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財政制度等審議会財政投融資分科会
議事録

令和4年12月21日
財政制度等審議会


財政制度等審議会財政投融資分科会議事次第

令和4年12月21日(水)9:30~10:55
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

  • 1.開会

  • 2.副大臣挨拶

  • 3.(議案第1号)令和4年度財政融資資金運用計画の一部変更について
  • 4.令和5年度財政投融資計画等

(議案第2号)令和5年度財政投融資計画

(議案第3号)令和5年度財政融資資金運用計画

(議案第4号)令和5年度の財政融資資金の融通条件

  • 5.質疑・応答

  • 6.閉会

配付資料

議案第1号

令和4年度財政融資資金運用計画の一部変更について

議案第2号

令和5年度財政投融資計画

議案第3号

令和5年度財政融資資金運用計画

議案第4号

令和5年度の財政融資資金の融通条件

議案関係説明資料

(1)議案第1号関係

議案関係説明資料

(2)議案第2号、第3号及び第4号関係

補足説明資料

議案第2号、第3号及び第4号関係

参考資料

令和5年度財政投融資計画の機関別事業計画・資金計画

出席者

分科会長

百合

秋野財務副大臣

齋藤理財局長

彦谷理財局次長

柴田総務課長

原田財政投融資総括課長

奥村資金企画室長

原山財政投融資企画官

丸山管理課長

佐野計画官

大江計画官

渡部賢一

渡辺

臨時委員

冨田俊基

中里

林田晃雄

喜美枝

専門委員

川村雄介

家森信善


9時30分開会

〔翁分科会長〕それでは予定の時間となりましたので、ただいまから財政制度等審議会財政投融資分科会を開会いたします。

本日は、令和4年度財政融資資金運用計画の一部変更、令和5年度財政投融資計画等の2つの議題がございます。時間が限られておりますので、ご質問などは簡潔にお願いいたします。また、会場にいらっしゃる皆様方は、ご発言の際、マイクにできるだけ近づいていただいた上で、お差し支えなければマスクを外してご発言いただければと思います。

本日は秋野財務副大臣にご出席いただいております。開催に当たり、秋野財務副大臣にご挨拶を頂戴したいと思います。よろしくお願いします。

〔秋野財務副大臣〕おはようございます。財政制度等審議会財政投融資分科会の開催に当たりまして、一言、ご挨拶を申し上げます。

令和5年度財政投融資計画について議論が始まった本年10月14日の分科会におきまして、私から委員の皆様方に対して、「新しい資本主義の実現に向けて財政投融資の役割が最大限発揮されるよう、忌憚のないご議論を賜りたい」とお願い申し上げました。

その後、皆様方には、本当にご熱心なご議論を賜りまして、心より感謝申し上げます。

本日は、これまでのご議論を踏まえ編成いたしました令和5年度財政投融資計画等につきまして、ご審議をお願いしておりますが、当該計画は、新型コロナウイルス感染症に加え、物価高騰の影響もあって厳しい状況にある事業者への資金繰り支援や「人への投資」など「新しい資本主義」の加速、経済安全保障など外交・安全保障環境の変化への対応等を行っていくこととしてございます。

委員の皆様方におかれましては、忌憚のないご意見を賜りますことを心よりお願い申し上げまして、ご挨拶といたします。

どうぞよろしくお願いいたします。

〔翁分科会長〕どうもありがとうございました。

なお、本日は予算案の決定を間近に控えていることから、秋野副大臣、事務局側において、業務の都合上、やむなく途中退席をする場合もありますので、あらかじめご了承願います。

それでは議事に移ります。

まず、議案第1号「令和4年度財政融資資金運用計画の一部変更」について、大江計画官よりご説明をお願いいたします。

〔大江計画官〕計画官の大江です。よろしくお願いいたします。

地方公共団体に係る財政投融資の弾力追加についてご説明いたします。議案説明資料を用いてご説明させていただきます。1ページをご覧ください。

今回は、令和4年度補正予算第2号の成立に伴い、地方公共団体が実施する事業に必要な資金を確保するため、地方公共団体に対する財政融資資金の貸付けを7,645億円追加することについてお諮りするものです。これにより地方公共団体に対する財政融資資金の計画額は3兆3,909億円となります。

2ページをご覧ください。今回追加する財政融資資金7,645億円の内訳をご説明いたしますと、例えば、災害復旧事業では、令和4年8月の大雨や台風等により、堤防の損傷や水門周辺への土砂の堆積など、河川管理施設等の機能が低下したことから、緊急的に機能復旧を図ることとしております。

また、補正予算債の防災・減災・国土強靱化緊急対策事業では、災害に強い国土幹線道路ネットワークの機能を確保するため、高規格道路のミッシングリンク解消等を推進することとしております。

そして、辺地、過疎対策事業では、高速・大容量無線通信のための設備整備等、水道、下水道事業では、耐震化対策、老朽化対策等を行うこととしております。

3ページをご覧ください。財政融資計画総額と地方公共団体向け財政融資の計画額の推移をグラフにしております。

4ページをご覧ください。財政融資資金計画の変更、今回の弾力措置の根拠規定といたしまして、特別会計予算総則の抜粋をお示ししております。

5ページ以降は、地方債計画の改正案となりますので、ご参照ください。

私からの説明は以上となります。どうもありがとうございました。

〔翁分科会長〕ありがとうございました。

次に、「令和5年度財政投融資計画」等の3案についてご審議いただきますので、原田財政投融資総括課長よりご説明をお願いいたします。

〔原田財政投融資総括課長〕財投総括課長の原田でございます。私より、議案第2号「令和5年度財政投融資計画」、議案第3号「令和5年度財政融資資金運用計画」、それから議案第4号「令和5年度財政融資資金の融通条件」について説明させていただきます。資料名は議案関係説明資料(2)議案第2号、第3号及び第4号関係でございます。

なお、令和5年度財政投融資計画、それから令和5年度財政融資資金運用計画でございますが、本日午後に地財折衝がなされるということでございますので、地方公共団体に係る計数につきましては、微々たる数字ではあると思いますが、仮置きの数字であるということをあらかじめ申し上げさせていただきます。

では、まず、1ページ目、令和5年度財政融資計画のポイントをご覧ください。令和5年度財政投融資計画においては事業者への資金繰り支援に引き続き万全を期すこと、それからリスクマネーを供給する産業投資を最大限活用しつつ「新しい資本主義」の加速、それから外交や安全保障環境の変化への対応、こうした分野に重点配分してございます。計16兆2,687億円を措置するということでございます。

表をご覧ください。令和4年度計画に比べまして、2兆6,168億円減少となってございます。これは皆様ご承知のとおり、令和4年度に措置した大学ファンド4.9兆円が剥落した一方、先日の分科会でご説明したとおり、日本政策金融公庫の自己資金の減少による増加、それから円安の影響等によって事業規模を増やしたJICA、こうした影響で2.6兆円の減少にとどまっている。こちらを除けば、つまり、4.9兆円の大学ファンドが剥落した分を除けば、むしろ少し増えている状況になってございます。

それから、その下の具体的な施策部分でございますが、事業者への資金繰り支援、「新しい資本主義」の加速、それから外交・安全保障環境の変化への対応、こうしたところに主な施策を挙げさせていただいてございますが、具体的な内容は機関ごとの資料で、これからご説明いたします。

まず、この後の2ページでございます。財投計画額の推移でございますが、先ほど申し上げたとおり、令和4年度の当初計画額から2.6兆円減少ということでございます。

各機関、まず、公庫でございます。3ページでございますが、コロナ対策それから物価高騰対策ということでございまして、こうした中小企業等について、令和5年度の資金繰り支援に万全を期すということでございます。国民一般向け業務、中小企業者向け業務に対して、合わせて財政融資4兆9,700億円、産業投資258億円を措置。それから、沖縄振興開発金融公庫に対しまして、財融1,994億円、産投70億円を措置するということでございます。

