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財政制度分科会(令和7年11月5日開催)記者会見の模様

〔幹事会見を始めさせていただきます。よろしくお願いいたします。

〔増田分科会長代理財政制度分科会の会長代理をしております増田でございます。私から、本日行いました会議について概略を御説明申し上げます。

本日8時半から財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたしました。初めに、片山大臣及び高橋政務官から御挨拶を頂戴しました。この場面はマスコミの方が入られたオープンの場で行っております。その後審議に入りまして、本日は三つの議題、現在の経済財政状況等のいわゆる「財政総論」と言われているもの、それから「地方財政」、そして「社会保障」は2回に分けており本日は前半の総論と医療部分、この三つの議題について審議を行いました。

10月21日に高市総理の新内閣が発足をして、その所信表明演説で、責任ある積極財政の考え方の下、戦略的に財政出動を行い、強い経済を構築するなどの方針があの中で示されたわけですが、本日はまず事務方から、こうした政府の方針に沿った資料の概要説明がございました。その後、委員の皆様からいろいろな御意見を頂戴しましたが、各委員からの主な御意見につきましては、通例どおり、委員の個人名を伏せた形で今この場で私から御紹介させていただきます。なお、議事の詳細につきましては、後日公表される議事録を御参照いただければと思います。

それでは、各委員の御発言の内容を順次申し上げます。

まず、「財政総論」の関係でございます。

初めの御意見ですが、財政健全化と経済成長は車の両輪である。財政への信認を維持することが成長を支える。成長のためにも財政健全化が必要である。

それから次の意見ですが、中長期的な財政健全化に向け、データに基づくワイズスペンディングの徹底が必要。ワイズスペンディングにより、早期の成長への効果も示すべき。また、規制改革も含めたワイズアクションも求められる。

それから次の意見ですが、物価が上昇し、需給ギャップがプラスとなる中、持続的成長には供給力の強化が不可欠である。単に歳出を増加させるのではなくて、強い経済を構築するため、供給力強化につながる施策、予算とすべき。そして、既存産業の保護ではなく、成長につながる分野への投資が必要である。

それから次ですが、マーケットからの信認を確保するためにも、債務残高対GDP比の着実な引下げに取り組むべき。

有事の関係の御意見ですが、想定外の有事が発生した場合には、財政措置が講じられるよう、財政余力の確保が重要。そして、グローバルな不確実性がより一層高まる中、財政余力を残しておく重要性は増している。

それから、「財政総論」の最後ですが、金利が上がる前提で今後の財政運営を考えるべき。インフレ全体には金融政策で対応しつつ、生活に打撃を受けている方には財政で対応していくべき。物価高に対応しながら、若い世代の賃金を含め実質賃金の向上を目指し、持続的な好循環につなげる必要がある。

以上が「財政総論」のいただきました意見でございました。今申し上げましたもの、一つの意見として御紹介したものは、何人かの委員の方が重複して同じような趣旨を述べております。そこは少し丸めて意見として紹介いたしました。

それから次が、「地方財政」の関係でございます。

「地方財政」の関係で、まず最初の意見ですが、不交付団体である東京都の対個人向けの行政サービスの拡充によって、周辺自治体が追随できず、格差が広がっている状況、これは看過できない、見過ごすことができないレベルまでなっている。格差是正のために必要な措置を講じていくべき。それから、法人課税は電子商取引、フランチャイズの進展、そして非分割法人の増加などによって構造的に東京に集中して、これは是正していくべき。

それから、次ですが、固定資産税の地価分は東京都が伸びているが、これは東京都だけの貢献ではないため、是正の余地がある。

それから次ですが、交付税制度は非対称的な制度であって、不交付団体は税収増の恩恵を受けることができるため、それが行政サービスの格差拡大につながっている。財政力の格差は過去に偏在是正の取組を進める前の水準まで戻ってきていて、新たな取組を今講じるべき時期である。それから、大都市と地方の格差拡大に対して、交付税等の既存の制度での対応は限界がある。新しい枠組みの検討が必要ではないか。豊かな財政力を背景とする東京都の取組が、国全体の財政拡張を助長している側面があるのではないか。

次ですが、東京都への法人の集中は、効率性を追求した結果ではあるが、これ以上進むとその効率性が失われる局面にある。

それから次、人口減少を踏まえて地方財政に反映していく観点が重要である。それから、枠計上経費についても資料があるのですが、枠計上経費については見える化を進めて、効率化の取組を進めていくべき。それから、自治体運営の効率化を促す仕組みを地方財政に組み込む必要がある。

