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財政制度分科会(令和4年10月13日開催)記者会見の模様

〔増田部会長代理〕まず今日の分科会の模様ですが、本日13時30分から財政制度分科会を開催しました。本日は、財政総論の、前回やっていますのでそれの補足ということで、イギリスの最近の状況について取り上げたのと、あとは、GX、中小企業、それから、地方財政と、大きくここの3つのくくりについて取り上げて、事務方からの説明を受けた上で議論と、こうしたことでございます。

事務方からの説明については、財政総論の補足は、今言ったように、英国の足もとの財政運営状況についてお話を聞きました。それから、GXでは、現在政府で議論を進めているGX向けの政府投資に関して、その意義、それから、償還財源確保に当たっての考え方、こういったことの説明を受けました。中小企業では、コロナ禍での中小企業への支援策を中心に説明を受けました。それから、地方財政の関係ですが、こちらは臨時交付金などの地方財政の影響と、デジタルによる行政の効率化、歳出の見直し、地方債務の早期償還といった地方財政上の課題について説明を受けたというところでございます。

それでは、以下早速、委員の個人名は伏せて、各委員からどういう発言があったのかを御紹介したいと思います。

初めの委員の方です。この方からは、財政のイギリスの関係ですが、イギリスは日本と同様に自国通貨建てで国債を発行している国であって、これは非常に良い例をイギリスで見たという言い方をしておりました。日本も今後、財政についてはきっちりと脇を締めていかなければならないと、こうしたことが一つです。それから、GXについては、日本としてはこのGXを世界に先行してやらなければならないので、その上ではやはり財源の話が大切である、財政規律を守ることと併せて、経済成長を遂げなければいけないと、こうした意見です。

次の方です。この方からは、一つはGX関係ですが、省エネ、蓄エネ、それから、リサイクル、リユース、それから、内燃機関、こうしたものもそれぞれ生かしながら、いかに脱炭素を達成するか、これが日本では重要である。それから、地方財政の関係は、いろいろな効果などの見える化がなされていないのは、民間企業から見ると大変驚きである。使ったお金がどういう効果につながっているのか、データやきちんとした統計で示すことなく、経営の改善はあり得ないのではないかと、こうした意見です。

それから、次の委員です。GXについては、移行債の財源が重要であるということは言うまでもないことである。責任の所在を明確化、そして、情報公開をしっかりと行う、そうしたことをすべしと。それからあわせて、エネルギーの支援、それから、激変緩和を政府が行っているが、もともとの狙いと出口戦略が今国民にとって分かりづらくなっているのではないかと、こうした意見です。それから、同じ方が、地方財政の関係で、マイナンバーカードに触れていまして、マイナンバーカードは、本来はポイントのインセンティブがなくても、便利なものとして使われるようになるはずであって、そのようにこれから持っていくべきではないかと、こうした意見でありました。

それから、次の委員の方ですが、この方は、電気代の負担軽減はありがたいが、一体そうした負担軽減の財源は、やるとすればどこから来るんだろうかという意見。それから、中小については、中小企業支援が生産性の向上につながっているかどうか、これは事後的にしっかりと検証すべしということを言っております。それで、ゼロゼロ融資を通じて強みのない企業が生き延びたという指摘がありますよと、こうしたことを言っておりました。

それから、次の委員の方ですが、GXの関係で、環境省や経産省に充てている予算をより効率的な予算の使い方をすることで成果がより上がることにもつながるのではないかという意見を言っております。それから、この方は、GX、それから、防衛、子供について、どれも中長期的な施策なので、財源の確保、健全な財政なくしては実現できませんよということをおっしゃっていました。それから、GXの移行債の制度設計が大変重要で、使途の明確化、それから、資金のトレース、それから、効果を測定する、開示するといった、この人流に言うと、アウトカムオリエンテッドな政策が重要である、と言っております。それから、同じ委員の方ですが、カーボンプライシングについて、炭素に値付けするということで、経済主体の行動変容を促して、脱炭素化を促すために極めて有効であると思う。GXというのは財源確保がとても重要であると、そうしたことを併せて言っております。それから、地方財政に絡んで、自治体のクラウド化、これを契機として、これはシステムの問題だけではなくて、そもそも自治体ごとにばらばらとなっている業務プロセスや規格をこの際に統一化することが重要であると、こうした指摘をしております。

