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財政投融資分科会(令和2年10月27日開催)議事録

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財政制度等審議会財政投融資分科会
議事録

令和2年10月27日
財政制度等審議会


財政制度等審議会財政投融資分科会議事次第

令和2年10月27日(火)13:30〜15:30
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

  • 1.開

  • 2.伊藤財務副大臣挨拶

  • 3.令和3年度財政投融資計画要求の概要

    質疑・応答

  • 4.令和3年度財政投融資計画の編成上の論点

    • 1株式会社日本政策金融公庫

      (国民一般向け業務・中小企業者向け業務)

      質疑・応答

    • 2株式会社国際協力銀行

      質疑・応答

  • 5.閉

配付資料

資料1令和3年度財政投融資計画要求の概要

資料2財政制度等審議会財政投融資分科会説明資料株式会社日本政策金融公庫
(国民一般向け業務・中小企業者向け業務)

資料3財政制度等審議会財政投融資分科会説明資料株式会社国際協力銀行

出席者(敬称略)

分科会長

池尾和人

伊藤財務副大臣

大鹿理財局長

窪田理財局次長

湯下総務課長

関口財政投融資総括課長

石川管理課長

小澤計画官

大関計画官

堀納資金企画室長

笠原財政投融資企画官

百合

野村浩子

渡部賢一

臨時委員

江川雅子

土居丈朗

冨田俊基

中里

林田晃雄

原田喜美枝

専門委員

工藤禎子

家森信善


13時30分開会

〔池尾分科会長〕予定の時間となりましたので、ただいまから財政制度等審議会財政投融資分科会を開催いたします。

本日は、伊藤財務副大臣にご出席いただいております。開催に当たり、伊藤財務副大臣にご挨拶を頂戴したいと思います。

報道関係者が入りますので、そのままお待ちください。

(報道カメラ入室)

〔池尾分科会長〕それでは、伊藤財務副大臣、お願いいたします。

〔伊藤財務副大臣〕皆さん、こんにちは。財政制度等審議会財政投融資分科会の開催に当たりまして、一言ご挨拶を申し上げます。

本年9月18日、菅内閣発足に際し、財務副大臣を拝命いたしました伊藤渉と申します。よろしくお願いをいたします。

さて、菅内閣におきましては、経済の再生を引き続き政権の最重要課題と捉え、縦割り行政を打破し、規制改革を大胆に推し進めるなど、今後とも一層の改革を進めていく方針としております。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けまして、令和3年度の概算要求は9月30日が最終締切りとなりましたので、例年より1か月短い期間で精査をしていくことになります。新型コロナウイルス感染症の影響を受けている企業や事業者への資金繰り支援、現下のゼロ金利環境を活用したインフラ整備と併せ、ポストコロナ時代の生産性の向上につながる投資などに向けて、メリハリの利いた編成を行ってまいりたいと考えております。

委員の皆様におかれましては、新型コロナウイルス感染症の感染状況も踏まえつつ、財政投融資が期待される役割を最大限発揮できるよう、忌憚のないご意見を賜りますことを心よりお願い申し上げ、冒頭のご挨拶とさせていただきます。大変お世話になりますが、よろしくお願いいたします。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

それでは、報道関係者の皆様はご退出ください。

(報道カメラ退室)

〔池尾分科会長〕続きまして、大鹿理財局長よりご挨拶をお願いいたします。

また、7月に理財局の人事異動がございましたので、併せてご紹介いただきたいと思います。それでは、よろしくお願いします。

〔大鹿理財局長〕本日は大変お忙しい中、委員の皆様方にはご出席いただきまして、ありがとうございます。去る7月に理財局長を拝命いたしました大鹿と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

委員の皆様方におかれましては、日頃より財政投融資制度全般につきまして、大変貴重なご意見を賜っておると承知をしております。心から御礼を申し上げます。

今ほど伊藤副大臣のご挨拶にありましたように、令和3年度の財政投融資計画についての議論がいよいよこれから始まってまいりますが、ご案内のとおり、コロナ禍という中でございますけれども、ポストコロナの時代も見据えて、また経済再生の取組みを進めるといった観点から、これまでと同様に忌憚のない貴重なご意見を頂戴できればというふうに考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

それでは、この機会を借りまして、改めて職員をご紹介させていただきます。

理財局次長に窪田でございます。

総務課長の湯下でございます。

それから、財政投融資総括課長に関口。

計画官に小澤、及び昨年より引き続き大関が就任いたしております。

一同、今後ともよろしくお願いいたします。以上でございます。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。

続いて、議事に先立ちまして、委員の皆様にご報告がございます。今般、緊急に議決を経なければならなかったため、書面によりご審議いただいた令和2年度財政投融資計画の一部変更につきまして、原案どおり了承となりましたので、改めてご報告申し上げます。

それでは、議事次第に移ります。まずは、令和3年度財政投融資計画の計画要求の概要につきましてご審議いただきます。

関口財政投融資総括課長よりご説明をお願いします。

〔関口財政投融資総括課長〕ただいまご紹介いただきました財投総括課長の関口でございます。よろしくお願いいたします。

それでは、令和3年度財政投融資計画の要求の概要につきまして、お手元の資料1に沿ってご説明したいと思います。

まず、1ページ目をご覧いただければと思います。上の表でございますけれども、3年度の要求額は13兆9,312億円となってございまして、2年度当初計画比で7,117億円の増、5.4%の増となってございます。このうち財政融資資金につきましては3,503億円の増、産業投資につきましては660億円の増、政府保証につきましては2,954億円の増となってございます。

また、下の棒グラフにございますとおり、新型コロナウイルス関連融資が令和2年度、今年度の補正予算で大幅に追加されているところでございます。来年度に向けてこの新型コロナウイルス関連融資はぎりぎりのタイミングまでニーズを見極めてから措置することといたしておりまして、表の下に※印がございますけれども、現時点では事項要求となっているところでございます。

続きまして、2ページをご覧いただければと思います。主な機関別に要求の増減を示したものでございます。まず、政府関係機関でございますけれども、一番上、日本政策金融公庫でございますが、コロナ関連融資における財政融資資金の借入条件と事業者への貸付条件の関係上、短期的に財政融資資金の償還額が貸付けの回収金を上回るということによって自己資金が減少し、3,980億円の増要求となっているところであります。

それから、ちょっと下のほうに行って、国際協力銀行、下から2番目でございますが、3,175億円の増要求となってございます。中でも産業投資について、出資ですけれども、質の高いインフラ整備とか、M&A案件に対する金融支援を行っていく上で、必要なリスクバッファを確保するという観点から、800億円の増と。それから、そういった案件の原資となります政府保証債について、2,575億円の増となっているところでございます。

続いて、真ん中ぐらい、独立行政法人等というところでございますけれども、下から2番目、日本高速道路保有・債務返済機構でございますが、2年度当初計画に計上されてございました高速道路ネットワーク整備の加速のための財政融資の剥落ということで、8,600億円の減となっているところでございます。なお、道路関係は、過年度においては財政融資に関して改要求がなされているというところでございます。

それから、下から2番目、地方公共団体でございますけれども、新型コロナウイルスの影響によりまして、地方税収の大幅な減少が想定されることから、それに対応して、臨時財政対策債の発行額の増加が見込まれるため、1兆3,148億円の増要求となってございます。

その下、特殊会社等でございますけれども、2年度計画、今年度計画では計上されてございました産業革新投資機構、東日本高速道路、中日本高速道路、西日本高速道路及び成田国際空港につきましては、3年度の要求が出されていないといったことのために、差引き6,707億円の要求減となってございます。この結果、3年度の財政投融資計画の要求機関は、2年度当初計画から4機関減りまして、30機関となってございます。

3ページ目をご覧いただければと思います。産業投資の要求でございます。まず、上の表をご覧いただければと思います。先ほどご説明したとおり、国際協力銀行、上から3番目でございますが、800億円の増要求となってございます。そのほかに、いわゆる官民ファンド、産業革新投資機構が剥落してございます。1,000億円です。それから、それ以外は海外需要開拓支援機構、いわゆるクールジャパン機構、それから、海外交通・都市開発事業支援機構、それから、海外通信・放送・郵便事業支援機構、これらいずれも前年度を上回る要求となってございまして、全体として2年度当初計画額を660億円上回る要求となってございます。なお、こういった官民ファンドにつきましては、今後分科会でご議論いただく予定でございます。

また、表の下に平成12年度以降の産業投資のフローの推移を掲載してございます。NTT株ですとかJT株からの配当状況など、財源に応じた形で平成19年度を底として産業投資も増加傾向となっているところでございます。

1枚めくっていただき、4ページ目から5ページ、6ページ目と、その3ページ分は3年度要求における機関ごとの内訳を、財政融資、産業投資、政府保証の別に示したものでございます。細かい話でございますので、説明は割愛させていただきますけれども、これらの要求につきましては、年末にかけて内容をしっかり精査して、適切に措置してまいりたいと考えているところでございます。

続きまして、新型コロナウイルス関連融資の現在の状況についてご説明させていただきたいと思います。資料の7ページ目をご覧ください。新型コロナウイルス関連融資の実績でございます。コロナ関連融資を行っている財投機関のうち、特に金額の大きな機関について、4月から9月までの実績を掲載してございます。

まず、左上、日本政策金融公庫、こちらは国民事業と中小事業を合わせたものでございますが、4月から6月にかけてピークとなって以降、減少傾向にございまして、4月から9月の融資決定金額は合計で10.5兆円、融資決定件数は61万2,517件となってございます。

左下の商工組合中央金庫の危機対応業務では、4月から9月の融資決定額が2兆円、融資決定件数が2万6,270件となってございます。

右上の日本政策投資銀行の危機対応業務につきましては、融資決定金額が2兆円、融資決定件数が228件となってございまして、5月、6月に大型の融資を実行しているところでございます。

最後に福祉医療機構でございますが、融資決定金額が1兆円、融資決定件数が1万8,856件となってございます。病院・診療所、それから社会福祉施設への融資につきましては、7月をピークとして9月にかけて減少傾向にあるところでございます。9月中旬に厚生労働省で無利子貸付上限額を1億円から2億円に拡充するなど、医療機関へのさらなる支援を公表してございまして、こういったことを踏まえて、今後も一定程度の資金需要が見込まれているところでございます。