また、公庫の融資実績のグラフが少し細かいというお話を前回の分科会でいただきましたので、より分かりやすくご理解いただくために、別の資料でご説明いたします。

佐野計画官、よろしくお願いいたします。

〔佐野計画官〕佐野でございます。私から、公庫の事業規模及び貸付実績につき、補足資料でご説明いたします。補足資料の表紙をおめくりいただき、(参考1)をご覧ください。令和2年度の初めに非常に高い融資実績の山があるため、縦軸の上のほうを圧縮して表示しております。灰色の四角が事業規模となります。そして緑の棒グラフがコロナ特貸を含む毎月の全融資実績となります。

直近の令和4年7月から9月の動きをご覧いただきますと、コロナや物価高騰等の影響により、融資実績が月平均で約1.1倍のペースで増加しております。また、景況調査等を踏まえますと、先行きの業況や売上げについて厳しい見方をしている中小企業の方が多くなっております。

そこで、令和5年度の事業規模につきましては、足元と同じ、毎月約1.1倍のペースでの融資の伸びが来年度の初めまで続き、その後横ばいになった場合でも対応できる、国民4.7兆円、中小2.7兆円を確保し、資金繰り支援に万全を期すことといたしております。

以上です。

〔原田財政投融資総括課長〕それでは、次のページをご覧ください。

また公庫の取組でございますが、こちらはスタートアップ、それから人への投資でございます。

スタートアップ・創業向け支援につきましては、特に高い成長性が見込まれるスタートアップについて、従来の貸付限度額7.2億円を14.4億円に拡充するなど、重点的な強化を行ったところでございます。

人への投資につきまして、従来から公庫は支援してきたわけでございますが、今般、支援メニューを拡大しまして、中小企業者等による人への投資を一層支援するために、日本健康会議、これは経産省と各業界団体が認定した健康経営優良法人、1万社以上あると伺っておりますが、こちらに対して金利を引き下げるといった思い切った対応をするということでございます。

次のページをご覧ください。こちらは農林部門、旧農林公庫の業務でございます。

水色の部分にありますとおり、新型コロナウイルス感染症、それから物価上昇対策への対応としてのセーフティネット資金を確保することはもちろんでございますが、緑色とオレンジ色の部分でございます、前向きに、日本農林水産業の成長産業化のために、金融支援、それから非金融支援の両方に取り組むこととしてございます。これらの対応のために、財政投融資7,660億円を措置するということでございます。

それから、次のページをご覧ください。公庫の特定事業等促進円滑化業務でございます。個別法に基づきまして、特定事業を実施しようとする認定事業者に対して、指定金融機関が行う貸付けに必要な資金の貸付け、いわゆるツーステップ・ローンを実施するものでございます。

令和5年度におきましては、今年8月より施行されました経済安全保障推進法を踏まえて、半導体や蓄電池等の特定重要物資の安定供給の確保を図る。こうした事業者への金融支援を新たに行うこととしてございます。

経済安全保障以外のものも含めましてツーステップ・ローン業務に対しまして、財政融資2,367億円を措置することとしてございます。

それから、次のページ、今度は政投銀でございます。人的資本に関する非財務情報に着目した融資制度を活用した企業による「人への投資」を促すこと。それから「DBJスタートアップ・イノベーションファンド」等を活用したスタートアップ及びベンチャーキャピタルへの資金供給、それから「グリーン投資促進ファンド」等を活用したグリーン・トランジションに対する取組の支援、こうしたこと全体として財政投融資6,900億円を措置することとしてございます。

次はJBICでございます。海外展開する本邦企業によるサプライチェーンの強靱化、それからスタートアップ・イノベーション、グリーン・トランジション、こうした取組を重点的に支援ということでございます。財政投融資1兆9,720億円を措置することとしてございますが、昨年より4,000億円ほど措置額が増えている。こちらは資料にもございますとおり、本年7月のグローバル投資強化ファシリティの創設、こういったことを背景とするものでございます。

次はJICAでございます。円借款による開発途上国への質の高いインフラ輸出を通じた本邦企業の海外展開の支援、また、脆弱性の高まっている開発途上国に対して財政支援を行うとして財政融資と政府保証、合計1兆2,686億円を措置することとしてございます。

昨年よりこちらも6,000億円ほど増えてございますが、こちらは円安の影響を受けた追加の資金需要といったところが理由になってございます。

次は福祉医療機構でございます。こちらも公庫と同様、福祉医療事業者への資金繰り支援に万全を期すということでございます。物価上昇の影響に対する資金の供給ということでございます。

新しい制度といたしまして、右下部分でございますが、コロナ融資の残高を有する施設におきまして、新規で設備を整備する必要がある場合、建築資金の債務と一本化してコロナ融資の単年度の債務償還の負担を軽減する制度、ならしていくという制度を創設してございます。これらに対して財政融資2,642億円を措置することとしてございます。

次は日本私立学校振興・共済事業団でございます。こちらは私立の学校法人に対する貸付けを行っている財投機関でございます。デジタルやグリーン等の成長分野を牽引する高度人材の育成ということで、大学の学部再編等の取組に対する融資を行うこととしてございます。財政融資272億円を措置することとしてございます。

次は住宅金融支援機構でございます。こちらは災害により被災した住宅の早期復興支援をすることで財融307億円を措置。それからもう一つ、この機構が発行するグリーンボンドに対し、政府保証を付すということで、省エネ性能に優れた住宅の普及を促進ということで2,200億円の政府保証を措置するところでございます。

次は鉄運機構でございます。こちらは、1つは2025年の大阪・関西万博の北港テクノポート線の整備がございます。また、前回の分科会でご紹介した交通事業者、物流事業者のトップランナー事業者へのDX・GXの取組に対して支援を行う。こちら合わせて160億円の財政融資を措置するということでございます。

去年は、東京の地下鉄、有楽町線や南北線の延伸があって一括措置をしたことから、2,015億円と非常に大きな措置だったわけですが、今回は、元どおりの規模になったということでございます。

それから次のページ、日本高速道路保有・債務返済機構でございますが、こちらも機構が引き受けている債務の確実な返済のために政府保証1兆2,530億円を措置することとしてございます。

最後に地公体でございます。防災・減災に関する事業でありますとか、地域のライフライン、上下水道などでございます。こうしたことを進める公営企業債など、国として重点的に資源配分すべき事業について、引き続き財政融資を積極的に活用、財政融資2兆4,238億円を措置することとしてございます。

ここまでが個別のご説明でございますが、これから産投のご説明といたしまして、まず、全体の概要でございます。令和4年度に比べまして、令和5年度は1,036億円の増額となってございます。4,298億円の措置でございますが、メリハリとして、累積損失を出している官民ファンドに対しては厳しめに措置減、一方で、新しい資本主義の実現、それから経済安全保障の確保に資する分野に投資するJOGMEC、それから脱炭素化支援機構などについては昨年より増額というメリハリをつけているところでございます。

個別に、まず、クールジャパンでございます。先日の分科会でご審議いただきましたが、機構は、組織の在り方を含めた抜本的な見直しを行う。今後成果が上がらず、最低限達成すべき投資計画、このグラフの下の部分を達成できない時点で、ほかの機関との統合または廃止を前提に具体的な道筋を検討する。このことをしっかり厳に確認しながら予算編成を行ったところでございまして、その上で、この5年度計画は、右下に書いてありますとおり、例えばDAIZのような、優先度が高く出口に近い案件に厳選して、出資予定額を積み上げる。その結果、産投の80億円を措置することとしたところでございます。

