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財政制度等審議会財政投融資分科会
議事録

令和7年12月5日
財政制度等審議会


財政制度等審議会財政投融資分科会議事次第

令和7年12月5日(金)14:00~16:15
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

  • 1.開会

  • 2.令和8年度財政投融資計画の編成上の論点

    1. (株)国際協力銀行
      • 質疑・応答
           
    2. 電力広域的運営推進機関
      • 質疑・応答
  • 3.閉会

配付資料

議事次第

資料1 説明資料(株式会社国際協力銀行)
資料2-1 説明資料(電力広域的運営推進機関)
資料2-2 説明資料(電力広域的運営推進機関)

出席者

分科会長

百合

舞立財務副大臣

井口理財局長

渡辺審議官

尾﨑総務課長

西川財政投融資総括課長

鈴木資金企画室長

天井財政投融資企画官

伊藤管理課長

高橋計画官

鳩間計画官

土居丈朗

野村浩子

丸田健太郎

渡辺

臨時委員

有吉尚哉

岡田章裕

小橋文子

工藤禎子

山内利夫


14時00分開会

〔翁分科会長〕それでは、そろそろ予定の時間となりますので、ただいまから財政制度等審議会財政投融資分科会を開会いたします。

本日は、令和8年度財政投融資計画の編成上の論点として、株式会社国際協力銀行及び電力広域的運営推進機関についてご審議いただきます。

また、前回に引き続きまして、舞立財務副大臣にもご出席いただいております。

本日も時間が限られておりますので、ご質問、ご意見などはできるだけ簡潔にお願いいたします。

議事に先立ちまして、令和7年度財政投融資計画補正等につきましては、先般、持ち回りにて開催したところですが、原案のとおりとなっておりますので、ご報告いたします。

それでは、株式会社国際協力銀行について、高橋計画官より要求の概要及び編成上の論点の説明をお願いいたします。

〔高橋計画官〕計画官の高橋です。私から国際協力銀行、JBICに係ります資料、資料番号1の説明をいたします。

まず、1ページ目の目次ですけれども、最初にJBICの概要について簡単にご説明し、その後、8月末時点でいただきました改要求前の要求内容を説明します。その後、日米の戦略的投資を踏まえ、今般いただいた改要求の内容について説明をいたします。最後に、私ども理財局が考える編成上の論点について説明をいたします。

3ページ目、お願いいたします。JBICは、本年3月末の時点で、資本金が約2兆3,000億円、出融資残高は約15兆8,000億円という規模になっています。

次の4ページ目です。JBICの資金調達の構造をお示ししています。財政融資からの資金や外為特会からの借入れ、また、政府保証が付された外債を発行することなどにより資金を調達しています。

5ページ目です。JBICは、収支相償の原則と個別案件ごとの償還確実性の原則の下、業務が行われており、これを一般業務と称しています。一般業務に加えて、2016年より、さらなるリスクテイクを可能とする特別業務が、右側の図のとおり、開始されています。この特別業務は、勘定全体での収支相償の原則は維持しつつも、個別案件ごとの償還確実性の原則は免除されています。

なお、日米の戦略的投資は、基本的にこの左側の図の一般業務にて行うことが想定されており、そのため、個別案件ごとの償還確実性の原則を維持した中で投資が行われることとなります。

次に、改要求前の要求内容について説明をいたします。

7ページです。事業規模は、令和7年度と同額の2兆4,100億円を見込み、財政投融資は総額1兆4,100億円の要求をいただいています。そのうち、与信集中及びリスクアセットの増加、あるいは法律改正に伴う追加業務遂行のための財務基盤強化として、一般業務への出資、産業投資1,150億円、そして、特別業務勘定のリスクバッファー確保のため、産業投資100億円の要求をいただいております。

次の8ページから要求の背景を説明しています。経済安全保障の重要性が増す中、各国におけるJBIC類似の公的な金融機関について機能強化の動きが見られます。

次の9ページですが、JBICについても、一昨年に法律改正がなされ、記載がありますとおり、重要物資に係るサプライチェーンの強靱化などに向け、業務が新たに追加されているところです。

次に、改要求の内容について説明をいたします。

11ページです。日米の戦略的投資は、今後約3年半の間に総額5,500億ドル、約80兆円規模とされています。先般、10月末にトランプ大統領が訪日されたとき、プロジェクトの内容とか、関心のある企業名ですとか、金額規模などが記載されました共同ファクトシートが公表されています。ファクトシート記載案件の投資、売上等の事業規模は、総額約4,000億ドル、約60兆円でありまして、これらについて早期の案件形成への機運が高まっているものと考えられます。

足元、米国向けのJBIC、それからNEXIの事業規模はおおむね1対2ということですので、JBICの事業規模としては、ファクトシート記載の約60兆円のおおよそ3分の1の21.5兆円を想定しています。21.5兆円のうち、緊要性が高まっている7.15兆円について令和7年度の補正に、そして、残りの14.35兆円について令和8年度に行うことを想定し、今般改要求がなされているものです。

次の12ページをご覧ください。今申し上げた14.35兆円の改要求がなされている旨を一番上の丸に記載をしておりますが、この投資は、「日本戦略投資ファシリティ」を活用して行うこととされており、この場合、投資額の原則5割を上限に外為特会からの借入れが可能ですので、外為特会からの借入れを除きました約7.1兆円を財政融資、政府保証として要求をいただいておりまして、その内訳は、財政融資が3.6兆円、それから政府保証が3.5兆円と、おおむね1対1となっているところです。

なお、追加分の事業規模を遂行するために必要な資本増強として、637億円の産業投資の要求もいただいております。

次です。次の13ページでは、償還確実性、それから収支相償の原則に係る規定などについて説明をしています。JBICは、法律、具体的にはJBIC法において、これら償還確実性、収支相償の原則が規定されています。そして、日米の戦略的投資に関する了解覚書において、覚書のいかなる内容も、日米両国のそれぞれの関係法令と矛盾してはならないと規定されています。また、協議委員会は法的な考慮事項について投資委員会にインプットを提供することが定められています。国会においても、その旨、当時の赤沢大臣、加藤大臣からも答弁がなされていまして、実際の答弁は次の14ページに引用しておりまして、上が赤沢大臣答弁で、収支相償、償還確実性についてしっかり担保していきたいという旨です。下は、大門議員からの「アメリカに言うべきことは言わなきゃいけないのではないか」という質問に対して、加藤財務大臣が、協議プロセスで日本政府として必要な主張をしていくことは当然だという旨の答弁がなされているところです。

次の15ページですけれども、償還確実性・収支相償の原則を実効的に担保するためにも、JBICの中で、日米の戦略的投資対象分野を専担で所掌する新たな営業部門を相応の規模で新設するべく検討がなされているところです。

それ以前、当面の対応として、先月4日にインフラ・環境ファイナンス部門に戦略投融資室が設置されているところです。

次の16ページで、JBICの外貨の調達方法について説明いたします。JBICは、財政融資から調達した円をスワップ市場でドルに変換しています。それ以外に、政府保証が付された外債を発行することにより、市場から直接ドルを調達しています。なお、この財政融資と政府保証の割合は、足元数年はおおむね1対1となっています。

次の17ページですけれども、今般、JBICによる多額の米ドルの調達は、スワップ市場あるいは外債市場などをよく見て効率的に行うことが必要と考えられます。そのため、調達環境に応じて最適な調達手段を選択するべく、財政融資と政府保証の割合をおおむね1対1として要求がなされています。

下の表で過去の実績を示しておりますけれども、単年度においてはばらつきがありますが、5年あるいは10年といった平均ではおおむね1対1になっています。

また、日本戦略投資ファシリティにおいては、為替市場への影響を抑制する観点から、融資額の原則5割、つまり、おおよそ財政融資と政府保証の合計額相当について、JBICは外為特会から借り入れることが可能となっています。いずれにしても、市場の状況をよく見て、効率的にドルを調達していただきたいというふうに思います。

最後の18ページ、こちらで産業投資637億円の要求の考え方について説明をしていきます。JBICは法律において、出融資等の与信残高は資本金等の11倍を超えてはならないと規定されています。令和7年度末の見込みの状況を左下の棒グラフでお示ししていますが、資本金等の11倍である約35兆円まで出融資等が可能ということであり、既に出融資等を行っている残高が約17兆円ということですので、これからさらに出融資等が可能な余力は約18兆円となります。そのため、今般、21.5兆円の戦略的投資を行うためには、追加で約3.5兆円の与信枠の拡大が必要となります。その約3.5兆円の与信枠を拡大するためには、その11分の1であります3,200億円の資本増強が必要となります。そのうち2,700億円については、令和7年度の補正にて計上されていることから、残額の500億円について要求をいただいているわけです。そして追加で、日米の戦略的投資以外に、令和7年度補正に計上されましたサプライチェーン強靱化や中堅・中小企業の海外展開支援、それを行うための財政融資が1,500億円ということでございまして、この1,500億円の業務を行うための資本増強として、その11分の1の137億円も併せて要求いただいているということで、総額637億円の産業投資の要求となっているところでございます。

最後に、私ども理財局が考える編成上の論点について説明をいたします。20ページ、日米の戦略的投資においては、収支相償・償還確実性の原則が担保されていく必要があると考えますが、具体的には、今後個別案件が組成されていく中で、日本側の関与の在り方も決まっていくと見込まれます。また、戦略的投資は、これまでにないほど大きな金額規模で、かつ投資案件が日米双方で構成される協議委員会などを経て決定されていくなど、案件組成やリスク審査等の業務が増加あるいは高度化していくだろうというふうに考えます。

そのため、論点としては、1つ目は、業務の増加・高度化に対応するため、JBICの体制整備について、どのように有為な人材を確保するのかという点。もう一つは、戦略的投資は規模が大きく、国民の皆様の関心が高いことを踏まえますと、案件の組成、進捗状況やリスク管理に関する情報をしっかり説明をしていただきたいというふうに思います。当方理財局に対しても適宜報告をお願いしたいというふうに思いますし、当分科会に対しても、少なくとも年に1回は投資の進捗状況、また、リスク管理の状況などについて報告をいただきたいというふうに思います。

以上、私から資料の内容についてご説明をいたしました。是非ご意見をいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

〔翁分科会長〕ご説明ありがとうございました。それではただいまから、ご説明を踏まえまして、委員の皆様からのご意見やご質問をお願いしたいと思います。こちらの会場にいらっしゃる皆様につきましては、名前の札を立てていただきたいと思います。オンラインの方につきましては、挙手ボタンまたはチャットでお示しください。また、ご発言の際に資料を引用される場合には、資料番号と該当ページをおっしゃっていただくようお願いいたします。それから、要求側の方々に直接ご質問をいただいても結構でございます。

それでは、岡田委員、まずお願いいたします。

〔岡田委員〕ご説明ありがとうございます。私のほうからは、ガバナンスとモニタリングの関係でちょっと質問なのですけれども、22ページの資料の図に沿って、通常、官民ファンドなどを日がなチェック、ご報告いただいてというフローで考えますと、この①、②、③で選定された後、JBICから資金がNEXIと併せて行ってSPVの事業が動いていくと。この際に、通常、こちらの分科会のほうではJBICのチェックというのもありますし、官民ファンドという、そちらのほうからご報告いただいてのチェックというのもあると同時に、官民ファンドですと、所管官庁のほうもチェックしていて、併せて説明をいただいたりしていますけれども、この⑥にあるように、資金の分配が日米で50:50ということは、米国側が④という形でステークホルダーになるとすると、日本と同じように米国サイドも、何らか公的機関が出すのか、民間が出すのか、ちょっと④はよく分かりませんけれども、米国のほうのチェックということで、分配が50:50であればリスクも50:50でステークホルダーとして負って、向こうもモニタリングをしていくという場合に、この事業が動き始めたときに、いろんな事業が動くんでしょうけれども、日米でどう調整しながらモニタリングするというふうなイメージなのか。また同時に、一個一個の事業が大きいので、例えば所管官庁というのは、造船だったら国交省とか、半導体だったら経産省とか、それぞれ案件ごとに所管官庁が異なって、場合によっては、その案件ごとに今後進んでいくときにご説明いただくのか、あるいは、もうまとめてJBICのほうで一括して全体像としてご説明いただくのか、その辺りのモニタリングと、場合によってはこのSPVの運営がうまくいかなかったときに、いろいろ注文をつけていくようなこともあるかと思いますが、その辺りのモニタリングとガバナンスの関係というのが日米の間でどう調整されながら進んでいくのかという、現時点で分かるイメージを教えていただければと思います。

