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財政投融資分科会(平成31年4月17日開催)議事録

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財政制度等審議会財政投融資分科会
議事録

平成31年4月17日
財政制度等審議会


財政制度等審議会財政投融資分科会議事次第

平成31年4月17日(水)10:00〜12:00
中央合同庁舎第4号館12階全省庁共用1208特別会議室

  • 1.開

  • 2.新任委員挨拶

  • 3.財政投融資分科会長互選

    • 1分科会長互選

    • 2分科会長挨拶

    • 3分科会長代理の指名

    • 4分科会の運営等

    • 5理財局長挨拶

  • 4.諸外国における財政投融資類似制度(川村委員より概要報告)

  • 5.官民ファンドの投資計画の報告

  • 6.産業投資の管理運営について

  • 7.今後の産業革新投資機構(JIC)の運営体制等について
    (経済産業省より報告)
    質疑・応答

  • 8.閉

配付資料

  • 議案説明資料

  • 資料1財政制度等審議会財政投融資分科会名簿

  • 資料2財政制度等審議会関係法令等

  • 川村委員提出資料EU・フランス・ドイツにおける海外調査報告について

  • 資料3財政制度等審議会財政投融資分科会参考資料
    EU・フランス・ドイツにおける海外調査報告について

  • 資料4−1財政制度等審議会財政投融資分科会説明資料投資計画の報告
    経済産業省株式会社海外需要開拓支援機構

  • 資料4−2財政制度等審議会財政投融資分科会説明資料投資計画の報告
    農林水産省株式会社農林漁業成長産業化支援機構

  • 資料4−3財政制度等審議会財政投融資分科会説明資料投資計画の報告
    国土交通省株式会社海外交通・都市開発事業支援機構

  • 資料4−4財政制度等審議会財政投融資分科会説明資料投資計画の報告
    総務省株式会社海外通信・放送・郵便事業支援機構

  • 資料5財政制度等審議会財政投融資分科会説明資料
    産業投資の管理運営について2(論点整理)

  • 資料6−1産業革新投資機構(JIC)の体制再構築に向けた検討について

  • 資料6−2今後の産業革新投資機構(JIC)の運営体制等について

  • 資料6−3株式会社産業革新投資機構(JIC)再構築に関する有識者御意見一覧

出席者(敬称略)

分科会長

池尾和人

可部理財局長

古谷理財局次長

井口総務課長

橋本財政投融資総括課長

金森管理課長

湯下計画官

若原計画官

谷内資金企画室長

山本財政投融資企画官

委員

百合

高田

野村浩子

臨時委員

江川雅子

土居丈朗

冨田俊基

中里

林田晃雄

専門委員

川村雄介

工藤禎子

家森信善


10時00分開会

〔橋本財政投融資総括課長〕それでは、皆様方おそろいでございますので、ただいまから財政制度等審議会財政投融資分科会を開会いたします。

本日は、4月1日付で財務大臣より任命させていただいた委員の皆様による初会合となります。分科会長選任までの間、事務局にて議事進行をさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

それでは、議事に移ります。このたび財政投融資分科会の委員に御就任された皆様は、資料1の名簿のとおりでございます。ここで今回、新たに委員に就かれる高田様、工藤様、家森様に御挨拶をいただきたいと存じます。

それでは、高田委員、お願いいたします。

〔高田委員〕みずほ総合研究所の高田でございます。今後ともこちらの財政制度等審議会財政投融資分科会で勉強させていただきつつ、また今後につながる議論をさせていただければと思っております。どうかよろしくお願いいたします。

〔橋本財政投融資総括課長〕続きまして、工藤委員、お願いいたします。

〔工藤委員〕三井住友銀行の工藤でございます。銀行ではインフラ、エネルギーなどのプロジェクトファイナンスや、農業分野、スタートアップとの取引等を担当しております。少しでもお役に立てるように取り組ませていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

〔橋本財政投融資総括課長〕続きまして、家森委員、お願いいたします。

〔家森委員〕神戸大学経済経営研究所の家森です。専門は銀行論ということで、特に地域金融について研究しております。また現在REVICの社外取締役をさせていただいておりまして、こういう問題に特に関心を持っております。今後一生懸命勉強したいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

〔橋本財政投融資総括課長〕皆様、ありがとうございました。

次に、財政制度等審議会令に基づきまして分科会長の互選を行います。

それでは、分科会長の選任につきまして、御意見がございましたらお願いいたします。

川村委員、お願いいたします。

〔川村委員〕私から御提案させていただきたいと思いますけれども、ぜひ、引き続き池尾委員に分科会長を御推薦申し上げたいと思います。池尾委員は、御高承のとおり大変な御実績、御知見をお持ちで、各方面で御活躍のみならず、とりわけこの過去2年間、当分科会で大変立派な運営をなさってきた先生でございますので、ぜひ池尾委員を分科会長に推薦したいと思います。

〔橋本財政投融資総括課長〕川村委員、ありがとうございます。

そのほか御意見はございますでしょうか。

土居委員、お願いいたします。

〔土居委員〕私からも池尾委員を分科会長にぜひ推薦させていただきたいと思います。池尾先生は、御承知のようにこれまで日本の金融論を率いておられて、日本の学会でも高い御見識をお持ちで、かつ財政制度等審議会財政投融資分科会と改組される以前からも財政投融資について御議論に加わっておられ、これまでもこの分科会の議論をリードしてこられたということで、引き続き分科会長として池尾先生に議論をリードしていただきたいと思います。

〔橋本財政投融資総括課長〕土居委員、ありがとうございました。

ほかに御意見はございますでしょうか。

それでは、ただいま川村委員及び土居委員からいただきました池尾和人委員を分科会長に推薦する旨の御提案につきまして、皆様、御異議ございませんでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

〔橋本財政投融資総括課長〕ありがとうございます。それでは、委員の皆様の御了解によりまして池尾委員が分科会長に再任されることとなりました。

恐縮ですが、池尾委員、分科会長席への御移動をお願いいたします。

それでは、池尾分科会長より一言御挨拶を頂戴したいと思います。なお、この後の議事につきましては、池尾分科会長に進めていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

〔池尾分科会長〕皆様の御指名ですので、会長をお引き受けしたいと思います。しかしながら、いかんせん非力なものですから、皆様の御協力、御支援がないと到底任務を全うできないと思いますので、どうかよろしくサポートのほど、重ねてお願い申し上げます。

では、先ほど時間を守ってという話がありましたが、本日はなかなかそれが難しいぐらい議題がタイトになっておりますので、早速議事を進めさせていただきたいと思います。

それで、最初に財政制度等審議会令により、「分科会長に事故があるときには、あらかじめ指名する者が、その職務を代理する」と規定されておりますので、分科会長代理を指名しなければならないのですが、私といたしましては、分科会長代理につきましても引き続き翁委員にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

一言お願いいたします。

〔翁委員〕微力ではございますが、御指名でございますのでお引き受けいたします。どうぞよろしくお願いいたします。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。なお、分科会の招集や議事の公開など、これらの運営については、資料2の関係法令等に従い進めて参りたいと存じます。

それでは、ここで可部理財局長から御挨拶をお願いしたいと思います。

〔可部理財局長〕本日、衆議院の財政金融委員会が開催されているものですから政務の御出席がかないませんので、私のほうからこの財政投融資分科会委員改選後の初会合に当たりまして一言御挨拶を申し上げます。

まず、委員の皆様方におかれましては、御就任をお引き受けいただきましてまことにありがとうございます。厚く御礼を申し上げます。また、池尾委員には分科会長、また翁委員には分科会長代理をお引き受けいただき、まことにありがとうございます。引き続き御指導のほど、よろしくお願いいたします。

本分科会では、平素から財政投融資に関しまして大変貴重な御意見を賜っているところでございます。財政投融資は目下の重要課題でございます成長力強化などに重要な役割を果たしております。平成31年度も本分科会における御審議を踏まえて低金利を活用したインフラ整備、あるいは産業投資を呼び水としたリスクマネー供給強化といった施策が盛り込まれております。今年度も来年度の財政投融資計画の編成のほか、本日も御審議を賜ります産業投資の管理運営など、財政投融資を巡る重要な課題について議論、検討を進めていく必要がございます。委員の皆様方におかれましては、こうした財政投融資を巡る諸課題につきまして引き続き忌憚のない御意見をいただき、御指導を賜りますようお願い申し上げまして、私からの御挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいたします。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

それでは、次に本年3月に川村委員に御出張いただきました、EU、フランス及びドイツにおける財投類似制度の概要について御報告いただきたいと思います。いつもは時期的にもう少し後で報告をいただいているのですが、本日議論することと関連が深いので、本日御報告いただくということで、よろしくお願いいたします。

〔川村委員〕よろしくお願いいたします。早いうちにやれという御指名でもありますので、概要でございますけれども御報告差し上げたいと思います。

まずお手元の資料3をざっと御覧いただき、ヨーロッパの簡単な仕組みについて申し上げ、私としての全体の所感を申し述べたいと思います。

まず、資料3の3ページにEUの制度の全体がございます。EU、欧州委員会、要すればEU全体の本部と、各国の政府並びに公的な金融機関というものがスクラム的な組み合わせをして、ここでいえば欧州戦略投資基金(EFSI)というものを構築し、これが直接投資、間接投資を含めていわゆる全体の投資スキームを作っているというのがEU全体でございます。

次の4ページにございますように、特にEFSIを見た場合の投資ポートフォリオには極めて顕著な特徴がございます。どこの国でもそうでありますが、ローン形態のものと証券形態のもの、いわば融資と投資と分けていいかと思うのですが、その投資について見ておりますのが4ページ右下の円グラフで、中小、エネルギー、研究開発というどこの国でも、我が国でもテーマになっているようなところに中心的なポートフォリオが配分されています。

次の5ページの右下にございますように、特にファンドと言える欧州投資基金(EIF)のポートフォリオについて、テクノロジー、ライフサイエンス、成長分野というものが半分以上を占めている。左側の銀行ローンであります欧州投資銀行(EIB)のポートフォリオ、いわば従来型のものが多いポートに比べて顕著な特徴がEU全体を語っているということでもあります。

次に、日本にとって非常に参考になると私が感じましたのはフランスなのですけれども、7ページにございますようにこれも基本は似ていて、真ん中、左下の預金供託公庫(CDC)というのが日本で言えばちょうど資金運用部資金から発展的にきている、我が財政投融資に相当するものなのかなという感じがいたしますし、真ん中右のBpifranceというのが公的政策金融機関、あるいは官民ファンド、こういうものを融合させたような仕組みでございます。

1ページ飛んでいただいて9ページにBpifranceのポートフォリオについて右側に記載してございますとおり、やはりローンは伝統的なものであるのに対して、下のグロース投資のほうはテクノロジーと自動車で8割近くを占めています。

10ページは万国共通だと思いますが、いわば立ち上がりから始まって成長に応じて投資、ローンがどのようなイメージかというものであります。ここはある種概念の整理になると思います。

