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財政投融資分科会(令和2年7月13日開催)議事録

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財政制度等審議会財政投融資分科会
議事録

令和2年7月13日
財政制度等審議会


財政制度等審議会財政投融資分科会議事次第

令和2年7月13日(月)13:30〜15:25
(オンライン開催)

  • 1.開

  • 2.令和元年度財政融資資金運用報告書

  • 3.質疑・応答

  • 4.令和2年度財政投融資計画補正(一次・二次)について

  • 5.令和2年度政策コスト分析

  • 6.財政融資資金等の実地監査について

  • 7.令和元年度の地方公共団体の財政状況把握の結果について

  • 8.質疑・応答

  • 9.官民ファンドの投資計画に対する検証等

  • 10.質疑・応答

  • 11.閉

配付資料

資料1−1令和元年度財政融資資金運用報告のポイント

資料1−2令和元年度財政融資資金運用報告について

資料1−3令和元年度財政融資資金運用報告書

資料2令和2年度財政投融資計画補正(一次・二次)について

資料3−1政策コスト分析(令和2年度)の概要

資料3−2財政投融資対象事業に関する政策コスト分析(令和2年度)

資料4−1令和元年度の財政融資資金等の実地監査の概要

資料4−2財政融資資金等の実地監査について

資料5令和元年度の地方公共団体の財務状況把握の結果について

資料6−1官民ファンドの投資計画に対する検証等(農林水産省)

資料6−2官民ファンドの投資計画に対する検証等(経済産業省)

資料6−3官民ファンドの投資計画に対する検証等(国土交通省)

資料6−4官民ファンドの投資計画に対する検証等(総務省)

出席者

分科会長

池尾和人

可部理財局長

鑓水理財局次長

嶋田総務課長

湯下財政投融資総括課長

堀納資金企画室長

山本財政投融資企画官

石川管理課長

柴田計画官

百合

高田

野村浩子

渡部賢一

臨時委員

土居丈朗

冨田俊基

冨山和彦

中里

林田晃雄

原田喜美枝

専門委員

川村雄介

工藤禎子


13時30分開会

〔池尾分科会長〕それでは、時間になりましたので、ただいまから財政制度等審議会財政投融資分科会を開催いたします。

今回初めてオンライン会議で開催することになりましたので、まずは事務局の方から留意点の説明をお願いしたいと思います。お願いします。

〔湯下財政投融資総括課長〕財投総括課長の湯下でございます。よろしくお願いいたします。

オンライン会議の開催に当たりまして、何点かお願いがございます。まず、発言者以外の方におかれましては、カメラをオンにしたままでマイクのみミュートの設定をお願いいたします。発言される場合はご自身でミュートを解除し、発言が終わりましたら再度ミュートの設定をお願いいたします。ミュートの設定・解除は事務方において行うこともできますので、適宜こちらでミュートの設定・解除を行わせていただくことがあることをご容赦ください。また、発言を希望される際には、「参加者一覧」の箇所に手のマークの「挙手ボタン」、先ほどご確認いただいたものがございますので、そちらをクリックして意思表示をしてください。その後、座長から指名させていただきます。また、ご都合により途中退出される委員におかれましては、適宜「ミーティングから退出」のボタンを押してご退室ください。

なお、当分科会をオンラインで開催するのは初の試みのため、ご不便をおかけすることもあるかもしれませんが、あらかじめご容赦いただきたいと思います。また、分科会中、不具合等がございましたら、事前にお送りしております事務方の連絡先までご連絡ください。

また、このたび7月10日付で人事異動がございましたのでお知らせします。管理課長の石川でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。以上でよろしいでしょうか。

では、続いて、議事に先立ちまして、委員の皆様方にご報告がございます。

先般、緊急に議決を経なければならなかったため、持ち回り及び書面によりご審議いただきました案件が4件ございました。1つ目は、「令和元年度第一次補正予算に伴う地方公共団体に対する財政融資資金貸付の追加」です。2つ目は、「『交付税及び譲与税配付金特別会計』並びに『年金特別会計』に対する年度越し短期貸付」、3つ目は、「令和2年度財政投融資計画第一次補正」、4つ目は、「令和2年度財政投融資計画第二次補正」についてでございます。いずれの議案も原案どおり承認いただきましたので、改めてご報告申し上げます。

それでは、本日も盛りだくさんなんですが、まずは「令和元年度財政融資資金運用報告書」、「令和2年度財政投融資計画補正について」、「令和2年度政策コスト分析」、「財政融資資金等の実地監査について」、「令和元年度の地方公共団体の財務状況把握の結果について」、そして「官民ファンドの投資計画に対する検証等」の合計6つの議題についてご審議いただきます。

