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財政投融資分科会(令和2年12月10日開催)議事録

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財政制度等審議会財政投融資分科会
議事録

令和2年12月10日
財政制度等審議会


財政制度等審議会財政投融資分科会議事次第

令和2年12月10日(木)9:59〜12:01
財務省国際会議室(本庁舎4階)

  • 1.開

  • 2.経済対策における財政投融資について

  • 3.伊藤財務副大臣挨拶

  • 4.令和2年度財政投融資計画補正等

    • (議案第1号)令和2年度財政投融資計画補正

    • (議案第2号)令和2年度財政融資資金運用計画の一部変更

    • (議案第3号)令和2年度の財政融資資金の融通条件の改定

    • 質疑・応答

  • 5.令和3年度財政投融資計画の編成上の論点

    • 1(株)日本政策金融公庫、沖縄振興開発金融公庫、(独)福祉医療機構、
      (独)日本高速道路保有・債務返済機構、
      (独)住宅金融支援機構、中部国際空港(株)、
      自動車安全特別会計(空港整備勘定)

      質疑・応答

    • 2(国研)科学技術振興機構

      • 質疑・応答

  • 6.閉

配付資料

資料1説明資料(経済対策における財政投融資)
議案第1号

令和2年度財政投融資計画補正

議案第2号

令和2年度財政融資資金運用計画の一部変更

議案第3号

令和2年度の財政融資資金の融通条件の改定

議案関係説明資料

資料2−1

財政制度等審議会財政投融資分科会 説明資料
((株)日本政策金融公庫、沖縄振興開発金融公庫、(独)福祉医療機構)

資料2−2

財政制度等審議会財政投融資分科会 説明資料
((独)日本高速道路保有・債務返済機構、(独)住宅金融支援機構、
中部国際空港(株)、自動車安全特別会計(空港整備勘定))

資料3−1

財政制度等審議会財政投融資分科会 説明資料
((国研)科学技術振興機構)(財務省理財局)

資料3−2

財政制度等審議会財政投融資分科会 説明資料
((国研)科学技術振興機構)(内閣府、文部科学省)

出席者

分科会長

池尾和人

伊藤財務副大臣

大鹿理財局長

窪田理財局次長

湯下総務課長

関口財政投融資総括課長

石川管理課長

小澤計画官

大関計画官

堀納資金企画室長

笠原財政投融資企画官

高田

野村浩子

渡部賢一

臨時委員

江川雅子

冨田俊基

林田晃雄

原田喜美枝

専門委員

川村雄介

工藤禎子

家森信善


9時59分開会

〔池尾分科会長〕それでは予定の時間となりましたので、ただいまから財政制度等審議会財政投融資分科会を開催いたします。

本日は、3つの議題を議論していただきます。1番目が経済対策における財政投融資について、2番目が令和2年度財政投融資計画補正等の話、3番目が令和3年度財政投融資計画の編成上の論点の3つの議題を議論、審議していただきます。なお、時間が限られておりますため、ご質問等はなるべく簡潔にお願いいたします。

また、今回も伊藤財務副大臣にご出席いただいております。開催に当たりまして、伊藤財務副大臣からご挨拶を頂戴いたします。

副大臣、よろしくお願いします。

〔伊藤財務副大臣〕ありがとうございます。

おはようございます。分科会の開催に当たりまして、一言ご挨拶申し上げます。委員の皆様におかれましては、令和3年度財投編成における数々の論点につきまして、活発にご議論いただきまして、誠にありがとうございます。今月8日、国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策を閣議決定いたしました。本経済対策は新型コロナウイルス感染症の拡大防止策、ポストコロナに向けた経済構造の転換、好循環の実現、防災・減災・国土強靱化の推進など、安全・安心の核を柱としておりまして、財政投融資につきましては、国土強靱化など安全・安心の確保と生産性向上の観点から高速道路ネットワークの整備加速などを進めるとともに、コロナ後を見据えた経済構造への転換の観点から空港機能強化の推進やデジタル改革、グリーン社会実現のための支援、大学ファンドの創設等のために活用することとしております。本日は本経済対策を実行するための令和2年度財投計画の補正及び令和3年度財投計画の編成上の論点につきまして、皆様にご議論いただきますけれども、忌憚のないご意見を賜りますこと、心よりお願い申し上げ、ご挨拶とさせていただきます。

よろしくお願いいたします。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

なお、本日は予算案編成中ということもあり、伊藤副大臣、事務局側において、やむなく途中退席される場合がございますので、あらかじめご了承お願いいたします。

それでは、議事に沿って、まずは経済対策における財政投融資について、及び、令和2年度財政投融資計画補正等について、関口財政投融資総括課長より説明をお願いします。

〔関口財政投融資総括課長〕財政投融資総括課長の関口でございます。よろしくお願いいたします。

資料1の経済対策における財政投融資について、ご説明したいと思います。2ページ目の大きめの資料の経済対策における財政投融資の活用という資料をお開きいただければと思います。こちらの資料に沿って全体の概要をご説明させていただきます。今回の経済対策での財投規模は右上にございますとおり、7.7兆円程度でございます。うち、今回の令和2年度3次補正追加分は1.4兆円になります。差額については、3年度の改要求の一部となってございますので、後ほどご審議をお願いいただければと思います。

大きく2つの柱になってございまして、国土強靱化など安全・安心の確保と生産性向上ということと、ポストコロナの経済構造への転換となってございます。まず左上、高速道路の整備加速でございますけれども、高速道路の暫定2車線を4車線にする事業。こちらは災害発生時の道路ネットワークの確保に大きな効果があるということで、現下の低金利状況を活かして優先度が高い区間について、財政融資を活用して整備を加速するものでございます。日本高速道路保有・債務返済機構に総額1兆円程度、うち今回の補正追加分が5,000億円程度でございます。右側、都市再開発の加速でございます。地方都市等における民間の都市再開発を促進することとしておりまして、特に土地区画整理による道路拡張など、防災機能の強化にも資する都市再生を重点的に推進していくこととしております。こちらと後ほどご説明させていただく下段のほうにある地方都市等での新しい働き方の支援と併せて、日本政策投資銀行、都市再生機構、民間都市開発推進機構に総額2,100億円程度、うち今回の補正追加分が1,600億円程度となってございます。

次に中段のポストコロナの経済構造への転換でございますけれども、デジタル改革でございますが、5Gの通信網等のデジタル・インフラの整備のほか、事業者のデジタル・トランスフォーメーションについて、財政投融資を活用した支援を行い、民間金融機関の資金も巻き込んでデジタル化投資を推進していくこととしております。

続いて、グリーン投資でございます。エネルギー転換ですとか次世代技術の開発への民間ビジネスの加速にはリスクを取った果断な投資が不可欠ということでございまして、日本政策投資銀行にグリーン投資促進ファンドを創設しまして、出資などのリスクマネーを供給することとしてございます。こちら、例えば洋上風力発電などの再生可能エネルギー事業や低燃費技術の活用などによって、環境の持続可能性を考慮した事業へ支援を行うことを想定しているものでございます。今、申し上げたデジタル改革とグリーン投資を合わせて総額5,900億円程度、うち日本政策投資銀行への補正追加分が3,700億円程度となってございます。

続きまして、新しい働き方の支援でございますけれども、こちらは地方都市等において、サテライトオフィスなど、ポスト/ウィズコロナ時代の新たなニーズに対応した都市再開発を加速して、地域活性化を目指すということでございます。こちらにつきましては、先ほど申し上げましたけれども、都市再開発の加速と合わせて総額2,100億円程度を予定してございます。

次に空港整備等でございます。国際的な人の往来再開ですとか外国人旅行者6,000万人も見据えて、低金利を活かしてコロナ対策の観点も取り入れて、ターミナルの刷新ですとか滑走路の増設などを加速していくものでございます。具体的には右側に写真がございますとおり、老朽化した関西国際空港第1ターミナルを刷新して、感染症リスクを低減しつつ、取扱能力を大幅に増加させること等を想定してございます。こちらについては総額2,500億円程度でございますが、全て補正追加によるものとなってございまして、新関西国際空港株式会社に対して2,000億円、自動車安全特別会計の空港整備勘定に540億円ということになってございます。

最後に一番下の点線で囲んだ箇所をご覧いただければと思います。3つほど項目が並んでございますけれども、この中で補正追加の対象になりますのが、一番右端の鉄道・電力セクターの強靱化への支援というところでございまして、日本政策投資銀行に対して、総額2,500億円程度、うち補正追加が1,500億円程度となってございます。このページ以降はこれまで説明しました内容を機関ごとにまとめたものとなってございますので、説明は割愛させていただければと思います。

続いて、令和2年度の3次補正につきまして、議案第1号、令和2年度財政投融資計画補正、議案第2号として令和2年度財政融資資金運用計画の一部変更、それから議案第3号、令和2年度の財政融資資金の融通条件の改定につきまして、議案関係説明資料で簡潔にご説明させていただきたいと思います。

まず、概要でございますけれども、大宗は今、ご説明したものでございますが、青枠の一番上のところでございますけれども、経済対策における財政投融資7.7兆円のうち、令和2年度3次補正での追加額は財政融資が1兆4,121億円、産業投資が200億円、政府保証が20億円と、合計1兆4,341億円でございます。このページの下のところと、次のページ以降は具体的な政策につきまして、先ほど説明させていただいた話と重複いたしますので割愛させていただければと思いますが、この資料の6ページをお開きいただければと思います。これまで令和2年度は2度の補正あるいは弾力追加をさせていただいてございまして、今回の補正の結果、令和2年度の合計は一番右の欄、令和2年度補正・弾力追加後の欄にございますとおり、65.1兆円となっているところでございます。こうした内容を議案第1号から第3号のほうに反映させておるところでございます。議案第1号が財投計画の補正について、原資別、機関別に一覧にさせていただいたもので、議案第2号が財政融資資金のみを抜き出した財政融資資金運用計画でございます。議案第3号が融通条件の変更でございます。

私からの説明は以上でございます。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。

それでは、ただいまの説明を踏まえまして、委員の皆様方から本議案に対してのご意見がございましたら、お願いしたいと思います。挙手ボタンを確認しながら指名いたしますので、発言を希望される方は挙手ボタンをオンにしたまま、しばらくお待ちください。なお、ご発言の際に資料を引用される場合には、資料番号と当該ページをおっしゃってください。渡部委員、お願いします。

