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財政制度分科会(令和5年10月4日開催)記者会見の模様

〔増田分科会長代理〕本日14時から財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたしました。本日は、地方財政について議論を行いました。資料に基づいて事務方から説明をしていただいた後、委員からの発言に移りました。以下、主な発言を御紹介したいと思います。

まず、いわゆる地方財政の関係についての意見です。各自治体の手続や様式を統一することなどによって、自治体の業務効率化、利用者の利便向上などの効率化が期待できるため、DX化をより進めていくべき。その際、マイナンバーカードも活用しつつ、標準化・効率化を進めていくべき。また、デジタルディバイド対策や自治体DXを担う人材育成等にも配慮しつつ、スケジュール感も示して進めていくべき。

それから、次の意見です。自治体のシステムの標準化によって、調達や運用に係るコスト削減が期待できるため、これを進めていくとともに、その削減効果はしっかりと定量的に推計をして、それを地方財政計画に反映していくべき。

それから、自治体システムの標準化に係る予算は年々累増してきている。これを第三者評価を用いるなどして、費用や仕様について適切なチェックを行うための仕組みを検討する必要がある。それから、DX化を進めた自治体へのインセンティブ等も検討すべきではないかということです。

続きまして、いわゆるこども・子育て関係についてです。こども・子育て関連の地方財源については、既に自治体独自で行われている様々な施策と加速化プランの重複、それから、人口減少対策等にかかる既存経費との関係、これらを整理して財源を検討していくべきではないか。

それから、この関係で、自治体財政の見える化を進める必要がある。地方創生臨時交付金の効果検証が必要である。また、いわゆる枠計上経費については、歳出内訳の明確化や効果検証を行い、適切な歳出規模が検討できるようにしていくべきである。

さらに、自治体業務の在り方も見直すことが必要である。そして、自治体業務のあるべき姿を示していくべきではないかと、こうしたことです。

すみません、少し戻って最初のDX関係の意見で、一つ追加がございます。業務効率化等を進めていくのですが、そもそもの手続削減や、将来の形として、自治体窓口に行かずに済む形まで目指していくべきと、こうした意見もありました。

それから、こども・子育て関係に戻りまして、自治体税収が好調であって、一般財源総額実質同水準ルールを着実に実施し、歳出改革に引き続き取り組むとともに、交付税特会借入金の償還等、財政健全化を進めていくべきではないか、とこうした意見が出ておりました。

それから、次、ふるさと納税です。ふるさと納税については、返礼品の内容や事務経費については順次適正化を確保する措置が講じられてきている。地域社会活性化等への効果があるとの評価もある。今後の制度見直しも含めて適正な制度運用を図っていくべき。委員の皆様からも、これは基本、総務省でいろいろ取り組んでいるということではあるのですが、10月からまた経費について、さらに経費の中に算入したものもありますので、そうした制度見直しも含め、今後も適正な制度運用を図っていくべきということが意見として出ておりました。

私からは以上です。

〔幹事〕それでは、幹事社から1問質問させてください。DXの分野ですが、地方自治体にインセンティブをつけるというお話がありました。具体的にどのような話が浮上しているのか、御教示お願いします。

〔増田分科会長代理〕委員の中から、DX化を進めた自治体にインセンティブ等も検討していったら良いかという、それからさらにインセンティブの具体的な意見まではありませんでしたが、考え方とすると、DX化を進めていくと、当然のことながらその自治体の経費は減って、歳出も削減されていくわけです。そのような形をすればするほど、恐らく交付税額も減っていきます。望ましい方向にすることがより多くの自治体で行われるためには、やはり経費を合理化すればするほど、例えば違う分野に使えるような金としてそれを取っておくとか、恐らくインセンティブのつけ方はそれなりに工夫が必要であると思います。本日はそうした議論まで、インセンティブのつけ方まではありませんでしたが、やはり経費を少なくして自治体としての努力をむしろいろいろなほかの政策に充てられるようなやり方が何かないかと、恐らくそうしたことを委員はおっしゃったと思います。

〔幹事〕ありがとうございます。また、ふるさと納税の制度設計につきまして、高額な金品のやり取りということで批判の対象になっていましたが、このあたりをどう変えていこうとされるのか、そこをお願いします。

〔増田分科会長代理〕その関係は、たしかに議論の中で、いわゆる返礼品競争になっているという批判も世の中にあるという、そのことを発言した委員も認めつつ、一方で、先ほども申し上げましたとおり、ふるさと納税によって地域の産品を全国にお送りするということは、ある種地域の産業政策としても機能している部分があると。そのことによって広く地域社会に効果が還元されるし、産業政策として効果が出ているのではないかと。