それから、8ページをご覧いただければと思います。コロナ禍において、政策金融機関に加えまして、民間金融機関においても、信用保証の拡充ですとか利子補給といった政策対応によってコロナ関連融資を行ってございまして、その融資額を週ごとにフローベースで示したものでございます。

一番下のちっちゃい字ですけれども、注釈にございますとおり、政府系金融機関は日本政策金融公庫の国民生活事業、中小企業事業、農林水産事業、それから日本政策投資銀行と商工組合中央金庫の危機対応業務、そして沖縄振興開発金融公庫、それから福祉医療機構におけるコロナ関連融資額の合計を計上したものでございます。

また、民間については、注2でございますけれども、民間金融機関の信用保証付融資では、信用保証協会による保証承諾額の合計を計上しているところでございます。オレンジ色の線が政府系金融機関、青色の線が民間金融機関で、緑色の線が合計ということで、見ていただければお分かりになるとおり、全体として5月末頃がピークで、その後減少傾向となってございます。

5月の中旬以降は、民間金融機関の信用保証付融資が政府系金融機関を上回ってございますけれども、これは民間金融機関の信用保証付融資において、5月1日より実質無利子化が開始されたためだと考えられるところでございます。

最後に、9ページ目をご覧いただければと思います。政策対応に基づくコロナ関連融資額の推移を、制度開始から9月の最終週までをストックベースで示したものでございます。6月中旬に民間が政府系を上回り、9月末時点で、政府系金融機関と民間金融機関の信用保証付融資の合計で、40兆円程度となっているところでございます。

私からは説明は以上でございます。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。

それでは、ただいまの関口財政投融資総括課長の説明を踏まえて、委員の皆様からご意見、ご質問をお願いしたいと思います。挙手ボタンを確認しながら指名いたしますので、そのままお待ちください。ご発言の際に資料を引用される場合には、資料番号等、該当ページをおっしゃってください。

〔池尾分科会長〕では、渡部委員お願いします。

〔渡部委員〕渡部でございます。聞き逃したかもしれないんですが、質問です。資料1の2ページの表ですけれども、資料2ページの表の中で、地方公共団体についてのご説明がありました。これは地方公共団体については、年度末に向けて、理財局さんとしてはさらに増えるという具合にお考えなのか、この概算要求で十分だろうというような読みなのか、その辺りについて教えていただければということで、質問させていただきました。

以上です。

〔池尾分科会長〕お願いします。

〔大関計画官〕計画官の大関でございます。地方公共団体についてのご質問を頂きました。これから年度末に向けてどうかというご質問ですけれども、まさにこれ、今回の要求は、夏の時点での地方財政の見通し、こういったものを踏まえて税収の見積りなどを行った結果、臨時財政対策債がこれぐらい増えるだろうというような見積りを基に、私どもに要求があったものでございます。この後、税収の実際の実績が出てきましたり、それから、年末に向けて地方財政について予算の折衝、こういったようなものが行われていく中で、私どもとしても総務省と地方債の発行計画、こういったものを議論した上で、年末に向けて調整を詰めていくということになります。

したがいまして、現時点で、この後どうなるかということを申し上げるのは難しいという状況にある点、ご理解いただければと存じます。

以上でございます。

〔渡部委員〕ありがとうございました。

〔池尾分科会長〕林田委員、お願いします。

〔林田委員〕ありがとうございます。まず、お礼からで、資料1の3ページ、産業投資の推移のグラフを作ってほしいと、事前説明の段階でお願いしました。短期間に対応していただいて、ありがとうございます。

このグラフを眺めていますと、何かいろいろなことが分かってくるような気がしまして、例えば、2009年、平成21年度は、前年のリーマン・ショックへの対応があったと。2012年、平成24年度は、13年1月に第2次安倍内閣の2本目の矢の機動的な財政政策を体現させるための経済対策を打ったと。大幅に追加されたと。コロナも含めて、経済危機に対して産投が重要な役割を果たしてきたということがよく分かります。

このほか、例えば、当初額が目立って増えている2013年度以降ですけれども、この辺りからクールジャパン機構やA−FIVEなど官民ファンドが次々とできたという時期に重なっておりますので、こうした資料を分析することで、財投のこれまでの来し方みたいなものも分かりますし、やや真水のほうが足りなくなってきている中で、産投というものをどこまで頼っていっていいのかという、今後のあるべき姿なんかもこの増え方のパスを見ることによって、あるべき姿を考えるよすがになるのかなと思っておりまして、グラフをつけていただいたのは大変よかったと思っております。

このほかちょっと調べてみて驚いたことがあったんですが、2008年度、当初額は1,040億円になっていますけれども、実はこれ、要求段階は549億円だったんですね。ほぼ倍増していたんですけれども、当時の議事録を調べると、きちんとした説明がなされていないということに驚きました。私、この当時、委員ではなかったのですが、このとき要求と計画の関係を尋ねた委員もいたんですけれども、要求はあくまで仮置きですからというような説明で終わらせていたというので、こういう対応ではやっぱりよくないので、当分科会の一員として、要求に対して計画額が大きく変わった場合などは、きちんと理由をただしていこうというふうに改めて感じた次第です。

今回の要求について申し上げますが、他の委員からも指摘があると思いますけれども、日本政策金融公庫やJBICが大きく伸びています。このほかコロナ関連が事項要求があるわけで、もっと膨らむんだろうと思っています。今回の要求がどういう背景で行われたのかということをしっかり聞いていきたいと思っています。

それから、やはり官民ファンドが、額はともかく、率としては大きく伸びているということがあります。資料の3ページの表ですけれども、官民ファンドの額は書いてあるけど、率は書いていないと。この前の2ページの表には率も書いてある。これ、やっぱり率も出すべきだと思うんですよね、こういうときには。どう動いているのかというのが、額もさることながら率も大きいので、こういうところにちゃんと目配りして資料を作っていただきたいなと思っています。

それから、何でこんなに伸びているのかという背景に、既に出した中期計画を達成するために、つまり、計画につじつまを合わせるために要求を膨らませているんじゃないかということはないのかと。そういう本末転倒な理由があったら困るなというので、ご説明を聞きながらしっかりチェックしていきたいなと思っています。

すみません、長くなって。あと、新型コロナ関連の執行状況、後ろのほうですけれども、参考資料で気になったのは、日本政策金融公庫に比べて、商工中金、7ページですが、立ち上がりが遅く、ピークからの下がりもちょっと早いと。例の不祥事を受けて、危機対応融資に過度に慎重になっているんだとすれば、本末転倒ではないかと思っています。危機対応融資を不必要な案件に使うというのは許されないことでありますけれども、本当の危機のときにそれを逡巡するようでは制度の意味がないと思いますので、民間銀行出身の関根社長には、企業融資の経験を生かして、リーダーシップを発揮していただいて、政府系金融機関としての役割をきちんと果たしていただきたいなと思います。

以上です。長くなりました。すみません。

〔池尾分科会長〕野村委員、お願いします。

〔野村委員〕ご説明ありがとうございます。私からは、2年度と3年度でも増減の幅が大きいもの、乖離があるものについて質問です。増加幅が大きいものはこれから今日ご説明いただくかと思いますが、逆に大きく減らしているところについてもう少しご説明いただきたいと思います。例えば、日本高速道路保有・債務返済機構について、先ほどコメントがありましたが、ちょっと理解が追いつかなかったので、もう少し詳しく説明していただきたいのと、あともう一つ、産業革新投資機構、これもマイナス1,000億で、3年度要求ゼロになっております。この理由についてお伺いしたいと思います。

今後、アフターコロナでDXの促進といった役割が求められるところではないかと思うのと、それから、昨年末に新体制になって、どのようなことに取り組むのかということも気になるところですので、3年度要求ゼロということについて、理由が分かれば教えていただきたいと思います。

以上です。

〔池尾分科会長〕お願いします。

〔関口財政投融資総括課長〕私のほうからお答えさせていただきます。今頂いた2つだと思いますけれども、日本高速道路保有・債務返済機構8,600億円、2年度に比べて3年度大きく減っている理由でございますけれども、そもそも2年度の計画で大きかったのは、そのとき令和元年12月に経済対策が打たれていまして、それに基づいて改要求という形でなされたということで、財政融資が8,600億円措置されてございます。

この中身は、道路機構自体が将来発行予定の政府保証債を財政融資に置き換えることで、将来にわたる金利負担を軽減すると。それによって高速道路ネットワーク整備の加速を図るんだということでやられたもの、措置されたものでございます。

来年度、令和3年度に向けましては、現在要求は出てございませんけれども、国交省でいろいろ検討があると思うので、その検討状況を注視していきたいと思ってございます。

それからもう一点、産業革新投資機構、JICについて、今年度、令和2年度は1,000億円あったものが、令和3年度についてはないということで、1,000億円剥落していると。こちらですけれども、こちらは2年度については、要求されて措置させていただいたんですけど、3年度に向けましては、自己資金などを使って事業を行うという予定であると聞いてございますので、そういった意味で要求がなされていないものだと思ってございます。

以上でございます。

〔池尾分科会長〕よろしいですか。

それでは、次に、江川委員、お願いします。

〔江川委員〕ご説明ありがとうございました。資料の9ページを拝見して、コロナに関連する融資額が40兆円に、非常に短期間に積み上がったということを伺って、危機対応で公的金融の役割をしっかり果たしているということが確認されたと思いました。

特に5月の半ばぐらいから、信用保証の付いた民間金融機関のものが伸びているのも印象に残りました。事前に説明をお伺いしたときに、これは100%保証が付いているとお伺いしたのですが、それで若干気になったのが、コロナのために緊急的にこういった融資が必要になった事業というのもあると思いますが、もともと競争力が弱かったりとか、そういったことで問題があったところとしっかり区別ができているのかということです。

もともと春先には、コロナの問題は、数か月たてば解決するのではないかというふうに私も思っていましたが、ワクチンの開発にも時間がかかりそうですし、これが長く続く可能性があるように思います。

これからもしばらく融資を続ける、積み増していく必要もあるのかなと思うんですが、一方、長期的にどうなるかということも考えなければいけないので、返済に関してどのような見込みとか対応を考えていらっしゃるのか、今の段階で差し支えない範囲でお伺いできればと思います。

