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財政制度分科会(令和2年11月2日開催)記者会見の模様

〔増田分科会長代理〕それでは、よろしくお願いいたします。

本日、13時から、財政制度等審議会の財政制度分科会を開催いたしました。15時15分ぐらいまで開催をしておりました。

本日は、社会保障について、こちらは第2回目になります。それと、地方財政について、事務局から説明を聴取した後、質疑を行いました。

事務局からの説明は、社会保障については、令和3年度、来年度の介護報酬改定、それから障害報酬改定、地方財政については、総論では引き続き一般財源ルールを維持することを中心として説明を受けました。

各委員からの主な質疑、意見について、通例どおり委員の個人名を伏せて、以下、紹介いたします。詳細については、後日の議事録で御確認いただきたいと思います。

まず、社会保障の第2回目の部分です。順次、紹介をしていきます。

まず、初めの委員ですが、この資料の中で福祉用具について、今、貸与になっているものの、販売の方が良いということになっており、その福祉用具の貸与、ほかには介護予防・日常生活支援総合事業について、今回、事務局から説明があったような制度設計の失敗が今の費用の増加を招いているのではないか、これが最初の委員の意見です。

次の委員ですが、介護予防・日常生活支援の総合事業につきましては、なぜ多くの自治体が上限超過してしまうのか、PDCAの中で制度的な課題を把握していくべきという意見です。もう1つは、新型コロナ対応を行った医療機関、それから高齢者、障害者施設には何らかの措置が必要であって、何らかの対応はあり得ると思うわけですが、恒常的な対応はそもそも必要ないのではないか、ということです。もう少し実態を見て検討すべきという意見です。

次の委員です。高齢者、障害者にとっては、サービスの質を判断できないということがありますので、ICT化や都道府県による評価などを通じて、サービスの質の確保を行うことが大切であるという意見です。

それから、次の委員の意見です。介護保険の関係ですが、将来的には、就労中立の観点から、所得の多い、少ないにかかわらず、同じ給付割合とする制度を検討していくべきではないかと、こういう御提言がございました。

それから、次の委員です。こちらは、障害福祉サービスの関係ですが、適切なサービスをしていないことで事業者に利益が出ているとすれば、これは問題である。サービスの質の向上のための実地指導は、随時、適切に実施すべきであるという意見です。

それから、次の方の意見ですが、介護分野でICTツールを入れて、サービスのトータルの質を高めていくべきであるという意見でした。

次の委員の意見です。介護分野でAIや各技術を活用していくことが重要である。その際、介護でのICT活用におけるエビデンス、そしてボトルネックは何かを把握することが重要であるという意見です。

次の委員です。今日の議題となっている介護、障害福祉に通ずる話ですが、要はこの委員は人材が重要であると。介護、障害福祉に共通する課題は人材であって、これに対処するために、ICTの活用や、そして地域の支え合いが重要であるという意見でありました。

それから、次の委員の意見です。コロナの関係です。コロナを踏まえた医療における対応について、交付金から診療報酬に軸足を移していくことに基本的に賛成であるという意見です。それから、コロナが高齢者よりも、特に現役世代の人にとって、深刻なダメージをもたらしているということをしっかりと言っていくべきではないかという意見です。

次の委員の意見は、冒頭言いました福祉用具を貸すことについてです。こうした福祉用具貸与の問題を通じて、ケアマネジメントに利用者負担を導入することが重要であるということが明示されたのではないかという意見です。

次の委員は、コロナの対応について、海外を見ると先行きが非常に不透明になってきていると。不測の事態に備えて、コンティンジェンシープラン、いわゆる危機管理計画を持っておくことが必要ではないかと。そして、また、患者を受け入れる医療機関にきちんと支援をすることが重要という意見を述べられました。

それから、次の委員ですが、障害福祉サービスの中で適切な自己負担について検討してもよいのではないかと。また、医療法人の経営状況の把握は重要であって、見える化によって、経営状況を「見える化」することによって、政策の幅ももっと増えるであろうという意見です。

それから、次の委員の意見です。この方は、感染、コロナについて感染が今後、再拡大をするときに、医療スタッフを派遣することは重要であるが、その際には病院の人員配置基準を緩和する必要があるということが1つ。それから、冬場の新型コロナ対応に参加してくれる病院を増やすための取組が重要であると、こういう意見でありました。