しばらく飛んでいただいて14ページはドイツでございますけれども、御案内のとおりドイツは復興基金をルーツとしますKfW、これは昨年も海外出張の詳細な御報告があったところでありますが、このKfWの子会社のKfW Capitalというところが一元的に、いろいろな再編を経て、それまでばらばらにやっていたものを一元的に公的な政策投資について担っているというところでございまして、その一元的という意味は、最後の16ページにKfW Capitalの運用実態というものを記載してございますけども、従前いろいろ分かれていたものを、このようにハイテク起業基金についても、VCのベンチャーの共同投資についても、ERPのベンチャーキャピタルについてもこのKfWが全部いわばこれを統括して見ているというような、再編というか一元的な管理というものをドイツでも非常に進めているというのが概要でございます。

これを踏まえまして、私の全般論でありますけれども、ヨーロッパ全体で見ると金融危機後かなり民間投資が落ち込んで、それをいかに喚起するかということについて公的な金融機関やファンドが呼び水機能というものを期待され、かつかなりその機能を果たしてきているということが言えるわけであります。

欧州の場合には、例えば米国と比べた場合にVCやPEの数や規模が十分ではないという認識は当局あるいは各金融機関にもありまして、いわば政府による一層の投資喚起というものが求められているという状況にございます。

このような明確な目標を持って欧州委員会でも、フランス政府でも、ドイツ政府でも、先ほどざっくり申し上げたような官民ファンド的なもの、公的投資機関というものを作り、特に将来の成長のための重要な分野というものに重点的な投資を行っているところであります。投資に関していいますと、ピュアなエクイティもありますけれども、彼らはQuasi-Equityという言い方をしていますが、我々の言うメザニンファイナンスというものがかなり発展し、活用されてきているということであります。

結局政府の取り組む分野というのはいわば先取り的に喚起するところ、民間がそれだけでは長期ハイリスクということで手が出ないところにまず政府が出ていって、民間の資金需要を喚起して民間につなげていくというコンセプトでありまして、例えばフランスのBpifranceの場合は全面的に事業を展開する前の段階のプロジェクトに投資していくというようなことであります。ドイツもハイテク起業基金等を含め同じでございまして、このようないわばプレからアーリー、シードのあたりに政府の関わりが非常に強いということであります。

次に、もう一つは一元的な投資と先ほど申しましたけれども、もともとEUでもドイツでもフランスでも政策金融機関がいろいろ重複的にというか、重畳的にというか、関わっていたものを、政策金融機関のもとに投資子会社を作って、そこにこれらを一元的に集約すると、そしてポートフォリオ管理はそこにおいて行うという一元化というものが行われているわけであります。これはドイツのKfWでもそうでありますし、フランスのBpifranceでも同じようなことがあります。

ただ、ドイツのKfW、フランスのBpifranceはそれぞれ大陸ヨーロッパを代表する政策金融機関であり、投資機関でありますが、ちょっと違いがございます。それは何かと申しますと、KfWの場合には基本的に投資対象が、KfW Capitalそのものはまだそんなに大きくないので直接投資はあまりやっておりません。LP出資による間接投資というものが中心になっている、ファンド・オブ・ファンズ形態の関わりが多いと。対しましてフランスのBpifranceはかなり規模も大きく、歴史も長いわけでありまして、ここの場合には間接投資もやっておりますけれども直接投資にかなり熱心であると。とりわけBpifranceは全国の各支店に、確か50カ所ぐらいだったと思うのですが数名ずつの投資の専門スタッフを置いていて、地方においてはかなり直接投資を行っていると。間接投資の比較的大きいものはパリの本部においてやっていると、このような特徴がございます。

ガバナンスについては、EU絡み、あるいはドイツのKfWの場合は二重というか三重というか、一番上にいわば運営委員会とか幹事会と呼ばれる機構があって、ここには実は政治家とか公務員が、いわゆる高級官僚がついているということがあるんですが、オペレーションについてはタッチせず、まさにルール上どうかとか、予算がどうかとか、そういういわば上部のところを見ておりまして、その下にある投資委員会が個別の投資等についてのガバナンスあるいは投資判断を効かせているというところであります。

あともう一つ、ファンドマネジャーの報酬という点について我々も大きく関心を持って参りました。ここは、まず一般論でいくといずれもパフォーマンスに応じたボーナスを付与するというのが主体でございます。とりわけフランスのBpifranceの場合にはマックス年俸の50%をキャップとするボーナスにより対応していて、キャリードインタレストは採用していないと明言しておりました。ほかのところ、例えばドイツとかEUの場合は、ここは必ずしもキャリーを採用しているか、採用していないかは明確には言っていませんでしたがボーナスという言い方で、かつかなりジェネラスなものだという理解であります。特にフランスの場合は担当者がはっきり言っておりまして、キャリーはとっていない。その理由は、Bpifranceの場合は基本若手の修業の場で、若手が実績を上げていくところだと割り切っていて、成功してトラックレコードを積んだ若手はそれをいわば勲章にして民間のファンドに高額で雇われる。それから何年かしてある程度またより大きなプロジェクトに関わりたい、公的なものに関わりたいという方々がまた戻ってきてマネジャーをやってと、このようなエコシステムがかなり働いてきていると、このようなことでありました。

あとフランスの場合にはStation Fという民間が100%、日本円で約300億円ぐらい投じて作ったベンチャーインキュベーションがあるのですが、ここは100%民営とはいえ、隣に経済財政省があって、我々を案内してくれて詳細な説明をしてくれたのは経済財政省の有能な官僚であるという、フランスらしいなということを感じたところであります。

以上をまとめて私の印象を4点だけ、ポイントだけ申し上げますと、どこでも成長産業を出すためにはエコシステムが不可欠である。官と民によってこういう成長のエコシステムを作り上げる、これをもう呪文のマントラのようにどこでも言われていました。

2番目は官民の間の軋轢はない、それは1つには先ほど申し上げました、官が出てくるところは将来的に高付加価値を生むが、現在はまだ民が出られず、民間投資の呼び水になる分野ということに徹していることに加えて、民間とパリパスをしっかり保っているので条件的に変わらないんだということによって軋轢はないと。

それからもう一つは、個別機関が並立していたものを、先ほど申し上げたように一元管理に移してきているということ。

そして最後にファンドマネジャーの報酬についても基本的には固定給プラスボーナスの体系を採用していくと、このようなところがまとめたことになるかと思います。

詳しくは参考資料等を御覧ください。非常に駆け足で参りましたけど以上でございます。ありがとうございました。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

本日は特に今の御報告を巡って討議の時間というのは確保しておりませんが、ただ、今の時点でどうしても確認しておきたいということがありましたら御質問いただいて結構ですが、いかがでしょうか。特によろしいでしょうか。

それでは、引き続きまして、議事次第にございます5番目です。官民ファンドの投資計画の報告ということに入らせていただきたいと思います。

(CJ、A−FIVE、JOIN、JICT着席)

〔池尾分科会長〕今、関係省庁の担当部局の方々が入室されておりますが、昨年12月に経済財政諮問会議で決定されました新経済財政再生計画改革工程表2018におきまして、累積損失が発生している官民ファンドについては、累積損失解消のための数値目標・計画を策定し、本年4月までに公表するということが改革工程表で定められております。本日はその内容について御説明いただくということになります。

それでは、入室が完了されましたようですので順次報告をいただきたいと思いますが、まことに時間が限られておりますので1機関5分ということでよろしくお願いしたいと思います。それでは、官民ファンドの投資計画の報告につきまして、まずクールジャパン機構から資料に沿って御説明をお願いいたします。

〔経済産業省島田商務・サービス審議官〕本日はお時間をいただきましてありがとうございます。経済産業省の審議官の島田でございます。今回はクールジャパン機構の改革工程表2018を踏まえた投資計画の御報告をさせていただきます。

クールジャパン機構、御覧のとおり2013年11月に設立以来、日本の魅力ある商品、サービスの海外需要開拓に関連する支援促進を目的として行っております。これまでに累計32件、約670億円の支援決定を行っているところでございまして、500億円の出資実績があるという状況でございます。今回の計画では機構の解散・清算時における累積損失が産業投資の資本コストを上回るように一定の前提のもとに試算を行って、今後10年間で平均して年間181億円の投資を行うこととしてございます。その結果、2030年度には累積損失が解消する見込みという計画になってございます。この投資水準は過去に単年で216億円の投資実績が現にあったということと、直近3年間の投資額が増加傾向であり、かつ現在機構が検討してございます投資案件、そのパイプラインを勘案いたしましても十分に実現は可能ではないかと、そういった水準ではないかと見ているところでございます。

経済産業省では今後適切なフォローアップを実施しつつ、クールジャパン機構が政策意義の実現と、一方で収益性といった2つについての両立にしっかり取り組んでまいりたいということを考えているところでございます。

以上です。

〔海外需要開拓支援機構加藤専務取締役〕クールジャパン機構より、現時点での活動状況について簡単に御報告申し上げます。

クールジャパン機構は、島田審議官よりお話がありましたように日本の魅力ある製品、サービスの海外需要がミッションであるわけですが、この海外BtoCの分野で余力を持って世界に勝てる商材はかなり限定的です。食の分野、アニメ、教育コンテンツ、独自の観光資源等は引き続き強みを持ち、大いに海外需要の潜在力を発揮できると考えております。しかしながら、日々国内外でさまざまなアイデアを見聞きしている立場から申し上げますと、勝てる分野が減ってきているという感覚を持っております。例えばクールジャパンの代表選手であるアニメ、世界に冠たるものではありますが、業界の方々にお話をお聞きすると、日本企業がビジネスの主導権を維持できるのはあと3年でしょうとおっしゃったりします。スケールが桁違いの米国大資本、中国の国家、韓国の海外志向の強いBtoC企業など強力な競合に囲まれ、日本は劣勢に立たされ始めてからかなり時間がたっております。このような環境下で無理に勝とうとするのではなく、戦略的意義が高く、世界で果たせる役割が見つけられるような分野を独自のアングルで支援できるよう、民間のイノベーティブなアイデアを取り込みつつ、全社員が工夫しながら日々努力しております。当機構は政策性の高いハードルを乗り越え、収益性も確保しつつ、よりインパクトのある案件を規律を持って実行及び管理できますよう適切な体制整備に取り組んできております。当然の帰結としまして案件実行は非常にセレクティブにならざるを得ず、例えば現経営陣が就任してからは260件の検討案件から投資委員会での厳しい議論を経て昨年度3件、本年度3件の支援決定をしております。また現時点での案件パイプラインは数百億円であり、この中から慎重に案件を検討してまいります。

このように政策目的実現、収益性確保ともに容易ではない状況ではございますが、中期的にお示しした計画を着実に実行できますよう経営、実行ともに最大限の努力をして参りますので、引き続き御支援、御指導をお願い申し上げます。