以上です。

〔池尾分科会長〕お願いします。答えをお願いします。

〔小澤計画官〕計画官の小澤でございます。どうぞよろしくお願いします。それで、まず資料の9ページなんですけれども、もしくは8ページでもいいんですが、下の注のところに「「民間」は」云々という注釈が書いてありますが、保証が100%というものは、セーフティネット保証4号と危機関連保証でして、セーフティネット5号というのは80%保証となっております。1点、事前の説明の訂正です。

それから、コロナのために必要な事業かそうでない事業かの見極めということに関しましては、資料の2のところで公庫の担当者が参りますので、直接質問していただければというふうに思います。

それから、返済に関しての見込みと申しますのは、事業者の方から公庫への返済の見込みということでしょうか。

〔江川委員〕はい。

〔小澤計画官〕もしそうだとすると、どのように返済の見込みを立てていらっしゃるのかというのは、こちらについても公庫の担当者に直接お伺いしていただければというふうに思います。

〔江川委員〕もしかしたら事前の説明のときに私が誤解したのかもしれないんですが、3年間無利子、そういうようなことで、今後そういうことに関して考えていかなければいけないというようなことをおっしゃっていたように思いました。それでご質問しました。

〔小澤計画官〕事業者の方は、元本ではなくて、利息部分については、もちろん政策公庫ですとか民間金融機関にお支払いをするんですけれども、ただ、支払った利子というものは、別途中小機構や都道府県に申請をすることによって還付されます。ですので、一回立替払いを行うような形になっていまして、当初3年間は実質無利子という形になっています。ただし、当初の3年が過ぎた後の利息については、返済の必要があるということです。

〔江川委員〕なるほど。

それで、さっきのお話ですと、それが全体としてしっかり弁済されるかどうかというのは公庫の方にお伺いしなければ分からないということですね。

〔小澤計画官〕そうですね。全体として、事業者の方の返済能力についてどういうふうに見ていらっしゃるのかというのは、我々、直接事業者の方と会って審査をしているわけではないので、できれば次のセッションでお願いしたいというふうに思っています。

〔江川委員〕分かりました。ありがとうございます。

〔池尾分科会長〕それでは、次、原田委員、お願いします。

〔原田委員〕ありがとうございます。原田でございます。先ほど林田委員が作ってもらったとおっしゃった3ページの産業投資の要求のフローの図をもう一度お出しいただけますでしょうか。これを拝見しまして、産投の要求のフローというのは、近年増加傾向にあるんだということが非常によく分かりました。

それでちょっと思ったところなんですけれども、原資のほうになります。産投は原資が国庫納付金とNTT株とJT株の配当であるというふうに理解しています。出ていくほうは増えているんですけれども、入ってくるほうが同じように増えているのか、どういう状況になっているのかというところを確認させていただければと思いました。

JT株のほうは、外国の機関投資家の保有が増えて、配当要求率が高まっていたのが数年前だと思うんですが、近年も配当性向は高いままなのかどうかといったことですとか、あと、NTT株のほうの配当収入がどうなっているかちょっと把握できていないんですけれども、その辺も併せて、原資のほうの状況について一言ご説明いただければと思いました。お願いいたします。

〔池尾分科会長〕お願いします。

〔関口財政投融資総括課長〕財投総括課長の関口でございます。ただいまご質問があったとおり、産業投資の原資は主にNTT株やJT株からの配当金、それから国庫納付金、あるいは前年度の剰余金、あるいはNTT株とかを売った売却収入とか、そういったものが組み合わせて財源になっているところでございます。

それから、NTT株やJT株からの配当というのはどうなっているのかということでございますけれども、NTT株は例えば平成元年のとき、今から30年ぐらい前のときは260億円でございましたけれども、今、足元、令和元年度でいきますと1,243億円ということで、5倍近く上がっているところでございます。それから、JT株につきましては、平成元年度50億円でございましたけれども、令和元年度におきましては1,027億円ということで、20倍ぐらいに上がっているということでございます。

基本的には株自体が高くなっているということもあるとは思いますけれども、あと、配当性向が高まっているということも大きな要因だと思ってございます。

私からは以上でございます。

〔原田委員〕すみません。今お話をお伺いすると、配当金の収入だけでは大分この要求額に満たないと思うんですけれども、その辺はどうなっているのでしょうか。

〔関口財政投融資総括課長〕先ほどちょっと冒頭申し上げましたけれども、おっしゃるとおりで、NTT株、JT株からの配当以外に、例えば、日本政策投資銀行からの配当、あるいは国際協力銀行からの利益の国庫納付分、あるいはその他の国庫納付金というのがございます。それ以外にも、例えば、NTT株の株式を売却した臨時収入というのがございますし、あるいは前年度からの剰余金、そういったものが原資となっているところでございます。

〔原田委員〕ありがとうございます。ストックがあるというふうに理解いたしました。

〔池尾分科会長〕工藤委員、ご意見ございますか。

〔工藤委員〕ありがとうございます。この財投分科会では、財投要求が出てきたものについて精査をするので、私の質問は会議の趣旨とは異なるのかもしれませんが、先ほど野村委員から産業革新投資機構の要求がない理由についてご質問があり、来年度は自己資金で対応するとの回答がございました。

今回の要求一覧を拝見すると、これから企業財務が傷んでくるところをつなぐものとして、貸付けはもちろんのこと、コロナの影響が長引けば、資本性資金も必要になってきます。そうしたなか、日本国内で財務の痛んだ企業に資本性資金を出せる官民ファンドや政府系金融機関は、この産業革新投資機構と、日本政策投資銀行の2つではないかと思います。産業革新投資機構については自己資金による調達のみということですが、その自己資金というのがどれぐらいあるか、ということは把握されていますでしょうか。企業を支えるという意味で、自己資金で繰り回していけるというお考えでしょう。要求のないものについて質問してはいけないのかもしれませんが、もしわかればご教示ください。

〔小澤計画官〕小澤でございます。産業革新投資機構については、もちろん事業再生的な使われ方をする場合もあると思うんですけれども、基本的にはベンチャーの支援と、それから事業再編、各企業の同じような部門を切り出して統合するとか、そういった事業再編を目的として、今のところは投資をしていくということでありまして、事業再生というところまでは、現在のところはあまり中核的な視野に入っていないんじゃないかと思います。

他方で、事業再生ということに関しては、財投機関で申しますと、もちろんDBJもありますし、それから次にご説明をいたします日本政策金融公庫において資本性劣後ローンといった制度もあります。また、その他には、例えば、内閣府が所管をしているREVICですとか、その他の機関もありますので、そういったもので現在のところは対応していこうということではないかと思います。

〔工藤委員〕すみません。明確に事業再生がということではなく、再生絡みの再編というケースもあると思っており、現状、要求がないということではありますが、今後そのような案件が出てきたらしっかり検討していくということだと思っています。やはり今挙げていただいた各機関は、割と小ぶりな資本性資金の出し手であり、大口先への対応という意味では、JICと政投銀しかいないのではないかと思いましたので、質問させていただきました。ご回答ありがとうございました。

〔池尾分科会長〕それでは、翁委員、お願いします。

〔翁委員〕1つお伺いしたいのですけれども、国立病院機構、それから、福祉医療機構、こういったところはやはり病院関係で、今後も恐らく非常に資金ニーズも大きいと思っておりますけれども、4ページで見ますと、自己資金等というところが両方とも減ておりますが、ここは今どういうふうな状況になっているのかということについての、もしご認識がありましたら、教えていただければと思います。

〔大関計画官〕計画官の大関でございます。翁委員のご指摘のとおり、医療関係につきましては、今、受診の手控えなどもありまして、全体として経営状況が悪化しているですとか、資金繰りについてもいろいろと厳しいものがあるというふうなことが指摘されているところでございます。

それで、福祉医療機構につきましては、冒頭の関口からのご説明の中にもございましたが、コロナ関係の融資につきましては、今後、ぎりぎりまで状況を見極めた上で、改めて要求をなされるということで、事項要求となっているということでございまして、今回、当初として要求されてきた額については、2,872億円ということでありますけれども、この先、年末にかけて精査していくということになります。

国立病院機構につきましては、自己資金マイナス1,473億円ということでありますが、ここについても、恐らく国立病院機構全般として、資金繰りの面においては少し厳しいものがあるんだろうというふうに思いますけれども、すみません、自己資金に関しては、国立病院機構において、過去に資金調達をする際に行った借り入れ、これを借り換えるという資金繰りといったようなものでマイナスになっているようなこともあろうかと思います。これから年末にかけて、よく機関からヒアリングをして、状況については精査していきたいというふうに考えております。

以上でございます。

〔池尾分科会長〕ちょっと時間がタイトになってきているんですけど、家森委員、お願いします。

〔家森委員〕ごく簡単に。7ページの翁先生と同じ福祉医療機構のところでの要望です。福祉医療機構からのお金は赤字補填という形の資金になってしまっていると思うんですが、再生の機能がこの機構にはあるのでしょうか。どんなふうに今後、病院を立て直そうとされているのでしょうか。貸したお金が返ってくる見込みがあるのか。そういう点をまた教えていただければということだけにしておきます。ありがとうございます。

〔池尾分科会長〕じゃ、そろそろこれで質疑は終了としたいと思います。

続きまして、令和3年度財政投融資計画の編成上の論点についてご審議いただきたいと思います。

株式会社日本政策金融公庫及び中小企業庁と財務省の担当部局が入室されますので、しばらくお待ちください。

((株)日本政策金融公庫着席)

〔池尾分科会長〕よろしいですか。それでは、日本政策金融公庫につきまして、小澤計画官より要求の概要及び編成上の論点の説明をお願いしたいと思います。小澤計画官、よろしくお願いします。

〔小澤計画官〕小澤でございます。よろしくお願いします。

資料2の日本政策金融公庫についてでありますが、先ほど関口のほうからコロナ融資の関係でご説明を差し上げましたが、最後のページに、政府系金融機関と民間金融機関で合わせて40兆円という数字をご紹介しました。政府系金融機関で全部で16兆円融資をしているわけですが、このうちの10.5兆円、約3分の2を政策公庫が融資をしているということになります。

ですので、公庫については、まず、公庫における新型コロナウイルス感染症への対応の状況についてもう一度数字をご確認していただいた上で、2ポツで要求についてご説明をしていくということにしたいと思います。