だから、両面の評価があるということを前提にしながら、制度が少し先月から変わったわけですが、随時制度の見直しも時点時点でやっていくべきと。恐らく制度は、所管している総務省でまた今月からの運用を見ながら、どういうふうに使われているかというのはいろいろ見ていかれることになると思います。ふるさと納税についての適正な運用を図って、やはりそうした形で随時見直すところは見直しながら適正な制度運用を図っていくべきということを委員がおっしゃっていましたので、今後、今回見直したことによって、どういうふうにこれからなっていくのか、ちょうど1兆円に御承知のとおりなりましたので、またそれが今後どう展開するかをよく政府としてフォローしていくべきですよということを委員がお話しになったと思います。

私もそのあたりは常に、最初制度が出来て、それから、制度が出来てからもう10年以上たっていますから、その間にいろいろな大きな競争があったり、一方で、そのことによって、ほとんどそれまで埋もれていたような産品が全国に知らしめられたり、行き渡るような形にもなっていますので、そうした効果はすごく大きかったと思いますので、やはり両面の効果をよくこれから評価していく必要があるのではないかと私も思っています。

制度自体は、菅前総理が総務大臣のときにいろいろ問題提起したわけですが、その後、法案を国会に出してつくったときはちょうど私が担当の総務大臣をやっていたのですが、最初は、返礼品というよりはお手紙1枚ぐらいでやっていました。寄附の制度を使っているので、やはり共助とか寄附文化とかそうしたことを使いながら自分として納税先を選ぶということで、制度的にも一方でいろいろな問題を指摘する人もいらっしゃいまして、それもそのとおりだなと思う部分は多いのですが、一方で制度としては効果のあるものだなという思いもありますので、運用しながら随時見直しつつ、是正を図っていくことが必要ではないかと思います。

〔幹事〕ありがとうございました。それでは、各社さんお願いします。

〔質問〕引き続きふるさと納税の件で、今回の財審の資料の中では、一般財源に寄附金収入が含まれていないので、一般財源に含めることを将来的には検討すべきというような指摘があったと思います。この件について委員から意見があれば教えていただきたいのと、あとは、増田会長代理としても、このテーマをどのように議論していく必要性があると思っているのか、議論していくに当たってどういうところがポイントになってくるのかというところを伺えればと思います。

〔増田分科会長代理〕使途については、以前はあまり限定がなかったものが、こうしたものに使ってくださいというのもいろいろ細かく仕分けされてきた部分もあると思いますが、一方で首長さんにお任せをするというのがあります。使途についてどこまできめ細かく対応しているか、そこは自治体によっても大きく違っているところがあると思います。ですから、一般財源化というのは一つ考えられる方向であると思いますが、かなり使途を細かく書いて、それで寄附者の意思に沿った使われ方をできるだけ促していこうという自治体の努力も一方で随分出てきています。私は将来的に一般財源という方向も一つあるかなと思いますが、今回の制度改正も含めて、さらに運用の方法などをよく調べてからやっていくべきかなと思います。今日の意見の中でも、資料自体に一般財源化の話も触れていましたが、私も一つの論点ではあると思っています。

今後どうしていくかというのは、今申し上げましたとおり、さらに全国の自治体の中で寄附者の意向をどれだけくみ取れるような運用ができているかをよく見て、今後検討していく必要があるかと思います。多くの自治体は、以前はかなりざっくりしていたのが、かなり寄附者の意向をきめ細かくいろいろ書けるようにしてきているのではないか、そうした変遷になってきているのではないかと思います。ただ、全部の自治体を私は見ているわけでもありませんので、今後一つの大きな検討のポイントであると思っています。

〔質問〕寄附の使途が特定されていくということは、一般財源というよりもむしろ特定財源でしょうか。

〔増田分科会長代理〕両方あって、やはりこれだけ額も大きくなってきましたので、一般財源として考えていくべきということにもどんどんなってきていると思いますが、そこはそうした意味での一般財源ということで一つあると思います。あとは、自治体によって納税者の意図をどこまでくみ取って、それに合った形でつくっていくのか、やはり全体のその自治体に入ってくる額にもよると思います。ですから、ふるさと納税は一つの大きな水準まで来ていますが、1兆円という、そこまで来ましたが、これから更にそれをどういうふうに全体の財源の中で扱うかというのは、実態を踏まえてよりいろいろ考えていくべきではないかと思います。

自治体によっても、あまり過激でいろいろなお土産をやって、時々ペナルティーを受けてがたっと減るところもありますし、堅実に上げてきているところもあって、やはり地方財政は安定的な財源できめ細かくサービスを提供していくから、納税者の意図を組み込みながら、できるだけこの分野、例えば教育分野にできるだけいかそうという、そうしたことを大切にしつつ、ただ、税収が安定的でそれに応えられるぐらいまでなってくれば、また一般財源という話も非常に現実味を帯びてくると思います。

〔質問〕委員からも具体的な話はありましたか。

〔増田分科会長代理〕そこまでの議論はあまりなかったです。

〔質問〕ふるさと納税の件で、将来的にそうなるかもしれないという話ですが、自治体によっては地方税が減収してその穴埋めを国と自治体でやらなければいけないといった事態も今後想定されるという問題提起もあったかと思うのですが、そのあたりの議論や意見がありましたら教えてください。

