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財政制度等審議会財政投融資分科会
議事録

令和5年11月17日
財政制度等審議会


財政制度等審議会財政投融資分科会議事次第

令和5年11月17日(金)13:29~15:36
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

  • 1.開会

  • 2.令和6年度財政投融資計画の編成上の論点

    株式会社産業革新投資機構

    質疑・応答

    官民ファンド

    (官民ファンドによる民間VCへのLP出資)

    質疑・応答

    (官民ファンド・フォローアップ)

    質疑・応答

    出資者(理財局)としての収益性に係るガバナンス向上

    質疑・応答

  • 3.閉会

配付資料

資料1

説明資料株式会社産業革新投資機構

資料2-1

説明資料官民ファンドによる民間VCへのLP出資(財務省理財局)

資料2-2

説明資料中小機構のファンド出資事業における体制・審査・モニタリングについて(独立行政法人中小企業基盤整備機構)

資料3-1

説明資料官民ファンド・フォローアップ(財務省理財局)

資料3-2

説明資料投資計画等の進捗状況
(経済産業省、株式会社海外需要開拓支援機構)

資料3-3

説明資料投資計画等の進捗状況
(国土交通省、株式会社海外交通・都市開発事業支援機構)

資料3-4

説明資料投資計画等の進捗状況
(総務省、株式会社海外通信・放送・郵便事業支援機構)

資料3-5

説明資料投資計画等の進捗状況
(農林水産省、株式会社農林漁業成長産業化支援機構)

資料4

説明資料出資者(理財局)としての収益性に係るガバナンス向上

出席者

分科会長

百合

奥理財局長

湯下理財局次長

藤﨑総務課長

大江財政投融資総括課長

上野資金企画室長

原山財政投融資企画官

大島管理課長

小多計画官

大江計画官

野村浩子

丸田健太郎

家森信善

臨時委員

有吉尚哉

岡田章裕

工藤禎子

小枝淳子

冨田俊基

山内利夫


13時29分開会

〔 翁分科会長 〕それでは、予定の時間となりましたので、ただいまから財政制度等審議会財政投融資分科会を開会いたします。本日は、令和6年度財政投融資計画の編成上の論点についてご審議いただきます。なお、時間が限られておりますので、ご質問、ご意見などは、できるだけ簡潔にお願いいたします。

また、議事に先立ちまして、先般、持ち回りによりご審議いただきました令和5年度財政投融資計画補正等につきましては、原案のとおり了承となりましたので、ご報告いたします。

それでは、令和6年度財政投融資計画の編成上の論点のうち、株式会社産業革新投資機構(JIC)について、小多計画官よりご説明をお願いいたします。

〔 小多計画官 〕ありがとうございます。ご紹介いただきました計画官の小多章裕でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

私から、資料1を用いまして、産業革新投資機構の令和6年度編成についての論点をご説明申し上げます。

産業革新投資機構につきましては、委員の皆様方はご記憶にあるかと思いますが、本年6月の当分科会におきましてもご議論いただきました。その際は、JICの横尾社長にもご出席いただきまして、JICが大型の投資案件を実施していく際には、モニタリング体制をしっかりとして、慎重に投資活動を行っていくことの必要性、重要性についてご議論いただいたと承知しております。

その後、JICが、半導体関連企業でありますJSR株式会社に対して数千億円規模で出資をするという案件が公表されまして、TOBに向けての準備が進められているところと聞いております。TOBに向け、JICにおいては、当分科会での前回の議論を踏まえた対応をしていただけるものと認識し、見守っている状況というのが、これまでの経緯でございます。それを踏まえまして、今回、この資料に基づきまして、令和6年度の編成に向けてご議論をいただければと思っております。

1ページ目、目次をご覧いただければと思います。今回、論点として2つ掲げております。

論点の1つ目が、まさに令和6年度の財投要求が今回出てきておりますので、それをどう考えるか、特に事業規模についてどう見るかを論点として掲げております。

それから、論点の2つ目は、令和6年度にとどまらず、もっと先も含めたJICの今後の在り方について、ここにもありますが、産業構造審議会においてご議論がなされているところでございますので、これと合わせる形で、当分科会においても議論をいただきたいということで提示させていただくものでございます。

まず、論点の1つ目、令和6年度の要求についてとなりますが、資料の5ページをご覧ください。こちらが、令和6年度の要求の概要を示したものになります。

事業規模全体としては、6,100億円と見込んでいるところ、これのリスクバッファー、自己資本として、産業投資からの800億円の出資を今回要求してきているものでございます。令和2年度の計画以来、4年ぶりの要求として今回出てきているものでございます。

資料7ページに参ります。先ほど冒頭にも申しましたが、令和6年度について、今回要求が出てきているということで、その基となります事業規模について、どのように見ていくかを、ここで論点として掲げさせていただいているものでございます。

次のページをご覧いただければと思います。

JICは、現在3つのビークルといいますか、方法で企業への支援を行っております。一番左の、JICベンチャー・グロース・インベストメンツ(JIC VGI)を通じた支援といいますのは、いわゆるスタートアップ企業向けの支援を行うもので、JIC VGIというJICの子会社を通じる形で事業を行っているものでございますが、令和6年度は約900億円の事業規模を見込んでいるものでございます。

それから、真ん中のJICキャピタルとありますが、こちらが、先ほど冒頭申しましたJSRに向けた案件のような、上場企業を含めた大企業・中堅企業に対する大規模な投資案件、事業再編あるいは業界再編といったような買収案件に注力しているものでございます。こちらについての事業見込みが4,500億円程度。

それから、右側に民間ファンドへの出資とありますが、これは民間ファンドへのLP出資で、こちらについては700億円程度と見込んでいると聞いているところでございます。

以下、これらそれぞれについての資料をつけております。

まず、資料の9ページ以降が、先ほどの3つの柱で言いますと一番左のJIC VGIを通じたスタートアップ企業向けの事業ということで、こちらに概要を紹介しているものでございます。

こちらがどのぐらいの規模でやってきているのかにつきまして、資料の11ページになりますが、こちらに表を掲げております。これはストックベースの数字になりますので、投資額を1年ごとに差引きした分が大体年間投資額となりますが、約250億円、350億円といった水準でこれまで投資を行ってきているところでございます。

今回は、JIC VGIを通じた部分ということで900億円という大規模な事業見込みを立てているところでございますが、その理由については、9ページをご覧ください。従来はこの絵でいいますと真ん中のJIC VGI1号、2号グロースファンド、主にこの分野で投資活動を行ってきた。この部分の投資は引き続き行っていくのですが、これに加えて、このページの右のほうにありますOPF1号オポチュニティファンド、こちらのファンドを今年の9月に新しく設け、この分野に対しても積極的な投資を行っていくということで、従来よりは若干大きめの投資規模、事業規模を見込んでいると承知しております。

続きまして、13ページ以降になります。こちらが、大規模な投資案件を行っているJICキャピタルの資料となります。

次の14ページをご覧ください。下のほうに、先ほど申しましたJSR株式会社に対する公開買付についての公表資料の抜粋を掲げております。一番下の行に、買付代金の総額(予定)ということで約9,040億円という数字が掲げられております。この全額をJICが出すわけではありませんが、4桁億円の出資が見込まれるところでございまして、令和6年度につきましても、これに相当するような水準の案件を行っていくことが見込まれるということで、事業規模約4,500億円と出てきているところでございます。

次のページからが、先ほどの3つの柱でいう右端になります。民間ファンドへのLP出資です。民間部門で資金が不足している分野に対して、特に注力してLP出資を行ってきているところでございます。これまでの規模感で申しますと、これも一番下の表にストックベースの数字が並んでおりますが、差引きしていただくと毎年大体650億円程度の新たな出資約束を行ってきているところでございまして、今回はこれに対して700億円の事業規模が見込まれているところでございます。

こういった形で事業を行っていきたいと申し出てきているところですが、これを実施していくということで、リスクバッファーとして産投をつけるかどうかが、今回の編成となります。

実施していくに当たって、人的なところも重要であろうと考えられるところ、資料の17ページをつけております。17ページに掲げておりますのが、JICグループの人的体制の拡充状況でございます。左は今から1年半ほど前、今が一番右でございますが、人員は若干増えてきているところでございまして、このような形で人員体制を拡充しながら、事業を実施していきたいと聞いているところでございます。

これらを踏まえまして、今回の事業規模を編成の中で議論しているのが今の状況でございます。先生方にもご議論いただければ幸いでございます。

続いて18ページからが、論点の2つ目となります。

こちらは令和6年度にとどまらず、もっと先のことと、先ほど冒頭申しましたが、JICの運用期限は現在、2034年までと定められております。ただ、スタートアップ企業への支援の部分に関しましては、既に閣議決定が行われておりまして、2050年まで延長するという方向性が示されているところ、大規模な事業再編等の投資についてどうするのかが、先週11月7日の産業構造審議会でご議論がありました。おおむね方向性としては継続する方向で議論が行われたと聞いてございます。

下段に参りまして、そういった議論を踏まえまして、今後、JICとして、中期的な投資活動の方針を作成していくことが重要だろうと考えられるところでございます。

その際併せて、活動の分野とともに、投資の規模をどうするか、それからその裏づけとなる資金計画を作成することについても重要ではないかということを論点として掲げているところでございます。

次のページから、産業構造審議会の資料の抜粋をつけております。JICの概要、それからスタートアップ企業向けの資料がついております。

資料21ページに、大規模な成長投資について活動を継続するかどうかに関する資料がついております。方向性として、継続していくことが必要ではないかといった方向が示されていますが、このページの黒いポツが5つ並んでいるうちの一番下、「また、」というところですが、政府は昨今のビジネス環境の変化を踏まえ、我が国が競争力を持ち得る事業分野等に関する中長期的な政策方針を再整理、ここまでが政府がやるべきことですが、その上で、JICとしてもこれを踏まえた中期的な投資活動の方針を作成すべきではないかということが、示されているものでございます。

その上で、どう考えていくかになるのですが、先ほどの資料で示しました人的な要素の制約もあるだろうと思われます。

それからもう1点、資料23ページをご覧いただければと思いますが、示しておりますのは産投計画全体の合計額となります。産投全体としては、3,000億円から4,000億円というのがアッパーとなりますので、この中でJICに対してどれだけのリソースを割り振れるのか、一定の上限もあろうということをこの資料は示しているところでございます。

資料最後、25ページをご覧いただければと思います。これまで申し上げてきたことのまとめになりますが、産業構造審議会でのこれまでの議論を踏まえて、JICとして今後の中期的な投資活動の方針を作成すべきではないかとなっている中、矢羽根の1つ目になりますが、JICが投資活動の方針を作成するときには、対象の分野だけにとどまらず、産投の出資金を含む将来の自己資本の充実状況や、あるいは人的リソースの状況といったものを考慮して、どういった規模感でやっていけるのか、投資規模を検討すべきではないか。

それから、最後の矢羽根になりますが、投資規模を検討するときには、投資回収の見込みであるとか、あるいは金利動向を含めた市場環境を踏まえて、中長期の資金計画もつくっていくべきではないか。それから、資金計画をつくった後も、定期的に、足元の状況に即したものとなっているかを検証していくべきではないかということを、論点として掲げさせていただいております。

若干長くなりましたが、私からは以上でございます。

〔 翁分科会長 〕ありがとうございました。

それでは、ただいまのご説明を踏まえまして、委員の皆様からご意見、ご質問をお願いしたいと思います。会場にいらっしゃる皆様は、名前の札を立てていただきたいと思います。また、オンラインの方はチャット欄、または、うまくいかなければ挙手ボタンでお願いいたします。ご発言の際に資料を引用される場合は、資料番号と該当ページをおっしゃっていただければと思います。また、要求側の方々にご質問いただいても結構でございます。