次のページをご覧ください。JOGMECでございます。経済安全保障やカーボンニュートラルへの円滑な移行の推進の観点から、天然ガスやレアメタル等の安定的な供給が必要ということでございます。財政投融資1,396億円を措置としてございますが、これは昨年より847億円増加してございます。こちらは、天然ガス開発、それから液化プロジェクト等に参画を図る我が国の企業を支援ということで、川上からこうした権益の獲得等が必要ということで、産投1,392億円を措置したところでございます。

それから、脱炭素化支援機構でございます。今年の10月から稼働しておりますが、産投400億円を措置することとしてございます。今年度の200億円の産投出資枠に加え、令和5年度におきまして、400億円を措置することとしているのは、支援決定の可能性を視野に入れて精査が進められている案件と、これは非常に出資の段階からも各地銀等を積極的に参画してもらいましたが、そこからの情報も含めて、非常に案件の提案も増えているという状況でございまして、こうしたものを積み上げて、こうした規模になっているということでございます。

以上でございます。

〔翁分科会長〕ありがとうございました。

それでは、ただいまのご説明を踏まえまして、委員の皆様からのご意見、ご質問をお願いしたいと思います。オンラインでご出席の皆様につきましては、ご発言の際、チャット欄にその旨を書き込んでいただくか、挙手ボタンでお示しください。こちらから、確認しながら指名いたしますので、そのままお待ちください。ご発言の際には、資料を引用される場合には、資料番号と該当ページをおっしゃってください。

それでは、林田委員、渡部委員、お願いいたします。

〔林田委員〕ご説明ありがとうございました。私からはコロナ関連融資の規模に関するコメントと、あと個別の案件について2つほど質問、それから、別の問題で問題提起を1つほどさせていただきたいと思います。

まず、コロナ関連融資の規模です。補足説明資料を見ると分かりやすいのですが、前回、資料が少しということで申し上げて、分かりやすい資料を早速作っていただきまして、大変ありがとうございます。

令和5年度の事業規模、足元で約1.1倍になっているので、それを引き延ばしていくとこれぐらい必要だというご説明をいただきました。ただ、私としては、今回の令和5年度の事業規模はやや過大、大き過ぎるのではないかと受け止めています。

まず、事業規模の実績を見てみますと、令和3年度、計算しましたが、国民事業で事業規模の18%しか使っていない。中小で27%です。令和4年度は年度の半ばでございますが、国民が16%、中小が20%にとどまっている。これに対して令和5年度の事業規模は4年度比で2割減程度と、依然として高水準の設定となっている。足元でやや増加傾向が見えるとの説明もございましたが、これまで何度か発言していますとおり、借手の企業側はかなり過剰債務の状況である。これは説明資料の次のページを見ていただいても分かると思いますが、条件変更している企業の割合が年を追うごとに増えているということ、そしてこれから据置期間が終わっていくところが増えていくであろうということ等々を見ますと、借手企業の側では、返済に対する不安がかなり強まっている。金融機関が貸しますよと言っても、令和2年度のように融資希望が殺到するような客観的情勢にはないのではないかと思われます。危機発生の直後であれば、ある程度余裕を持って融資枠を設けて、使い残しもやむを得ないという対応が必要だと思いますが、コロナ発生から4年度目ともなれば、弾力条項の存在等も踏まえて、もう少し節度を持った事業規模の設定を考えるべきではなかったかと思います。

次に、個別の案件について申し上げます。資料は議案関係説明資料の2です。

1つ目が、4ページ目をご覧ください。日本公庫によるアフターコロナをにらんだスタートアップ支援の狙い、これは異存はありませんし、ぜひやるべきだと思います。ただ、資本支援ということになりますと、それをするにふさわしい企業なのかは、しっかり目利きをすることが大切だと思います。このポンチ絵を見ますと、民間の金融機関あるいはベンチャーキャピタル等と協調するということでありますが、これを見る限りは、協調の中身がよく分からず、お互いに一緒にお金を出すというところしかよく分かりません。もしそれだけであれば、あまり官民協調のメリットを生かせないような気がしておりまして、資金を出す前の目利きでありますとか、そこでの意見交換、あるいは出した後の経営支援など、公庫と民間がどのような協調をして、支援企業の成長を図っていくのか、政策のイメージをお聞きしたいと思います。

同じ資料の6ページです。ここに経済安全保障の話が出てきています。特定重要物資の安定供給を図る企業への資金支援とのことです。経済安保の強化は、現下の厳しい情勢の中で私も大変賛成でございます。ですが、実は経済安保という概念はいま一つ明確ではないという問題があると私は個人的に思っております。例えば、対象の範囲です。特定重要物資に半導体や蓄電池等を例示されていますが、全ての半導体が経済安保に関わる特定重要物資とは言えないと思います。例えば一時問題になった湯沸器が半導体不足で供給ができないとか、エアコンがつくれない、あるいは、スマホの蓄電池が足りないとかといった問題については、これは経済安保という話では多分ないと思います。国民の財産・生命に直接関わって、国の存亡に関わるといったところにかかってくるもの、そういった線引きをどのように考えて、特定事業等促進円滑化業務を運用していくのかといったところを、もう少々ご説明いただけたらと思います。

長くなってすみません。最後に、問題提起ですが、これは予算全体の話に関わる話なので、私ののりを越えているのかもしれませんが、財投特会の積立金について問題提起をしたいと思います。

予算編成の詳しい中身は、私まだ承知しておりませんが、防衛予算の強化という大きな政策課題に関連して、防衛力強化資金という新たな資金が創設されると報じられています。現下の安全保障環境を考えれば、防衛力強化は喫緊の課題であることは間違いありません。ただ、問題はその財源をどこから引っ張ってくるかという問題でありまして、防衛力強化資金には、各種特別会計の積立金を充てるとの報道もあります。

そこで特に気になっているのが、財投特会の金利変動準備金です。何も私は財投の庭先だけ掃けばいいということは思っておりませんが、金利変動準備金は、かつて民主党政権のときにマニフェスト政策の財源をかき集めた際、有無を言わさず全部召し上げられたという経験があります。今、財投特会の積立金がどうなっているのか、ホームページを参照して調べてみましたところ、令和3年度末で1.2兆円ほど積立金があることが分かりました。ただし、令和2年、3年、2年度続けて特会に不足金が発生して、積立金は4,000億から5,000億円取り崩しているということのようです。理由は、財投債の利払い等が貸付債権の利子収入より多かった。利払いのほうが多かったということだそうです。まさに今積立金を使っている状況にある、そういう局面にある。

さらに、皆さんもニュースでご承知のとおり、日本銀行が昨日、政策決定会合で、長期金利の変動幅の上限を0.25%から0.5%に引き上げた。これを黒田総裁は利上げではないとおっしゃっていますが、長期国債の利回り、流通利回りが今後上昇していくということは、まず間違いないことでありまして、その分、資金コストは上がってくる。こうした時期に金利変動準備金を差し出してしまうということは、少しまずいのではないかと考えています。局面が悪いと思います。

もう1点、すみません、最後に、財務省ホームページを見て気になったことをお知らせしたいと思います。かつて財投特会の決算数字を紹介しているページでは、金利変動準備金の存在意義、あるいは1000分の50を上限に積み立てることになっているという詳細が書かれておりましたが、なぜか平成29年度分から「金利変動準備金」という言葉が消滅し、単に、積立金は特会に不足が生じたら補足するといった、結果としての説明だけになっています。

このページを閲覧した国民は、何だ、財投特会には1兆円を上回るお金が余っているではないかと感じるのではないか。何のために余っているのかという部分を、説明をはしょってしまった。この経緯を知りたい。