それから、これが前半の社会保障の最後の委員の意見ですが、この方は、医療保険などの保険制度は受益と負担のバランスでインセンティブが発生しているのに、介護保険制度におけるインセンティブ交付金は必要なのか、という意見でございました。

これが、前半の主立った意見、内容でございます。

後半の地方財政に、引き続き移ります。

まず、初めの方の意見ですが、コロナ対応の地方創生臨時交付金が今回措置されていますが、この交付金がどのように適切に使われているかが重要であると。そして、本来、使途については地方議会がきちんとチェックの役割を十分果たしていくべきという意見です。

次の委員の意見は、自治体のデジタル化に関してです。ボトルネックがやはり人材にあるわけですが、その人材は外部からではなくて内部で、自治体が責任を持って育成していくような考え方が必要ではないか。要は、外部というと、この方が言うには、自治体ですぐコンサル頼りのようなところに走ってしまいますので、きちんとやはり自治体が努力して育成していくという考え方が必要ではないかということです。

それから、次の委員です。地方交付税について、今回の臨時的対応が恒久的に残らないように、臨時の措置であることを明確にすることが重要であると。それから、交付税の性格ですが、これは標準的な予算のために交付するものという認識を持つべきと。地方交付税自身が、標準団体の標準的な経費を算出して、それで額を決めていくものですから、地方交付税の標準的な予算のために交付するものという認識を持つべきという意見です。

次の委員の意見はデジタル化についてです。デジタル化の際には、現存する業務をそのままシステム化しようとするのではなくて、デジタル化をしていく中で業務改善を図るという考え方が重要であるということです。

次の委員です。交付税についての別枠加算や歳出特別枠といった措置が取られることがこれまであったわけですが、リーマンの後、時限的措置の廃止に非常に長い時間を要しました。したがって、今回はそうならないように適切な対応を行ってほしいということです。もう1つ、この委員はデジタル化について、データの共有化を個々の自治体ごとに行うと、孤立するどころか、自治体、国、事業者にもメリットが及ばないと。したがって、共通化の進め方をしっかりと整理する必要があるという意見です。

それから、次の委員ですが、地方財政計画の枠計上経費、これについて地方財政の健全化のために「見える化」を図ってほしいという意見です。

次の意見はデジタル化についてです。今の政権が、これについて一丁目一番地で進めていくということですが、その際には自治体の業務フローをしっかりと見直しをして、その上で標準的なシステムをまずつくって、その上で統一化を図るべきという意見であります。それから、この方はもう1つ、とにかくコロナに便乗した無駄遣いはやめていただきたい。そして、先ほども別の委員も言っていましたが、リーマンショックの後のいろいろな例もございますので、お金を使う、措置すると同時に、出口も同時に考えていくべきという意見です。

次の委員の意見です。公共施設の適正管理について資料の中で触れられていますが、公共施設の総量削減は賛成であるが、個々の自治体の議論に及ぶと反対があって、結局進まなくなってしまうと。そういうことが財政を圧迫するおそれがあるので、きちんとこの問題については議論していくべきという意見です。

それから、次の委員の意見はデジタル化についてですが、これについては自治体にインセンティブを与えて促進することも検討の余地があるのではないかという意見でありました。

次の委員の意見です。交付税の関係ですが、歳入歳出のギャップを埋めるための地方交付税が増えるということであれば、それはルールであって受け入れるし、また、折半ルールがあるということも理解している。したがって、ルールと決められているのは、そのとおりきちんと実行していくべきだ。その代わり、一番問題になるのは、ルール以外のその他の加算、これまで、歳出特別枠とか、別枠加算とかがあったのですが、そういうその他の加算が起きないようにすること、ここをきちんと守っていく必要があるという意見でありました。

次の委員です。同じく交付金の関係です。本来、交付金はセーフティーネットとしての役割があり、そのための交付金ですが、現在の状況を見ると、交付金を使わなければ損であると思っているのではないかと、これはやはり問題であるという意見でありました。

次の委員の意見です。全体とするとワイズスペンディングについて、この方は意見を言っているのですが、財政について一般の人はなかなか理解できていない可能性があるので、現在の財政の状況について何かしらのメッセージを伝えていかないといけない、こういう意見でありました。