それでは、工藤委員、冨田委員、まず、お願いいたします。

〔 工藤委員 〕恐れ入ります、ウェブから失礼いたします。工藤でございます。ご説明をいただきまして、ありがとうございます。

産業革新投資機構については、各機構から寄せられている要求額の約1割を占めていると認識しております。スタートアップについては、事業領域ステージで資金調達環境が大きく異なっていると認識しておりまして、民間からのリスクマネーが必ずしも十分ではない領域が依然として存在していると思います。マーケットの変動も大きい中、リスクリターンのプロファイルが異なる多様な投資家がマーケットに存在していることが、スタートアップの安定的な成長環境を整える上では非常に重要だと認識しています。

JICが、今後の戦略分野において、今日お話もあったJSRのような事業再編投資や、資金の必要性が特に高い分野、ステージに限ったスタートアップへの資金協力を行うということは意義が深いことだと思いますので、今回の産業投資要求は理解できます。

一方で、令和32年までの20年余りの間において、戦略や、マーケットの環境というのは、大きく変動していくのは自然だと思いますので、その中で、JICの投資方針に一定の正当性を付与しながら、アカウンタビリティーを確保するため、定期的に投資規模の検討や資金計画の作成を行い、それを不断に検証、見直していくことが重要だと思っております。

以上です。ありがとうございました。

〔 翁分科会長 〕ありがとうございました。

それでは、冨田委員、お願いいたします。

〔 冨田委員 〕ありがとうございます。産業投資の800億円の要求ということについて、その積算の根拠をお伺いしたいということでございます。

資料の8ページで、JICベンチャー・グロース、いろいろなインベストメントファンド、JICキャピタルの事業規模についてご説明いただきました。

これとの関係で、800億円の要求というのはどのように、それぞれのところに配分するかという、その基準について、お伺いしたいということでございます。

それから、自己資金等5,300億円とございますが、JICは、まだ設立から日が浅く、回収金などほとんどないと思われますが、これは政府保証借入金と見ていいでしょうか。

また、政府保証債ではなしに、政府保証借入金とした形であって、予算総則にしか国会統制が利かないという形ですが、なぜ短期の政府保証借入金なのか、長期投資であれば、長期借入れのほうがリスクが小さいように思いますがいかがでしょうか。

もう1点、これに関係いたしまして、第2の論点としてご説明あった点ですが、そのうち、投資の規模の裏づけとなる資金計画について、お聞きしたいのです。政府保証借入金、そして産投出資という、民間ファンドから見れば、まるで天国のような理想的な環境が設定されているわけですが、8ページの下のほうに、ファンドによる個別の投資判断は、各ファンドの運営者の意思決定に委ねるとございますが、ファンド・オブ・ファンズであるところのJICは、各グループのファンドに対して、出資金だとか回収金についての計画、論点2ですから先々のことでありますが、計画を求めるということはあるのでしょうか。基本的な考え方についてお伺いしたい。

以上でございます。

〔 翁分科会長 〕ありがとうございます。

後でまとめてご回答いただければと思います。

それでは、野村委員、有吉委員、岡田委員の順でお願いいたします。

〔 野村委員 〕ご説明ありがとうございます。

今出ている8ページの図を見ながら、論点2に関わるところです。最近、大規模な投資が、非常に注目されているところで、そこで改めて投資の方針がどういうものなのかと立ち止まって考えております。大きくはスタートアップ支援と大規模な企業の再編強化を促すための投資かと思います。前者のスタートアップ支援の意義については、もちろん十分理解できるところですが、もう一つの比較的大規模な企業に対する再編強化については、意見の分かれるところかと思います。それを日本の競争力につなげていくということは、狙いとしては分かるのですが、一方で、その案件に対しては政府系のファンドが果たして手がけるべきものかという議論もあるかと思います。ここで言うならば、JICキャピタルの案件です。この考え方を、もう一度改めてここで確認させていただきたいと思います。

それに関連しまして、特にJSRの投資額が非常に大きいので、これについて伺いたいと思います。半導体材料業界全体の再編を狙うと語られていますが、これが日本の半導体政策全体の中では、どのような意義づけがなされていて、どの程度のインパクトがあるものと考えられているのかということを併せてお伺いしたいと思います。

以上です。

〔 翁分科会長 〕ありがとうございます。

有吉委員、お願いいたします。

〔 有吉委員 〕有吉でございます。ご説明ありがとうございました。

私からは、直近の令和6年度の話と、それから今後の話と、それぞれ1つずつコメントを含めてご質問させていただきたいと思います。

まず、直近のところでございますが、先ほど工藤委員もおっしゃられていましたし、それから亀山課長とは別のところで議論をさせていただいていますが、スタートアップ支援はとても重要な課題であると思いますので、公的機関として取り組むことの意義は私もよく理解しているところでございます。

ただ、別の機関に対しても同じような質問をさせていただいたことがありますが、近時、米国を中心にスタートアップに対する金融環境は極めて厳しい状況にあると承知しております。そういった意味で、投下資本の回収のリスクが高まっている。特にスタートアップに対する投下資本の回収はリスクが高まっている。こういう状況にあると思うわけでございますが、国内外におけるスタートアップの金融環境をどう見ていらっしゃって、昨今の環境悪化に伴うリスクの増大についてどうお考えになっているのか、JICの皆様にお聞きしたいということが1点目でございます。

それから、今後の点でございますが、今日のご説明の中で、ざっとまとめると、スタートアップ支援と大規模な投資案件の2本立てである、このように理解いたしました。

特にスタートアップ支援については、他の公的機関とも重複するものであるという印象を持ったのですが、スタートアップ支援という観点について、その他の機関とJICの役割分担というか、あるいはJICの独自性がどこにあるのかが、今日のご説明だけだと分かりにくいような気がいたしましたので、教えていただきたいと思っております。

加えて、大規模な投資案件にも関わり、スタートアップ支援にも関わる、この両方に取り組む意義という点と、それから特に専門性や強みという意味では、二兎を追う必要があるのか。投資回収という観点からは、どちらかに絞って取り組むという方法もあり得るのかとも思うのですが、この辺りについて、どうお考えになっているのか、今後どう取り組んでいくのかについて教えていただきたいということが2点目でございます。

私からは以上でございます。

〔 翁分科会長 〕ありがとうございます。

岡田委員、お願いいたします。

〔 岡田委員 〕本日はありがとうございます。私からは、JICキャピタル、バイアウト、ラージグロースという点で少し気がかりと思う点がありまして、もともとこの産業革新投資機構が、前身の組織から改組されてスタートするときに、やっていらっしゃる方々の高額報酬の問題が大きくクローズアップされて、最終的には、それほど高額は払えないということで、落ち着いたと理解しています。

そうした意味で、非常に重要なリスクの高いような、あるいは難しい案件というのは、かなり高額な報酬を出さないと有為な人材が採れないということで、そういった制約の下で、できることはということで、この組織もスタートしたのかと思っています。

そうした際に、やっていらっしゃる方のインセンティブというか、例えば政府系金融機関であれば、常設の組織ですので、ずっとやっていく上で、案件をどのように成功させるかという観点ではいろいろやっていらっしゃると思うのですが、時限的に、民間の報酬をベースでいえば、かなり安い案件で公的なものに関わりたいということで、時限的にここに携わるという方々のインセンティブはあると思いますが、その際に、きちんとリスクを見極められるのかという、つまり何らか案件を、時限的にそこに属して出ていかれるということなので、何らか案件を手がけないと話にならないということで、そうした過度にリスクを取ることにならないのかという点、そうした点で、もともとのスタートの発足時よりは、かなりバイアウト・ラージグロースという部分は、大きな案件を手がけるようになっていますが、それに見合うような組織やインセンティブの体制。

また、これもスタートするときに、経済産業省の政策に強く沿って、少し悪い言い方をすればゾンビ企業の延命みたいなお金の使われ方はよろしくないのではないかという社会的批判が強かったと思いますが、そうした点では経済産業省の関与、統制みたいな面は弱くしてスタートしていると思います。そうした場合、こうしたバイアウト・ラージグロースが大きくなっていったときに、責任の所在とか統治体制というのは、どう考えるべきなのかという点、その辺り、スタート時よりはかなり変質してきているような気もしますので、その辺りの点を伺えればと思います。

以上です。

〔 翁分科会長 〕どうもありがとうございました。

それでは、山内委員、丸田委員、小枝委員の順にお願いいたします。

〔 山内委員 〕ありがとうございます。私からは論点2につきまして、1つコメントをさせていただきます。

今回の、JICの皆様の説明に限らず、一貫して申し上げてきましたのが、産業投資の枠がどうなるかという観点です。現在議論が進行中であるNTT法の、完全民営化がなされた場合に、産業投資の原資であるところのNTTからの配当がなくなってくる。もちろん売却した場合には、その株式の部分は入ってくるという前提になるとは思うのですが、いずれにせよ今の産業投資の枠が、今後増えていく可能性というのは、どちらかというと、かなり低いと個人的には見ています。

そういった中で、この先、例えば2050年という大分先のことを考えた際に、産業投資からの出資に依存した形での経営というのは、JICの皆様に限らず全ての官民ファンドに対して非常に厳しいものになってくる。理財局の皆様の立場からご覧になれば、恐らく一般的な投資の世界では、予算のシェアといいますか、割当てといいますか、結局ゼロサムゲームになりますので、そういった意味では、今回の要求の中で、政府保証がついているという前提ではありますが、自己資金を活用されているというやり方は、望ましいやり方ではないかと考えています。

また、私が知る限りJICの皆様のもともとの計画では、いずれ民間のほうに移行していく、民間出資なども募ってファンドをつくるですとか、そういったようなビジョンも当初おありだったかと思いますので、なるべくそのまま産業投資に頼らず民間に移行していくという、もともとの大きな枠組みを、実際にそれができるだけのケーパビリティを整えていらっしゃると認識しておりますので、ぜひ論点2に関しては、そういった長い目線での資金計画をご検討いただきたいということがコメントでございます。

以上でございます。

〔 翁分科会長 〕ありがとうございます。

丸田委員、お願いいたします。

〔 丸田委員 〕丸田でございます。ご説明ありがとうございました。皆さんからも出ている部分もあるのですが、私から意見と質問の部分もございますが、発言させていただきます。

まず、総論としましては、今回取組のスタートアップであるとか、あと大きな案件といったところの取組の必要性は十分理解をしておりますし、2番目の期間の延長についても、こちらが必要であるということは重々理解しておりますし、正しい方向かと思っております。

一方で、今回、期間の延長も含めて、その前提というのは、やはり投資案件の状況であるとか分野とか、そういったものをしっかりモニタリングしながらやっていくというところで、やはり単に期間を長く延長するだけというわけではなくて、しっかりとしたガバナンスの下で、当然、運用がされていくべきものと考えております。

その中で2点ほどコメントとしてございます。1つは、ファンドの、今回ベンチャーのグロース、VGIとかそこら辺の、今の状況が記載されておりますが、やはりまだ投資してからの年も短いですし、回収額もまだほとんどないところでございますので、ここで今記載されている公正価値の投資額を、今のところは毀損してないようには見えますが、ここら辺の成否は、これからということだと思いますし、まずやはりこちらの公正価値自体が、本当にしっかりとした基準であるとかベースを持って算定されているということが非常に必要だと思います。今のところ、ほぼ、倍率が1倍ぐらいということで、数字としては、非常にきれいに出ているのですが、実態がきちんと伴っているかというところをしっかり見ていただくことが前提かと思います。

もう1つは、今回のJSRの案件のような大規模な案件でございますが、こちらについては、やはり大きな案件ですので、予算を取ってもすぐに、規模的に十分なのかというところも非常に気にはなりますし、場合によっては、その案件を手がけるほど十分な資金が足りなくなるということも想定されるかと思いますし、あと体制についても、スタートアップと違って恐らく様々な、投資する業界の知見等がないと、この案件を成功に導くというのは非常に難しいと思いますので、そういう意味では、今後の取組に当たりましても、やはり分野なのか、こういった投資をしっかり行うための専門性であるとか、そういったところをしっかり見極めながら取り組んでいく必要があるのではないかと考えております。

