財政制度等審議会財政投融資分科会
議事録
財政制度等審議会財政投融資分科会議事次第
令和7年11月21日(金)13:58~15:45
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)
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1.開会
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2.令和8年度財政投融資計画の編成上の論点
- ①(独)福祉医療機構
- 質疑・応答
- ②(株)海外通信・放送・郵便事業支援機構
- 質疑・応答
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3.閉会
配付資料
議事次第
| 資料1 | 説明資料(独立行政法人福祉医療機構) |
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| 資料2 | 説明資料(株式会社海外通信・放送・郵便事業支援機構) |
出席者
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分科会長 |
翁百合 |
舞立財務副大臣 井口理財局長 渡辺審議官 尾﨑総務課長 西川財政投融資総括課長 鈴木資金企画室長 天井財政投融資企画官 伊藤管理課長 高橋計画官 鳩間計画官 |
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委員 |
土居丈朗 丸田健太郎 家森信善 |
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臨時委員 |
有吉尚哉 岡田章裕 小橋文子 山内利夫 |
13時58分開会
〔翁分科会長〕それでは、予定の時間より少し早いのですが、ただいまから財政制度等審議会財政投融資分科会を開会いたします。
本日は、令和8年度財政投融資計画の編成上の論点として、独立行政法人福祉医療機構及び株式会社海外通信・放送・郵便事業支援機構についてご審議いただきます。
また、前回に引き続きまして、舞立財務副大臣にもご出席いただいております。
なお、全体としては、時間が限られておりますので、ご質問やご意見などはできるだけ簡潔にお願いできればと思います。
それでは、独立行政法人福祉医療機構について、鳩間計画官より、要求の概要及び編成上の論点の説明をお願いいたします。
〔鳩間計画官〕それでは、本日は福祉医療機構につきまして、ご議論いただきたいと存じます。厚生労働省の方、福祉医療機構の方にもご同席いただいております。
お手元の資料1をご覧ください。資料に沿ってご説明申し上げます。
1枚おめくりいただいて、目次でございます。機関の概要と令和8年度要求、そして編成上の論点として、物価高騰対応資金を挙げさせていただいております。
それぞれのパートを具体的にご説明いたします。
1ページ飛ばしまして、3ページ目をお願いいたします。
福祉医療機構の概要となります。福祉医療機構は、病院ですとか社会福祉施設などの医療・福祉事業者に対する融資を行っている独立行政法人でして、職員は300名ほどの組織となっています。従前は建築資金を取り扱っておりましたが、令和2年以降、新型コロナウイルス対応支援金ですとか、物価高騰対応資金等の長期運転資金の融資も行っております。
続きまして、4ページをご覧ください。
貸付額の推移になります。令和2年度からの数年間は、新型コロナウイルス対応支援資金により貸付額が増加いたしました。令和5年度には少し戻りまして、コロナ前の水準と同水準の規模となっております。
一方で、令和7年度につきましては、物価高騰対応資金によりまして、令和7年9月時点の数字を載せさせていただいていますが、現段階で昨年度以上の貸付額となってございます。
1枚おめくりいただいて、5ページをご覧ください。
令和8年度の要求概要でございます。令和8年度の要求におきまして、物価高騰対応資金に係る資金需要に対応するため、事業規模は令和7年度当初計画額から903億円増の3,367億円を見込んでおりまして、これに必要な資金として、財政融資資金は前年度当初計画額から1,194億円増の3,140億円となっております。通常の建築資金は事業規模の3分の2、物価高騰対応資金は3分の1程度となっております。
なお、資料の一番下に記載させていただいておりますが、本年度におきましては、本年7月の分科会でお諮りいたしました弾力追加を実施いたしまして、当初計画額の1,946億円に973億円を追加いたしております。
おめくりいただきまして、6ページになります。
物価高騰対応資金の概要でございます。医療需要の変化等により厳しい経営環境に置かれ、さらに昨今の物価高騰の影響も受けてより厳しい状況に直面している医療・福祉事業者に対する無担保・無利子融資による資金繰り支援となっております。
職員の処遇改善ですとか、地域医療構想を踏まえました病床数適正化等を支援すべく、無利子融資の申込みに際し、経営改善計画書等の提出を求めております。
続きまして、7ページをご覧ください。
要求の考え方になります。足元の申込状況を踏まえまして、福祉貸付・医療貸付それぞれが、令和7年の7月をピークに一定の割合で減少していく見込みで、所要額を推計しております。
令和8年度の物価高騰対応資金の貸付規模でございますが、右下に数字で書かせていただいております1,255億円を見込んでおります。
続きまして、編成上の論点に移ります。9ページをご覧ください。
こちらは足元の物価高騰対応資金の実際の貸付状況になります。
左側のグラフが申込状況の推移です。令和7年4月に無利子期間の設定、無担保での融資限度額の引上げ等の拡充を行って以来、旺盛な資金需要が寄せられていることが確認いただけるかと思います。
また、申込金額は、令和7年5月がピークとなっておりまして、その後減少しており、この傾向を踏まえまして、検討する必要がございます。
右側のグラフが資金交付、実際に出した資金の状況を示しておりまして、こちらは令和7年8月がピークとなっております。申込みから資金交付まで時間を要することから、このような状況になっているものです。
1枚おめくりいただいて10ページをご覧ください。
施設種類別の物価高騰対応資金の貸付状況となっております。医療貸付は「病院」、福祉貸付では「老人福祉施設」が件数・金額ともに最多となっております。
なお、1件当たりの金額でございますが、医療貸付が福祉貸付の約10倍となってございます。
続きまして、11ページをご覧ください。
融資条件別の貸付状況となっております。物価高騰対応資金は職員の処遇改善の取組などを行った事業者に有利な条件で貸付を行っております。特に医療貸付につきましては、地域のニーズを踏まえた再編・減床等に取り組む事業者に、据置期間や無利子期間が最も有利な条件となる貸付を行っており、これにより病床数の適正化であったり、経営の効率化も期待されるところでございます。
続きまして、医療・福祉事業者を取り巻く環境となります。2枚おめくりいただきまして、13ページをご覧ください。
左上の図にありますとおり、消費者物価指数、こちらは対2018年比で足元12%増の上昇傾向となっております。
右上の表、病床100床当たりの損益を示しております。ご覧いただきますとおり収益は増加しておりますが、それ以上に人件費ですとか委託費等の費用増加率が大きいことがご確認いただけるかと存じます。
資料、下に移りまして、左側、建築単価でございます。対2018年比で49%増の上昇傾向となっております。
資料、右下にありますとおり、建替えが進んでおらず、耐用年数を経過している病棟が一定数ある、こういう状況でございます。
続きまして、事業者の収益状況を少し詳しく見ていきたいと思います。
左側の図にありますとおり、病院の利益率は、2023年度から2024年度にかけて低下しておりまして、医業利益は過半数の病院で赤字という状況になっており、赤字病院の割合も増加している状況になっております。
右上、資金繰り状況、こちらはDIでお示ししておりますが、DIもマイナスで推移していることから、厳しい状況が伺えるかと存じます。
病院の機能別に見た表が右下になっておりまして、医療利益率は回復期以外でマイナスとなっておりまして、一番左側でございますが、相対的に急性期の病院の利益率が低くなっておるような状況になっております。
続きまして、医療を取り巻く環境といたしまして、物価高騰以外に医療需要の変化を取り上げております。
15ページをご覧ください。
左上の図ですが、入院の受療率はコロナ以前から長期的に低下傾向になっておりまして、左下の棒グラフでは1日当たりの在院患者数も減少傾向になっております。
他方、病床の利用率でございますが、コロナ禍による受診控えをきっかけに、急激に低下して以降、戻っていない状況であります。こちらは、需要の変化に病床数が対応できていない状況を示唆していると考えております。
右下のグラフでお示ししておりますのが病床の機能別の必要数でございますが、2025年に必要とされる病床数と、2024年現在の病床数では、急性期において過剰となっている一方で、回復期において不足している状況にありまして、このミスマッチが収支に影響している可能性がございます。
続きまして、論点として債権管理の状況でございます。17ページをご覧ください。
福祉医療機構では、新型コロナウイルス対応支援金の取扱いに当たりまして、福祉医療貸付部に新型コロナウイルス対応支援室を設置いたしまして、その後、債権管理を行うために、顧客業務部へコロナ資金管理室を移し、態勢を強化している状況にございます。
次のページをお願いします。
機構では、コロナ資金の回収に当たりまして、コロナ資金が無担保の運転資金融資であることや、従前よりも貸付数が多く、また、返済のピークが一定時期に集中することから、外部専門家のアドバイスを受けつつ、組織、態勢の強化に取り組んでおります。
具体的には、モニタリング態勢の強化ですとか事務手続の改善、こういった形で債権管理態勢の整備を行ってきている状況でございます。
次のページをお願いします。