それから、次の委員ですが、デジタル化、特にデジタル人材の確保について、人材を自治体間で、広域で共有化するであるとか、既存の人材の再配置を進めるといったようなことも必要ではないか。それから、県から市町村に人材を派遣するといったこともあって良いのではないかと言っておりました。

次の委員です。同じくデジタル化についての進め方ですが、この方は、まず国主導でひな形をつくって、その上で標準化を進めるべきと。自治体ごと、あるいは幾つかの自治体から始めると、どうしてもばらばらになるので、国主導でひな形をつくって、その上で標準化ということを言っております。

それから、次の委員です。今回、コロナが起きたことによって自治体の歳出全体が増えるのは仕方がないが、それに対して、交付金とは臨時の措置であって、継続して生じないことが大切という意味で、歳出、歳入を厳しく見直すべき。それから、コロナ対策関係経費は、透明性を持って対応するべきであって、将来につながるような強靱な経済財政をつくるものにつなげていくべきと。もう既に配分した3兆円の臨時交付金については、しっかりとした検証作業が必要で、PDCAをちゃんと回していくべきという意見です。

次の意見の方は、下水道のようなインフラは人口密度が高い箇所に機能を集中していく必要があると。下水道事業者を、ただいたずらに一緒にしても十分な機能を発揮できないので、ほかの政策も併せて人口密度を高くすることを総合的に考えていく中で、下水道を効率的にする必要があるであろうという意見を言っていました。

それから、次の方が最後ですが、地財計画について引き続き適正化に向けた努力が必要という意見を述べられました。

以上が、前半、後半、合わせて、各委員からの意見の紹介です。

以上です。

〔幹事〕ありがとうございました。

では、質疑に移ります。まず、会見室にいらっしゃる方は挙手をお願いします。質問に当たっては、こちらの会見室の両脇のマイク席に移動していただいての質疑応答となります。オンライン参加で御質問のある方は、「手を挙げる」ボタンを押していただいて、チャットメッセージで質問内容をあらかじめ入力願います。よろしくお願いします。

幹事社から、1問、お伺いします。介護についてですが、先ほど委員の御意見の中にも、介護施設や障害者施設について何らかの対応は必要という意見もあったということですが、直近の厚労省の調査で、今年度に入ってからコロナによる利用控えや感染対策による経営の圧迫という結果が出ているかと思います。これについての何か御意見や議論はあったのでしょうか。

〔増田分科会長代理〕全体的に言うと、介護の経営実態については、今日の我々の認識は、調査がございますように、中小企業と同程度の水準であるということと、それから、経営状況については、これまでもなかなか経営状況が厳しいという数字がよく出されていたのですが、例えば、介護経営の実態調査などの数字は特別損失が反映される傾向が強く、したがって、そうしたことを是正していくと収益率はさらに向上するはずなので、今回、コロナということが当然あるわけですが、しかし、今、少なくとも介護報酬をプラス方面に変えていくという状況にはないのではないかということが、今日の恐らく各委員の全体的な受取りではないかと思います。これからコロナがどうなるかは、もちろん冬にかけていろいろと変化があるので、その辺りは、状況に応じて適切に見ていく必要があると私は思いますが、共通認識は以上です。

〔幹事〕ありがとうございます。

では、各社、御質問のある方、お願いします。

〔質問〕御説明、ありがとうございました。地方財政のところで、1点、お伺いしたいのですが、交付金のところで別枠加算について、数名の方からの御発言を御紹介いただきましたが、具体的な意見を平たく言うと、折半ルールは守っていくべきで、別枠加算という特例の措置はすべきでないという御意見が多かったという理解でよろしいでしょうか。

〔増田分科会長代理〕私もかねてから、地方財政を経験した立場でもあるのですが、前回の大きな地方財政の危機は特にリーマンですよね。あのときに、別枠加算や歳出特別枠の計上をやって、それは、その時点では私も、税収が国、地方とも大変落ちましたから必要であったと思うのですが、一度蛇口を開くと歳出がどうしても増えていって、止める方向になかなか行かず、結局、臨時的な措置であったものが、つい最近までずっと続いてきたわけです。