私からは以上でございます。

〔 翁分科会長 〕ありがとうございました。

それでは、小枝委員、お願いします。

〔 小枝委員 〕説明ありがとうございました。私からは1つ質問をJIC様にいたしたく思います。

9ページの図ですが、右のほうに「Post IPO」とあり、ここのアフターマーケットのところが、今回900億円の中での新しい分野だと先ほどお伺いしたのですが、これは上場を前提としているものなのか。最近非上場で資金調達をするというスタートアップの事業も増えていると思うのですが、上場を見込んでアフターマーケットのケアという事業が900億円という資金需要が妥当な規模であるのかどうかについて少し教えていただきたく思います。よろしくお願いします。

〔 翁分科会長 〕ありがとうございました。

それでは、ご回答をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

〔 小多計画官 〕先生方、ありがとうございました。計画官の小多でございます。

私からまず、一通りコメントというか回答させていただきまして、その後、経済産業省、それからJICからフォローしていただければと思います。

まず、工藤委員からコメントいただきまして、ありがとうございます。おっしゃった中に、必要性が高いところに限ったところでというご発言がありました。

その後の野村委員からのご発言とも多分関連すると思うのですが、やはり民業補完という意識を持って業務をやっていくことの重要性をご示唆されていたのかと捉えております。

官民ファンドで支援すべきところは支援する、民間の金融機関で資金供給していただけるところは、そちらにしていただくという形でやっていくことの重要性かと理解させていただきました。

それから、冨田委員からいくつかご質問いただいております。

800億円の産投の出資の根拠、それからそれをどう配分していくのかという点について、ご質問がございました。

800億円の出資を求めてきている根拠としては、今回の令和6年度の要求で総額6,100億円の事業規模と言ってきているところ、過去の部分と令和6年度の事業規模を含んだ、実際の実投資額として出ていくものをファイナンスするための自己資本ということで、これまでの過去の議論の経緯から、およそ30%程度の自己資本比率を確保するということで、必要な額としての800億円と出てきているところでございます。

子会社2つと、それからLP出資と、3つに大きく分けて議論させていただきましたが、それぞれに配分ということではなくて、全体としての事業規模、出ていく投資実額に対する自己資本という形で要求が出てきているところでございます。

それから、政府保証借入でやっているのかという点につきましては、ご指摘のとおりでございます。この資料でも、令和5年度ですが、短期の政府保証借入で2兆6,300億円、こういったものを原資として投資活動を行ってきているところでございます。

それと、冨田先生からお話がありました、なぜこれが借入れなのかについても、まさにこれから議論していくための枠組みとして、論点2で示させていただいた資金計画をつくって、しっかりと議論していくということかと思っております。

それから、野村委員のご発言については、すみません、後に委ねます。

それから、有吉先生もそうですね。

山内先生からご指摘がございました資金計画、3~5年というスパン、それぐらいのスパンかと考えておりますが、これをローリングしながら議論をしていくことで、2050年まで延長される場合でも、定期的に見直しながら議論していくのかと考えています。その中で、当然、産投の枠があることについても意識しながら、議論させていただくということかと思っております。

それから、丸田先生からのご発言ですが、モニタリング、ガバナンスの重要性。これは冒頭にも申しましたが、前回6月の議論のときに、まさに中心的に議論になっていた点かと思います。引き続きしっかりやっていただくということで、我々財務省からも、しっかりと見守っていくというか、一緒に議論していきたいと考えているところでございます。

資金があるのか、体制がどうなのかという点については、まさに論点として掲げさせていただいたところですが、今後の、先ほどのJICとしてつくっていただく中期計画、あるいは資金計画というようなところで、しっかりと見ていくということだと思っております。

私からはひとまず以上とさせていただきまして、経済産業省、それからJICからお願いします。

〔 翁分科会長 〕簡潔にご回答をお願いできましたら幸いです。よろしくお願いします。

〔 経済産業省経済産業政策局亀山産業資金課長 〕ありがとうございます。経済産業省でございます。

冨田委員の800億円の根拠は、小多計画官からご説明いただいたとおりでございます。長期で借入れをしていくのかどうかは利率の問題等もありますので、どういうやり方がいいか、今後しっかり考えていきたいと思っております。

それから、野村委員からございました、大規模投資を政府がやる意味があるのかということですが、この辺りはビジネスの環境変化、DX、GX、それから地政学的なところも含めて大きな環境変化がある中で、企業がやはり改革をしなければいけない、その改革を進めるために民間ファンドが支援するケースも増えてきてはいますが、ただ、そのような中でも、特にJSRのような事業再編を伴うコスト、時間がかかるようなもの、それから非常に重要な研究開発を長期でやるようなもの、いろいろなケースがございますが、民間のファンドではそのリスクが取り切れないようなものがまだまだ存在すると思っておりますので、民間でできることは民間に任せつつ、しっかり精査をしながら投資をしていくことが必要ではないかと思っております。

半導体政策やJSRのお話もございました。半導体は言うまでもなく、これは次世代技術の様々な技術にとって重要なキーパーツでございまして、その中でもJSRについては、先端半導体含めて、素材という意味において重要なところを担っていると理解しております。他方、日本のメーカーは海外企業と比べても規模が小さいところで、市場の今の拡大にしっかりついていくためには、産業再編を含めて、構造改革を進めていく必要がある、国際競争力を高めていく必要があり、これは政策的にも非常に重要なところだと思っております。

また、有吉委員からございました、金融環境が今厳しい中でスタートアップ投資をどう考えるかということについて、これはおっしゃるように、世界的にはそういう状況でありますが、日本はその中では比較的、政策がいろいろ進んでいることもありまして、世界的に見てもまだそんなにスローダウンしていない方だとは思いますが、ただ、そのようなリスクは当然踏まえながら、そういう状況だからこそしっかり支えていくというところもありますので、そこは政府の役割としてしっかり考えていく必要があろうかと思っております。

スタートアップ支援の官民ファンドでの分担というお話もございました。これは、JICのスタートアップ支援は、例えばCJ機構とかJOINとか、そういう分野に特化したような官民ファンドとの比較でいえば、分野横断的に幅広く支援をしている。他方で、中小機構などもそういうものをやっていますが、JICは特に民間のお金が足りていないところとして、シード期、グロース期、そしてディープテック、また、先ほどのアフターマーケットとか、セカンダリーとか、あとはグローバルのお金を引き込んでいくようなところ、ここはしっかり政策の意向を踏まえてやっていただくということで、重要な位置づけを担っているのではないかと思っております。

それから、スタートアップ投資とPE投資の両方をやる意味について、これは大きな産業政策の中で、経済産業省の政策として、日本企業の国際競争力を高めていくという文脈の中で、新しい事業を創造していく、ユニコーンをつくっていくという意味でのスタートアップ投資も重要ですし、それから既存企業、成熟した企業が、その環境変化についていきながら、自ら改革しながら競争力をつけていくという両方の文脈が、大きな産業政策の中で重要でございますので、そこをJICには担っていただいているということでございます。

もし漏れがありましたら、ご指摘いただければと思います。

〔 翁分科会長 〕JICからも、簡潔にご回答お願いします。

〔 諸永取締役CSO 〕産業革新投資機構、諸永でございます。財務省、経産省との重複がないようにお答えいたします。

まず、有吉先生から、JICの独自性についてのご質問がございました。今、亀山課長からもご説明があったように、VGIという直接投資のチームにおいて、日本にあまりないグロース期への投資や、シード期のディープテック、ライフサイエンスへの投資などを行っていることが特徴かと思います。また、LP投資については、初号ファンドであるとか分野特化型であるなどの理由で、なかなか民間資金が集まらないファンドの育成も行っており、ハンズオン支援をしながら、ファンドの作り方なども含めて並走しています。その際には、将来、2号ファンド、3号ファンドを組成する際に民間資金が入るようにすること、さらには、海外投資家の資金も入るよう、グローバルなガバナンスが効く形にすることなどの視点を持ちつつ、アドバイスをしながら進めていることが特徴だと思っています。

そして、小枝先生からご質問がございました900億円について、ここは説明が不足しておりました。

VGIに関して900億円とお示ししているところでございますが、これはオポチュニティファンドだけでなく、もともとの2号ファンドも合わせたものになります。今、ファンドの規模は、2,000億円の2号ファンドと400億円のオポチュニティファンドであり、そのうち、来年度、投資していこうと思っているのが900億円規模となっていますので、全てオポチュニティファンドで行うわけではございません。

オポチュニティファンドについては、アフターマーケット投資として、スタートアップが上場したものの、なかなかその次の資金が市場で得られないといった場合に、例えば増資をするときの引受手になるなどの資金ニーズに応えていくことが1つです。加えて、セカンダリー投資、つまり、ほかのVCの投資先について、10年のファンド期間が過ぎたものの、まだ上場まで至っていないという場合に引き継いでいくことなども含めて考えています。その上で、JICとしての投資の機会という意味と、スタートアップ企業にとっての機会という両方の意味を込めて、オポチュニティファンドという名称にしており、いま申し上げた2つの投資を担っていくため、今年度立ち上げたものでございます。

私から、補足は以上でございます。

〔 翁分科会長 〕人材ですね、採る場合のインセンティブ、報酬も含めて。ここについてのご回答を、教えていただけますか。

〔 諸永取締役CSO 〕私から回答させていただきます。

まさに、人材に関しては、かなり苦労をしています。今集まってきている方々は、ご指摘があった通り、官に近い公的な機関で、なかなか民間では投資できないところに投資したいという意義を感じている方々が多いです。ただ、他の同業の民間ファンドと比べて、報酬面は、やはり下だと思っています。

そのような中で、どのように投資活動を続けていくのかという観点からは、報酬をどのように上げるのかといった点や、やりがいのような点も必要だと思っています。

しかし、報酬水準が低いからといって、安易にリスクの高いものに投資するといったことは起きていません。将来、自分でファンドを立ち上げようとか、どこかのファンドに移ろうという方々もいらっしゃる中で、自分がJICにおいてどの案件を担当したのか、トラックレコードがしっかり残っていく業界なので、ご自身のキャリアパスの観点からも、問題のあるものに投資するということは起こり得ない形となっています。また、ガバナンスの観点からは、1件1件個別にしっかりと見ているほか、経済産業省とも相談しながら厳しく判断しています。人材の採用については、なかなか苦労しているところがございますので、ぜひ、皆様とともに考えていければと思っています。

〔 翁分科会長 〕ありがとうございました。

〔 小多計画官 〕簡潔に。岡田委員からのもう1点のご指摘、責任の所在というか、スタート時から変質しているのではないかというご指摘ございました。

私どもの認識としては、もともとの産業競争力強化法の中で書いてあったことの中に、当然、バイアウトもできると書いてある前提で始まっていますので、本質的なところで変質というものはないというのが私どもの今の認識です。

ただ、もちろん外からどう見えるかというところもございますので、そこは気をつけながらやっていくということかという認識で理解しております。

先生方、本当にご指摘ありがとうございました。以上を踏まえまして、今後の編成に取り組んでまいりたいと考えております。どうもありがとうございます。

〔 翁分科会長 〕貴重なご意見をありがとうございました。ぜひ、この議論を参考に、よろしくお願いしたいと思います。

それでは、ここでJIC関係の皆様にはご退席いただきます。どうもありがとうございました。

(JIC関係者 退席)

〔 翁分科会長 〕続きまして、官民ファンドの関係者の方々が入室されますので、少しお待ちいただけますでしょうか。

(官民ファンド関係者 着席)