それから、次の委員の方ですが、中小企業の関係です。資金繰りについて、今回の資料の中に書いていますが、8割以上が返済に見通しが立っており、安堵している。他方で、見通しが立たない人がいるわけで、その人たちに対しては丁寧な対応、精査をしっかりと行っていくべしと、こうした意見です。

次の委員の御発言ですが、この方は、地方財政の関係の資料の中に入っていますが、病院の経営について、多額の補助金がコロナで配られたわけで、それをもらうことによって自治体の負担する繰出金は本来ならば減らさなければいけないのに、どうもそうなっていなくて、それまでの水準が維持されていると、このことに疑問を呈しておりました。補助金が適正に使われているかどうかということも含めて、病院経営の透明化を進めていただきたいと、こうした意見でありました。

それから、次の委員の方です。この方は、GXについて、将来の不確実性をどう除去していくかが大事である。この点については政府でもこれまでは避けてきていて、不確実性の対応がしっかりとできていないのではないかと、このように指摘がありました。それから、中小企業の関係ですが、企業の新陳代謝が非常に少ない。中小企業の再構築について、企業の新陳代謝が少ないことが非効率につながっているのではないかと、こうした御指摘です。それから、マイナンバーの関係です。コンビニで様々な証明書が交付されるということは非常に利便性が高まっていて、住民票、印鑑証明も取れるので良いのだが、実は紙でコンビニで取った後、そこから結局ハードコピーの世界に戻ってしまって、その紙をいろいろな形で使うということになっている。あるいは、自治体のほかの手続でそうしたものを紙で要求したりということがあって、ここをきちんと改めるべきであると、こうした御指摘でございます。

それから、次の委員の方ですが、中小企業について、倒産件数がコロナ前の水準よりも低下しているが、これは各種補助金によって本来ならば倒産していたであろう企業まで助けてしまっている可能性がある。そしてまたあわせて、保証制度への依存が、金融機関の融資先の審査・モニタリング機能を弱めたり、それから、高リスクの企業への融資を促進したと、こんなことが懸念をされます、という指摘がありました。そして、地方財政の関係では、リーマンショックのときも、その後地方財政が拡大して、それを戻すまで10年以上かかった。今回の地方創生臨時交付金については速やかに縮小していくべしと、こうした御意見でございました。

次の委員の方ですが、中小企業について、事業再構築補助金についてですが、新分野への転換や、ビジネスモデルの転換といった思い切った挑戦が、これはやはり重視されるべきと考える、という意見です。

それから、次の委員の方ですが、GXについて、将来の財源の裏づけなくしてGX移行債なしという、そうした考えで今後進めていってほしい、取り組んでほしい。それから、無駄遣いの温床にならないように、しっかりと支出内容について精査をしていただきたいと、こうした御指摘がありました。それから、この委員の方は公立病院の関係についても指摘がありまして、公立病院の経営改革は待ったなしで、人口減少が進む地域で今後公立病院の存続が問われることになるわけですが、令和2年、令和3年は医療への支援が相当にあったために公立病院収支が黒字になっている。したがって、そうした黒字を生かして、今まで以上に今の段階で経営改革にしっかり取り組んでいただきたいと、こうした指摘をしておりました。

それから、次の委員の方ですが、この方はやはり地方財政のところの地方創生臨時交付金についてですが、速やかな効果の公開と検証が必要である。そして、コロナ対策と平時が区分けされていないようになっている、そうしたふうに見えることが問題で、コロナ対策のものが常態化してしまい、その広げた風呂敷が今後閉じなくなるのではないかという懸念、これを指摘しております。それから、もう一つ地方財政の関係で、国民にとって国の借金と国民の生活がつながっていないということがあって、やはり地方財政の中のお金のことも含めてお金の見える化が必要であるということを指摘しております。

それから、次の委員の方ですが、これはGXの関係ですが、その中で様々な設備等の導入支援が必要な事業を精査するのは結構だが、何をもって合格とするか評価軸をきちんと決めておく必要がある。太陽光パネルについてですが、もう既に大分導入が進んでいるが、パネルの劣化具合や機能低下具合、破損などのそうした様々なデータを含め総合的に見ていかないと、実際の効果が出てこないのではないかという指摘です。

次の委員の方ですが、この方もGXについて、カーボンプライシング、炭素税、排出量取引から成るベストなポリシーミックスを追求すると、こうしたことが必要である。そのために今の段階からしっかりと議論をしていく必要があるという指摘でありました。