ですから、そうした経験があって、今回もコロナがあるので、措置が必要であることは、私も理解するのですが、ただ、これがだらだら続くと、どうしても歳出が甘くなって、そのことによって地域経済にも良い影響がもたらされないのではないかという懸念があります。それは、企業支援についても何にしても、どうしても甘くなってきて、それで本当に必要な部分にむしろ届かないのではないかといったようなこともあるので、要は資源の再配分がきちんとうまくいかないことにつながるのではないかということがあります。これからの話にはなるのですが、特に財政当局には、臨時な措置は本当に臨時的なものにきちんと区切るように、そして出口もちゃんと見据えてやっていくように、それから、もう1つは、これは今の御質問よりももう少し広くなりますが、コロナ便乗予算のように見えなくもない地方の歳出の例も、それについてはやはり自治体が責任を持ってチェックするようにということをおっしゃる委員が大変多かったと思います。

〔質問〕その関連で、出口を見据えてという御意見については、これは例えば何年間とか、具体的に年数を区切るべきという理解でよろしいですか。

〔増田分科会長代理〕年数を区切るのが、一番分かりやすいは分かりやすいですね。地方の景気動向などはどんどん出てきていますから、そういうものを常に見ていく必要があるとは思います。これから、来年度についてまさに政府で決めようとしている話になりますが、これから年末までのコロナの状況であるとか、それを踏まえた経済の状況の中で、こうした臨時措置は、そのときに臨時であることをどのように表現するのか。当面、いつまでとかいうことまできちんと言えれば、それは一番望ましいことではないかと。見通しがあるのであれば、そうしたことが良いのであるとは思いますが、その辺りは、これからもっと柔軟に、コロナの状況を見ながら、政府で議論してほしいと思います。

〔質問〕ありがとうございます。

〔質問〕介護報酬の改定のところ、結構一つ大きな論点であったと思いますが、全体としては、財務省側の提言に対してはあまり異論はなかったというトーンと伺いましたが。

〔増田分科会長代理〕はい。

〔質問〕意見の中で、何か具体的にそれについて、例えば恒久的な対応がそもそも必要ないのではないかという意見は、介護報酬のことでしょうか。その介護報酬絡みで、何か直接、意見があれば御紹介いただきたいです。

〔増田分科会長代理〕介護報酬では、先ほど幾つか御紹介しましたが、要は、今、国民負担を増やすまでの状況にないということが、私が聞く限りでの皆様の総意であったのではないかなと。要は、介護報酬をプラスに改定して、それで国民負担を増やす状況にないということが、皆様の御意見であったのではないかなと思うのですが。

〔質問〕意見として紹介していただけるものを少しピックアップしたいと思うのですが。

〔増田分科会長代理〕ある委員の意見として、介護報酬が、これまでも上がってきてはいますが、それが現場の職員にきちんと還元されていないのではないかと。もし、もっと介護報酬を上げるのであれば、現場における課題をしっかりと把握してもらわないと問題の解決につながっていっていかないということをおっしゃっている方もいらっしゃいました。また皆様の受け取り方は違うのかもしれませんが、単に国民負担を上げたとしても、本当の質の高い経営に十分につながっていないのではないかという意見が多かったと、私は理解しています。

〔質問〕なるほど。そうした意見は紹介して大丈夫でしょうか。

〔増田分科会長代理〕はい。

〔質問〕そうした意見があったということですね。

〔増田分科会長代理〕はい、そうです。

〔質問〕分かりました。はい、ありがとうございます。

〔幹事〕ほかに御質問のある方、お願いします。

〔質問〕地方財政について。少し厳しい意見が委員から出たということですが、それは今日示されたユニークな事例を念頭に皆様発言されているのか、それとも、従来の取組と同じようなものが見られるではないかという少し広い意味での、今日の財務省の資料に関しての御意見であったのでしょうか。

〔増田分科会長代理〕私は恐らく、2つあったと思います。今までも、折半ルールとか、どうしても歳出が多くなったときに、国と地方でどのように役割分担しようかというルールをつくってきたのですが、その中に、実は前回のリーマンのときにつくった、これもきちんと決めたルールではあったのですが、一旦、折半ルールのような、一番ベーシックなルール以外に別枠加算などを始めると、どうしてもだらだらと続くと。その経験が皆様おありでしたので、そこにしっかりとたがをはめておくべきということ。