〔 翁分科会長 〕それでは、官民ファンドでございますが、2つのパートに分かれておりまして、それぞれの説明の後に、少しずつ質疑と応答の時間を設けたいと思っております。

まず初めに、官民ファンドによる民間VCへのLP出資ということで、後ほど、両ファンドのフォローアップということで、進めていきたいと思っております。よろしいですか。

それでは、原山財政投融資企画官から、まず、ご説明をお願いして、その後、中小機構よりお願いいたします。

〔 原山財政投融資企画官 〕資料2-1をお願いします。

3ページ目をお願いします。このページに記載がありますように、スタートアップ育成5か年計画、新しい資本主義などにおいて、公的資金によるLP出資の強化を進めていく方針が示されたところです。

5ページ目をお願いします。産業投資出資の官民ファンドにおけるLP出資の状況をまとめております。これまでに5つの官民ファンドにおいてLP出資を行った実績があります。

7ページ目をお願いします。論点の関係です。政府方針を踏まえ、LP出資については、公的資金による量的補完が求められる一方で、産業投資が出資されている官民ファンドにおいては、政策性と収益性の2つの要件も満たされることが必要です。LP出資には、直接投資とは異なる専門性が求められますが、各官民ファンドにおいては、各機関の目的や特性などに応じて、LP出資の実施について適切な検討が行われる必要があると考えています。

そのような必要がありますが、論点として、LP出資を実施する場合には、相応の体制整備が必要ではないか。求められる専門性に対応し得る組織体制だったり、モニタリングの仕組みを適切につくる、こういったことなどが必要ではないかということを論点として考えております。

事務局からの説明は以上です。

〔 翁分科会長 〕ありがとうございます。

それでは、続いて中小機構からお願いいたします。

〔 中小企業基盤整備機構齋藤ファンド事業部長 〕ただいま紹介にあずかりました中小機構ファンド事業部の齋藤と申します。資料は、2-2になります。

表紙をおめくりください。最初にこの事業の全体像を説明させてください。

機構は、中小企業の総合的な支援機関でございまして、様々な事業を展開しております。こちらのスライドは、機構の支援メニューを企業のステージ別に落とし込んだものになります。後ほど各ファンドの種類を説明いたしますが、この事業は機構の多くの事業の中の一部ということになります。ファンド専業会社としての官民ファンドが多い中、大分性格が異なっているということでございます。

次お願いします。こちらは機構全体の組織とファンド事業部の関係を示したものになります。機構の職員数は全体で800名弱、このうちファンド出資事業に従事するのは21名でして、この事業が機構全体の業務の一部ということが、この点からもお分かりいただけるかと思います。この体制で新たなファンドへの出資の審査、また、現在運用中のファンドのモニタリングを行っております。

それから右側の円グラフ、機構の全体の人事ローテーションもありまして、ファンド出資事業に従事するのが初めてといった職員も過半を占めています。こうしたことへの対応も、課題の1つでございます。

次お願いします。こちらがファンド出資の基本的なスキームになります。民間のキャピタルが立ち上げるファンドに、一定割合出資して、リスクを取ることで、機構以外のLP出資者のリスクを軽減させる。加えて、我々のような政府機関がファンドにコミットすることで、そのファンドの信用を補完させてもらう。大きくこの2点をもって、民間のリスクマネーをファンドに呼び込むといった機能を果たしております。これが呼び水効果になりますが、各ファンドの種別に共通するスキーム、事業目的になります。

こうした点は、初めてファンドを運営しようとするプレーヤーへの後押しということで、エコシステムの創出にも寄与してまいりました。

それから、機構が自らGPとなったり、企業に直接投資を行うことはないといったこともポイントの1つになります。

次お願いします。ファンドの種類は、大きく分けて3つになります。起業支援ファンドは、設立5年未満のスタートアップに投資するファンドで、マイノリティー投資を行うもの。それから、成長支援は、もう少し社歴の長い企業への、マイノリティー投資。それから、グロース投資を行うものでございます。これらをベンチャー型ファンドと言っています。それから分類上、成長支援ファンドには事業承継問題へのソリューションとして、バイアウト投資を行う事業承継型ファンドも含めております。

次お願いします。続いて、これまでの実績を簡単に紹介させてください。

先ほど説明したLP出資のスキームで、1998年度から25年にわたって続けてまいりました。既に清算したものと、現在運用中のものを合わせて、360本のファンドに出資しています。機構のコミット額としては6,300億円、ファンドの総額ベースでは2兆円でございまして、その差額1兆4,000億円を民間から引き出した形になります。

次お願いします。円グラフは、6,300億円の内訳でございまして、先ほど説明した3つの類型のファンドにバランスよく出資してきています。金額的にはベンチャー型がおおむね半分弱を占めていまして、ここには書いていませんが、本数でいうと3分の2に当たる、230本がベンチャー向けのファンドになります。

それから右側のグラフは、ファンドからの投資先の社数と投資金額を示しています。折れ線は社数になりますが、累計で7,000社を超えていまして、このうち8割に当たる5,700社が、ベンチャー、スタートアップへのものになります。

それから、棒グラフは金額になりますが、合計で1兆3,000億円を超えていまして、このうち、おおむね半分に当たる6,000億円超がベンチャーへのものになります。

次お願いします。こちらも実績の紹介になりますが、事業開始以来、機構出資ファンドの投資先でIPOを果たした企業数は300社を超えております。各社のアイコンのうち、少し見づらいかもしれませんが、赤枠で囲った企業はいずれも時価総額1,000億円以上に成長した企業になります。

次お願いします。こちらはファンド出資事業の一連のプロセスと運営体制を示したものです。一番下にある緑の企画課と、真ん中のブルーの事業課、この2つの課で回しております。

事業課の業務は、出資するファンドの審査・契約から始まって、各ファンドの投資委員会へのオブザーバー参加といったモニタリング管理、最後は清算結了という形で多岐にわたります。こうした一連の業務を14名ほどで回しております。

次お願いします。こちらは新規ファンドの審査のプロセスになります。ここでのポイントは、提案者、つまりGPについてのものと、提案内容、つまりファンドの中身についてのもの、この2つに分かれます。

前者においては、トラックレコードといったファンド運営者としての実績を、後者においては、ファンドのポリシーが政策的意義に合致しているか、つまり、投資の対象領域であるとか、投資の手法が官民ファンドの趣旨に沿ったものか、また、GPとしてそれらをしっかり実現、再現できるか。こうしたことを慎重にかつ深く見ております。

次お願いします。こちらは新規出資の審査や、モニタリングのボリュームを示したスライドになります。新規の出資本数は、ここ5年で年平均19本、これらの審査に加えて、運用中のファンド、これは200本ほどございまして、これらのモニタリング・管理をしております。

この200本という本数ですが、6、7年前までは160本ぐらいでしたので、年々多くなってきている状況でございます。

次お願いします。運用中ファンドのモニタリング・管理についての詳細です。各ファンドの投資委員会へのオブザーバー参加、それから組合員集会への出席が中心になりますが、その他、GPとの個別の案件相談も含めますと、年間で約1,000回のモニタリングをこなしているところでございます。そのほか、GPから上がってくる各種の報告、これは個別投資先に関するものと、ファンドの運営全般に係るもの、大きく言って2つありますが、これらのチェックも日常的な業務としてこなしているところでございます。

それから、スライドの右半分になりますが、部内でファンドレビュー会議といったものを年2回開催していまして、それぞれ担当者が抱えているファンド運営に係る課題の共有、リスクの気づき、そして、個別の案件対応に係るベストプラクティス、こういったものの横展開を部内で図っているところでございます。

次お願いします。ここからは参考資料として、何点かスライドをおつけしております。12ページから14ページまでが、昨年度、機構が新たに出資したファンドの一覧でして、少し見づらいかもしれませんが、青く塗っているファンドは、そのGPが初めて立ち上げるファンド、いわゆる初号ファンドでございまして、こうしたところに積極的に出資を行うことで若手キャピタリストの後押しを通じて、エコシステムの拡大に貢献しているところでございます。

15ページに飛んでいただきまして、こちらは機構がこれまでに出資したベンチャー型ファンドのGPの顔ぶれの一部でございまして、様々なステージ・領域のベンチャーキャピタルを下支えしてまいりました。

次お願いします。16ページ、ここからは足元での政策要請への対応になります。

スタートアップ育成5か年計画では、機構の出資機能の強化が求められておりまして、新たな取組として海外VCなどに出資するグローバルスタートアップ投資事業を開始しています。その目論見としましては、資金力や、海外展開ノウハウを有する海外VCが組成するファンドへの出資を通じまして、グローバル展開を目指す国内のスタートアップへの出資を強化するといったものになります。これは、予算的には、昨年度の補正で措置されたものになります。

次お願いします。こちらも、政策要請の対応です。令和2年度と令和3年度のそれぞれの補正で、総額1,400億円の予算措置をいただいております。左側は、事業承継型を主たるテーマとしたバイアウトファンド向け、右側は、再生ファンド向けになります。いずれもコロナの影響を受けた企業の事業承継ですとか再生を主目的にしたファンドになります。

次お願いします。昨年度はサーチファンドというものにも出資しています。その仕組みは左側に記載したとおりで詳細は割愛しますが、新たな事業承継モデルの1つとして期待されておりまして、昨年度2本、こういったファンドに出資しております。

最後ですが、20ページ、こちらはスタートアップ育成5か年計画ですが、先ほど説明したグローバルスタートアップ事業ですとか、若手キャピタリストのファンドへの出資といったことが、機構名指しで書かれているところでございます。

我々としては、この5か年計画のみならず、事業承継問題ですとか、ポストコロナへの対応といった、様々な政策要請において、引き続きファンドへのLP出資のスキームを通じて対応してまいる所存でございます。その際、この事業全体の収益性を維持しつつ、政策性と収益性のバランスを常に意識しながら進めてまいりますが、そこでの課題は、やはり、体制、人材の確保・維持となります。ここまで、説明のとおり、機構のファンド出資事業への政策要請、期待度が一段と増してきておりまして、それに加えて、VC業界、PE業界の高度化、多様化といったこともあります。そういったことに即した体制を、いかに整えていくかといったことが問題になります。

そのことへの対応ですが、先ほど申したとおり、中小企業の総合的な実施機関として、我々機構は、人事ローテーションは避けられないため、部門としての専門性や、VCとのリレーションシップを維持するために、いわゆるサケ・マス人事を行うことで対応していく。

それからもう1つは、先ほど11ページで紹介したような仕組みで、審査や管理のノウハウ、データ、それからGPの評価、レピュテーション、あるいはレファレンスといったところを組織的に承継していく、検証していく、こういったことで、対応していくということで臨んでまいりたいと思います。

以上、少し駆け足でございましたが、中小機構からの説明は以上とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。

〔 翁分科会長 〕ご説明ありがとうございました。

それでは、ただいまのご説明を踏まえまして、委員の皆様からご意見やご質問をお願いしたいと思います。本日は中小機構のほか産業革新投資機構、クールジャパン機構、日本政策投資銀行、海外通信・放送・郵便事業支援機構の方にもおいでいただいております。

それでは、どなたからでも結構です。丸田委員、お願いいたします。

〔 丸田委員 〕丸田でございます。大変貴重な説明をいただきまして、ありがとうございました。

それで、私からは2点ございまして、1つは今の中小機構の成功例ということで、体制であるとか非常にしっかりされておりますし、成果が非常に出ているということを理解することができて、すばらしいと思いました。