私としては、他のページに金利変動準備金の説明を移しましたという答えがあるのかもしれませんが、やはり数字と一緒に意義を記載することには大きな意味があると考えます。また安易に召し上げられてしまうことがないように、ぜひ、そこら辺の対応を考えていただきたいということです。

少し長くなりました。すみません。

〔翁分科会長〕ありがとうございました。

この後、渡部委員、冨田委員、渡辺努委員、原田委員、川村委員の順番でお願いいたします。

それでは、渡部委員、お願いいたします。

〔渡部委員〕ありがとうございます。いろいろな意味で、諸環境の変化も激しく厳しい中で、理財局さんとして総じて、委員の先生方の意見も踏まえられて、あるいは、時折レバレッジをかけられて、うまく、査定、編成され、高く評価したいと思います。

本当に変化が激しいときですから、いい意味でのニューノーマルへ向けて、引き続き理財局さんとしてのディシプリンを堅持され、理財局さんとしても、これで100点だとは、きっと思っていらっしゃらないはずですので、引き続き、健闘していただきたいという希望、意見です。

以上です。

〔翁分科会長〕ありがとうございます。

それでは、冨田委員、お願いいたします。

〔冨田委員〕ありがとうございます。これまで新しい資本主義の加速、そして、安全保障環境の変化への対応ということで、いろいろな財投機関についての議論をしてまいりました。そういう意味で、私は議案について賛成いたします。ただ、2点、今回まだご説明いただいてない点があるので、お伺いしたい。

第1点は、議案第2号の日本高速道路保有・債務返済機構についてです。新年度の計画では、財投融資が皆減する一方で、政府保証債の発行が1兆2,530億円と10倍以上に増える計画となっております。その理由について知りたいということです。ほんの数年前に、圏央道の4車線化を促進することを目的に、金利負担を1兆円軽減するということで、機構の資金調達を政府保証債1.5兆円から期間40年の財投債にシフトをさせたのですが、新年度の計画はそれとは逆の方向であります。1兆2,000億円余り発行される政保債の償還年限は何年なのか。

今回、資金調達手段の変更なわけですが、その理由は、察するところ、満期を迎える政府保証債の借換えのためなのか、あるいは、説明資料14ページにありますように、債務の償還を確実にするという説明だといたしますと、財投機関債の資金調達コストが上がってきたことが理由なのか。あるいは、背景にある理由として、国債金利の影響や、料金収入などの貸付料の動向、それから、建設資材の価格上昇、あるいは新東名高速、まだ全通が、遅れているようですが、その点、これらのどれが理由なのかということをご説明いただきたい。

そして、5年前ですか、政保債を財投債に切り替えたときには、機構の収支試算を示していただきました。政府のバランスシートに掲載されるかどうかは別にいたしまして、財融の融資も政府保証も政府のクレジットを供与するという点では同じなので、やはりこうした収支試算ということが必要ではないか。これは第1点です。

もう1点、手短に申し上げますと、議案第4号であります。財投機関などへの融資条件が示されております。確認の質問ですが、これら極めて多様で複雑な融資条件が示しますように、財投そしてその融資を受ける機関のALMは、基本的には財政融資特別会計で行う。つまり、そのコストは特会で負うという考え方でいいのでしょうか。

以上2点、よろしくお願いいたします。

〔翁分科会長〕冨田委員、どうもありがとうございました。

それでは、次に、渡辺努委員、お願いいたします。

〔渡辺委員〕渡辺努です。1点だけ意見を言わせていただきます。

今日のご説明でも、それから資料の中にもありましたが、物価高で、それに伴う融資という話が出ていました。物価高なので資金繰りに困るという話なので、至極ごもっとものようにも聞こえますが、よく考えると問題があるかと思いますので、この点について、意見を言わせていただきます。

恐らく起きていることは、電力とかあるいはエネルギーとか、医薬の原材料とか、そういう価格が上昇して、企業が仕入れをするときのコストが上がってきている。その分について融資をという話なのだろうと想像します。ただし、本来あるべき姿としては、それらのコストの上昇は価格に転嫁するということが、本来は想定されるべきでありますし、あるいは政府全体としてもそうした転嫁を促進することを一方ではやっているわけであります。ですので、そうしたニーズがあるから、資金需要があるからといって、安易にそこでお金を貸すのではなくて、まずは転嫁ができるところはしっかり転嫁をしてもらうことを原則として徹底すべきだと思います。もちろん、転嫁がどうしてもできないという事情もないわけではないと思いますので、その場合は融資ということもあり得るかと思いますが、物価高だからという理由でオートマティックに融資を認めるのは余りに安易過ぎるのではないかと思います。

以上です。

〔翁分科会長〕ありがとうございます。そのとおりだと思います。

それでは、次に、原田委員お願いいたします。

〔原田委員〕ご説明ありがとうございました。お伺いしたいことが1点と、意見といいますかお願いしたいことが2点ございます。

まず初めに、お伺いしたいことですが、今出ている議案第4号に関することになります。融通条件のところに関しまして、少し細かいことですが、日本公庫の国民一般に対する貸付けで20年、18年と期限が長いものがあるのですが、ここについてのみ、どうも据置期間があまり書いてありませんで、ほかのところは据置期間が書いてあるのですが、ここに期限が設けられて、据置きがあるのかどうかを書いてないということは、長いものでも満期一括償還なのかどうかを教えていただければと思いました。

議案第4号ですが、全般的に償還期限が長いように印象を持ちました。最長は39年ということで、長いというのが率直な感想になります。

今回お示しいただいている償還期限は、今までの期限に比べて、平均的にやはり長くなっているのでしょうかということもお伺いしたいと思いました。39年というのはスーパーで売られている食品の値札のようで、ほぼ40年ですので、ここにいる誰も関与できないどころか生きていないかもしれないぐらいの長期になります。

そういう点から考えると、融通条件がすごく長くなるということについては、非常に不安な気持ちになりました。今まではこの長さだったのが、今回、令和5年度に関してのみ少々長くなっているのかというところを教えていただければと思います。これがまず1点目になります。

それから、意見になりますが、先ほど林田委員も、長期金利が0.5%に上がって、資金コストが高くなりますよねというお話をなさっていました。同じような意見ですので、手短に申し上げます。資金調達にはよりコストがかかるようになっている、これは誰の目にも明らかであります。皆様もよくご存じのところです。ですので、より精査して財政融資を出していただきたいというお願いになります。例えば、今日出てきたお話の中に過疎対策事業がありましたが、過疎対策と関係ないものにも今まで使われてきた経緯がありました。花火大会の運営ですとか、そうしたものに過疎対策費を使うのはどうかと思います。より大勢の人が納得できる使い道であるべきで、より精査して出していただきたいということをお願いします。

関連しまして、先ほど渡辺努委員もおっしゃいましたが、今日、ご説明いただいた中に何度も「物価対策」という言葉が出てきました。恐らく霞が関では、物価対策はやって当然なのだというお考えになるのだろうと思うのですが、渡辺努委員は価格に転嫁するべきとおっしゃいましたが、経済学者としてはまさしくその通りと思います。物価対策を補助金のように使わないようにしていただきたいということになります。これが意見の1点目です。

もう一つ、意見といいますか、お願いになります。今日のご説明でも、官民ファンドの統廃合ということがご説明として出てきました。官民ファンドの統廃合のスケジュールなどが出てくる段階で、ぜひとも検証していただきたいと思います。資金の出し手側として、出してよかったのか、どのくらい貢献したのかというところをしっかり検証していただきたいと思います。今までも財投機関が融資などやってきたところに、官民ファンドが入ってきたようなイメージがやはりあるのではないかと思います。ですが、官民ファンドもニッチな場所で頑張って貢献してきたということなどをお示しいただく、もしくはうまくいかなかったところも検証していただく。中期的に見たときに検証していただければというお願いになります。