〔翁分科会長〕ありがとうございます。

それでは、オンラインで工藤委員、お願いいたします。

〔工藤委員〕すみません、聞こえますでしょうか。

〔翁分科会長〕はい、大丈夫です。

〔工藤委員〕私の方からはコメントをさせていただきたいと思います。

今回の日米戦略投資の枠組みにおいて、日米両国で構成される協議委員会が投資案件の選抜に関わっていくことになると理解しております。関係省庁も参加されるものと承知しておりますけれども、金融のプロフェッショナルであり、様々な投融資案件に実際に参画してきたJBICが協議委員会等で果たすべき役割というのは大きいと考えております。この枠組みを円滑に機能させて、実効的なファイナンススキームを組成し、日米両国の戦略的関係を深化させていく政策意義とファイナンス面での返済蓋然性を両立させるのは大変だと思いますけれども、それをしてこそ日米両国の戦略的関係が深化していくということだと思いますので、そのために、JBICの体制整備と人員の充実というのが必要になるのではないかと考えております。

11月に既存部門の人材を兼任させた戦略投融資室を設置されたとご説明も伺っておりますけれども、今回の規模や複雑性を考えれば、専担の部署と人員が必要であるということは納得できるものだと思っております。当分科会は、機構定員を直接に扱うものではないと承知しておりますけれども、円滑で適切な財投の執行の観点からも、令和8年度に日米の戦略投資に関わる案件を所掌する営業部門の新設というのは認められるべきではないかと考えます。

その上で、有為な人材の確保に当たっては、非常に難しい問題であると理解しておりますが、現状でも必ずしも十分な人員がいるわけではないのかもしれませんけれども、これまでJBICの投融資は後進国中心で、アメリカのような先進国向けであまり扱ってこなかった産業分野等、前例のない本件投融資の枠組み固有のリスク等を評価しなければならない局面もあることと思います。

また一方で、今回の対米投資の期間が3年半と設定されていることを考えると、中長期的には本件スキームに関する新規案件数や残高というのも減少することが見込まれるかと思います。仮に、本件枠組みが一定の時限性を持ったものであり、かつ、案件のスピード感や規模感等がこれまでと大きく異なることを考えますと、JBICにおいて本件に特化した人材採用も行いつつ、それを支える通常と異なる人事報酬体系というのも一つの選択肢ではないかと思います。そういう工夫があってこそ、この財政投融資が健全に行われ、また、償還確実性も確保されるのかなと思っております。

既にしっかりとした体制や支援方針、優秀なレベルの人員を持ち、確立した組織であるからこそ、環境を整備して、JBIC内部の知見と外部人員をうまく組み合わせる余地もあるのではないかと考えておりますので、是非この点も含めて見ていければと思います。

以上でございます。

〔翁分科会長〕ありがとうございました。

それでは丸田委員、お願いいたします。

〔丸田委員〕丸田でございます。ご説明ありがとうございました。私からは質問が1点と、編成上の論点に関するコメントを述べさせていただきます。

ご質問は、今回、今までにない規模の多額の外貨の調達ということで、外為特会から原則半分は調達できるとのことですので、外為特会からの調達分はマーケットにインパクトは出ないとは思うのですが、自ら調達する額も非常に大きいため、自己調達による為替市場へのインパクトが大きくなることによって、何か投融資の実行に支障が出るリスクがあるのかどうか、例えば、場合によっては調達が滞って投融資が円滑に行えなくなるリスクはないのかという点。あとは、そのような場合に外為特会から5割を超える調達をすることで、何かリスクを低減することができるのかどうかといった点をご質問させてください。

編成上の論点でございますが、まさにここにも書いていただいている通りかと思いますが、まず人員体制で危惧するのは、既に現状で、この3ページ目を拝見していましても、JBICの1人当たりの与信残高が他の類似機関よりもかなり高い状況で、かつ今回、複数の最先端の分野、これもエネルギーからAIから多岐にわたる分野を、3年程度で、同時並行でプロジェクトを回していくということになりますと、通常、組織体制として相当なものが必要になるのではないかと思います。その方々の分野ごとの多様なケイパビリティー・専門性も求められますし、先ほど、北米の出融資残高がそこまで多くなく、今まで先進国の取組実績がそこまで多くはないというご指摘もございましたが、人員の確保について、短期でこれだけの規模と分野のチームを立ち上げるというのは、非常に重要かつクリティカルな点かと思いますので、体制整備状況をしっかり見ていく必要があるのではないかというのが1点目でございます。

2点目のモニタリングの点ですが、先ほど岡田委員からもご指摘ございましたが、22ページ目を拝見しても、やはりスキームに複雑な部分があって、このSPVと、一方でプロジェクトの方には日本企業、米国企業の出資が想定される中で、恐らくプロジェクト単位でここら辺の座組であるとかSPVのリスクの取り方も全く異なる、かつ、それが米国側と日本側で共同していくという意味では、モニタリングについてはかなり難易度が高いと思います。そういった意味では、本投資イニシアティブに関する適時のモニタリングや情報開示は非常に重要かと思いますので、こちらの論点に記載していただいているように、複雑性が高い中で案件の組成・進捗状況及びリスク管理に関する情報開示等とそのモニタリングをしっかりやり遂げていただく必要があると思います。

以上でございます。

〔翁分科会長〕ありがとうございました。

次は、有吉委員、お願いします。

〔有吉委員〕有吉でございます。私も、この戦略的投資イニシアティブの関係について、一部お考えを伺いたいという部分を含めて4点ほどコメントを申し上げたいと思います。前提として、今、丸田先生がおっしゃられたとおり、日本にとって非常に重要な枠組みだと思いますので、ともかくうまくやっていただきたいと思っているということをお伝えした上で、コメントを申し上げさせていただきたいと思います。

まず、以前のこの分科会の会合の中でも申し上げたことと重複するところではございますけれど、資料1の22ページの図にある、協議委員会に臨んだり、それから期中のモニタリングを行う際に、償還確実性ということをしっかり意識していただくことが必要であり、その点については、JBICと財務省の方々に主体的に関与していただくことが非常に重要だと思っております。

この償還確実性ということを枠組みの中で日米双方考慮しなければいけないというご説明は、今日も含めて何度もお聞きしているところではございますけれど、米国側を含む各当事者がそういったことを意識するとしても、どこまで確実であれば投資してよいのかという、この水準感については、恐らくJBICあるいは財務省の期待する水準と、それから米国側であったり、日本の他の関係者が考えていることにはずれがあるのではないかと想像するところであります。このように米国側とだけではなくて、経済産業省などの国内の他の関係省庁との間でも考え方にずれが生じる可能性があるということを意識して、財務省、JBICとしては取り組んでいただくべきだと思うというのが1点目のコメントであります。

それから2点目は、直前で工藤委員、丸田委員がおっしゃられていたとおり、人というものが非常に重要になってくると思います。組織構造を再編成するというだけではなくて、人員を増強するということが必要であるわけですけれど、どうやって適切な人材を確保していくのか、その見通しが立っているのかということについて、JBICの状況を伺いたいと思います。

この際、先ほど丸田先生がいろいろな産業分野の専門的な知識が必要だということをおっしゃられたわけでありますけれど、それに加えて、モニタリングの観点で丸田委員、岡田委員がおっしゃられていたとおり、個別のファイナンスのスキームも非常に複雑なものになると思いますし、条件交渉的なものも非常に高い専門性が要求されるということになろうかと思います。そういった意味で、法律であったり、場合によっては税金であったり、それから実務慣行的なところも含めて、金融スキームについての専門的な知識、経験も高いレベルのものが求められることになるわけで、そういった点を含めて人材の確保が非常に難しいのではないかと思うわけでありますが、それが重要だということのコメントと、その点をどうされるのかをお聞きしたいというのが2点目になります。

それから3点目は、今申し上げたことの裏返しなところもございますが、財務省の国際局になられるのか、所管の部署が分からないのですが、JBICを監督する立場である財務省としても、従来とは全く異なる業務状況を前提として監督が必要になると思いますので、これは場合によっては財務省と金融庁もなのかもしれませんが、官としての監督体制も、事前にどうするのかを検討していただく必要があると思います。

それから4点目としまして、償還確実性が認められる投融資が前提だということは重々承知した上で、ただ、金融ですので、どうしても損が出ることは可能性としてゼロではないということであります。その際、JBICにとっては今までの投融資とは比べものにならない金額が1件当たりで対象になってくるということを踏まえますと、万が一、失敗する案件が出た場面においてのJBICの財務状況に与える影響は甚大なものにならざるを得ないと思うわけであります。

そういった中で、今般は産業投資によって増資をしてバッファーを設けるといった手当てがなされることは十分承知しておるわけですけれど、ただ、損失がそれでも賄えないような大きな金額になり得る可能性があるということになります。そういったことが起きたときに、JBICは、もちろんこの戦略的投資イニシアティブもあるわけですけれども、ほかにも多様な業務があられるわけで、そういったものも含めて、影響が生じないようにするというか、過度に波及しないようにする、こういった観点で、万々が一があったときにどうするのかという腹案のようなものは、是非財務省、JBICと事前にしっかり検討しておいていただきたいと思います。

私からは以上です。

〔翁分科会長〕どうもありがとうございました。

それでは、土居委員、お願いいたします。

〔土居委員〕ご説明どうもありがとうございました。日米合意に基づいての取組ということですので、できるだけいい結果が得られることを期待しております。

改要求で財政融資、産業投資などを要求されるということですけれども、資料1の37ページにJBICの財務状況があるわけですけれども、一般業務勘定で資産が20兆円という中で、これはスライドの11枚目ですけれども、この7年度補正・8年度で21.5兆円の出融資というわけなので、ほぼJBICの規模が倍になるというような、それぐらいのマグニチュードだということですので、1件質問と1件コメントなのですけれども、コメントとしては、それだけ規模が大きくなるということで、職員の方1人当たりのモニターしなければならない金額規模が大きくなるということですので、しっかりお仕事をなさっていただくならば、金額が増えるということだけで、直ちに業務負担が過重になるというようなことにはならないとは思いますけれども、案件がどれだけ追加されるかということ次第で、そのモニタリングコストも相当かかってくるかもしれないという、杞憂であってほしい心配があります。先ほど来、他の委員の方も何人かおっしゃっていましたけれども、やはり定員増要求は不可欠だと思いますし、これを認めていただかないと、なかなか資産規模が倍増するようなインパクトで営むこのファシリティの業務ですので、できるだけ効率的に業務を営んでいただく必要があるのではないかなというふうに思います。

特に質問というところでいうと、これから来年度も含めて21.5兆円の出融資があるということですので、これまで既存の案件として営んできた1件当たりの規模に比べてどれぐらい大きくなりそうかと。もちろん個別案件は大きいのも小さいのもあると思うのですけれども、それなりに大きな、今までよりも大きな金額の案件が今回のファシリティで組成されるということだと認識しておられるのか、それとも、結構細々とした案件をたくさんそのファシリティで組成するということになりそうなのかという、大まかなイメージで結構なのですけれども、そのどちらかによって大分、職員を何人確保しなきゃいけないとか、職員の業務負担とかが変わってくるというふうに思いますので、少なくとも今の段階である程度アバウトにはそれを把握していないと、何人必要かというのもなかなか把握しにくいのではないかなと思いますので、細々とした金額をお聞かせいただく必要はないのですけれども、今までの一般業務勘定で営んでいた案件と比べると、1件当たり大きくなるのか、それともあまり変わらないということなのかというあたりの見通しについてお伺いしたいということです。

あと、コメントをもう一つだけ申し上げると、論点の20ページのところにもありますように、やはり少なくとも年1回財政投融資分科会でこの進捗状況をご報告いただくということは、是非お願いしたいところであります。

私からは以上です。

〔翁分科会長〕ありがとうございました。

それでは、山内委員、お願いいたします。

〔山内委員〕ご説明ありがとうございました。この日米投資の件は、私も限られた範囲で聞いている限りは、非常に大きな大変な案件だと思われながら、民間企業の方にとっては、今まで少し逡巡していた海外投資、対米投資の一つのきっかけだというふうにポジティブに捉える方もあります。株式市場でも、この案件が直接影響しているかどうかの立証はできないのですけれども、ここに関わっている会社さんの株式が将来期待から上がっているという現象も見られています。この機会を是非活用し、日本経済、企業、生活者の方々の福祉や福利が高まっていけばと個人的には思っています。