私からは以上でございます。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

それでは、引き続きA−FIVEの方からお願いいたします。

〔農林水産省倉重食料産業局審議官〕農林水産省の審議官の倉重と申します。よろしくお願いいたします。

A−FIVEでございますけれども、今回の資料でございますが、累積損失解消のための数値目標・計画を策定し、公表ということを踏まえて計画を立てたものでございますけれども、今回は機会費用も含めてそれをカバーするようにということを加味した計画ということで、2032年までに終わることになっておりますが、その時期に約80億円ぐらいのプラスになる計画を立てる必要があるということで、総投資額が780億円で、それを各年に実用も踏まえながら割り振っているということになります。

フォローアップでございますけれども、資料の下にございますが年央で30%に当たる実行の達成ということにしておりますが、これにつきましては投資が本格化いたしました26年度から30年度の9月末までの支出の累計について、同期間内の実出資総額で除したものが約3割になるということで30%というものを立てております。この計画を達成していかなければいけないわけでございますけれども、当然のことながら収益の確保に向けまして今後出資の拡大を一層進めつつ、内部管理経費を中心に運営経費の削減を図ることとしております。

出資の拡大につきましては、これまでのA−FIVEの出資の決定額は約132億円となっておりますが、このうち約122億円、9割ぐらいになりますけれども、農林漁業が関わる6次産業化支援に係る出資になっておりまして、この6次産業化が今後も出資の中心であるということは変わりはないと思っております。6次産業化の支援というのは、今申し上げましたとおり農林漁業者が起点でございますので、地域のサブファンドが中心となってこれを発掘し、支援していくというものでございましたので、件数につきましては140件とかなり多くなっておりますが、1件当たりの出資規模が構造的に小規模にとどまっているという面がございました。

しかしながら、平成29年5月から、例えば農林漁業を行う法人に直接的に出資を行うことを可能にしたことによって、例えば大規模な畜産業者とか漁業者が取り組む場合というのが出てきた、もしくはほかの産業から農林漁業に参入ということもございますので、今後こういうものが本格化していくものと見込まれております。また、新たな業務で食品産業との事業再編や流通の合理化ということについてもだんだんスキームが浸透してきているということでございますので、今後の本格的な活用というのが期待できるということ、それをサポートする動きといたしまして、地銀と連携して出資拡大の取組みを進めるということもしております。

また、内部管理経費の削減につきましても、平成29年度から31年度の認可予算ベースでございますけれども1.5億円の削減ということに取り組んでおりまして、引き続き取り組んでいきたいと思っております。これらを総合的に講じていくことにより、投資計画の達成を図って参りたいと考えております。

以上です。

〔池尾分科会長〕それでは、次にJOINの方からお願いいたします。

〔国土交通省岡西国際統括官〕国土交通省の国際統括官の岡西と申します。

JOINにおきましては、2014年の設立以降、19件、500億円の実投資を行って参りました。最近、大変認知度も上がって参りまして、企業からの相談件数も日増しに増えているという状況でございます。今回は設立後20年で累積損失を解消し、さらに産投出資に係る機会費用分の利益を確保するため最低限どれだけの投資が必要なのかということを計算いたしました。その結果、毎年140億円程度の出資を維持することで2031年に累積損失が解消し、2034年に機会費用分の相当額の利益を確保することができる見込みと考えております。

直近2年間の平均投資額は約200億円、成立当初はやはりなかなか件数が増えませんでしたが、この2年は平均200億円、さらに今後の投資見込みも300億円を想定しておりまして、それを勘案しますと140億円の投資は十分に達成可能な水準であると考えておりまして、20年での累積損失の解消及び機会費用相当利益の確保の確実性は高いと考えております。

なお、JOINは交通都市開発事業というものに投資しておりますので、その特性上、20年、30年以上の長期にわたって事業参画を求められております。したがって他の官民ファンドと異なり、解散期限は設けられていないということを申し添えたいと思います。

国土交通省としては、投資の進捗及び累積損失等の状況について適切なフォローアップを実施しつつ、今後成長が見込まれる海外の交通・都市開発市場における我が国企業の参入を促進することにより、我が国経済の持続的な成長に寄与して参りたいと考えております。

〔海外交通・都市開発事業支援機構稲川常務取締役〕JOINの稲川でございます。私からは、本計画におけるフォローアップについて簡単に御説明させていただきます。

資料の後段を御覧いただけますでしょうか。本計画におけるフォローアップの考え方として、2019年度央については、2019年9月末時点において年度投資計画額の約40%、89億円の投資実行の達成、もしくは事業の投資計画や全体の資金計画を総合的に勘案し、2019年度の投資計画額の達成が見込まれる状況にあることとしております。案件の投資計画や、関係手続の状況によっては年度央、中間地点での実投資額のみでは計画の進捗を判断することが難しいため、年間の投資計画達成の蓋然性を総合的に判断することが必要であると考えております。

また、2019年度末に関しましては年度投資計画額以上の投資実行の達成を目指すことにしております。これを我々の最低限の投資計画ということで念頭に置きつつ、案件の組成に取り組んで参りたいと思います。

私からは以上でございます。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

それでは、最後にJICTの方からお願いします。

〔総務省宮本国際戦略局次長〕総務省でございます。JICTの投資計画につきまして御説明申し上げます。

今回の計画でございますが、法律上のJICTの設置期限でありますところの2035年度に累積損失を解消するための最低限達成すべき計画という位置付けということでございますので、これまでの実績を踏まえつつ、毎年度の投資金額や各投資案件の内部収益率を保守的に見積もった上で試算を行っております。左のグラフにございますように既に326億円の投資決定をしておりますが、今回の計画では縦の棒グラフですが、単年度で約40億円ないし50億円の投資を見積もっておりまして、右の表にありますように総投資額は734億円。ただ投資から資金回収まで一定の期間を要することもありますし、2024年度までは収益よりも費用が先行して、この折れ線グラフのように累損の拡大が続くと見込んでおります。

しかしながら、投資した案件のエグジットが始まる2024年度、ここから累損の減少が始まりまして、2031年度に累損解消を予想しております。また、法に基づく設置期限2035年度、すなわち2036年3月末までに、右の表にございますように一定の収益55億円を確保することが可能と見込んでおります。

総務省といたしましては、JICTの投資計画の進捗をフォローアップするとともに、JICTに対しましてはさまざまな案件の情報提供でございますとか、また海外機関との関係構築に対する支援、さらには政府機関との進捗等を行うことによりまして投資実績が着実に積み上げられるように支援して参りたいと考えております。

以上でございます。

〔海外通信・放送・郵便事業支援機構大道常務取締役〕それでは、JICTから引き続き御報告させていただきます。

計画につきましては、今総務省から御説明いただいたとおりでございまして、社内では年度展開していると四、五十億円ということで非常に低い数字ということなので、これは最低ラインの計画ということでボトム計画と呼んで、これを1つのメルクマールとしていこうということで考えております。

数字としましては先ほどもありましたが総投資額が734億円ということで、昨年秋に当分科会で御報告いたしました額の半分のレベルということで、そこを最低ラインにしようかということで試算しておりまして、機会費用約50億円弱ですけども、それに対してそれより若干上回る形の55億円を最終的な累積損益ということで試算しております。

フォローアップについてでございますが、御案内のとおりエクイティ投資は当然関係者と複雑な調整あるいは交渉を要するものでありますし、あと当機構の場合はあくまで日本企業の皆様のICTインフラ分野での投資を支援させていただくという立場ですので、なかなか当方の思ったとおりに年度単位で計画的に投資を実行していくというのが難しいなというのがこの3年半近くやってきた実感ではございます。そのため、この計画についてはあくまで機構終了時までに必要な最低限の投資額の進捗の目安として年度ごとに展開したものとなっております。そういう前提の数値ではございますが、やはり足元、累損も出しておりますし、常日ごろからファンド全体として収支のあり方を常に意識して、必要に応じて手遅れにならないタイミングで改善に努めていくということは非常に重要だという認識でございますので、そのためのメルクマールとしてこの計画を見ていきたいと思っております。

それで今年度の真ん中のフォローアップとしては、ボトムの投資計画額の15%の投資実行、あるいは案件検討の状況等を総合的に勘案し、年度内での計画額の達成が見込まれる状況にあることというのをメルクマールとしております。15%というのが真ん中辺でこのぐらいかというのはあるのですが、これまでの私どもの投資実績は、わりと下半期に集中している傾向にありますので、その傾向を踏まえてこの数値をあえて挙げているものであります。

最後に今後の対応方針ということでございますが、今回の計画値は文字どおり収支改善に向けての最低ラインの数字ということで、当然私どもとしてはそれを上回る投資実行と投資回収が可能になるように案件組成、バリューアップ、さらには効果的なイグジットに努めて参る所存でおります。足元では、特にこの2月末にデンマークの電子政府関連事業に関わる支援決定、当機構としては190億円程度の出資をさせていただいたこともありまして、その結果、この資料のグラフも昨年度は200億円を超えるような投資額ということになっておりますが、これを契機にこれまで以上に日本企業の皆様からICT関連の御相談を受けつつある状況でありますので、この機会を生かして元々懸案となっております投資案件、投資実績の積上げを図っていきたいと考えております。

最後になりますが、これも既に御指摘いただいているところですが総務省の皆様にも大変な御協力をいただいて、特にICTに関わる専門性あるいはコネクションを有する海外機関等との関係強化を図っていっている最中でありまして、海外でのICT関連の投資ニーズの発掘、あるいは規制等に関する情報収集を進め、日本企業の皆様のICT分野の海外展開の支援を強化していくという考えでおります。

以上でございます。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

それでは、ただいまの御説明を踏まえて委員の皆様から御意見、御質問をいただきたいのですが、今の御説明の中にもありましたが、本日御報告いただいた投資計画については、本年度の半ば、それから来年にチェックが入って、本当に達成しているかどうかをそこでフォローアップして、結果が出ていなければそこでまた議論するということになっておりますので、あまり今の段階でこの計画が信用できるか、できないか、という議論は水掛け論にしかならないところがあるので、そういう議論は避けていただいて、それ以外で御意見、御質問があればお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。発言希望の方は札を立てておいていただけますか。では、土居委員から。

〔土居委員〕御説明ありがとうございました。JOINの方に質問なのですが、実は昨年11月9日のこの分科会で鉄道・運輸機構の出資に関しての議論があって、残念ながら少し議論する時間がなかったので意見を言って終わったという感じに私自身としてはなっているのですが、鉄道・運輸機構が新たな勘定で出資ができるようにするという話になっていて、それでこの今の御説明いただいた投資計画があって、引き合いがあるという話をされたのですが、鉄道・運輸機構もまた出資ができるようになっていて、さらには、今日は対象になっていませんがJBICも出資しているというような状況の中で、この投資計画というのはどこまで他機関の同様の分野に対する投資、出資を考慮して計画を立てられたのかというのをお聞かせいただきたいと思います。