〔渡部委員〕渡部です。

質問というか確認ですけれども、資料編では議案の第3号の融通条件の改定なんですが、条件といってもここに書かれているのは、グレース・ピリオドを含めた償還期限等なんですけれども、年限についてなんですが、これの心というか、改定の趣旨というんですか、そこを若干、確認というかお聞きしたいと思いましたので、簡潔に教えていただければと思いました。

以上です。

〔池尾分科会長〕よろしくお願いします。

〔関口財政投融資総括課長〕財投総括課長の関口でございます。

こちらの心は日本政策投資銀行に対する貸付けのところでございますけれども、こちら3のロというところがありまして、5年ごとの金利見直し条項を入れさせていただいたというところに一番ポイントがございます。こちらは5年ごとの見直しということで、先方のALMの観点から、日本政策投資銀行にとっても有利といいますか、望ましい貸付けができるということで、金利見直し条項を入れさせていただいたということでございます。

〔渡部委員〕分かりました。ありがとうございます。

〔池尾分科会長〕変動金利にするということですか。

〔関口財政投融資総括課長〕そういうことでございます。

〔池尾分科会長〕続いて林田委員、お願いします。

〔林田委員〕ありがとうございます。

個別の政策については編成上の論点のときに申し上げますが、全体感だけ申し上げます。経済対策、今回の対策の重要性とか意義は認めますが、やや選択と集中の観点がなくて、やや風呂敷を広げ過ぎた感があって、何となく規模をどう膨らますかというところに頭が行ってしまったような感覚を持っています。本来は喫緊のコロナ対策、感染拡大防止、コロナによって経済的な苦境に立った人たちへの救済、それからウィズコロナ、ポストコロナ時代を見据えた投資といったことに集中すべきだったのではないかと思うんですけれども、例えば国土強靱化も大変重要なんですが、今回の経済対策に入るものなのかなという感じはしました。そして、その規模が膨らんだ副作用として、いわゆる真水が膨らんでしまったということで、これまでも国債をいっぱい出して、1次補正、2次補正とやってきたわけで、そうするとどうしても規模を拡大するために財投頼みになっている部分が散見されると。それによって事業規模を拡大させていくという感覚があります。ですので、本来は財投で措置するのにはあまり向かない事業にも財投が使われている感じがあるなというのを全体感としては感じております。

以上です。

〔池尾分科会長〕では、原田委員、お願いします。

〔原田委員〕どうもありがとうございます。原田でございます。

2点コメントを述べさせていただきます。まず、1点目として空港整備の件なんですけれども、整備することに反論ではないのですが、今は変革のときで、この現状を把握して今後の予測などをしてからでいいんじゃないかと思うのがまず1点目のコメントになります。先ほども6,000万人の訪日客を見込むと書いておられましたけれども、ちょっと見当外れではないかと。数年前に立てた目標がそのまま残っている形だと思います。でも、今年の訪日客はほぼ消滅した形ですし、来年以降すぐに回復するかというと、そうではないと思いますし、移動しなくても仕事ができることがもう今や分かってしまっているので、一定割合の人たちは帰ってこないことを考えると、以前と同じスケジュールのままで来る人を見込んで整備するというのはいかがなものでしょうか。空港使用料などの財源も今年からしばらくは減少することも見込まれるということで、これは補正で急に出てきたものなのかもしれないのですけれども、もう少し時間をかけて議論をしていただければと思うところであります。これがまず1点目です。

関連するんですけれども、先ほど、補正を含めて総額65.1兆円と、先ほどご説明いただきました5ページのところでフローのチャート図がありましたが、そこに関するところであります。2次補正が大きいことは明らかなんですけれども、補正だと分科会ではどうしても議論が十分にできませんで、先ほど林田委員も財投頼みだとおっしゃいましたが、財源として新規に発行する分ですか、財投債を発行する分が50兆円を超えるということなので、そうすると配当ですとかそういった本来の、この特会の収入が11兆円ぐらいで残り54兆円ぐらいが新規に財投債の発行ということですので、審議があまりできないまま財投債を安易に発行して規模が大きくなるのは、今後のことも考えると不安に思うところであります。

以上になります。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。

それでは、工藤委員、お願いします。

〔工藤委員〕恐れ入ります。工藤でございます。

大変申し訳ないのですが、本日途中退席をさせていただく関係で、ご説明いただいた計画補正に関する意見と併せて、財務省様にはご了解を頂戴しておりますが、後半にご説明いただく論点についてもこの時間で発言をお許しいただければと存じます。よろしくお願いします。

まず、先ほどご説明いただいたDBJで新設されるグリーン投資促進ファンドの支援対象について、資料に例示されている再生可能エネルギー事業などは、政府系金融にリスクシェアしていただきたい案件もございますが、大きな傾向としては民間でも支援に積極的な分野だと認識しております。他方、例えば原子力のような、エネルギー政策上、重要な分野ではあるものの、民間からの資金が集まりにくい懸念もなしとはしない分野もありますので、こうした分野への政府支援こそグリーン投資支援と一緒に取り組んでいく必要があると認識しています。その中で政府系金融機関に期待される役割もあると思いますので、今回のグリーン投資促進ファンドの中身、もしくは今後の資金支援の対象を考える際はその辺りもご考慮いただければと思います。

次に、まだご説明を受けていない大学ファンドの件ですが、大学の研究開発を支援し、我々の国はイノベーションやエコシステムを構築しなければならないというファンドの目的については賛同いたします。その上で、3点、意見がございます。

1点目は、このファンドがターゲットにする運用益の水準についてです。ファンドが運用益を配分する対象に、どの程度、資金ニーズがあるのかという点も踏まえたものとなっているのか。財政融資の政策的意義を担保する観点からもしっかりと説明できるようにお願いしたいと思います。

また、2点目ですが、運用益を受け取る側の体制整備もお願いしたいと思います。ファンドが配分する運用益によって、大学側が受け取るお金はかなり増えることになりますので、政策目的に沿ってしっかりと使っていただくための計画策定、体制整備が必要だと思います。省庁側も配分した運用益がその政策目的と合致した使われ方をしているかという点については、よく確認して頂く必要があると思います。そうした体制整備を前提に、運用益には波があるので、受け取り側の資金計画に対して十分に配分できない場合には、ファンド側の元本強化期間もお考えということではありますが、受け取り側に必要資金を補塡する枠組みを検討することも一案ではないかと思います。

3点目は、ファンドの運用体制について、まずもって十分な知見のある専門人材を確保することが重要です。その上で、資料3−1に記載のとおり、GPIFなどを参考に、適切なガバナンス体制を構築する必要があります。財政融資資金の償還確実性の観点からモニタリングの枠組みを検討することも、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。一方で一定の運用益を目指すのであれば、相応のリスクは許容すべきと考えますので、例えば単年度の実績だけを見て評価するようなことには慎重であるべきだと思います。ある程度のアローワンスも与えなければ委託する運用の担い手も集まらなくなるおそれがございます。具体的なモニタリングの枠組みについては、運用の専門家の意見も踏まえてご検討いただきたいと思います。

冒頭申し上げましたとおり、政策目的には賛同するところが大きいので、目的に沿った運用となるように、以上、申し上げさせていただいた点を踏まえて、今後の検討をお願いしたいと思います。

〔池尾分科会長〕川村委員、お願いします。

〔川村委員〕ありがとうございます。

これは第3次補正ということで、私としてはちょっと相矛盾する感想というか印象があって、現下の状況から見て、この3次補正の中身はやむを得ないものと私は理解しております。先ほど原田委員から例えば空港整備とか6,000万人のインバウンドとか、これはちょっと状況が変わっているのではないかというお話がありましたけれども、これは日本政府として6,000万の旗を下げているわけじゃなくて、このコロナというこの1年は非常に異常事態で、また回復時期も見込みは難しいことは分かりますけれども、じゃあこれは回復したから急に整備して間に合うというものではない以上、ここにおいては、私はこういうものの出費はもうやむを得ないだろうと思いますし、この補正全体の規模というか、この3次補正になりますが、中身につきましても、個別にもちろん実際、執行する段階での精査はもちろん不可欠だと思いますけれども、私は全体感としては、この補正に関してはあまり違和感はありません。ただ、2番目、相矛盾すると申しましたのは、これもまた原田委員のご指摘ですけれども、こういうふうにジャンプアップしてきて、財投の残高がこれだけ増えてくると、リーマンショックのときも、その後、数年異常時というのが続いちゃったわけですね。ですから我々の経験から見ると、危機が危機で終わらず、危機が常態化してしまって、それに伴って財投がどんどん増えていく。逆に言うと、財投債という負債が増えていくという状況は、やはり日本全体の財政にとって極めて憂慮すべきことでありますので、この辺、だからどうしろというふうに今、断定的には言えないんですが、やはりこの残高の著増が一時的なもので収まってもらうことを願うものでありますし、今後の編成に当たってもそのような認識を持たなければいけないという印象を持っております。

以上です。

〔池尾分科会長〕ありがとうございます。

家森委員、お願いします。

〔家森委員〕家森です。どうもありがとうございます。

2つありまして、1つは高速道路を整備するということについてなんですけれども、特に4車線にしたからといって売上がすごく増えるということでもないだろうと思うんです。この償還可能性については財務省として確認されていると理解してよろしいでしょうかというのが1つです。

それから今回、日本政策投資銀行、DBJさんに大きな、当初から見るとかなり急激に大きなファンドがつくられることになるんですけれども、DBJさんはこれまで投資ファンドについてすごくいいパフォーマンスを上げられているという認識をしているんですが、急にこれだけ大きな追加的なファンドの運用になったときの体制の整備については、しっかりできているということでしょうかという2点、質問的なものです。

以上です。

〔池尾分科会長〕理財局の側からお願いします。

〔大関計画官〕計画官の大関でございます。

1点目の高速道路に関する償還確実性につきましては、今後の債務の残高の見通しなどをもって、償還確実性について確認してございます。

〔小澤計画官〕計画官の小澤でございます。

DBJに関して、この資料でポストコロナ経済構造への転換のところ、右肩に5,900億円程度と書いてありますが、エクイティ投資を行うファンド自体は200億円程度を想定しておりまして、エクイティ投資の特定業務勘定の一環として200億円のファンド、産投出資を行うものですので、急激に大きな拡大をしているものではないので、大丈夫だと思います。

〔家森委員〕ありがとうございました。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

この件に関しての審議は大体以上にしたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

(「はい、結構です」の声あり)

〔池尾分科会長〕それでは、議案が3案ありますので、令和2年度財政投融資計画補正等に関する3案につきまして、本分科会として、了承したいんですが、いかがでしょうか。異議ございませんか。

(「異議なし」の声あり)