その上で、今いただいた論点の中で、人材の面が1点、それから開示について2点申し上げたいと思います。

1点目は、委員の皆様ご指摘のとおり、私も理財局様の担当ではないと承知の上で、人材の十分な確保は是非ご検討いただきたいと考えています。新しい事業を始める場合、人員の負荷が一番大きいのは組織の立ち上げのときです。今回の案件は非常に限られた期間で大規模にやりますので、当然最初にその人員的な負荷がかかってくると思います。その後については、工藤委員ご指摘のとおり、私はだんだん落ち着いてくるのだと思うのですが、こういった場合の定石的な手段が3つあります。1つはもちろん人員の採用です。2つ目が出向者の受入れです。事業に関係する人を受入れます。3つ目がアウトソーシングです。今回の案件内容で、モニタリングに関してアウトソーシングできる部分は限定的かもしれませんが、例えば、先ほど有吉委員がおっしゃったとおり、ストラクチャリングで外部の方の力を使うこともあると思います。事業内容によって内部でやるべきところと外部に任せるところを区分けし、なるべく効率的に回していただける体制をご検討いただければというのが1点目でございます。

2点目のモニタリングについては、2つございます。1つは、JBICさんの案件に限った話ではなく財投全般に言えるかと思うのですけれども、民間企業が関わった案件で、開示、モニタリング、報告を求めると民間企業側が嫌だと言っているという反応が間々起こってくると。もちろん、守秘義務があってそういった反応が出るのは自然なことだとは思うのですけれども、最初からそれが前提となってしまうと、これほどの案件が何かよく分からないまま進んでおり、うまくいくかどうかも分からないという状況が、国民の皆様から見たら起こり得るのではと思います。したがって、モニタリング、報告、開示の仕方については案件に関わる企業の方も含めて慎重に検討いただき、なるべく情報を開示して皆さんに安心して捉えていただき、皆でポジティブにこれを支援しましょうと、そういう機運ができればと考えております。民間企業の皆様とのモニタリング、報告、開示、これをどうするかというのが1点でございます。

もう一つは、やはり私が承知している範囲ではですけれども、財投に限らず一般的に、国際共同事業で相手が一方的に抜けてしまい、自分たちが置き去りにされて損をかぶるケースがあります。これをゼロにすることは不可能です。ただ、それを分かった上で、JBICの皆様には、モニタリング内容について、日本企業の皆さん、共同投資をする米国企業の皆さん、関係する米国機関の方々がしっかりコミットしているかをご覧いただき、それを報告、開示という形で皆様にお伝えできる形が望ましいのではないかと考えております。

以上でございます。

〔翁分科会長〕ありがとうございました。

それでは、野村委員、その後、小橋委員ですね、お願いします。

〔野村委員〕ご説明ありがとうございました。私からも日米の戦略的投資イニシアティブについて2点申し上げたいと思います。

1つは、これはもう非常に国民の関心の高いところなので、是非説明責任をしっかり果たしていただきたいと思っております。例えば、25ページの共同ファクトシートなどが開示されていますけれども、これを見ますと、本当に初歩的なレベルでいいますと、あれ、何でこんなにアメリカ企業にJBICさんがたくさん投資するのだろうと違和感を抱く人が少なからずいるのではないかと想像いたします。2023年の改正JBIC法でサプライチェーンを担う外国企業の支援も可能になったことにぴんとくる人というのはほとんどいないと思われますので、どのような根拠を基に、どんな対象に、どんな目的でということをきちんと説明する必要があるかと思います。

その説明に当たっては、こちらの表にも、例えばエネルギー、AI向け電源開発、重要鉱物など書かれていますが、こういう分野別のポートフォリオみたいなものをお示しして、それぞれの投資の意義みたいなものを説明していくほうが、広く皆さんにとっては分かりやすいのではないかなと思っております。

そして、論点にもございましたが、当然、こちらの財投分科会にも進捗を随時、1年に1回と言わず、ご報告をいただきたいというふうに思っております。

それから2点目は、これはもう皆さんがおっしゃいましたが、私も人材確保をどう進めるのかということを非常に懸念しております。出融資の残高約3倍にするということで、人材が3倍必要という単純な計算ではないとも思いますし、既に優秀な方は現在もいらっしゃると思いますけれども、それにしても人手不足は明らかなので、体制を早急にどう整えるのかということについて、これは質問でお伺いしたいと思っております。

以上です。

〔翁分科会長〕ありがとうございました。

それでは、小橋委員、お願いします。

〔小橋委員〕小橋でございます。ご説明ありがとうございました。他の委員の方から、もう様々な意見が述べられているので、私のほうからは少し大きな視点にはなりますが1点、今後その情報開示をどうやっていくかということにも関わってくるかと思うので、意見を述べさせていただきたいと思います。

覚書の中で、今回の資料の22ページにもありますけれども、投資先というのは投資委員会が選定をする。そこで日本の側も協議委員会の構成メンバーとして意見をすることはできるわけですけれども、左下にもあるように、最終的に投資先を選定するのは米国大統領でありまして、それに対して日本側がレビューをする期間というのが設けられているということが覚書にも明記をされているかと思います。

しかし、このレビューの後に、米国大統領に求められた資金提供というのを断る権利もあるわけですけれども、それを断った場合は、関税を引き上げるという、日本からのアメリカの輸入品に対して、アメリカが日本から輸入する産品に対しての関税を引き上げるということが覚書にも明記されています。これは、皆さんご存じの相互関税の15%が引き上げられるということも想定されますし、あるいは、今回日米政府の戦略投資でも重要なプロジェクトの分野となっている半導体や医薬品、これらは相互関税のスキームの中では例外扱いをされています。15%の対象外になっておりますが、この例外扱いというのも撤廃される可能性もあるということで、この日米戦略的投資というのは、日本全体にとってのコスト・ベネフィットというのを考えたときに、この財投の範疇を大きく超えた話になってきていると。しかも、それを戦略的に米国大統領の、あるいはアメリカの側は覚書の中にも明記しているということですので、この点をどのように考えながら実行していくかというのがすごく難しいのかなというふうに思っています。

そうなると、今日のお話の中でも強調されていたように、この日米政府の戦略的投資というのは、あくまでもJBICさんの一般業務の範囲内で行うということで、個別案件ごとの償還確実性の担保というのが大変重要になってくるというのは、私なりに理解をしたつもりではありますが、この個別案件ごとの償還確実性を担保するというのは、相手のいることですので、このアメリカの側がやっぱり主導を握っている話ですので、なかなか難しい可能性もあるのではないかなというふうに思いました。

そうすると、今後、情報開示、説明責任を果たすというのは非常に重要だと思います。この規模感を見ても、それから国民の関心も大変高い案件ですので、説明責任を果たすべきというのはそのとおりだと思うのですけれども、その際に、相手がいる、アメリカ側が主導権を握っていて、相手に大きく依存している部分とそうではない部分というのを切り分けて考えたほうがいいのではないかなというふうに考えます。

つまり、依存する部分というのは、投資先の選定はあくまでやっぱりアメリカ主導で行っていくものですので、個別案件ごとの償還確実性の担保というのはできない可能性も往々にしてあるというふうに考えられます。一方で、例えばアメリカ側にはあまり依存しない部分、例えば、先ほど丸田委員からもご指摘があったような、JBIC自身の外貨調達における様々なリスク管理の在り方だとか、そうした相手に依存しない部分というのは、きちんと詰めていく必要があるのではないかなというふうに感じました。

以上になります。

〔翁分科会長〕それでは、オンラインで渡辺委員、お願いいたします。

〔渡辺委員〕渡辺です。1点お尋ねさせてください。

ファンディングについての質問なのですけれども、外為特会からのドルの資金手当てについては取り立てて問題がないと思うのですけれども、他方で、円の資金をJBICが手にして、それをドルに転換して利用するという場面がきっとあり得る、あるいは金額的にもそれなりにあり得るのだろうというふうに想像します。その場合に、どのタイミングで円とドルへの転換をするのかというのは、為替の変化ということを考えたときには非常に大事になるわけでありますけれども、その点について、現時点でどういうタイミングで、一般論としてで結構で、いつやるとかということはまだ決まっていないとは思うのですけれども、どういうお考えの下でタイミングを決めるのかということについて教えていただければと思います。よろしくお願いします。

〔翁分科会長〕ありがとうございます。

それでは、ただいまの委員のご意見、ご質問に関しまして、ご回答をお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。

まず、財務省からお願いいたします。

〔財務省渡邉副財務官〕副財務官をしております渡邉と申します。いろいろコメント、ご質問ありがとうございます。大きく分けて、モニタリングに関すること、人員確保に関すること、ファンディングに関すること、償還確実性に関すること、それから財投への報告といったようなことだと思います。順次順番にお答えしていきますが、もし漏れがありましたら再度お尋ねいただければと思っております。

まず、財投分科会への報告につきましては、もちろんこれは重要な案件で、コメントにもございましたように、国民の関心も非常に高いということでございますので、でき得る限りの状況の報告をすることについては、それは当然だというふうに考えてございます。

それから次に、ファンディングにつきまして、基本的に外為特会から半分貸すということにしておりますけれども、そもそも外為特会からJBICに貸すということについては、外為市場の安定に寄与するという目的でございますので、そういったことも踏まえますと、仮にでございますが、このイニシアティブによる外貨調達において外為市場に悪い影響があるということであれば、原則5割としておりますので、その原則を超えた対応というのも十分検討の範囲に入っているということを申し上げたいと思っております。

次に、人材確保に係るJBIC側の要求につきましては、この後JBICさんのほうからご説明があると思いますけれども、監督官庁である財務省国際局で開発政策課というところがJBICを所管しておりますけれども、そこにつきましても、我々は増員を要求してございます。

それから、先ほど、大変関心が高いということでございますし、何でこれをやっているのかということの説明が必要だというのは全くそのとおりでございますので、そもそも日本に裨益しないといけないと。先ほど理財局に説明いただいたサプライチェーン強靱化に係る新たな業務につきましても外国企業に貸せることにしたとはいえ、やはり日本のためになっているということが大前提の制度でございますので、これにつきましては、なぜこの企業なり、このプロジェクトにこのスキームを使って投資しているのかということにつきまして、その意義について説明するというのは必要だというふうに考えてございます。

それから、モニタリングにつきまして、これはアメリカと一緒にやる事業でございますので、アメリカ側のモニタリングとの調整ですとか、そういったことにつきましてもちゃんとやるべきであるというようなことでございましたし、それから、償還確実性についてもコメントいただきました。資料にも書いてございますけれども、JBICが融資をする際に、JBIC法におきまして、日本企業への裨益というのが大前提で、その上で個別案件の償還確実性を確保しなさいということと、それから収支相償であるということは法律で決まっておりますので、そういったものをちゃんと確保している案件にしかできないということでございます。

そこに悪魔が潜んでいるのではないかというようなご質問だったと思うのですけれども、そこは、日本側としてこの協議委員会に参加するのは、官庁としては財務省と、経産省と、それから外務省ということで、当然JBICとNEXIも入ってやるということでございます。その中で、対アメリカということであれば、もちろん日本の中で意見の相違があってはならないということでございますので、日本として統一的な対応を取るというのは当然でございます。その際に、財務省はJBICを所管している官庁として、JBIC法に違うようなことは認められないということを主張していくというのは、加藤前大臣も発言しておりますけれども、全くそのとおりでございますので、温度感が違うのではないかというような、そういった場合どうするのかというご質問につきましては、温度感は違ってはならないということで、温度感をそろえるように我々は主張していくということに尽きるというふうに思ってございます。

それから、先方のコミットメント、企業ですとか、そういった抜けてしまうような場合があるのではないかということでございます。これは通常のプロジェクトファイナンスにおきましても、そういった事態というのは起こり得るものだと思いますし、そういったことに対してどういった対応をするのかというセーフティーネットのようなことというのは、そういった知見をJBICさんは大変お持ちだと思いますので、そこはインプットいただいて、そういったスキームにしていくということを協議委員会の場で主張し、そういったものにしていくということでございます。

それから、ちょっと言い忘れましたけれども、モニタリングにつきまして、協議委員会の場で、それぞれのプロジェクトについてどういうスキームでやっていくかということについて細かく詰めていくわけでございますが、計画上、ちゃんとモニタリングですとか、償還確実性だとか、収支相償というのが確保されているというだけでは当然不十分でございまして、それが実効的に担保できる、執行段階においても担保できるような体制をこの協議委員会の中で議論してつくっていくということが大切だというのは我々も認識しているところでございます。