令和2年度に開始いたしましたコロナ資金につきまして、据置期間5年以内となっておりますので、本年度から元金の返済が本格化している状況になっております。条件変更や延滞等の債権、こちらは件数ベースの割合が金額ベースを上回っている状況でございますので、1件当たりの融資金額が小さい事業者が多く含まれていると考えられ、丁寧な対応が必要かと存じます。
他方、1件当たりの融資が比較的大きい先について、機構の財務に与える影響が相応でございますので、こちらも留意が必要と考えております。
続きまして、20ページをご覧ください。
コロナ融資に続く物価高騰対応資金の回収強化に向けまして、コロナ融資で整備いたしました債権管理態勢を引き続き継続しつつ、新たな取組といたしまして、フォローアップ態勢の強化とコロナ資金管理室の再編成を行う予定となっております。
物価高騰対応資金の債権回収につきましては、まずは貸付先の事業者が地域のニーズを踏まえた再編・減床ですとか業務の効率化によって、貸付時に策定した経営改善計画を着実に実行することが必要となっておりまして、機構が適時適切にサポートすることが重要と考えております。
21ページをご覧ください。
情報提供、経営指導の取組でございます。医療経営の見える化への取組といたしまして、経営情報のデータベースの情報提供ですとか、経営の安定化につながる支援、民間金融機関と協調した経営指導も行っております。こうした機能の重要性も高まっているところと考えております。
最後の論点でございます財務の状況でございます。23ページをご覧ください。
機構の資産規模は全体で5兆円程度となっております。資本金につきましては、新型コロナウイルス対応のため、令和2年度、令和3年度におきまして、一般会計から合計1,388億円の出資金が措置されておりまして、令和6年度末時点で合計1,606億円となっております。
他方、コロナ資金の貸付増加に伴う貸倒引当金計上がございました結果、純資産の合計は、令和6年度末で622億円となっております。
最後、ガバナンス態勢でございます。24ページをご覧ください。
機構では、理事長をトップとしましたガバナンス委員会を設置するなど、経営の公正性及び透明性の確保に努めておりまして、モニタリングによりまして、課題の共有を図るなど、継続的に態勢の見直しを行っております。
以上を踏まえまして、論点としてまとめましたのが26ページになります。
物価高騰対応資金には、これまで旺盛な資金需要が寄せられており、一定の役割を果たしてきたと考えられます。
足元の物価の高止まりや医療需要の構造的な変化により、事業者の経営状況は依然として厳しいことから、申込金額は令和7年5月をピークに減少傾向にあるものの、今後も医療・福祉事業者の資金繰りを支援していく必要性は認められるかと考えております。
ただし、本資金は厳しい経営状況に直面している事業者に対する無担保の融資でございますので、福祉医療機構において貸付先の規模や種類に応じた経営環境の把握、適切な債権管理が求められております。
こうした債権回収に当たっては、まずは、貸付先の事業者が医療需要の構造的変化にも対応し、また、本資金借入時に提出しました経営改善計画を着実に実行していくことが必要でありますので、機構による早めの経営改善計画のフォローアップ、様々なツールを活用した経営支援も重要と考えております。
その上で、機構の財務状況につきまして、適切なリスク管理がなされる態勢が確保されているか確認する必要があると考えております。
こうした点を踏まえまして、論点として2つ掲げております。
1つ目は、経営改善計画の着実な実行と貸付金の回収のため、事業者の経営環境の把握や、経営改善に向けた早めのフォローアップ等も含め、機構において十分な審査・管理態勢の強化が図られているか。
2つ目といたしまして、貸付金の増加ですとか貸倒引当金の推移、貸付金の回収状況を踏まえて、リスクモニタリングを適切に実施し、ガバナンス委員会において議論を行った上で、必要に応じて期中管理の方法を見直すなど、機構におけるリスク管理のガバナンスが十分機能しているか、でございます。
どうぞよろしくお願いいたします。
〔翁分科会長〕どうもありがとうございました。
それでは、ただいまのご説明を踏まえまして、皆様からご意見、ご質問をお願いしたいと思います。こちらの会場にいらっしゃる皆様につきましては、名前の札を立てていただきますようお願いいたします。オンラインで御出席の皆様につきましては、挙手ボタン、または、チャットにてお示しください。
また、ご発言の際に資料を引用される場合は、資料番号と該当ページをおっしゃっていただくようお願いいたします。
要求側の方々にご質問いただいても結構です。
それでは、まず、土居委員、岡田委員の順でお願いいたします。
〔土居委員〕どうも、ご説明ありがとうございました。
今ちょうど病床再編とか処遇改善が医療・介護分野で求められている時期ということですので、それを単に補助金でということばかりではなくて、融資という形で支援するということは非常に意義があることだと思います。意義があるということであるがゆえに、上手にやっていただきたいと思うわけでありまして、1点質問をさせていただきたいと思います。
今の御説明の中に、債権管理の話があって、その債権管理の御説明の中に、私はそこが鍵になるのではないかと思っているけれども、必ずしも名前が出てこなかったので、質問をさせていただきたいという趣旨です。
診療報酬ですと、社会保険診療報酬支払基金がありますし、それから介護報酬だと国民健康保険団体連合会がある。そこから医療機関なり介護事業者に支払われるということになるので、債務者となった医療機関とか介護事業者が延滞するということがあるとすると、そこで受けている診療報酬や介護報酬について、しっかりキャッシュフローをつかんで、それで延滞が解消されるようにするとか、そういうようなことは必要なことではないか。既にもうコンサルティングをされているとかということまでは分かったのですけれども、もともとのキャッシュフローの根っこをつかんでおけば、きちんと債権を回収できるとか、利払いが滞らないようにするとか、そういうこともできるのではないかと思って拝見していたのですが、あえて説明から省かれたのか分からないのですけれど、支払基金とか国保連とか、名前が出てこなかったので、そこの支払いを受ける手前のところで、福祉医療機構と支払基金とか国保連とで連携をして、債権がきちんと保全されるような形で、延滞が発生しないような形でするという取組もできるのではないかと思ったりもしたものですから、その点はどのような感じになって、もう既に取り組まれているということであれば、その点を教えていただきたいですし、まだそこまで密にはやってないということであれば、今後、厚労省の所管の中なので、他省の所管だとなかなか手が出せないとかということはあるかもしませんけれども、支払基金も国保連も厚労省の所管の中なので、しっかりタイアップして債権管理していただくということが大事なのかと思ったのですけれど、いかがでしょうか。
〔翁分科会長〕ありがとうございます。
それでは、岡田委員、お願いします。
〔岡田委員〕ご説明ありがとうございます。
私からは、リスク管理の考えについて教えていただければと思うのですけれども、例えば、こうした政策的な観点を考慮しての融資の場合、例えばコロナ禍のときに、政策金融公庫にいろいろな融資制度があったと思いますけれど、あれは、ああいった危機的な時期だったので、ある程度条件が緩くても、ある程度貸倒れが発生することを覚悟して、その分一般会計からも手当てされていると思いますけれども、その後、会計検査院などいろいろ指摘あったりもしたかと思いますけれど、政策的には、ああしたときにはある程度、少し審査の精度が緩くても、どんどん貸していかないと日本経済全体がどんと落ちてしまうということで、全体としてリスクを考えていったのかと思います。
その点で、こちらの医療の場合、何かと建設費が高くなったと言われている中で、建設費などは大変なのだろう、日常的に病院の経営が大変になっている中で、より大変なのだろうというのは容易に推察されるところではありますけれども、その際に、考え方として、こういう傾向というのは一旦上がって、また下がるというよりは、良くて高止まりなのかという気もするのですけれども、ある種の、こういうことを考えるときに激変緩和というか一時的なことに対応できないので、支えてあげるということなのか、今のところ貸付は減っていくと見ているということですが、大変なところがあれば、もう少し続いていくのかということなのか、その辺りが、どのように展開を考えていかれるのかが1点。
もう一つ、リスクの考えで、普通いろいろな個別の企業などだとリスク管理は、本当に1つ1つの企業ごとに経営状況はまちまちなので、審査といってもなかなか難しい面がいろいろあると思いますけれど、比較的病院というのは地域とか人口動態とか事業、病院の事業の中身などで、ある程度そのリスクというか、その管理というか、貸す方として、ある程度分かる面が、そういう一般的な企業よりは高いのではないかと思うのですけれども、その際に、この制度を鑑みて、ある程度貸倒れが生じるということは覚悟しながら、こういう時期でもあるのでということ、だけれども膨らみ過ぎないようにという観点なのか、あるいは、極力損失が出ないようにという線はきちんと守って、融資していくということがリスク管理の姿勢なのか、その辺りを教えていただければと思います。
〔翁分科会長〕ありがとうございます。
それでは、続きまして、丸田委員、オンラインでお願いいたします。
〔丸田委員〕丸田でございます。どうも御説明ありがとうございます。
私から2点コメントさせていただければと思います。