それでは、早速ですが、まずは「令和元年度財政融資資金運用報告書」について、湯下財政投融資総括課長よりご説明をお願いいたします。

〔湯下財政投融資総括課長〕湯下でございます。よろしくお願いいたします。

それでは、議題1でございますが、令和元年度財政融資資金運用報告についてご説明させていただきます。本報告書は、財政融資資金法第12条におきまして、財務大臣は、毎年度財政融資資金運用報告書を作成し、当該年度経過後4か月以内、すなわちこの7月までに審議会に提出しなければならないと定められているものに対応するものでございます。関係資料といたしまして資料1−1、1−2、1−3の3種類を用意しました。資料1−3は、財政融資資金法第12条に基づいて提出します令和元年度財政融資資金運用報告書の本体でございます。資料1−2は、報告書本体の項目に沿って概要をまとめた資料でございます。資料1−1は当該報告書の要点を1枚にまとめた資料でございます。本日は、この資料1−1、令和元年度財政融資資金運用報告のポイントに沿ってご説明させていただきます。

まず、資料1−1をご覧ください。財政融資、産業投資、政府保証の5年以上の長期運用に当たります財政投融資計画の運用状況についてご説明いたします。資料の中段左側にございます(1)財政投融資計画の運用状況のグラフをご覧ください。令和元年度の財政投融資計画の運用額は青の棒グラフでお示ししております12兆5,095億円となりました。このうち財政融資資金の運用額は緑の棒グラフでお示ししております10兆5,808億円となり、改定後現額に対する執行率といたしましては、上の折れ線グラフのとおり、ともに71.7%と例年並みの水準となっております。

続きまして、短期運用実績についてでございます。資料の中段右側でございます。(2)短期運用実績の表をご覧ください。これは運用期間が5年未満の財政融資資金の運用状況でございます。令和元年度中の財政融資資金の短期運用額は、赤枠内の記載にありますとおり403兆8,657億円、回収額は404兆2,728億円であり、令和元年度末現在高は前年度比4,071億円減の9兆5,703億円となっております。なお、令和元年度末現在高の内訳につきましては交付税特別会計が8.1兆円、年金特別会計が1.5兆円などとなっております。

続きまして、財政融資資金の資産の異動についてでございます。資料の下段左側にございます(3)財政融資資金資産現在高のグラフをご覧ください。これは長期と短期を合わせた資産の合計額を示したものでございます。令和元年度末の現在高は前年度比1兆8,766億円減の117兆9,969億円となり、財政投融資改革が行われました平成13年度以降減少が続いております。なお、令和元年度末現在高の主な内訳については、地方公共団体向けが44.2兆円、日本政策金融公庫向けが12.6兆円、都市再生機構向けが9.5兆円などとなっております。

次に、財投債と預託金の状況についてご説明します。下段の真ん中、(4)となっているところでございます。財投債発行残高及び預託金残高のグラフをご覧ください。令和元年度の財投債発行額は12兆3,634億円であり、13兆5,190億円の償還を行った結果、令和元年度末における財投債の発行残高は前年度末比1兆1,556億円減の91兆901億円となり、3年連続の減少となっております。また、令和元年度末における預託残高は前年度比6,581億円減の30兆6,954億円となり、財投改革以降減少が続いております。財投債と預託金の合計額は121.8兆円となり、財投改革前の平成12年度末と比較しますと、資産サイド、負債サイドともに3割以下の水準となっております。

続きまして、令和元年度におけます財政投融資特別会計財政融資資金勘定の貸借対照表についてご説明します。資料の下段の(5)財政融資資金勘定貸借対照表をご覧ください。令和元年度の損益計算書上の利益は赤枠を付しております602億円となっております。この利益は特別会計に関する法律第56条第1項の規定に基づき翌年度に繰り越し、金利変動準備金として整理されます。令和元年度末における金利変動準備金は1兆2,575億円となっております。なお、本年度の利益の発生要因であります貸付利子収入等の運用利回りと財投債及び預託金利等の資金コストとの金利差は、平成30年度で0.1%であったものに対し、令和元年度では0.05%と年々縮小しており、これを受けて、利益につきましても昨年度の1,339億円から602億円に減少している状況でございます。