取り急ぎ、私からは以上であります。

〔翁分科会長〕ありがとうございます。

それでは、JBICのほうからお願いいたします。

〔株式会社国際協力銀行経営企画部小松部長〕JBIC、国際協力銀行でございます。ご質問等賜りまして、誠にありがとうございます。幾つか、今副財務官からあったお話と若干重複するかもしれませんが、委員の皆様から少し個別にいただいている観点もあると思うので、基本的には順番に、補足するということの観点で申し上げられればと思います。

まず、岡田委員からいただきました、要するに、米側もいる、SPVというこのストラクチャーがうまくいかなかった場合どうする、こういう観点もある中で、どういうふうにそこをモニターする、チェックする等やっていくのか、他省庁もいる中でということでございました。ただこの点は、最終的には私ども、これは監督官庁が財務省さんでございますけれども、その中において、きちんと自律的に一件一件、償還確実性というものを確保するということをやりながらストラクチャーを組んでやってきているというところがございます。統合的リスク管理は金融庁さんのチェックを受けているということでございます。ということで、その1件をしっかりとやっていくということが大事で、かかるストラクチャリングをしっかりすることと、それを確保するという意味で、まさに協議委員会というのがございますので、そこできちんと、それ自身も法令遵守という観点で、日本として必要ということを政府と一丸となって一体として取り組むということでもってきちんとやっていくということで、その後、その状況はどうなっているかということについては、基本的には、我々は財務省さんと一緒に、分科会等も含めてですけれども、ご説明をしていくということではないかなというふうに考えております。

続きまして、人員の話についても各種ご指摘をいただきましてどうもありがとうございます。これはもうおっしゃるとおりでして、まず、現在、戦略投融資室というものを、まず当座の対応という意味では立てさせていただいたのですが、いかんせん、この短期に急激に専門性の高い人員を新たに確保することができなかったので、今は兼任体制で始めているということでございます。ただ、現時点におきましては、これは1件目のストラクチャーもないという状況でございますので、むしろ各分野をよく見ている企業担当、産業担当というものの人員を活用しながらやるほうが、よりセキュアなものがつくれるという観点もございますので、むしろこの形で始めるというふうにしています。

他方で、来年度等に行きますと、新規の予算というものを確保する形で新規の増員をするということを考えていますが、この点も、そうは言ったって、もちろん人材市場も逼迫しているという話もあるでしょうということと、専門性とかがあったので、そこなのですけれども、構えとしましては、やはりそうはいっても、海外のプロジェクトファイナンス、大型の国際金融、こういったものに取り組んできた人員がかなりいますので、それをむしろこちらのほうに登用するということをしながら、新たに雇った人間をむしろ既存の部署のほうに入れていくといったようなことなどを含めて総合的に進めるということが1つ。

それから、先ほどモニタリングのアウトソースの話もありましたが、もうまさしくこれもおっしゃるとおりだというふうに思っております。特に先ほど、税であったりとか、そういった法律といった観点もある、そこもそうだと思っております。この点もJBICもこれまでグローバルに各国、米国もそうでございますけれども、例えば資源開発でありますとかということをやってきているときに、国際的な弁護士事務所等の活用ということもやってきております。そこの活用をさらに幅を広げるような形をしながら、そういう専門人材も有効に活用するということを含めてやっていければなというふうに考えております。

続きまして、仮にうまくいかないというようなことがある場合、特に米国向けのアセットが大分積み上がるということになる場合について、腹案みたいなものを持っておくべきではないかというご指摘もいただいたというふうに認識しております。この点おっしゃるとおりでございますが、まず何より一件一件の償還確実性というのを確保するということで、きちんと1件ずつストラクチャリングを確保してやっておりますので、そこがまずあるということをやった上で、そうはいっても、与信集中をするでありますとか、そういったことに関する管理、統合リスク管理を実施しておりますので、この中においてきちんと管理ができるようにするということを考えながらアセットを積んでいくということを考えたいと思っております。

それから、土居委員のほうからいただきました、1件当たりの金額等がどのぐらいなのかという観点のご質問ありました。すごく細かい積算があるわけではないのですけれども、少しざっくりとはいたしますけれども、申し上げますと、これまでの案件は、実は中堅・中小企業さん向けのグローバル展開も大事なので、数億円単位のものもあったりするのですけれども、少し大きめの案件ということでいうと、数十億円から100億円ぐらいというような規模感、まあ少し大きめというようなものというのがこれまでというふうに考えた場合に、今回ですけれども、少なくとも、もっと大きいのもありますが、10倍、10億ドルとかいう単位はあり得る。どういうことかというと、例えば、大型の資源とかインフラの案件、電力の案件とかは、当然そういうケースがもともとあるのですけれども、今回言われておりますのは、例えば半導体の工場、これは完全にアセットのほうの装置産業でございますので、その分での設備投資が増えるのと、あとはAIデータセンター、これも非常に大型、もう世の中ハイパースケーラーがやっているという話も報道のとおりでございます。ということからすると、1件当たりで10億ドルといったような単位の案件等が出てくるということは想定され得るということでございます。

したがいまして、大事なことというのは、これに関するこれまでの知見等を生かして、ただ、新分野だということがありますから、外部の知見というのも組み合わせるということをやり、かつ、民間金融機関等との協調融資等もしておりますので、関係者間できちんと合意する形でストラクチャリングをする形で進めたいというふうに考えております。

それから、モニタリング等に関することについて申し上げます。JBICは、これまでもなのですが、もちろん商業上の秘密という観点でお出しできないというケースはまれにあるのですけれど、基本的に全件開示をしております。金額までは出せないケースもあるのですが、全件開示をし、どんな案件をやっている、どういう意義をやっているということをやっております。したがいまして、むしろJBICを使うことで、見える形で意義をきちんと示していくということではないかなというふうに思っておりますので、そのようになるようにやっていきたいなというふうに考えております。

それから、最後、ファンディングのところで為替の話を渡辺委員からしていただいたと思いますので、それについて、もう一人の者から説明させていただきます。

〔株式会社国際協力銀行財務部茂垣部長〕それでは、最後に渡辺委員からいただきましたスワップの円をドルに転ずることのタイミング、どういった考えで行うかといった点でございます。基本的には、私どものこの外貨の管理は、資金繰りと、それからそのときのこれを調達する市場の状況、こういったところをよく勘案しながら調達をするということで、タイミングの決め方という意味では、そうした資金繰りとマーケットの状況ということになります。

他方で、外貨の調達そのものは、スワップのみならず、社債の発行といったところもございます。この社債の発行とそれからスワップ、こちらの使い分けも、一度に大きな金額を取れる方法としては社債のほうが優れていますけれども、これは準備に一定程度時間を要するといった点が特徴です。これに対しまして、円をお借り入れさせていただき市場でスワップするというやり方は、社債に比べますとより機動的にできるといったところもございますので、この両方の違い、そういったところも勘案した上で、資金繰りをよく見ながら、スワップで行く場合のタイミングというものを考えるということでございます。

以上でございます。

〔翁分科会長〕ありがとうございます。

理財局のほうから何かございますか。よろしいですか。

さっき有吉委員がご質問された、万々が一のときの財務に与えるインパクトで、JBIC全体に波及しないという、何かリスク遮断みたいな、そういうことは特に現時点では考えておられないのでしょうか。

〔株式会社国際協力銀行経営企画部小松部長〕では、国際協力銀行のほうからその点についてお答えします。少し答えが不十分で恐縮ございました。これは、統合リスク管理をきちんとやるということに最終的に尽きるというふうに思っておりまして、例えばリスクを取る、これはもう諸先生方のほうがお詳しいとは思うのですけれども、リスクアセットというものをきちんと資本金の中の範囲内に収める形で管理をしていくと。このリスクというのは、信用リスクという相手の信用、要するに破綻する云々というお話と、あとはマーケット、さっきからの為替とか金利というような変動のリスクといったようなもの、これも市場関連リスクということでございます。それから、JBIC自身の流動性のリスクといったようなものもありまして、これは資金調達等ということが支障をきたすということがないようにといった観点、それから事務ミスを犯さないオペレーショナルリスクといったようなものがある。こういったものを統合的に管理するということをやるということを常にやってきております。

確かに今回、20兆円が例えば60兆円だとか、そういう3倍になるというようなことになると、そこの中においてきちんとそれが果たし得るのかという観点、これは確かにおっしゃるとおりだというふうに思っておりますので、一件一件積み上げていくに当たりましては、今申し上げました各種のリスクに与える影響ということを見つつ、ただただ要するに出てきているものというものをそのままやっていくということではなく、必要があればきちんと分野でありますとか、金額、規模、期間、そういったようなものについても勘案して、コミットメントの内容ということを詰めていくということだと思っています。

もっとも、JBICとしては、先ほども若干申し上げましたが、民間金融機関さんと協調融資で償還確実性のある案件をやるというふうにしておりますので、基本的には、もちろんリスクは残るのですけれども、確実性というものをきちんと審査した上でやると。これを法令遵守という形で協議委員会でもきちんと示していくということをやりまして、そこが基本かなというふうに思っております。

以上です。

〔翁分科会長〕ありがとうございました。

追加的にご質問ございますか。よろしいでしょうか。

ありがとうございました。今日はまさに論点のとおり、いろいろなご意見が出ましたので、しっかりと私どももモニタリングをしていくということが大事になってまいりますので、是非今後とも進捗状況などをご報告いただいて、しっかりと役割を果たしていければと思っておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。

それでは、ありがとうございました。ここで副財務官、それから国際協力銀行の関係者の方々にはご退席いただきます。どうもありがとうございました。

(渡邉副財務官、国際協力銀行関係者退席)

〔翁分科会長〕今、電力広域的運営推進機関の方々が入室されていますので、ちょっとお待ちいただければと思います。

(電力広域的運営推進機関関係者着席)

〔翁分科会長〕それでは、電力広域的運営推進機関について、資源エネルギー庁及び高橋計画官より、要求の概要及び編成上の論点の説明をお願いいたします。

〔資源エネルギー庁電力・ガス事業部久米部長〕経済産業省資源エネルギー庁電力・ガス事業部長の久米でございます。資料2-1に沿ってご説明させていただきます。

まず、3ページをご覧いただければと思います。本日のご説明の前提となります電力事業の概要について簡単にご紹介いたします。電力事業は、従来、地域独占電気事業会社で行われているという時代もございましたけれども、1995年以降、段階的に電力システム改革を実施してきておりまして、今は、送配電事業につきましては従来型の規制が残ってございますけれども、小売事業は自由化され、発電事業も自由化され、それぞれ必要な規制、制度の中で運用されてきているということでございます。

続きまして、4ページをご覧いただければと思います。本日ご議論いただきます電力広域的運営推進機関の概要でございます。このシステム改革の中で、2015年4月に、送配電網の広域運用の司令塔として電力広域的運営推進機関――英語の略称で申しますとOCCTO、日本語では広域機関というふうに申しておりますけれども――が創設されております。この広域機関は、電気事業法に基づいて設立されております認可法人でありまして、全ての電気事業者に加入義務がある、こういう機関でございます。

電力広域的運営推進機関の任務といたしましては、下の図に書いてございます需給逼迫時における需給調整という役割と、中長期的な電力の安定供給の確保という役割が大きな役割としてございますけれども、本日のお話との関係では、特にこの②の電力の安定供給の確保という観点が重要でございます。現在も各電気事業者の電力供給の計画を取りまとめ、それを国に提出する、あるいは地域間連系線の増強の方針を示すマスタープランを策定し、それに基づいて各電力会社の連系線の整備を推進するといった事業をやっているところであります。この広域機関は、民間から出資を受けていない認可法人でありまして、財投機関になり得る組織というふうに法律上は位置づけられてございます。

この上の四角囲いの2つ目のポツでございますけれども、供給力確保のための容量市場の運営、あるいは再エネ特措法に基づくFIT・FIP納付金の管理といったことも実施しておりまして、こうした業務の関係で、年間4兆円から5兆円の資金を取り扱う業務をやってございます。新たな融資業務ということを設置いたした場合には、法改正をいたしまして、こうした既存の業務との区分経理ということを行って、適切に管理をしていく必要があるというふうに考えてございます。

続きまして、5ページでございます。この広域機関の国との関係でございますけれども、一言で申し上げますと、この機関における組織の形とかガバナンス、事業計画、予算も含めて、この組織の活動に係る重要事項は全て経産大臣の認可事項となってございます。