1点目ですが、14ページ、15ページ、16ページのデータを拝見しておりますと、短期的には確かに物価高騰により、病院の経営が非常に厳しい状況が理解できるのですが、よくよくデータを拝見すると、例えば急性期の病床が余っていて、固定費が回収できずに赤字体質になっているとか、一方で回復期・療養型病床は逆に、恐らく病床が不足気味ということで、しっかり黒字が出ているというところを拝見すると、これは単に短期的な物価対策というだけではなくて、構造的に医療機関が根本的な経営上の課題を抱えているのではないかと考えられます。そのような環境の下では、短期的な視点での債権管理・モニタリングだけでは十分ではなく、構造的なところにもより踏み込んでいく必要があるのではないかと考えられます。例えば、貸付を無利子で行う場合には、中長期の視点での病床の転換や構造改革を前提に、貸付を行っていくなどの対策を講じないと、短期的には、物価高騰を乗り切って資金繰りが一時的に改善したとしても、構造が改善しないままであれば、仮に物価高騰が収まっても、回収リスクが高止まりしたままになるリスクが存在していると考えられます。そのため、貸付においても、もう少しメリハリをつけて、病床転換とかにもっと舵を切るとか、長期的な観点からのストーリーを持って制度を運営していくという考え方もあるのではないかというのが1点目でございます。
2点目は、29ページの表を拝見していますと、赤色等の非常にリスクが高い債権が、コロナの債権の元本回収が近づくにつれ、増加傾向があるように見受けられます。そう考えると、今のWAMの資本の状況を拝見していると、この先1年分ぐらいの貸倒リスクには十分対応しているかもしれませんが、今のWAMの資本の状況では潜在的なリスクを抱えきれないのではないかと考えられますので、WAMの資本増強等についても、早めにしっかり手を打っていただく必要があるのではないかと考えております。
以上2点でございます。
〔翁分科会長〕ありがとうございました。
それでは、有吉委員、家森委員、お願いいたします。
〔有吉委員〕ご説明どうもありがとうございます。
私もこの融資の取組が、非常に意義深いものであることを十分理解したつもりであります。その上で3点ほどコメントないし質問をさせていただきたいと思います。
まず、1点目は債権管理の観点でございまして、多額に積み上がったコロナ融資の回収段階に入ったということと、加えて、無担保の物価高騰対応資金の貸付の与信管理が今後必要になっていくということで、債権管理とか債権回収の在り方が、機構にとって今までと全く違うものになっていく状況にあると理解しております。
その上で、18ページでご説明をいただいたように債権管理・債権回収の態勢を変えていくのだと理解したわけですけれど、この態勢を変えていくということの具体的な中身、特に、右から左に移すということではなくて、どのように拡充強化しているのかということが、この資料だけからは分かりにくく感じました。例えば人の数を増やしているのかとか、あるいは、18ページの右下では債権回収についてのアウトソーシングの取組をしているというお話もありましたが、こういった債権回収の強化の取組はどれぐらい充実させて行っているのかということについて、もう少し詳しくご説明いただきたいと思います。
併せて、岡田委員の2点目のコメントと重複するかと思うのですが、今後返済が困難だという方が、コロナ対応融資については既に生じているのかもしれませんが、一層、返済が苦しい、厳しいという方が増えていくことが見込まれると思うのですが、そういった場面について、どういった方針で債権回収を行っていくご想定なのか。これも従来とは発想を変える必要があるのかないのかというところも含めてかと思いますが、発想を変えるのであればどういう方向で、変えないのであれば、それでよいのかということについてのお考えを聞きたいということが1点目の債権管理・債権回収に関する質問になります。
それから2点目は、岡田委員の1点目のコメントの続きのような質問でございますが、物価高騰対応資金の無担保・無利息の貸付というのは、恒久的な制度ということではなくて、現下の状況を踏まえた特別な措置であると理解しております。
その場合に、物価高騰というのが、何をもって物価高騰というのかも非常に定義しづらいものだと思いますし、これが続いているということが、どういった状況であれば物価高騰が続いているのか、高止まりしていれば物価高騰なのか、物価高騰からさらに高騰しないと、次の物価高騰にならないのか、この辺りの捉え方が非常に難しいものだと思います。現在の無担保・無利息の貸付について、今後どう、継続していくのか、どういった状況になったら終了させることになるのかということと併せて、仮に一旦、現下の物価高騰が収まったと判断して、制度が終了したときに、将来的にまた、どういった状況になれば同じような物価高騰対応ということで、無担保・無利息なり、条件を優遇した貸付を行うのかということについての考え方をお聞かせいただきたいと思います。
場当たり的に、非常に大きな予算を確保して無担保・無利息の貸付を実施するというのも、効率的ではないというか、無計画な対応という気がいたしますので、その辺りの現在の捉え方、今後の見通しについて伺いたいということが、2点目のコメントないし質問になります。
それから3点目は、資料の15ページで、こちらは私の知識のなさという気もするのですが、病院にとってのお客さん、すなわち患者の数というものが、コロナ禍ということを特殊要因として考慮したとしても、漸減傾向というか、徐々に減っている傾向にあるということを、このデータではっきり確認したのは初めてでございまして、病院にとっての顧客の減少が、病院経営が苦しくなっていることの主たる要因の1つであると理解いたしました。
この傾向が、地方の問題が中心なのか、都市部においても患者数が猛烈に減っているということなのか、この辺りの事実関係を教えていただきたいと思います。併せて、統計データは探せば、今までも公表されていたということなのかもしれないですが、少なくとも、私のような素人にとって、病院にとって患者が減って経営が苦しくなっている面があるということは、特に都市部においてもそういったことが起きているということは、あまり肌感覚がなかった事実という気がいたします。
私が無理解だったというだけなのかもしれませんが、もし、少しでもそういった印象があるとお感じいただけるのであれば、この辺りの情報の提供の仕方、周知の仕方について、病院が苦しいということが、人件費や薬が高くなっているということとはまた別の面で、問題になっていることを世の中に知らしめると、よろしいのではないかと感想を持ちました。
私からは以上です。
〔翁分科会長〕ありがとうございました。
それでは、家森委員、お願いします。
〔家森委員〕どうもありがとうございます。
まず、23ページです。財政投融資で調達される以外に福祉医療機構債券でも調達されている残高があるのですが、こちらについては全額政府保証がついているものなのか、財投機関債の形で、マーケットのリスク評価がついているものなのでしょうか。もし後者だとしたら、どのような評価が今ついているのか。今回、財投機関債では調達されずに、こちらで希望されているというのは、何か積極的な理由があるのかという点を教えてくださいということが1つ目です。
2つ目は26ページでありまして、これは各先生方からも出ていることですが、2つ目のポツにあるように、構造的な変化によるものだとすると、それを資金繰りで支えるというのは、本当に激変緩和というものならともかくとして、そうでないとすると資金繰り支援ではうまくいかないのではないかと感じます。構造的変化に対応する資金供給のフレームワークという形でご説明いただかないと、本当に急場しのぎというふうに文章上見えてしまうと思います。
4つ目のポツのところにおいて、今後フォローアップをしていくということが書かれています。これは今有吉先生からもご指摘があったのですけれども、すごく手間が掛かります。私は中小企業金融を主に研究しているのですが、経営支援というのはすごく手間が掛かるのです。これについての人員の体制をどのようにされているのか、あるいは外部の専門家との連携について、何か具体的なものが多分あるだろうと思うのですけれども、その辺りについて教えていただきたいということです。
また、フォローアップで状況を把握するとしても、具体的にその次に、どういうアクションを取れるようなツールをお持ちなのかという点です。もちろんリスケをしてあげるというようなツールはお持ちなのでしょうけれども、それ以上に今中小企業金融で言えば、例えば経営人材を紹介するとか、高齢経営者の場合でしたら、事業承継と絡めるとかというような人の部分があります。病院について私は分からないのですけれど、中小企業で一番経営課題は何ですかというと、人がいない、経営する人がいないとかということを言われるので、人の部分に対しての手当てといいますか対応も、このフォローアップの中に必要ではないのかと感じます。
それから、フォローアップをする際に、決算書をもらっていると思います。病院の決算書がどのぐらいの頻度で渡されているのか分かりませんけれども、例えば1年に1回の決算で、決算書を待っていると、何か月も前の話になります。そこから対応しても遅れてしまうということで、いかに予兆管理をするかが大事になってきています。先ほど土居先生がおっしゃったように、分かっているキャッシュフローがあるなら、それについてはWAMでも即時に取れるようにできないのか。そういうような工夫をされないと、手後れになって手間もかかるし、直らないということが多いです。早め早めのご対応のための方策についてもお考えいただけるといいと思います。
以上でございます。
〔翁分科会長〕ありがとうございました。
それでは、山内委員、お願いいたします。
〔山内委員〕ご説明ありがとうございました。
私からはコメントといいますか、提案的なことが2点と、お考えをお聞かせいただきたいということで質問が2点です。
まず、1点目が、論点にある管理態勢、リスクのモニタリング等についてです。既に始められているとは思うのですけれども、ある程度集めるデータをフォーマット化した上で、AIなどを積極的に使ってなるべく機械的に処理をしていくことが大切ではないかと考えています。WAMの皆さんのお客様といいますか借入されている方、WAMの皆さんがアドバイスされていらっしゃる方は様々な属性の方がいらっしゃると思いますので、AIデータの学習に時間が掛かると思うのですが、もし取り組まれていらっしゃるのであればさらに進めていただき、これからということであれば職員の方の負担を減らす意味でもぜひご検討いただけたらということが1点でございます。