それから、もう1つ。決算乖離について、今までの議論でも出てきてはいたのですが、地財計画で計上されていて、実際に決算になったとき、上振れと下振れともちろんあるのですが、上振れた場合には、全部自治体で丸ごと取ってしまうことはいかにもおかしいのではないかという話がある中で、しかも、それが恐らく、きちんと使われているものとはまた違う。委員の皆様方は意見をお持ちかもしれませんが、今日、たまたま、資料ではユニークな事例として、たしか花火大会などいろいろとあったのですが、私も自治体の行政をやってきましたが、少しコロナに便乗した予算、使い方にどうしても見えるのですよね。

だから、本来、先ほど言いましたように、こういうことは自治体の議会で相当厳しくチェックしておくべき話で、恐らく国もコロナという緊急性があったので、自治体に早く交付しなくてはいけないということで、かなり使い方については自治体の自主性に委ねると。自主性、さらに言えば自治体の良心に委ねるようなことがあって、事前には厳しくあまり見ないようにしましょうと。その代わり、自治体でのきちんとしたチェックは地方自治の中で、議会でしっかりやってくださいと。事前のチェックについて、いろいろと言い出していたら、交付も遅れて大変なので、今回巨額を出したと思うのですが、現実にはどうも、調べるとユニークな事例があります。それで、これはやはり各委員の皆様方も駄目ではないかと。そして、きちんとPDCAを回すようにという意見を言われたと。だから、恐らく、2つ大きな背景があって、今日のような意見につながったのではないかと思います。

〔質問〕その上で増田分科会長代理に伺いたいのですが、そのユニークな事例は、事例だけ見るとえっと思いますが、ランドセルを配付するということもありなのかなとも思いますし、ライトアップも医療従事者のためのものとか、警備員は志村けんさんを呼ぶとにぎわうからということもあって、一刀両断に、何かを切るのは非常に難しいところです。とはいえ、内閣府が出している事例集等も見ると、自治体側も使い方として、これが駄目で、これが良いという区別が難しいのではないかなと推測できます。それについてはどのようにお考えで、どのように区別していけば適切な支出につながるものなのでしょうか。

〔増田分科会長代理〕私は、1つは、ここで事務局もユニークと書いているので、なかなか限界線上は難しいということがあり、もし本当におかしいと思うのであれば、悪しき事例のように切ってしまうところでしょうが、そう言っていないということは、今、おっしゃったような、捉え方によってはいろいろな解釈ができる例であり、かなり限界線上に近い。

ただ、私が思いますのは、私自身も決して悪しきとは言うつもりまではないのですが、もっと背景を調べなくてはいけない。もしランドセルの配付が必要であれば、恒常的に毎年、必ず新入生が出てくるので、それはまた違う予算を使って、もっと早く本来的に措置すべきであって、あるいは何らかの努力をしておくべきです。この際、コロナだからということで、国民の多くがかなり財政支出増を、赤字国債まで発行して認めているというところがあるので、そこはやはり今回の巨額の歳出を認めた背景はよく酌み取って、本来的にやるものと区別しないといけません。実はリーマンのときの臨時財政的な措置がずっとつながったことが大きな原因になります。

だから、ここはそれぞれの自治体で、全部が駄目ということよりも、住民の皆様方に、今回のことについてよく御説明されることが必要ではないでしょうか。実は、総務省も、そういう臨時的なものがうんと長くつながることは決して好ましいものではないと。地方財政の考え方や規律の上から言うと、やはり好ましくないと思っているはずなので、そうならないように私は願うという意味で、この辺りもきちんとした地域での議論、恐らく地方議会は5月、6月の臨時議会をぱっと開いて、1日ぐらいでぱっと予算を通していますが、そこでもう少し議論を積み重ねる、あるいは将来的にこうした歳出が歯止めなくつながらないような議論をもう少ししておいたほうが良いのではないかという気がします。

〔質問〕ありがとうございました。すみません。

〔幹事〕オンラインの御質問はございますか。特になさそうですか。

会場の方、ほかに御質問がございますか。よろしいでしょうか。

では、なければ、これで終わります。ありがとうございました。

〔増田分科会長代理〕はい、ありがとうございました。