以上になります。

〔翁分科会長〕どうもありがとうございました。

それでは、川村委員、その次に、中里委員でお願いいたします。

川村委員、お願いいたします。

〔川村委員〕ご説明どうもありがとうございました。総じて、この議案については、全て賛成ですが、その上で、意見というか、意見と質問が合わさったようなことを幾つか申し上げたいと思います。

まず、補足説明資料の1ページ、先ほど林田委員などがいろいろご指摘いただいている点ですが、今後ゼロゼロが終わり、ですがコロナが予想より長引きという中で、どのくらいの事業規模になるかという予想は大変難しいと思います。したがって、ここはある根拠をもってやって、また補正で追加みたいなことよりも、今の段階ではこれでもよいのかということも少し思います。

ただ、他方で、2ページにありますように返済だとか猶予のことを見たときに、私は、かねてから申し上げているように、より心配なのは既存のものの返済が不能になるというリスクが、多分これから非常に高まってきて、新規に貸すというよりも既存のものの中で、ここでは猶予に入るのだと思うのですが、いわゆるゾンビではないところをいかに立て直させるかということに力を注ぐほうが、むしろ重要ではないかという気がしているところです。大変難しい政策判断ですが、特に返済が始まる部分についてご留意いただきたいという点と、それから、実際に、相手が、滞納がずっと続いてきたようなケースで、それで最終的に、当該企業の債務超過になってしまって、取りはぐれる可能性が高いようなケース、そうしたときに、特に国民というか公庫において、どのぐらいだったら償却するのか、その辺の回収のルールみたいなものが、どのようになっているのか。現状だと非常に回収に対して手続が煩瑣であるし、面倒くさいので民間はなかなか指定金融機関に手を挙げないという問題があるわけで、これの改善は図っているわけですが、その回収のやり方というか、それを教えていただければというのがこの関連です。

それから、2番目の質問は議案関係説明資料(2)の、4ページ、5ページから7ページとか、どこでもスタートアップへの支援は出てきて、これは当然必要だと思うのですが、デマケーションというか、例えば政策金融公庫のスタートアップは基本的に、スタートアップはどこも小さいわけです。零細企業なわけです。すると、政投銀は基本的に大企業相手で、公庫は中小企業、国民レベルだとは言っても、スタートアップについては、その差がないということになったときに、これで一方、商工中金なども力を入れるとなると、いわゆる政府系の金融機関のスタートアップへの対応というのは、3つのレイヤーがあるのか、1つだけ選ばなければいけないのかみたいなところ、スタートアップの側からすると、いろいろ考えると思います。それが2つなり3つの政府系金融機関で、スタートアップ支援の性格の違い、濃淡みたいなものがあるのか。ただ、スタートアップありますよというと、スタートアップからしてみると、3つ全部回って取れそうなところから取れるということなのか、あるいは、3つなり4つなりそれぞれから取れるということなのか。その辺のところが、質問として、教えていただきたい点です。

それから、もう一つ大きな点で、先ほど物価対策についてどう考えるか、これは大変難しい問題はあると思います。これは渡辺先生や原田先生のおっしゃるとおり、私は原則論だと思うのですが、ここのところの企業物価と消費者物価の差が少しずつ縮まっているとはいえ、現状では特に大企業中心で、在庫の調整だとか、企業サイドで抱えて、なるべく転嫁しないようにしているという部分が私はこの半年ぐらいは相当あると思います。ただ、これがどこまでもつかということになると、だんだん、企業物価と消費者物価が今より差が縮まってくるという状況の中で、一部、特に中小業者については、何らかの形の補給というか、ある程度期限を限った支援というのは必要なのかと。これはやみくもに、本来企業努力で価格転嫁すべきところを、楽させることはないと思うのですが、やむを得ず、どうしてもそこで、特に中小・零細企業は、難しい問題に逢着するので、必要最小限の限度ではそれは必要なのだろう。それが、今日ご提示いただいたレベルが正しいのか、大き過ぎるのか、今材料はありませんが、企業努力が原則だが、どうしてもそれで補えない部分は、時間を限ってやるというのは必要だろうという意見を持っております。

最後に官民ファンドのところ、少し気になるのは個別ですが、海外需要開拓支援機構、クールジャパンですが、これはJカーブが非常に重要だということで、財投分科会でも何回かやり、前回でしたか、要するにこのJカーブが来年、僅かでも実現できなければ、解散か統合であると。つまり、執行猶予は1年だということを強く申し入れたと思います。

その前提はJカーブですが、このJカーブのときの、今年度の予算要求はたしか200億円か300億円、結構大きい金額だったと思います。これが今度は80億円になっていて、当初の要求の3分の1、4分の1のレベルで、このJカーブが全く変わらないというのは、少し不思議に思います。つまり、300億円を前提に立てたJカーブが、今度80億円になってしまって、Jカーブが変わらないとなると、基本は大丈夫なのか。つまり、80億円になってもこのJカーブが維持できるということが、きっちり、最低限証明されて出てきているのですよねということにならないと、来年議論するときに、いやいや去年のJカーブは300億円前提でした。財務省から80億円と言われたから、できなかったのですと言われたら、抗弁できなくなってしまうではないですか。そこは質問として、教えていただければ、以上です。

〔翁分科会長〕ありがとうございます。

それでは、中里委員、お願いいたします。

〔中里委員〕丁寧なご説明ありがとうございました。

議案2号と3号と4号の関連の補足説明資料のところ、コロナウイルス関連融資の返済の状況について、1つ質問と、意見というほど強いものではないのですが、1つお話をさせていただきたいと思います。

これを見ていると、据置きが減って返済が進んでいる、それは分かるのですが、一方で、追加の融資と条件変更が増えてございます。これについて、追加の融資が前向きの融資であればよろしいのですが、例えば売上げがなかなか思ったほど立たない、そういうことで追加の融資が増えているとなると、少し心配なところがあるので、追加の融資の具体的なところ、もちろん個別にはいろいろあると思うのですが、どのような状況で追加融資が増えているのかについて大まかなお話を伺いたい、これが質問であります。

それに関連してですが、先ほどから、昨日の日本銀行の金融政策決定会合で、長期金利の変動幅が拡大して、金利が上がるのではないかというお話が何人かの委員の方から出ていると思います。昨日の決定自体は、イールドカーブがゆがんでいて、つまり、カレントのところと8年、9年のところが、イールドカーブがいびつになってしまっているので、それを直すために行ったものなので、一本調子に金利が上がっていくと私は思っていませんが、ただ、一方で、各国が利上げをしていることなどの影響から景気が減速し、あるいは場合によっては後退する、つまり、ダウンサイドのリスクが相当あるわけです。そうした中で考えると、なかなか来年に向けて、景気のほうが少し心配なのではないかという感じがしています。

そのこととあわせて、今、コロナ関連の融資について中小機構が補助を入れて、利子補給をして金利を下げていますが、その措置が来年になるとなくなるわけです。そうすると、全体とすると景況がもしかすると悪くなるかもしれない。これはもちろん先き行きのことなので、なかなか分かりませんが。それから、確実に分かるのは、金利の負担が、少なくとも補助を入れていた分がなくなりますから、そこは上がるわけです。そうした中で、返済がきつくなっていくということがあり得ると思いますので、その点について、やはりしっかりとモニタリングというか、眺めていく必要があるのではないかと思います。