2点目が、先生方からもお話のあった経営指導の難しさという点です。私は社会福祉法人や病院の改善をお手伝いしたことがあり、そこで難しいな、これが一番大きい問題かと思ったのは、内部のガバナンス態勢でした。きちんと規程化されていないことや、権限が理事長に集中し、経営が理事長のセンスの良し悪しに影響されることや、新しいことをするために全部お伺いを立てないといけないということが起こっていました。態勢を整えないまま規模が大きくなった組織もあり、経営改善の大きなテーマとしてガバナンス改善があると思います。
とすると、ここからが質問になりますが、まさに先ほど家森先生がおっしゃいましたが、経営支援は非常に手間がかかります。例えばガバナンス改善のために規程まで変えていくとなるとかなり細かく見る必要がある。これはWAMの方だけで取り組むのは難しいと思うのですが、どこまで借入人の経営改善に関わり、成果にコミットするか。官民ファンドのような出資による支援の場合は株主として経営改善に関与できますけれども、WAMさんの場合はあくまでデットガバナンスなので借入人に強いことは言えないように思います。経営改善は総論としては是非やって頂きたいのですが、一体どこまで手を掛けてどれぐらい深くやるかという点を、印象で結構ですのでお聞かせいただければということが1点です。
もう1点は、丸田先生のお話にありました、機構としての資本の厚さの点です。一般会計からの支出についてはいろいろ議論があるかと思うのですが、これだけ大きな額を扱っていらっしゃっていながら、資本がやや薄めに見えて、実際のところ今欠損が900億円ぐらいあります。WAMさんは、医療機関や社会福祉法人、福祉施設の皆さんのラストリゾートといいますか、最後に頼る機関の一つかと思います。そのような機関がどんと構えて安心して相談できる状況でないと、お金を借りるほうも返済や経営改善の相談もし難いでしょうし、そもそも貸してくれるのかどうかも分からない。顧客が不安になってしまうことがあるなら、その状況は公的機関としてはよろしくないのではないか。欠損をどのようにして解消するか、欠損解消に資本が必要か、それとも、先ほど家森先生がおっしゃった、債券を使ってやっていくのか。格付も取られて投資家向けにIRされていると思うのですけれども、バランスシートの右側、特に資本の部分についてどのようにお考えかを差し支えない範囲でお聞かせいただければと思っております。
以上でございます。
〔翁分科会長〕ありがとうございました。
私もコメントしたいのですけれども、土居先生や、丸田先生もおっしゃっていたのですけれども、資金繰りを見ていく上では、フィンテック系の企業が銀行と組んで、キャッシュフローを見て予兆管理をするような取組ももう多数出ているので、そういうところの活用ということも考えてもいいかと思うのですけれども、そういった点については、今どういうお取組なのかが1つ。
あともう一つは、医療機関の改革ということではREVICが随分いろいろな取組をしてきているので、そういったところと情報交換しながら、例えば、フォローアップのことを家森先生とかもおっしゃいましたけれども、連携をしていくとか、情報共有するとか、そういったことも何か一つ重要な取組にもなるのかという感じがしております。その点などは今どういう、取組をされているのかも質問させていただきたいと思います。
それでは、ご回答をお願いしたいと思います。
〔鳩間計画官〕ありがとうございました。私の方もそうですけれど、厚生労働省、福祉医療機構からもお話しいただければと思います。
まず、最初に有吉委員の3点目の、地方がどうかというところについて、資料で最後の32ページに入れさせていただいておりまして、こちらは厚生労働省の資料になるのですけれども、大都市につきましては、人口横ばいで高齢者人口が増える中で在宅医療の需要が増えるような状況になっており、一方で、地方都市につきましては、在宅が増えるのですけれど、外来医療が減っていくとか、人口の少ない地域ではもっとその傾向が強くなるなど、そういう形になっておりまして、こういった各地域でどういう医療がどの程度必要かというご議論も厚生労働省でされているというご紹介でございます。
まず、物価高騰対応資金の考え方、緊急なのかとか、あるいは構造問題にどう対応しているのかとか、根本的な位置づけについて、複数の委員の方からご質問いただいた次第でございます。こちら要求の受けている中でのご議論で申し上げますと、物価高騰に制度面で対応することに時間が掛かるところがありますので、そういった対応がなされるまでの医療機関あるいは社会福祉の体制を支援するためにということで要求をいただいておりまして、物価高騰が落ち着いてくれば、当然それは落ち着くのですけれど、あとは制度的な対応がなされれば落ち着いてくると考えております。
厚生労働省から補足いただければと思いますが、2点目の、岡田委員がおっしゃった、ある程度貸倒れを見込みながらやっているのか、というところにつきましては、恐らく償還確実性はしっかり守りながら、というところではあるのですけれども、当然、貸倒引当金もありますので、なかなかゼロには難しいとは考えております。
それで、家森委員のおっしゃった構造問題への取組が同時になされなければ、恐らく償還がしっかり確実にならないというところもありますので、そういった物価高騰の資金への対応ではあるのですけれども、そういう経営改善も含めた制度を仕組んで、それをフォローアップしていくことで、償還確実性を確保していくという形の立てつけにさせていただいていると考えております。
そういった観点から、こういった制度を今仕組ませていただいているという考え方になってございます。
あとは、資本につきましては、恐らく厚生労働省と一般会計で今いろいろ議論をされていくものとは思っておりますけれども、そちらの方は理財局としても問題意識は持っておりまして、我々といたしましては、しっかりした形で事務運営や業務運営ができるような形になっていただければとは思っているところでございます。
債権管理の状況や、フォローアップにつきまして、可能でしたら福祉医療機構から少しお答えいただけますでしょうか。
〔(独)福祉医療機構藤田顧客業務部長〕福祉医療機構でございます。ご意見どうもありがとうございました。
私どもの債権管理について現状をお話しさせていただければと思います。
私ども機構におきましては、毎年、貸付先から決算書類の提出を受けまして、財務諸表をデータ化し、財務分析を実施しております。分析結果に基づきまして、全ての貸付先の債務者区分を決定させていただいて、リスク管理債権化の可能性を判定するイエローゾーンモデルというものをつくっておりまして、そこのランクで判定をすることによって、財務状況等の特徴からリスクの高い先というものを捉えております。その上で、貸付残高の多い、70億円超の大口先のほか、無担保でリスクが高いと思われる先とか、あと財務スコアが芳しくない先など、これは大口小口も問わず、ですけれども、個別のフォローアップ調査を実施させていただいております。
フォローアップ調査では、貸付先の経営改善の状況とか、運営の状況等を把握するためには、電話とか書面、それから実地でお伺いするなどしてヒアリングを実施しておりまして、経営改善のアドバイス等の働きかけを行っているところでございます。
このほかに、リスク管理債権にはなっていないものの、正常債権の中でもリスクの高い貸付先、業況が芳しくない貸付先に対しましても、経営状況の改善案を参考として、全ての貸付先からいただいた決算書とか、施設の稼働状況などの資料を統計処理いたしまして、これまでリサーチレポートということで公表させていただいた内容等を取りまとめた「福祉医療サービス経営関連レポート」というものでございますが、そちらをご覧いただくなど、リスク特性に応じた対応を実施させていただいております。
それと、リスク管理債権の回収のときですが、貸付金額の多寡に関わらず、地域における福祉医療基盤の維持存続を図るという観点と、回収金の最大化を図るという観点を両立させるべく、返済が困難な貸付先に対しましては、経営改善計画といったものの提出を受けまして、そのときに民間の金融機関の皆様とも協調させていただきながら、貸出条件緩和による金融支援を行っているということ。
また、貸付した施設とか事業が休止とか廃止になっているような場合であれば、毀損する可能性が高い債権ということでございますので、現地調査や貸付先に対するヒアリングの実施等をいたしまして、実態把握に努めるなど、債権の管理を徹底するとともに、必要に応じて法的措置等の債権保全に係る対応を的確に実施しているところでございます。
今申し上げましたように、一律に貸付金額の多寡によって債権管理態勢を変えるということではなくて、貸付先の状況によって管理方法等の濃淡はありますものの、適切に債務者管理を行っているところでございます。
それとあと、年に1回の決算書の徴求だと、なかなか厳しいものがあるのではないかという話がございました。そういう意味では、先ほど申し上げましたとおり、私ども毎年貸付先から決算書の提出を受けてはいるのですけれども、今私どもが抱えておる貸付先数は3万5,000件を超えておりまして、かつ、法人ごとによりましては、決算期も貸付先によってまちまちでございます。よって、財務資料を定期的に、例えば毎月だとか、そのように徴求することは難しい状況にございますけれども、そのような中でも、現状におきましても、先ほど申しました、大口先だとか無担保でリスクが高いと思われる先、それから財務スコアが芳しくないような先、これらにつきましては個別のフォローアップということで、必要に応じて、半期もしくは四半期ごとに残高試算表をいただきながら確認する先というのもございますので、そういったフォローアップもさせていただいているところでございます。
以上でございます。
〔翁分科会長〕すみません、具体的な個別の委員の質問に対しても、WAMのほうからご回答いただけますでしょうか。
〔鳩間計画官〕例えば、アウトソーシングの状況や、態勢の充実状況についてはいかがでしょうか。
〔翁分科会長〕土居委員とか、いろいろご質問あったと思うのですけれども、連携の仕方とか、キャッシュフローのつかみ方はどうしているのかとか、個別具体的な質問に対してご回答いただきたいと思います。
