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財政制度分科会(令和3年11月15日開催)記者会見の模様

〔増田分科会長代理〕それでは、お待たせいたしました。本日の15時30分から、財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたしました。本日は、防衛について質疑を行いました。資料は、防衛関係費の水準の在り方、装備品の調達改革、人材の有効活用、この点について中心としたものです。

以下、各委員の発言内容について、個人名を伏せて御紹介いたします。

初めの委員でございます。この委員は、特にサイバー、ハイテク関係について、優秀な人材を確保するためにも、企業との間で人材の流動性を確保する必要性があるのではないかという意見です。

それから、次の委員でございます。日本の限られた財政リソースの中で、防衛にどれだけ振り向けられるのか。そして、中国と比較しても、そもそもGDP規模が違うのだから、規模で対抗しても意味がないのではないか。そこは知恵を絞る必要があると、こうした意見です。

それから、次の委員です。この委員は、安全保障のビッグピクチャーと防衛省の自己改革が重要であると。安全保障のビッグピクチャーというのは、それが提示されてないということが背景にあると思いますが、ビッグピクチャーと防衛省の自己改革が重要である。それから、サイバー分野の人材育成には時間がかかるのではないか。専門性など難しく、すぐに育成できるわけではない。その上で民間との関わり方をどう考えているのか、そこはきちんとすべきであると、こうした意見です。

それから、次の委員です。社会保障に関しては歳出改革を厳しくやっているが、防衛についても同じように、国民に対して分かりやすく取り組む必要があるのではないかということです。

それから、次の委員です。東アジア情勢の変化を踏まえて、防衛費を引き上げる議論もなされているが、安全保障環境の変化と財政のバランスをどう取るか検討する大事な時期に今あるのではないかと、こうした意見です。

次の委員ですが、この方は調達について、旧態依然の形で物ありきで調達が行われていないか検証して、全体戦略に適応しているか確認することが重要であるということです。

次の委員の方です。この方は、装備品のコストが高まると、費用対効果の優先順位も変わるかもしれない。したがって、透明性を持って議論すべきと、こうした意見です。

それから、次の方です。環境が厳しい中で防衛関係費を増やす必要があるという点については国民にも認識はあるはずだが、それでは、誰が負担するのかについても議論を行う必要がある。実効的な防衛力の整備には、裏づけとなる健全かつ持続可能な財政運営が必要である。今の世代で負担することが必要で、一般会計で6割しか税収で賄えていない。今の世代で防衛関係費の増強を行うのであれば、負担のことも考えるべきと、こうした意見です。

それから、次の委員です。初めから規模ありきの議論を行うのではなく、どのような戦略を取るべきか定めた上で議論すべき。それから、機種選定において、多面的な評価、客観的なスコアリング、また、代替案を示すことが必要である。様々な代替案を示すことで、検証可能なフレームワークが必要になると、こうした意見です。

それから、次の委員の方です。広い意味での安全保障と社会保障のバランスをどう考えるか、これこそが現在の財政の最大のテーマではないかと、こうした意見です。

それから、次の方。宇宙、サイバーについてもう少し資金投入をして、日本がリーダーシップを取らないと、今後まずいのではないかと、こうした意見です。

それから、次の方ですが、この方は、防衛分野においても、人口減少、特に若者の減少が課題である。それを踏まえると、陸海空の統合、それから、ICTの利活用、民間人の登用、これはアウトソーシングのことのようですが、そうしたことが重要である。それから、もう一つの意見は、新型戦闘機の開発について、戦闘機の独自開発を行うのは日本は可能なのか。第3世代までしか日本は開発していなかったので、今後開発するのは本当に可能なのかどうかという疑問をおっしゃっていました。

それから、次の委員の方です。財政基盤なくして国防なしということを、財務省だけでなく、防衛省にもしっかり説得していただきたい。それから、コスト管理やロジスティクスに改善の余地があって、この点を改善しなければ、金額を幾ら積んでも安全保障の役に立たないということにもなりかねないと、こうした意見でした。

それから、次の方ですが、安全保障の軍事的緊張が高まり、リアルからサイバー的なものへの変化、陸海空のシフトなどが存在している。どこでも変えることは難しく、防衛面では変えるのが特に難しいとは思うが、防衛面でもワイズスペンディングが重要で、重層的、総合的、柔軟な防衛政策を国民を巻き込んでやっていくことが必要である。

