「防衛」の関係です。初めの御意見です。経済力、外交力を含めた総合的な国力が重要であり、有事に備えて平時から財政面の体質強化が必要である。平時から借金に依存するようでは、経済・財政の脆弱性をさらすこととなり、他国にも付け入る隙を与える。

それから、次の意見です。昨今の安全保障環境を踏まえると防衛費増額は必須だが、中身が重要である。GDP自体も数字が変わっていくため、対GDP比という数字ありきではなく、防衛力強化のために何が必要かしっかり調査・分析をしていくべきである。

それから、次の意見です。恒常的な支出である防衛費の増額には恒久財源を手当てしていくべきである。その際、国の安全という公共財の受益者である個人と企業に広く負担を求めていくべきである。

それから次の意見ですが、装備品等の関係です。防衛産業の供給能力が十分でない中、調達計画の策定、サプライチェーン支援、デュアルユース等の産官学共同、同盟国等での共同開発、装備移転等の促進を進めていくべきである。それから、コストチェックの徹底、適正な取引環境の確保といった観点から、コストデータバンクの活用をより進めていくべきである。

「防衛」関係は以上でございました。

それから最後に、「社会保障」の関係でございます。まず、「社会保障」の最初の意見ですが、少子化・子育て支援について、こども未来戦略「加速化プラン」3.6兆円のうち3兆円が予算化されたにもかかわらず、結果が伴っていない。EBPMをさらに強化し、効果の見られない事業のスクラップも含めて見直しに取り組むべき。財政支出を増やせば少子化が止まるというものではなく、若者の意見の反映や社会の意識変革も重要である。

次の意見です。医療・介護の各論について、深刻かつ本質的な課題について、ある程度掘り下げて財審として議論することは重要と考えます。

それから、三つ目の意見です。医療費の適正化を進めるには、医療サービスの提供体制の効率化も重要である。コスト構造の徹底的な見直し等を通じて、医療産業全体の生産性を向上させるべきであり、あらゆる方策を実行していくべきである。

それから次ですが、今度は介護の関係になります。介護保険制度の持続可能性を確保するためには、先送りされてきた2割負担の対象者の範囲拡大やケアマネジメントの利用者負担の導入、軽度者に対する介護サービスの在り方の見直し等について結論を出すべきである。なお、2割負担の範囲拡大については、高齢者の場合、一定の金融資産を持っていることが多く、金融資産も勘案していくべきである。

それから、医療・介護の人材紹介についてです。ハローワーク等の公的窓口の充実に賛成である。ただし、スピード感と専門性の確保が課題であり、DXやAIも活用した取組も必要と考えます。

それから、次が障害福祉の関係です。障害福祉については、10%超という令和6年度の総費用の伸びの要因を分析した上で、サービスの質の向上は引き続き図りつつも、制度の持続可能性を確保するため、総費用の伸びを抑制する取組が急務である。従事者の処遇改善は喫緊の課題であるが、収入増や賃上げの実績を踏まえた適切な対応が必要である。

本日三つの議題を議論いたしましたが、委員の主立った発言内容は以上でございます。

私から以上です。

〔幹事ありがとうございました。それでは、質疑応答に移ります。質疑応答は、会見室、オンラインの順で行います。すみません、失礼しました。オンラインの会見は行いません。失礼しました。

では、幹事社からは質問はありません。御質問がある方は挙手をお願いします。

〔質問防衛についてまず伺いたいのですが、この議論の前提として、高市内閣が掲げているGDP比2%の前倒しや戦略文書の改定といった、そうした前提を共有した上での議論だったのかということと、また、具体論で防衛費の増額について個人と企業に広く負担を求めるべきということなのですが、これはいわゆる所得税とか法人税とかそうしたことを念頭に置いているという理解になるのでしょうか。