〔(独)福祉医療機構藤田顧客業務部長〕アウトソーシングの活用ということでございますが、コロナ融資でいえば、最大5年間の据置期間がございまして、その間に償還の開始の時期をお忘れになられている法人も多数ございましたので、まずは、元金償還が始まる6か月前に、こちらから元金償還が始まりますというご連絡をさせていただくとともに、初期の延滞督促について、速やかに行う必要があることから、外部委託業者を活用させていただいているのと、3か月超延滞している融資先に対しましては、サービサーを活用させていただき、債権回収を進めているところではございます。
サービサーの活用ですが、行政と調整が必要な複雑な事案であったり、地域の福祉医療基盤への影響が大きい貸付先について私どもWAMが対応させていただくのですけれども、サ-ビサーにつきましては、類型化された対応が可能な事業といたしまして、通所とか訪問事業等の入所系以外の事業をお願いさせていただいております。
そのときの基本的な方針といたしましては、貸付先への事業の継続を求めるということと、法的措置を取るような場合には必ずWAMの判断を要するということなど、サ-ビサーへの委託のときに、基本方針として結ばせていただいております。
〔翁分科会長〕すみません、支払基金や国保連との連携とか、キャッシュフローというのはどのように把握しているのかというご質問についてのご回答はいただけませんか。
〔厚生労働省医政局樋山医療経営支援課長〕厚生労働省医政局でございます。
支払基金から福祉医療機構へのデータ提供につきましては、支払基金が、刑事訴訟法や国税徴収法に基づいて報告・提供などを求められた場合には、保有データの提供が可能となっているのですけれども、福祉医療機構が債権管理の一環として支払基金のデータを取得するということは、個人情報保護法や支払基金法などに抵触する可能性があるということで、今のところ困難であると考えております。
〔翁分科会長〕どうぞ。
〔土居委員〕よろしいですか。
〔翁分科会長〕はい。
〔土居委員〕今のところ、そういう法律の建付けになっているというご説明は理解をしましたけれども、さすがにこれだけ延滞債権が出てくるとかということになると、しかも延滞している側の問題ということからすると、やはり支払い、延滞しておきながら診療報酬を受け取っていたり介護報酬を受け取ったりしているということなわけですから、やはりそこはきちんと、法律改正をしてでも、個人情報保護とかそういうところの問題もクリアした上で、福祉医療機構も延滞債権ないし債権管理のために、支払基金なり国保連の情報が使えるようにする必要があるのではないかと思います。これは意見です。
〔翁分科会長〕よろしいですか。そういうご意見がありましたので、よろしくご検討をお願いします。
キャッシュフローについては、さっきからバランスシートを見ている、決算を見ているということですが、キャッシュフローについては、どういうフォローをされているのですか。それはWAMのほうになるかと思うのですけれど。
〔(独)福祉医療機構藤田顧客業務部長〕決算書類関係を頂く中で、資金繰りというものが、直近だとか、この先1年間だとか、どういう形になっているかというのは、資金繰り表を見させていただいておりまして、リスク管理債権になりそうなものにつきましては、民間の金融機関とバンクミーティング等でお話合いをさせていただいておりますので、その中で、民間の金融機関と一緒に資金繰りをしっかり確認しているところでございます。
〔翁分科会長〕この点については、山内委員からもアドバイスがありましたので、是非日常的にデータを取れるような体制とかを取っていかないと、なかなか難しくなっていくかと思いますので、しっかりその辺もご検討いただきたいと思います。
そのほかにご質問いただいていて、ご回答いただいていないことについて、機関債のこともございました。機関債の発行の考え方について、教えていただけますか。
〔(独)福祉医療機構藤田顧客業務部長〕機関債に関しましては、毎年200億円程度、財投機関債という形で発行しておりまして、R&Iより格付でダブルAプラスをいただいております。
〔翁分科会長〕家森委員、よろしいですか。
あと、例えばREVICとかとコミュニケーションを取ったりはされておられるのでしょうか。
〔(独)福祉医療機構藤田顧客業務部長〕大変失礼いたしました。REVICとは、令和2年から協定書を締結させていただいておりまして、情報交換をさせていただきながら、個々の案件で協力をしているところでございます。
〔翁分科会長〕そのほかに、ご質問されていて、ご回答をいただいていないという方いらっしゃいますでしょうか。よろしいですか。
追加的に、よろしくお願いします。
〔厚生労働省医政局樋山医療経営支援課長〕厚生労働省医政局でございます。
物価高騰対応資金についてでございます。こちらにつきましては、医療機関等が、物価高騰や人件費の増加など厳しい状況に直面している状況があり、令和6年度の診療報酬改定と補正予算において一定の措置を講じたところであります。これらの取組の効果が現れるまでの間、資金繰り悪化による事業が継続できなくなる事態を避けるための施策として、物価高騰対応資金の開始を始めたところであります。
現在もその状況が続いておりますので継続しておりますが、令和8年度の診療報酬改定が予定されておりますので、当面はそこの改定の状況も見なければいけません。また、令和7年度補正についても検討しておりますので、様子を見させていただいている状況にあります。
資本増強につきましては、先ほど閣議決定された総合経済対策の中でWAMの支援が明記されたという状況の報告がありましたので、そこも併せてご報告をさせていただきます。
以上です。
〔翁分科会長〕ご説明ありがとうございました。
それでは、多くの皆様からいろいろ意見が出ておりますけれども、やはり構造的な課題を医療機関は抱えていますので、そういったことにもしっかりと問題意識を持った形での融資の在り方とか、経営改善のサポートとか、そういうことをやっていただくことが大事ですし、また、債権管理の在り方も、各種いろいろ皆様からアドバイスをいただきましたけれども、しっかりお願いしたいということかと思っております。引き続き、しっかりと取り組んでいただきたいと思っております。
何か追加的によろしいでしょうか。
それでは、ありがとうございます。この辺りでWAMにつきましては、質疑を終了したいと思います。ありがとうございました。
舞立財務副大臣は、他の公務のために、ここでご退席されます。また、独立行政法人福祉医療機構の関係者の方々にもご退席いただきます。
(舞立財務副大臣、(独)福祉医療機構関係者退席)
〔翁分科会長〕続きまして、海外通信・放送・郵便事業支援機構の関係者の方々がお入りになりますので、しばらくお待ちください。
(海外通信・放送・郵便事業支援機構関係者着席)
〔翁分科会長〕それでは、海外通信・放送・郵便事業支援機構につきまして高橋計画官より、要求の概要及び編成上の論点の説明をお願いいたします。
〔高橋計画官〕計画官の高橋でございます。私から、海外通信・放送・郵便事業支援機構(JICT)に係る資料、資料番号2の説明をいたします。
まず、1ページ目の目次でございます。
最初に、JICTの概要について簡単にご説明しまして、その後、総務省、JICTからいただいている令和8年度要求の概要を説明いたします。最後に、私ども理財局が考える編成上の論点についてご説明をいたします。
3ページ目をお願いいたします。
JICTは、海外において電気通信事業、放送事業、郵便事業を行う者などに対し、投資などの支援を行うため、2015年に設立されています。右のグラフをご覧いただきたいのですが、2025年3月末までに累積で22件の案件に支援決定をしてきており、その総額は約1,500億円規模となっています。
次の4ページ目でございます。
こちらはご参考ですが、JICTは、2035年度末までの時限的な機関になっています。現在、2035年度末までの期限を延長するかどうかを含むJICTの今後の在り方について、総務省において議論されています。そのための検討会が令和7年10月立ち上げられており、財投分科会委員でもあられます土居委員、それから野村委員が参加されておられます。
次は、総務省、JICTからいただいている令和8年度要求の概要です。6ページ目です。
進行年度であります令和7年度は620億円の事業規模を計画していますが、令和8年度は180億円増の800億円の事業規模を計画しています。
そのための財源として、産業投資について、令和7年度の計画対比180億円増の680億円の要求をいただいております。
以後、私ども理財局が考える編成上の論点を説明いたします。8ページ目をご覧ください。
JICTは、これまでアメリカ及びインドにおけるデータセンター事業に支援を行ってきていますが、支援決定額ベースで、それぞれ総額約270億円の投資規模になっています。そのため、現在残存している出資案件に占める金額の割合が、右の円グラフのとおり、約40%にもなっています。このようにJICTのポートフォリオやリスク管理に係るデータセンター事業案件の重要度は増してきている状況です。
今年6月に開催された財投分科会においても、丸田委員、有吉委員からまさにこの点について御指摘を頂戴しています。
次の9ページをご覧ください。
JICTは、改革工程表2018を踏まえた投資計画を策定し、進捗確認を行ってきていましたが、2021年度末の累積損失の実績額が計画を下回りました。そのため、現在は、改革工程表2021を踏まえた新たな改善計画を策定し、この改善結果に基づき、進捗確認を行ってきているところです。2024年度末、つまり2025年3月期の累積損失の実績額は、計画を上回っています。つまり、実績の累積損失額マイナス122億円は、計画上の累積損失額マイナス190億円よりは少なくなっていますが、万が一このデータセンター事業、先ほどご説明いたしました1件200億円を超えるようなデータセンター事業で何らかの不調なことがあった場合には、すぐ累積損失は計画を大幅に下回ってしまいます。そのため、個別案件のリスク管理はより慎重に行うべきと考えます。
次の10ページです。
確かに世界のICT市場、また、その中でデータセンター事業の市場規模は、今後も伸びが見込まれそうであります。しかしながら、逆に成長が見込まれるであろうデータセンター事業であるからこそ、民間だけで十分に資金が供給されずに、JICTがリスクマネー供給をしなければならない状況なのかどうか、しっかり説明をしていただきたいと思います。