〔国土交通省岡西国際統括官〕今回出させていただいた計画は、最低限の累損を解消して、機会費用分の利益を出すようにという御指示があって出したものでございます。そういう意味では鉄道案件、いわゆるJRTT、鉄道・運輸機構が出せるのは高速鉄道に係る施工管理を中心とした部分に相当する部分を出すということですので、そこの部分の技術的な知見がございますので、その部分を含めて投資と技術供与みたいなことをセットで出すということで、JOINについてはそれを含めた全部と、交通と都市開発全体をやるということで、JBICにつきましては基本的に融資を我々の分野については想定しているということを今の段階では考えていると。ちょっとお答えになっていないかもしれませんが、そういうことを考えております。

〔池尾分科会長〕では、冨田委員、お願いします。

〔冨田委員〕ありがとうございます。JOINとJICTにつきましては、これまでの投資計画より随分思い切って引き下げられています。投資計画ができてから極めて短期間ですけれども大幅に投資計画を半減したり、ある意味3分の1ぐらいかもしれませんし、あるいはもっと言えばこれまで数年間の当審議会に対していろいろな出資の要求なんかから見るともっと大幅に減っていると思うのですが、根本的に何か非連続な判断があったのかどうかということを端的にお伺いしたい。

それから最初にお話があったクールジャパンとA−FIVEにつきましては、これまでの計画よりは下げているのですけれども、実績から見るとやはり実績の倍以上の計画を立てられているように思うんです。分科会長が言われたようにこれからチェックが入るので詳しくはお聞きいたしませんが、その辺りは結構大きな変化だと思うので御説明いただきたいということでございます。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。

それでは、JOINの方からお願いします。

〔国土交通省岡西国際統括官〕ここにお示しさせていただきましたのは、先ほど申し上げましたとおり累損を解消するためにいくら必要かという最低限の投資額を算出するということで出しておりまして、JOINの会社としての計画としてはおよそ300億円を目指して計画しているということで、それについては変更はございません。今回はあくまでも最低限、ボトムとしていくらぐらいの投資が必要なのかということでお出しさせていただいたということでございます。

〔池尾分科会長〕はい。

〔冨田委員〕そうすると今までお示しいただいてきたものとは定義が違うということでよろしいですか。

〔国土交通省岡西国際統括官〕はい、我々はそのように理解してございます。

〔冨田委員〕違うものを持ってきたということですか。

〔池尾分科会長〕違うものというか、計画の最低ラインを示したという計画です。JICTの方お願いします。

〔海外通信・放送・郵便事業支援機構大道常務取締役〕JICTもJOINの方と同じなのですが、これまでの年間投資額の平均値は、大体80億円から100億円ぐらいになっているのですが、かなり年度ごとのばらつきがあるというのは、M&A案件の大きいものがあったからというのもあります。そういうことでなかなか年度単位で投資計画を立てるのが難しいという中なんですが、結論で申し上げると基本的には今回の計画自体は収支をとにかくとるための最低ラインの投資額というものをセットしたものでございまして、私どもも年度単位で申し上げれば財投計画額の300億円ぐらいは目指していきたいという考えで、そこは変わってはございません。

〔経済産業省島田商務・サービス審議官〕クールジャパン関係も同様でございまして、最低限これぐらいは投資をしていかなければ後で投資がうまくいってなかったという評価になるという、そういうボトムラインということで今回お示ししているという理解でございます。当然これをさらに上回るような投資をしていくという計画は考えてございます。

〔池尾分科会長〕A−FIVEの方も基本的に同じだと思うんですが。

〔農林水産省倉重食料産業局審議官〕先ほど申し上げたとおり、今回は累積損失を解消と機会費用も含めて解消するための数値目標・計画を策定して、それをフォローするという明確な御指示がありましたので、それに基づく計画を立てると、そのためにはこのような投資をしていかなければいけないということになります。一方で、これはもう繰り返しませんけれども、冒頭で申し上げましたとおり農林漁業を中心にやっていたところから徐々に浸透しているというところもございますし、2次、3次の流通等について新たな面も出てきておりますので、そういうことを踏まえてこの計画を立てさせていただいたということでございます。

〔池尾分科会長〕ただ、ボトム、最低ラインが実績よりも上回っているというのはなかなかきついという話は感じますが。

野村委員、お願いします。

〔野村委員〕クールジャパン機構の方にお伺いしたいと思います。先ほどの説明では勝てる分野が減ってきて、アニメといった強い分野も勝てるのはあと3年ぐらいだという、そんな声も聞かれるということです。ただ投資計画を拝見しますと2023年度に累損拡大が止まり解消に向かっていく、プラスに転じていくという見込みを立てています。その御説明と見込みと少し乖離があるように感じますが、そのあたり、この数値目標の根拠を教えていただければと思います。

〔池尾分科会長〕お願いします。

〔海外需要開拓支援機構加藤専務取締役〕クールジャパンでございます。ありがとうございます。

御質問の趣旨なんですけど、まずこの金額レベルなのですが、日本がクールジャパンの分野で苦戦しているということと、それから支援をしていかないといけない対象がどれぐらいあるかというところとこれは連関していまして、我々が政策目的のために投資をしなければいけないと思うような分野は比較的たくさん見られると、支援要請も非常に多いということで、パイプラインも積み上がってきているという状況でございます。

2点目として、ここの収益がこれから先どんどん下がっていくんではないかということなのですが、これは通常の投資案件積上げによるJカーブの効果により短期的には一時下がるということになると思います。

以上です。

〔池尾分科会長〕ほかに追加で御意見、御質問はいかがでしょうか。では、翁委員、お願いします。

〔翁委員〕今御議論ありましたようにクールジャパン機構及びA−FIVEにつきましては、今までの実績と比べると今後の計画の数値が比較的高めになっているという印象を受けますので、これは質問と申しますよりコメントなのですが、こういった数値計画をとっておられますが、それにあまりとらわれ過ぎて審査とかそういったところが十分にならないような形で行うというようなことがないように、しっかりと無理な投資につながらないような形で実績を作っていっていただきたいなと思います。

また、こういう状況でございますので、先ほど池尾先生がおっしゃったようにフォローアップをしていくというのが非常に重要だと思っておりますので、また適宜状況を見ながらもっとコストを削減するとか、何ができるのかということを検討していくことが大事ではないかなと感じました。

以上でございます。

〔池尾分科会長〕今、翁委員がおっしゃったことは本当に同感で、半年に1回チェックを入れる必要はあるのですが、だからといってチェックに間に合うように実績作りみたいな形で内容がゆがんでしまうと、これは本末転倒になりますので、そういうことのないようにしていただきたいというのは要望としてお願いしたいと思います。

では、川村委員。

〔川村委員〕翁委員や分科会長と同趣旨でありまして、これは、要は作った数字なわけです。これ自体は1つのメルクマールとしては非常に重要な指標ではあります。これがひとり歩きしてノルマ化することによって中が腐ってしまうということは絶対避けていただきたいので、ここの定性的な部分は変にアクセルばかり踏むのではなくて、ブレーキも時々踏まないといけないということは各ファンドにおかれて十分御留意いただきたい。そしてもう一つは、やはりストーリーの展開については世の中に対して特に誤解を呼ばないようにというのは、先ほど野村委員もおっしゃったように、私もクールジャパンの話を聞いていて、そんな苦戦して3年で終わってしまうのでは、もう支援は3年で終わりなのかと、そういう意味に普通の世の中の人はとるわけです。A−FIVEにしても、経営が苦しい地銀とコラボして数ができていても、実績は本当に上がるんですか、というところは自然に疑問として出てきます。JOINの場合は非常に読みにくい世界だと思うのですが、ここも先ほどのほかの各機関とのデマケーションがある、だったら全部1つにして統合したほうがいいのではないですかという議論も出てくるわけです。JICTに関しては一言で言うとクールジャパンとくっつけたほうが早いのではないかという議論もあり得るような内容になっていると思うのです。

それぞれ各ファンドがレゾンデートルを持ってやっておられるんですから、そこのところが世の中に対する説明責任としてきっちり通じるようなものにぜひしていただきたいと思います。

〔池尾分科会長〕いかがでしょうか。では、家森委員。

〔家森委員〕私は初めての参加でして、JICTとかそういった略称が飛び交っているのですが、多分これだなと思いながら聞いております。今回作られた計画のうち、投資額のほうは議論が出ているのですが、もう一つの累積額の方、図で言えばこのシェイプですが、これにもコミットメントされているということになるのでしょうか。要はIRRが4.9などと書かれていますが、これもこのコミットメントの中に入っているのかどうかというのを教えていただきたいというのが1つです。それからA−FIVEの場合には、既に別の委員から指摘が出ているように、これまでの金額と比べて一気に増える計画ですが、従来と今回で何を変えようとされているのでしょうか。かなり質的に変化しないと無理な数字だと思うのですが、この計画の背景には、例えばパイプラインが新たな連携で大幅に増えているんだとかというお話が、この段階ではどの程度具体的になっているのかという点を教えていただければと思います。

以上です。

〔池尾分科会長〕すみません、収益カーブの話は代表してクールジャパンの方、経済産業省の方から御説明いただけないですか。

〔経済産業省島田商務・サービス審議官〕今回のこの資料は、産業投資の資本コストを上回るためにはこれぐらいはやらないといけないということで作らせていただいたデータでございますので、目安には当然なろうかと思ってございます。これを下回ると産業投資のコストを賄えないといった御批判が出てくるということで、我々も当然これをさらに上回るようなことで努力はしていくものだと考えてございます。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。

じゃあ、農林水産省の方、お願いします。

〔農林水産省倉重食料産業局審議官〕A−FIVEの件でございますけれども、確かにドンと跳ね上がっておりますが、この1年で質的に何か革命的なことをするという意味ではございませんので、先ほども申し上げましたけれども、そもそもあまりこの投資というのがそんなに行われていない世界でこのA−FIVEというのを作りまして、いろいろ今浸透しかけているということと、あと昨年になりますけれども流通業のICTを使った合理化とか、必ずしも農林漁業に関わらない流通部門等についても投資の対象にするということをしておりますので、急にというよりは、そういう行ってきた努力というものをもとにこれを達成したいということでございます。

以上です。

〔池尾分科会長〕橋本課長、お願いします。

〔橋本財政投融資総括課長〕家森委員の最初の御質問ですけれども、これは累損解消のための計画ということでありまして、損益は投資額に対しての収益率から出て参りますので、両方をあわせた形での計画ということになります。

