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財政制度等審議会財政投融資分科会
議事録

令和4年3月18日
財政制度等審議会


財政制度等審議会財政投融資分科会議事次第

令和4年3月18日(金)10:00~10:26
(オンライン開催)

  • 1.開会

  • 2.議案

    令和3年度財政融資資金運用計画の一部変更について

    質疑・応答

  • 3.

配付資料

議案

令和3年度財政融資資金運用計画の一部変更

議案関係説明資料
参考資料

出席者

分科会長

百合

角田理財局長

大津理財局次長

石田総務課長

関口財政投融資総括課長

笠原財政投融資企画官

米田管理課長

原田計画官

関谷計画官補佐

高田

渡部賢一

渡辺

臨時委員

江川雅子

冨田俊基

林田晃雄

専門委員

川村雄介

家森信善


10時00分開会

〔翁分科会長〕それでは、ただいまから財政制度等審議会財政投融資分科会を開会いたします。

本日は、「令和3年度財政融資資金運用計画の一部変更」についてご審議いただきます。

まず、議事に先立ちまして、委員の皆様にご報告がございます。先般、緊急に議決を経なければならなかったため、1月に持ち回りによりご審議いただいた「地方公共団体に係る財政融資資金運用計画の変更」については、原案のとおり了承となりましたので、ご報告いたします。

それでは、議案の「令和3年度財政融資資金運用計画の一部変更」について、関口財政投融資総括課長よりご説明をお願いいたします。

〔関口財政投融資総括課長〕財政投融資総括課長の関口でございます。よろしくお願いいたします。本来は、担当の漆畑計画官からご説明いただくべきなのでしょうけれども、現在ほかの役所に併任がかかっていまして、そちらの業務を行う関係で、不在にしておりますので、自分から説明させていただきたいと思います。

それでは、財政融資資金の年度越し短期貸付について、ご説明させていただきます。財政融資資金の運用に当たっては、必要な計画を定めて、あらかじめ分科会のご意見をお聴きするということが、財政融資資金法第11条に定められているところでございます。

他方で、資金不足などから繋ぎの資金を必要とする特別会計などに対する短期の貸付で年度内に償還されるものなど、一定範囲内の財政融資資金の短期運用については、財務大臣限りで実行し得るようにということで、本分科会から、包括的にご承認をいただいているところでございます。

今回の交付税及び譲与税配付金特別会計(交付税特別会計)と年金特別会計に対する貸付については、年度をまたぐ貸付内容でございまして、先ほど申し上げた本分科会から包括的にいただいている承認の対象外となってございますので、当該貸付を財政融資資金運用計画に追加する変更を行うこととして、法律に基づいて、本分科会にお諮りするものでございます。

ご審議いただくのは、議案の資料になりますが、今回、交付税特別会計に対して6兆667億円、それから、年金特別会計に対して1兆4,410億円、これを年度越し短期貸付したいと考えてございます。

詳細につきましては、議案説明資料に沿って、ご説明させていただきたいと思います。

1ページ目をご覧ください。交付税特別会計に対する年度越し短期貸付について、これまでの経緯と現状をまとめたものでございます。

交付税特別会計につきましては、地方公共団体に対して、国税の一定割合などを財源として地方交付税及び地方譲与税を配分してございますが、この財源が不足する場合に、借入金が発生しているということでございます。

平成4年度以降、バブル崩壊の影響による税収の落ち込みですとか、経済対策に伴う公共事業などの増加による地方の歳出拡大、そういったことを背景に、地方の財源不足が拡大しておりまして、借入金が増加してまいったということでございます。

平成12年度の民間借入導入後も、借入金は累増を続けてございましたが、平成19年度に、国と地方の責任分担を明確化するとともに、国の債務返済の状況を分かりやすく示すという観点から、交付税特別会計の債務の国負担分が、一般会計に承継されたところでございます。その後、税収の落ち込みなどによって、償還が繰延べられてございましたが、平成23年度から、償還計画に基づく償還がなされてきているところでございます。

令和3年度におきましては、昨年12月の財政投融資分科会で報告させていただいた償還計画に基づいて、8,500億円を償還させていただいて、年度末時点の借入金残高は30兆1,123億円となります。