また、JICTが行うデータセンター事業については、海外展開の支援ですので、我が国に対してどのような政策的な効果を生み出しているのかなど、丁寧に説明をいただきたいと思います。
次の11ページ目をご覧ください。
データセンター事業の市場成長に伴い、電力問題などのリスクが指摘されています。私どもも少し調べてみましたが、例えばアイルランドにおいて電力不足によりデータセンターへの新規の送電網接続が停止されたというような事例、シンガポールやオランダにおいてデータセンターの建設が停止されるという事例もあったようです。こうしたダウンサイドのリスクを客観的に評価し、ポートフォリオやリスク管理に反映していく必要があるのではないかと考えます。
次の12ページ、今までのデータセンターの議論とは別の話です。
JICTは、出資のみならず、劣後ローンなどの出資以外のリスクマネー供給も可能です。
ページ真ん中の表をご覧いただきたいのですが、実績を見るところ、光海底ケーブルや携帯電話インフラシェアリングの分野では、出資と融資を組み合わせてリスクマネー供給がなされています。一方、データセンターやICT基盤・サービスの分野では、出資という形で支援が行われています。総じて出資が多く、融資は少ないです。
JICTにおいて、事業者のニーズを踏まえつつも、案件の性質とか、事業の規模だとか、また、民間事業者が取るべきリスクの程度、これらを考慮して、リスクマネー供給の方法が適切に選択されているでしょうか。
なお、JICTは、今までその財源を産業投資による政府出資でほぼ賄ってきていますが、資金調達面においてリスクマネー供給の方法に応じてとなりますけれども、借入など多様な手段を取ることも必要ではないかと考えます。
最後の13ページ目です。
今までの議論をまとめております。1つ目は、データセンターの関係です。データセンター事業案件は、1件当たりの規模も大きく、ポートフォリオに占める割合も高まってきています。そのため、ダウンサイドリスクを客観的に評価し、ポートフォリオやリスク管理に反映していただきたいと思います。
また、データセンター事業の市場成長が見込まれるものの、その中で官民ファンドたるJICTの役割、それから海外展開ということで、国内への裨益など政策的な意味合いなどについて丁寧に説明していただきたいと考えます。
そして2つ目ですけれども、JICTのリスクマネー供給の方法について、共同事業者からのニーズを踏まえつつも、事業の性質などに応じて適切に選択していただきたいと思います。
また、資金調達方法についても、リスクマネー供給の方法に応じてですけれども、多様な手段を検討いただきたいと思います。
以上、私から資料の内容について説明をいたしました。ぜひご議論いただければと存じます。よろしくお願いします。
〔翁分科会長〕どうもご説明ありがとうございました。
それでは、ただいまのご説明を踏まえまして、委員の皆様からご意見やご質問をお願いしたいと思います。
それでは、岡田委員、有吉委員、順番にお願いいたします。
〔岡田委員〕ご説明ありがとうございます。
私からは、ちょうど今日、総合経済対策が決定されましたけれども、政府のほうの大きい枠組みとして、危機管理投資という枠組みで、官民連携で投資を進めていくと。詳細はまだあまりよく分かっていませんけれど、そのような全体の像があって、もう一つは5,500億ドルの投資という、日米の投資という枠組みもあるということになろうかと思います。
いつも個別の官民ファンドのときに、政策効果と資金の適切なリスク管理というときに、政策というほうは結構所管官庁のほうで議論があって、こちらのほうでどこまで踏み込んで議論できるのですかというのは、常にいつも議論になっていますけれども、危機管理投資と日米の投資、それからJICTも含めて既存の官民ファンドは、それぞれの枠組みでオーバーラップするところもあれば、個別にオーバーラップしないところもあるのかとも思うのですけれども、今後は進み方によっていろいろはっきりとはしてくるとは思うのですけれど、現時点で分かる範囲で、ざっくりと言えば、JICTというのはそういう政府の危機管理投資の一部を担うこともあり得るという形で議論が整理されて、今後の事業展開をしていくのか、あるいは、例えば危機管理投資などでも、データセンター投資みたいなものは、あちらは経済安全保障とか、その枠組み特有のコンセプトがありますし、日米であれば日米のサプライチェーンの強化とか、固有のコンセプトがあると思いますけれども、そういうコンセプトに沿ってそれぞれ何らかの、何か投資の枠組みなどができていって、すみ分けというふうに考えながら基本的に、あまり重なり過ぎないように、すみ分けということを考えながらやっていくのか、現時点では、どういう全体の整理と理解しておけばいいのでしょうか。
以上です。
〔翁分科会長〕ありがとうございます。
それでは、有吉委員、お願いします。
〔有吉委員〕有吉でございます。ご説明どうもありがとうございました。
個人的には数ある官民ファンドの中で、現時点で一番気になっているというか恐怖感を感じているのがJICTであります。似ているところがあるというだけで議論するのが非常に乱暴であることは十分理解しているのですけれど、昨年、JOINについて大きな損失が判明したときと、似ている点が現在のJICTには多いように感じています。質問させていただきたいのはその1点で、JOINと何が違うのかという点であります。
是非、そこについて、私の懸念というか、この不安が杞憂だということをお話しいただければと思うわけですが、JOINと似ているという意味合いは、例えば、データセンターについてのご説明があったわけでありますけれど、特定の個別案件についての投資金額が非常に大きく、かつそれも特定の分野に集中してしまっているということであるとか、投資先の分野や業態への親和性や専門性をお持ちだということは理解するところでございますけれど、一方で、投資先の国についてのご知見やご専門性が十分にあるようには思えないということであるとか、それから民間と共同で融資をする、投資をするということは、これはこれでプラスの方向であるということは理解する一方で、一旦お金を出してしまうと、簡単に自分だけ撤退することができない状況になるといったことは、JOINが失敗したという状況と非常に似通っているのではないかと思います。
そういった意味で、個別の案件の良し悪しということではなくて、投融資に当たっての審査とか、相手方との交渉とか、それからお金を出した後の期中のモニタリング、さらには、モニタリング結果を踏まえた投融資の管理、そして、一番大事なのはこういったこと全体を統制するガバナンスの体制面につきまして、昨年の体制の見直しを図る前のJOINとは異なって、今のJICTには十分なものが備わっているのかを確認したいということであります。
質問の仕方を少し変えると、昨年の12月にJOINに関する有識者委員会の報告書が公表されており、問題の分析とそれからそれに対する対策が取りまとめられているわけでございまして、その報告書をJICTの皆さんも精読されていると思うわけですが、その上で、問題が起きた状況におけるJOINと、それから今のJICTとで、体制面が違うのかどうか。同じところがあり、他山の石とするところがあるのであれば、その報告書を踏まえて、どういった改善が図られたのかということについて、これは先月に始まった検討会でもご議論されていることだと承知しておりますけれど、この場でご説明いただければと思います。
私からは以上です。
〔翁分科会長〕ありがとうございました。
それでは、山内委員、お願いします。
〔山内委員〕ご説明いただきありがとうございました。
私からは論点に沿って1つずつ申し上げます。もう一つはコメントといいますか、総務省の皆様がお感じになっているところがあればお聞かせいただければと思っています。
まず、論点の1点目、データセンターのダウンサイドリスクです。評価項目は資料を拝見するとフルカバーされていらっしゃる印象を受けました。その項目がどれぐらいダウンサイドに影響するかはやってみないと分からないところもあり、評価そのものより、そもそもJICTさんとしてデータセンター事業を今後も続けるかどうかという点です。ご案内のとおり、データセンターはREITの対象ともなるアセットクラスとなっています。アメリカやオーストラリア、あるいは日本企業によるものでもNTTさんがシンガポールでREITを上場されましたが、データセンター市場は上場投資ができる状況です。その状況下で産業投資の枠組みでどこまでやるかは論点1のポイントになるかと考えています。
2点目は、リスクマネーの供給方法に関連してです。供給方法として出融資が挙げられており、私も基本的にはこのような供給方法となると理解していますが、お伺いしたいのはむしろ自社の資金調達をどう考えていらっしゃるかという点です。
JICTさんに限った話ではないのですが、ほとんどの官民ファンドが産業投資からの出資が9割を超えている状況です。JICTさんは業務改善により単年度黒字が続いており、仮にデータセンターのように商業性の高いものに引き続き投資するならば、産業投資の政策的意義はさておき、より民間からお金を集めてもいいのではないか。つまり、JICTさんの出資比率における民の割合を大きくすることも考えられるのではないかということです。論点2で挙がっている支援策に使うお金をどこから調達するかについて問題提起をさせていただければと思っています。
土居先生と野村先生が参加されていらっしゃる会議でJICTさんの政策的意義を議論されるかと思います。例えばデータセンター投資は政策的意義があるのかどうか。もちろん意義があると言えばそれで良いと思います。他方、先ほど岡田先生のお話にもございました経済安全保障的な視座からの支援を強化するのであれば、海底ケーブル分野によりお金を割くべきとの議論もあろうかと思います。海底ケーブルの敷設だけではなく、ケーブル敷設船の造船や、切断・盗聴リスク対策への投資も含め、広い意味で通信インフラの強靱化と保護に投資する。そういうところも含めた上で、JICTさんとして政策的意義をどのようにされていくのかを、関心をもって見ているところでございます。以上は、コメントでございます。ありがとうございました。
〔翁分科会長〕ありがとうございました。
丸田委員はよろしいですか。