こちらの関係の最後になりますが、人手不足の状況の中で広域的なインフラマネジメントを進める点は賛成である。全国一律という形ではなく、選択と集中の観点を踏まえることが重要である。

「地方財政」は以上でございます。

それから最後に、「社会保障」分野でございます。

社会保障については、高齢化等による給付増が続いていて、現役世代を中心に保険料負担の増加として重くのしかかっている。そして、受益と負担のバランス確保に向け、医療・介護を中心に不断の改革努力が求められており、スピーディーに実行すべき時期である。賃上げ傾向が定着しつつある今こそ社会保障改革を一層進めて、保険料負担の軽減を通じて、現役世代の手取り増加を実現していくべき。

それから次の意見ですが、社会保障改革に当たっては、大きなリスクは共助、小さなリスクは自助、それから年齢ではなく能力に応じた負担、こうした原理原則に基づいて進めていくことが重要であり、来年度予算をその端緒とすべき。特に高齢者医療の窓口負担割合については、年齢で一律に区分するのではなく、原則3割とした上で必要な配慮を行うよう改めるべきである。

それから次の意見ですが、全世代型社会保障の構築の取組により、現役世代向けの給付は改善されてきた一方、負担は若者が負担し高齢世代を支えるという構図が変わっていない。これが若い世代の将来不安、ひいては国や制度への信頼低下につながっている。世代間の負担の平準化が重要であり、金融所得の緩和をはじめとする応能負担の実現に向けた改革を進めてほしい。併せて、高齢者を支え手に変えていく取組も重要である。

それから次ですが、今年末の診療報酬改定は、経済の転換点での改定であり、今後の診療報酬改定の手本となる重要な改定。経済や物価動向への適切な対応と保険料負担の抑制という相矛盾する課題に対し、バランスよく対応することが求められる。

それから次ですが、エビデンスに基づいた議論が進むことが重要。財源に限りがある以上、医療の中でメリハリをつけることは当然であって、経営が苦しい病院と高い利益率を維持する診療所との差異、それから病院についても機能別の検討などを今回の診療報酬改定に反映させることが重要である。また、調剤報酬についても、効率的な運営形態への移行を促す報酬体系へと抜本的に見直していく必要がある。

それから次の意見ですが、かかりつけ医を地域包括ケアの中核に位置づけた上で力強く推進することが、国民の納得感を高めるためにも重要である。外来医療の包括払い化を進め、かかりつけ医機能報告制度における1号機能を有していない医療機関は減算とすべきである。

それから、低所得者等への適切な配慮を前提として、OTC類似薬を含む薬剤自己負担の在り方への対応に大いに期待をしている。外来と病院とで扱いが異なるのは世界的には一般的であることも参考に、できるだけ幅広い外来薬剤が対象となるよう検討を進め、今年中に結論を出してほしい。

それから、これが最後になります。給付付き税額控除の実現に向け、必要な情報インフラの整備、個人情報保護との関係の整理などの取組を着実に進めていくべきである。また、情報インフラの整備がされる前の初期の制度設計の検討も必要である。

大きな三つの議題についてそれぞれ分けて委員の御意見を御紹介しました。

私からは以上でございます。

〔幹事それでは、幹事社からお伺いします。本日は高市政権になって初めての財審であると思いますが、片山大臣の挨拶にもあった責任ある積極財政、これに対して御意見を御紹介いただきましたが、全体としてこの新しい政権の方針について、評価する声が多かったのか、もしくは懸念の声が多かったのか、御意見ではなくて全体の委員の評価についてどのようだったのか教えてください。

〔増田分科会長代理いずれにしても最終的に建議を取りまとめるまでにいろいろ議論を深めていきたいと思いますが、本日の議論の中では、財政に対してのマーケットからの信認が非常に重要であって、その前提でいうと、これまで高市総理の就任時あるいは所信表明等の中でそうした面に触れられておられる。対債務残高GDP比も引下げをしていくということもおっしゃっています。それから、片山大臣は本日皆様がお聞きになったような言い方で、やはり高市総理がおっしゃった、財政について、財政の健全化が必要ではないと言ったことは一度もないということを引用しておられたので、本日の審議の中でも、強い経済、成長していく上では、先ほど御紹介しましたが、成長のためにも財政健全化が必要である。その財政健全化を図ることがマーケットの財政への信認を維持するということを委員も多くおっしゃっていましたが、その点は、委員の皆様方も、総理あるいは財務大臣はじめ関係の皆様方もそうしたことを踏まえて御発言している。そうしたふうに皆様理解しておられたのではないかと思います。