以上でございます。どうもありがとうございました。

〔翁分科会長〕どうもありがとうございました。

それでは、今までのご質問やご意見に関しまして、財務省からご回答をお願いしたいと思います。

〔佐野計画官〕佐野でございます。私から答えられる部分について、まずご回答させていただきます。

コロナの、令和5年度の規模が過大ではないかというご批判については、真摯に受け止めたいと思います。ご説明申し上げたような考え方で、ある意味セーフティネットとしてのバッファを置いているわけでございます。世界経済やコロナの状況についての不透明性を勘案しているわけですが、確かにおっしゃるとおり、コロナ発生直後について不透明性は減少しているのではというご意見についても、ごもっともでございますし、弾力という制度があるということについてもしっかり受け止めて、今後の足元の上昇というところも我々の懸念点ではあるのですが、よく融資実績の動きを見て、今後の判断に生かしてまいりたいと思います。進捗については、よく確認させていただきます。

公庫のスタートアップ支援について、具体的なイメージをという話がございました。案件の形成時点に限らず、日頃から公庫は専門の部署を設けまして、中小機構であるとか民間ベンチャーとも意見交換を続けていると聞いております。そうした中で民間ベンチャーからの持込み案件なども出てきているということでございます。

ですので、案件の入り口でもしっかり意見交換しながら形成していくとともに、途中、融資後のフォローであるとか、定期的なフォローアップについても共同で行っていると聞いておりますので、そこら辺の連携状況については、しっかり続けていくように、確認してまいりたいと思います。

公庫の特定について、一般的なものについてしまうのではないか、きちんと戦略的なものにいくのかというご心配について、ご意見がございました。どのような案件についてイメージされているのかについては、認定の前でございますが、物資所管省庁からよくヒアリングを行いました。そこでイメージをすり合わせ、具体的な内容については秘匿性が高いので、細かくここで申し上げることができないのですが、しっかり戦略性があるイメージで形成しているということが確認できましたので、これから実際の計画認定、また、指定金融機関における融資審査などが実際に行われるわけですが、そのような戦略性のあるイメージに合ったものに実際出ているのかということについても、きちんとフォローアップさせていただきたいと思います。

それから、物価高対策についてご意見を幾つかいただきました。転嫁を行うのが原則ではないかということについては、全くごもっともであると考えております。

一方で、中小企業の状況を確認いたしますと、やはり仕入価格の上昇に比べて、販売価格の上昇が遅れている、一時期に比べれば縮まってはいるようですが、遅れているというのも確かでございますので、ここのギャップを埋めるようなことは必要な部分があるのではないかと考えております。あまり補助金のように使われないようにということは肝に銘じてまいりたいと思います。

また、国民の融通条件について据置がないのはというお話がございました。ここについては、制度融資と一対一で対応して張りつけているものではございませんで、純粋に公庫の企業貸付も含めた全体のALMの観点で新規の部分張りつけているということでございますので、そこは国民のほうできちんと計算した結果、こういうのが欲しいということだそうでございます。

それから、補足資料の2枚目に関して、ゾンビではないところに、既存のところについてしっかりフォローアップに力を注ぐ必要があるというところはおっしゃるとおりだと考えておりますので、返済状況については、引き続き確認してまいります。

また、償却基準に関しましては、民間と同じレベルでやっており、中小企業活性化協議会がございますので、こちらと連携しながら、返済が厳しくなりそうな事業者に対して、事業者の支援を行っていくというところは、これまでどおりでございます。

スタートアップ関係のデマケについてご質問がございました。一般的なイメージで申しますと、公庫の国民が一番アーリーに近い、そして中小だと少しその後の段階、また、DBJでございますと、むしろスタートアップを支援しているようなファンドに一気に出すであるとか、大企業と一緒に出資するような、かなり先端的であったり、大きめのスタートアップに出していくようなイメージでございます。ただ、一方で、どれか1つに選ばなくてはいけないのかといいますと、その段階に応じて、いろいろなところから取れる場合もあるような状況でございます。ここについては、あまり、それぞれの特性を生かした支援が全体としてできていくように見ていく必要があると考えております。

それから、クールジャパン機構について、11月にお示ししたJカーブの前提と合っているのかという話がございました。11月の段階でも経産省とすり合わせをいたしまして、2023年と2024年の投資額については、修正後では年間90億円というレベルでつくっておりました。80億円以外に自己資金がございますので、今回の予算とJカーブの前提は一致しておりますので、予算をつけてくれなかったから達成できなかったというような言い訳はできないようになっております。

それから、補足資料の2枚目について、返済状況、追加融資がどのような状況なのかでございます。こちらは、ご懸念のとおりなかなか、その中で前向きなものが何%で、後ろ向きなものが何%と言えるような状況ではないのですが、どちら方向もあるということではございますが、追加から、どちらの方向に進んでいくのかについては、さらにフォローアップしてまいりたいと思います。

それから、コロナ融資に関して、来年、中小機構の補助が終わってしまって、金利が上昇する、金利返済の負担が上昇する方々がいるのではないか、しっかり見ていく必要があるというご意見がございました。おっしゃるとおりでございまして、利払いの部分が実質上昇する方々もいらっしゃるかと思います。一方で、公庫のほうは元本返済が始まる山は2021年や2022年の初頭にも迎えておりまして、その波のところは、元本返済の始まりの山は事前のフォローアップを含めて、うまく乗り越えてきたところだと考えておりますので、引き続き、そのときにいろいろ体制を整備し、培ったノウハウを次の波のときも生かしてもらいたいと考えております。

以上です。

〔翁分科会長〕そのほかのご質問に対するご回答を、お願いします。

〔大江計画官〕では、道路機構のご質問について返答させていただきます。

道路機構については、財投でどのようなことをやっているかといいますと、基本的に、年によって波はあるのですが、毎年大体4兆円程度、民営化したときに引き継いだ債務の償還費がありまして、高速道路の貸付料で大体2兆円程度収入がありますので、債務償還と収入の差額の部分について、基本的には道路機構が調達する中で、その一部に政府保証をつけるということを例年やってきまして、平成30年度計画から確かに財政融資を出しているのですが、それ以前は、例えば平成29年度計画では、要調達額の1兆7,550億円のうちの1兆3,850億円に政府保証をつける、平成30年度計画では1兆5,750億円のうちの1兆2,450億円に政府保証をつけるという形でやってきました。規模感でいうと大体そうした感じで平成30年度計画以前はやっていたのですが、4車線化等を進めるということで、平成30年度計画から令和4年度計画にかけて、当初補正合わせて財政融資を合計5兆4,100億円程度措置してきまして、従来政府保証をつけていた部分を財融で貸付けた分に置き換えることによって、先生おっしゃられたように、政府保証債との金利の差分を使って、それを財源にして、4車線化等を進めてきたところです。財融貸付による置き換えを令和元年度からずっと活用してきまして、令和5年度計画は残りが3,092億円ですが、これで今まで財融で貸した置き換え分を全て消化するので、残りの部分の一部に政府保証を充てるという、旧来、平成30年度計画以前にやっていたやり方に戻るというところで、令和5年度計画の数字になっているところでございます。

収支試算に関しては、法律で2065年までに返すという形で、その返済の計画自体は変えず、要は政府保証と財政融資の金利差の隙間を活用するということなので、返済のスキームそのもの自体には影響のない形で、こうしたやり方をやってきているところでございます。そこが今回、政府保証が前年度に比べて大きく伸びたところの経緯というか、構造的な理由となってございます。

〔翁分科会長〕追加でございますか。お願いします。

〔奥村資金企画室長〕資金企画室長の奥村でございます。先ほど、冨田先生からALMの関係、融通条件の関係で、今回いろいろと要求があるのだが、財投としてALMをうまくやれているのかというご趣旨のご質問だったのかと理解しております。