次の委員の方ですが、この方はマイナンバーカードについて、保険証と一体化するということだけでなくて、免許証も、という報道もこれまであった。マイナンバーカードを全員が持つことでしっかりとコストコントロールができるようになる、そうしたことを実現していくべきという意見でありました。

それから、次の委員の方ですが、この方はGXについて、エネルギー安定供給、そして、再エネや炭素投資に必要なクリティカルマテリアルの確保や循環、さらには、経済成長と財政の健全化の両立、こうしたものを実現していかなければならない。それから、もう一つこの関係では、企業が投資する上での予見性を高めるということが必要であり、その上で、国しか取れないリスクについては政府が支援していくと、こうしたことが必要で、官民の取組を持続的に行うために財源を確保していくことは重要である。それから、その財源の確保として炭素価格の価値の見える化、そうしたことも必要ではないか。政策効果を評価して、随時それの見直しをしていくと、そうしたようなことをすべきという意見をしておりました。

それから、次の委員の方です。GXの関係ですが、財源の話など、なぜこの財源が必要かという理解がこれまでも国内で十分行き渡ってないと考えているという指摘がありました。この問題は企業セクターの中で終わる話ではなくて、その後価格転嫁される消費者も含めて、しかるべき合理的な負担の観点が重要である。企業セクターの中だけでの議論ではなくて、やはり消費者も含めた負担の観点というような議論が必要であると、こうした指摘でございました。

それから、あともう少しで終わりますが、次の委員の方です。中小企業政策については、本来、労働の流動性を高めることで企業の労働生産性を高めて新陳代謝を高めるということが重要ですが、過剰な支出、支援は労働の流動性を妨げる、そちらの方向に働く。したがって、事業再構築補助金の補助率、引下げは当然であると、こうした意見を述べておられました。

次の委員の方ですが、この方は地方財政についてですが、コロナ禍であっても、財政全体で見ると黒字になった自治体が多いということで、地方創生臨時交付金の効果をきちんと検証して把握し、今後の危機対応に反映していくべきと、こうした意見でありました。

それから、次の委員の方ですが、この方は幾つかお話しになっています。まずGX。これは環境対策にとどまらず、経済成長、エネルギーの安全保障の強化につながる。要するに、国家全体の重要な土台柱になるということなので、当然これについて財源は安定財源で考えなければならないと、まずこれが一つです。そして、GXの実現は経済全体に影響するということなので、経済効果が高いならば、その投資も含めて民間投資で賄うのが適切ではないか、これが意見です。それから、エネルギー価格の助成などについてですが、マーケットへの巨額で長期の介入というのは、化石燃料の消費を抑制するという機能を損なうということになり、脱炭素に逆行しかねないのではないかと、この点を心配していてその点の指摘がございました。それから、この委員の方はもう一つ、地方財政の関係ですが、臨時交付金が16.4兆円になっているのですが、その事業の実施状況と効果に関して自治体の公表が大変重要だし、当然である。6割の自治体が事業効果の情報を公表していないというのは極めて理解に苦しむと、こうした指摘をしております。

それから、次の委員ですが、中小企業について、効果検証を過去にまで遡ってやるべしと。特に事業再構築補助金は、生産性向上の効果検証を徹底的にやっていただきたいという御指摘がございました。

それから、次の委員ですが、この方が最後でございます。気候変動がイノベーションに直結するというのなら、これは民間企業の努力に委ねるべきというのが一つ。それから、財源については、エネルギーの安定供給に寄与するようなものにしていかなければならない。そしてもう一つ、環境省と経済産業省がそれぞれ補助金を計上して細分化して配るというような現行制度のやり方、これは費用対効果でいうと効果が極めて小さいと考えると、そうした意見でありました。

少し長くなりましたが、各委員からの意見の大宗は以上のようなところでございます。会議の終了が少し遅れましたのでこの場に来るのが遅れましたが、私から御紹介は以上でございます。

〔幹事〕幹事社から、地方財政について1問質問させてください。増田会長代理として、今回コロナ禍における地方財政と臨時交付金で交付先の各自治体が効果検証を6割が公表しないということと、実際、リーマンショック以降、基金が積み上がっていることについて、この臨時交付金の在り方について、増田会長代理はどのようにお考えでしょうか。