〔池尾分科会長〕了承とさせていただきます。

続きまして、令和3年度財政投融資計画の編成上の論点につきまして、ご審議いただきます。国土交通省担当部局の方が入室されますので、しばらくお待ちください。

(国土交通省着席)

〔池尾分科会長〕それでは、小澤計画官、大関計画官より、要求の概要及び編成上の論点の説明をお願いします。

〔小澤計画官〕計画官の小澤でございます。資料2−1について、私からご説明申し上げます。

こちら、日本政策金融公庫、沖縄公庫、福祉医療機構の改要求等についての資料になっております。1枚目をおめくりください。新型コロナウイルス関連融資の実績値であります。10月の分科会でもご紹介いたしましたが、10月、11月の実績値、速報値も含めまして集計いたしましたので、追記しております。ご覧いただきますと、8月、9月の傾向がそのまま10月、11月に続いていると。引き続き、なだらかに減少傾向が確認できると思われます。

2ページ目をご覧ください。政策対応に基づくコロナ関連融資額の推移ということで、こちらはフローの図です。オレンジ色が政府系金融機関、青色が民間金融機関、緑色が合計となっておりますが、こちらも10月、11月となだらかに減少傾向にあります。

その次、3ページ目、こちらは同じ資料をストックでご覧いただいたものですが、9月末で合計が40兆円程度だったものが、11月末の実績値は44兆円程度と、4兆円程度、増加をしている状況にあります。

4ページ目、ここから改要求に入ります。4ページ目の資料は日本政策金融公庫の国民事業、中小事業、危機対応業務についての改要求でありますが、一番右側の欄、3年度改要求の部分をご覧いただきますと、一番上の国民事業については、財投全体で9兆3,032億円。中小事業につきましては、4兆9,500億円。危機対応業務につきましては、10兆990億円となっておりまして、左から2つ目の列、2年度2次補正後の改定額と比べていただきますと、おおむね2分の1前後の要求額となっております。

その次、5ページ目をご覧ください。こちらは日本政策金融公庫の農林事業、沖縄公庫、福祉医療機構についての改要求でございます。一番左側、農林事業につきましては、赤線のところ、改要求額が7,250億円、真ん中、沖縄公庫については、5,159億円といずれも2年度2次補正後の改定額と比べると3分の2程度の規模になっています。また一番右側、福祉医療機構については、改要求額は1兆6,898億円となっておりまして、2年度弾力追加後の数字と比べると、これも3分の2程度の規模になっております。

最後、6ページ目でございます。日本政策金融公庫のいわゆるツーステップ・ローンになりますが、こちらのキャプションのところに書いておりますように、事業再編については拡充を行う。造船事業、海運事業者向けについては、新たな制度を検討中でありまして、700億円の2年度当初計画であったものが、改要求では1,950億円となっております。

私からの説明は以上です。

〔池尾分科会長〕大関計画官、お願いします。

〔大関計画官〕続きまして、私から、資料2−2に沿って、インフラ整備に係る令和3年度改要求について、ご説明いたします。

まず、1ページ目をご覧ください。高速道路の整備でございます。日本高速道路保有・債務返済機構に対しましては、平成30年度より財政融資資金を活用し、生産性向上や防災・減災対策のための高速道路ネットワークの整備を加速してまいりました。また、今般の経済対策におきましても、高規格道路の4車線化等の防災対策事業を財政融資も活用しながら行うことが盛り込まれているところでございます。これらを踏まえまして、令和3年度当初計画におきましても、道路機構に対し、引き続き財政融資、改要求額は、5,000億円等でございますが、それを活用し、高速道路ネットワークの整備を加速するということでございます。令和3年度において実施しますのは、引き続き、暫定2車線区間の4車線化でございます。暫定2車線の4車線化は、災害発生時の道路ネットワークの確保において効果が大きいほか、時間信頼性確保や事故防止の観点からも効果があると考えられます。こうした観点から優先度の高い区間の中から4車線化を実施するものでございます。償還確実性について、先ほどご指摘がございましたが、道路機構の債務償還見通しは、今回財政融資を措置したとしても、令和47年までに返済可能なものとなってございます。

次に、住宅金融支援機構でございます。2ページをご覧ください。住宅金融支援機構におきまして、令和3年度からグリーン政府保証債の発行を開始するものでございます。住宅金融機構グリーン債は、質の高い住宅を取得する場合に借入金利を一定期間引き下げるフラット35Sのうち、一定の省エネ基準を満たす新築住宅を対象としたものでございます。このグリーン債に対して、政府保証を措置することで、省エネルギー性に優れた住宅の普及・促進を目指すこととしております。償還確実性に関して、住宅金融支援機構の財務状況を見ますと、法人全体、証券化支援勘定のいずれにおいても連続して利益を計上しているというところでございます。

次に中部国際空港でございます。今回の改要求はリノベーション等のための資金を調達するために発行する債券に政府保証を措置するものでございます。中部国際空港は、東日本大震災以降、旅客数が増加しておりまして、特にアジア圏からのインバウンドの受入れにおいて重要な役割を果たしております。そうした中、国際線の保安検査場など、旅客が集中するエリアが非常に混雑しているという状況にございます。そこで、中部国際空港では、国際的な人の往来の再開や訪日外国人旅行者6,000万人も見据えて、コロナ対策の観点も踏まえつつ、中部国際空港の開業後15年が経過した第1旅客ターミナルビルのリノベーション等によって機能強化を実施することとしてございます。リノベーションによって、保安検査場を増床し、処理能力を向上させることで、混雑緩和が図られることが期待されるということでございます。これによって令和3年度の債務残高は増加することにはなりますが、令和4年度以降に実施を予定していた事業の前倒し実施に伴う資金調達の前倒しということでございますので、債務残高の増加は一時的なものとなってございます。

最後、4点目、自動車安全特別会計空港整備勘定でございます。4ページです。空港整備勘定は、空港使用料や航空機燃料税などを財源に、羽田空港をはじめ全国97空港の空港整備事業を行っている特別会計でございます。財政投融資との関係では、羽田空港の整備において、財政投融資を活用し、沖合展開事業、再拡張事業を実施したという実績がございます。今般、令和3年度において、財政融資1,178億円の改要求がございました。これは国際的な人の往来再開や訪日外国人旅行者6,000万人の実現に向けた取組を着実に実施するため、コロナ対策の観点も踏まえつつ、低金利を活かして空港インフラ等の整備を実施するものでございます。具体的な事業ですけれども、令和2年度の3次補正の内容とおおむね重複するところでありますけれども、例えば羽田空港においては空港アクセス鉄道の基盤施設整備や航空保安施設等の整備を実施するということでございます。福岡空港においては滑走路増設事業、那覇空港、新千歳空港ではターミナル地域の機能強化などを実施することとしております。このほか、防災・減災・老朽化対策として、基本施設の耐震対策や老朽化施設の更新・改良を実施することとしております。空港につきましては、足元、新型コロナ感染症の影響により、旅客需要が大きく減少しているという状況にはございますが、国際機関IATAによれば、2020年代前半のうちにコロナ前の2019年の水準まで需要が回復する見通しとなってございます。

なお、各空港におきましては、新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドラインに沿いまして、サーモグラフィーによる体温測定など、ソフト面でのコロナ対策も行っているところでございます。償還確実性に関しましては、空港整備勘定の自己収入の規模は空港等の維持運営費と元利金支払額を大きく上回ってございます。今回の財政融資によって債務残高は増加することにはなりますが、令和22年度までに償還を完了する見込みとなっております。

次のページからは今ご説明した4機関について、ご説明した改要求の概要や編成上の論点をもう少し詳しくまとめた資料でございますが、重複する内容が多いので、この場でのご説明は省略させていただきます。

説明は以上でございます。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。

それでは、ただいまの説明を踏まえて、委員の皆様からご意見とご質問をお願いしたいと思います。なお、理財局だけではなくて、国土交通省の担当部局の方にも来ていただいていますので、要求側の方々に質問していただいても結構です。それでは、よろしくお願いします。

まず、林田委員。

〔林田委員〕ありがとうございます。

高速道路についてコメントします。万一の災害に備えた国土強靱化ということの重要性について異論はございませんけれども、防災力を高めるということと償還確実性を確保しなければならない財政投融資の相性がどうなのかという点についてはやや疑問に感じるところがあります。高速道路の4車線化の優先度を高める基準として、安全・安心の確保の観点とうたっております。しかし、財投の性格を考えると、やはり経済の生産性を4車線化によってアップさせ、生産性向上に資する道路整備をすることによって利用を促進する、結果として料金収入がアップして、確実に返してもらえるというサイクルが必要になってくるんだと思っています。安全・安心を判断の尺度にして貸付けをしていきますと、必ずしも利用台数のアップにつながらない4車線化というものが行われる可能性があるのではないか。そこへ財投を措置していいものなのかどうかと。防災や被災時のアクセス確保という政策目的は、私は本来は一般財源で措置すべきものではないかと思います。

以上です。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

野村委員、お願いします。

〔野村委員〕ありがとうございます。

2点お伺いしたいと思います。1つは福祉医療機構に関してですが、福祉医療機構、3年度改要求で、2年度の弾力追加後の3分の2程度の水準という要求が出ておりますが、これで足りるのかどうか、その根拠についてお伺いしたいと思います。資金需要が落ち着きを取り戻しつつあるというご説明でしたが、福祉医療機構さんは医療現場、経営のコンサルタント的な役割も担っていると思いますけれども、現場に足を運んで現場をつぶさにリサーチしてコンサルティングされて、その現場を踏まえた上で落ち着いているというご判断なのか、あるいは現状を見ると、とてももう貸付けができるような経営レベルではないという判断もあるのか、この要求の背景をお聞かせいただきたいと思います。

2点目が、国交省さんに質問です。国際空港の整備等を進めるのは中長期的には必要だと思いますけれども、その前に航空会社の経営が喫緊の課題としてあるかと思います。例えば先ほどグラフにあったように、国際線の需要が戻るまで2024年までかかると。そこまでどう航空会社をサポートしていくのか。これは財投の枠を超えた質問ではありますが、ハードだけ整備して整えてもソフトが倒れてしまったら運行ができないわけなので、その辺の全体的な考え方を国交省さんにお伺いしたいと思います。