〔池尾分科会長〕高田委員、お願いします。

〔高田委員〕私も今回初めて参加させていただきまして、今回初めてこの辺の話をお伺いしましたのであまり細かいことが分かっているわけではないのですが、ただ今回のこうした計画、我々も銀行なんかでこういう審査の関係でよく拝見していたのですが、確かに再建計画を作るということはとても重要でございますし、またそれをモニタリングしていくということも重要なので、これからそういう面では我々もこういうところを見させていただくということになります。ただ一方で、これだけさまざまな分野につきまして、1つの成長戦略でありますとか戦略分野ということで御計画されているということでもありますので、数字のところはひとり歩きというようなことにならないようにということと、やはり元々の本来の趣旨というんでしょうか、あるべき姿といったところの計画も同時にかなりメッセージ性として国民に伝わるような形でお話をいただくということが重要なのではないかと思っております。したがって、あまり重箱の隅をつつくようなことになるよりは、ある程度どういう趣旨なんだと、どういう目的があるんだといったような点をより分かりやすく国民に示されるように、そんな点を御努力いただけるようにすると国全体としても非常にいい形になるのではないかなと思いますので、そんな点での今後の答えをよろしくお願いできればと思う次第でございます。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。

はい、工藤委員、お願いします。

〔工藤委員〕今日初めて参加させていただきまして、ありがとうございます。

官民ファンドにつきましては、どのファンドでもそうですが、単に株に投資するのではなく、実際に事業を行うわけですから、投資効果が出るまでの間、累損が重なってしまうところは仕方がないところもございます。今日も既に何人かの委員の方から御意見が出ておりましたけれども、官民ファンドは数字ももちろん大事だと思いますが、政策意義も考慮する必要がございます。具体的に、官民ファンドの意義は、なかなか民間だけでは出られないところに官が出て、お金だけではなく、人材供給の面でも大きく民間の力を巻き込み、エコシステムを形成していくということにあると思います。よって、モニタリングにおいては、単に期限だけにとらわれることなく、実際に意味のある案件がどれだけできているのかということをしっかり見ていくべきだと考えております。

以上です。

〔池尾分科会長〕今の点は後で議論します産業投資の管理の話とも絡みます。

それでは、最後に林田委員、どうぞ。

〔林田委員〕ありがとうございます。では、手短に。

この計画は、もともと累損を解消するためにこれだけ投資が必要だというものだというのは理解しました。フォローアップをしていってさらに改善目標・計画を策定・公表すると。これがまた次に改善目標・計画を策定するときに、それまでうまくいかなかったからさらに過大な投資をやっていくという絵姿を描いているのではきりがないと思いますので、そこは実質的にいつからやるのかという辺りをしっかりと腰を定めて議論したほうがいいのかなというのを一言指摘したいと思います。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。その点も次に議論する産業投資の管理運営に係ると思いますので、まだまだ議論すべきことが残っているとは思うのですが、本日の会議は時間が限られておりますので、この辺りで審議を終了したいと思います。もし追加の御質問等がありましたら事務局を通じてお願いいたします。

それでは、ここで各官民ファンド及び関係省庁の担当者、担当部局の皆様は御退席をお願いします。どうもありがとうございました。

(CJ、A−FIVE、JOIN、JICT退席)

〔池尾分科会長〕それでは、今御意見が出されていた論点にも関連する形になりますので、次に産業投資の管理運営について審議したいと思いますが、まずは山本企画官から御説明をお願いします。

〔山本財政投融資企画官〕企画官の山本です。よろしくお願いします。私からは資料5の産業投資の管理運営について2(論点整理)について御説明いたします。

3ページの今後のスケジュールを御覧ください。今後、6月まで月1回のペースでこのテーマについて御議論をお願いする予定になっております。

1枚お進みいただきまして4ページ、主な課題・検討項目を御覧ください。前回、3月の分科会では(1)と(2)について取り上げており、今回の資料では赤枠部分を取り上げております。

2枚お進みいただきまして6ページ、産業投資の「成功」に係る基本的考え方についてです。産業投資は、御案内のとおり政策性と収益性の2つの要請がありますので、それぞれの観点から成功の意義を検討することになります。

1枚お進みいただきまして7ページ、産業投資のガバナンスに係る基本的考え方(政策性)です。産業投資全体の政策性、それから機関の個別の政策性があります。ガバナンスの基本的考え方としては、各機関は設置根拠法、投資基準等に基づき個別投資案件の政策性を判断し、産業投資は機関との間の取決め等を通じて適切に管理運営するというものになります。

1枚お進みいただき8ページ、産業投資のガバナンスに係る基本的考え方(収益性)でございます。これも産投全体の収益性と各機関の個別の収益性の2つがあります。ガバナンスの基本的考え方としては、機関における個別の案件あるいは機関全体の収益性については、各機関が投資基準等に基づき判断し、産業投資は、機関との取決め等を通じて適切に運営管理する。また、収益性に課題が生じた場合については、それとは別に予め対応を検討することが必要であるというものでございます。

1枚お進みいただきまして9ページ、産業投資全体の収益性についてです。御覧のページはファンドにおける一般的な投資全体の収益管理の内容でございます。収益性とその振れ幅が資産により異なるということがございますので、それを踏まえて資産別投資割合といったものを定めて管理しているのが一般的です。ただ産業投資につきましては収益性だけではなくて政策性も必要でございますので、このような資産別投資割合のみによる管理は難しいというところに留意が必要でございます。

1枚お進みいただきまして10ページでございます。ただ、産業投資についても収益性と振れ幅に着目した資産の分類は可能でございまして、記載のように収益性とその振れ幅が異なる4つ程度の資産により産業投資は現在構成されているところでございます。

1枚お進みいただきまして11ページです。産業投資全体の収益性についてのまとめでございますが、以上を踏まえますと産業投資全体の管理において、資産別投資割合のみによる管理というものは困難でございますが、収益性とその振れ幅を定量的に把握して産業投資全体の管理を行うことは重要だと考えます。具体的にどのような手法が可能かという点も含めまして資産の状況等を定期的に把握しつつ、管理運営を行うことが考えられるのではないかというものでございます。

2枚お進みいただきまして13ページ、産業投資のガバナンスに係る状況でございます。下のほうでございますが、民間ファンドの場合、ファンドの組成・投資計画段階で出資者とファンドの間でエグジットや損益分配の方針等は取り決められております。一方で産投ですが、産業投資と機関との間の状況を見ますと、計画、投資実行、出資回収などの各段階で主務省・産業投資が関与しているという状況にございます。

1枚お進みいただきまして14ページ、出資条件についてでございます。産業投資の場合は、出資時に調査義務の受任をお約束いただく程度でございますが、民間ファンドの例を見てみますと出資段階で予めエグジットや利益分配の方針などを取り決めております。このような民間ファンドの例も参考に産業投資が機関に出資する段階で予め必要な条件を明確化するということが考えられます。なおその際、留意点として政策性の確保、主務省による監督等の民間ファンドと異なる点があることには留意が必要であると考えます。

1枚お進みいただきまして、15ページ、出資条件について(参考)でございます。今年度からの取組となるDBJによるファンドを活用した投資業務について、産業投資とDBJの間でその出資に際しての条件を予め取り決めることとしており、下に記載の内容はその概要ということでございます。

1枚お進みいただきまして16ページでございます。政策性に係るガバナンスのあり方(基本的な要請等)でございます。ここではガバナンスを考えるに当たっての要請・留意点を3つ程まとめてございます。1つ目ですが、産投の役割や機関の個別の政策目的に合致した業務が機関で行われることが確保されることが必要ということ。2つ目としては、一方では機関による判断の機動性、裁量的自由度の確保、これも必要であるということ。3つ目といたしまして、投資基準等は機関の設立時に策定されている場合が多いのですが、その具体性は機関によって様々であり、また、設定後に情勢の変化、政策面での重点の変化ということがある。以上3点について留意が必要と思われます。

1枚お進みいただき17ページ、ガバナンスの方策です。以上の点を踏まえまして考えますと、ガバナンスの方策として、まず適切な枠組みの設計といたしまして、産業投資の役割を踏まえ、投資基準等の枠組みの設計に適切に対応し、投資基準等によって規定されていない事項につきましては、産投から機関に出資するときの出資条件という形で対応するということが考えられます。また、情勢変化等を踏まえて投資基準等の機動的な見直しというものも求められるかと思います。

さらに実行面での対応ということでフォローアップでございます。枠組みの内容が実際に実行されているかという点で、まず個別の案件については、機関による運営・判断、これを主務省が監督するということになりますが、産業投資におきましても、機関・主務省による運営等が適切に行われているかを、実地監査等を通じて確認・対応するということでございます。

1枚お進みいただきまして18ページ、収益性に係るガバナンスのあり方(総論)でございます。産投全体の収益性は先ほど御説明しましたが、ここでは各機関の収益性でございます。まず各機関に対して行う基本的なガバナンスというものが1つございまして、加えて、これは昨年11月の分科会で御議論もいただいたところですが、収益性に課題が生じたファンドにつきましては基本的なガバナンスに加えて、それに応じた実効的な対応が必要であろうというものでございます。

1枚お進みいただきまして19ページ、収益性に係る基本的なガバナンスでございます。これについては、これまでの分科会での御議論におきまして目標とする収益性の水準が明らかではない、収益の分配方針等が明らかではなく、主務省・産投が各プロセスで関与しているという基本的な課題を御指摘いただいたところでございます。

一方、この点についての留意点といたしまして、産投は収益性だけではなく政策性も踏まえた投資を行う必要があることから、収益性については機関において一般的に民間ファンド並みの水準の収益は必要ではないと考えますが、他方で、少なくとも累積損益は産業投資の資本コストを上回る水準が必要と考えるところでございます。

1枚お進みいただきまして20ページでございます。以上を踏まえまして基本的なガバナンスの取組方策でございますが、産業投資から機関に出資するに当たって、出資条件として投資額・収益性の水準、モニタリング方法、分配方針等を定めて具体的に設定し、明確化することとし、それに基づいて業務運営、フォローアップを行っていくということが必要かと考えます。

1枚お進みいただきまして21ページでございます。収益性に課題が生じた場合の対応でございます。これは昨年11月の分科会でも御議論いただいておりますが、官民ファンドはそもそもその収益構造がJカーブであって、当初は累積損失の計上があるものの、最終的な解散・清算時点で累積損益が資本コストを上回ることが必要であると考えます。そのためには投資実績の把握、そういったものを行うことで投資計画の進捗等に応じた判断、管理の枠組みの検討が必要という御議論をいただいているところでございます。

1枚お進みいただきまして22ページでございます。これは昨年12月の経済財政諮問会議で決定された新経済・財政再生計画改革工程表2018におきまして、累積損失解消のための投資計画を今年4月までに策定・公表するとされ、先ほど4ファンドにつきまして機関及び主務省から御説明があったのがその計画でございます。これにつきましては、今回の計画を踏まえ、今後実績を確認し、目標・計画との乖離があれば、まずは今年度央までに改善目標・計画を策定・公表、また2020年度、2021年度につきましては毎年5月までに同様の検証を行い、乖離が認められる場合は、改善目標・計画の策定・公表というようなフォローアップを行うことになります。

1枚お進みいただきまして23ページでございます。以上を踏まえまして、基本的な考え方でございますが、機関・主務省の役割といたしましては、まず早期・客観的に収益性に係る状況を把握する。それに基づき適切な改善計画等の設定を行い、もし計画等と実績に乖離が生じる見込みの場合は、法改正も含め抜本的な見直しを検討・実行する。産業投資につきましてはそういった機関・主務省において適時適切な対応を図る観点から、状況把握を行っていくと、そういったガバナンスでございます。