〔増田分科会長代理前提として、今の厳しい安全保障環境に対応するためには、有事の際ももちろんそうですが、平時でも防衛力だけでなく外交力とか経済力も含めて、それ全体を構成しているのが恐らく国力ということになると思いますが、そうしたところの充実、体質強化を図っていくことが重要であると、これが総じて防衛についての皆様の共通認識だったと思います。

その上で出てきましたのは、やはり今の防衛費の財源と中身についてです。今お話しになったように、防衛費は恒久的な措置ですので、スポット的なワンショットの対応ではなく、やはり恒久財源をしっかりと確保することが必要であって、本日決められた中ではまだ所得税については手はついてないわけですが、やはり国民全体に受益が広がっていく話なので、そうした問題についてきちんと検討していくべきという意見が多かったと思います。

やはり財審の立場とすると、総額を堅持する中で、GDP比2%で、それを前倒しという話もございますが、やはり数字ありきでなくて、きちんとした積み上げによって、真に必要な防衛力を確保していく。その上で、今御質問があった安定的な財源を確保していくということが必要であると、これが総じて皆様の意見だったかと思います。

〔質問ありがとうございます。文教・科学技術についての確認なのですが、本日の資料の中では、いわゆる政治のほうで議論されている高校無償化とか給食無償化というのは資料上ないように見受けられるのですが、委員の御意見として何かそこに関連するものはあったのでしょうか。

〔増田分科会長代理無償化の話は何かありましたっけ。

〔河本主計官一つだけ委員から、今の高校無償化の検証についてしっかりやるべきであるというふうな御意見をいただきました。それで今、自維公の3党でやっている実務者協議の中でも同じような議論がありまして、3年以内の見直しということはこの前合意したものですから、しっかりデータを整備して効果検証していく必要がありますねというふうに私からお答えいたしました。

〔幹事では、次、お願いします。

〔質問御説明ありがとうございます。聞き逃していたら、すみません。文教・科学技術のところで、今回の資料には宇宙に関しての資料もありましたが、財審では珍しいテーマということで、本日何かこちらについて委員の方から御意見があったのかと、増田会長代理の御自身のお考えがもしあればお聞かせください。

〔増田分科会長代理恐らく、私が財審に入って、財審で宇宙のテーマは初めてであると思います。大分宇宙開発も進んできたということもあり、今回テーマに上げたということではあるのですが、特別、宇宙について、皆様、文教・科学についても、ほとんどの方が資料の提示している問題点については、方向性はこのとおりであるという御発言でしたので、宇宙政策についてもこの財審の資料の中に書いてあるような提案の方向性は皆様共有されたかと思います。

私自身としても、あの中でいくつか言われていますが、例えば今の発射場も、確かに北海道とか和歌山とかいくつかありますが、やはりJAXAの射場をもっと有効活用するといったようなこととか、全体のコスト低減とか、また、日本の必要な衛星であるが、やはり海外のロケット使って打ち上げざるを得なくて、日本のロケットの活用はほとんどないという状況はやはり改善をしていかなければいけないと思います。もちろんこれからの技術開発と併せてということになりますが、宇宙政策についても、今回の問題提起を契機として、政府としてもしっかりと今後、問題提起を受けての検討を進めていただきたいなと思います。

〔幹事ほかいかがでしょうか。

〔質問よろしくお願いします。まず、防衛について伺いたいのですが、先ほどの話を総合すると、数字ありきではないというところなのですが、これは2%のキャップがなくても、必要であれば上積みされていって、それを恒久財源で賄うことによって、平時から借金がないような国にするという文脈でよろしいでしょうか。

〔増田分科会長代理総額の堅持は当然のことであると思うので、もう43兆と決めていますから、その範囲の中で考えていくべきであると思います。

〔質問今の計画ではそうであると思うのですが、中長期的な話としてはどういった話が。

〔増田分科会長代理それはこれからまたいろいろ国際情勢を見ながら考えていくべき話ですが、やはり数字ありきで行くのではなくて、GDPの総額も近々に変わり得ると聞いていますので、そうするとそこが変わったことによって2%というのが急に上がったりするというのもいかがなものかと思います。