一方で、今回審議の対象となる、資料2-1の5ページ目の、各機関のファンドのLP出資の状況を拝見しておりますと、これは印象ではございますが、どちらかというと中小機構のやられているLP出資と本当に同じ目的なのかどうかというところは、しっかり議論が必要なのではないかと思いました。中小機構は非常に専門性を持たれてやられておるのですが、どちらかというと今回の各ファンドのLP出資の目的というのは、私のイメージではございますが、単にLP出資だけというのを超えて、そこから特定の業界とか、新しい業界への投資先へのアクセスとか、そういったところで直接投資のシナジーとか、そういったところをしっかりたどっていくためにも、このようなLP出資が必要なのではないかと推察をしておりまして、その意味では、各機構のやられるLP出資の意義であるとかそういったところについてしっかり理解をした上で、これについては進める必要があるのではないかというのが1点でございます。

2点目は、先ほど有吉委員からもご指摘があったのですが、私も気になっていますのが、特に海外VCも取扱いがあって、もう既に投資しているものは仕方ないと思うのですが、今後、特に今の段階ですとかなり、米国を中心にスタートアップの資金調達環境が崩壊しているというか、状況としては今までにないような特殊な状況になっていると理解をしております。

その意味では、このタイミングで、特に米国とか、ベンチャーキャピタルへのLP出資をすることが適切なタイミングなのかどうかについては、しっかり確認、まだ国内のほうはそこまで変質していないと私も理解しておるのですが、そういったところを踏まえて、タイミングについても検討が必要ではないかという点が2点目でございます。

私からは以上でございます。

〔 翁分科会長 〕どうもありがとうございました。

それでは、家森委員、山内委員、工藤委員、有吉委員の順でお願いいたします。

〔 家森委員 〕家森です。ご説明、どうもありがとうございました。中小機構がファンドに投資をされるということで、ファンドの組成がうまくいって、プロジェクトが進んでいくというのは、よく中小企業金融の関係者から聞いておりまして、今日もそういうお話をいただきありがとうございます。

そこで、中小機構はGPを育てるLPとしての役割と、それから他のLPを呼び寄せるLPの役割をされていると思うのですが、今日のもう一つの命題というか質問が、GPをやっているところがLPを新たにやるかという議論です。GPとLPの共通基盤というのはかなりあるのか、やはりGPはGP独特の、LPはLP独特のというのが、かなりあるのかという、この辺りの感覚を教えていただければということが1つです。

もう1点は、今日お話になったように、成功した企業がたくさんあるというのは私も存じ上げているのですが、全体としての投資パフォーマンスは一体どの程度だったのでしょうか。おおよそで結構ですので教えていただければと思います。

以上です。

〔 翁分科会長 〕ありがとうございます。

山内委員、お願いいたします。

〔 山内委員 〕山内です。ご説明いただきまして、ありがとうございました。

私も今投資に関わる仕事をしていて、中小機構のLP投資が非常にうまくいっているという話はよく伺っておりました。なぜそれがうまくいっているのか、理由の一端を今回拝見できたのではないかと思っていまして、大変ありがたく思っております。

その上で、今回の論点として上がっておりましたLPの管理につきまして、一般論ではあるのですが、まず、LP投資と直接投資で、その関わる人材に求められるスペックが違うというのは常識的にあるところです。特に案件のソーシング、それから交渉、管理の部分、この辺りで能力は全く違うものになりますし、かつ、個人のレベルだけではなくて組織の体制もしっかり整えていかないと、何となくLP投資をして、結果的に全体で見て負けるというケースは少なくありません。

したがいまして、これは、中小機構のケースを今回ご紹介いただきましたが、こうした取組を、ほかにLP投資をなさる機関、JICも大分取り組まれていらっしゃいますし、DBJも取り組まれていらっしゃいますが、それ以外の機関でも、何となくLPをやるのではなくて、しっかりLPが回っていくような人材プラスその組織の管理体制、これを具備していくように、ぜひモニタリング等をお願いして、仕組みづくりと、その仕組みの運用をお願いしたいというのが私からのコメントになります。

以上でございます。

〔 翁分科会長 〕どうもありがとうございます。

それでは、工藤委員、お願いします。

〔 工藤委員 〕ご説明、どうもありがとうございます。

もう既に何人かの方がおっしゃっていたのですが、民間VCへのLP出資というのが、GP側の投資実績や組織体制、投資戦略に加えてファンド運用者個人の能力、経験や実績等に係る目利き力が重視される点で、個別企業の価値評価が重要となる直接投資と異なる専門性が求められるものと認識しております。

今日お話のあった、中小企業基盤整備機構は、長年多数のベンチャーキャピタルに経済的にLP出資を行って、我が国のベンチャーエコシステムの発展に寄与してきていただいたものと認識しております。ベンチャー関係者の認識度も高く、エコシステムの中にしっかりと根づいた存在として、様々な知見・ネットワークを有して案件組成や目利きにも生かしていただいていると思います。

これを、例えば後発の官民ファンドが同様の知見・ネットワークを築くというのは、一朝一夕には難しいと考えておりまして、仮に官民ファンドの皆様が今後LP出資を維持・増加させていくのであれば、他の知見を借りつつ、その後の体制整備を行うことが前提であり、その上でしっかりとエコシステムの中に入り込み、継続的に一定の投資を行っていくということが、持続的な役割を果たす上では重要だと考えます。

ただ、私が官民ファンドの皆様が個別にVC投資をすることの意義、メリットをしっかり理解しきれてないので、少しネガティブな面ばかり申し上げて恐縮ですが、そもそも財務基盤が脆弱な官民ファンドそれぞれでVC投資を行うことがよいのかというのは、慎重に考えるべきではないかと思っています。コストのことを言えば、今日お示しした資料の中にもそれぞれの官民ファンドで経費が、全ファンド平均で1.6%とありましたが、VC投資をする場合は、さらにそれぞれのVCに対して管理費が2%程度かかってくることになります。今政府で様々な形でスタートアップ支援をいただいていることには、大変重要で賛成するのですが、VC投資については、ある程度まとめた機関で行うほうが、規律も目利きも利いて、規模のメリットも取れて、例えば政府系機関が同じVC2か所に投資するようなことも避けられると思います。

また、加えて成長産業への支援という意味では、政府の支援が漏れなく必要とされる領域・ステージに行き渡っているよう、ビンテージや領域が分散されていて、それが政策に合っているのか、収益性と政策性両方を負えるVC支援の、民間でいえばポートフォリオができているのかというようなことも、政府にはしっかり見ていただいたほうがいいのではないかと思うのですが、それを考えると、あまりやる機関を分散するというのが本当にいいのかと思います。

さらにはVC投資を通じての政府のスタートアップ政策への課題把握も、ある程度機関をまとめたほうが迅速にできて、ソリューションも政策に反映できるのではないかと思います。

官民ファンドが持つそれぞれの専門分野での事業知見がVC投資に活かされるのか、VC投資にそれが必要なのかという点も、よく検討すべきだと思います。官民ファンドには専門分野での事業知見、政策導入能力を生かした投資をぜひお願いしたいと思います。

以上です。

〔 翁分科会長 〕ありがとうございました。

それでは、お待たせしました、最後になりましたが有吉委員、お願いします。

〔 有吉委員 〕有吉でございます。ご説明どうもありがとうございました。

私からはLP出資の関係で、2点のコメントをさせていただきたいと思います。

1点目は、山内委員がおっしゃっていたことと通じるところかと思いますが、LP出資に当たっては、VCないしGPの選定やモニタリングがとても重要であると思いますし、この点はやはり人が重要であるものだと理解しております。そういった意味で、人材の確保とともに採用した人をどうリテンションしていくかということが、大変重要な課題だと考えております。

中小機構のご説明にありましたとおり、組織的な対応ということも併せて重要な点だと思いますし、どんなに人材をリテンションしたとしても、いつかは交代するものだと思いますので、組織での対応とそれから個々人の技能を高めていって、それを維持するということは両輪になるのだろうと思いますが、LP出資に取り組むに当たって、その道の人をしっかり確保し、維持していくということを、ぜひ心がけていただきたいというのが1点目のコメントでございます。

それから2点目は、GPの発掘もとても重要な観点だということでございます。中小機構のご説明の中の若手キャピタリストの発掘という取組は、大変重要だと感じました。昨今、資産運用立国の政策の関連で、Emerging Managers Program、EMPと呼ばれているものを推進する議論もされていると理解しておりますが、公的な機関が率先して新興のGP、運用業者を支援したり活用していくということも検討していくべきだと思います。民間の機関にも期待される役割ではあるとは思いますが、特に公的な機関において、そういった日本の運用業者の底上げを図っていくことは、とても重要な役割だと思いますので、LP出資に取り組んでいくに当たって、ぜひそういった観点も持ちながら、取組を進めていただきたいと思います。

私からは以上でございます。

〔 翁分科会長 〕ありがとうございました。

それでは、原山企画官、それから、ご質問をいただきましたので、中小機構及び特にご発言のありましたほかのファンドから、簡潔にお願いいたします。

〔 原山財政投融資企画官 〕いろいろご指摘どうもありがとうございました。我々事務局としても、ご指摘の点についてどういったことができるのか、今後考えていってみたいと思います。

〔 中小企業基盤整備機構齋藤ファンド事業部長 〕機構でございます。皆さんからの過分なご評価をいただいて、ありがとうございます。

1点、家森先生からご質問のあったことにお答えしますと、やはり我々LP出資専業という形になっていますが、直接投資はちょっとという感じがしていまして、やはり直接の出資と比較して少ない資本、人的リソースで、より多くのスタートアップに対して、より多くのリスクマネーを供給できる点で、レバレッジというのですか、LP出資というのはそういったメリットがありますので、かつ、民間のVCが有する高い専門性を我々がLP出資を通じて活用できるといったところがございますので、今後も引き続き、LP出資という形で対峙してまいりたいと思います。

それから全体のパフォーマンスというお話がありました。1998年から、この事業を25か年度やっていますが、先ほど申したファンドの類型、3つほどありますが、これを全て合わせて、いわゆるTVPIで申しますと、おおむね1.1倍ということでございます。官民ファンドの幹事会でも数字が出ていますが、金額ベースでいうと大体プラスで600億円ぐらいの累積の黒字ということでございます。

以上でございます。

〔 翁分科会長 〕ありがとうございました。

ほかにいらっしゃっておられる機構関係、またはDBJの方、よろしゅうございますか。

〔 日本政策投資銀行森執行役員業務企画部長 〕よろしいですか、DBJの森です。いつも大変お世話になっております。

丸田先生からお話がありましたが、各機関によってスタートアップのためのVCへのLP出資に関しまして、意義とか目的が違うのではないかというお話だったと思うのですが、確かにおっしゃるとおりかと思っておりまして、DBJとしては、基本的に我々が得意なのは、投資した後に、その会社に非常に手間をかけて、いろいろと伴走させていただいて、一緒に成長していただくというのは非常に得意なプレースタイルですが、特にスタートアップに関しましては、1件1件がかなり規模が小さいところとなりますので、全部が全部それができるわけではないということがありますので、LP出資も活用して、スタートアップをボリューム的には育成していくということに意義があるのかと思っているのですが、我々、LP出資をさせていただく際には、冒頭申し上げたような考え方がありますので、例えば、そのファンドが出資する先に対しまして、共同出資権をいただいて、個別に出資もさせていただくということもありますし、あと、当然ながら、投資委員会みたいなものについては、オブザーバーで参加させていただいて、いろいろお聞かせいただくこともあるわけです。あと、いろいろご紹介していただいて、個別の出資先に対しても、GPの方といろいろご相談させていただきながら、DBJのネットワークを使っていろいろと成長していただけるのであれば、そういったものもご紹介して、ご活用いただくみたいな活動も結構やっております。今のはあくまでDBJの例ですが、各機関ともにいろいろやり方は違うと思いますので、その辺も、よく議論いただいて、認識していただけたらいいのかと思いました。