続きまして、要求の概要のご説明をさせていただきます。

7ページをご覧ください。後ほど少し詳しくご説明いたしますが、電源や系統の整備にかかるリードタイムを考慮いたしますと、DXやGXによる今後の需要拡大、2050年カーボンニュートラルに対応するために、短期間に集中して大規模な投資を行う必要があるというふうに考えてございます。特に、民間からの資金調達が難しい長期かつ大規模な投資に対しては、財政融資を活用した融資を通じて支援を行うことで、この供給力確保や系統整備の対応を迅速化してまいりたいというふうに考えておりまして、令和8年度におきましても、電源及び系統において、長期かつ大規模な投資案件が複数件想定されることから、必要な財政融資の要求を行いたいと考えてございまして、具体的な金額については、下記記載のとおりでございます。

具体例として、8ページをご覧いただければと思います。これは参考として1つ、東電PG、これはパワーグリッドという東電の送配電会社でございますけれども、この会社がこれまで千葉の印西・白井といったエリアで系統整備を進めてきた状況についてご説明をしてございます。この地域は、地盤が固いということと都心へのアクセスがよいといったことがございまして、近年、電力需要が増加しております。東電パワーグリッドでは、こうした需要に対応するために、これまでもかなり先回りをして超高圧変電所を整備するなどして必要な対策工事を実施してきておりますけれども、現時点でも供給可能量を超える需要の申込みが相当来ておりまして、さらなる対策工事が必要だということが見込まれまして、これを迅速に進めていくということが必要になってきているという状況でございます。

続きまして9ページでございます。大規模な電源整備の例、ここでは原子力の例を挙げさせていただいておりますけれども、原子力再稼働を進めてきてございますけれども、この再稼働を進めるに当たって、東京電力福島第一原子力発電所事故を教訓とした安全対策をしっかりやっていくということが大前提であります。この地震を踏まえて、原子力発電所で申し上げれば、止める、冷やす、閉じ込めるというそれぞれに必要な規制、対応について相当根本的な見直しをしておりまして、それに対応するための安全対策投資ということをしっかり行った上で、脱炭素電源としての原子力発電所の電気が世の中に供給されることが可能になるといったようなことでございます。詳細の説明は、本日は省略させていただきます。

続きまして10ページ、日本における電力需要の見通しでございます。日本の電力需要は従来、緩やかに減少する見通しでございましたけれども、先ほどご紹介したようなデータセンターあるいは半導体工場の新増設等によりまして、特に産業部門の電力需要がこれから大幅増加するという見通しがございまして、これが今後10年見込まれているということをこのグラフでお示ししているところでございます。

続きまして11ページでございますけれども、そうした中で、データセンター、半導体が典型でございますけれども、これから電気を使う産業が増えていく、あるいは伸びていく必要があるという中で、新しい電気、電力については脱炭素化を進めていく必要があるということで、再エネであれ、原子力であれ、あるいは火力の脱炭素化されたものであれ、そういったものの投資を進めていくことによって脱炭素電源を増やしていく、さらに、送配電もきちんと整えていくということができて初めて、データセンターをはじめとする様々な産業の脱炭素化が可能になっていくというふうに考えてございます。

12ページ、今後の脱炭素投資の見込みでございますけれども、需要増の中で、脱炭素電源で対応し、系統を整備していくという投資を行っていく上で、相当程度の投資を長期間にわたって行っていく必要があるという見通しが、これは我々の電力・ガス基本政策小委員会という審議会でご議論をいただいている中で、みずほ銀行よりプレゼンがあった資料を参考までに載せさせていただいております。

続きまして13ページでありますけれども、地域間連系線というものの整備が、これも我が国にとって大変大事な課題でございまして、再エネの大量導入、あるいは電力の安定供給ということをやっていく上で、需要があってから送配電線の計画を立てるということではなくて、先を見越して計画的に送電線をしっかり整備していくということで、マスタープランというのを広域機関でつくっていただいて、それに基づく整備を進めてきております。

過去10年間で整備してきたものが青い枠囲いで囲ってございますけれども、例えば北海道と東北の間、あるいは東京と中部の間といったところで、相当大規模な増強をしてきておりますけれども、さらに、この緑で囲ってある送電線の増強ということも、今後10年あるいはもう少し長いスパンでやっていかなければいけないという計画がつくられているところでございます。

続いて14ページでございます。こうした環境の中で、ファイナンスというのが極めて重要な課題になってございます。この表の大規模投資の必要性については、ただいまご説明したとおりでございますけれども、では、このファイナンスをどうしていくのかという点につきまして、今ご説明したような電気、電源、系統整備については、建設期間が長期間にわたる、その建設期間中は収入がないという中で、事業者は資金の立替え負担が生じる中で、資金調達力というのがなかなか厳しくなってきているということであります。一方で、この電力需要に対しての対応をなるべく短期間で実現したいということが我が国の産業政策上大変重要な課題だというふうにも考えてございまして、この長期・大規模な投資をいかに短期間で実現していくのかという点について、大きな政策課題であるというふうに考えてございます。

もちろん、電力事業は、民間事業でございますので、必要な資金は基本的に民間融資で調達すべきものだというふうに考えてございますけれども、やはりこの長期資金が短期間に集中して調達・供給できるのかというところで、なかなか民間だけでできない部分もあるのではないかという問題意識でございまして、ちょっと参考資料のほうに飛んでもらって恐縮なのでございますけれども、26ページと27ページで、我々の審議会におきまして金融機関から話をお聞きしたときの資料をつけさせていただいております。

26ページでは、これは金融機関へのヒアリングをした際に三井住友銀行よりプレゼンいただいた資料ですけれども、この右の点線の中でご発言いただいた中身を書いてございますけれども、ちょっと字が小さくて恐縮でございますけれども、電力会社が大規模・長期、かつ可能な限りの低利での調達を展望した場合、民間金融機関のみでは好条件で必要金額を賄い切れない可能性もあると。政府の信用力を活用した融資のように、真に取り組む意義のある案件を見極めた上で、国にも量の補完をいただくような制度措置を可能な限り早い段階でご検討いただきたいといったご指摘。あるいは下のほうで、ファイナンスの観点からは、官民が担うそれぞれの役割を最大限協調して発揮するということで、電力業界、日本経済の持続的な発展を支えていく必要があるといったご指摘をいただいてございます。

27ページでございますけれども、これはDBJ、日本政策投資銀行よりプレゼンをいただいた際の資料でございますけれども、DBJ自体、エネルギー分野で投融資残高の全体の25%を占めているということが、この左の青い枠の中の下のほうに書いてございます。これは、連結自己資本と大体同じぐらいのエネルギー向けの残高も残っているということで、なかなかこれからどんどん出せるという状況ではないという中で、各金融機関とも、本件に対する融資あるいはそれを通じた電力会社の投資を進めていくことの重要性はご理解いただいているわけですけれども、その上で、量の補完という点について、国の一定の役割が期待されているということだというふうに認識をしております。

戻っていただきまして14ページ、そうした中で、需要家ニーズへの対応を迅速化したいというのが経産省としての考え方でございまして、それを絵にしてみたものが15ページでございます。

ファイナンス支援がなくても一定の投資は進むのだろうというふうに思ってございますけれども、やはりこの供給力の確保というのを前倒しするための政策手段というものの一つとして、今回の融資制度というのを活用できないかというふうに考えてございます。

続いて、融資のスキーム、16ページでございます。このイメージ図で1点大事なポイントが、広域機関に対して電気事業者が融資申請をしてきた場合に、この個別の案件ごとに経産大臣が確認して、その必要性をしっかり判断をするというプロセスを通じて融資を決めていくということを想定してございます。

続いて17ページでございます。官民協調についての考え方、これは官民協調・民業補完ということが原則でございます。複数の民間金融機関からの融資があるということを前提としまして、公的制度の関与は必要最小限のものとするという観点で融資額、貸付利率、融資期間を設定していくということを考えてございます。融資枠は、総融資額の3割程度など一定の上限を設定することを原則といたしまして、貸付利率も民間数字並みの金利水準、融資期間についても政策目的にかなう適切な期間というふうに考えてございます。

償還財源の確保について、18ページでご紹介いたしたいと思います。まず、電源について、投資回収の予見性が担保されているような案件を対象とするというふうに要件を設定しようと思います。この右側の吹き出しにありますように、長期脱炭素電源オークションの落札案件、これは、固定水準の容量収入を20年間得られるというのが、この長期脱炭素電源オークションという制度でございます。そういったものでありますとか、投資適格である契約先との長期PPA、電力購入契約を結んでいるというような、しっかりとした回収確実性が高いというものについての融資を前提としたいというふうに考えてございます。

その上で、この広域機関の財務基盤としまして、利息収入等を活用して、融資残高の4%以上の純資産またはそれと同視し得るもの、8%以上の高流動性資産を維持していくということを求めていきたいというふうに思ってございます。それでも万が一、償還財源が不足し得るというときには、一般送配電事業者から拠出金等を回収するという枠組みも用意したいというふうに考えてございます。

その上で、この広域機関のガバナンスということも大変重要だというふうに思っておりまして、この広域機関は、理事会以外に、総会による議決、国の認可、有識者による評議員会、運営委員会といった形で多層的にチェックするガバナンスがございますけれども、今回の融資ということを想定いたしますと、電源融資の担当ライン、系統融資の担当ライン、融資管理室といったものを新設いたしまして、担当ラインが事業者との調整等を担い、融資管理室は担当ラインから独立した立場で審査・与信管理を実施するということを想定しております。また、監査室において各部門の業務執行状況について監査を実施するといったことも考えてございまして、業務の拡大に伴って、金融機関出身者も含め、体制をしっかり整備していくということを行ってまいりたいというふうに考えてございます。

私のほうからは説明は以上でございます。

〔高橋計画官〕続きまして、理財局側から資料番号2-2、こちらのご説明をいたします。

まず1ページ目、目次でございますけれども、最初に、資源エネルギー庁、電力広域的運営推進機関、OCCTOからいただいている要求の内容に簡単に触れた後、その後、私ども理財局が考える編成上の論点について説明をいたします。

3ページ目をお願いいたします。先ほど説明にもありましたが、要求、財政融資総額540億円、その内訳として、電源整備促進に240億円、系統整備促進に300億円となってございます。

続いて、編成上の論点の説明をいたします。1つ目が民業補完の徹底について、そして2つ目が償還確実性についてです。

5ページです。ポイント1つ目の丸ですけれども、資源エネルギー庁からの説明にもありましたが、今後、電力需要が増加していく中において、電源、そして系統の整備が短期間・集中的に行われる必要があるのだろうというふうに思います。そのために必要な資金が民間のみで供給できるか不透明な中においては、財政融資を活用したOCCTOの融資制度によって投資を後押しすることが求められているということは理解できるものです。しかしながら、長期・大規模な投資を行う大手の電力事業者は、既に民間金融機関や金融市場から相応の資金調達をしているものですから、OCCTOによる融資は民業補完に徹し、いずれは電気事業者がこの融資から自立できることが望ましいというふうに考えます。

そのため、今般のOCCTOからの融資につきましては、複数の民間金融機関からの融資があることを前提とし、例えば総融資額の3割など一定の上限を設けること、貸付利率は金融機関の貸付利率や社債の利率といった民間水準並みの金利水準とすること、融資期間は、民間金融では賄い切れない長期かつ大規模な投資資金を補完し、必要な投資を促進するという政策目的にかなう適切な期間を設定すること。また、OCCTOが実際に融資する場合には、経産大臣が融資対象について確認するプロセスも設けることとしています。

このような融資の枠組みであれば、民業補完に徹するために十分と言えるでしょうか。また、いずれ電力事業者がこのOCCTOの融資から自立する妨げにならないために、ほかに留意すべき点がありますでしょうか。

次に、2つ目の論点です。7ページ、償還確実性に関する論点です。OCCTOは国内の電気事業者のみに融資を行うことを想定していることから、国内基準行に対する自己資本比率規制を参考に、融資総額の4%以上の純資産またはそれと同視し得るものを維持することとしています。