〔幹事分かりました。政府の発言を受けて、ある程度マーケットのことも配慮しているということの理解であると思いますが、現在、政党間でも財源論の話が出ていますが、例えば所得の見直しとか、政党によっては税収の上振れ分を財源にすればいいという話もありますが、そうした財源論について本日委員から発言はございましたか。

〔増田分科会長代理恐らく、政党間で例えば政権の合意書等も交わされていますが、政党間のことですので、本日我々の中ではその話は出ませんでした。

それからまた、財源の関係については、恐らくこれから各論をやっていく中で出てくる可能性は十分あると思っていますが、本日私が記憶する限りでは、例えばデータに基づくワイズスペンディングとか、早期に成長が果たされるようないろいろな財政を充てていく上でも打率をきちんと高めるようにと、そうした話がありました。そのことが税収に増につながっていくと、そうした話があって、今、取り立ててこの分野の財源をどうするかというのは恐らく各論でまた各委員から出てくるのではないかなと思います。

〔幹事ありがとうございます。それでは、各社様、質問がある方は挙手にてお願いいたします。

〔質問御説明ありがとうございます。社会保障のところで診療所についての委員の御意見の言及がありましたが、その中で、今回各種加算の見直しも財務省の資料の中では御提示があったと思いますが、本日これについて委員からはどのようなやり取りがあったかを伺えますか。

〔増田分科会長代理まず本日、事務方でかなり、診療報酬の内容とか、今おっしゃった加算の見直し等の資料がございました。委員の皆様方恐らく全員と言っていいと思いますが、方向性は皆様賛意を示された。それからまた、特に、これから診療報酬の議論をするときも、データに基づく精査をしていろいろ議論をしていくべきということに皆様賛意を示された上で、本日の資料の中で、何ページかは忘れましたが、データが病院と診療所について明確に示されていましたので、やはり社会保障、特に医療の分野の中でも相当メリハリというか効率化が必要であって、その際には、今、病院が御承知のとおり物価高とか人件費の関係で非常に経営が厳しくなっていますが、診療所はまだそうした意味では経営余力があって、そこを相当メリハリをつけて改革をしていく必要があると、その点は皆様おっしゃっていたと思います。

〔質問経済成長と財政健全化が車の両輪であるというお話があったと思うのですが、これまでも結構同様の方針で続けてこられてきたと思いますが、例えば財政健全化が著しく進んだかというと、決してそうした状況でもないと思います。そうすると、経済成長と財政健全化は果たしてそもそも両立できるものなのか、実はトレードオフの関係にあるのではないのか、このあたり、増田会長代理はどうお考えでしょうか。

〔増田分科会長代理本日その点で財審の中でいろいろ議論があったわけではないので、今、私はどう思うかということで、多少財審とは離れてですが、私はやはりトレードオフというよりは、御承知のとおり、原理原則でいえば、経済成長がきちんと果たされるということは、それは果実として税収増に必ずつながっていく話であると考えます。本日の資料の中でもGXとかAIとか半導体とかいろいろな成長に結びつく部分、昨日、成長に向けての17分野、新しい会議体で各省でこれから掘り下げていくという話がありました。そこで日本の強みを生かして成長を強力に遂げて強い経済をつくっていくというのは非常に必要なことであって、それは必ずや税収増等によって、我々だけではなくて次世代も含めてプラスの効果を催すのだろうと思います。

ただ、物によっては相当そこはタイムラグが当然出てくるし、まず投資をして、それからしばらくして成長につながっていくという関係になるので、そうしたときにどうメリハリをつけて効率が低い分野からそうした強い経済をつくっていく投資分野に充てていくとか、そのあたりはまさに財政をつかさどる人たちの責任において見通しをつけてやっていくべきであると考えます。

ですから、申し上げたいことは、やはり経済成長と、それから財政健全化は両立すると思いますし、また、今こそ、私個人としては、両立させていかないと、ますます経済成長も成し遂げられないということです。というのは、両立させないと、やはり市場の信認、マーケットの信認が非常に損なわれると思うので、当面いろいろな意味で大変なことになりますし、金利ある世界の中で利払い費も今後増えていくということが予想される中で、どのように運営していくかというのは本当に大変な状況ですが、的確な財政運営を経済成長を成し遂げるという前提でしていく必要があると思います。

〔質問偏在是正の関係ですが、委員の御意見の中で、新たな枠組みが必要、既存の対応では限界を迎えているという趣旨の御発言があったと思うのですが、新たな枠組みとしてどういったものが想定されるのかという具体論は何か出たのでしょうか。