以上です。

〔池尾分科会長〕まず、1点目、理財局から。

〔大関計画官〕大関でございます。

まず、福祉医療機構の改要求の背景、考え方についてのご質問に対する回答でございます。今回の改要求では、コロナ融資の分も含めて1.7兆円弱でございますけれども、こちらは厚生労働省において足元の資金需要を勘案して積算を行っているということで、現時点においては十分な規模が確保されていると考えております。資金繰りの関係では、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う患者の受診控えが、資金繰りの逼迫、ひいては福祉医療機構に対する資金需要へつながるということになりますけれども、足元の医療費の動向などを見ても、診療報酬のレセプト確定点数では5月に前年同月比で最大で87.1%の落ち込みを見せていたものが、8月には96.3%とほぼ前年同月比に近い水準まで回復してきてございます。新型コロナウイルス感染症の影響は、地域や診療科別にばらつきはありますけれども、全体としては一時的な受診控えから患者が戻りつつあることが確認できるということです。こうした状況も勘案しまして、今回の改要求になっているということでございます。

以上でございます。

〔池尾分科会長〕国土交通省の方からご説明いただきます。

〔国土交通省道路局長谷川高速道路課長〕1点目の4車線化のご質問についてですけれども、安全・安心の確保ということで4車線化を進めていくことでやっております。それで本来、一般財源で措置すべきではないかという話でございますが、私ども今回、この財政融資を入れていく中で、償還計画上は金利4%で見ているところを、この財政融資を入れることによって金利差による余力が出てきます。そこの範囲内でこの4車線化の事業を行うと考えてございますので、基本的に償還上に影響はないと考えているところでございます。

〔国土交通省航空局重田大臣官房参事官〕国土交通省航空局でございます。

野村委員からご質問いただき、ありがとうございました。エアラインへの支援の話についてご指摘があったと思います。エアラインも含めて、航空会社、空港を運営する空港会社、もう少し幅広いところでいうと、荷物の受渡しなどを行っているグランドハンドリング会社といった航空産業を担っている各事業者は厳しい状況に置かれております。そのため、私どもは10月に総合的な支援パッケージをまとめました。主なものでいうと、令和2年度の下期の着陸料をおおよそ半減させるといった内容を盛り込んでおります。それから令和3年度に向けまして、この支援パッケージをさらに拡充したいと思っております。その中では、航空機燃料税、着陸料をはじめとする空港使用料といったものの大幅な減免、関連するような規制緩和といったものを盛り込んでいきたいと思っております。こういうことを通じまして、航空ネットワークの維持、先ほど来ご紹介いただいていますが、訪日外国人旅客6,000万人に向けた新たな投資といったものを着実に支援していきたいと考えております。

以上です。

〔池尾分科会長〕野村委員、よろしいですか。

〔野村委員〕はい。ありがとうございます。

〔池尾分科会長〕高田委員、お願いします。

〔高田委員〕ご説明いただきまして、ありがとうございます。私のほうはコメントを中心にお話しさせていただこうと思います。

先ほどご説明いただきました日本政策金融公庫のところが中心になるんですけれども、こちらのところと、後半部分で同じ令和3年度の要求ということでもご説明いただきました日本高速道路ですとか様々なところと私はかなり質が違うんじゃないかなという印象を持っております。今回、緊急融資という形で、最初にご説明いただいた3ページ目のところでも11月末で44兆円程度ということで、以前ご説明いただきました40兆円の水準からこれも増えております。4ページ目のところで、確かに2年度の2次補正後のところと比べると、3年度の改要求のところの数字はもちろん減っているところではあるんですけれども、そもそも今日、全般的にご説明いただきましたところと、今回のこの特に日本政策金融公庫のところの緊急融資のところとは、危機対応という側面はあるものの、桁が全然違う単位になっています。そもそもほかのところというのは億円単位で様々な議論がなされているんですけれども、それに対し緊急融資のところは事項要求でもありましたし、兆円単位で、結構、振れている状況にあります。一方で、金利のところは無利子無担保といったようなものもかなり多いことでもございます。ですから普通の融資体系で行われているものと全く金利体系も違うし、兆円単位でという議論と後ほどいろいろご説明いただいている億円単位で様々議論されているのとも随分違うものです。

それから、資金使途ということなんですけれども、今回いろいろな意味で、高速道路にしても空港にしてもそうなんですが、様々な資金使途をご説明いただいているわけでありますが、緊急融資の場合はそういう使途というものもなかなか明示しづらいのは十分理解できるとは言え、問題を含みます。一方で債務償還のところにつきましても、ほかの事業については様々な債務償還のところ、資料なんかでもご議論されているんですけれども、今回の緊急融資のところはそもそも赤字補塡の部分が、事実上、結構多いと思いますので、債務償還性というのが相当低い部分がかなり多いのだろうと思うんです。そうしますと、本来であると補助金であるとか、もしくは場合によっては一般会計のところでその部分の損失の補塡も含めた議論がなされるべきところが、要は普通の融資という形で行われているケースが多いということなんだろうと思います。この状態が、もともと議論されているわけでありますけれども、来年以降も政府系金融機関については来年の前半のところも続くという形で、こういう形が行われているということになるわけなのです。そういう意味から言いますと、今の状況でこういう緊急融資を行うというのは、今のコロナの状況下であってはある程度しようがない面もあると思いますし、またこういうものがあることもあって、金融機能が発揮されて、倒産件数も非常に低いという形の安定を迎えている、成果を出しているということではあるんですが、この状態をどうしていくのかという議論をどこかの段階で進めていきませんといけない状況です。この債務のところが、もちろん国としての財政、財政投融資としての健全性といったようなものもありますけれども、もちろんそれを抜きにしても、一方でその後の債務者の改革をどうしていくのかという点も重要です。債務減免も含めた債務調整みたいなものをどうできるのか、またそういう体制づくりをこれまで対応した中で3年間ぐらいの猶予があるわけでありますけれども、そこのところでどうしていくのかということをやっぱりかなり議論していかないことには成り立たない状況ではないかと思います。

となりますと、今の段階はこういう形でかなりの緊急融資を続けるという議論ではありますけれども、先を見つめた体制づくりというんでしょうか、一定部分の損失はこういうコロナの状況の中でやむを得ないという仕切りの中で対応されているんだろうと思うんですけれども、そういう中で前向きにどういう形で債務調整なり事業構造改革をしていくのか。そういう体制づくりをやはり我々の審議会の中で、モニタリングというんでしょうか、もしくは先を通した展望というんでしょうか、こういうものをかなり議論していく必要がやっぱりあるんじゃないかと思います。どういうタイミングでというのはこれからの議論にはなろうかと思いますし、また前例がかつてないわけでありますから、なかなか通常の業務の中、これまでのルーチンの中でどうしていくのかというのは難しい議論だろうとは思いますけれども、私は、これまで皆様方からご説明を受けている中で、全く桁が違う議論が同時に行われているという状況の中でいいますと、そこの中のそれなりに別体系で議論するということもやっぱり必要なのではないかと認識しているところでございます。

以上でございます。

〔池尾分科会長〕高田委員のおっしゃったことは本当に真っ当なといいますか、もっともなご意見だと思います。やっぱり取り組んでいかなければいけないんですけれども、この段階で、どこがイニシアチブを取ってこういう議論をしていくかということは難しいところですけれども、理財局、財政投融資総括課にもちゃんとその辺りは意識して編成に臨んでいただきたいと思います。

それでは、渡部委員、お願いします。

〔渡部委員〕今の高田委員のご指摘、ご意見と全く同じことをお聞きしようと思っていたわけですが、そういう意味では、質問に代えれば、資料2−1の4ページの説明にありました2次補正後改要求はこんなに減っていますというご説明があって、問題意識は高田さんと同じなんですけれども、今年度についても、来年度以降も引き続きある程度のニューノーマルへ向けての動きがあったとしても、来年3月末に向けて、ここの表、うち執行(11月末時点)が出ているわけですけれども、3月末でどのぐらいの数字を今現実に見込んでいらっしゃるのかが分かれば、教えていただきたいという気がします。高田委員のご指摘にありましたように、まだまだ見えないというか、前も私、申し上げましたように、資金繰りのフェーズから資本性の資金に今動いているような、次のフェーズに動いている気がしますので、この危機対応もこういう財政融資という形になるのか、違う形を考えていくべきなのではないのかというのが、こちらは意見でございます。

以上です。

〔池尾分科会長〕理財局のほうで何かございますか。

〔小澤計画官〕計画官の小澤でございます。

4ページ目の資料の真ん中の列に、うち執行(11月末時点)という数字がありますが、これの来年3月末時点の見込みがあるかという話については、正直言ってございません。今後のコロナの状況もしくは資金繰りの状況によって大きく変わっていくものだと思いますので、現時点での確たる見込みはございません。

〔高田委員〕分かりました。

〔池尾分科会長〕ちょっと危ういですよね。

それでは、原田委員、お願いします。

〔原田委員〕ありがとうございます。

先にご発言なさった2人の委員の方々と似たような内容で恐縮です。簡潔に申し上げます。日本公庫さんの2年度の補正後の予算規模に比べて、3分の2になっているというところになります。今年度、追加に次ぐ追加で、予算規模が大きくなっておりますが、2ページ、3ページのところでご説明していただきましたように、民間からの政策対応に基づく部分ですが、民間のコロナ関連融資が大きく伸びています。フローで見てもストックで見ても民間のほうが頑張っているといえます。民間のほうは、新型コロナオペという日銀の対応もあって伸びていくと思うんですけれども、そうしましたときに、4ページをちょっとお見せください。このページは2年度の2次補正後というのがあって、その右に「うち執行」というのがありまして、執行で見ると、大分残っています。財政投融資だと10兆円ほど残っているかと思うんです。それで、3分の2です、減っていますという見方ではなく、3年度当初の予算の要求が2.2兆円だったものが今、9.3兆円になっているというところのご説明をもう少しいただければと思います。今日、公庫の方はいらっしゃってはおられないかと思うんですけれども、分かる範囲で少しご説明いただければと思います。

以上になります。お願いします。

〔池尾分科会長〕理財局の方、答弁お願いします。

〔小澤計画官〕小澤でございます。

ご指摘のとおり、例えば2ページ目、3ページ目をご覧いただきますと、民間の融資が今回のコロナ対応を担っている部分があります。この民間の無利子融資というのは現在、来年3月まで継続することとなっております。そうなると、来年4月以降は政策金融で対応していかなきゃいけないという部分もありまして、4ページのような金額になっているということかと思います。ご質問のお答えになっていますでしょうか。

〔原田委員〕ありがとうございます。

〔池尾分科会長〕次、林田委員、何か追加であるんですか。

〔林田委員〕ちょっと議論の範囲を取り違えていまして、空港のことについてコメントしたいと思います。先ほど原田委員と川村委員で訪日外国人6,000万人の目標についてちょっと見解が違っていたように思うんですけれども、私の考えを申し上げます。