その上で、1年間分の元利償還に必要な資金を確保しておく観点から、先ほどの4%に4%プラスしてトータル8%以上の高流動性資産を維持することとしています。

さらに、万が一、財政融資資金の償還原資が不足し得る場合に備えて、一般送配電事業者から拠出金等を徴収する枠組みも活用して、償還財源の確保を図ることとしています。

こうした仕組みが整備されることを踏まえて、財政融資資金の償還確実性確保の観点から留意すべき点がありますでしょうか。

以上、私から資料の内容を説明いたしました。是非ご議論いただきたいと思います。

〔翁分科会長〕ご説明どうもありがとうございました。

それでは、ただいまのご説明を踏まえまして、委員の方からのご意見、ご質問をお願いします。要求側の方々にご質問いただいても結構です。よろしくお願いいたします。

それでは、土居委員、お願いいたします。

〔土居委員〕ご説明どうもありがとうございました。これは電力会社に関連するものですけれども、財政投融資の枠組みで、似たような別の分野に対して、その間に財投機関を挟んで事業者に資金を供給するという仕組みは、これまでにも幾つかありますので、この電力会社に対する資金供給ということについては、必要性も感じられますので、特にそれについての異存はありません。

電力会社自体は大規模な事業者が多いので、償還確実性自体が、大企業である電力会社にその疑義があるということには直接はならないけれども、様々な事業リスクがあるということなので、その新規事業に融資するというようなことになったところで生じるリスクというものについては、しっかり管理していただかなければいけないということかと思います。

その点で、まず資料2-1の19ページにあるガバナンス・融資体制なのですけれども、これはちょっと簡略化して書いておられるからなのか、これがそのものなのかというのがちょっとよく分からないのですけれども、もしこれが詳細で、これ以上付け加えるものがない図であるということだとすると、脆弱なのではないかという懸念を強く抱くわけであります。何せ、この認可法人は全電気事業者に加入義務があって、その中に融資を受ける事業者がいるという意味で利益相反を起こしかねないという立てつけになっているということであります。理事会があって、ここは執行部だと思うのですけれど、その理事会に対して経済産業大臣が拒否権のようなものを持っているということだったら、まだぎりぎり何とかなりますけれども、そこまではないということだとすると、もちろん、その融資に関して、先ほどご説明のあった、これは16枚目のスライドですか、それでもちろん申請して確認するということがあるということまではいいとしても、細々とした融資内容についてまで口出しできないということになると、この広域機関がお手盛りで融資するということを排除し切れないというふうに思います。

ですので、やはり融資管理、監査だけじゃなくて内部統制もしっかりと体制を構築していただく必要があるのではないかと。内部統制については、ちょっと簡略化されてここに書かれているから何も書いていないということかもしれないのですが、やはり厳しく内部統制する体制を整えていただく必要があるのではないかと。それこそ、この財投分科会で大学ファンドを立ち上げるという話になって、JSTが全く金融業務もやったことのないような、そんな独立行政法人だったときに、私も相当JSTに対して、内部統制ちゃんとしてない、これでは駄目だといって、この分科会で議事録が残る形できちんと厳しく申し上げたことがあって、経済産業省はそこまで金融業務に疎くないので、お分かりいただけると信じていますけれど、JSTは全く本当に畑違いの金融業務だったものですから、そう申し上げたということがありますものですから、やはりしっかり融資管理、監査とともに、内部統制体制も整えていただきたいということを申し上げたいと思います。

それから、18枚目のスライドで、ここで気になっているところが1点ありまして、財政融資は財投債から利ざやなしで融資するというのが原則になっていて、だけれども、広域機関は民間金融機関と同等の金利で融資するということになっているということは、広域機関が自動的に利ざやを稼げるような仕組みになっていると。もちろん、その利息収入を自己資本というか純資産で積み立てていくということなのだというご説明なので、そこの部分までは分かったということだとしても、問題は、高流動性資産とは何ぞやという問題であります。もしかすると、エネルギー対策特別会計から出資するということがもしあったとすると、持分は、財政投融資特別会計からは全く出資してないということになれば、この広域機関の持分権は、エネルギー対策特別会計が占有するということになるかもしれないと。だけれども、この利ざやで稼いだ部分というのは、財政投融資特別会計があえて財投債から利ざやなしで貸し出しているということによって生まれたものであって、どちらかというと、広域機関が努力によって稼いだものではなくて、財政投融資特別会計がその利ざやを取ることを諦めてあげて、その分だけ広域機関に純資産を積み上げてあげるという親切心で起こっているようなものなのであります。

私が財政学者として考えるならば、その利息分、利ざやで稼いだ分ぐらいは、もし広域機関が行く行く民間に融資事業を移譲するとか、ないしは期間が終わったので、大分先かもしれませんけれども、融資業務を健全な形で店じまいするというようなことになれば、財産については、当然その持分に応じて取るということになったりすると、出資を財政投融資特別会計は全くしていないとか、ないしは、少数、つまりエネルギー対策特別会計の出資のほうが多いとかいうようなことになったときに、これは利益準備金になるのか何か分かりませんけれども、この利ざやで稼いだ分で純資産に乗っかっている分は、財政投融資特別会計に返ってこないということになってしまいかねないと私は心配をしております。

ですから、この事業を始めること自体は、私はいいと思っているのですけれども、やはり事前に、この利ざやの分は財政投融資特別会計にお返しいただくということを将来的に約束していただかないと、これを利ざやなしで広域機関に財政融資するということは、ちょっと筋違いなのではないかという話になるので、やはりそこは、事後的にもめないためには、事前に取り決めていただくということが私は必要なのではないかというふうに思っております。

あと最後、1つコメントですけれども、償還確実性については、ほかとは違う形で、あんまり心配していないというのは、電気料金が経済産業大臣の認可制になっているという部分があるので、もちろん消費者の利益も大切なのですけれども、この融資を受けた電気事業者がきちんと償還ができるような程度の電気料金をきちんと設定していただくということも両にらみで考えていただくと、償還確実性に重大な疑義があるというようなことにはならずに済むのかなというふうには期待をしているということであります。

すみません、ちょっと長くなって、あと最後、論点でありました総融資の3割などの融資上限を設けるというようなことだとか、自己資本に対する負債の比率の上限をJBICとかのように設けるということに私は賛成です。

以上です。

〔翁分科会長〕ありがとうございます。回答は後でまとめてお願いいたします。

それでは、オンラインの工藤委員、お願いいたします。

〔工藤委員〕ありがとうございます。聞こえますでしょうか。

〔翁分科会長〕はい、大丈夫です。

〔工藤委員〕ご説明ありがとうございます。今回ご説明いただいた通り、我が国の経済成長を支えるために、電力需要が今後伸びることが予想されていますので、この電力を安定供給できるよう、脱炭素電源投資を大きく拡大する必要があるということは認識しております。

その中で、今日、実は私どもの銀行から説明した内容が1つご説明に入っておりましたが、その趣旨としては、やはりインフラというのは、ローリスク・ローリターンの投資でございますので、(建設資金等が大きくなれば)どうしても回収というのは期間が長くなるものですから、この長い期間の部分を補完していただく融資をご提供いただける機関が必要であるということでございます。また、量の問題もございます。期間の長い融資が出ることによって、ここにあるように期間ごとの返済負担額というのは減るわけですが、我々預金を原資とする民間金融機関は、健全性を保って金融システムの安定性を維持するために、一つの業種に向けて与信を集中するということに対して、自らある一定のルールを設け、特定のリスクに脆弱なものにならないように配慮した運営をせざるを得ないという点と、規制としても、1社に集中するということについてのルールもあるものですから、各行とも一定のフレームワークを構築して、特定の企業への与信額が膨らまないように管理を工夫しているところです。

ですので、そういった観点から、将来的に脱炭素投融資がかさんでいった場合、既に電力セクターに対して相応の大きな金額の融資を民間金融機関は行ってきておりますので、必要資金を供給し切れないというおそれがあるという認識を強く持っておりまして、公的な機関による量的な補完、期間の補完というのは必要であると考えております。

本来的には、過去からエネルギーセクターに対して融資を行ってきて知見や体制を有する既存の財投機関が、政策的意義を発揮すべく量的補完を行うことができればいいのですけれども、ただ、それが現実として難しい状況であるということですので、償還蓋然性の適切な検証や、土居委員からもご指摘あったガバナンス体制の構築、あと、専門性とインテグリティーを持った適切な人材の採用や、また、既にご配慮いただいている民業圧迫を回避する措置、を講ずることを前提に、電力分野に対して知見を有する広域機関が融資を行えるよう制度を整備して、量的補完の担い手になるほかないと考えております。

なお、償還蓋然性を高めるために、例えば、長期脱炭素電源オークションのさらなる改良といった電力事業環境の整備も大変重要だと考えております。投資回収の予見性を高める措置が行われることは、我が国の電力産業に対する海外や他の民間主体による投融資の拡大にもつながる可能性がありますので、財投機関を含め、官民が連携して電力セクターを支える絵姿を描いていくためにも、エネルギー庁様等が事業環境の整備について引き続き検討を行っていただくことをお願いしたいと存じます。

以上でございます。

〔翁分科会長〕ありがとうございます。

それでは、有吉委員、お願いいたします。

〔有吉委員〕有吉でございます。ご説明どうもありがとうございました。

まず、全体的な感想としましては、既に土居委員、工藤委員おっしゃられたとおり、意味合いとしては非常に重要なものだと思いますし、日頃私も金融実務のお手伝いをすることが多いわけですが、こういった取組が官としてなされることの意義というか、効果というのが大きいのだろうなという肌感覚は感じるところでありますので、前向きに進めていただきたいという思いがございます。一方で、本当に大丈夫なのかなというふうに思うところもあり、そういった点も含めて4点ほどコメントを申し上げたいと思います。

1点目は、業態というか産業分野という意味では、既にお話に出ていたとおり、比較的回収リスクが低い分野なのだろうなとは思いますものの、一方で、今回の取組というのは、資料を拝見していくと、大手の電力事業者に対する直接のコーポレートファイナンスだけではなくて、プロジェクトファイナンスも対象に含まれていると理解をしております。そうなってくると、これは必ずしも全部が全部安全なファイナンスということではないと思いますし、もちろん、コーポレートファイナンスの専門性が低いということを申し上げるつもりはないわけですけれど、プロジェクトファイナンスということですと、さらに専門性が高い分野ということでもあると思います。

また、これも既にここまでお話に出ていますとおり、償還確実性が認められながら、政策的な意義があって、しかも民業圧迫にならない、こういった案件を選定していくということでありますので、単に回収できるできないということだけではない、非常に高いレベルの判断力というか、いろいろな知見が必要になる、こういうものであると思うわけであります。

こういったことについて、これまでファイナンス業務を行っていないOCCTOがどうやって適切な人材を確保するのか、具体的にどういう人をどこから連れてくるつもりなのか、非常に不安を感じるところがございます。

当分科会でも、既に投融資を行っている機関が新たな投融資の取組を始めようということで、では人繰りどうするのだという話はこれまでもしばしばあり、今日も直前に話題となっていたところであります。そういったときに、多くの場合は、まず内部人材を活用した上で、新たな人材も補充していく。そうでないと、なかなか人は見つからないといった議論が通常なされるわけでありますが、今回のOCCTOについては、既存の組織の中にファイナンスの専門家がいるわけではなく、ゼロからファイナンスの専門家を集めて部門を立ち上げる、こういうことだと思いますので、人材を確保する難易度が非常に高いのではないかと感じるところであります。この辺り具体的にどう進めていかれるのか、抽象論ではなくて具体論としてどうお考えなのかを伺いたいというのが1つ目のコメント及び質問であります。

それから2点目は、先ほど土居先生がおっしゃられたこととほぼ重複するところでありますが、与信の体制図ということで、資料2-1の19ページのところでお示しいただいた右下の体制図ですかね。私も、これが略図ではなくて完全な図であるとは信じたくないというのが正直なところでありますが、観点も、まさに土居先生がおっしゃられたとおり、一番気になるのは利益相反の管理という点であります。

ちょっと先走って、例えば同じページで示されている評議員会に、中立的な有識者がいて、そちらで何か一般的な検討がなされるというようなご説明をもしご用意されているのであれば、それではおよそ十分とは思えなくて、評議員会のメンバーを拝見すると、確かにファイナンス実務の専門家で、私もよく知っている方もメンバーに含まれていたりはしますが、ただ、メンバーの大宗は、恐らく金融とはあまり関係のない方々であって、まして、個別案件についての検討とか、審査とか、そういったことを想定してつくられた評議員会ではないはずだと思います。やはり特に利益相反管理の観点を中心に、加えて、先ほどの繰り返しになりますが、政策的意義があって、ただ民業圧迫にならない、そういった民間の金融機関とは違う発想が必要になるような観点からの審査をどう行うのかということを含めて、この体制はしっかり検討していただく必要があると思います。