〔増田分科会長代理〕将来的な問題としてそうした事態も想定されるという話は今回出ていました。今のところ、御承知のとおり、当面はそうした形になるということはどうもなさそうなので、したがって、本日はほかの分野のテーマもあったので、そこについてふるさと納税のさらに突っ込んで意見が出てきたということはありませんでした。おっしゃったように今回の資料には両方書いてありますが、制度的にはやはりそこは考えていかなければいけない問題だろうと私も思います。

〔幹事〕ほかにいかがでしょうか。

〔質問〕地方財政のところで伺いますが、資料の中で、地方自治体の実質収支や基金の残高が非常に膨らんでいるというデータがありました。地方財政が潤っているというような表現もあって、非常に基金の取崩しなども求められていたと思うのですが、そのあたり、地方と国の在り方について委員からどういう意見が出たかというのと、増田会長代理御自身の考え方を少し伺えればと思います。

〔増田分科会長代理〕まず、委員の中からいえば、総じてやはりPBを見ても、国はずっと大幅な赤字ですし、収支が厳しい中で、債務残高もずっと1,000兆円を超えて1,070兆円近くまで上がってきています。地方は、200兆円ぐらいまで上がってから改善されてきています。こうしたときこそ逆に、地方の財政状況の好転を国の厳しさの中に生かしていくべきではないかと、そうした意見を述べられた方もいたかと思います。やはり私も同じ国の中で、国と地方は役割がそれぞれ違うが、財政の中では相互に、交付税、交付金等含めて全体の財政がきちんと確保されているというか、きちんとした形でなければいけませんので、一方だけが非常に厳しい状況で、一方だけがそうでない状況はあまり望ましいと思いません。

それからもう一つ、今、基金の話がありましたが、いろいろな歳出が必要であるというときには、基金というのは基本的に何か必要性が出てきたらどんどん取り崩して必要なことに使う。個別の政策でも何かやらなければいけないときに、財源がないので国にということよりも、まず自分の持っている基金を取り崩して使うというところから考えていくべきなので、したがって、これも自治体間によって差がありますが、かなり基金が積み上がっている地方自治体は実際多いですから、まず基金の取崩しを住民との関係で支持を得られるかどうかからまず考えていくべきであると私は思います。

今日も、大きな意見とすると、こうした状況の中でやはり地方が、国のそうした財政状況を地方側でもよく十分理解して考えていくべしというようなことをおっしゃる委員が総じて多かったのではないかと思います。

〔幹事〕ほかにいかがでしょうか。

〔質問〕DXに関連するところで、自治体のシステムの更新費用について適切なチェックを入れる仕組みの御意見があったということでしたが、具体的な仕組みのアイデアについての言及はありましたか。

〔増田分科会長代理〕そこまではなかったですが、額を見ると相当な額がそこに必要になってきて、やはり自治体も人材などで、自治体の大きさにもよるのですが、中規模以下の自治体はそれについてきちんとした意思表示もなかなか難しいような状況にあるのではないかと思うので、第三者の人たちとかそうしたことについてのさらに具体的な話は、本日はそこまではなかったです。しかし、私もやはり相当、その分野への知見をお持ちの方に、本当にこれだけのお金がかかるかどうかということについては、きちんとチェックしてもらったほうが良いのではないかと思います。そのやり方については、いずれにしてもDXで全体の標準化なりを進めていく必要がありますから、その中でまたこのようなチェックの仕方を考えていったら良いのではないかなと思います。

〔質問〕今回は地方財政がテーマだったため、この自治体のシステムが取り上げられているかと思うのですが、場合によってはほかの費用に関しても、適切であったかという点はチェックの対象になり得るかということに関してはいかがでしょうか。

〔増田分科会長代理〕一応、基本的な理解とすると、自治体の予算は議会が多様な観点できちんとチェックをするということになっているのですが、こと、DXの分野というのはわりとブラックボックス的に見えにくいところがあって、どうしてもベンダーのようなところがいろいろな額を言ってくる場合が多いので、議会のチェック等がうまく働かない場合が多いと思います。ほかのいろいろな分野については、もちろん議会のチェックもあるし、それ以前にオンブズマンの人たちも含めていろいろなチェックの網がかかってくるので。

ゆえに、内容次第ではあるのですが、私自身は多様な目が入ったほうがもちろん良いとは思います。ただ、制度的には今、議会等での審議がありますから、やはり一方で見える化をきちんとした上で、多くの人の意見を聞きながら、最終的には議会の同意という形の機能がうまく働いていけばよいのではないかなと思います。

〔幹事〕ほかにいかがでしょうか。

ないようですので、これで終了にしたいと思います。ありがとうございました。

〔増田分科会長代理〕ありがとうございました。