なお、この点につきまして、恐縮でございますが資料1−2の11ページをお開きください。602億円というのが本年度利益のところに書かれておりますが、下の注書きのところでございます。令和元年度利益を現金主義で整理した歳入歳出決算上の剰余金で見ますと135億円となっておりまして、一昨年度2,048億円、昨年度1,245億円と縮小傾向となっております。

次のページ、12ページをお開きください。こちらの点につきまして、平成26年度の当分科会で取りまとめていただきました報告書の抜粋でございます。下線部の箇所でございますが、財投特会が債務超過になる可能性は小さいものの、平成28年度から赤字に転落するリスクが発生し、平成32年度以降は赤字が複数年継続するリスクが高まっていることが指摘されております。

また、その対応といたしまして、平成28年度期首において一定程度の積立金を確保するとともに、集中復興期間が満了した平成28年度から積立てを継続的に行うことが必要とされております。ページの下にございます積立金残高の推移をご覧いただきますと、このことに従いまして平成28年度より積立金を積み増しており、令和元年度末の積立金残高は1.2兆円となっておりますので、仮に単年度赤字になった場合におきましても直ちに債務超過になる状況ではございませんが、この点につきましては今後とも注視してまいりたいと考えております。

恐縮でございます、また資料1−1にお戻りいただきます。こちらの最後でございますが、令和元年度財政投融資使途別分類についてご説明いたします。資料の下段右側でございますが、(6)財政投融資使途別分類表のグラフをご覧ください。令和元年度の財政投融資計画の運用状況を使途別に見ますと、総額12兆5,095億円のうち、社会資本4兆1,410億円、中小零細企業2兆6,939億円、産業・イノベーション1兆4,340億円などとなっております。

令和元年度財政融資資金運用報告については以上となります。元年度の実績につきましては、十分に分析した上で令和3年度の財投編成に反映させてまいりたいと考えております。今後ともご指導のほど、よろしくお願いいたします。

私からは以上でございます。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。

それでは、ただいまの説明を踏まえて委員の皆様からご意見、ご質問をお願いしたいと思います。挙手ボタンを確認しながら指名いたしますので、そのままお待ちください。なお、ご発言の際に資料を引用される場合には、資料番号と当該ページをおっしゃってください。

渡部委員ですね。渡部委員、お願いします。

〔渡部委員〕ありがとうございます。

質問ですが、資料1−1の1枚紙の右下で使途別分類表というものがございますけれども、この中でパイグラフの3つ目に大きい産業・イノベーション、これは1兆4,340億円と、これには産業投資等も入っていると思うんですが、イノベーションというか、質問ですけれども、何か例えばこういう魅力的な非常にイノベーティブな投資案件があったとか、令和元年度についてこういうことができたみたいな例があれば教えていただきたい。

以上です。

〔池尾分科会長〕事務局からお願いします。

〔湯下財政投融資総括課長〕実例の方はただいま持ち合わせておりませんので、また後ほど調べた上で個別にご報告させていただきます。申し訳ありません。

〔渡部委員〕分かりました。

〔池尾分科会長〕では、林田委員、お願いします。

〔林田委員〕意見を2つほど言います。資料でいいますと1−2の12ページですけれども、ここに書いてあるように財投特会の赤字が見越される中で財務の健全性を確保するというためには、金利変動に対する備え、金利変動準備金をある程度一定水準まで回復させるということが必要だと考えています。かつて民主党政権時代だったと思いますけれども、たしか復興財源のためということがあったとは思いますけれども、何か巨額の霞が関埋蔵金があるかのような認識の下で準備金が取り崩されてしまったと、全額召し上げられてしまったというのは、今さらながらなんですが遺憾なことだと思っています。当分科会では、かなり昔ですけれども財投残高の5%程度を準備金にする必要があるという見解を示したというふうに記憶しております。現在、ALM的な手法が発達しておりまして、その5%で妥当かどうかということは分からないということですが、その必要な一定水準の準備金のレベルというものについて、改めて当分科会としても検討する必要があるのではないかというふうに考えています。

それから、資料1−1にもあったし、資料1−2の13ページにもありましたけれども使途別分類表を見てちょっと感じたことなんですが、最近は新型コロナでありますとか大規模な水害等の災厄が立て続けに起きておりまして国民の生命が危機にさらされると、あるいは経済活動の停滞で自殺者が増える可能性がといったようなことがありまして、中小企業経営や国民の生活が脅かされているということであります。

ですから、財投の配分についても一段と社会資本でありますとか中小零細企業などの分野に偏っていくのではないかと予想されますけれども、むろん危機時に守りや備えを固めるということは非常に重要なことだと思いますが、こういうときにもぜひ攻めのほうも忘れないでいただきたいと。具体的には、先ほど渡部委員もおっしゃって言及された成長基盤の強化といったような投融資についても引き続き力を入れていっていただきたいと思います。