それから3点目は、若干今まで申し上げたことと矛盾をするところではあるのですが、資料2-1ですと、7ページに令和8年度の要求ということで540億円という金額が書かれていて、540億円という金額は、決して小さい金額ではないと思うわけでありますけれど、一方で、このエネルギーの分野ということを考えてみると、そんなに大きくない金額でもあるということでありまして、それは、資料2-1の27ページで示されている、DBJやメガバンクのエクスポージャーの数値と比べてみれば、明らかに小さい金額であると感じるわけであります。もちろん、OCCTOが出した資金に加えて民間からの投融資も呼び込むということで、倍とか3倍ぐらいに膨れ上がる数値として見るべきだということは分からないでもないわけですけれど、それにしても、やや小さい数値という気もしまして、といいますか、中途半端な数値という気がいたします。令和8年度については、実際に投融資業務を行える期間が短いからこのぐらいの金額ということなのかもしれませんけれど、伺いたいのは、最終的にというか、軌道に乗ったタイミングでどういった金額での融資活動を想定されているのか、そこを教えていただきたいというのが3点目の質問であります。

最後4点目は、財務省の皆様へのコメントというか質問ということでありますけれど、今回のご説明の中で、資料2-1の27ページに戻りまして、DBJが資金を出せばよいのではないかというところ、エネルギー分野に対するエクスポージャーが非常に積み上がっている、こういう問題意識が示されていたと理解しております。その点、DBJでなければ、他の機関が出せば国としてよいのかというのは、よく分からないところがございまして、国として一体で見ると、ほかの機関がエネルギー分野に融資を行っても、融資の集中をしているということは、DBJが行う場合と変わらないようにも思われるわけでありまして、そういった議論はこの分科会でも、例えば成長資金の供給の関係では、全ての機関を通じてどうエクスポージャーを国として積んでいるのかということは検討すべきだという議論が過年度にもあったように思いますが、このエネルギー分野に必ずしも限らないかもしれませんけれど、機関横断的に特定の産業分野に投融資が集中するという状況について、財務省としてどうお考えなのかということを伺いたいというのが最後のコメントになります。

以上でございます。

〔翁分科会長〕ありがとうございます。

それでは、小橋委員、お願いします。

〔小橋委員〕小橋でございます。ご説明ありがとうございました。

私の質問は、もう既に諸委員から指摘のあった点とも重複するのですけれども、ガバナンスの点というのがとても私も気になりました。というのも、このOCCTOの概要図、資料2-1の概要図、21ページにあるように、2,088もの事業者がいるということに個人的には大変驚いたのですけれども、この一般送配電の部分というのは、依然として規制が残っている部分であって、今回、その540億円のうち過半数を占めている広域的な地域間の連系線の整備という部分は、この送配電事業者の10の大規模な事業者の部分に関わってくるところかと思いますけれども、その広域機関への融資というのが、やはり結局この電力セクターの大規模な事業者に利する形になるのではないかというところが大変気になったので、ガバナンス体制の構築ももちろんですが、その透明性、透明化というのも大変重要だというふうに感じました。

以上です。

〔翁分科会長〕ありがとうございます。

それでは、山内委員、お願いいたします。

〔山内委員〕ご説明ありがとうございました。私は事実関係の確認ということで2つご質問させていただきます。

1つは、こちらの機関で検討されている案件の1件当たりの規模は、融資額でも結構ですけれども、大体どれぐらいを想定していらっしゃるのか。また、貸付期間は一体どれぐらいを想定されていらっしゃるのか。案件の規模、条件に関して現在の見立てをお教えいただければと思います。

2つ目が、論点の①に関わるところでございまして、この機関の期限についてどういうふうにお考えかもお聞かせいただければと思います。私も再生可能エネルギーに関わっていらっしゃる事業者様から、発電設備は作って稼働できる状況だけれども、系統連系がうまくいかなくて、結局そのままビジネスが回らなくなったという話をよく聞きます。今後の電力需要を考えるとこの機関の政策的な狙いも理解できますし、進めていただきたいと個人的には思っております。他方で、この機関の金利が民間金利とあまり変わらないとすると、借りるほうからするとどのようなメリットがあるのかというのが、ハイライトすべき大切なポイントになるかと考えています。

もちろん、民間金融機関から十分お金が出ないため、ある意味、市場の失敗を公共で埋めるという考え方なのだろうと理解しています。そうであるとすれば、皆でこういう分野にお金をつけていこうというムーブメントをつくるきっかけとして、こういう機関が活動する意義はあると考えます。他方で、ひとたび流れができたら、民間金融機関と事業者の皆さんに頑張っていただくことが自然な流れかとも考えております。その意味で、機関の期限についてどのようにお考えかをお聞かせいただければと思います。

以上でございます。

〔翁分科会長〕ありがとうございます。

それでは、岡田委員、お願いします。

〔岡田委員〕ご説明ありがとうございます。私のほうからは、ちょっと本日の編成上の論点からずれるかもわかりませんけれども、ちょっと社会的な意味合いのような観点から教えていただければと思います。

資料2-1の3ページにありますように、電力自由化で発電、送配電、小売、発電と小売りが自由化されてという電力自由化の議論のときには、自由化されると競争で利益を十分には得られないかもしれないということで、こうした電力の安定供給という点で、送配電とかが十分に整備できないんじゃないかというのが、昔はそういう議論もあったかと思います。近年、夏が訪れるたびに電力の需給の逼迫というのがニュースになって、節電の制限等々というときに、この発電のところは自由化で、想定どおりには再エネが進んでいないというところで、一方で、火力発電というのは座礁資産になりかねないというところで、毎年夏、原発の再稼働が進んでいなかったというのはあると思います。

そうした状況がありますので、電力の自由化後の安定供給に向けた制度改革というのは、いろいろな形で識者の方々から多様な論点もたしか提示されて、経産省のほうでも議論はいろんな形でされているのかと思いますけれども、そうした電力の安定供給という全体像の今の議論の現在地という、そこの観点から照らし合わせて、この送配電の今回の融資のスキームの意味合いというか、やむを得ないという形が強いのか、想定外のような電力需要の増大というふうな、今までの議論の枠を超える想定外の事態が発生したということなのか、あと、編成上の論点のところで、いずれ電力分野が自立する妨げ云々とありますけれども、その辺り、これはややイレギュラーなやむを得ない状況に至ったけれども、10年なら10年、明示しないにしても、イメージとして10年なら10年で、また元のほうに戻っていくのかどうかというふうな、電力改革全体の中で、この今回の要望はどう位置づけられているのかという辺りを伺えればと思います。

以上です。

〔翁分科会長〕ありがとうございます。

野村委員、お願いいたします。

〔野村委員〕私からは、まず前提として、電力の需要増を考えると、広域機関に融資の機能を追加していくことの必要性は十分理解できます。

その上で3点、コメントしながらの質問なのですが、1点目は、こちらの融資の償還確実性を担保する上での最大のリスクというのは、先ほど有吉委員からも出ましたが、ファイナンスの専門人材の確保ということが一番の難しさではないかと感じております。と申しますのも、この広域機関は、送配電事業のプロ中のプロではいらっしゃいますけれども、そういうプロジェクトファイナンスをやっていらっしゃらなかったということで、ここから質問なのですが、そうした人材をどう確保して育てていくかということ、どのようにされていくのかについてお伺いです。

それから2点目が、民業を圧迫しないように3割ルールを設けられる、これはスタート時点では賛成できるところなのですけれども、その後、民間に渡していくというコメントもありましたが、これのステップをどういうふうにお考えなのか。自然増に任せるのか、それとも積極的にこの融資の役割を民間に渡していく上で何らかの働きかけをしていくのかということについて、お伺いしたいと思います。

それから3点目、これは各論になるのですけれど、13ページ目に地域連系線というものを示していただきました。需要があってからでは間に合わないということで、先駆けてマスタープランを考えていらっしゃるということなのですけれども、これまでの運用で、地域ごとで供給過多の地域とか供給不足の地域みたいなものが生まれてきてはいないのか、もしくはそのエリアごとにもそういう期間が生じたことはないのか、その辺りについて教えていただけたらと思います。

以上です。

〔翁分科会長〕ありがとうございます。

丸田委員、お願いします。

〔丸田委員〕ご説明どうもありがとうございました。既に他の委員の方からかなりいろいろなコメントが出ておりますので、簡潔に、編成上の論点を中心にコメントさせていただきます。

まず前提としましては、やはり今のデータセンターであるとか半導体等の状況を鑑みますと、これらの投資が非常に必要であるというところはそのとおりだと思いますし、先ほど工藤委員からもご説明ありましたが、民間の金融機関として、電力分野の新規の追加投資、脱炭素への転換も含めて、これを民間融資だけでやはりやっていくのは非常に難しいというのも十分理解できます。ですので、この取組自体は非常に重要性が高いと考えております。

その上で、まず編成上の論点①でございますけれども、そのような状況で、この短期間で、原子力分野等含めて、巨額かつ新技術も含めての投資を見込むとなると、民業補完という意味では、この3割の融資上限の設定等は適切な策だと思います。一方で、先程他の委員の方からもご指摘ございましたけれども、短期と言わず、この10年ぐらい、20年ぐらいを見据えても、送配電事業者の経営環境が非常に厳しい状況の中で、脱炭素や発電能力強化に取り組む必要性がある中で、こちらの財投融資を活用した融資から自立するということが本当に見込めるのかどうかといったところ、これは非常に難しいのではないかというように感じました。

この観点からは、先ほど有吉委員からもコメントございましたが、今回の540億円という金額が、初年度だからということもあるかもしれませんが、控え目な数字に見えました。今後財政融資からの独立が見据えられるのであれば、定期的にモニタリングやチェックをして、その時点時点で意思決定をすべきなのでしょうけれども、短期的にはそもそも、独立を想定できる状況なのかどうかというところが気になりました。

次に、編成上の論点②でございますけれど、確かにこの融資自体は、最終的には送配電事業者から料金を通じて回収できるということで、リスクは相対的に少ないということもありますので、この4%、8%といったところで十分リスクを担保できると思うのですが、既に他の委員の皆様からもご指摘ございましたけれども、やはり体制面が気になります。融資の専門性人材の採用に加え、先程ほどから出ているガバナンスの論点も気になります。21ページ目を拝見しても、例えば監事といっても非常勤の方しかいらっしゃらないとか、評議員の方も人数は多いのですけれども、人数が多いことで責任があいまいになるリスクもあるので必ずしも適切とは限りませんし、内部統制の問題もございますので、他の政府系金融機関等の体制とかガバナンスの仕組み、内部統制をしっかり参考にしながら、早急に体制をつくっていかないと、マーケットのニーズに合ったスピードやタイミングでの資金供給ができないのではないかというところが懸念点として考えられますので、この点は既に皆様からのご指摘のとおりでございますが、しっかり取り組んでいただきたいと思います。

以上でございます。

〔翁分科会長〕ありがとうございます。

渡辺委員、お願いいたします。お待たせいたしました。

〔渡辺委員〕渡辺努です。広域機関というものについて、ちょっとお尋ねをさせてください。

各電力事業者の間で、言わばボーダーのところで様々な仕事が生まれると。特に分かりやすい例で言えば、電力の貸し借りというようなことが行われるというのは素人でも想像がつくのですけれども、ただ、そういうことをやっているということは、裏返して言えば、境界のところでのお仕事については、ノウハウというものがこの機関に残っているのだろうなと。だけれど、逆に言えば、個々の電力会社が、境界のこととしてではなくやっている事業については、あまりその知見というものがないのではないかというふうに想像します。そうすると、ではこの広域機関というものが本当に融資をする主体として適切なのかどうかというのが疑問になります。ですので、ちょっと教えていただきたいのは、その広域機関というものがそもそも機関として何をすることが期待されていて、どういうノウハウを持っているのか、どういう情報を持っているのか、実際に融資を各電気事業者に対して行うときに、ちゃんと役に立つようなタイプのものなのかということを教えていただければと思います。

それから、そのことと関係して、仮にこの広域機関というものがかなりの情報を、私の想像とは逆に、かなり情報を持っていると、あるいは今後さらにそこの広域機関を通じて融資を行うことによって、そこに情報が集中していくということだとすると、この広域機関というのは、せっかくこの事業者を分けているという、産業構造をそうやってつくっているわけですけれども、ある種の分権的な産業構造をつくっているわけですけれども、その産業構造と矛盾するような機関にこの広域機関というものがなってしまうのではないかという逆方向の心配もあります。広域機関について、それらのことについて教えていただけると幸いです。

〔翁分科会長〕ありがとうございます。

ちょっと時間がぎりぎりになってきてしまっているのですけれども、4時10分ぐらいまで大丈夫でございますか。では、すみませんけれども、個別の質問にお答えいただくような形でご回答いただけますでしょうか。