この件に関しては、菅首相も6,000万人目標は堅持するという方針を示されているので、事務方としてはやむを得ないと思いますけれども、やはり一般的な理解としては、コロナによる国際的な人の移動への影響は、リモート会議の活用の増加などもあって、従来予測よりもパスが低くなるのではないかと思われます。そうした環境下で6,000万人目標を前提として、それに基づいて航空需要を見込んで、それで償還確実性を計算してグラフをつくっても、信頼性という点でやや疑問があるのではないかと感じざるを得ません。あと空港整備等について、空港の円滑化によって三密を防ぐコロナ対策というような意義づけをしていますが、こうした投資が計画されたのはコロナ感染の拡大が始まる前と思われます。何か後出しじゃんけんで予算を取りやすい意義づけをしたように感じるのは私だけでしょうか。要するに6,000万人目標が達成されたら空港設備が回らなくなるという前提で投資が計画されたのであれば、そこをきちんと説明し、必要性を訴えればいいし、その前提条件がコロナで変わったのであれば、政策対応の中身をもう一度精査して真面目な政策論を積み重ねて要求をしてもらうというのが真摯な態度ではないかと思います。とりわけ中部空港は添付の資料では令和元年度の財務諸表が示され、きちんと黒字が出ているという説明になっておりますけれども、令和2年度の中間決算では実は大赤字です。赤字になったのはコロナ禍もあるので仕方ありませんが、普通の民間企業ならこうした時期に大きな新規投資などは凍結するはずです。それを何事もなかったように行い、それを財投の政府保証で面倒を見てもらうという必要があるのかということについては疑問を感じます。今後の航空需要の回復ぶりの実際の実績などを見つつ、本当に投資が必要なのか見極めていくという対応を取っても私は遅くはないのではないかと思っています。

それから、グリーン投資促進ファンドについては、議論の範囲なんでしょうか。資料1のほうでちょっと説明があって、今回はなかったんですが、これもコメントしてよろしいでしょうか。

〔池尾分科会長〕手短にお願いします。

〔林田委員〕手短に。このファンドは政投銀の特定投資業務のスキームを使って法的な制約から令和12年度に廃止されると聞いています。しかし、そもそもグリーン投資というのは2050年のゼロエミッションを見込んだ、実現をにらんだ超長期の取組であり、打切りの見えているファンドによって行うのが私は無理があると思っています。新しい制度をつくる時間的余裕がなかったという事情は分かりますけれども、地球温暖化対策など長期的な戦略に基づいてやるべき問題、さらに複数省庁にまたがる問題でもあります。その点を整理し、広角的な対応を精査して行うべきではなかったかと思います。今回の予算編成は間近に迫っているので間に合わなかったと思いますけれども、有償資金を呼び水にして環境投資を促進する狙いは私はいいと思っています。有意義でありますので、財政当局には腰を据えて政策を練って、次年度以降に本筋に沿った対応を取っていただきたいというお願いです。

以上です。

〔池尾分科会長〕おっしゃっていることは分かりますけれども、取組を各部局でやっぱりやっていただくということでしかないです。

それでは家森委員、お願いします。

〔家森委員〕神戸大学の家森です。

2つだけです。1つは福祉医療機構についてです。いつもご質問しているんですけれども、日本公庫さんはこの数年、民間金融機関との協力という形の対応をいろいろ出されています。今日でなくて結構なので、福祉医療機構さんも運転資金のほうは難しいと思うので、民間金融機関と協力していかないと医療法人や介護法人の支援は難しいと思うんですが、その体制はどうなっているのかを教えてください。それから、ホームページを見ていると、例えば円滑化的な返済条件の緩和というのを民間金融機関は、開示しているんですけれども、そういうものが私が見る範囲では見つからないんです。そのような取組を公表されているのか、されていないのか。されていないとしたらなぜされていないのかを、今日はいらしていないと思いますので、いずれかの機会に財務省で調べておいていただければと思います。

2つ目は住宅金融支援機構のグリーン債に政府保証をつける件です。住宅金融支援機構は数年前から既にグリーン債を独自に出されていると理解しており、今回、政府保証をわざわざつける理由、積極的な理由はどこにあるのかを教えていただければということです。

以上です。

〔大関計画官〕今回の政府保証の措置でございますけれども、現在、菅政権におきましてはグリーン社会の実現に資する施策を非常に重要な施策として取り組んでいるところでございます。そうした政府の政策の方向性を踏まえて、今回政府保証の付与をするとしたものでございます。

〔池尾分科会長〕政権の方針だということですね。

〔川村委員〕すみません。

〔池尾分科会長〕どうぞ。

〔川村委員〕質問なんですけれども、それはトータルで金利を下げるために政府保証をつけるということじゃないんですか。要するにグリーン政策をバックアップするために、政保債で調達側を下げると。要するに金利を、この世の中ですから若干ですけれども、そういう意味じゃないんですか。

〔大関計画官〕もちろん金利引下げ効果もあるかと思います。そうしたことで、すみません、舌足らずでしたけれども、こうした高品質、省エネ性の優れた住宅の普及促進を目指すということになります。

〔池尾分科会長〕では、このテーマに関しての議論はこの辺でよろしいでしょうか。家森先生からあった分については事務局から後ほどお答えいただくということで、よろしくお願いします。

では、国土交通省担当部局の皆様にはご退席いただきます。ありがとうございました。

(国土交通省退席)

(科学技術振興機構関係者着席)

〔池尾分科会長〕次に、国立研究開発法人科学技術振興機構の要求の概要及び編成上の論点について、関口財政投融資総括課長及び内閣府からご説明をお願いしたいと思います。

〔関口財政投融資総括課長〕財政投融資総括課長の関口でございます。

資料3−1に沿ってご説明させていただきたいと思います。3ページをご覧いただければと思います。本件、大学ファンドでございますけれども、今まで事項要求とされていたところでございますが、今般、令和3年度の予算として、財政融資4兆円の改要求が提出されたというところでございます。

次に進んで、4ページをご覧いただければと思います。本年7月に閣議決定された骨太2020でも世界に伍する規模のファンドの創設について記載がございましたけれども、今般12月8日に閣議決定されました経済対策に改めて大学ファンドの創設が明記されたところでございます。こちら、ファンドの運用益を活用することによって、世界に比肩するレベルの研究開発を行う大学の共用施設などの整備あるいは博士課程学生などの若手人材育成といったことの事業を支援することで我が国のイノベーション・エコシステムを構築していくということでございます。内閣府科学技術イノベーション担当と文部科学省におかれて、制度設計の検討が進められていると承知してございます。この事業に必要な財源として、先ほど申し上げた財政融資資金4兆円の要求がなされてございまして、本日ご議論いただきたいと考えてございます。具体的には、国立研究開発法人科学技術振興機構に新たな勘定を設置しまして、当面は、一般会計出資、こちらは令和2年度の補正の要求額として5,000億円と聞いてございますけれども、財政融資資金を併せて外部の資産運用機関に運用を委託しまして、その運用益を事業に充てることが想定されているところでございます。

また、本ファンドはファンドに参画する大学ですとか、あるいは民間からの資金を組み合わせることで順次拡大していきまして、将来的には参画する大学が自らの資金で基金の運用を行うことを目指すというものでございまして、財政融資資金は本ファンドの自立を促すための時限的な活用であるということが、閣議決定させていただいた経済対策にも明記されているところでございます。参画する大学の指定要件ですとか必要な制度改革は現在検討中でございまして、今後、速やかに結論を得るとされていることから、詳細は現時点では未定となっているところでございます。こうした市場での運用益を事業に充てるという新しい取組の中で、財政融資資金の償還確実性をどのように担保していくのかが重要な論点だと考えてございまして、本日、ご議論いただきたい主な論点をご紹介させていただければと思います。

7ページをご覧いただければと思います。こちら、編成上の論点ということで、(1)大学ファンドの運用手段等、それから財政融資資金の活用とさせていただいてございますけれども、一番上の枠囲いの丸のほうからですけれども、有償資金でございます財政融資資金の借入金を活用して、市場運用するということでございますけれども、具体的にどのような運用手段を考えるべきなのか。運用益の資本への積立てと大学への配分の割合といったことについてはどのように考えていくべきなのか。閣議決定された経済対策において、本ファンドの原資は、当面、財政融資資金を含む国の資金を活用しつつ、将来的には参画大学が自らの資金で基金の運用を行うことを目指すとございます。次年度以降も含めて、財政融資資金はどのように対応していくべきなのか。また、その経済対策において、財政融資資金についてはファンドの自立を促すための時限的な活用とし、市場への影響を勘案しながら順次償還を行うとございます。財政融資資金の融通条件はどのように考えるべきなのかという点であります。

続いて、8ページをご覧いただければと思います。(2)としてガバナンス体制とございます。こちらのファンドは科学技術振興機構のほうにつくられますけれども、こちらは現在、年金積立金を運用しているGPIFといったところのガバナンス体制に倣って、経済・金融・資産運用などの専門家から構成されます経営委員会を設置するとともに、執行部の監査等を行う組織を設置するなど、適切なガバナンス体制を講じるべきではないかという点でございます。

1枚進んで、9ページをご覧いただければと思いますけれども、(3)その他の枠組みの構築ということでございます。財政融資資金の償還確実性の観点から、最低限確保すべき枠組みとしまして、財政融資資金の償還リスクが高まった場合の速やかなリスク運用停止などに関して、どのような指標をどのような体制や頻度でモニタリングしていくのか、一定の間やその一定程度というのが具体的にどのような閾値とするのか、あらかじめ明確にする必要があるのではないのかと。そのほか財政融資資金を活用したファンドの期限、あるいは投資運用方針ですとか、助成配分方針の策定と財務大臣協議の枠組み、あるいは運用収益の事業配分の範囲の限定といったことなどについて、法定化するなど実効性を担保すべきではないかと考えてございまして、これらの点に対する考え方や対応につきまして、内閣府、文部科学省からご説明を頂戴した後に、委員の先生方からのご議論を頂戴したいと考えているところでございます。

私からの説明は以上でございます。

〔池尾分科会長〕内閣府の方、ご説明をお願いします。

〔内閣府佐藤大臣官房審議官〕内閣府の佐藤と申します。内閣府、文科省を代表いたしまして、私のほうから資料3−2でご説明させていただきたいと思います。

資料をめくっていただきまして、3ページでございますが、これは先ほどの関口課長からのご説明と同じものでございますけれども、関口課長からお話がありましたとおり、研究大学に対して特に自立した経営、責任あるガバナンス、そして増加する外部資金の獲得増をやりながら、大学改革を行っていくような大学に対して世界レベルの研究開発を行う大学の支援を行うということで、今般の財投の要求をやらせていただいております。最後にありますとおり、時限的な活用として行うものとし、市場の影響を勘案しながら順次償還を行い、また安全かつ効率的な運用を目指すものと考えているところでございます。