1枚お進みいただきまして24ページ、官民ファンドの効率化等に向けた対応のフォローアップでございます。先ほど4ファンドにつき御報告がありまして御議論いただいた投資計画について、まずは今年度央、2019年度央からフォローアップを行っていきます。フォローアップの考え方は右側の列に記載のとおりでございます。

1枚お進みいただきまして25ページでございます。既往出資のガバナンスでございます。これまで産業投資においては政策的必要性の高いプロジェクト支援の観点から、財務基盤強化等ということで出資を行っているところでございますが、出資後にプロジェクトの見直しや完了、あるいは社会経済情勢の変化ということによって、既往出資の一部が活用されていないということも場合としては考えられるところでございます。そこで既往出資に対するガバナンスの方策といたしまして、毎年8月に各省庁から既往出資の使用状況等についての報告をしていただくと、これを毎年の編成過程におきましては、単年度計画の査定といったこれまでも行っておりましたフローの計画に加えて、御報告をいただいた内容を踏まえて既往出資の取扱いも検討すると、そういうフローとストックの両面の管理をしていく、これを毎年定期的に行っていくということを考えております。

1枚お進みいただきまして26ページ、エコシステム構築に向けた課題等でございます。記載はエコシステムのイメージでございますが、エコシステム構築のためには、資金面はもとよりですが人材や技術等がプレーヤー間で循環されるようにしていくための課題に対応していくことが必要であろうということを書いてございます。

1枚お進みいただきまして27ページでございます。今申し上げたエコシステム構築に資するリスクマネー供給を行うという観点からは、場合によっては機関の投資方針の見直しといったことも含めまして、記載にあるような課題への対応について検討・対応していく必要があると考えます。

最後、2枚お進みいただきまして29ページを御覧ください。産業投資の管理運営上の基本原則でございます。今回の分科会で御検討いただいている内容というのは今後の産業投資の基本的なガイダンスとして活用されることが重要でございまして、またそのためにもこの内容は関係省庁、投資先など幅広い関係者にも認識されることが必要であり、そのために内容を分かりやすく簡潔に整理して公表するということも考えられるのではないかということでございます。

私からは以上でございます。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。

それでは、ただいまの山本企画官からの御説明を踏まえて、委員の皆様から御意見、御質問をお願いしたいと思います。では、江川委員。

〔江川委員〕ありがとうございます。

私は東京大学におりましたときに、大学の研究成果をイノベーションにつなげる官民イノベーションプログラム、500億円のファンドの立上げを直接理事として担当しておりまして、官民ファンドに関していろいろな方にヒアリングをしたり、自分事として深く考えたりしましたので、それについて3点申し上げたいと思います。過去に分科会で発言したことがある点もありますが、財務省の側も委員の側も少しメンバーも変わられたので、まとめてお話しさせていただきます。

1点目は、官民ファンドというのはできるだけ抑制的にしたほうがいいのではないかということです。民間では手がけられないリスクが高い投資でありながら、税金なのでロスが許されないということで非常に管理が難しいということ。それから、国のお金なのでどうしても管理を厳格にしなければいけないので、民間でやるよりも、より管理に手間をかけなければいけないということがあると思います。大学のファンドの場合にも社外取締役にしっかりした人を入れたにも関わらず、外部評価委員会を別途設けなさいと言われたので大変で、いろいろ難しいなと思いました。それから先ほどのヒアリングでも、年度計画でやらないといけないので管理が難しいというようなことがありました。ですから、私は政策的なニーズはとても重要だと思うのですが、官民ファンドの強みが発揮できるところにできるだけ絞るのが重要だと思います。そういう面ではよりリスクが低くてニーズが高いレイターステージに特に力を入れていただくといいと思います。ベンチャー投資をやっている人に聞くと、アーリーステージはお金だけではなくて経営者への助言も必要なので、むしろエンジェル投資家にやってもらったほうがいいと思います。

それから2点目は実際のガバナンスに関して、政府が個別案件の投資決定に関与すべきではないという点です。先ほど川村委員の御報告がありましたが、私も3年前に財務省の視察でイノベーションをテーマとしていろいろなところを回らせていただいたのですが、そのときにお訪ねしたのが、ハーバードビジネススクールで、政府によるイノベーション支援やベンチャーキャピタルに関してずっと研究しているラーナー教授にお話を伺いました。『Boulevard of Broken Dreams』という本を出していて、これは世界数十カ国の政府にいろいろアドバイスした内容をまとめたものですが、日本のDBJにもアドバイスしたということです。お話の中で一番印象に残ったのは、政府が個別案件の政策決定に関与するとうまくいかないので、そこは気をつけたほうがいいということでしたので、そこは留意すべきだと思います。

3点目はエコシステムです。今も御説明の中に最後にエコシステムがとても重要だというお話はあったのですが、最後に1、2ページ割いているだけで、今回は産業投資の話なので仕方がないという感じはいたしますけれども、私は日本でイノベーションを本当に起こすためにはお金よりもエコシステム、特に人の問題が大切だと思います。ベンチャーに関わっている人はみんな、今は結構お金が増えてきたけれども、人が足りないということをよくおっしゃいます。先ほど工藤委員も人材供給の重要性をおっしゃいましたけれども、スタートアップに関わった人が不利にならないように社会保険などいろいろな制度をしっかり整えるのは重要だと思います。社会人になって間もないころに経済産業省のシニアな方から「中小企業は不利だから優秀な人は行かないって、それはみんな知っているでしょう」と言われて、私はイノベーションに関心があったのでショックを受けたことがあります。今でも若い人がスタートアップをやろうとすると周りの大人が反対するのは、いろいろな意味で不利になるということが社会的にあると思います。簡単には変わらないと思いますけれども、いろいろな形で制度的なイコールフッティングを実現するということと、それから人の交流を促進する政策というのはできると思います。経済産業省のリスクマネーの委員会でも、例えば民間企業と大学の人の交流がもっとできないかとかいう議論がありましたが、そういったできるだけ人が交流できる、あるいは柔軟な人事制度、転職しやすい環境を整えて、ベンチャーに人材を供給するというのが1つ目です。エコシステムに関しては4点申し上げたいのですが、1点目がその人材供給の問題です。

2点目はネットワークやコミュニティ作りのための政策です。先ほど申した3年前に行った視察でとても印象的だったのが、地方公共団体などの公的機関がいろいろなレベルでネットワーク作りとかコミュニティ作りに相当時間を使っていたことで、ベンチャーに関心のある人を集めたり、相談に応じたり、専門家の助言を得やすくしたり、そういうことはぜひやれたらと思います。

3点目と4点目は、実は財務省に近いポイントです。3点目は株式市場の規律を高めて、鳴かず飛ばずの会社が退場して新陳代謝がもっと進んでいくようにすることで、これは上場のルールを見直していただければよろしいかと思います。日本は起業ばかりでなく廃業も海外に比べて少ないというのが問題になっています。

4点目はイノベーションを促すような税制など政策を工夫できないかということです。例えば大企業にスタートアップからの購買を一定程度義務づけるとか、一定程度買ったら経済的に有利になるように税金のメリットを入れるとか、何か工夫していただけないかと思います。大企業の購買を通じて中小企業あるいはスタートアップの購買を促すというのは、売上げを立てるというスタートアップにとって一番の課題をクリアするということだけではなくて、実際に購買を担当する人がその製品をしっかりチェックしてくれるので、ある意味官民ファンドで一番大変な、会社の評価の部分を民間企業にやってもらえるという意味でもいいのではないかと思います。

少し時間をとってしまいまして申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。では、土居委員、お願いします。

〔土居委員〕御説明、どうもありがとうございました。前回の議論に続いてということで、少し意見を述べさせていただきたいと思います。

資料5の6ページがまさにその出発点なんだと思いますが、何ゆえの産業投資であるかということを考える上で、非常にこの6ページは示唆深いものがあるわけですけれども、まず政策性というところで考える上で、補助金でもなく、税制でもなく、財政融資を使うわけでもないところで産業投資が政策手段として効果的であるということが比較考量の上で見出されるということが、産業投資を活用する意義の根源にあると思います。そういう意味では、まず政策性を考える上で、もちろん政策性の要件はここに書かれているとおりですが、さらに付け加えるとすると他の政策手段でなく産業投資を使うということに意義があるというところを見出すというところも、1つ重要なポイントになってくるのかと思います。

そういう意味では、この財投分科会でも財政融資はどうあるべきかとか、産業投資はどうあるべきかとか、これまでにも議論を重ねてきてはいるわけですけれども、特に今のこの局面では産業投資で直接出資先になっている官民ファンドのあり方を巡って産業投資をその根本、根幹として引き続きどう運営管理していくべきかという議論になっているのだと思います。

官民ファンドも非常に今までになく良いところがあって、それは株式会社として設立されて会社法のガバナンスを活用するというところが、どこまでできているかはいろいろファンドによりますけれども、そういうスキームを使っているということはこれまでにない産業投資の出資の形だと思いますし、幾つか良い面はあるのですけれども、先ほど来の議論にもありますように問題点もあると。私が思うのは、一つ今までに不十分だったと思うのは事前のコミットメントが弱いということではないかと思います。それは政策性の面でも収益性の面でも事前のコミットメントをもう少し強めるということでもって産業投資の運営管理をより良くしていく、そういう1つの方向性になってくるのかと思います。政策性ということになると、ややもすると曖昧さが残ってしまうという面があるので、この特別会計法50条に書いてある文言に沿えば、広く捉えればそれが政策性を実現できていると捉えられる向きもあるので、そういう曖昧なところをできるだけ事前のコミットメントで狭めておいて、どういう意味においてこういう出資の意義があるのかというところを、政策面からもより事前にコミットできるようにするということが必要なのかと思います。

それから収益性の観点からすると、今ここで議論されている1つの焦点は何をもって成功というかと、私もこの分科会で、あいにくその出資先は損失が出ると国民の資産を毀損したということで怒られ、収益が出てもそれは民間でも上げられた収益で民業圧迫ではないかといって怒られ、何をもって褒められるかということで、だからこそ何をもって成功したといって褒めてあげられるのかというところが重要だということが私の意見だったわけで、そういう意味の成功というところをより明確に規定していくということは大事だと思います。

ただ、成功を規定するということは裏側では失敗が、成功していないという背反する事象として出てくるということですので、特に23ページに書かれているように収益性に課題が生じた場合の対応というのも、これは事前のコミットメントが私は非常に重要だと思います。確かにオンゴーイングである官民ファンドは、これから別途必要な措置を講じなければいけないということになって、この23ページには法改正を含む必要な対応を実行と書いてはあるのですが、今後のことを考えると事前に鍵括弧つきの失敗をした場合にはどうするのかということは、できるだけ前もって法律に規定しておく必要が私はあるのではないかと思います。