その点、ご案内のとおり財投の資産の貸付けのほうは、今回の融通条件は、満期一括、元金均等、元利均等といろいろございます。一方で、負債のほうは、財投債ということで、2年、5年、10年、20年、30年等々、そうした満期一括の償還ということで、非常にキャッシュフローは異なるわけですが、これは毎年のことですが、財投はALM全体の中で資産負債のデュレーションをなるべく一致させるような形で財投債を組んでいくということで対応させていただいております。

近年、資産負債のデュレーションギャップはほとんどなくなっているような状況でございます。ただ、一方で、キャッシュフローはどうしても違いますので、将来的なマチュリティギャップ、償還であるとか回収、そういったキャッシュフローの違いのほうがございますので、これはマチュリティギャップを埋めるように、これも財投債の年限構成を考えるときに併せて決定しておりますので、そうした意味では、きちんとやれているのかということですが、そこら辺をシステムではしっかり入れて、きっちり押さえているところでございます。

以上です。

〔原田財政投融資総括課長〕そのほか幾つかご質問ありました順に、ご説明いたしますが、まず、原田委員から、資金調達の中で長いものが多かった、これは今年の傾向なのか、それともこれからの傾向なのかというご質問がございました。

今回は、融通条件についてマイナーチェンジはございましたが、基本的には、ほとんど去年の融通条件と変わってございません。財投でございますから、民間が取れないような長期のリスクを取っていくのが役割の1つなので、どうしても、当然長期の内容が多くなってございまして、そうした意味では、今足元、こうした融通条件のものが増えたわけではなくて、従来からこうした構成になっているとご理解いただければと思ってございます。

それから、林田委員から、積立金のところの言いぶりですが、金利変動準備金という説明があったのがなくなったのは、単に中身が細か過ぎて分からんという意見があったので、一時的になくなったのですが、最近また、でも、あったほうがよかろうということもあって、記述が復活したりしています。言いぶりのところは単にそれだけで、ただ、委員がおっしゃったように、ここを書くことによって、今足元のリスクが増えているということについて、より記述の必要性が重要になっているのではないか、まさにそうしたことも含めて、どのような書きぶりにするかは考えていきたいと思ってございます。

それから、足元、日銀の施策で金利が上がったことについてのご懸念が幾つか委員からお寄せいただきました。今、奥村室長が説明したとおり、ALMは以前に比べれば相当精緻化しているところでございます。調達のほうはそうですが、貸し付けるほうも同じような金利になっていくということを考えれば、財投全体に対する影響は相当限定的になってきているということは前提として、イメージとして持っておいていただきたいと思うところでございます。

最後に、林田委員からいただいた財投特会の積立金、それから、今回の予算において、どのように財投特会から一般会計に貢献というか、協力していくかという議論がございます。新聞等でも報道のあったところでございます。

これは、予算編成プロセスが実は完全にまだ終わっているわけでは、現時点でもないということでありますから、少し一般的なご説明になりますが、まず、産投からの繰入れにつきましては、今回のNTT株の売却収入等ございますので、投資勘定の中では収入がリッチな状況になってございます。

一方で、我々の産投支出のほうは、先ほどご説明したとおりでございますが、メリハリをつける中で、例えば天然ガス等の分野に投資するJOGMECに対しては847億円と相当増やしているわけでございますが、全体としては、そうしたことも念頭に置いて、ものすごく大きなものにはしていない。ですので、差額としては当然生じまして、余った分は一般会計に繰り入れる予定でございます。そのものが、当然1つ、項目としてあるということでございます。

それからもう一つ、おっしゃった金利変動準備金からも十分な貢献をということが、予算の中で要請が、我々の中でも、そうした必要性はあると認識しているところでございます。できる限りやったほうが、やらなければならないという状況にはある一方で、まさに林田委員おっしゃったように、現状、非常に、我々の財政融資資金勘定もぎりぎりの状況で、決算においては赤字が出ているので、この1.2兆円も少しずつ減っている状況でございます。

その中で、両にらみでどうしたらいいのかも我々考えているところでございまして、できる限り財政融資資金勘定の健全性、長期的に今、林田委員おっしゃった1.2兆円がどうなっていくのか。これが長期的に何%ぐらいの確率で、将来にわたり、どのように減っていくのかを見ながら、セーフティというか安全性を保った上で、どれぐらい今回活用できるのかを検討して、一般会計に可能な額を繰り入れていくことを考えているところでございます。

また、これに合わせて、財政融資資金勘定におきましては、実は積立金を取り崩して歳入に充足されるという規定が、特別会計に関する法律に存在しないということで、同規定を財源確保法の中で法定することを検討しておりますが、我々の令和5年度の予算案におきましても、非常に小幅でありますが、歳入が歳出に対して非常に、数百億円という感じではあるのですが、不足が見込まれる予定でありまして、これは、新しい法案の中で一括して対応して、法令措置を取っていこうと考えているところでございます。

いずれにしましても、まさに皆様からご指摘いただいたように、今回、予算上の要請大きいところでございますが、我々も我々の資金の勘定、ALMでリスクは減っていると言いながら、厳しい状況にございますので、我々の金利変動準備金の健全性を保つ観点から、どのような繰入れといいますか、貢献が必要かということを厳に調整した上で対応していきたいと考えているところでございます。

〔翁分科会長〕ご説明、どうもありがとうございました。追加で、川村委員お願いいたします。

〔川村委員〕ご説明、どうもありがとうございます。少し細かいですが追加でお願いと質問がありまして、1つ、お願いというのはスタートアップ向けですが、出す側からすると、きれいに整備されているかもしれないのですが、使う側のスタートアップはどこにどういったらいいか分からないというのが正直あると思います。特に最近のスタートアップの中でも、エクイティ以上にメザニン的なあるいはデット的な要請も増えてきている中で、多分それは政策金融機関がかなり大きな役割を果たすと思うのですが、ついては、これは経産省というよりも、財務省がリーダーシップを取ることになるのか、つまり、スタートアップの皆さんに、政策金融機関はこうした使い方がありますという、分かりやすい、一枚紙でもポスターでもホームページでもいいのですがないと、それぞれの件、全部縦割りで見なければいけない。だから、使いやすいものが使えない、せっかくいい制度があるのにということもあろうかと思うので、そこは少し工夫いただければというお願いです。

それからもう一つ、質問は、先ほどの政策金融公庫の、議案2号、3号の厚いほうの資料の6ページにある特定事業等促進円滑化の中で、低炭素、事業再編、造船の、長期・大規模案件に対して、ツーステップ・ローンを通じて金融機関でと、こうしたつくりになっているのですが、これの意味するところは、政策金融公庫の相手は中小業者が多いと思うのですが、案件としては長期で大規模案件だとなっています。ということは、これは大企業も対象になるのですかという質問と、ここで言っている指定金融機関というのは、現状の指定金融機関というのは、現在、公庫とDBJと商工中金の3行のみという理解でよろしいのですか、この2点です。

〔佐野計画官〕では、お答え申し上げます。スタートアップについては、使う側の方々によく分かるようにPRをということについては、よく機関のほうに伝えたいと思います。必要なことだと考えております。

〔川村委員〕すみません、機関に通じても縦割りになってしまうので、それを横で、利用者から見たものを、それは多分各機関ではできないので、そうした意味です。

〔佐野計画官〕連携して、分かるようにしたいと思います。

ご質問いただきました公庫の特定についてでございますが、長期・大規模ということで、告示で5年以上、50億円以上と定めておりますのは、やはり民業補完の観点から、国の公的な関与がないと難しい案件ということで、このように規定しておりますので、出先というのは大企業などが多く含まれてくるかと考えられます。

公庫はツーステップ・ローンのワンステップ目という、国から公庫にまずお金が流れるわけですが、その先の指定金融機関というのは、おっしゃるとおり今いろいろなものがある中で、主に多くの制度を受けていただいているのがDBJでございまして、民間金融機関も一部の制度については入っております。