〔増田部会長代理〕公表しているところももちろんあるのですが、やはり相当巨額の、特にコロナであるということで、国民の皆様方が納得して使われたということが必要と思うので、であれば、それが本当に効果ある形で使われているのかどうかきちんと自ら検証して公開しないと、やはり不信感を招きますし、それはやはり今後の問題にもつながってくるのではないかと。やはり巨額であればあるほど、公開を全ての自治体ができるだけ丁寧にやっていくべしというのが私の考えです。

〔幹事〕財政調整基金がコロナ禍でも積み上がっている自治体がある点については。

〔増田部会長代理〕いろいろなケースが考えられますが、将来の緊急時に備えて積み立てられているものなので、やはり本来であれば、コロナで理屈上は使われなければいけないし、短期間積むということは場合によってなくはないが、私はやはり実際にそれだけの需要がなかったと考えざるを得ない、あるいはそうしたふうに見られてしまう可能性が高い。実際にどうだったかというのは、一つ一つ自治体ごとに見ていかなければいけない。

恐らく財調などの基金に積むときには、議会の中でも議論がなされるのではないかと思うので、やはり議会での議論であれば、通常であると、県民の皆様から、あるいは住民の皆様から、いやいや、そうしたところに積むのではなくて、今これこれ困っている事態があるから予算を組んで実行してくれという話が多くなってくると思うので、やはりそうした議論をしっかりしているかどうかであると思います。その上で、もらったもので当面歳出の必要がないから将来を考えて積もうということなのか、それは国から見ると後で問題になる話でもあるのですが、その辺り、対住民との関係で本当に積んでおいてよいのかどうかしっかり議論しているかどうかであると思うので、一般論で言えば、繰り返しになりますが、やはり本来は減るべきものだろうと思います。

〔幹事〕各社さん、何か質問ありますでしょうか。

〔質問〕いわゆるガソリン補助金について、マーケットへの巨額の補助金は脱炭素の流れに逆行しかねないとか、また、当初の戦略と、出口が見えなく、国民に分かりづらくなっているのではないかのような発言があったということですが、それ以外で、今後、今いわゆる秋の補正とかも議論されている中で、エネルギー価格に対する話についてはほかにどのようなやり取りがありましたか。

〔増田部会長代理〕エネルギーについてはかなり先ほど丁寧に申し上げたので、一応大体全部発言を網羅したと思います。それで、秋の関係についてこれからどうするか、例えば電気料金のようなことについてですが、そこについてはやはり財審として、多くの委員の皆様方も具体的な形が分からないので、今日もそれ以上の話にはなっていないと。やはり見て、それで判断ということになる。一般論で言うと、先ほど言ったように、こうした問題は、財源についてどうするかというのがやはり皆様の関心の大きさではないかなと思うのですが、具体的な内容が固まるといろいろ皆様方も御意見があるのだろうと思います。

〔質問〕ありがとうございました。

〔質問〕イギリスの事例について、増田会長代理は、日本にとっても教訓となるものなのか受け止めをお願いしたいのと、また、今月中に経済対策がまとまりますが、その経済対策の編成の上でもこうした英国の事例というものは一つ参考にすべきとお考えでしょうか。

〔増田部会長代理〕やはり日本とイギリスといろいろな背景事情が違うので、イギリスがこうだった、だからこうなると、あまり短絡にしてしまうといかがかなということも、それから、これまで積み上がっている債務残高等々の問題とか税の仕組み等も違うので、ああいったことでの財政の拡大策中心に来たことが日本でどうかと言われると、そこは一概になかなか言えないと一方で思いつつ、やはりトータルで言うと、あのことによって政策の短期的な転換もあったが、やはり財政運営に対しての政府の財政運営、政権関与者の財政運営に対しての信認がちょうどそのことによって下がったという、それを市場が見て、それでマーケットがいろいろ変動したということもあるのではないかと思うので、したがって、財政運営に対する信認がとにかく低下しないように日本としてしっかりと対応していく必要があるなと、これは私は言えるのではないかなと思います。