それでは、ご回答をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
〔(株)海外通信・放送・郵便事業支援機構大島代表取締役社長〕ご質問ありがとうございます。JICT社長の大島から、まず、回答を申し上げられればと思っております。
データセンターの投資に関しましては、総務省のデジタル海外展開戦略2030においても重点分野ということで位置づけられておりまして、また、ご案内のとおり、大変メディアでも取り上げられるような昨今でございますので、需要としては、大変沸騰しているとは認識をしてございます。
ただ、私ども、まず申し上げておきたいのは、いわゆる大量のデータを蓄積して広大な土地で、新しいAI開発をするような事業ではなくて、むしろ、都市部に近い、需要が非常にある、また、電力についても、場合によっては水源についても、しっかり確保されている、比較的セキュアな案件のみを対象とし、そこにまた事業者のニーズからして、民業を補完する意義があると認められる案件のみ対象として取り上げているということでございます。
私どもとして、データセンターの事業が重要であると考えますのは、やはり日本企業がグローバルな市場において、なお、このプロジェクトとして競争力を持っている数少ない成長分野の1つであると認識をしてございまして、そういった意味では、特に大手通信会社においてはグローバルにプレゼンスを発揮し、また、それを梃子に日本企業の海外展開の1つのキーになる、そういった事業であると認識をしているところでございます。
また、このデータセンターに伴って大手通信会社のみならず、あるいは商社等にのみならず、関連する部材あるいは装置の提供において、日本企業のサプライヤーが入っていくということで、裾野もある事業と捉えております。
また、第2に、データセンター、これは私どもの投資の実例でも、例えばインドの案件のように、海底ケーブルに接続するデータセンターというところも展開されておりまして、そういった意味ではデータセンター単独ではなくて、海底ケーブルの事業ともつながり、非常にデータのセキュアな場所を確保し、また、それを、ケーブルを通じてつないでいく、そういうまさにセキュアな通信インフラをつくっていくというところにも親和性があると思っておりますし、また、昨今では、電力の問題という意味ではワット・ビット連携ということが言われておりますけれども、電力のところもつながる形での新しいデータを活用する基盤にもなりえると思っております。
また、NTTが手がけていらっしゃるようなIOWN構想であるように、オール光ネットワーク等も活用されていくということで、そういった日本企業の持っている技術ともパッケージで展開し得る1つのグローバル展開のモデルと考えております。
また、第3に、これも先ほど経済安全保障上のお話がございましたけれども、私ども相談をいただいているところは多く米国、東南アジアでございます。そこは日本にとっては、同志国あるいは経済関係の深い国々が多いと承知しておりますので、そういった国々との経済関係の深化、あるいは信頼性の高いデータセンターを、海外展開していくということで、当地に展開する日本企業も含めて、決してGAFAMだけではなくて、広く活用される基盤であると認識をしているところでございます。そういった意味では、海外データセンターの事業分野そのもの、この支援の意義というのは、今後とも重要性は増していくものと認識をしております。
一方で、ご指摘がございましたように、JICTを一会社あるいは一ファンドというふうに見たときの、ポートフォリオの集中に関するご懸念という点でご指摘が多数あったかと思います。今日の資料で20ページ目に、過去の支援の実績の積み上がりを参考でおつけをしてございますけれども、まさに近年ここ二、三年の案件の広がりの中で、データセンターの支援が出てきておりまして、紫色のところになりますけれども、そういった意味では、私ども設立以来、ケーブルを手がけ、あるいはICT基盤の買収にかかるような投資というのにも取り組んでまいりましたけれども、その時々の民間事業者からのニーズに応じて、少しずつ変化する、そういった中でポートフォリオの健全性を守っていく。そういった観点を持って進んでいる官民ファンドでもあるということでございます。
そういった意味で、それぞれの金額がやや大きくなりがちというところがございますので、これのダウンサイドをどのように整理をしていくかということでございますが、そういった意味では先ほど少し電力、水ということも触れましたけれども、設計段階ではなくて、まさに建設段階に入って、オフテイカーのところ、あるいは契約のところ、そういったところを1つ1つ確認しながら、一定のストレスを事業計画にかけた上でもなお、お金が返る、そういったところを過去の事例も、例えばリーマンショック時にどの程度その資産価格が下落したとか、あるいは為替においてもどの程度のショックが起きたときに、どの程度のレジリエンスがあるか。こういったところも確認をし、リスクを見極めた上で、契約に落とせるものは契約のストラクチャーに落とし込んで、リスクの軽減に努めて取り上げてございます。
実際にかなり手堅い、キャッシュフローがしっかりしているものに投資をしているわけですけれども、そういった意味では、その上で、さらに国や地域、あるいは、実際に使用する契約者といいますか、オフテイカー、利用者がどういった人たちか、どういった可能性があるのか、こういったところの分散度合いを確認し、それぞれの契約のところまで確認して、事業者と御一緒するというところの判断もしているところでございます。
そういった意味では、それぞれの個別の特徴の分散にも注意をしながら、同じデータセンター投資でございますけれども、地域や通貨のリスクも分散させながら取り組んでおります。
こういったものが、民間との関係でどうかというご指摘についてでございますけれども、実際に私どもに求められているものは、やはりエクイティーの出資者として非常に信頼感のある伴走者でもあると認識をしてございまして、一部、大手金融機関等でのローンを出すようなニーズというのは、これはキャッシュフローがしっかりしていればあり得るかと思いますけれども、エクイティーを出すということになりますと、極めてハードルが高いところでございまして、建設段階においては実際にはまだ収入、使用料が入ってこない段階ですので、Jカーブがございます。そういったものに民間金融機関が、短期的な損益にもやはり影響されますし、耐えにくいので、そういったときに事業がしっかり進んでいくための、しっかりとしたエクイティーの出資者、事業者が信頼できる出資者が必要になるということで、補完的な役割であるとは思ってございます。
ですが、繰り返しになりますけれども、エクイティーを出すということ自体が、様々な投融資の形態の中で、比較的リスクが高いのではないか。これが大きいのではないかというご懸念が当然あるかと思いますけれども、申し上げましたように、その中身を分解してみますと、かなりキャッシュフローはしっかりしている社債のほうのリスクにも近いエクイティー領域ということでございまして、例えばお話ございました海底ケーブルのような案件ですと、これは金額的には規模感が小さくなりますけれども、これはリスク・リターンの関係でも抑えざるを得ない部分がございます。実際には出資と融資も組み合わせてございまして、これは許認可でございましたり、実際にケーブルが引かれて稼働するまでにかなり時間を要します。その中で販売をして、収入を得ながら、一部はリースに出していくというようなことで、最終的に利益を得るという、そういう意味ではハイリスク・ハイリターンの領域になります。
それに対しまして、データセンターの建設・展開の投資につきましては、どちらかといいますとミドルリスク・ミドルリターンの領域と考えてございます。個別案件に関係しますので、詳しく申し上げにくいところもありますけれども、例えばIRRを見れば、米国でやれば、10%あるいはそれを切るぐらいでございます。これはリスク・リターンの観点でもこのぐらいが適正だというミドル領域であるということの1つの証左かと思います。
一方で、途上国でやりました案件などは、10%半ばぐらいになります。これは為替のリスクもございますし、当地の政治面も含めたリスクがあるということでございます。
それから、先ほどREITに関するご指摘がございました。これに関しましても、もちろん体制が整うのであれば、EXITの1つの在り方として、特に、これは米国では想定されると思いますけれども、米国以外の領域での資本市場の広がりからいえば、まだまだREITの十分な流動性はないと思いますので、まだそこには時間がかかるのではないかと思っております。
また、インドのように、そういった資本市場、金融市場がまだ発展途上にある場合には、証券化でリスクをパートアウトしていくところも非常に難しいので、バランスシート上に、そういった投資を抱えられるパートナーがどうしてもいるという中で言いますと、私どものデータセンタービジネスに関与していく役割はあるのかとも考えているところでございます。
ただ、一方で、ずっとデータセンターをやり続けてバランスシートが大きくなるということも適切ではないと思ってございますので、そういった観点では、これ私どものポートフォリオのEXITのところも見ながら、ということになりますけれども、少し回転できるものは回転する、あるいは組成時において信頼できるパートナーがあれば、少しそういった方にもご参画いただいて、リスクを少し抑えていく、そういった試みも考えてまいりたいと思うところでございます。
それから、有吉委員から頂戴しましたJOINとどこが違うかというご質問でございますけれども、JOINのケースも、私どもも報告書も拝見しているところでございますけれども、やはり手がけられている領域がより難しい領域をやられていると認識をしてございまして、特に長い期間の投融資をする中で、設計段階から入られているということで、よりそのプロジェクトの初期段階から入られている。私どもがこういったデータセンターで手がけていますのは、建設段階に入り、事業の確度が上がってきたところで、資金的に、あるいはストラクチャーの中で、エクイティーの出資者、よりミドルリスクのところで入っていくという形でございます。