それから、次の委員の方ですが、防衛の経済効果や費用対効果の視点が必要だが、検証の体制を整えるためには見える化が必要。輸入品と国産品の価格の違いはなぜなのかなど、サプライチェーンの見える化をして検証を進めていくべきと、こうした意見でした。

それから、次の方です。この方は、1つ目ですが、国際情勢、技術の変化に対処できているのか、戦略の最適化が必要。その際には、過去のレガシーの見直し、つまり、スクラップ・アンド・ビルドを行う必要があるのではないか。それから、もう一つ意見がありまして、GDP対比という数字ありきでは無駄が生じる。必要な防衛戦略について最適化を行って調達改革を行った上で、全体の予算における防衛が占める割合についてどうするべきかという国民的な議論が必要である。それからもう1点、アメリカと違って、日本では軍事目的に転用できる研究はアカデミアでタブーとなっているが、その点について議論を行う時に来ているのではないかという意見です。

それから、あと数人あります。次の委員の方は、昔とは戦争のやり方が変わっている中で、防衛省はどう切り替えてきたのか、ビッグピクチャーを見たい。それから、全体で欲しい人材が違うはずなのに、現実とギャップが発生している。ビッグピクチャーでどう人材が配置されるかが大事。ビッグピクチャーの中で位置づけて予算の編成をしてほしいと、こうした意見でした。

それから、次の方です。サイバー攻撃のほうが脅威の程度が高いのではないか。サイバー攻撃ほど人材が重要な分野はない。教育を施したとしても、トップ人材、トップ層はすぐ抜けてしまうかもしれずに、教育費の観点から無駄が生ずるし、秘密漏えいという観点でも課題がある。したがって、十分に計画性を持って、どのようにトップ層の少数精鋭を行っていくべきなのか検討すべき。また、費用もかかると思うので、不断の見直しが必要であるとともに、サイバー攻撃という見えづらい分野であるからこそ、国民への十分な説明が必要と、こうした意見です。

あと2人です。次の委員の方ですが、自己改革をどのようにするのかについて、防衛について、若い人の中に防衛意識を持ってもらうことが日本は遅れているという意見でした。

それから、この方が最後です。4つ言っております。無駄は徹底的に省いて合理化を行う。調達だけでなく、陸海空の自衛隊の重複を省くなどの合理化も含めた対応が必要である。それから、次、大局的な戦略をつくって、コストがどれだけかかるのか、国民に複数のシナリオを示して議論を行う必要がある。それから、3つ目です。日本の防衛力が不足しているという認識、特に宇宙、サイバーの分野は不足していると、こうした認識を示しています。そして最後に、防衛については、やはり安定した財政なくして国防なしと、こうした言葉に尽きるのではないかと、こうした意見を述べております。

以上、意見の紹介をいたしました。私からは以上でございます。

〔幹事〕ありがとうございました。各社さん、質問あればお願いします。

では、すみません、私から1点よろしいですか。最後のほうに出てきた、アメリカと違い軍事目的に利用できる技術はタブーとなっているという趣旨の委員の御発言があったところですが、アメリカと違い、軍事目的に転用できる技術……。

〔増田分科会長代理〕あれですね、日本のアカデミアでの。

〔幹事〕これは委員の御発言の趣旨としては、いわゆるデュアルユースのようなものを推進していって、もっと装備品の開発の効率化を図るべきであるという文脈でおっしゃっているということなのでしょうか。

〔増田分科会長代理〕日本の防衛費の中で研究開発のところについてどうするかというと、そこの部分は日本の場合には取り除かれてはいるのですが、要は、アメリカは、軍事転用できる技術は、いろいろな研究者、特に大学などで随分やっているわけです。日本の場合には、例の、以前、学術会議等々でいろいろな議論がありましたので、そこについては実際にはなかなか議論が、学術会議ではやられたのでしょうが、それ以外はあまりやってないわけですね。ですから、そうしたこともあって、軍事目的に転用できるそうしたものについて、一体どこのセクターがどういうふうにやっていくのかという、そうした点について、今は一切、この人の見解は、やはりタブーになっている部分があるのではないか、そこをやはりオープンに議論していく必要があるのではないかと。どういうふうにしろということは言っておりませんが、議論をやはりオープンにしていく必要があるのではないかと、こうしたことを言っておりました。デュアルユースという、そうしたことにつながっていくと思いますが。

〔幹事〕ありがとうございました。ほかよろしいですか。

では、すみません、なければ、これで終わりにします。ありがとうございました。

〔増田分科会長代理〕ありがとうございました。