続きまして、4ページですが、事業の背景だけ少し補足をさせていただきたいと思いますが、近年、米中をはじめとしまして非常に技術の覇権争いが厳しくなってきております。これもまた新型コロナウイルスの影響に伴いまして、さらに科学技術に対する期待も高まっておりまして、世界各国は異次元の科学技術イノベーションの投資を計画しているところでございます。一方でこの科学技術イノベーションを起こす一番の主体の一つでありますのは大学になりますけれども、この大学は世界のトップ大学は経営体としての体制を整備しておりまして、寄附や産学連携が渾然一体となって、巨額の資金を保持してそれを運用することによって経営基盤を強化し、研究開発や人材育成を行っているところでございます。そこで我が国としても政策的にこの研究大学の投資を拡大させることによって、世界レベルの研究基盤を構築したいという政策目的を考えているということでございます。

事業のイメージでございますが、先ほどのご説明と少し重なりますが、10兆円規模の大学ファンドを創設し、その運用益を活用することによって、世界に比肩するレベルの研究開発を行う大学の施設、データあるいは博士課程学生などの若手人材育成を推進するということで、全体としてのイノベーション・エコシステムを構築したいということでございます。具体的にはファンドの運用による長期的・基盤的な研究開発基盤の構築、そして併せて大学改革を進めることにより、経営体として準備を整え、そして自立して世界に伍する大学に成長していくという2つの目的を同時に実現していきたいというのが政策の具体的な狙いでございます。

ここからは先ほどの論点に関係した点についてご説明したいと思います。まず事業スキームですけれども、JST、科学技術振興機構にファンドを設置することを考えてございます。ここにおいて、金融に関する有識者となる運用監視委員会におきまして、そこで外部の資産運用機関への運用委託を通じて安全かつ効率的に運用業務を行いたいということでございます。その運用益の活用によって、先ほどのような支援を行うということでございまして、当面は財投資金を含む国の資金を活用しつつ、しかしながら順次、参加大学や民間の資金を拡大していくと。最終的には参加大学が自らの資金での運用を行うことを目指すことを考えておりまして、下にポンチ絵がございますが、今申し上げたとおり、右のほうから資金がJSTのファンドの会計に入り、また民間からはJST債などの発行によって資金を調達し、さらに大学は債券あるいは資金の拠出、出資や寄託といったいろいろな方法を使いながらファンドに入れていただき、このお金を運用委託することによって運用益を得て、大学に支援を行うというような仕組みを考えているところでございます。

7ページをご覧いただきたいと思いますが、資金運用の基本的考え方についての論点でありますけれども、これについては私どもの先輩でありますGPIF等の事例を十分に踏まえていきたいと考えておりまして、まずはJSTの運用業務が長期的な視点から安全かつ効率的に行われるように基本的な方針を政府、主務大臣が示すことを想定してございます。基本的な運用手法、運用目標としては、これは必要なものとして定める利回りを最低限のリスクで確保することを目標としておりまして、このために長期的な視点からの資産構成、いわゆるポートフォリオを定めて管理を行うということで、例えば、小さく書いてありますけれども、GPIFでは実質的には3%、またポートフォリオは国内外の債券、国内外の株式それぞれ4分の1程度で行っていると。このようなことを参考にしていきたいと考えています。今、申し上げたような分散投資、リスク管理を行い、資産全体で各資産あるいは各運用受託機関の各種のリスクを管理するという手法を導入したいと考えておりまして、これらの分析あるいはリスクの高度化については先ほど申し上げた運用監視委員会、仮称でございますが、それでモニタリングをしっかりと行っていきたいと考えております。また、その選定、評価についてもその選定、評価、管理をしっかりと行えるような取組をこの委員会などを使って進めていきたいと考えておるところでございます。

続きまして、8ページをご覧いただきたいと思いますが、ファンドによる支援については、目的が2つあると申し上げましたとおり、まず参画大学自体の改革を促していきたいと思っておりまして、自律した経営、あるいは責任あるガバナンス、そして外部資金の獲得等の、大学改革を実現するための制度改革に、現在着手をしているところでございまして、この結論を速やかに得るということにしております。対象としては、繰り返しになりますが、若手や研究インフラや各種拠点スタートアップの研究基盤を想定しておりまして、さらにはこれも繰り返しになりますので、大学や民間の資金をさらに順次拡大したいと思っております。

具体的なお願いでございますけれども、先ほど関口課長からありましたとおり、政府出資として補正の要求額として5,000億円、そして財投については4兆円、これは21年の当初の要求として今回お願いしたいと考えております。ファンドの期間については、我々としては50年を考えて、期限付ということでやらせていただければと思っております。現在この4.5兆円でありますけれども、制度設計なども踏まえつつ、早期に10兆円規模に元本を増強していきたいと考えておりますが、これらの運用開始当初についてはリスクを低減するために大学の配分に加えて、積立金に相当割合を配分することを考えておりまして、なるだけ元本を強化し、そして産業界や大学からの拠出金についても元本に組み入れたいと考えているところでございます。財投資金については今回は融通条件、できれば40年償還で据置き20年、その後均等償還ということをお願いしたいと思っておりますが、20年度をめどにまたこの償還、据置期間に達するあたりをめどに、また今後の対応についてもご検討お願いできればということを考えてございます。

9ページにいかせていただきたいと思います。ガバナンス体制ですけれども、このJSTの体制を整備するために法改正を行うことを予定してございます。その法改正に基づきまして、監査体制、監事のうち1名の常勤化、それからガバナンス強化、JSTの役員に運用業務担当の理事を設置、あるいは運用・監視委員会を設置、さらには運用リスクを管理する場を設けるということ。そしてこれは中長期計画に基づきますけれども、資金運用に関する業務の基本方針、あるいは長期的観点からの資産形成、運用業務に関して遵守すべき事項を定めるなど、資金の運用を適正に行えるような枠組みをつくっていきたいと思っておりまして、これは下に小さく書いてありますけれども、中期目標は中期計画等で位置づけられることとなっておりまして、これについては財務省とも協議を十分行っていきたいと考えているところでございます。ガバナンス体制について、GPIFの図がついておりますけれども、これも先輩でありますGPIFをしっかりと参考にさせていただいて、ガバナンス体制を構築したいと考えてございます。

最後のページ、10ページ、リスク管理についての考え方でありますけれども、大きなローマ数字のTについては、先ほどの繰り返しになりますけれども、基本ポートフォリオに基づくリスク管理。これはGPIFがやっているものをぜひ取り入れていきたいと考えておりまして、長期的には研究基盤構築に必要な運用利回りを最低限のリスクで実現する基本ポートフォリオに基づく資産構成を行って、適切な管理を行えればと思っております。なお、GPIFではこのポートフォリオ管理も運用リスク管理の中で最も重要と言っておられると聞いておりますし、また枠の中の2つ目のポツですけれども、リスクを適切に管理するに当たっては、リスク指標、例えばそこにあります最大損失の資産、あるいは小さく書いてありますけれども、VaRといったようなリスク指標も活用しておると聞いておりますので、この辺りもしっかりと参考にしていきたいと思っておりますし、それらについて経営委員会にもしっかりと報告し、長期的なリスク・リターンを勘案して進めていきたいと考えておるところでございます。

Uでありますけれども、出資金、運用益については、リスクバッファーを確保していきたいと考えておりまして、これについては一時的にはリーマンショックの事例でありますと2割程度の損失があったと伺っておりますので、これを念頭にリスクに万全を講じていきたいということで、四角の中にありますとおり、リーマンショックの事例でいいますと、実質的な運用の2割はマイナス7.0、ストレスシナリオではリーマンショックでは約20%、19.4%、ITバブルではマイナス11%というようなことが起きても、ショックに耐えられるようなリスクバッファーという考え方を入れていきたいということでございます。ただ、長期的には市場回復が期待できるということも念頭に置いておければと思っております。

したがいまして、2つ目の丸ですけれども、運用開始当時は元本の強化期間と位置づけさせていただき、例えば括弧にありますとおり、運用開始当初3年から5年は運用益の相当割合を元本の強化に充てるということを考えてございます。これによって、これらについて当該の進捗状況は主務官庁及び財務省にもご報告させていただきまして、これらの計画が未達である、あるいはそれらについて見込みがなかなか難しいのではないかという場合には、抜本的な改善計画を行うと、策定・実施するということを考えてございます。また、運用・監視委員会はこの元本強化計画、それから万が一、改善計画が出た場合に改善計画を踏まえまして、しっかりとモニタリングをし、適宜適切に運用の見直しを図っていきたいと思っております。さらに元本強化期間以降はこのリスクバッファーが蓄えられるということを前提に、運用監視委員会について、さらなる運用状況の検証を適切な頻度で行いたいと思っておりまして、これについても場合によっては運用の見直しをしっかりと図っていくことを考えていきたいと思っているところでございます。

私からは駆け足でございましたけれども、以上でございます。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

では、ただいまのご説明を踏まえて、委員の皆様方からご意見、ご質問をお願いしたいと思います。なお、要求側の方々に質問していただいても結構ですので、よろしくお願いします。

原田委員、お願いします。

〔原田委員〕ありがとうございます。ご説明もありがとうございました。

GPIFを先輩として、という話は少し違うと思います。GPIF並みにリターンを得るということですが、イメージとしましては、お話をお伺いしていると、GPIF、日銀に続く3頭目のクジラを育てたいというふうに聞こえました。そういうことでしたら、ファンドの趣旨を含めて見直しが必要なんじゃないかと感じております。運用益を科学技術の研究で使えるようにという、もともとの発想はすばらしくよいとは思うんですけれども、いかんせん不透明な部分がまだまだ多いのではないかと思います。例えば原資は当面、国の資金ということになっておりますけれども、国の関与の仕方、する、しないも含めて、明確にする必要があると思います。通常ファンドと名がつくものですと、民間からお金を集めるに当たって、詳細を詰めてプロモーションして、だからお金を出してください、という形でスタートしていくところを、先にお金が出てきて、このお金についてもまた後ほどもう少し聞きたいところなんですけれども、ほかはこれから詰めるというのは何となく順序としては随分と逆なんじゃないかということを気にしました。組織の在り方については、これはポンチ絵も出してご説明いただいたところですけれども、それでもそもそもの出だしが違うということもよく認識をしていただきたく思います。財政融資を利用して当面はファンドを運営するというお話でしたけれども、財政融資は債券ですので、国債ですので、債券で資金調達をして、それで株を買うというのはコーポレートガバナンス的には非常にリスクのある行動で、このままでいいのかというのはすごく疑問に感じます。今、株が高くGPIFの運用益も出ていますから、それを真似てということでお考えなのかと思うんですけれども、そもそものお金の出し方からしてこの形でいいのかと疑問に思うところであります。