2ページでございますが、この2ページでは、公庫が今年の1月以降、どのように対応してきたかということについて整理しております。1月に経営相談窓口を設置して、3月にコロナウイルス特別貸付を開始、5月にこの制度を拡充、7月にさらに拡充、8月には資本性劣後ローンの取扱い開始をしたということで、政府の施策に対応して、順次迅速に対応してきているということであります。

その次の3ページと4ページにつきましては、これも先ほど関口のほうからご紹介した政策公庫全体の数字を、中小事業と国民事業に分けたものをご紹介しています。まず、3ページは国民事業について、フローとストックをお示ししておりますが、左側のフローのほうの図をご覧いただきますと、4月、5月、6月、大体2兆円ずつ融資が決定されていましたが、7、8、9と大幅に減少して、9月の融資決定金額は0.3兆円ということになって、大幅に減少しています。

ただし、赤い点線のところをご覧いただきたいんですが、これが昨年度の1か月当たりの平均融資額になっていまして、約1,600億円です。ということは、現在の融資額は、平年度の約2倍の水準ということになります。

また、右側のストックでございますが、9月末の時点で融資決定金額全体で7.2兆円という規模になっています。

その次、4ページでございますが、こちら、中小事業でございますけれども、形としては、ほぼ先ほどの国民事業と同じような形になっています。左側のフローをご覧いただきますと、4、5、6と大体8,000億円ぐらいの融資があったものが、9月には大幅に減少して0.3兆円、3,000億円程度の融資ということになっていますが、また、赤い点線をご覧いただきますと、平均的な融資額が1,000億円弱ですので、この3倍程度の融資額ということになっています。

また、右側のストックの9月末の数字をご覧いただきますと、3.3兆円ということですので、コロナ融資については、国民事業が7兆円、それから中小事業は3兆円というような規模感になっています。

このコロナ融資について、平時の融資と比較をしたものが5ページでございます。一番上のキャプションのところをご覧いただきますと、新規の顧客の割合が相当増えている、また、平均貸付金額が増加、また、平均貸付期間も長期化をしているということであります。また、2つ目の丸、業種別では飲食・宿泊業やサービス業の割合が増加しているということでありまして、詳細については下の表をご覧ください。

それから、次の6ページと7ページでは、国民事業と中小事業について、過去10年程度の融資実績の推移、それから融資先数の増加についてお示しをしたものであります。まず、6ページでは国民事業についてでありますが、左側の棒グラフをご覧いただきますと、これは毎年度の融資実績の推移を示しておりますが、ほぼ棒グラフは大体2兆円程度で推移をしていますが、令和2年度、最初の5か月間だけで7.2兆円という大幅な増加を示しております。

また、緑色の折れ線グラフをご覧いただきますと、これが融資残高を示しておりますが、令和元年度、6.2兆円だったものが、令和2年度8月末の時点で11.4兆円と、ほぼ倍増となっております。

また、右側の円グラフですが、融資先数、今年の3月末の時点で88万社であったものが、今年の8月末、5か月後の段階で、114万社というふうに3割増加しています。

この状況は中小事業についてもほぼ同様となっておりまして、このように大幅な増加をした融資残高、それから融資先数についてどのように管理をしていくのかということが大事な論点になっていこうかと考えられます。

8ページはコロナ特別貸付、それから、その次の9ページにつきましては資本性劣後ローンについての制度の概要で、若干細かくなっておりますので、説明は割愛させていただきます。

それで、令和3年度以降どのように対応していくかということで、まず、11ページに公庫から頂いている要求の数字を掲げておりますが、コロナ対応分については事項要求となっておりますので、この数字の細かい紹介は割愛をさせていただきまして、その次の12ページの論点として掲げている、青色でハイライトしている部分をご覧ください。まず、1つ目の丸ですが、令和3年度については、これまでご覧いただきましたように、足元ではコロナ関連融資の需要というものは一定の落ち着きを見せつつあります。ただし、ヨーロッパでも第2波ということで、非常事態宣言なんかも発令されていますが、今後不測の事態にも対応できるように、民間との役割分担も踏まえて十分な金額の財政融資を措置する必要があるのではないかというふうに考えております。

それから、来年度を含めた中期的な課題としましては、融資・保証を含めた政策対応について、あくまでコロナウイルスの感染状況を踏まえつつでありますが、いつか平時に戻していかなきゃいけないということで、ポストコロナへの円滑な移行という観点から、理財局だけではなくて、政府全体として制度設計を行っていく必要があるのではないか。

それから2点目、政策公庫において、急増したコロナ関連融資の債権管理を適切に行っていく必要があるのではないか。

それから、3点目ですが、これまでコロナ対応について述べてまいりましたが、大事なことは、事業再編やデジタル化等によって生産性の向上、または規模拡大に取り組む中小企業について、政府、それから公庫において、しっかりと支援を行っていくという観点で対応していくことも必要ではないかというふうに考えています。

その次の13ページ、14ページについては、中小企業の労働生産性についての参考資料ですので、説明は割愛させていただきます。

私からの説明は以上です。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。

それでは、ただいまの計画官の説明を踏まえまして、委員の皆様方からご意見をお願いしたいと思います。なお、要求側の方々に直接ご質問していただいても結構です。

家森委員、お願いします。

〔家森委員〕発言があります。よろしくお願いします。手短にさせていただきます。1つは、3ページのところで、4、5、6月がほぼ同じ決定金額になっています。これは、公庫さんの受け入れる能力の関係で、このようになってしまったのか、それとも、お客様のニーズでこのようになったのかという点です。金額の問題もですが、キャパシティの問題をしっかりと考えておくという必要もあると思うからです。つまり、今回のこのような申込みの殺到を踏まえて、今後の在り方としての教訓があれば教えていただきたいというのが1点です。

それから、2点目は、公庫さんはずっと官民の連携を強化されてきたんですが、そのようなご経験が今回のこの危機管理の中で何か役に立っているかどうかということを教えていただきたいと思います。これは要求側の方、公庫さんにお尋ねしたいことです。

以上です。

〔池尾分科会長〕お願いします。

〔日本政策金融公庫国民生活事業本部田中事業企画部長〕それでは、国民事業田中からご説明をさせていただきます。

まず、先生からご指摘のございました、コロナの融資決定額が6月までのところ、4、5、6と高止まりしている理由ということでございますが、国民事業への新型コロナ関連の融資申込み件数につきましては、4月が27万件、5月が14万件、6月が8万件と、徐々に減少傾向に推移をいたしました。それでも平時と比較しますと、平時の月間の申込み件数が2、3万件ございますので、特に4、5月の申込みは極めて多い状況でございました。

このような申込み急増に対応するために、定期人事異動の凍結であるとか、本店から支店への応援派遣、あるいは休日営業、休日勤務、OBの活用、審査手続の簡素化等々、あらゆる手段を使って迅速な融資手続を行いました。

この結果、既往の取引先の小口資金等は迅速に処理できる一方で、今回、コロナ対応では、先ほど計画官からもご説明ありましたとおり、新規先の申込みも50%程度と多く、営業実態をきちんと把握する必要があることや、また、コロナの影響で財務内容の厳しいお客様も多うございました。融資の可能性を追求しつつ、適切な審査に努めたところ、どうしても先生のご指摘あったとおり、現場の対応能力との関係上、融資決定が6月にずれ込んだケースもございまして、結果として6月の融資決定の件数、金額が、4月5月と横並びになったということでございます。

続きまして、今回のことからどんな教訓が得られたかというご指摘を頂戴いたしました。今回、コロナ禍では、全国規模で経済環境が急速にかつ極度に悪化して、4、5月のピーク時には、連日、全国各地で平時の10倍以上の融資申込みが支店に殺到するという、かつて我々としては経験したことのない事態となりました。

今回、コロナ対応におきましては、先ほど申しましたような人員体制であるとか、業務体制であるとか、事務運営の面で異例の対応を重ねることで、どうにかこの危機を乗り越えることができました。

ただ、今申し上げましたとおり、膨大な件数の申込みによりまして、申込み受付、あるいは審査、契約、各面で案件が滞留するといった課題も見えました。

こうした教訓を踏まえまして、公庫では、これ、公庫全体でございますけれども、コロナを踏まえた今後の対応といたしまして、コロナを踏まえた課題と対応策、さらにはコロナの次の波が来た場合の体制整備、あるいは今後の業務体制、業務内容の見直しにつきまして、業務、制度、体制、人事、システム等々、公庫全体で様々な角度から検討を進めてきているところでございます。次の有事の際には、今回の反省を踏まえまして、政策金融としてより迅速で効果的な対応ができるように努めてまいりたいというふうに考えております。

以上でございます。

〔池尾分科会長〕それでは、次に、土居委員、お願いできますかね。

〔土居委員〕ありがとうございます。遅参してまいった上に、早退しなければならなくて、誠に申し訳ございません。ただ、オンラインのおかげで授業の隙間時間で意見を述べさせていただくことができたということは大変ありがたいと思っております。

1点だけ、理財局に対しての私からの意見ということになります。こういうコロナ対応の緊急的な融資というのは、当然、支援をするという意味で大事なことですけれども、今後、コロナの終息の後を見据えたときに、必ずしも事業が継続できない事業者がこの融資先の中にもあるかもしれないと。債務の履行が一部滞るということもあるかもしれないということかと思います。その際には、もちろん信用保証制度があって、さらにはそのバックアップとしての再保険としての信用保険制度もあるということでありますし、さらには、論点にもありましたけれども、公庫におかれましては、債権管理をしっかりしていただくことで、よりよく事業者とともに債務の履行に努めていただくということもできるというふうに思います。けれども、かといって全く無傷で終わるというふうには思いません。当然ながら、それなりの債務の不履行、ないしは信用保証、ないしはさらにはその信用保証を再保険している信用保険で、それなりに公費をつぎ込まなければいけないというようなことがあるかもしれません。