繰り返し申し上げますが、やはり真に必要な防衛力とはどういうものなのかきちんと積上げをして、それで、それ以外に外交力とか経済力も含めて考えていくべきで、やはり私などは、安定財源をどういうふうに平時から確保していくかというのは非常に重要だと考えています。そうしないと、委員からも御指摘ありましたように、相手国から国の脆弱性を見破られるような話になりますので、そのあたりはしっかりと考えていく必要があると思います。

〔質問中長期的にという意味で。

〔増田分科会長代理そうです。

〔質問それと、資料の中ではスリム化の話が入っていたと思うのですが、これは何か、南西シフトとかが今進んではおりますが、そうした意見があったのかというところと、もしなければ御見解を伺えればと思います。

〔増田分科会長代理南西シフトとか自衛隊の配備の話は、本日はなかったと思います。トータルでやはり非常に、人手不足はどこの分野も直面している大きな課題ですし、自衛隊においてもその問題は、自衛官の採用が今やはり著しく難しくなっている。自治体なども含めてそうした役割を担ってはいますが、非常に難しくなっている。

ですから、数というよりも、この中でも言っていますが、組織風土とかいろいろな問題も中で生じたりしていることも仄聞しますので、やはり自衛隊の中の組織風土なども自助努力で一生懸命改善していただく中で、戦い方も随分変わってきていると言われていますので、もっとDX使ったりAI使ったりというようなことで省力化・省人化できるところはそうした努力をしていただくということが重要ではないかと思います。

〔質問すみません、もう1点だけお願いします。教育のダウンサイジングのところなのですが、さっき紹介していただいた意見をもう少し解説していただいて、ミクロの効果検証というふうにおっしゃったと思うのですが、それはどういう意味なのかというところを教えていただきたい。

〔河本主計官ダウンサイジングとか統廃合とかということになっていくと、やはりいろいろなデメリットもあると思います。先ほど出ましたマイクロバスの問題もそうですが、デメリットをどうなくして質を向上させるかというのは、やはり学校単位・個人単位で細かく見ていかないと、地域の実情もあるので、ダウンサイジングしていくことで、本当にデメリットばかりではなくて質が向上するメリットもあるということをしっかりとデータを活用してちゃんとEBPMの観点から見ていく必要があるということであると思います。

〔質問その上で、地方の事情にお詳しいと思いますが、地方で人口が減少しているからダウンサイジングという話であると思うのですが、いいところも悪いところもあると思うのですが、そこについての御見解を教えてください。

〔増田分科会長代理やはり人口が極端に減る地域は現実にあるわけなので、高等教育、それから義務教育、それぞれいろいろな課題を抱えていますが、全体としてダウンサイジングして、やはり一番大事なのは、どちらの分野も教育の質を確保する、質をどのようにして維持・確保していくのかが重要ですから、ただただ現状維持というわけではやはりいかないし、それから教員も今、志望者がうんと少なくなっていますので、適切にバランスよく教育の質を確保していくための、もちろん広域化であるとか、それから高等教育機関については統廃合であるとか意見が出ていましたが、やはり大学よりもむしろ今、地域の企業からは、高専の卒業者が非常に必要であるという話がありますが、そうしたことも含めて広く考えていく必要があるのではないか。これまである程度域内人口がいることを前提に考えていたところを、もっと今言ったような観点で切り込んでいく必要が一方で出てきているのかなと思います。

〔幹事ほかにいかがでしょうか。

それでは、質疑応答を終了します。ありがとうございました。

〔増田分科会長代理ありがとうございました。

〔河本主計官1点だけすみません。宇宙を取り上げたことは令和3年、4年も少しだけあって、多少資料を出したことはあるのですが、これだけ本格的に取り上げたのは初めてであるということです。