ここまでどうなるかというのはありますが、ある種、したがって、向こうのマーケットは、評価によっては健全に機能したと言えなくもないわけですね。マーケットがあれだけ変動したがゆえに政策変更をまた短期的にやったのですから。ですから、やはり大事なのは、そうしたマーケットの状況も、海外でああいうふうに起こったということはきちんと頭に入れて、今後のイギリスの動向がどうなるかは常に注視しておくことが必要であると思うのですが、財政運営に対しての信認が低下するということ、これはやはりあってはならないことだなと、そんなふうに我々自身考えておく必要があると思います。

〔質問〕GX経済移行債の財源が重要であるという意見が相次いだようでしたが、その中身については、御紹介の中で、カーボンプライシングで炭素税や排出権取引、ベストポリシーミックスでのようなお話があった以外では、そうした何か炭素税とかの話はほかの委員の方はおっしゃっていたりしましたでしょうか。

〔増田部会長代理〕そうしたことについてどういうふうに値付けするかというのは、それがすごく大事であるという話はあったのですが、政策としてやはりこの中で紹介したポリシーミックスであるという意見はありましたが、さらにこうした財源で移行債のところを構成していくべきであると、そうした話までは特にございません。やはりこれから政府でもいろいろ議論されるのだろうと思いますが、これと決めるのは、一つの決め打ちということはなかなかできないのだろうと私は思います。ですから、今お話にあった排出権取引とか、これまでの政策を見れば、やはりそうした政策を総動員するということで考えていかなければいけないのだろうと思いますが、今日その関係では先ほど御紹介したものが全てであると思います。

〔質問〕ありがとうございます。

〔質問〕よろしくお願いいたします。英国の関係ですが、冒頭、発言の御紹介の中で、英国で良い事例を見た旨の内容があったとおっしゃっていました。それは、日本もこれからも補正をするところですが、その辺り、かなり大判振る舞いしてはいけない、抑制的にやったほうが良いといったような趣旨だったでしょうか。

〔増田部会長代理〕イギリスについて、ああいうある種政策変更とか混乱があったので、なかなか日本ではああいうことが起きるとやはり困るわけで、イギリスの例を見て、そこから我々が学び取ることは何かという意味では、イギリスの例は良い例と言えるのかどうかとその発言した御本人もおっしゃっていましたが、要は、日本もそれで先ほど言ったように脇をしっかり締めていかなければいけないということをその方は言っていました。その方は、やはりイギリスのようなことが行われると、日本も大分混乱をするということが恐らく頭にあるのだろうと思います。

先ほど私が言ったように、イギリスと日本とはいろいろな状況が違うので、そのとおり起きるかどうかということ、そうしたことも考えなければいけないのですが、やはりある国でああいう政策を取ったら、その後相当な混乱が実際には生じたということからちゃんと学び取らなければいけないということをその方は示唆されたのであると受け止めております。

〔質問〕よろしくお願いします。最初の質問に関連してなのですが、財務省からは、地方創生臨時交付金について、縮減とか廃止をしていくべきであるということで提起がされていますが、増田さんもこの臨交金については、縮減、廃止をするべきであるとお考えでしょうか。

〔増田部会長代理〕私の個人の意見というか全体の紹介なのですが、私個人は今日は発言していませんが、やはり臨時であり、それから、コロナであるということによって行われたものであり、その中にはコロナ対策もあれば、地方創生対策もいろいろ混じっているものなので、やはりほかの委員も言っていましたが、財政が非常に膨大にというか膨張しているのですね。だから、やはりそこは縮小して、それでいわゆる出口戦略のようなものをちゃんと考えておかないといけないなと思います。個々の自治体は千差万別で、決してそれで規律が緩んであると一般的にすぐつなげられるものではないと思いますが、やはり私の経験としても、地方財政が一旦膨張すると、それは平時ではないですから、だから、やはり平時になったときにどうするかというのは相当苦しむから、私はやはりもう縮小の方向を考えておかないといけないのではないかと。これは私の意見です。

〔質問〕また、それに関連してなのですが、縮小していくべきであるということですが、一方で物価高対策に使途が広げられてしまってというか、政府は広げて、今後も臨時交付金が拡張というか続く可能性もあると思うのですが、ここら辺はどうお受け止めになっていらっしゃいますか。

〔増田部会長代理〕これはやはり今度は経済対策ですから、補正予算なんかを見てからですね。まだ申し上げるのは少し早いなと思います。

〔幹事〕ほか質問はございませんでしょうか。

ないようですので、これで終わりにしたいと思います。ありがとうございました。

〔増田部会長代理〕ありがとうございました。