そういう意味で申しますと、財務省の局横断的な取組み、つまり、信用保険制度というのは、いわゆる中小企業向けの予算ということで主計局でしょうし、さらには、ちょっとこの話とは筋が違うけれども、関連していると思われるのは、今、主税局で税務手続の電子化ということを進めておられて、私も政府税制調査会で議論に参画させていただいているんですけれども、その中で、政府が頭越し、上から民間事業者のデジタル化を進めるということではなくて、むしろボトムアップで、記帳水準の向上という言い方をしておりますけれども、日々のビジネスを営む上での記帳をしっかりとしていただくということを通じて、デジタル化を民間ベースでも進めていただいて、さらには主税局的にはこれが納税手続の電子化につながるということです。今の話の関連で言えば、債権管理もしっかりこれを活用することができるのではないかと。特に小規模事業者の記帳水準を高めることを通じて、それがよりよく公庫の債権管理にもつながるという面が私はあると思っておりまして、どこから始めるかはいろいろ政府の取組次第ではあるとは思いますけれども、せっかくデジタル化という議論がある中でこの流れがありますから、記帳水準の向上、もっと露骨に言えば、税務上では白色申告になっている事業者を青色申告に変えていくということを通じて、より適切に簿記をつけていただいて、それで債権管理にも活用できるという面もあって、理財局のマターを理財局のみならず主計局や主税局ともタイアップしていただく。そして、私は、その目的としては、国民負担の最小化を目指すという形で、全く無傷で行けるというふうには思いませんけれども、このコロナ対策の融資について、国民負担を最小化する形で解決できるような形で、事業者の方々にも継続できる事業はしっかり継続していただき、公庫におかれましても、よりよく債権管理をしていただくということができるのではないかというふうに思います。

以上、意見でございます。ありがとうございました。

〔池尾分科会長〕今のは意見ということで、先に進ませていただきます。

工藤委員、お願いします。

〔工藤委員〕ありがとうございます。私ども民間金融機関も、この上半期、日本公庫とも連携しながら、無利子・無担保融資をはじめとする企業の資金繰り支援を行って参りました。

足元では、官民の緊急的な流動性支援によって、企業の倒産の増加や、これに伴う民間金融機関の与信コストの増加というのは抑えられていると認識しておりますが、他方で、企業の債務返済負担は着実に増大していると思っており、コロナの影響が長期化する中で、今後は中小企業のソルベンシーの問題が顕在化していくものと考えています。

今日も資料2の12ページ、また、今もいろいろな複数の委員の方からご指摘がありましたけれども、やはり日本公庫においても、債権管理というのが非常に重要なテーマとなっていくと認識しております。

その上で、足元の貸出件数や残高の急増を踏まえると、今後、きめ細やかな債権管理が求められる場面において、日本公庫にマンパワーの不足という課題がないのか、確認しておく必要があるのではないかというふうに思っております。

この点について、日本公庫の今後の見通しというのをお伺いしたいと思いますけれども、コメントとしては、もし不足が予想されるのであれば、予算による手当てをして、一定の人員増を図るでありますとか、日本公庫あるいは各地域の金融機関のOBを活用する仕組みを検討することも一案ではないかというふうに考えております。

以上です。

〔池尾分科会長〕いかがでしょうか。

〔日本政策金融公庫国民生活事業本部田中事業企画部長〕それでは、国民事業田中のほうからご説明させていただきます。先生から今ご指摘を頂戴した件につきましては、まさにマンパワーだけが今回の問題の解決ではないというふうに思っております。機関としてもまずはやるべき努力として、きちんとデジタル化を図って、合理化、効率化を図って、マンパワーを生み出して対応していきたいということを考えておるわけでございますけれども、それでも足らざる部分につきまして、この9月の概算要求におきまして、所要の人員の定員増について要求させていただいているところでございます。

以上でございます。

〔工藤委員〕分かりました。ありがとうございました。

〔池尾分科会長〕じゃ、次、林田委員、お願いします。

〔林田委員〕ありがとうございます。まず、5ページの表でございますが、平均貸付期間が有意な形で伸びております。調達期間と運用期間の乖離によるデュレーションギャップを緩和する措置を、事業者としては何かALM上の工夫とかでやっているのかどうか、制度的には何かそれを、ギャップを少なくするような制度的な工夫はされているのかどうかお聞かせ願いたいというのが1点目です。

次はコメントで、12ページ、今後の視点のところで、「コロナ対応のみならず」以下ですけれども、特有な資金繰り等々のみならず支援して、いろいろやっていかなきゃいけないというのはまさにそのとおりだと思います。

ただ、ここにあるように、事業再編、デジタル化、生産性向上といった言い古された言葉だけじゃなくて、コロナというのは、多分、コロナの感染そのものが去っても、人の考え方や物の流れ、物の売り方、いろいろなことが変わってくると思いますので、ビジネスモデルの転換といった、もうちょっと幅広い観点を入れて、ここの融資の在り方、財投の在り方について、知恵を絞っていただきたいというのがコメントです。

以上です。

〔池尾分科会長〕いかがですか。前半ご質問だったと思いますけど。

〔小澤計画官〕私のほうから、資金の調達期間の長期化についてお答えしたいと思いますが、私が伺っている範囲では、資金の調達期間についても、長期化しているというように、ALMの観点から対応しているというふうに聞いております。

〔池尾分科会長〕よろしいですかね。

それでは、ちょっと時間的に窮屈になってきていますので、できるだけ手短に皆さんお願いします。

渡部委員、お願いします。

〔渡部委員〕それでは、手短に。質問と意見です。むしろ理財局さんへの要望になるかもしれませんが、12ページです。今後の視点のところの関連ですけれども、対象先、コロナの緊急対策、政府系金融機関、公庫さん含めて大変な状況だったわけですが、理財局さんからは、先日、国民事業と中小事業についての区分、限度額の違いなどをお聞きしました。その際、現実的には重複する貸出先等もあるかもしれないということをお聞きしました。

今、公庫さんへの質問というより、理財局さんとして、ほかの政府系金融機関や、商工中金さん、あるいはさらに今日、民間の方もおられますが、民間の金融機関との重複というのはどのぐらいだというような感触をお持ちでしょうか。

といいますのも、今後、景気と感染対策のバランスというのも大事ですけれども、ここに書いていますように、今後、制度設計を行っていくという意味では、民間と政府系金融機関の間、政府系金融機関も複数ございますので、その辺をどう整理していくのか。特に今後、取りあえずの資金繰りから、資本性資金というよりも資本というのが求められていく中で、その辺を取りあえずDisaster Ricovery,危機対応という大変な騒ぎを経て、次は、やはり秩序立てて制度設計を持って進めていっていただければと思います。

以上です。

〔池尾分科会長〕いかがですか。理財局に対して質問があったようですけど。

〔小澤計画官〕おっしゃることは極めてよく分かるんですが、どのように整理をされているかということについては、ちょっと検討させてください。すみません、一言で回答し切れないと思いますので。

それから、先ほど江川委員から頂いたご質問について、私のほうから紹介をして、公庫からお答えいただくような形でもよろしいでしょうか。

〔池尾分科会長〕はい。

〔小澤計画官〕それでは、ちょっとこの場をお借りして、私のほうから江川委員のご質問について簡単にご紹介いたしますと、2点ありまして、1点目が、コロナのために融資を拡充しているというのは極めて大事なことなんだけれども、コロナの対応のために必要な、事業を継続していくために必要な資金繰り支援というものと、そうではなくて、事業再生していけなさそうな事業者というものをどういうふうに区別をしているのかという、事業継続していけそうな事業者とそうでない事業者をどのように区別をしているのかということが第1点。

それから、第2点目は、全体として今回の融資額が増加していますが、返済に関しての見込みについてどのような見解をお持ちかと。そういったことだったかと思いますが、江川先生、間違いがあればちょっと補足をお願いしたいんですが。

〔江川委員〕1点目はそのとおりで、特に飲食・観光業というのは、今後、人口減少・高齢化で、競争力ということが非常に重要ですので、その観点からご質問しました。

2点目もおっしゃっていただいたとおりで、既にご発言された土居委員、工藤委員などとも問題意識は共通しておりまして、ポストコロナへの円滑な移行ということで、どういうふうな見込みを持って対応されているのかというのをお伺いできればと思います。

〔池尾分科会長〕公庫の方、お願いします。

〔日本政策金融公庫中小企業事業本部奈賀事業企画部長〕中小事業の奈賀と申します。ご質問の点のほうについては、今回のコロナ対応の中の制度を分けてご説明させていただけたらなと思います。

1つは、コロナ特別貸付のほうでございますが、基本的に、このコロナ対応の中においても、一時的な資金繰り支援を使命としてやっている対応でございますけれども、この審査に当たってのスタンスというのは、もしコロナの影響がなかったらどうだっただろうかという観点で、親身にご相談に乗らせていただいていると。

つまり、このいわゆるコロナ特別貸付の観点においては、コロナの中においてどう事業を変えていくかとか、あるいはポストコロナはどうかというよりは、もしコロナがなければ一部事業を回していただける、こういうご経営をされてきていると。こういうご実績を基に踏み込んだ判断をさせていただいているというところでございます。

一方、8月以降施行されております新型コロナ対策資本性劣後ローン、こちらのほうについては、まさにコロナ等の中で自己資本が毀損するなりという状況の中において、今後どう事業を立て直していくのかと。今後の方向性について、ご経営者がしっかりと計画を持って臨んでいかれる。こういう方を公庫が民間金融機関と一緒に支えていく。こういう形で臨んでいるわけでございます。

したがって、ポストコロナへの円滑な推移といいますか、これをご支援という観点からすると、この新型コロナ対策資本性劣後ローン、こちらを中心に、今まさに、民間金融機関と手を組んでやらせていただいていると。こういうふうな形でございます。

まだまだコロナ禍の真っ最中でございますので、しっかりとお客様の声、それから、一緒に支えていただける民間金融機関との情報交換をしっかり取って進めてまいりたいと考えてございます。

以上でございます。

〔池尾分科会長〕返済見込みの感触はどうですかね。

〔日本政策金融公庫中小企業事業本部奈賀事業企画部長〕返済見込みの観点につきまして言うと、先ほど申し上げました、最初のコロナ特別貸付の件でございますけれども、もしコロナの影響がなければしっかりと事業を回していけると。こういう状況を確認することによって、ご返済能力といいますか、そこをご判断させていただいているというところでございます。

もちろんこれだけコロナの影響が長くなってきておりますので、今後、同じスタンスで臨めるかどうかについては、よくよく考えていかなきゃいけないかなというふうに考えてございますが、まずはお客様の状況に寄り添って、しっかりとご相談させていただくというふうに思ってございます。