この前、事前説明をしていただいたときにちょっと冗談で申し上げたんですが、その後、冗談でなくていいんじゃないかと思い始めているのが、日銀の持っているETFを簿価で買ってもいいんじゃないか、統合政府で考えるとそういう考えも選択肢の1つとしてよいのではないか、と思いました。

以上になります。

〔池尾分科会長〕確かに4兆円という予算要求が先に出てきて、制度整備は後からっていうのはおかしい話ですよね。その辺り、どう考えるかということですけれども。

次、川村委員、お願いします。

〔川村委員〕ありがとうございます。

ご説明、非常に参考になりました。大きい話からちょっと細かい話まで幾つかあるんですが、まず池尾座長や原田委員がおっしゃったように、この4兆円とか10兆円という数字なんですけれども、これってなぜこの金額なんだろうか。普通、私の頭の構造なんかだと、例えば研究費、この研究員養成だとか基盤整備だとか、こういうことに年間幾らぐらい必要だからというのが最初にあるんだと思うんです。いきなり10兆円と出てくると、このハードルレートをどのぐらいで設定しておられるのか。例えば3%と設定するのと4%で設定するのと年間1,000億違うので、10年だと1兆違っちゃうわけですよね。そうすると最初に必要な金額がなくて、それでいきなりファンド規模と言われるので、そこのご説明がないと、「いや、実は日本政府としてはこのぐらいの研究費とか育成費を考えていて、それを幾らのハードルレートで除すと、元本が幾らになるから」というご説明がないと、いきなりぽんと10兆とか4兆とか一般会計で5,000億とか言われても、その根拠って何だろうなというのが素朴に疑問に思うと思います。

もう1つは、先ほど大きな当基金というか大学ファンドの目的の1つに大学改革を促進させるというのがあって、私は大学改革を進めるのは大賛成だし、もっともっとやるべきだと思うんですが、その大学改革の促進剤として財投のお金を使うんでしょうかというところは、やっぱりきっちり説明していただく必要があるんだろうと思います。

それから少し各論的なところに入って、これは質問なんですけれども、これは多分大学、とりわけ国立大学系が一番心配するのは、このファンドができて運用益をもらえる代わりに本来の、理財局はそっちでやるんだけれども、主計局所管の通常の予算、端的に言えば運営費交付金に食い込んで、こっちの理財絡みは増えるんだけれども、運営交付金は減らされるんじゃないかという懸念、大学は多分そういう危機感を持つと思うんですね。つまり何を言いたいかというと、この大学の現在の固有の予算というか、バジェットの部分とこの基金から運用益の配分は全然別立てて、その管理は非常にリジットなファイアウォールがあると当たり前の話なんですけれども、そういうことの理解でいいですよねということが1つ目です。

次にこの資料の、どっちも出ているんですけれども、例えば3−2の5ページのポンチ絵のあるところ、あるいは8ページのところに、つまりこのファンドは将来的に参画大学や民間の資金を順次拡大し、将来的には参画大学がそれぞれ自らの資金で基金の運用を行うことを目指すという、ここの意味が実はよく分からないところなんです。まず1つはこの参画大学がその経営を進めて自主財源を持っていましたと。それは寄附であったり債券の発行であったりいろいろあると思うんですけれども、自主財源を持っていて、その自主財源をこの基金、ここで説明する基金の中に入れて運用しろという意味だとすると、もともとの自主財源というのは寄附する人であるとか、債券発行の目的のある研究目的とかある施設設備とかあって、このファンドと重なる部分もあるだろうし、重ならない部分もあるだろう。そこに大学は独自の判断、これは入れよう、これは入れまいというところの判断力を持たないと、固有の大学がそれぞれ自主財源を獲得してきたものを将来的にこれに入れろみたいに見えると、非常にこれは変な話になると思うんですね。というのはそこがもう1つ鍵がかかっているというか、引っかけになっているのが、この参画大学というのが指定大学、研究大学というのか、要するに胴元になる中心になる大学の選定に当たって、その大学改革の進捗をしていて自主財源をちゃんと自分で獲得しているということと、このファンドからの配分が判断材料というか、その条件になっているということの意味を考えると、自主財源を増やせば増やすほど、こっちのこのファンドのほうに誘導されて強制されてしまうんじゃないかと。ご案内のとおり、大学のガバナンスは民間会社、オーナー会社と違って、総長、学長が右って言ったって、みんな言うこと聞かないというのが大学のカルチャーであります。そうすると、そこのところを明確にしないと、それぞれの大学にとって何がメリットなんですかと。特にここの場合、自主努力してどんどん経営を進めている大学が自分たちで集めたお金をここに拠出して、そうすると、失礼ながらあまり努力していない大学に、何か棚ぼた的に補塡するみたいなことになってしまうと全く意味がなくなってしまうので、ここはきっちりそうではないよということを明確にしていただきたいなと思います。

それともう1つ、同じ5ページのところで民間資金の順次拡大ということが、このJST債の発行であるというのが大きな眼目とされていると思うんですが、これJST債が政府保証ということは、これは将来的にもしデフォルトだとか償還が危なくなったときに政府が保証するわけですよね。一時的に買っている投資家は民間の機関投資家でなんかであっても、それが最悪のとき政府が保証しているということになったとき、これ民間資金だと言い切っちゃっていいのかなという素朴な疑問があります。

あと、この運営のところの経営委員会だか運用・監視委員会、名称はともあれ、チェックってこれは不可欠なガバナンスだと思うんですが、やはりここでちょっと留意しなきゃいけないのは、このJSTの中にファンドマネジャーを何人も雇うというイメージではないんですよねというところなんです。これは、はなからLP出資的で、要するにこのJSTの新たに設けるファンドは内外問わずプロの運用機関を、どっかのページにありました、先ほどの5ページの一番左の資産運用機関というのは、例えばゴールドマンだ、大和だ、何とか生命アセットだと、そういうところのイメージだと思うんですね。それを選ぶということが多分メインの仕事になってきて、あるいは全体のポートフォリオを25、25、25みたいにするとか、いやいや、3等分にするとかということを決めるぐらいまでが限度じゃないかと。コスト的にもそう思うんですけれども、その辺の確認です。まず取りあえず思いつきでそのぐらいの質問と感想です。

〔池尾分科会長〕質問をしていただいたのは結構なんですが、今おっしゃっているレベルの詳細を聞いていくと、切りがないというか。だって、ほとんど制度整備の骨格が示されているわけでなくて、イメージしかない組織に関してこれはどうだ、あれはどうだと聞いていくと、ちょっと切りがないところがあるので、質問していただいたようなことが当然、疑問になるということを確認していただいて、ちょっと先に進ませていただいてよろしいですか。どうしてもお答えいただきますか。

〔内閣府佐藤大臣官房審議官〕少しだけお答えをさせていただきますと、今のご質問、ご意見とも賜れますので、しっかりと踏まえてやらせていただきたいと思いますが、例えば棚ぼたにならないようにというのはまさにそのとおりで、例えば資金を出した大学のその資金に応じた配分の仕方なども組み入れていきたいと思っておりますし、また運用委託というのは、これはGPIFの場合は運用委託という形でやっていると思っているので、それをしっかり参考にして、基本的にはそういう形で考えていきたいと思っておりますので、今のご質問、ご意見、ご指摘と思いましてしっかりとやらせていただきたいと思っております。

〔池尾分科会長〕渡部委員、お願いします。

〔渡部委員〕もう皆さんと同じになっちゃうので、簡潔に申し上げると、JSTさんにとって大事なイノベーションのエコシステムをつくるというか、スピードアップをするということ自体が大変な仕事だと思われるわけですけれども、それに加えて先輩に見習ってこういうガバナンスでこう運用するというのはとても大変なことだと思いますので、当面は逆に丸々GPIFに丸投げするとか、ガバナンスはいかがなものかなって。ガバナンスばかりつくっても運用なんかできないので、人も絶対集まらないと思いますので、丸投げをどこかにするというぐらいのおつもりでやられたほうが気楽というか、JSTさんとしてのライアビリティを、資金面をどう考えるかを整理されると丸投げしかないんじゃないかなという気がします。

それから川村委員がおっしゃったように、大学改革必要というその内容はあまり詳しくないんですけれども、この件を使って、レバレッジ使って大学改革をやるみたいな雰囲気が出ているのは何となくちょっとやり過ぎかなという気がしました。

以上です。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。

林田委員。

〔林田委員〕ありがとうございます。

手短に。こういうファンド、直接渡すファンドもあれば、運用益を使うファンドもあるわけですけれども、いずれにせよアウトプットをどういうものに使い、どういう形で収益なり何なりを上げて確実に償還してもらえるかを考えなきゃいけないと。ここの場合は大学の自己資金等を使うと言っていますけれども、大学の経営というのは独法化されたりいろいろされている中で非常に厳しいものがありますよね、人口減少もあるし。その中で自己資金を確保するだけのお金がまず確保できるのか、その見通しはあるのかというところが全く検討がされていないというところに、4兆円もの巨額資金をいきなり渡してしまうということに非常に危惧を思います。

5ページにポンチ絵がありますけれども、配分はJSTに丸投げする形になるということになって、JSTという組織がどういうところかよく知りませんが、大学は選び、さらにその研究を選び、それを多分、薄く広くばらまいてもそんな研究投資なんていうものは全く効果がないので、かなりプライオリティをつけなきゃいけないと。それだけの権限というか、そういったものが本当にあるのかというところに疑問を感じました。

償還財源のことでいいますと、大学がもし自己資金を持った場合に、それをファンドに入れるということになると、公的資金が引いていくということになるのであれば、自己資金を稼いだところほど、稼げば稼ぐほど公的援助を受けられるメリットが減っていくと。そうするとファンドにわざわざ金を出すメリットがなくなっていくというのであれば、自己資金を持っている大学は自分のところでファンドをつくって、それで研究に充てればいいわけで、その辺り、何となくちぐはぐな感じがします。