2ページ目をご覧ください。こちらは、毎年度末時点の借入金残高の推移を棒グラフにさせていただいたものでございますが、右端、「3」と書いてあるのが令和3年度、棒の青色の部分が民間からの借入金の額、それから赤色が財政融資資金の額ということでございまして、右の赤色の枠囲いにあるとおり、財政融資資金からの借入金残高は6兆667億円で、こちらについて年度越しの短期貸付をしたいと考えているところでございます。

続いて、5ページに飛んでいただいて、年金特別会計の健康勘定に対する年度越し短期貸付になります。

こちらの勘定の2つの累積債務について、全額、財政融資資金を貸付けてございます。

1つ目の累積債務が、昭和48年の健康保険法などの一部改正において、保険給付の改善が行われた際に、保険事業の財政収支均衡を図るために一般会計からの繰入れによって償還することとして棚上げされた、旧厚生保険特別会計健康勘定に係る累積債務がございます。

2つ目が、昭和59年度におきまして、日雇労働者の健康保険が政府管掌健康保険へ統合された際の、日雇労働者健康保険事業に係る累積債務がございます。

この2つの累積債務について、全額、一般会計からの繰入れによって償還することとされてございますが、一般会計の厳しい財政事情から、いまだ償還されていないという状況でございまして、財政融資資金からの短期借入金によって、これを賄っているところでございます。

次の6ページです。累積債務残高の推移を、下段に棒グラフで載せさせていただいてございます。昭和58年度までは徐々に債務残高が増えてございますが、昭和58年度までは発生利子の補塡が一般会計からなされず、累積債務は年々増加していたところでございます。昭和59年度から平成3年度にかけましては、発生利子の見込額の一部について、一般会計からの繰入れが予算措置されまして、実績で見ますと、平均大体500億円余りでございますが、一般会計から補塡されることとなりました。したがって、増加基調も次第に緩やかなものになってきたところでございます。

平成4年度以降は、発生利子見込額の全額が予算措置されまして、こちらは実績でいうと、平均で200億円余りでございますが、これを予算措置されましたので、債務残高の増加が止まったということでございます。さらに平成28年度に入ってからは、利払いのための予算措置がされているのですが、実際の利払いが少なく済んで、余りが生じた場合には、利払費の不用額を元本の償還に充てることにさせていただいて、累積債務残高は徐々に減少する傾向で推移してきているところでございます。

令和3年度末におきましても、年金特別会計の中の利子相当の予算の余った分である、いわゆる利払費の不用額と言われるものですが、その57.1億円を元本の償還に充てることとしまして、令和3年度末の累積債務残高は1兆4,410億円と見込まれることから、同額を年度越しの短期貸付したいと考えているところでございます。

なお、表の右上にございますが、平成28年度から令和3年度までの利払費の不用額を活用することによる元本の償還額は累積で383億円となってございます。

交付税特別会計にせよ、年金特別会計にせよ、過去から積み上がった累積債務の着実な償還を進めていけるように、我々としても引き続き、関係者と協議してまいりたいと思ってございます。

私からの説明は以上になります。ありがとうございました。

〔翁分科会長〕ありがとうございました。

それでは、今のご説明を踏まえまして、委員の皆様から、本議案に関して、ご意見がございましたら、お願いいたします。ご発言の際にはチャット欄に、その旨を書き込んでいただくか、もしうまくいかない場合には挙手ボタンでお示しください。こちらで確認しながら指名いたしますので、そのままお待ちください。ご発言の際に資料を引用される場合には、資料番号と該当ページをおっしゃってください。

それでは、まず、林田委員、お願いいたします。

〔林田委員〕交付税特会の償還について、お尋ねです。議案説明資料の表紙の次の1ページ、令和3年度8,500億円償還すると。これ、12月23日だったかにも話題になって、私たしか質問して、なぜこんなに急に返せるようになるのかという話になり、たしか、地方税収が大変上がってきたので返せるという話になったと。そのとき私、地方財政というのは非常に、何が入って何が出ていくのか、交付税特会は非常に分かりにくいので、その辺もう少しきちんと説明してもらえないかというお願いをしました。