以上でございます。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。

では、次、原田委員、お願いします。

〔原田委員〕ありがとうございます。

〔池尾分科会長〕短めにお願いしますね。

〔原田委員〕はい。質問が1点と、意見1点です。意見については、土居委員、工藤委員、江川委員おっしゃったことに関連していまして、債権管理の徹底をぜひお願いしたいということになります。コロナ対応で非常事態に対処していただいているというのはよく分かります。

特別貸付の実質無利子化ということで、これは形式的には普通債権ですけれども、実質的には条件変更債権のような面もあるかと思います。ストックで見ましても、今年は非常に積み上がっているという状況ですので、モニタリング、各種ディスクロージャーのほうを徹底していただきたいということを繰り返しお願いします。

この分科会では、前回、政策コスト分析というのをやったんです。日本公庫さんのほうにも共有されているかと思うんですけれども、政策コスト分析では、日本公庫は貸倒れによる影響がとても大きいというふうに出ています。

これは将来の国民負担の額を試算しているものですので、償還確実性ですとか融資条件の妥当性のチェックなど、こういったことも含めてリスク分析の材料にしていただきたい。信用保証がついているからというふうにうやむやにせず、今後も報告をしていっていただきたいというふうに思います。これが意見になります。

1点、質問は、11ページになります。先ほど細かい数字なので割愛するというふうにおっしゃったところです。3年度の要求、これについて一言でもいいのでご説明いただきたいです。2年度当初の予算と補正を合わせるとかなりの金額になるんですが、9月末までの速報値を、これを仮に2倍したとしても、まだ10兆円ほど余るんです。そうすると、3年度の要求について、妥当性という観点から一言ご説明いただけますでしょうか。お願いいたします。

〔小澤計画官〕私、小澤から回答させていただきます。今回の公庫の要求に関しましては、コロナ融資の規模があまりにも大きくて、将来が見通しにくいということもありまして、国民事業、中小事業ともに基本的には当初計画、3年度要求につきましては、2年度当初計画とほぼ横置きというような数字の置き方になっております。

ただ、これが適切かどうかという話はあると思うんですが、ここに書いている数字も含めて、今後編成過程で検討していきたいということであります。

〔池尾分科会長〕そういうことですね。コロナの影響が大き過ぎるから、これを議論してもあまり始まらないということですね。

次、中里委員、お願いします。

〔中里委員〕どうもありがとうございます。丁寧なご説明ありがとうございました。

この春先を振り返ってみると、コロナ禍で大変な中で、日本公庫さんが膨大な業務量をこなしてくださって、そのおかげで資金繰りがきちんとついて、安定的に大変な時期を乗り越えることができたと思います。これはちょうど政府、財政投融資がショックに対するクッションとして機能する役割をきちんと果たしたということで、すごくよかったことだと思っています。

ただ、この先を考えたときにちょっと考えないといけないことがあると思うので、その話を少しさせてください。それは何かというと、今のようなモードでこれからも政策対応を続けていくということを、どこまで続けるべきかということなんですね。例えば日銀短観などを見ていても、資金繰りはだいぶ改善してきています。一方で、倒産は少ないんですけど、休廃業が例年より非常に増えていて、これが心配な方向に働くわけですね。そうすると、こうした中で、もちろん両にらみで見ていかないといけないわけですが、今の危機対応モードでの政策対応をどこまで続けていくか、あるいは「出口」をどうやって出るかということをやはりきちんと考えておかないといけないと思うんですね。

これは財投だけじゃなくて、ゼロゼロ融資、実質無利子・無担保融資は民間金融機関も行っていますし、それから、無利子の部分は、一般会計からお金が出ているわけですよね。ですから、これは単に財投だけでなく、より広い枠組みの中で見ていかないといけないんですけれども、どういう形で最終的に出口を出ていくのかということも意識しながら、来年の編成というのを考えていく必要があると思います。

それから、業務量の拡大について先ほどから何人かの委員の方からお話がありましたが、これについては、今、民間でも実質無利子・無担保融資をやっていて、それを日銀がバックファイナンスしているわけで、この枠組みでちょうど財投でやっているのと同じことができているわけですね。ですから、そこで受けるという方法もあると思います。

1つだけちょっと質問させていただきたいんですけど、資料の5ページのところだと思いますけれども、新型コロナの感染拡大後に平均貸付期間が伸びているんですね。運転資金であれば短めのものが出ているんで、平均貸付期間が下がっていてもおかしくないんじゃないかと思うんですけど、公庫のご担当の方がいらしているので、この点、お話を伺いたいと思います。

以上です。

〔池尾分科会長〕質問事項、お答えいただけますか。

〔日本政策金融公庫国民生活事業本部田中事業企画部長〕国民事業の田中からご説明します。貸付期間のお話、ご質問いただきました。これにつきましては、先生のご指摘のとおりでございまして、運転資金がほとんど98%ぐらいを占めています。これにつきましては、1つには、制度上のコロナ特別貸付の貸付期間の上限が、運転資金で最長15年になっているということで、一般的な5年、7年の運転資金の制度の貸付期間に比べて、長期に制度として設定されているということが1点と、もう一つ、ご利用されるお客様の側が、先行き不透明な状況の中で、資金繰りの安定を図るために、長期の期間を希望するお客様が多いということがございまして、こちらに記載させていただいた平均の貸付期間がやや長期化しているということでございます。

以上でございます。

〔中里委員〕どうもありがとうございます。ゼロゼロ融資は、これ、3年たつとゼロゼロでなくなるので、そういうことも含めて、少しいろいろなことを考えながら続けていっていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

以上です。

〔池尾分科会長〕じゃ、冨田委員、お願いします。

〔冨田委員〕ありがとうございます。まずは、この流動性支援によりまして、倒産がすごく抑えられたということは、効果として十分認識しておくことが大事だと思いますが、今、中里委員ご指摘のあった問題は私も変だなと思っていまして、どこかでやっぱり期限が切れていないと、繰上償還の仕組みとか、そういうものがないと、なかなか解消していかないわけですので、そういうものが、先ほど中里委員ご指摘の3年ということ以外に何か方法があるのかどうかということが1点目。

それから、2点目に、先ほど資本性劣後ローンのお話を伺いました。資料の後ろにも労働生産性の向上の話がありますけれども、資本性劣後ローン、出足がまだ少ないように思います。これからの年度末に向けての展望等をお教えいただけたらと思います。

以上です。

〔池尾分科会長〕いかがでしょうか。

〔日本政策金融公庫中小企業事業本部奈賀事業企画部長〕今、新型コロナ資本性劣後ローンの状況についてご質問いただきましたので、お答えします。8月からでございますが、9月末時点で、これ、決定ベースで申し上げますと、406件、795億のご融資が既に決定してございます。私ども、いわゆるこういう資本性劣後ローンのような制度というのは、10年ほど扱っていますけれども、この僅か2か月でこれぐらいの決定というのは、まれに見るスタートダッシュの状況かなというふうに思っています。

実はこの10月半ばぐらいになりまして、決定ベースでございますけれども、既に1,000億円は超えてございます。事程左様に、この制度についてのご要望というのは、お客様、それから、民間銀行様のご関心も非常に高いんだというふうに実感してございます。

以上でございます。

〔冨田委員〕すみません。実質無利子・無担保のほうのエンドをどういうふうに決めておられるか。期間だけ見ると9年超ですけれども、繰上償還についての何か仕組み等、ないんでしょうか。

〔日本政策金融公庫国民生活事業本部田中事業企画部長〕これは制度のことになりますけれども、今、実際にコロナ特別貸付の中では、もちろんお客様のほうからご要望がございましたら、繰上償還を受け入れるということはございますけれども、制度として何か限度を設けて繰上償還をさせるというような制度のビルトインはされていないということでございます。

以上でございます。

〔冨田委員〕そうですか。

〔池尾分科会長〕じゃ、そういうことで。

翁委員、お願いします。

〔翁委員〕少し関連しますけれども、2点、ちょっとお伺いしたいと思います。

私も資金繰りをきちんとつけていただいたということでのご対応については大変評価しておりますけれども、中里委員のご指摘にもありましたけれども、多くの企業が今後過剰債務問題に苦しむ可能性はないのかということについてやや懸念を持っております。その意味で、先ほどご要望があったのでというご説明を頂きましたけれども、これに対して、過剰債務問題という観点でどういうスタンスで公庫さんは臨まれたのかというのが1点目の質問です。

あと、2点目は、資本性劣後ローンの活用というのは、私もビジネスモデル改革をしていく上でとても重要なツールだと思っていて、ぜひこれを活用しながら支援していただきたいと思っているんですけども、非常に数が増えているということで、どういうふうに人材面で再生とか、そういったノウハウの提案を今増強されているのか。この2点を教えてください。

以上です。

〔池尾分科会長〕お願いします。

〔日本政策金融公庫中小企業事業本部奈賀事業企画部長〕中小事業奈賀でございます。それでは、先にお答えしやすい後ろのほうのご質問のほうからでございますが、資本性劣後ローンの体制でございますけれども、先ほどちょっと申し上げましたように、実は日本公庫としまして、これ、10年の歴史がございます。この10年間をかけて、公庫として約5,000億円規模の今ストックベースで、資本性劣後ローン、既に実績としてございます。この年月、それから、この規模の中において、どの支店においても、ご相談、審査、実行できるようなノウハウを積み上げてきたというところでございます。

したがって、こういうこれまでのスキル、経験等をしっかり、また、最近力を入れております民間金融機関連携の動きをしっかりと活用させていただきながら、現在取り組んでいるというところでございます。

次に、過剰債務問題の観点に対するところでございますけれども、もちろん私どものほうも金融機関でございますので、お客様のご返済負担というのは頭に入れております。したがって、明らかにお申込み金額が多過ぎるんじゃないかというふうな気づきがある場合については、よくご相談に乗らせていただく場合もございます。やはりお客様の事業規模であるとか、資金繰り状況であるとか、そういったものもいろいろご相談させていただきながら、適切なお借入れ規模、いくら、当初3年間実質無利子、こういう場合であったとしても、最終的にはご返済が生じますので、そういう資金繰りの中でのご相談に乗らせていただいているという考えでございます。

以上でございます。

〔池尾分科会長〕それでは、まだまだ議論したいことはあると思うんですが、日本公庫につきましては、そろそろこの辺りで質疑を終了したいと思います。どうもご苦労さまでした。日本政策金融公庫の関係者の皆様にはご退席いただきます。ありがとうございました。