最後に、何をもって成功というかということと、それから政策性という兼ね合いでいうと、おそらくは今求められている政府の役割とは民間にとれないリスクをどうとるかというところが問われていて、この資料の中にもありますようにいわゆるハイリスクのエリアに対して産業投資がどこまで関わるのかということだと思います。そして今日の前半の議論からすると、ハイリスクならば本来ハイリターンが期待されるんだろうけれども、あいにくローリターンになるかもしれないというものを政策性があるから許すということなのか、それとも期待していたよりはローリターンだったということで失敗というべきなのかということだと思います。ボトムラインはこの資料にも書かれているように産業投資の資本コストということだと思いますが、それよりも上回る部分をどこまで許すのかと。あまりにハイリターンを要求すると、それは民間でもできるという話になってしまうけれども、どの程度ならば民間ではとれないハイリスク・ローリターンなのかというところの議論というのはもう少し深掘りする必要があるのかなと思います。

以上です。

〔池尾分科会長〕冨田委員、お願いします。

〔冨田委員〕2点ありまして、1つは政策性に関わるガバナンスが収益性に関わるガバナンスの書き方に比べて随分弱いというか、何もないといったら叱られますが、空疎な感じはいたします。なぜそう感じるかというと、主務省の判断と表現されております。それはそうかもしれないのですが、やはり産投出資という形で国会で御審議いただくわけです。国民が納得することが大事なわけでして、16ページの2つ目の丸に、「設置根拠法や投資基準等に基づき、主務省の監督の下で判断する仕組みであり」と書かれているのですが、私はまだこの政策性に関わるガバナンスという観点から設置根拠法とか投資基準というのを見ていない、DBJのは何かあったような気がするんですけれども見ていないので、これは具体的にどういうものなのか。収益で最低限カバーしてもらったらいいですよという消極的な姿勢に全体が捉えているような、捉えてしまいかねないような感じを受けるので、政策性についてのガバナンスという点もしっかりと見ていく必要があると思うのです。

それから、産投出資の国庫納付という観点です。つまり、先ほども申しました国会での審議を仰ぐという観点から考えると、この産業投資の管理運営上一番肝になるところは、私は予算をつけるところと国庫納付をどうするかというところだと思うのです。それについて、もちろんこれからの検討課題であって、あと2回の中で議論するんでしょうけれども、項目として挙がっていないので、多分一番最後のところの、2ページでいえば4番で書いてある管理運営上の基本原則のところで出てくるのかもしれませんが、やはりこれをある意味正面から取り上げる必要があるのではないかと思います。それをなぜ感じるかというと、今日御説明いただいた点が1点関係するのですが、それは計画が大きく変わってしまう。それが今日の御説明だと、皆さんも確認されたと思うのですが収益の観点、ボトムラインを守るための計画だとおっしゃるんです。じゃあ、一体何をもって要求されるのかと、産投出資を、それすら何か私は分からなくなってしまった。さらにこれまで、我々議論の中で産投出資、補正で要求があったりするのですが、剰余金がたくさんあるのに要求があったりする、これでは予算の信頼性を失うのではないかということを感じたわけですが、その問題はまだクリアになっていない。本年度、産投の予備費が大きな金額が計上されました。これは、こうした問題に対して国民に答える良い機会だと思うのです。つまり予備費があるので、それをどう活用するかということで、やはり各産投機関の運営の弾力性も確保しながら予算の信頼性も確保することができるのではないかと。だからこの予備費を設けたことによって本年度予算の作り方がどう変わったかということもお伺いしたい点なので、質問としてはそれをさせていただきたいと思います。申し上げたい点は、産投出資の国庫納付について明確に各財投機関に産投出資の段階から、毎年度予算の段階で申し伝えるというか、そういうことがやはり政府の内部の内規になっていないと、何か計画が今日みたいに大きく変わってしまうことにもなって、一体何を基準に考えたらいいのかということだと思うんです。

それと、また話が戻りますが政策性と申し上げたのは、成長戦略というと、みんな何でも結果が良ければ全てよしという面があるわけでして、どういう対象でもいいような感じを私は受けるんです。そうすると、そのときに大事なことは、ここにも抽象的には書いてあるんですけども、我々として産投の管理運営上、民業補完性という観点は具体的にこういうことを言っているんだということも必要なのではないかと思います。融資の面では民業圧迫のところがかつては非常に大きな批判を浴びたわけでして、成長戦略というとみんな成長戦略的なことを民間のファンドも狙っているわけでして、そこでの民業補完とは一体何なのかということも考えておく必要があると思います。

以上です。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

大分時間が限られてきて、スケジュールにありますように5月に討議をするということなので、今日の段階は頭出しだけでとどめていただければと思います。では、林田委員。

〔林田委員〕私は収益性のガバナンスについて申し上げたいのですが、19ページから20ページあたりにかけて、目標とする収益性の水準さえ明らかではなくて、フォローアップもままならないという現状だというのは非常に心もとないと思っております。20ページにあるように出資条件の設定に際して見込まれる収益性の水準などについて予め明確化しておくという位置付けになっていますが、これは至極当然のことではないかと思います。目標があればこそファンド側も頑張ることができますし、目標すら立てられないのであれば、国民の大切なお金を使う資格はないのかなと思っています。

次も収益性に関するガバナンスに関してですが、23ページで計画と実績に乖離がある場合は必要な対応を図るとしていて、右下のところにあるように必要な措置の中身として抜本的な見直しを検討するとあります。この抜本的な見直しというのは具体的にはどのようなことを想定しているのか。私としては、ファンドによりますけれども、このままではいわゆる統廃合を含めた厳しい措置が必要になるのではないかと思いますが、事務局でお答えできる範囲で結構ですので、どういうことを想定しているのかお答えいただければありがたいと思います。

以上です。

〔池尾分科会長〕いかがですか。

〔山本財政投融資企画官〕林田先生の抜本的な見直しのところですが、すみません、どこまで答えられるかというのはあるんですが、具体的にこれとこれはしないとか、これをするという特定の方法を決め付けるものではないのですが、可能な限り様々な選択肢の中から適切な方策というのを、まずは主務省において具体的に検討していただくということが必要ではないかなと考えております。

〔池尾分科会長〕法改正ですから、廃止も中身には含まれるということですね。

〔林田委員〕分かりました。

〔池尾分科会長〕川村委員、お願いします。

〔川村委員〕端的に問題提起だけにとどめておきますが、1番目は質問で、これは次回以降で結構なのですが、特に産投というものは官民ファンドが念頭にあると思うのですが、大半80%以上の大株主は国であり、それは理財局が窓口である。一方でそれぞれの分野によって主管官庁というのがあると。そのガバナンスに関して、後者のほうはかなり情報があるわけですが、8割持っている国の窓口というか代表である理財局がどういうガバナンスを効かせているのか。つまり官民ファンドと理財局と経産省、官民ファンドと財務省と農水省、ここの運営においてのガバナンス、例えば個別案件までどうなのかを含めてどういう関わりになっているかということを次回以降、教えていただきたいと思います。これは質問です。

あとは、次回以降の論点として申し上げると、既存分について、これからのことばかり言っていますが、実は既存分で毀損していたり、にっちもさっちもいかなかったりする案件も山のようにある。これを我慢のしどころと見るのか、見切り千両と見るのか、きれいな言葉で言えばモニタリングなのでありますが、モニタリングなり、あるいはリストラなのか、リバイタルなのか、この辺をきっちりやらないといけない、これをどう考えるかということがテーマとしてあると思います。

それともう一つは官民ファンド全体、それこそ宇宙から、クールジャパンからインフラまで途轍もない分野にまたがってのこの官民ファンドの全体ポートフォリオを管理するというか運営するような、あるいは戦略を立案するようなところ、そういう組織は必要ないのかと。今は例えば官邸の幹事会でありますとか、何とか戦略会議などの会議はたくさんあるのですが、実際にこれだけのものをいわばコーディネートしていく存在というのは要るのか、要らないのかということも議論すべきだと思いますし、それは先ほど林田委員もおっしゃっていた、端的には官民ファンドの今後の再編というものをどう考えていくのかということにつながっていくと思います。

それから、成功の鍵は何かというときに、KPIと収益指標との関係というのは一見無関係のように言っていますけれども、これはKPIが政策性で、収益性は例えばROEだとか、マルチだとか、IRRだとかいろいろと言っているわけですが、成功というものをどうやって指標化していくかというのはとても大事なテーマだと思っています。

最後に、これは非常に生臭い話なのですが、人の選び方が私は結局ポイントになっていると思っていて、例えば社外取締役だとかCIOを選ぶに当たって、かなりミス人事が過去において行われていると思っています。ミス人事というのは、その人がおかしいとかそういう意味じゃなくて、こういうところにこういう人がいて、果たして期待された機能が役立てられるのだろうかという意味においてですが、現実問題としてこれは役所がかなり関与して、役所は固有のネットワークか、あとはヘッドハント会社と、その結果どうなのかみたいなところがあって、こういう枢要な人事に対する対応というのも各論としては考えないといけないと思っています。以上、全て問題提起で、質問は次回以降でお答えいただければ結構です。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。では、工藤委員、お願いします。

〔工藤委員〕ありがとうございます。

官民ファンドということだけではなく、全体に当てはまる話なのですが、私は、産業投資は未来の日本のためにお金を回していただくということが大事だと思っております。現在、世の中にお金は余っておりますけれども、「今後世の中がどうなるか分からない」とか、「この技術がどう定着するか分からない」といった理由から、どうしてもハイリスクなところにはお金が回らない面がございます。そういった投資は、将来ハイリスク・ハイリターンになるかもしれませんし、ハイリスク・ローリターンになってしまうかもしれません。ただ日本が存続していくためには必要な投資というものがございますので、今しがたポートフォリオの管理についてお話がございましたけれども、ぜひ産業投資のポートフォリオを見える化していただいた上で、民間のポートフォリオとも合致させてみたらよろしいかと思います。そうすることで、国として将来を考えたときに、「今ここをやらなければいけないのではないか」、「お金が届いていないところがあるのではないか」という点を戦略的に見てみることが必要だと思います。

2点目は、先ほど申しまして、江川委員からも補足いただいたエコシステムの件です。お金も重要ですが、それに合わせて、人と商流を作るというところもセットでないとお金の効果が十分に出ないと思っております。

また、これは産業投資だけではないのでこの場で指摘することではないかもしれないのですが、補助金をいろいろな省庁が出した後、それがそのまま終わってしまっていることが多いことが気になっております。研究開発などを経て、産業として1つのものになっていくためには、補助金の後をつなぐお金も必要で、そこに私は産業投資の役割があるのではないかと思っております。例えばアメリカでは新しい技術をどんどん生み出しておりますが、その背景には、DARPAが研究開発した後、国防総省がきちんとした技術として定着させて利用し、それを大量生産していく、それがまた民間転用されることで新しいものが社会に出ていくというシステムが存在しています。日本の場合、軍需でそうしたシステムを作ることはなかなか難しいですが、別の形で日本らしいエコシステムを作れないかなと思っております。