今日の資料が来たときに、楽しみにしていたのですが、要するに税収がどのように増えて、よってもって、これだけ積み増しができたのかということを解きほぐすような資料は、この資料に一切なくて、もっと言えば、税収以外にも収入があるし、フローのお金以外に、交付税特会が持っているストックの状況というのも関係していると思います。そうしたものを一覧的に見て、ああ、なるほどこんなに返せるのかというところで得心をしたい。

そうでなければ、その翌年度、これまた5,000億円という通常のペースに戻るのですが、これはよほど税収がまた減るということを想定して、仮置きなのでしょうが、こうなっているのか。翌年度以降、この額が本当に適正なのかというのを、我々それを判断する基礎資料が手元に全然ないわけです。今回つけていただいた資料などは、今の計画どおり進めばこれだけ残高が減っていくと、それはそのとおりなのでしょうが、別にあってもなくてもいいような資料だと私は思います。

ですから、本質的に、我々の理解を深めるような資料をきちんとつくって、提供していただきたいということを事務局にお願いしたいということです。

以上です。

〔翁分科会長〕ありがとうございます。

資料についてのご希望、ご意見がございましたが、今お答えできる範囲で、林田委員のご疑問にお答えしていただければと思いますが、いかがでしょうか。

〔関谷計画官補佐〕ご意見ありがとうございます。計画官室、関谷からご回答させていただきます。

12月にもご説明させていただいたとおり、令和3年度におきましては、特にこの時点で見通せた税収が非常に潤沢でありましたので、年末の地財折衝の中で、これはご指摘のとおりではございますが、税収以外の様々な入りですとか、様々な要素を勘案しまして、また、その年に必要な歳出も勘案する中で決まってまいったものでございます。今後の税収というのは、まさに足元まで見ながら計画を立てておりまして、現時点では、令和4年度以降は、この程度を返せるのではないかということを総務省の関係者と協議をして決まっているものでございます。毎年、年末までの地財折衝の中を含めまして、関係者で協議をしてこれは決まっていきますので、現時点では、現実的に返していただけるものという計画として示せるものはこういうものになります。

ご説明資料につきましては、ご指摘をいただきまして、今年は経緯も含めまして、少し丁寧にと考えておりましたが、引き続き、これはご指摘をいただいて、しっかり考えながら、資料をもう少し充実させるということも含めて対応を、これからも考えて分かりやすい説明を心がけていきたいと思っております。

現時点では以上でございます。

〔林田委員〕すみません、林田です。

〔翁分科会長〕どうぞ。

〔林田委員〕私の質問に全く答えていなくて。ですから、年末の地財折衝の中で云々、決まったと言われても、何が幾らで、何がどうなって、それで前年の2,500億円よりも6,000億円も多い償還ができるようになったのかという具体的な話が全くなくて、今の説明は前回説明されたのを繰り返しただけですよ。

ですから、私が、それでは分からないと言ったことに対する答えには全くなっていないので、きちんと質問を聞いて、質問の意味を考えて、お話をしていただきたい。手元に数字がないというのならば、それはそれで仕方がないので、数字をつくって説明してくださいということを申し上げているわけです。

〔関谷計画官補佐〕ご指摘を踏まえまして、おっしゃるとおりでして、今、手元に数字がありませんので、年末のときにもこの計画が少し変わって、多く返してもらえることになったという、その前と後でどのように変わったかということをもう少し補足して、お示しできるものをお示しできればと思っております。

〔翁分科会長〕林田委員、今日の段階では示せないということのようですが、具体的な数字の内容ですよね。8,500億円の内訳については、追加的にお願いできるわけですね。事務局の方に聞いていますが、後日示していただけるということですね。

〔関谷計画官補佐〕そうですね、もともと3年度に幾ら返してもらうはずであったが、こうなったという、まさに地方税収ですとか、お示しできるものを少し、関係者とも協議をしまして、追加でお出しできるものがあればお出しするということをさせていただきたい、考えさせていただきたいと思います。