((株)日本政策金融公庫退席)

((株)国際協力銀行着席)

〔池尾分科会長〕それでは、次に、株式会社国際協力銀行について、小澤計画官より要求の概要及び編成上の論点の説明をお願いしたいと思います。小澤計画官、よろしくお願いします。

〔小澤計画官〕よろしくお願いします。時間も押していますので、できるだけ簡潔にご説明をしたいと思っています。

まず、1ページでございますが、目次でございます。先ほどと異なりまして、まずはJBICの要求の概要をお話した上で、編成上の論点に移っていきたいと思います。

3ページをご覧ください。これが頂いている要求の概要の数字でございます。ここで、一番左側の赤枠で囲っている部分をご覧ください。赤枠の一番上、3年度要求につきましては、事業規模については2.7兆円という形で、2年度計画の2.4兆円に比べると3,000億円増となっております。

この赤枠の下のほうをご覧いただきますと、財源がいろいろ書いてありますが、財政投融資は1兆5,610億円ということとなっております。いろいろ数字がありますが、ここでご議論いただきたいのは、産業投資です。産業投資につきましては、関口からもご紹介ありましたが、昨年度、2年度計画800億円のところが3年度要求1,600億円というふうに倍増になっております。この要求については、以下の、次のページのような資料を頂いております。

JBICが行っているようなインフラ・資源開発事業やM&Aについては、大規模化、長期化が進んでいます。また、国際競争も熾烈になっている中で、ホスト国は民活事業を推進する中で政府としての関与を抑制しているということで、個別案件のリスクはむしろ高まっているんだと。

それから、2つ目の丸、海外展開支援等は、民間金融機関だけで十分な資金供給を行うことは困難であり、結果として民間金融機関に比べて、特定の途上国もしくは特定の債務者に与信が集中する傾向にあると。

よって、必要なリスクバッファや原資として、一般業務勘定で1,500億円、特別業務勘定で100億円が必要だというようなことであります。

ここでは、次に、2.7兆円という事業規模の規模感についてご説明をしたいと思います。まず、ここで濃いブルーのところをご覧いただきますと、これが当初計画値の事業規模です。一番左のところ、平成24年度は2.3兆円となっておりましたが、横のほう、ずっと目を移していただきますと、多少波がありますが、おおむねこの程度の規模で推移をしております。令和3年度については2.7兆円ということで、過去最高の規模の要求となっています。

他方、濃いオレンジの部分をご覧いただきますと、平成24年度の実績値、オレンジは実績値なんですが、平成24年度は2.6兆円となっています。これがややどちらかというと右肩下がりのような形になっておりまして、平成30年度は1.45兆円、また、令和元年度は1.7兆円と。令和2年度はまだ上半期を折り返したところですが、0.66兆円という形になっています。

このような状況の中で、2.7兆円の事業規模というのは達成できるのかということでありますが、JBICのほうから大きく2つの理由を伺っております。まず、6ページでご紹介している成長投資ファシリティというものは、外為特会のドルを活用した海外投融資ということでありますが、今年の1月、一番上段の青い太字で書いてあるところですけれども、質高インフラ・環境成長ウインドウ、それから、海外展開支援ウインドウというものを創設しています。

中段、今年の4月には新型コロナ危機対応緊急ウインドウというものを追加しておりまして、さらにこのウインドウに関しましては、下段、今年の7月に、途上国のみならず先進国向け融資や国内企業向け融資についても対象とするという形で拡充をしています。

それから、新型コロナウイルスの影響で、資金ニーズが変化していくのではないかと。こういったことは積極的に対応していきたいということで、この資料の左側、例えば、火力発電事業ですとか製鉄事業、こういったものについてこれまで支援してきたわけですが、今後は、右側の四角で囲ってありますように、コロナの影響を受けた本邦企業の海外事業を支援していきたいとか、もしくはチャイナプラスワンといったサプライチェーン再編支援を行っていきたいとか、もしくは脱炭素化に資するような海外インフラ事業について支援をしていきたいと。そういったことでありまして、これについては積極的に取り組んでいただきたいというふうに考えております。

そこで、論点に移りますが、論点としては、我々がご議論いただきたいのは、それら一体をもって、今後の自己資本、リスクバッファとしてどのぐらいの水準が必要なんだろうかということであります。ここのブルーでハイライトした部分に端的に記載してありますが、与信集中管理や財務の健全性の観点から、一定程度のリスクバッファの必要性というのは確かに認められます。他方で、これまでの出融資保証の実績ですとか、現在の資本水準を考えると、これ以上の出資がどの程度必要なのかということについて検討すべきではないかということであります。

まず、前者のリスクバッファが必要だというほうの補強材料としてJBICから頂いているものは、10ページです。リスクが拡大している、むしろ増大しているということは先ほどお話ししましたが、この資料の中段、一般業務勘定において、大型承諾済案件というものが記載されています。数百億円ではなくて、数千億円規模の事業について出融資ないしは保証といったことを行っているということであります。

また、下段、特別業務勘定については、これまでもたびたび分科会で議論していただいておりますが、一般業務勘定よりもむしろリスクが高いものを扱っている勘定でありますが、昨年ご議論いただいたときは、特別業務勘定では3件しか実績がなかったというふうに思いますが、今年の6月、2件成約いたしまして、現在5件という状況になっております。

それから、他方で、現在のJBICの自己資本の状況についてご確認いただきたいと思います。11ページの左側のグラフをご覧いただきますと、まず、オレンジ色の棒グラフをご覧いただきたいのですが、出融資保証の残高の推移です。これは平成23年から徐々に増加をしてきまして、平成26年には17.3兆円まで増えています。その後はおおむね横ばいないしは微減といった形で推移をしておりまして、令和元年におきましては15.6兆円ということになっています。

今度、折れ線グラフのほうをご覧いただきますと、これが自己資本比率なわけですが、平成26年の14.5%を底に、現在20.8%まで増加をしています。自己資本の実際の金額ですが、右側の棒グラフをご覧いただきますと、平成22年、青色の棒グラフの2つの数字を合わせると1.9兆円となりますが、令和元年、記載しております3つの数字を足し上げると、2.9兆円ということで、1.9兆円から2.9兆円へ約1兆円増加しているという状況であります。

自己資本比率の改善に当たっては、分子である自己資本の充実のほかに、分母であるリスクアセットを縮小するという観点もありまして、これまで分科会においても債権流動化についてご議論いただいております。右側の資料、右側の表に記載してありますように、過去6年間の数字を足し上げますと、JBICの過去6年間の融資承諾額全体に占める7%を流動化できるんじゃないかということで、流動化の対象にトランシェ分けしたもの、この債権が約7,500億円ありますが、うち実際に売却したものは約1,000億円ということであります。

このような状況を踏まえまして、これまで過去、特別業務勘定や、もしくは債権流動化等々に関する議論をこの分科会でしていただきました。また、昨年6月に、産投出資に関する報告書も頂いています。これらを踏まえて、JBICにおけるリスクバッファの適切な水準や既往出資の活用の状況について検討を行っていく必要があるのではないかというふうに考えております。

説明は以上です。よろしくお願いします。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。

ただいまの計画官の説明を踏まえまして、委員の皆様方からご意見をお願いしたいと思います。なお、要求側の方々にも質問していただいて結構です。それでは、よろしくお願いします。

工藤委員、お願いします。

〔工藤委員〕ありがとうございます。最初に1つ質問させていただきたいと思います。自己資本の水準の妥当性について財務省さんからご指摘がありましたが、JBICのお考えをお伺いしたいと思います。水準の妥当性を議論するのであれば、自己資本がどのような種類のリスクに対するバッファなのかという点について知っておく必要があるのではないかと思われます。

来年度の事業規模2.7兆円というのは、具体的にどのような中身を想定されているのか、現時点でお分かりの範囲で教えていただければと思います。まず、ご質問させてください。その後1つコメントさせてください。

〔池尾分科会長〕じゃ、機関の方からお願いします。

〔国際協力銀行内田経営企画部長〕質問を2つ頂きました。自己資本水準の在り方なんですが、先ほど計画官からご説明ありましたとおり、個別案件の高リスク化、巨額化、これが進んでおります。公的機関のリスクテイク機能の強化、これがうたわれて久しいですが、今後もこの要請に応えていく必要があると考えています。

自己資本比率の、あるべき水準についてですが、リスク管理については、自己資本比率だけでなくて様々な管理をしていることから、一概に申し上げることは困難なんですが、現行の自己資本比率は20.8%、一般業務勘定のほうについては約18.7%。来年度2.6兆円を実行した場合、もちろん回収もありますが、それも加味して18.5%ぐらいの水準になると。ですから、2.6兆円を前提とした場合に、現行と同程度の自己資本比率の水準を維持する金額として、1,500億円というように申し上げてございます。

2点目の質問ですが、来年度の事業規模2.6兆円で想定される事項ですが、7ページをご覧いただきますと、今後想定される取組みということで、幾つか切り口が記載されております。先ほど計画官から説明あったとおりでございます。

この中でポイントは2点でして、1点目は、現在の政府の施策で、成長投資ファシリティ、こちらのほうは6ページに記載がございますが、これが来年の6月末を時限として設定しているメニューでございます。

企業の資金繰りにつきましては、コロナ禍の状況下、予断を許さない状況なんですが、昨年度末コロナが発生して、やはり企業の資金繰り、特に大企業については、3月から5月ぐらいに大幅な資金調達をしたと。年度末、年度初めというタイミングでございます。

今年度も、今後コロナが終わってくれると一番望ましいんですが、今年度末、来年度初にかけてというところは想定しておく必要があるということが1点と、それから、7ページの4ポツ目に事業開発等金融の活用ということで、日本企業に対する成長投資ファシリティの利用だけじゃなくて、かなりコロナで傷んでいる日本企業が多く進出している国の地場のサプライチェーンの支援について、今年度は例年度と異なりまして、約5,000億円規模の想定を置いてここを増やしてございます。以上でございます。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

じゃ、コメントお願いします。

〔工藤委員〕ありがとうございます。自己資本額の妥当な水準というのは、様々な要素によって決まっていくものと思いますので、自己資本比率の推移のみで判断できるものではないということだと理解しております。