以上になります。

〔 翁分科会長 〕ありがとうございました。

〔 海外通信・放送・郵便事業支援機構大島代表取締役社長 〕JICTでございます。今のDBJのご説明にもつながるのですが、丸田委員からのご指摘の点について申し上げます。JICTは2022年2月の支援範囲拡大によってLP出資が可能になりましたが、LP出資においては、海外・ICT分野というJICTが強みを持つ分野において、最先端の技術やその実装状況を把握すると共に、日本企業とともにLP出資をし、その連携を通じて、新たに後々のJICTとの共同事業につながるような事業を発掘していくといった戦略的観点を持っております。 また、CVC案件において、新規分野に進んでいく企業を後押しするという狙いもあります。

LP出資については、我々が従来積み重ねてきたインフラ共同投資の案件にもつながっていくことを目指しており、JICTの戦略上不可分のものです。この点、丸田委員ご指摘のとおりでございます。

以上です。

〔 翁分科会長 〕ありがとうございました。

それでは、質疑はこの辺りで終わりたいと思いますが、大変貴重なご意見をいただきましたし、体制の問題につきましても、いろいろご指摘ありましたので、ぜひ、個別の機関の課題と、それから全体でどういうふうに効果的にやっていくかということも含めて、検討を深めていただきたいと思っております。

それでは、ここで中小機構及び各ファンドの方々にはご退席いただきます。どうもありがとうございました。

(官民ファンド関係者 退席)

〔 翁分科会長 〕続きまして、官民ファンドのフォローアップに移りたいと思います。4つの官民ファンド関係者の方々が入室されますので、しばらくお待ちください。

(CJ、JOIN、JICT、A-FIVE 着席)

〔 翁分科会長 〕それでは、原山企画官より、フォローアップにつきましてご説明いただいた後、投資計画に対する進捗状況につきまして、各ファンドの方より順にご報告いただきます。委員の皆様からのご意見、ご質問については、全ての機関の説明が終了した後にお願いいたします。

それでは、よろしくお願いいたします。

〔 原山財政投融資企画官 〕資料3-1をお願いします。

5ページ目をお願いします。今回の主な確認事項ですが、4ファンド共通の話として、新規案件組成の状況や見通し、既存案件の状況や見通し、特に注力している分野はどこかなどを確認事項としております。

CJについては、これまでの積み残しの2点についても確認事項としています。

7ページ目をお願いします。各ファンドから提出いただいたフォローアップを踏まえまして、今回3つの論点を提示しております。

1つ目の論点は、新規案件の組成や既存案件について、収益黒字化や累損解消に向けての進捗管理は適切に実施されているかです。

2つ目の論点は、注力分野について、政策的必要性や、各ファンドの収益状況・リソースなどを踏まえて、各ファンドの強みが一層発揮できるように、投資領域やステージなどを重点化すべきではないかというものです。

3つ目の論点は、官民ファンド間の連携について、何か追加的な取組が考えられないか。例えば、官民ファンド間の実務担当者による知見の共有の機会を設けられないかといったことを論点として考えております。

事務局からの説明は以上です。

〔 翁分科会長 〕ありがとうございました。

それでは、続きまして、各ファンドからお願いいたします。

〔 経済産業省森田商務・サービス政策統括調整官 〕経済産業省でございます。お手元、資料3-2に沿いまして、クールジャパン機構の取組状況等についてご説明させていただきます。

1ページおめくりください。まず、投資計画の進捗状況についてでございます。

右側にありますボックス、赤枠囲いでございますが、2023年度上期の投資額は77億円となっております。これに対して、その右にあります数字、今年度末の投資計画額が90億円でございます。投資検討中の案件も踏まえますと、現時点では、その達成は可能と見込んでおります。

また、引き続き、機構においては、政策目的の実現を前提に、より収益性の観点も踏まえた投資ポートフォリオの構築に向けて、既存案件へのモニタリングやハンズオン支援、優良案件に絞り込んだ新規投資の実行、そして、調査研究費の増加抑制などの経費の合理化、これらの経営改革の取組を進めてまいります。

2ページ以降、川﨑社長から説明いたします。

〔 海外需要開拓支援機構川﨑代表取締役社長CEO兼COO 〕クールジャパン機構の川﨑でございます。

資料2ページ目をご覧ください。投資案件及び収益性に関するご報告と今後の見通しについてでございます。

新規案件数につきましては、よりよい案件を厳選した投資を目指しておりますが、上半期は、ローカル商品の海外展開を後押しするプラットフォーム事業者や、新たに、収益確保の蓋然性が高いメザニンローン案件の支援を決定いたしました。引き続き、計画達成に向けて取り組んでおります。

既存案件につきましては、適切なタイミング、価格でのEXITを目指して、支援先との交渉等を行っております。

足元の収益状況につきましては、EXITによるリターンを生み出すことと併せまして、LP出資先からの配当やメザニンローン案件からの利息収入を見込んでおります。

続きまして、3ページ目をご覧ください。これまでのご指摘への対応について、ご報告いたします。

初めに、他の官民ファンドとの連携についてですが、既に一部案件のEXITに関しましては、連絡・協力を行っており、今後も可能な限り協力してまいります。

次に、コスト管理についてですが、家賃の抑制や、情報システム・ネットワーク費用の圧縮に取り組んでまいりました。

また、調査費等につきましても、当機構の知見を活かせる部分は内製化に取り組むことにより、その抑制に努めてまいりたいと考えております。

次に、4ページ目をご覧ください。当機構は昨年、抜本的な経営改善策を策定し、経営改革を進めてまいりましたが、積み残し事項2点についてご報告を申し上げます。

1点目は、既存案件の徹底的な見直しでございます。当機構では、定期的なモニタリングの結果、先行きが見通せない案件については、早期のEXITも見据えた対応を検討しております。前回ご報告した案件2件のうち、1件についてはEXITを完了し、もう1件についても、出資先とEXITする方向で合意し、必要な手続を進めているところでございます。

2点目は、投資回収に関するコミットメント強化についてでございます。投資担当者による自己資金での担当案件への投資を促す仕組みについて、専門家も交えて検討を重ねてまいりましたが、この仕組みの導入・運営に相当のコストが発生することが明らかとなったため、現時点におきましては導入を見送ることといたしました。今後は、昨年から実施しております賞与体系の傾斜強化など、メリハリあるインセンティブ設計を通じて、投資回収へのコミットメント強化に取り組んでいく所存でございます。

以降のページは参考となりますので、私からの説明は以上とさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

〔 翁分科会長 〕それでは、次に、国土交通省、お願いいたします。

〔 国土交通省田中国際統括官 〕国土交通省国際統括官の田中でございます。JOINについてのご説明でございます。資料3-3の1ページ目をご覧ください。

2023年度上半期は、既に357億円の投資を行っておりまして、投資計画の年度額145億円を上回っているところでございます。今年度の投資ニーズを踏まえつつ、ポートフォリオのバランスを確保するということで、ブラウンフィールド案件の取り込みや、スタートアップ企業の支援などに取り組んでまいりました。

引き続き、投資ニーズを踏まえた案件の形成、モニタリング体制の強化、他の政府系機関との連携等によりまして、投資計画の達成の実現を図ってまいります。

具体的な取組の進捗につきましては、続いてJOINからご説明いたします。

〔 海外交通・都市開発事業支援機構細見代表取締役・専務取締役 〕JOIN専務の細見です。

2ページ目をご覧ください。2023年度上期の取組状況は、ただいま田中統括官からご説明あったとおりですが、フィリピン総合インフラ事業など、我が国のインフラ運営のノウハウを生かした案件に出融資しております。引き続き、様々なリスク要因を注視しつつ、投資計画の達成、政策的意義の実現を図ってまいります。

3ページをお願いします。既存案件につきましては、モニタリングの高度化をさらに進め、個別案件の進捗及び機構のポートフォリオを適切に管理するとともに、リスク管理を多面的に行う体制を強化しております。

4ページ目をお願いします。収益の状況ですが、2022年度、昨年度までにEXITや配当収入により約23億円の収益を計上しています。今年度、2023年度上期においては、約26億円の収益を計上しておりまして、半期で、これまでの累計を上回る収益を実現しています。

投資分野としては、政府の方針を踏まえ、GX、DX、スタートアップ企業等に注力しております。

5ページでは、EXIT時における他の官民ファンドとの連携について、また、6ページでは、コスト管理についてまとめておりますので、ご参照ください。

以上でJOINの説明を終わります。

〔 翁分科会長 〕ありがとうございます。

次に、総務省からお願いいたします。

〔 総務省国際戦略局井幡国際戦略課長 〕総務省から、JICTの改善計画の進捗状況についてご説明いたします。資料3-4、1ページでございます。

今年度、JICTにおきましては、9月末時点で3案件について支援決定を認可し、投資額については39億円となっております。これは、上半期時点での計画16億円を上回っており、年間の投資計画額の進捗率は76%程度となっております。年度の投資計画額については、達成できる見込みとなっております。

JICTにおきましては、6月に中期経営計画を策定したほか、国立研究開発法人情報通信研究機構との連携推進に関する協定の締結、LP出資を通じた投資家との関係強化など、案件組成能力の向上に努めてまいりました。

また、配当収入につきましては、今年度も昨年度と同水準の配当を得る見込みとなっております。

総務省といたしましては、JICTが、引き続き改善計画を上回る実績を積み重ねていけるよう適切に監督してまいります。

投資案件の詳細等については、JICTよりご説明させていただきます。

〔 海外通信・放送・郵便事業支援機構大島代表取締役社長 〕ありがとうございます。JICT社長の大島でございます。

今お話がございましたように、下半期の投資実行を見据えますと、1ページ目にございますが、本年度の投資計画額、累積損益ともに目標を達成する見込みでございます。この点は支援基準改正による効果、エコシステム構築・推進の効果が表れたものと認識しております。

収益性でございますが、2ページ目をご覧いただければと思います。

一部大型案件等が、順調に推移しているということで、昨年度は17億円超の配当等がございましたが、本年度は上半期で既に13億円弱を得ておりまして、現段階では単年度損益は黒字転換を見込んでいるところでございます。

また、バランスシート上の健全性につきましては、その他有価証券評価差額金の増加が続いてございまして、この含み益の増加により、引き続き財務健全性と投資余力は十分に担保されていると認識しております。

JICTとしては、引き続き、一層の案件発掘・組成を進めるとともに、13ページ目以降にお示しした中期経営計画のKPI等を念頭に進捗管理に努め、更なる投資実行の上積みと累積損失の早期解消に向けて取り組んでいきたいと考えております。

以上でございます。

〔 翁分科会長 〕ありがとうございました。

それでは、次、農林水産省お願いいたします。

〔 農林水産省大臣官房新事業・食品産業部尾﨑新事業・食品産業政策課長 〕農林水産省でございます。農林漁業成長産業化支援機構A-FIVEについてご説明をさせていただきます。

資料3-5の1ページをご覧ください。A-FIVEにつきましては、2019年12月に、2021年度以降は新たな出資の決定を行わず、可能な限り速やかに解散する方針としました。その上で、2020年5月に、損失を最小化するための改善計画を策定し、累積損失の最小化に向けて取り組んでまいりましたが、2022年度末の累積損失は151億円となり、計画額131億円に対して20億円下回りました。

こうした乖離が生じた要因としましては、2021年度末において、計画と実績との差マイナス18億円が生じていたところ、新型コロナウイルス等の影響による経済状況の回復が本格化しない中において、出資先の業績悪化により、マイナス2億円の乖離が生じたことによります。

しかしながら、現段階で出資時と比較して企業価値が向上している出資先があり、A-FIVEの解散期限である2025年度末までに、23億円程度の利益を見込んでいること、さらに、コロナの影響等を受けた出資先の業績の回復につながる支援を積極的に行い、回収の最大化を図ることにより、2025年度末の累積損失を120億円とする計画の達成は可能と見込んでおります。