ですので、指定金融機関については、今回の特定重要物資に関しては今後指定ということになります。おっしゃるとおり大企業も対象になってくるということでございます。

〔川村委員〕ありがとうございます。

〔原田財政投融資総括課長〕補足しますと、この特定事業等促進円滑化業務は、公庫のところはお金を回す役目、自分が貸すのではなくて、ツーステップ・ローンを回す役目で、実際に目利きなどを行うのは指定金融機関で、政投銀であれば政投銀ということになりますので、当然大企業もというか大企業が入ってくる。少し、公庫が自分で貸すのとは別な業務ということになります。

それから先ほどのお話ですが、やはりスタートアップは経産省の一丁目一番地の仕事なので、いろいろなチャネルが行うのであれば、分かりやすいのも、彼らが考えるべきだろうとは思いますが、しかし、我々も問題意識を同じように、まさに、先生がおっしゃったようなことだと思いますので、彼らと相談して、増えてきたので整理できないかということをお話ししていきたいと思います。

〔川村委員〕ぜひ仲よくやってください。

〔齋藤理財局長〕少しよろしいですか。スタートアップ関連のデマケと、それから実際に利用するスタートアップベンチャーの側から見てどうなのかというところについて、私がずっと官民ファンドなり名古屋での現場で経験したことを踏まえて申し上げると、デマケのところは先ほども説明ありましたが、まず1つ大きく、今回の財投の措置もそうですが、出資なのか融資なのかというところで当然分かれてきていて、出資は、スタートアップというと語感的に本当に立ち上がりのイメージですが、ただ、政府がスタートアップ支援と言っているときには、ベンチャーでシード、アーリーから、ミドル、レイター、Pre-IPOみたいなところまで、全ステージをカバーしていると、むしろお考えいただいたほうがいいと思いますが、その中で、出資は当然全てのステージでいける、それに対して今回公庫がやろうとしているようなローンというのは、当然ミドル以降というのでしょうか、ある程度きちんと返済財源になるようなキャッシュフローを生み出した状態になっているスタートアップが対象だというところ、まず、そこで1つデマケが、当然、おのずと生まれる。

それから、官民ファンドでいえば、それぞれの官民ファンドで、支援分野が異なりますから、そこでも当然おのずと分かれてくる部分がある。ただ、きれいに線引きされているかといえば、当然、ベンチャーの側から見ると、複数のところにアプローチする余地はある、それはおっしゃるとおりだと思います。

その上で、そうしたベンチャー企業に対するサポートというか、どこに行けばいいのかのアドバイスみたいなところですが、東京もそうですし、それから私がいた名古屋などですと、愛知県とか名古屋市がインキュベーション施設を運営しています。そうしたところでベンチャー企業、スタートアップの相談に乗って、資金調達のアドバイスなどもやっています。そうしたところは政府系のところだけではなくて、当然、民間のベンチャーキャピタルなども含めて、おたくだったらこうしたところにアプローチしてみたらみたいなアドバイスをやっていますので、それは既に現場ではある程度行われている部分もあると思います。ただ、政府としてスタートアップ支援に取り組む以上、政府としても何がしか、より効果的なアドバイスができないかどうかは、先ほど原田が申し上げたように、経産省などとも話をしてみたいと思います。

〔川村委員〕ありがとうございます。

〔翁分科会長〕ありがとうございます。

ドイツやイギリスに視察に行ったときも、随分工夫して、アーリーからミドルまでのステージで、どのようなサポートがあるのかが分かりやすく説明されていました。日本でも、そうした支援の枠組みが、今回もいろいろな支援が増えましたので、利用者にとって見えやすくするのは大変大事だと私も思います。ありがとうございます。

それでは、林田委員、お願いします。

〔林田委員〕ありがとうございます。先ほど、原田課長のご説明を聞きながら、先ほどの発言に間違いがあることに気づきまして。要は、積立金の増減の額を四、五千億円と言いましたが、400から500億円程度、1桁間違っていたような気がします。

具体的に言いますと、令和2年度期中402億円減っている。令和3年度期中に489億円減っている。したがって、令和3年度末の1兆1,970億円というのが、令和4年度末には1兆1,500億円ぐらいになってしまう。かつては、平成30年には1,245億円増えていたものが、ここへ来て減っているという状況です。

そこで1個だけ質問したいのは、いわゆる1000分の50と言われている5%を1つのめどとして積み立てていこうという方針だと思うのですが、そのベースでいうと、現状では今どれぐらいのパーセンテージになっているのかを、参考までに教えてください。

〔原田財政投融資総括課長〕まず、数字からいうと今1000分の9ぐらいでございます。だからどう、直接その因果関係を言うわけではございませんが、最初に申し上げたとおり、相当、昔に比べるとALMが精緻化されたので、趨勢としては、今後、こうした赤字とか黒字が生じる余地というのは相当幅が減っていくだろうと予測される中でございます。ただ、足元増えているのが、過去平成13年度から18年度にかけて20年債を多くどんと調達してしまったものですから、そこの影響がまだ残っている時期に赤字がかかっている、その一時的な要因がしばらくあるので、そこが赤字の原因になっていく可能性が高いというのが、今現状でございます。

それから、金額の話がございましたが、林田委員がおっしゃるとおりですが、おっしゃっている赤字というのは、多分決算ベースの数字でございます。私が先ほど申し上げたのは、実は、令和5年度予算は、この計画の段階で少し、小さな赤字が生じる見込みということで、決算段階はまだ分からないわけですが、少なくとも予算をつくる現時点での赤字が数百億なりのことで見込まれるということでございます。決算はまさに委員のおっしゃったように、そうしたオーダーで生じていることがあるということでございます。

〔林田委員〕1000分の50というのを決めたのは、私の記憶だと相当昔、つまり、ALMの手法等もかなり開発されてない頃に決めた数字であって、実態と決められた数字との間の緊張関係といいますか、それを目標とすることの妥当性が変わってきているのであれば、その辺り、また議論し直すこともあり得るのではないかという気がしております。何か2020年に1000分の50になったという話を聞いていますが、はるか昔に、この分科会でもワーキングをつくって、数字を決めたことがありまして、大体同じぐらいの数字だったような気もするのですが、記憶が定かではないのですが。今、原田課長のおっしゃられたような、ALMの手法の高度化ということがあるのであれば、それを踏まえた緊張感のある目標を定める時期に来ているのではないかという気がいたしました。

以上です。

〔原田財政投融資総括課長〕ありがとうございました。

〔翁分科会長〕ありがとうございました。

それでは、追加的に特にございませんので、この辺りで、本日の質疑は終了したいと思います。

まず、議案第1号「令和4年度財政融資資金運用計画の一部変更」及び議案第2号から第4号「令和5年度財政投融資計画」等、4案については、本分科会として了承したいと思いますが、いかがでございますか。

(「異議なし」の声あり)

〔翁分科会長〕それでは、議案第1号から第4号の4案について、本分科会として「了承」とさせていただきます。

それでは、予定の時間となりましたので、本日の議事はここまでとしたいと思います。本日使用した資料は、後日、財務省ホームページに掲載いたします。また、議事録につきましては、委員の皆様のご了解をいただいた後、財務省のホームページに掲載いたします。

それでは、予定の時間となりましたので、本日の議事はここまでとしたいと思います。本日使用した資料は、後日、財務省ホームページに掲載いたします。また、議事録につきましては、委員の皆様のご了解をいただいた後、財務省のホームページに掲載いたします。

本日は年末のご多忙のところ、ご参集いただきまして、また、熱心にご審議いただきまして、誠にありがとうございました。これで閉会とさせていただきます。ありがとうございました。

10時55分閉会