〔資源エネルギー庁電力・ガス事業部久米部長〕ご質問ありがとうございます。皆様からいただいた質問、恐縮ですが、少しまとめて整理させていただきたいと思います。

まず、広域機関の能力あるいはガバナンス、内部統制、利益相反といった点について様々な観点からご意見いただいたかと思います。まず、利益相反といった観点は、実はこの広域機関ができたときから、各電力会社が会員でございますし、様々な各社の機微な情報を扱うという性格の組織でもございますので、事業がそういった事業者あるいは世の中との関係で公正に行われるか、あるいは情報の管理が徹底して行われるか、ファイアウォールができるかということは設立以来の大きな課題でございまして、今回、業務を追加するということになっても、そこは当然しっかりやっていかなければいけない分野だというふうにも認識してございます。

例えば、理事会で理事に入る方々で電力会社出身の方がいるということもあり得るわけですけれども、ノーリターンルールといったものもございますし、あるいはそれぞれの業務において利害関係がある者を担当させないといったルールも既にございます。ただ、本件の業務についても、当然そうした厳しい対応を取っていく必要があるということは、我々も、OCCTOも認識しておるところでございますので、そこはしっかり対応していく必要があるというふうに思ってございます。

それから、広域機関ということで、広域のことをやってきたので、個々の電力会社の事業の内容についてどれぐらい把握できるのかというようなご指摘もございました。これは、広域機関という名前はそうでございますけれども、実は電気事業法上、電気の安定供給のために必要な供給能力の確保ということで、そういう観点から、様々な個別の電源でありますとか、あるいは個別の送配電線の中身についても、普段から相当な知見を専門家が把握して対応してきているということではございます。したがって、そういったノウハウ、知見というのはあった上で、先ほど申し上げたような内部統制をしっかり果たした上で、その専門性と公正性というのを両立させていく仕組みにしていくということが必要だろうというふうに考えてございます。

それから、今回の事業の対象として、この金額で十分なのか、あるいは足りるのかといった、あるいは将来の見通しといったご指摘もいただいてございます。これは、今回の数字は、融資業務を仮に行わせていただくことになりますと、まず法律改正が必要になります。当然体制構築も必要になります。そういうことで、今回の要求では来年度の第4四半期を、新たな業務を開始する上で、そこから始まるという前提の数字でございますので、それ以降の年度についてどういう数字になっていくのかということは、最初の年度の状況も踏まえながら考えていきたいというふうに思ってございます。

その上で、今回我々がご提案している制度は、電力、電源分野あるいは送配電についても、相当重要な分野に絞り込んで、国として重要だと思う分野について量的な補完をするということでございますので、案件についても、非常にたくさん出てくるということよりは、大事な案件一つ一つ丁寧にやっていくと。それも民間事業者の民間の金融機関、当然関与がある中で量的補完していくといったような道筋を考えてございます。

それから、この制度を、融資を導入させていただいた今後の道筋がどうなっていくのかということでございます。これはご説明の中でも触れさせていただきましたけれども、やはり近年の電力需要が増加していくという見通し、あるいは、その相当部分を脱炭素電源の新しい投資で補わなければいけない、あるいは、送配電線についてもしっかりとしたペースで整備しなきゃいけないという状況は、ここ数年で顕著になってきた状況でございますので、この状況が今後どれぐらい続くのかというところの見極めが大事だと思っておりまして、これは各国世界中でも同じような状況でございますけれども、すぐに変わるということはなかなか現時点では想定し難いのですけれども、一方で、どこかで整備がきちんと進んでいけば、従来の想定に戻っていくということもございますので、それは定期的なタイミングでしっかり現状を見通して、この制度をどうしていくのかということはしっかりプログラムしていくということを考えていきたいというふうに思ってございます。期限というご指摘もありましたけれども、同様の考え方かなというふうに思ってございます。

それから、電力システム改革の検証とこの融資の考え方の関係でございます。電力システム改革の検証、これも我々、システム改革から10年たちまして、これは審議会で1年かけて様々なご議論をいただきました。その中で、供給力確保という観点で申し上げますと、この広域機関が入ったことによって、まさに広域で電気の融通が相当程度できるようになってきたという点については、安定供給上、前進があったという評価をしております。

一方で、電源の確保に必要な投資がしっかり行われるのかという点については、制度的な対応も含めて、必ずしも投資回収の予見可能性という部分についての対応が十分ではないのではないかという点もございましたので、それについては、政府のほうで投資回収の予見可能性を高める制度をつくっていくということを我々やってきておりますし、これは引き続き続けていく必要があるのですけれども、制度ができても、結局ファイナンスがついてこないと、なかなか現実が動かないということもございまして、そういう意味で、システム改革検証の成果の中で、制度対応に加えてファイナンスの対応もやらせていただくことによって、ある種検証の宿題が返せるというふうな位置づけではないかというふうに思ってございます。

それから、利ざやをどうするのかというご指摘がございました。これについては、まずはしっかり自己資本を充実させていくという形で対応させていただくということになろうかというふうに思ってございますけれども、その上で、制度が順調に動いてお金が蓄積されていったときにどうするのかという点は、そのときにしっかり考えたいと思うのですけれど、これは融資でございますので、その最初のお金をどこから入れてくるかという点は、まだこれは決まってございませんけれども、一定の積み重ねがあるということは当初から想定した上で、今後の展開というのはよく財務省ともご相談させていただきたいというふうに思ってございます。

以上でよろしゅうございますか。

〔翁分科会長〕追加的にございますか。

〔資源エネルギー庁電力・ガス事業部小川政策課長〕すみません、ちょっと追加的に。

ご質問の中でありました、この金額面のお話、特に初年度540億円、委員からもご指摘ありました。これは初年度ということで、ただ、始まる時期、今は第4四半期を想定していますけれども、仮に同じペースでいきますと、平年度でいうと2,000億円と。4倍すると2,000億円程度というのを今の時点では想定しています。

一方で、1件当たりということでいうと、いろいろ物によるとは思いますが、小さいものというよりは、少なくとも数百億円とか、あるいは途中委員からもご指摘、ご質問いただきましたプロファイの案件、これは通常のというよりは、想定していますのは兆円単位のものでありまして、逆に言うと、そこでは民間のみではたどり着かないところを量的に補完するという意味では、数百というよりはもっと上のオーダーというのを想定しております。

また、期間についても、これは今後ではありますけれども、例えば25年といったかなり長期を想定しているところであります。

それから、ご質問の中で、供給の多いエリア、不足のエリアというのがあったかということでいいますと、これは出てきております。例えば、九州では再エネがたくさん入って、むしろ本州に送る時期が多くなるとか、あるいは、もう東京のエリアは、これはずっと足りないエリアではありまして、そういった意味での違いも出てくる中で、連系線というものの整備を進めているところであります。

それから、広域間の体制と今後の具体的な取組につきましては、広域機関のほうからご説明いたします。

〔電力広域的運営推進機関岸理事〕広域機関の理事をしております岸でございます。いろいろご質問、ご指摘いただきまして、ありがとうございます。ガバナンスの面も、体制の面も、償還の確実性などなどいろいろ諸要素、それから利益相反、中立性という形でもご指摘いただきましたので、しっかり進めてまいりたいと思います。

ガバナンスの図がございまして、19ページのガバナンス体制の図、これだけなのかという、これはかなり簡略化して描かせていただいておりまして、説明の中にも若干ございましたけれども、今後の体制ですね、実際には融資につきましては、今の制度で全くやっていないということではございませんで、令和6年度の法改正で、系統の関係で、経産大臣が認定した整備計画について劣後ローンを融資する仕組みというのがございまして、金融機関の経験者も含めまして、まだ案件はこれからなのでございますけれども、今、体制整備を既にやっておるところでございます。その上で、ただし、この財政融資を活用する、いわゆる量的補完の融資は全くまた別物でございますので、しっかりとした執行体制とガバナンスについて構築していくということで、ご説明の中にもございました、前面に立つ第一線としての融資の担当ライン、それから第二線としての融資管理室、それから第三線としての内部監査、監査室というところがございますし、ガバナンスの現行体制としましても、監査につきましては、いわゆる内部監査と監事監査、それから外部監査というところのいわゆる三様監査というところも近年整備してきたところでございます。

あわせて、有識者というところでも、もちろん理事会、総会のほかに、評議員会ですとか、運営委員会ですとか、あるいはエネ庁のほうにございますけれども、広域機関検証ワーキンググループ、こういったものが既にあるところでございますけれども、ご指摘いただきましたように、また金融機関などの実務なども参考にしながら、また、その足らざるところはないかというところは不断に検証してまいりたいというふうに考えてございます。

それから、中立公正性、利益相反のところは、久米部長からも説明ありましたように、機関設立以来、様々な取組をしてございまして、ルールですとか体制等が現にあるところでございます。

広域機関のもともとのエキスパティーズといいますか、どういうノウハウがあるのかというご質問もございました。これも、もともと中立的な監視、検証、事業者への指示ですとかルールづくり、それから系統だけではなくて容量市場など電源面、それから再エネなどについて、こちらの制度の適正運用というところで、そういった面というのはあるわけでございますけれども、融資という面では、まだこれから体制整備をしなければならないところが多かろうというふうに考えてございます。

それから、これもご説明ございましたけれども、今回はあくまでも量的補完ということで、投資促進をこの制度だけでつくるということではなくて、ほかのいろいろな制度との組み合わせで、そこのピースの一つとして量的補完というところだというふうに心得てございます。そういう中で、私どもの多重の防護はあるわけですけれども、審査につきましても、金融的な審査と、それから現行のほかの電気事業に固有な制度でどういったリスクがどこまでカバーされているのかというような、実務にも即した、つまり電力関係の制度への精通というところも含めて、具体的には役所とも相談しながら、金融機関ですとか電力関係の関係者などとも既に体制整備の協議を進めているところでございます。

以上です。

〔翁分科会長〕ありがとうございます。

まだお答えいただいていないところが幾つかあると思います。人材をどうしていくかとか、それから野村委員のご質問とか、それから渡辺委員のご質問とか、まだ回答し切れていない部分について、事務局経由でご回答いただくということでよろしいでしょうか。少し時間過ぎてしまいましたので。

〔土居委員〕すみません、質問に関する回答のことではなくて、先ほど18ページで申し上げた利ざやの問題、これは確かにお答えでは、財務省と協議するということなのですけれど、今やらないと本当に禍根を残すと思います。私が想起するのは、地方公共団体向け財政融資の補償金免除繰上償還の話です。つまり、高い金利でかつて地方公共団体が財政融資で借りたけれど、それを前倒しで繰上償還するときに補助金を免除してくれといって政治的にプレッシャーかけてきた。総務省はそのときにここの分科会で何を言ったかというと、あの金利は、借りた側が払ったお金だと言ったのです。さすがに電気事業者は資本主義が分かっているから、そんな変なことは言わないと思いますけれど、あの払ったお金は我々が払ったお金なのだから我々のものだというようなことが実際財政投融資をめぐって過去にあったということですので、禍根を残さないように、是非とも願わくは、令和8年度財政投融資計画の編成の最後のところで、どういう形で決着ついたかというのを事務局からご報告いただけるとありがたいと思います。

以上です。

〔翁分科会長〕大変貴重なコメントありがとうございます。

是非今日のうちにということがほかにございますでしょうか。よろしいですか。

それでは、追加的に、お答え切れなかった部分も含めてご回答をお願いいたします。

本日のところは、それではありがとうございました。ここで電力広域的運営推進機関の関係者の方々にはご退席をいただきたいと思います。ありがとうございます。

(電力広域的運営推進機関関係者退席)

〔翁分科会長〕ありがとうございます。

今の協議は、こういう融資を何も経験がなかった機関の初めてのケースでもあり、最初が大変肝腎だと私も思っておりますので、是非理財局のほうもしっかりと、今の土居先生のご指摘も含めて、体制面、人材面でいろいろ課題があるように思いますので、しっかりと協議していただきたいと思っております。

今日少し時間が短くなってしまったので、追加のご意見とかご質問がございましたら、事務局までお寄せいただければと思います。

本日の議事内容につきましては、この後、事務局より記者レクを行います。議事録につきましては、委員の皆様のご了解をいただいた後、財務省ホームページに掲載をいたします。

次回の開催日程は、後日事務局よりご連絡いたします。

本日はご多忙の中、誠にありがとうございました。これにて閉会いたします。

16時15分閉会