〔林田委員〕すみません、関係者と協議とか、そういう問題ではなくて、財政の問題ですので、やはり透明性を持って、ある数字は全部出してください。何で関係者と協議して、出す数字と出さない数字を決めなければいけないのですか。地財折衝というのはいつもそこがあやふやで、何がどうなっているのかさっぱり分からないと、前にも申し上げましたけれども、そこを隔靴搔痒というか、何か財務省と旧自治省がごにょごにょ遠くのほうで話していて、はい、こうなりましたというのが、予算編成の最後にぽんと出てきて、はい、これでお願いしますという形で、そこで1兆円、2兆円という額が動くという何か気持ちの悪さをずっと抱えて、私財政の記者をやってきたのですが、何でその数字が出せないのか。ストックも含めてです。

例えば、コロナでいっぱいお金が交付税特会に入っているはずですが、それで使わなかったお金がどこに行ってしまったのかもよく分からないし、何かそういったところをきちんと透明性を高めて、これだけの規模の特会なのですから、それはしっかりやっていただきたいというのを、この際お願いしたいと思います。

〔関谷計画官補佐〕ご指摘賜りました。しっかり検討しまして、もう少し補足できるものを準備させていただきたいと思います。

〔翁分科会長〕そのほかに、ご意見ございますでしょうか。特にございませんでしょうか。

それでは、特にご意見ございませんので、この議題の審議はここまでとしたいのですが、追加的に資料を出していただいた上で、本分科会として、この議案について、了承するかどうかということを、メールでやり取りさせていただくことでよろしいですか。

それでは、今ご指摘のあった追加的な数字などを踏まえて、それで了承いただければ、メールで了承するか、またはご意見をいただくということで対応させていただきたいと思います。

そのほか、これで今日の議事はここまでとしたいのですが、何かご質問とかご意見とかございますか。よろしいでしょうか。

〔冨田委員〕よろしいですか。

林田委員のご指摘、もっともな点あると思うのですが、政府の外から見ていて、基本的には、地財折衝というのもそこまで不透明なものではなくて、例えば、今年度の予算の説明資料の中で、令和4年度の地方財政対策の概要といって、一般会計と、それから地方財政計画を左と右に書いて、真ん中に特別会計を書いた資料が公表されております。真ん中の特別会計のところから、今日の議題のお金が繰入れられるわけですけれども、その繰入れを減らしたということについて、資料として公表されています。

何を言っているかというと、結局、地方財政というのは、一般財源総額を実質同水準ルールというのを適用していて、歳出はそれで押さえて、歳入は一般会計からの交付税と、それから地方税、譲与税、歳出歳入の差額について特別会計から地方法人税とか、前年度からの繰入金だとかを繰入れて、その中の1つに、今日のテーマの特会借入金償還という財源が繰入れられているのです。

だから、この金額の変動については、説明できる資料が国から提出されていると私は理解しておりますので、ぜひとも資料、先ほど会長がご指摘になった資料を我々に配っていただけるときには、令和4年度地方財政対策の概要という、1枚紙ですけれども、これをおつけいただければと思います。

以上です。

〔翁分科会長〕貴重なご指摘ありがとうございます。ぜひそれを用意いただければと思っております。

〔林田委員〕冨田先生のような専門家の方でしたら、ほかの資料を参照して、あれはここにあったな、これはここにあったなということは分かると思うのですが、我々のような素人ですと、ここに出てきた資料しか分からないので、そういう資料がきちんと、説明のつく資料があるのであれば、同じ資料で出して、突き合わせてこの部分がこうなっているから、これだけ増やせる、減らせる、減ってしまうということを分かりやすく説明するというのが、やはり事務局としての親切心のようなものではないかと思うので、ぜひ親切心を発揮して、私のようなものでも分かるようにしていただきたいというお願いです。数字があるというなら大変結構です。よろしくお願いします。

〔翁分科会長〕ありがとうございました。

それでは、そのような資料を追加的にお示しいただくということで、ご対応いただきたいと思います。

それでは、本日の議事録につきましては、委員の皆様のご了解をいただいた後、財務省のホームページに掲載いたします。

本日はご多用の中、誠にありがとうございました。これにて閉会いたします。

10時26分閉会

※議案については、参考資料を追加のうえ、原案のとおり了承された。