次に、2ページをご覧ください。既存案件及び収益性の状況につきましては、全体として厳しい状況が続いておりますが、A-FIVEにおいては、解散までの時間的制約を意識しつつ、出資先の個々の経営状況等を踏まえ、企業価値の向上に向けた支援を実施するとともに、それぞれのEXIT戦略の検討・変更を行いながら、回収の早期化・最大化に向けて取り組んでおります。

続きまして、3ページをご覧ください。EXIT時における他の官民ファンドとの連携につきまして、A-FIVEは2025年度末までに投資回収を終了することとしているなど、他の官民ファンドとは置かれた状況が異なりますので、特段の連携は想定しておりません。

また、コスト管理につきましては、既存契約の見直しや、通勤手当を実費支給にするなど、引き続き不断の経費削減に取り組んでおります。

なお、回収率の内訳につきましては、6ページにお示ししております。

農林水産省としましては、A-FIVEにおいて、改善計画が着実に実行されるよう必要な指導を行っていくとともに、引き続き出資先の業績回復につながる積極的な経営支援や、経費削減等を促してまいりたいと考えております。

以上でA-FIVEについての説明を終わらせていただきます。

〔 翁分科会長 〕ありがとうございました。

それでは、ただいまのご説明を踏まえまして、委員の皆様からご意見、ご質問をお願いいたします。官民ファンドの関係者の方々にご質問いただいても結構でございます。

それでは、山内委員、お願いいたします。

〔 山内委員 〕ご説明いただきまして、ありがとうございました。私からはコメントが1点のみでございます。

今ご説明いただいたとおり、各機構の皆様の中で、投資の案件そのもの、また、経営状況の改善に努められているということは非常によく分かりました。ただ、もともとこれは、設立されたときにはJカーブ効果を前提にして計画のお話をされていらしたところが多いかと思うのですが、ご案内のとおりもう既にJカーブから、どちらかというとU字型のように少し伸びてしまっている状況になっているかと思います。

また、これは、もともとの計画の前提条件次第ではあるのですが、現状の損益解消期間を考えると、非常に先になってしまって、別の言い方をしますと、産業投資の中で使われてくる余資というのはある程度ロックされてしまっている状況になっているかと認識はしています。

したがいまして、各機構の皆様でお取組になられているものにつきまして、この計画をさらに上回るペースで、端的に申し上げれば累損を解消する時期をより、1年でも早くできるような取組を、さらに進めていっていただきたいと思っています。特に、人件費の削減という点も挙げられておるのですが、人件費の単価を下げるというよりは、例えば本当にこの人数が必要なのかという総員数で考えていただくとか、あるいはそもそもその案件を仕込んでいくに当たって、それなりに手間がかかるものだと理解しておりますが、その案件の選定のプロセスが効率的に回っているかどうか、そういった点も含めて、全体の経営を最適化いただけるようにご検討いただければと考えております。

以上、コメントになります。ありがとうございました。

〔 翁分科会長 〕ありがとうございます。

それでは、野村委員、お願いいたします。

〔 野村委員 〕私からは2点ございます。

1つは、改めて官民ファンド間での連携が必要だと、先ほどのお話も伺い思うところです。各ファンドからEXIT時の連携というコメントがございましたが、もちろんこれはたいへん大事なことですが、それのみならず、先ほどの先行している中小企業機構のお話にもありましたような体制とか人材育成などの知見を共有する会議体というか、プラットフォームのようなものをぜひ早期に実現していただきたいと思いました。

それから、2つ目、これはクールジャパン機構にお伺いをしたいと思います。特に、投資規模も累損も大きなところで、お伺いしたいところですが、クールジャパン機構が、これまで投資に当たってきたなかで、強みといいますか、得意分野をどの辺にあると手応えを感じているか。手がけている分野が幅広いなか、この分野、このテーマならばノウハウを蓄積できてきた、それをこういう実績につなげていきたいというあたりを教えていただきたいと思います。

それから、辛口で恐縮ですが、クールジャパン機構のEXITの回収率が若干低いというデータが補足資料にありまして、この要因をどのように分析して、それを今後にどうつなげ、どう活かしていこうとしているかについてもお伺いしたいと思います。

以上です。

〔 翁分科会長 〕ありがとうございます。

それでは、有吉委員、家森委員、それから丸田委員、その順番でお願いいたします。

〔 有吉委員 〕有吉でございます。私からは1点、クールジャパン機構へのコメントがございます。今、野村委員がおっしゃられた2つ目のコメントとほぼ重複する内容になってしまうかと思いまして、大変恐縮ではございますが、今日のご説明資料を見ても、端的にクールジャパン機構については、ほかの機関と異なり何が強みなのかよく分からないと思いました。これは、私がほかの機関の方の説明にだまされているだけなのかもしれませんが、野村委員がおっしゃられたとおり、クールジャパン機構の取組が、海外に関連してさえいれば、業態も問わず、取組方も問わず、何でも投資をするように、この説明では見えてしまうように感じます。資料の中で優良案件に絞り込んだ新規投資を実行するとお書きにはなっているものの、官民ファンドの性質上、もともと民間の投資家が、そのままでは収益確保が難しいと考えているような案件に取り組むことが基本線だと理解をしておりますが、そういった中で強みがない領域に取り組んでいって、どうやって、特に回収可能性という観点から勝算を見ているのか。政策面での勝算があるというのは分からないではないわけでございますが、投下資本の回収という観点から、果たしてどのように勝算を考えていらっしゃるのか、ご説明をいただきたいと思いました。

そういった意味では、投資先の業態なのか、地域なのか、あるいはそのスキームや投資手法やプレースタイルなのか、どんな観点でもよろしいと思うのですが、何らか、ご自分の強みがある分野に焦点を絞って、少なくとも今後は投資を行っていくべきではないかと思うわけですが、一方で、今日のご説明は、恐縮ながら、むしろその反対に、総花に対象を広げて、優良な案件を見つけていこうというようなご説明に見えましたので、この辺りどのようにお考えになっているのか伺いたいと思います。

私からは以上でございます。

〔 翁分科会長 〕ありがとうございました。

それでは、家森委員、お願いいたします。

〔 家森委員 〕ありがとうございます。神戸大学の家森です。2つございます。1つはクールジャパン機構に対しての質問です。4ページの、高い専門性を持つ案件の相談体制の強化というところです。前の改善計画でも産業技術総合研究所との連携でカバーしていくのだとおっしゃっていたのですが、その辺りの連携は順調に進んでいるのかを教えてくださいというのが1つです。

それから、JICTにお尋ねしたいのですが、これは論点2にも関わるところです。350億円、投資をされている欧州・APACにおける金融ICT基盤整備・サービス提供事業とか、2番目の190億円というような取組について、ご説明の中では、我が国事業者による新たなシェア獲得や、国際競争力強化に貢献するということで実施中だとのことですが、それについて何らかの成果というのが出ていればご紹介いただければと思います。

以上です。

〔 翁分科会長 〕ありがとうございました。

それでは、丸田委員、お願いいたします。

〔 丸田委員 〕丸田でございます。ご説明ありがとうございました。

何点か感想というか意見と質問があるのですが、まず、やはり今回の資料3-1の7ページ目に記載されている中で、私としては論点1、2、3それぞれ重要ですが、特に2点目、皆様からも既にご質問、ご意見ございましたが、やはり、各官民ファンドが有する強みが一層発揮できるよう、投資領域やステージ等を、やはりあらかじめ明確にして、その方針を持って投資をしていくということ、そこの見える化といったものが非常に重要ではないかと考えております。

その観点から、まず1点、クールジャパン機構でございますが、こちらにつきましては、非常に難しいのは、過去のいろいろ失敗をした案件が積み上がっているのと、今新しく投資をしているものは、多分全く別のものではないかと推測をしておりますが、特に新しい投資のものについてのポートフォリオであるとか方針といったものを、しっかりコミュニケーションを取りながら、それの政策的な意義であるとか、そういったものをしっかりご説明しながら、打ち出しながら、透明性を持って運営していくということが非常に重要ではないかと思っております。特にこの分野というのは、恐らく新しいテクノロジーであるとか、そういったものも含めて非常に動きが速い分野でございますので、逆にそういった新しい分野について、このリスクマネーで短期的に、具体的にこういう分野とか、こういうポートフォリオで適切に分散をして、投資をしているのだということをしっかり分かるようなコミュニケーションというものが必要ではないかと考えております。

あとは、少し細かいところで、ご質問ですが、JICTにおきましては、質問したいことは、今回の上期の新規投資の中で追加支援というのがございますが、考え方として、やはりフォローの投資はなかなか、難易度がやはりやや高いものだと思っておりまして、追加支援というのが、単なる延命とかではなくて、しっかり支援した金額も含めて、より高いリターンを生む、もしくは政策効果を生むという前提でないと、追加の投資は行うべきではないと個人的には考えておりまして、そのような、方針であるとか運用がされているのかが1点です。

2点目、最後でございます、A-FIVEでございますが、こちらにつきましては、この短い期間の中でEXITをしていくということで、また、さらにその体制を撤退していくというのは非常に難易度が高いものだと思っております。最終的にこれをやり切る人員で、この期間の中で、適切に規模を縮小しながらやっていくのは非常に難しいところがあるかと思っておりまして、その意味ではここの取組は非常に、最後、累損を少しでも解消するという意味では重要なのではないかと思っております。

その中で、今回かなりEXIT案件が参考資料で出ているようですが、私も状況を理解していないですが、中には結構経営が安定してきたとか順調になって、EXITというお話も何件か散見されるのですが、こういったものはしっかり、期間があるから投売りをするのではなくて、しっかり回収額を、調子がいい投資先については、しっかり交渉して、少しでもそのEXITの条件をよくするというような、その中で適切なタイミングで、残された期間でEXITしていくというのは非常に難しいものであるのですが、そういった取組をされているのかどうかをご確認させていただきたいと思いました。

以上でございます。

〔 翁分科会長 〕ありがとうございました。

それでは、委員の皆様からのご質問、ご意見について、コメントをいただければと思います。

〔 経済産業省森田商務・サービス政策統括調整官 〕経済産業省でございます。

家森委員からのご指摘の中で、高い専門性ということで、産総研との連携というご指摘をいただきました。

産総研も経済産業省の所管組織でございますが、クールジャパン機構と産総研の知見の活用のため、今後の新規投資候補の内容について、産総研の知見を借りながら審査するということで、相談を既に始めているところでございます。過去1年間で既に4件の相談を実施しておりまして、うち1件は実際に支援を決定しているということで、産総研の知見が活用できているということでございます。

また、今後につきましても、近日中に相談の場を設ける予定でございまして、連携が進んでいると認識してございます。

以上でございます。

〔 海外需要開拓支援機構川﨑代表取締役社長CEO兼COO 〕クールジャパン機構の川﨑でございます。幾つかご指摘いただいておりまして、ありがとうございます。

まず、野村委員からのご指摘で、EXITの回収率が低いというご指摘ございまして、事実として、今の時点では、回収率は低い状況になっております。

設立当初は、投資した案件があまり芳しい成績ではなかった。芳しい成績ではなかったものから結果が出てきてしまっていまして、それでEXITせざるを得なかったような案件もあり、残念ながら、今のところ平均すると回収率が低くなってしまっている状況なのかと考えております。ただ、ここ数年、2~3年の間に投資した案件につきましては、将来、回収率の引上げに寄与していただけるのではないかと見込んではおります。

もう1つ、何人かの委員の方からご指摘をいただいておりますが、クールジャパン機構の強みは一体何かというご質問です。当然、政策目的の実現、政策的意義を果たすということが大前提でやっております。