運用面でいいますと、GPIFを先輩とおっしゃっていますが、GPIFの場合は多少運用に凸凹があっても年金という大きな財源があって、その年金の給付には全く影響を与えないと。ただ、この研究開発費の場合は凸凹があったときに大きな影響を与える。それでリスクバッファーは2割と言っていますが、これは元本を取り崩してリスクバッファーに充てるしかないわけで、そういうリスクバッファーを元本取崩しでもしやるのであれば、そういうところに有償資金を入れて、ファンドの大宗が有償資金でスタートするということにも大変な違和感を感じます。

念のため申し添えますが、公的な資金によって大学の研究を支援すること自体に反対しているわけではありません。お金の出し方が適切なのか、という問題意識で申し上げました。

手短ですが、以上です。

〔池尾分科会長〕同感です。

高田委員、お願いします。

〔高田委員〕どうもありがとうございます。

私もちょっと幾つかコメントをさせていただきたいと思います。1つは今日のこういうコロナの状況も踏まえた上で、技術に関わるところにサポートするというのは、私は妥当だと思いますし、その中での大学が担う部分というのも、成長戦略としては非常に重要な部分があると考えます。そういう中で、今回この基金をつくって、対応するというのは事実上のソブリン・ウェルス・ファンドで、大学のところの教育、研究をという部分での目的を主としたソブリン・ウェルス・ファンド的な部分なのではないかというふうに理解しています。

実際問題として、そこで運用する部分が市場の中で運用せざるを得ないということを考えますと、最初の対応というんでしょうか、体制づくりがやっぱり非常に重要になってくるわけでありまして、そういう観点からいえば、GPIFにならったガバナンスの体制ですとか、特に重要なのは、基本ポートフォリオをどうつくるかという部分がやっぱり重要だと思います。また、そこの中に関するガバナンス、もしくはリスクのバッファーをどうするのかが重要で、それにのっとった中で長期に対する視点ということでモニタリングはもちろん重要ではありますけれども、やはり長期にわたっての視点は重要になってくると考えます。今回の意義ということになるんですけれども、私はこれだけの基金をつくってということは、やっぱり日本においても資産運用に対するカルチャーというんでしょうか、どうしても日本の場合、それに対するものがなかなか過去何十年間の難しい状況があったものですからネガティブになった部分があると思うんですけれども、そういう資産運用に関する健全なカルチャーも同時に促していくというんでしょうか、また自助努力を助けていくというんでしょうか、こういう観点を含めた1つのきっかけになるのであれば、私はそういう成果も副次効果としてあるんじゃないのかなと思うところでもあります。

ただ、一方でこれだけ4兆円というようなことでもありますから、当然、市場性もしくは市場インパクトというものが、当然、株式市場であり、場合によっては外貨を使うということであれば海外の市場にもということにもなるわけでありますから、そういったものに対する配慮も、やっぱり同時に目配りが必要にはなってくるんじゃないかなと思います。

最後になりますけれども、内閣府からご指摘いただいた点の中で、元本強化期間にというようなご指摘が当初数年間ということであったんですけれども、これをどう考えるかは、元本強化というのは何を意味しているのかが私自身はやや分かりづらかったなという部分がありますし、そこの運用は単に元本を棄損しないということなのか、もしくはそこの期間はやや助走して対応するのかということなのかよく分からなかった部分がちょっとあったという感じがいたしました。

以上でございます。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

ちょっと時間が押していますので、手短にお願いします。

次、野村委員、お願いします。

〔野村委員〕野村です。

まず大学ファンドの創設という趣旨というか意義については賛同いたします。申し上げるまでもないのですが、国立大学法人への交付金が減少してからの教育研究の全国的な質の低下であるとか、世界トップクラスの大学の国際競争力の低下などがいわれている中で、大学ファンドは意味があることだと思います。ただし、これは最後に質問に答えていただきたいのですが、大学ファンドの創設により資金不足による地盤低下を受けて全国的な底上げをしたいのか、あるいは世界トップクラスの大学のさらなる引上げをしたいのか、どちらを目的としているのかを後ほどお答えいただきたいと思います。

私は個人的には世界に比肩するという言葉にもありましたように、大学のファンドという性格から考えますと、世界トップクラスの大学のさらなる引上げを目的とするものではないかと考えております。だとするならば、これはやはりJSTさんが取りまとめるファンドだと、結局はうまくいかないのではないでしょうか。最後は大学ごとのファンドに戻すことを目的とするということならば、もうこれは最初から世界トップクラスの大学が大学ごとのファンドを立ち上げることを支援するということから始めるべきではないかと。そういう基本的なところに立ち返ってやるべきではないかと思います。

必要な支援は2つあると思います。1つは、大学ごとの大学ファンドを立ち上げるにあたり、大学も出資しますし、そこに政府も出資します、だからそれを呼び水として民間からの出資も募りましょうというような支援。もう1つは専門家の支援ですね。金融の専門家を各大学のファンドに派遣するとか紹介する、そして経営の専門家ですね。大学の先生はやはり研究者でいらっしゃいますので、経営のマネジメント経験を積んでいらした方は非常に少ないかと思います。そこで、副学長なり学長補佐というようなポストに経営の専門家を送り込むような支援を通して世界トップクラスの大学の各ファンドの立ち上げを支援するという形ならば、ぜひ進めたほうがいいと思いますが、JSTさんのとりまとめたファンドという形式で行うのは、これまでの他の委員の先生方も指摘されているように、様々な問題があると思うので、懸念をしております。

以上です。質問は先ほど申し上げた点だけです。

〔池尾分科会長〕質問にお答えいただけますか。トップクラスを引き上げるのか、全体を引き上げるのかという話です。

〔内閣府佐藤大臣官房審議官〕先ほどのJSTに支援をするのか、丸投げなのかにも関わるんですけれども、支援する大学については、我々は法制度も視野に入れていますが何らかの制度をつくって、限定した研究大学、トップクラスの研究大学を中心に支援するということでありまして、その要件についてもそういった制度の中でしっかり決めるということで、JSTに完全に丸投げするということではないと考えてございます。

〔池尾分科会長〕そういうことです。

〔野村委員〕ありがとうございます。

〔池尾分科会長〕では、冨田委員、お願いします。

〔冨田委員〕ありがとうございます。

この事業、財投債という名前の国債で調達した資金を国内外の市場で運用し、その収益を事業に充てるという前例のない取組であって驚いております。多分、ゲーテのファウスト博士のモデルとされますジョン・ローもびっくりかもしれません。大正時代の財投は預金部と言われた時代で、当時の中華民国への借款が不透明に行われ、償還されず、西原借款という名の固有名詞で呼ばれまして、このため財投は伏魔殿であると長きにわたって言われてきました。平成の財投改革から20年間、償還確実性と民業補完を前提に地道に政策金融機関、そしてインフラ整備に融資いたしまして、融資先の事業が生み出すキャッシュフローで償還されてきた財投が、この全く新しい事業で再び評価を落とすことがないようにすることが必要であります。既に政府においてはこの8日の閣議決定文書に沿って調整を進めているものと思いますけれども、これは財政融資資金を活用して市場運用するという全く初めての取組であって、財政融資制度の中でこの取組をどのように位置づけていくのか、そして償還確実性をどのように担保するのか、法制面を含め、今日ご出席の内閣府と文科省は、財務省ともよく相談しながら進めていただきたい。また、この事業が大学改革を促進し、自律した経営、寄附獲得を目指し、つなぎの財投資金を自己資金に置き換えていき、世界に比肩する研究開発の促進につながるエコシステムの構築に資するよう、具体的な設計を行うべきであります。それによってなぜこうした例外的な仕組みが研究大学ファンドだけの特例で限定されるのか、これだけに限定されるという理由をやはり国民に周知すべく、明示的な検討、説明をお願いいたしたく思います。

以上です。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。

そのとおりですね。

家森委員、お願いします。

〔家森委員〕私も手短に済ませます。大学にいる人間としては、とにかく大学は今、お金がなくなっているので、何らかの形で大学を応援していただけるのはありがたいことだと思っているということを前提に、JSTでやる必然性があるのかが、私にはよく分からないということです。JSTはいろいろな他の事業をやられているのですが、こちらで損失が出たときに、JSTのいわゆる本業に負担がかかってくると、むしろ大学振興に逆効果が起こってしまうのではないかと思うのです。何人かの委員から、運営を別の組織に分けたらとか、GPIFに丸投げしたらとかいろいろご提案があったように、何ゆえJSTそのものでやるのがいいのかなと思いました。GPIFを見ると、トップの方は金融の専門家なんですね。JSTはそうではなく、学術の専門家の先生がトップにいらっしゃるわけです。この機関にこれをやってもらうという制度設計で大丈夫なのかなと思いました。

幾つかありますが、時間の関係でここまでにさせていただきます。

〔池尾分科会長〕私も大いに懸念を持っています、この仕組みについては。志は高いんですけれども、ファンドをつくればもうかるという、何か安易な前提に立っている気がして、非常に懸念していますので、関係部局の間では真剣にその辺りのところを討議していただきたいと思います。予算の配分に関しても厳格な審査をお願いします。

それでは、時間が来ましたので、そろそろ終わりにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

〔文部科学省塩崎大臣官房審議官〕すみません。文部科学省でございますけれども、よろしいでしょうか。

〔池尾分科会長〕はい。

〔文部科学省塩崎大臣官房審議官〕先ほどの冨田委員のご指摘についてなんですが、委員のご指摘をきちんと踏まえまして、今後、引き続き財務省と調整をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

〔内閣府佐藤大臣官房審議官〕最後に内閣府から。今日の皆様のご意見をしっかり踏まえ、例えば国の関与の在り方、それからしっかりした運用でリスクを下げること、あるいは運用益が上下したときにもしっかりと対応できるということ、その辺りをリスクバッファーあるいは元本強化期間でしっかり元本を積み上げるといったことを、しっかりやりながらやりたいと思いますが、いずれにしても関係省庁と一緒に制度設計をしっかり座長のおっしゃることを踏まえてやっていきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。

〔池尾分科会長〕それでは、ご退席いただいて結構です。ありがとうございました。

(科学技術振興機構関係者退席)

〔池尾分科会長〕予定の時間を過ぎましたので、本日の議事はここまでとします。

ご議論いただいた内容のほか、追加のご意見、ご質問がございましたら、いつものとおり、事務局までお寄せいただければと思います。

本日の議事内容につきましては、別途、事務局より記者レクを行います。議事録につきましては、委員の皆様方のご了解をいただいた後、財務省ホームページに掲載します。

本日はご多用中のところ、ご参集いただきまして、誠にありがとうございました。これにて閉会いたします。

12時01分閉会

財務省の政策