また、投資期間も、割とキャッシュフローが見えるところで、5年あるいは10年ぐらいまでの期間でございますので、JOINと比べますと期間が短く回転しやすい、また、これからの資本市場の発展によっては、ご指摘がございましたように、REIT等でのEXITも想定できる。あるいはインフラファンドが、信頼できるインフラファンドであれば、そこに譲渡するということもあるので、業態としては、私どもとしてはJOINの取り組まれている領域がより難しい領域であると認識をしてございます。ここが1つ大きな差異と思っています。
また、実際に投融資を担当しておる、我々の人的なリソースということで言えば、民間ファンドや、あるいはメガバンク等で、海外の投資あるいはプロジェクト投資をやっていたような人間、この人材が少しずつ増えてきているということでありまして、20名余の人員を抱えてございます。
総務省の海外のネットワークを私どもも活用させていただきながら、また、現地の出張、それから実査、また、実際に出資後においてはボードに入る、あるいはモニタリングの過程で出張して現地を確認するという、まさにエクイティーの出資者としての伴走者、実際にローンを供給している商業銀行ではなし得ないところも含めて、見ておるところでございます。
そういった意味では、私自身も三十数年、米国の投資もしておりましたので、その辺のネットワーク、私どもエコシステムの中で、金融関係、地政学情報も比較的入ると思ってございます。また、地政学関係ではジョセフ・クラフト顧問にも入っていただいていて、アメリカの規制動向等にも、チャンネルも一定程度ありますので、その辺りが、多少なりとも投資判断に生かしていくことができればと考えているところでございます。
それから調達方法に対するご指摘を山内委員から頂戴いたしました。これも、私ども劣後ローンであったり、少し融資もまぜながらできるというところの特徴でございますので、これは当然ながら私どもはEXITで回収が進んでくれば、その資金の活用、自己資金の活用もあると思いますし、また、調達も、これは財務省、総務省ともご相談しながらですけれども、政府保証債の、過去2回やっていますけれども、そういったものも含めて多様化していく、これはしっかり考えてまいりたいと思います。
海底ケーブルについては、ご指摘ございますけれども、非常に難しい領域でございますけれども、引き続き関与をしていきたいと思っておりますし、私どもが初期に苦労した案件がございますけれど、これも実は引き続き関与してございまして、そういった意味で、これは民間ではできませんので、この案件がきちんと稼働して、セキュアな通信環境が維持できる状態が保たれ続けているかどうか。この辺りは新規案件とともに、過去の案件も含めて、しっかり人を張ってモニターをしているということでございまして、ここはしっかり続けてまいりたい。ただ、政策性と収益性のバランス、会社としての利益水準のところも、マイナスにならないようにしっかり見ていきますので、この辺のバランスを取りながら、また、皆様からのご意見を頂戴しながら進めてまいりたいと思っております。
すみません、一旦、以上とさせていただきます。
〔翁分科会長〕ありがとうございます。
岡田委員からのご質問の危機管理投資との関係ということについては、お願いできますか。
〔総務省国際戦略局嶋田国際戦略課長〕総務省国際戦略局国際戦略課長の嶋田と申します。先ほど岡田委員と山内委員から政策的意義のご質問、岡田委員につきましては、現政権の危機管理投資ですとか、5,500億ドルの日米投資についての関連性、オーバーラップその他、ご質問を伺いました。
こちらについて、まず、今の経済対策、補正予算の経済対策の関係と、あと関税対策の5,500億ドルの日米投資につきましては、JICTに果たしていただく役割ですとか責務とかという点では、直接的には関係ないと認識してございます。
ただ、現政権にとって危機管理投資、成長投資、こちらは非常に重要な政策課題だということは十分認識してございまして、お手元の資料の17ページに、デジタル海外展開総合戦略2030というものをお配りいただいているのですけれども、今回、高市政権で打ち出されました重点17分野の中に、情報通信、独立したトピックスとして入ってございます。筆頭に挙がっていますのは、AI、半導体、デジタル、サイバーセキュリティ、こういったものも挙げられてございまして、高市政権が現在主導していらっしゃいます重要分野の中で、我々の果たすべき役割は非常に大きいという認識でございます。
こちら前後するのですけれども、総務省としましては、6月11日に策定しましたデジタル海外展開総合戦略2030に基づいて、こういった海外展開の戦略、政策を遂行しているような状況にあります。こちらですが、前政権の時代につくられたものではあるのですが、こちらをつくったときのプロセスとしましては、自民党から情報通信成長戦略特命チームというものをつくっていただいて、そちらからの提言を受けて、政府側、総務省から、与党からの提言に対して答えると、今後、日本として長期的なデジタル戦略をどうやっていくのだということをお答えするものとして6月11日につくってございます。
こちらは、たまたまですけれども、主要メンバーの幹事に現政権の木原稔官房長官がいらっしゃったり、あとこの提言自体を中心的に取りまとめられた事務局長が今の尾﨑正直官房副長官でして、そういった関連からしても、この戦略の中身は現政権の主要メンバーともしっかり認識が一致しているのではないかと我々は非常に力強く思っております。
この中で、基本的な考え方として2030年頃を見据えて、国際競争力の強化と、先ほどお話もありましたけれど、経済安全保障の確保、こういったもの両方、政策課題を解決すべく、戦略的自律性と戦略的不可欠性、こちらは経済安全保障の中心的概念ですけれども、こういったものが求められる領域を重点分野として8分野、ここに掲げておりますけれど、設定してございます。こういった分野について、グローバルファースト、マーケットイン、同志国との連携強化、こういった考え方に基づいて、研究開発からグローバルな市場獲得まで、あと技術の産業化、こういったものをするために一貫した戦略的取組を推進しなければならないという提言を受けて、我々のほうでこういった形でやっていきますということを強く打ち出しているところでございます。
この中で、先ほどご指摘がありました重要分野として一丁目一番地に挙げておりますのが海底ケーブルでございます。あとはモバイルネットワークですとか、これから不可欠性を獲得していきますオール光ネットワークですとか、あと先ほど来、ご議論いただいておりますデータセンター、こちらについても重点8分野としてしっかり設定して、こういった経済安全保障上も非常に重要な分野を、我々としても重点分野と設定して、政策資源を投入して、こういったものの自律性の確保、不可欠性の獲得、国際競争力の強化を進めていくとなっています。
この中のツールとして、データセンターのところには特出しして、当官民ファンドのJICTの持続的・安定的なリスクマネー供給体制の整備が必要なのではないかということも書かれてございますし、書いてはございませんけれども、海底ケーブルですとか、モバイルネットワーク、衛星、非地上系ネットワーク、サイバーセキュリティ、この全ての分野においてJICTのリスクマネーの供給も1つの政策ツールとして、我々としても大きく期待しておりますし、しっかりこういうものを獲得して、日本の地位、現政権の定めております危機管理投資、成長投資に貢献していきたいというのが、政策的意義の一環として考えてございます。
先ほどお話ありましたけれども、総務省でもJICTの在り方の有識者検討会を開催してございまして、もう何回もご議論いただいているのですけれども、当分科会の土居委員、野村委員に非常に貴重な指摘をいただいてございまして、こういったものも含めて、これから我々もしっかり、ご指摘を踏まえてJICTの在り方、我々は監督官庁ですので、監督の在り方を含めて、しっかり考えていきたいと思います。
あと、すみません、戻ってしまいますが、この総合戦略については、総務省の総合戦略ですけれども、策定に当たっては、経産省、外務省、内閣官房、防衛省、その他各省も議論に参加して、政府一体としてやっていくと、リード官庁は総務省ですけれども、政府全体でやっていこうというものが、そもそも策定過程からつくられておりますので、こういうものに基づいて我々もこれからJICTという有効なツールを使って、国民の生活を守るためにしっかりやっていきたいと思っている所存でございます。
〔翁分科会長〕ありがとうございました。
何か追加的にご質問よろしいでしょうか。
それでは、ご説明どうもありがとうございました。ここで海外通信・放送・郵便事業支援機構の関係者の方々にはご退席いただきます。ありがとうございました。
(海外通信・放送・郵便事業支援機構関係者退席)
〔翁分科会長〕事務局から、よろしくお願いいたします。
〔西川財政投融資総括課長〕財政投融資総括課長の西川でございます。
本日も、先生方、大変活発なご議論、ご意見ありがとうございました。
私から1点お伝えしたいことがございます。先ほど岡田委員からも言及がございましたけれども、政府内で検討が進められておりました新しい総合経済対策につきまして、本日閣議決定がなされております。この閣議決定を受けまして、令和7年度財政投融資計画の補正につきまして、早急に検討いたしまして、委員の皆様のご意見をお聞きする機会をいただきたいと考えております。
委員の皆様方におかれましては、ご多忙のところ大変恐縮ではございますが、改めてご説明のお時間を頂戴したいと考えておりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
〔翁分科会長〕ありがとうございます。
それでは、少し予定の時間より早いですけれども、本日の議事はここまでといたします。ご議論いただいた内容のほか、追加のご意見やご質問がございましたら、事務局までお寄せいただければと思います。
本日の議事内容につきましては、事務局よりこの後、記者レクを行います。
議事録につきましては、委員の皆様のご了解をいただいた後、財務省ホームページに掲載いたします。
次回の開催日程は後日、事務局よりご連絡いたします。
本日はご多忙の中、どうもありがとうございました。
15時45分閉会