3点目は個別になってしまいますけれども、先ほど届かない分野があるのではないかと申し上げたのですけれども、具体的にはバイオとか素材ですとか、今ある官民ファンドではカバーできていない分野です。現在、かなりベンチャーにお金が回っておりますけれども、ITが半分近くを占めております。バイオや素材というのはリスクの高い段階である程度大きな規模のお金が必要になってくる分野でして、なかなか民間だけでは十分に行き届かないのかなと思っております。

順番がばらばらになってしまいましたけれども、最後に民業補完の原則というのは非常に大事だと思っております。私はその点からも、冒頭に申しましたようにハイリスク・ローリターンも許容すべきではないかと思うところです。

以上です。

〔池尾分科会長〕御発言いただきたいのですが、時間がせまってきました。今日ぜひという方。では、高田委員。

〔高田委員〕すみません、手短に。御指摘いただいた6ページのところにあります全般的な考え方というんでしょうか、私もこのとおりだと思いますし、当然投資する上ではこういう形でガイドラインそしてモニタリング、場合によっては当然損切りですとか、退出ですとか、当然そういうのがあり得るというようなことは十分だと思うのですが、ただ一方で投資するということですと、これはポートフォリオ全体でどうするのかという発想が非常に重要で、例えば個別のところだけで収支をということにし過ぎてしまいますと、ポートフォリオの全体の中でどうなのかという議論がなおざりになり、リスク許容度が上がらなくなってしまうことに問題が生じます。

それから年ごとでということで、あまり期間を短くすればするほど、管理的には当然あり得ることなんですけれどもリスクがとれなくなってしまうことも生じます。したがって、その辺のバイアスがどのようになっていくのかというのは重要ではないかなと思います。たまたま私、2009年のときの仕分け人として事業仕分けを担当したのですが、個別のところに踏み入れば踏み入れるほど、そこのところでモニタリングしたことが本当に長い目で見てよかったのかどうかというのは改めて問われるべきところなのかなとも思っております。そういう意味でいいますと当然個別のいろいろな事業というのはリスク特性が違いますので、そこのところをあまり一律にし過ぎてしまうと本来リスクをとろうとしているものがとれなくなってしまうというような部分があります。その辺のところのバランス兼ね合いをどうしていくのか、それから先ほども議論がありましたけれども、エコシステムというのでしょうか、そのリスクというものは人材も含めた総体として出てくるものでありますので、そういうやつをそもそもの本来の趣旨にのっとったという形でもって、そういうバイアスができることが重要ではないかなと、改めて今回感じた次第でございます。

以上です。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

本日はそもそもちょっと無理なスケジュールになっていて、十分に御発言いただけなくてまことに申し訳ないのですが、したがって次回、5月のときは十分な討議の時間を確保するように、事務局の側でよろしくお願いしたいと思います。

それでは、そういうことで極めて不十分なのですが、この件に関する今日の質疑は以上ということにさせていただいて、最後に経済産業省から産業革新投資機構(JIC)の運営体制について御報告をいただくので、それを最後にやらせていただきたいと思います。

御入室いただけますか。

(経済産業省入室)

〔池尾分科会長〕それでは、早速ですが今後の産業革新投資機構の運営体制等につきまして、経済産業省の福本産業資金課長より御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

〔経済産業省福本産業資金課長〕よろしくお願いいたします。経済産業省、福本でございます。

資料を3つ御用意しております。資料6−1から6−3ということになってございます。資料6−1に産業革新投資機構(JIC)の体制再構築に向けたこれまでの経緯を簡単にまとめております。こちらを御覧いただきまして、昨年12月の頭にこの産業革新投資機構取締役の皆様がお辞めになるという発表がございまして、その年末に正式に辞職されたということが起きました。それを受けまして、2018年12月10日に経済産業省内にこのJIC、産業革新投資機構連絡室というものを発足いたしまして、12月25日からJIC第三者諮問会合ということで開催いたしました。それからかなり短期的・集中的な御審議をいただきまして、いろいろな方にお話を伺うということで、2019年が明けまして全部で4回この第三者諮問会合というものを開催させていただきました。この諮問会合の性格につきましては、この諮問会合に何かレポートをいただくというよりは、いろいろな方からお話を伺いながら御意見をいただくということに目的を置いております。それから、第三者諮問会合で御議論、御意見をいただいた後に有識者等官民ファンド経験者からの御意見も頂戴いたしまして3月26日に、これは経済産業省としてということでございますが、「今後の産業革新投資機構(JIC)の運営体制等について」を公表いたしました。その公表した資料が6−2と6−3ということでお付けしております。本日は時間も限られているということでございますので、簡単にこの6−2のポイントのみを御説明申し上げまして、後ほど御質問をいただければと存じます。

資料6−2を御覧いただきまして、この産業革新投資機構が発足したのが9月25日でありまして、その前から準備をいたしまして機構が始まったわけでございますけれども、取締役の方と一緒に詰めていくという準備作業の途中でお辞めになるということになり、我々としてもその反省に立って、そもそもJICが果たすべき役割は何なのかというところから改めて文書化いたしまして、経済産業省としての考え方を示したものでございます。

この資料6−2の柱書きを御覧いただければと存じますが、まず第1にJICが果たすべき役割ということで、改めてでございますけれどもこの機構が、(1)にあります産業競争力強化法に位置付けられた政策実施機関であるということ、その目的を達成するというのがこの組織に課せられた役割であるということ。

それから、財投関連機関でもございますので、産業投資として公益性が高く、リターンが期待できるけれども、国内民間企業だけではリスクマネーが十分に供給できない事業分野に民業補完の原則のもとで資金供給等を行う役割というのが期待されるということを明示しております。

以降は、これをベースにいたしまして書き下ろしいたしました。改めて産業競争力強化法で書かれているもの、あるいはそのもとでの投資基準というのがございますけれども、こういったところで書かれていることも含めまして文書化したものが以下、(1)(2)(3)でございます。

次のページを御覧いただきまして(4)ということで、これはその前にございました旧株式会社産業革新機構、現在INCJとなっていますけれども、こちらも同様でございますが、市場から退出すべきものの救済を目的とするような資金供給は行わないと、これは当然でございますけれども、これを改めて明確にしたということでございます。

それから2番目といたしまして政策目標と収益目標。先ほどのようにこれは財投機関でもありまして、官民ファンドでもございますので、政策目標をしっかりと達成するということと、投資機関でありますので収益についてもきちっと毀損しないということを最低限の基準にしながらやっていくということがございます。こういったことをきちっと明確に書いてございます。

また、産業革新投資機構はこれまでの産業革新機構、その前身のもの、株式会社と違いまして、基本的にはファンドを経由いたしまして投資を行うという形態になるということが法律上定められております。このあたりをきちっと示したというのが2ページ目。

それから、3ページ目まで行っていただきまして、3番目といたしましてJICによるファンド組成・管理ということで、JICは政策目的を達成するという観点から、ファンドへの投資を通じて全体としての投資ポートフォリオを構築するということが役割であるということを掲げております。

(2)と(3)で具体的なファンド組成のイメージといいましょうか、具体的には当然機構の経営陣が就任されてからしっかりと投資戦略も含めて決めていただくということになろうかと思いますけれども、経済産業省としてはこのような枠組みが想定されるのではないかということを示したものでございます。

次の4ページ目に行っていただきまして(4)のところで、官民ファンドは政策機関ではございますけれども、当然民間ファンドの慣行ということをしっかりと見てモデルプラクティス、モデルとなるような行動というものも期待されるということを書いてございます。

それから4番目といたしましてファンドのガバナンス・モニタリングということで、これについても明確にファンドを通じた投資ということになりますので、JIC本体としてどうあるべきか、それからファンドをどのようにモニタリングするということが期待されているのかということを書いてございます。

次の5ページ目に行っていただきまして、JICの取締役・経営陣に求められる資質・能力ということでございます。これは当然JICの取締役・経営陣には今申し上げました役割、それからどういうファンドを組成していくのかということを果たしていただける方ということでございますが、(1)にあるように国の資金を運用する機関でございますので、継続的に活動評価、情報開示を行って国民に対する説明責任を果たしていくということも改めて提示しております。

6番目ということで、それも踏まえまして評価のあり方、体制ということを書いてございます。経済産業大臣としてJIC本体の評価をいたしますけれども、ファンドの評価はこのJICのところできちっとやっていただくということを書いてございます。

次の6ページ目の7番目で報酬・インセンティブ設計ということでございます。報道ではこの部分だけにとかく焦点が集まったわけですけれども、我々としては、これは全体の中の大変重要な点でございますが一部ということでございまして、上記のような今まで述べたような民間だけでは難しいリスクマネー供給をしていただくということなので、優秀な人材確保、育成が大事であるということ。

(3)まで行っていただきまして、そういう観点から、当然そういう優秀な人材の方にやっていただくということとともに、公的な機関でもありますので、ほかの公的機関の報酬の状況というのも参照しながらやっていくということ。

次の7ページ目まで飛んでいただきまして(5)ということで、ファンドレベルというのはかなり投資の実務、最前線でございますので、これは民間でどういうことが起きるのか、民間からの出資の状況というものも踏まえて適切な設定をきちっとファンドごとにしていただくということを明確にしております。

そして7ページ目の下、8番ということで政府との対話ということで、きちっと法的に定められている事項というものを行うとともに、政策実施機関でありますので政策当局との対話ということもやっていただくということで書いてございます。

駆け足になりましたが、以上が3月26日に発表いたしました基本的な考え方でございまして、これに基づきまして早急に、ただ拙速になることなく立上げを行って参りたいと考えております。

資料6−3は有識者の方にいただいた御意見の一覧でございます。

私からは以上でございます。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

それでは、ただいまの御説明に関して何か御質問がございましたらお受けしたいと思いますが、いかがでしょうか。

あえて御質問等はございませんですか。この件は今の御説明だけで終わるという話ではなくて、これからの話という面が強いと思いますが、特によろしいですか。

それでは、御説明どうもありがとうございました。

(経済産業省退室)

〔池尾分科会長〕それでは、皆様の御協力と、少し強引な会議運営の結果、定刻に終われる感じになりましたので、本日の議事はここまでということにさせていただきます。いつものことですが、議論いただいた内容のほかに追加の御意見、御質問等がございましたら事務局までお寄せください。

それから、本日の議事内容につきましては、この後事務局より記者レクを行います。

議事録につきましては、皆様にチェックしていただき、皆様の御了解をいただいた後、財務省ホームページに掲載します。

次回は5月24日14時から、「産業投資の管理・運営のあり方」について御審議いただくという予定にしております。

それでは、本日は御多用中のところを御参集いただき、御熱心に御審議いただきましてまことにありがとうございました。これで閉会とさせていただきます。

12時00分閉会

財務省の政策