〔増田分科会長代理今も地方税については分割基準なんかがあるのですが、偏在是正を一応念頭に置いて、人員であるとか設備であるとかいろいろ分割基準があるのですが、恐らくそこは今のそれでは対応できない。特に具体的にこうすべしということが個々具体的にあったわけではないのですが、やはり大前提として、今の東京都に入る地方税収が、Eコマースとかフランチャイズ制とか、ネット銀行なんかもやはりそれの類いであると思うのですが、明らかに経済の形が変わってくる中で、東京都の受ける税収が非常に格差が拡大している。資料番号で地財のたしか19ページだったと思うのですが、歴年の東京都の偏在の数字が出ていいます。

あれは平成20年に1回、偏在是正の大きな制度を暫定的につくった。あれは私が総務大臣をやっていたときなのですが、あのとき1回やっているのですが、いろいろあったのですが、国税に振り替えて、そこで偏在是正を配分し直したのですが、ですから、そこ以前、そのときも相当偏在が広がっていたので、今その水準まで来ているので、本日は偏在是正の必要性を皆様おっしゃっていて、それが行政サービスの格差に看過できないほどに広がってきている。そこをきちんとやっていくのような。手法についてはこれからいろいろそれを考えるというのが、そこまでの議論だったと私は思います。

〔質問ありがとうございます。また、社会保障についても伺いたいのですが、診療報酬改定をめぐって、インフレを背景に日本医師会は緊急的な対応を求めて抜本的な引上げを求めているわけですが、そうした医師会に対する御意見が出たのかどうかということと、また、これは中での議論というより、今の会長代理のお考えとして、自民党と維新が連立を組んだことで、社会保障が与党としてもかなり重要な政策として注目されているわけですが、そうした中で審議会としてどういう意気込みで議論されていきたいかという抱負的なことをお願いできますでしょうか。

〔増田分科会長代理本日の審議会の中では、日本医師会という固有名詞は1回も出なかったと思います。

それから二つ目は、維新との合意書なので、これは政党間の話ですから、本日の審議会の中でもそのことに触れる話ではなかったのですが、あれは御承知のとおり、かなり細かく記載していますよね。期限も区切っているし、項目はかなり抜本的な改革につながるものが大変多くて、私としてもやはり政党間の、しかし、全体12項目あった中で政党としてお互い相当力を入れた項目であると思います。あの中で、例えばOTC類似薬の話とかいろいろ書いています。これは以前からいろいろな場面で医療制度の中で問題になっていた話です。

やはりどうしても社会保障は極めて大事で、本日も申し上げました、お互いの支え合いの基本となる中で、やはり保険料負担を減らして可処分所得増やしていくことがもうとにかく求められる中では、やはり診療報酬の中身を相当見定めて、必要なところに報酬を充てる。もうやはりかかりつけ医から何からいろいろな詳細な資料が本日出ていますので、私はあの合意書も極めて注目しておかなければいけないと思います。ただ、我々はやはり政府の政策・施策にいろいろどう反映させるかということですから、あれを踏まえて、政権をおつくりになっている2党が政策としてどうしていくのかよく見ながら、必要な意見をそれに対して申し上げるということが必要ではないかなと思います。

〔質問御説明ありがとうございました。財政について少しお伺いしたいと思います。春の建議では、プライマリーバランス目標とか債務残高GDPをめぐっても、コロナ禍前の水準というようなもう少し強いコミットメントがあったかなと思うのですが、今回、財政再建化の目標をめぐって何か委員から意見がありましたかというのがあれば教えていただきたいのと、それに関連して、再建目標での現状どうしようとか、高市さんに代わってからまた新たな成長をベースにして考えるとか、そうした何か説明が当局からあったかという2点よろしくお願いします。

〔増田分科会長代理プライマリーバランス目標については、やはりプライマリーバランスを黒字化することが債務残高の対GDP比を下げていくことにつながるということで、本日も委員の中からそうした旨のお話があって、ですから、プライマリーバランスの黒字化も非常に重要であるといったような趣旨の御発言もございました。片山大臣も、プライマリーバランスの黒字化にも留意をされるといったようなことをおっしゃっておられるようなので、やはりプライマリーバランスの黒字化をきちんと見ていくということは必要だなと思います。本日は総論についてのいろいろな議論ということですので、これから秋の財審として建議に向けて、どういうふうに財政健全化を捉えていくのかという議論をしますので、その中でまた、各委員のお話、御意見を建議にうまく反映されるようにしていきたいと思います。

〔幹事ほかに御質問のある方いらっしゃいますか。大丈夫ですか。

それでは、これで会見を終わらせていただきます。ありがとうございました。

〔増田分科会長代理どうもありがとうございました。また秋、よろしくお願いいたします。