クールジャパン機構というふうに言われておりますが、正式名は海外需要開拓支援機構でございまして、海外需要を獲得していくことが一番大きな目的ということかと私自身は認識しております。日本の企業が海外の需要を開拓していく、海外のマーケットの展開を進めていく、いろいろな産品がございますけれども、特にここという形で絞った形では今は考えておりません。設立当初は、メディア・コンテンツというような形で、割と集中して投資したこともございましたが、正直なかなかうまくいかなかったこともございます。今のところは、収益性も見た上で、投資先を選別して、投資しているのが現状でございます。

強みとしましては、今ポートフォリオは40件以上ございますし、投資実績自体は50件ぐらいございますので、ここまで築き上げてきましたクロスボーダーの投資。クロスボーダーの投資ができるファンドは、日本国内に多くはございませんので、クロスボーダーの投資における実績と、これまで築いてきたネットワークによって、日本の企業が海外に進出していく上でのネットワーク、プラットフォーム、こういったものの整備だとか展開に強みを持っているのではないかと考えております。

そういう方向で、今オペレーションを進めているとご理解いただければありがたいと思っております。

私からは以上でございます。

〔 総務省国際戦略局井幡国際戦略課長 〕続きまして、総務省からご回答いたします。順番が前後いたしますが、丸田委員よりご指摘いただきました追加出資の件につきましては、法令や支援基準の中で定めがあるものではございませんが、現在の事業の実施状況、収益性、政策目的を踏まえて、行政として審査した上で認可を行っているところでございます。

家森委員よりご指摘いただきました2つの個別案件に関する現状、成果につきましては、JICTよりご説明させていただきます。

〔 海外通信・放送・郵便事業支援機構大島代表取締役社長 〕ありがとうございます。

丸田委員のご質問の追加支援決定に関しては、最初の支援決定時点から既に構想としてあったものです。その後、着実に事業拡大が進んだことで、更に、この領域において拡大を図るために追加支援を決定したものでして、連続性のある、政策性意義も非常に高い案件だと認識しています。

それから、家森委員からのご質問にあった、資料3-1の9ページ目「ポートフォリオの構成」内にある、欧州・APACにおける金融ICT基盤整備・サービス提供事業や欧州における電子政府ICT基盤整備・サービス提供事業について申し上げます。いずれも買収案件でございますが、投資実行後、事業パートナーと二人三脚で買収後のPMIプロセス実行やハンズオン支援を行い、新しい事業計画の練り上げにコミットしてまいりました。

その結果、前者において、今年、アメリカの大手資産運用会社との業務提携という大きな成果につながったものでございます。これによって事業の収益基盤が更に強化され、また、やがて日本、アジア地域にも裨益されていくと認識しております。これは、JICTの持つエコシステム、あるいは金融市場におけるネットワークが活きた事例だと認識しています。

以上です。

〔 農林漁業成長産業化支援機構矢花取締役専務 〕A-FIVEでございます。丸田委員からのご質問でございますが、限られた時間軸の中でEXITを完了させなければなりません。したがいまして、1つには出資先の事業継続、それから雇用に、EXITによって悪影響を与えるようなことがあってはならないということを考慮しながら、A-FIVEにとってもEXITの金額が最大化できるような格好でEXITできるよう、時間軸を相手方、関係者と共有し、丁寧に合意形成を進めながら、EXITをできるだけ前倒しをしながら期限内で完了するように進めさせていただいております。

以上でございます。

〔 翁分科会長 〕それでは、原山企画官、お願いいたします。

〔 原山財政投融資企画官 〕野村先生から官民ファンド間の連携が必要だと思うというお話がありましたが、我々としても官民ファンド間の実務担当者による知見共有の機会などを設けていきたいと思っております。

〔 翁分科会長 〕質疑はこのぐらいでございますが、クールジャパンにつきまして、目利き力は非常に重要な要素ですので、何人かの委員からご指摘あったのですが、いくつかの業態ということになると思うのですが、目利き力のある分野でしっかり強みを発揮するような方向で考えていただくことは、重点分野を絞るという意味でも大事なのではないかと感じました。

あとまた、情報共有につきましては、以前からずっと言われている課題でございますが、もう少し一工夫というか、さっきのLP出資とかにつきましても、最近新しく始めた官民ファンドもあり、もう少し効率的に体制を組めないのかについても、ぜひご検討いただきたいと考えております。

皆様から、フォローアップについて、いろいろご説明いただきましたが、引き続き、どうぞよろしくお取組いただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

それでは、官民ファンドの皆様方には、ここでご退席をいただきたいと思います。どうもありがとうございました。

(CJ、JOIN、JICT、A-FIVE 退席)

〔 翁分科会長 〕すみません。あと残りが少しなのですが、もう一つだけ課題がございまして、5~10分延びてしまいますが、ご説明をお願いできますでしょうか。資料4でございますね。

〔 原山財政投融資企画官 〕それでは、資料4をお願いします。時間が限られておりますので、少し飛ばしまして、8ページ目をお願いします。

課題と論点です。1つ目の課題として、収益性に課題が生じた場合において、これまでも個別事案ごとに対応する形で、財投分科会における審議を通じて、各機関に取組を求めてきましたが、出資者として取り得る対応については、必ずしも一般化された形で整理されているわけではありません。

2つ目の課題として、投資実行後は、主に累積損失に着目して、機関の収益性を評価していますが、より多様な着眼点で収益性を評価していく必要があるのではないかと考えています。

こういった課題を踏まえまして、今回2つの論点を提示しております。

1つ目として、機関の収益性に課題が生じた場合において、出資者として取り得る対応について、あらかじめ整理しておくべきではないか。

2つ目は、出資者として、どのような目線で収益性の把握・評価を行っていくべきかというものです。

こういった論点について、今回は議論のキックオフの場として広く委員の先生方からご意見をいただければと考えております。

事務局からの説明は以上です。

〔 翁分科会長 〕ありがとうございます。

9ページには、今のクールジャパン機構で、どういう改善策を促してきたかということが整理されておりますが、一般化してやってきているわけではないということで、今の問題提起につきまして、何かコメントがございましたらお願いいたします。

それでは、小枝委員、お願いいたします。

〔 小枝委員 〕ご説明ありがとうございました。コメントを申し上げたいと思います。

財政投融資では、政策コスト分析という枠組みを使用していらっしゃるので、この枠組みで産業投資に焦点を当てて、配当などの将来のキャッシュフローを長期的に試算して、その現在価値と出資額を比較するか等の分析をされてもいいのかと思いました。

〔 翁分科会長 〕ありがとうございます。

それでは、岡田委員、丸田委員、山内委員の順番でお願いいたします。

〔 岡田委員 〕ありがとうございます。岡田です。

こうした官民ファンドでも、対象産投機関の収益性を考えるに当たって、収益性だけを考えるわけにはいかない、政策性というものをセットで考える上で、どうしても政策性を、所管の官庁があってそちらで見ているという面と、こちらでも全く見ないわけではないという上で、政策性というものは何らか、数値化もなかなか難しい面もあるでしょうし、その辺りどう考えていったらいいのか。その役割分担というか、その辺りは難しいような気もするので、議論のキックオフということですが、その辺り、どういう役割分担が適切なのか。ここで、必ずしも一般化された形で整理されているわけではないということですが、一般化していって、こちらのコミットメントが強くなっていく面というのは、政策という部分についてコミットメントが強くなっていくのか、収益管理というところをこちらとしてもう少し厳格にということなのか。その辺りが、どう考えていったらいいのかということを思いました。

以上です。

〔 翁分科会長 〕ありがとうございます。

それでは、丸田委員、お願いいたします。

〔 丸田委員 〕丸田でございます。ご説明ありがとうございました。

私からは、8ページ目の論点1と2について意見を述べさせていただきます。

今回というのはあくまで出資者として、理財局としての収益性に係るガバナンスの論点ということで理解をしておりまして、その中でまず、論点1でございますが、やはり官民ファンドの特殊性としては、民間のベンチャーキャピタルのファンドと、やはり期間が設けられていて、その中でやはりパフォーマンスも求められているということですが、官民ファンドはもっと足が長くて、期間も非常に、解散ということになるとお尻が決まるのでしょうが、非常に長いスパンでやっているということを考えると、やはり事前に、出資者として、そのファンドのパフォーマンスがうまくいかなかったときに、例えば、予算執行を止めたり、あとは改善を求めるような、対応について事前にしっかり定めておくということは非常に重要ではないかと思っているということが、まず論点1でございます。

論点2の収益性の把握・評価でございますが、私は前回の官民ファンドに関わる議論でもお話ししたのですが、累積損益に着目したモニタリングというのは、実は非常に適切ではないと思って、これはもう、累積損失は、言い方は悪いのですが、操作ができるようなものだったりもしますので、正直なところこれを今記載いただいているように時価ベースの、IRRベースでのモニタリングというものに一本化をして、行っていくことが非常に重要ではないかと思います。IRRですと、やはり資本効率といったところもしっかり見ていきますので、塩漬けになった投資先を早く回収して、資金効率を上げるとか、そういったモチベーションにもなりますので、そういった形でやはり今回、機関投資家さんとか民間VCがやるというように、しっかりポートフォリオの時価ベースの情報に基づいた、長期的なIRRを見ながら判断していく、モニタリングしていくことが非常に重要かと個人的には考えております。

以上でございます。

〔 翁分科会長 〕ありがとうございます。

それでは、山内委員、お願いいたします。

〔 山内委員 〕ご説明ありがとうございました。

私も今、こちらで挙げていただいています論点の1と2について、1つずつコメント申し上げます。

まず、先に論点2でございますが、こちらは丸田委員からご指摘いただいた点と私も全く同感で考えております。JIC VGIがこのたびの資料で、ネットアセットバリュー、公正価値時価評価のサンプルを入れていたと思うのですが、このようなネットアセットバリュー、公正価値時価評価をぜひ各官民ファンドでもやっていただきたいと考えております。

累損だけにフォーカスした議論の限界というのは、まさに丸田委員おっしゃったとおりだと私も考えておりまして、そういった意味では今現時点でどういう状況なのかをきちんと見える化して、それを経営に生かしていただくことが必要なのではないか。

それをもって、官民ファンド全体のポートフォリオ自身の状況というのも、より見える化されてくるのではないかと考えています。これが1点、論点2についてです。

論点1は、私は、収益性に直接に影響するというよりは、間接的なものと捉えていますが、執行率の見方です。執行率は、確かに、予算の要求があって、実行をして、どれぐらい使われたのかを見る指標、要は要求額なり計画の妥当性を判定する指標としては、1つ有効であるかとは考えておるのですが、執行率をハイライトし過ぎてしまった場合、執行率が高ければすばらしいという少し誤った議論になりかねない。つまり、無理やり案件を仕込んでしまうことや、あるいは本来だったらもっと安い、適切な価格で投資できたものを、高値づかみして投資している可能性も考えられなくはありません。ですから、執行率は、指標の一つとして引き続き使うことは意義があると考えますが、それに対する評価をハイライトし過ぎないことが、取り得る対応、整理しておくべきことの1つとして挙げられるのではないかということを、1つ問題提起させていただきたいと思います。

以上でございます。

〔 翁分科会長 〕ありがとうございました。

今、お手が挙がっているのは以上の方々でしたので、また、追加的に、この点につきまして、もしご意見がございましたら、事務局にお寄せいただければと思います。どうもありがとうございました。

それでは、予定の時間を少し過ぎてしまいましたが、本日の議事はここまでといたします。大変貴重なご意見をいただきまして、ありがとうございました。今後の財投計画の策定や、また、今後のモニタリングの在り方について、さらに議論を深めていければと思っております。

本日の議事内容につきましては、この後、事務局より記者レクを行います。議事録につきましては、委員の皆様のご了解をいただいた後、財務省ホームページに掲載いたします。

次回の開催日程は、後日事務局よりご連絡いたします。

本日はご多忙の中、誠にありがとうございました。これにて閉会いたします。ありがとうございました。

15時36分閉会