また、JBICの貸金というのは、民間金融機関よりもある意味、リスクが高い部分もあると思いますので、その分厚く取られるということもあるのかなと思っております。

また、ファイナンスを担当している民間金融機関といたしましては、平時であった前年度までと比べて、幾らがいいのかというところは正直言って分かりませんけれども、足元で要求額が増額しているということについては、コロナ禍の環境や、JBICが担う政策金融としての役割を踏まえれば、理解できるかとは思っております。

加えて、足元の円高の環境下で、日本企業にとってはM&Aを進める好機でもあり、案件が大規模化していく中、6ページに成長投資ファシリティの話もありますが、JBICに期待される外貨の出し手としての役割はますます大きいと思っています。また、特別業務につきましても、これから新しいインフラ輸出戦略などを検討される中で、日本としてもコロナや気候変動に対応した新しいビジネスを輸出していかなければならない、前例のないリスクにもチャレンジしていかなければならないと思っており、そういうところにこの業務の意味があるのではないかと考えております。

以上です。ありがとうございました。

〔池尾分科会長〕じゃ、野村委員、お願いします。

〔野村委員〕ありがとうございます。質問を3つしたいと思います。

1点目が、5ページの今年の要求額ですが、ここは今、工藤委員からお話があったとおり、JBICの重要な事業内容を考えると、多過ぎるとは申し上げませんが、ただ、ここにありますように、今まで予算額と実績値が大きく乖離している。執行額、執行率が低いということですね。平常時もそれが続いてきたというのはなぜか。何か運営体制に問題があったのかどうか。予算額と実績値の乖離が大きく、しかも続いてきたという問題について、どういう背景があるのかをお聞かせいただきたいというのが1点目です。

それから、2つ目が、7ページ目、今後想定される取組みの内容についてはご説明いただいたとおりですが、脱炭素化に向けての対応という文言もあります。昨晩の菅総理の所信表明演説にもありましたとおり、政府が2050年に向けて目標を掲げて進めていこうとしている、そうした流れの中で、直近、バングラデシュへの火力発電事業への支援が決定されていたことに少し違和感を覚えます。今後、脱炭素化という流れに向けて、何らかの投資のルール決めなどが必要なのではないかと個人的には思うのですが、その辺りのお考えをお聞かせいただきたいということです。

3点目が、10ページで、大型案件を筆頭に、武田薬品のShireの買収に関して、4,200億円融資したというデータがありますが、これに私はかなり違和感を覚えるところです。業界再編に深く関わるような案件、しかも武田薬品の経営判断、経営戦略についてかなり賛否が分かれるようなところに政府系金融機関が巨額の融資をするにあたり、どのような判断がなされたのか、その判断基準について教えていただきたいと思います。以上3点です。

〔国際協力銀行内田経営企画部長〕それでは、質問3点、ご説明させていただきます。

まず、5ページの予算と実際の執行額との乖離ということで、計画官からご説明いただきましたとおり、予算については、当初予算と、補正予算がございます。補正予算につきましては、政府の新規政策の発表等に伴って措置されることが一般的でございまして、なかなか過去の実績と単純比較することが困難でありますので、補正予算後ということになると、乖離幅が大きいと。昨年度につきましては、当初予算との関係ではこれは上回っていないんですが、1.7兆円の実績、そして、2.2兆円の予算ということで、78%弱というようなことになってございます。

この予算の事業規模については、コミットメント、つまり契約の調印ベースではございませんで、貸出しの実行でございます。契約の調印については、お客様がそれを大事にしますので、そこに間に合わせるということ。実行については、プロジェクトの資金ニーズに応じて出していく。M&Aなんかですと、調印して売買の成立にお金の決済が必要なんで、それに合わせるということなんですが、それを無理に貸すというようなことは当然しないというような事情がありまして、プロジェクトの進捗によるところがあるということとご理解いただければと思います。

質問の2番目で、脱炭素でございますが、これはまさに経済産業省ほか環境省、それから外務省、財務省など政府とも相談しつつ、個別案件についても進めていくということなんですが、特に石炭については、いわゆる政府の中では4要件というような、石炭の取上げ基準がありましたが、これは厳格化という方向で変わりまして、新たな考え方の下でやっていくと。

天然ガスにつきましては、まさに今年度、日本国内においてもエネルギー基本計画の見直しがあるということで報道されているとおりだと思いますが、トランジション的なエネルギーということで、一足飛びに天然ガスも行わないというところまではなかなか行きにくいので、これをどう扱っていくのかというところが今後の議論だと思います。いずれにいたしましても、これは政府の方針に大きくよるところがありますので、今後もよく相談しつつ進めていくということでございます。

ただし、再生可能エネルギー、こちらのほうは政策的にも重要だということで、海外の案件についても、太陽光、地熱、水力、そして、新たなエネルギーとして水素、こういうものも対象に支援していくということで、そちらのほうはJBICのマーケティング形成に主な役割が果たせればというふうに考えてございます。

最後に武田薬品のShireでございますが、これ、JBICの承諾規模だけで4,200億円ということで資料にあります。買収自体は兆の単位を超えるような規模でございまして、借入れだけではなくて、株式、資本市場から調達ということもやっている案件でございます。このJBICの中での議論につきましては、この金額になりますと、最高意思決定機関である取締役会に付議するということで、案件と政策の整合性ということを議論しましたし、そして、もう一つは、やはり経営の考えをダイレクトに聞くということが大変重要なので、武田薬品の社長と我々トップ、総裁との間で経営の考え方について聴取するということを踏まえて、取締役会で議論ということをやってございますし、その後もそれで終わりではなくて、その後の状況を武田薬品から伺うというようなことでモニタリングするということをやってきてございます。

以上でございます。

〔池尾分科会長〕ちょっと時間がなくなってきたんですよ。だから、次の委員の方々、どうしてもという質問がございましたらお願いしたいと思うんですが、全員の方に今のような調子で聞いている時間的な余裕はもうないんで、どうしてもというのがあればお願いしたいということで、よろしくお願いします。

じゃ、冨田委員。

〔冨田委員〕すみません。極めて手短に。自己資本比率の向上に向けて、資料では債権の流動化についてありますけれども、協調融資もいろいろやられているわけですけども、その両者の関係についてですね。だから、流動化だけが目標なのか、やはり目標として協調融資も入り口段階で拡大すれば、自己資本比率の向上につながるわけですけれども、そこら辺はどうなっているかということ。両者の関係についてお教えいただきたい。

〔国際協力銀行内田経営企画部長〕では手短に。融資のほうは、協調融資については、JBICのオペレーションとしては、上限というのを定めています。政策金融として真に必要な部分ということで、個別に協融行と協議しながら金額を決める。あくまでも上限ということで、プロジェクトファイナンスみたいなものになりますと、日本のスポンサーの割合が少ない場合もあります。その場合、我々が過度に融資を出すようなことはバランスとしても良くないんで、例えば中国勢と一緒にやるようなエネルギー案件では中国側に多く出させるというような工夫をして、我々が出す分をなるべく少なくするというようなことは、リスクの観点、そして、民業補完の観点でやってきてございます。

流動化のほうにつきましては、これはもともとの始まりは与信集中に対する対応ということが主眼にございました。JBICに求められている巨額融資、これは政策金融機関として大変価値があるというふうに、民間の金融機関、投資家の皆さんから評価いただきまして、これをやるんですが、工夫をしないと、無防備というか、体制としてよろしくないというような議論を10年ほど前からやりまして、6年から7年ぐらい前にこういうような仕組みを入れて、損失が発生することなくいつでも切り離せるような仕組みを導入しようというようなことで考えていまして、どちらかというと、流動化のほうは我々の銀行の中では、与信集中に対する対応と。もちろん、今、売却の対象も外貨建て債権が中心なので、なかなか売却は難しいんですが、地銀等、国内の資金需要が今はあるんですが、なかなか難しいというところで、海外にもという地銀には、一旦我々がクローズさせて、完工して、安定したものを買いたいというお客さんがいまして、これは後からの民業補完ということで意味があると思ってございまして、取り組んでいるところでございます。

以上です。

〔池尾分科会長〕それでは、次に、原田委員、どうしてもということでしょうか。

〔原田委員〕すみません。2つお伺いしたかったんですが、1つだけ。今、冨田委員がご質問なさったことに関連して、少しだけお願いします。

債権流動化のところなんですけれども、昨年は流動化を促進するということが書いてありましたが、今年は書いていなくて、この背景には、流動化に係るコスト面のことが関係しているのかと気になりました。

あと、流動化というのは、なぜ証券化と言わないのかということについても、すみません、一言だけお答えください。

以上になります。

〔国際協力銀行内田経営企画部長〕促進と書かなかったことにあまり大きな他意はないんですが、これ、JBICの中期経営計画の中で、定量的な目標を立ててやってきてございます。その意味では、中期経営計画、今年で3年目の最終年になりますが、1年目、2年目、3年目というところでは、目標値は昨年に比べて増加させているということでございます。

それから、流動化について証券化となぜ言わないかというところでございますが、流動化の方法、真正譲渡、それから信託方式等々いろいろなやり方があるんですが、真正譲渡は証券化を絡ませないでやりますので、ワーディングとしては、もう少し広い言葉、証券化よりも広い言葉として、流動化という言葉を使わせていただいております。

以上です。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

それでは、まだまだ議論したいんですけど、時間がなくなってしまっているので、この辺りで質疑を終了したいと思います。

それでは、国際協力銀行及び担当部局の皆さんにはご退席いただきます。どうも誠にありがとうございました。

((株)国際協力銀行退席)

〔池尾分科会長〕本日、各委員より頂戴いたしましたご意見等については、今後の財投計画の策定に活用していただければと思います。

事務局より何かございますか。

〔小澤計画官〕本日頂戴いたしましたご意見を踏まえて、編成を進めてまいりたいと思います。どうもありがとうございました。

〔池尾分科会長〕それでは、時間が過ぎましたので、本日の議事はここまでといたします。

ご議論いただいた内容のほか、追加のご意見、ご質問がございましたら、いつも申し上げていますが、事務局までお寄せいただければと思います。

また、本日の議事内容につきましては、この後、事務局より記者レクを行います。議事録につきましては、委員の皆様方のご了解を頂いた後、財務省ホームページに掲載いたします。

次回は11月20日金曜日14時から、地方公共団体等についての審議を行う予定としております。

本日はご多用中のところ誠にありがとうございました。これにて閉会いたします。

15時30分閉会

財務省の政策