以上です。ありがとうございました。

〔池尾分科会長〕ただいまのはご意見でしたね。特に事務局から何かありますか。

それでは、川村委員、お願いします。

〔川村委員〕ありがとうございます。

今、林田委員が特に前段でおっしゃったことと全く同じ趣旨であります。つまり、先ほどのご説明で金利変動準備金が約1兆2,000億円、資料でいけば資料1−1、1−2、特に1−2でありますけども、135億円が利益として出ている、ただ利ざやは半分になっています。財投のこの原資の大きさに照らし今後、今は超低金利、ゼロだ、マイナスだと言っていますけれども、長期で考えるといつまた跳ね上がるか分からないというリスクが常に伴っている中で、また国の財政一本頼りみたいになっていて、一歩間違えると、財融や産投も補助金的、一般会計的に扱われるリスクも結構あるんじゃないかというところをちょっと危惧しているんです。

そういう中で、特にこの金利変動準備というのは、改めてこの水準で今後20年、30年というタームを見たときに本当に大丈夫なのかという点はきっちりチェックしておく必要があると思います。ですから、これは令和元年度の財投のものに関する意見というよりも、今後にわたって、特に後段以降というか、令和3年度、4年度、この辺りについては特に超大型の補正なんかを打っている後でもあり気になるところで、ぜひ留意していただきたいと思います。これは意見であります。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。

ほかに何か委員の皆様からご質問、ご意見はございますでしょうか。特に追加でございませんようでしたら、1番目の議題に関しては以上で報告を伺ったということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

〔池尾分科会長〕はい。

それでは、続きまして、既にご議決いただいたものでありますが、「令和2年度財政投融資計画補正について」、改めて現在の執行状況と併せまして、再び湯下財政投融資総括課長から説明をお願いいたします。

〔湯下財政投融資総括課長〕よろしくお願いいたします。

それでは、資料2、令和2年度財政投融資計画補正(一次・二次)についてをご覧ください。こちらの1ページをおめくりいただきますと、まず令和2年度の一次補正のほうでございます。追加額10兆1,877億円となっております。ここでご覧いただきますように、その大宗は1.のところでございますが日本政策金融公庫向けの融資でございまして、こちらは9兆3,700億円となっております。特に中小・小規模事業者向け融資ということで(1)となっておりますが、新型コロナウイルス感染症に関する特別貸付制度の拡充ということで3兆1,000億円。また(2)でございますが、中堅・大企業向けを含む危機対応融資で6兆円というようなものになっております。

続きまして、1ページおめくりいただきますと、令和2年度二次補正予算における財政投融資計画の追加でございます。こちらのほうが追加額39兆4,258億円となっております。こちらのほうの主な追加額でございますが、1.として日本政策金融公庫、37兆5,810億円。うち、(1)でございますが、中小・小規模事業者向け融資ということで22兆2,630億円。また、今のところでもご説明しました(2)のところでございますが、中小・中堅・大企業向けの危機対応融資として15兆円というものが主な内容となっております。

また、2.のところでございますが、福祉医療機構1兆3,200億円となっておりまして、福祉医療機構はそもそも申し上げますと医療福祉関係者の新たな病院を設立するとか、あとは高額医療機器を購入するといった投資的事業に関する資金を融資するというのが基本的に例年行っている事業でございますが、今般の新型コロナウイルス感染症対策ということで、昨年度の3月の弾力追加のときから制度改正をしておりまして、こういった医療福祉事業者の運転資金につきましても無利子・無担保の融資を行うようにしております。こちらの金額が令和2年度の二次補正のところで大きな金額となっているのが特徴でございます。

その次のページでございます。こちらを受けまして、令和2年度の一次補正、二次補正を併せますと62兆円という当初計画・改定額になっております。

次の3ページ以降は、今申し上げた元のそれぞれ細かい説明内容が入っております。

それで最後のページ、7ページ目をご覧ください。こちらのほうでございますが、今ご説明させていただきました資料で、実際にどれぐらい使われている状況なのかということをお示しした表でございます。まず、基本的に公庫(国民・中小)、危機対応業務というものは先ほどご説明させていただきましたが、国民・中小の数字が上の段に書いております。この数字をご覧いただきますと、4月−6月の合計額におきまして財投借入額というのは8兆2,650億円となっております。先ほど申し上げましたように一次補正のところが3兆円でございまして、当初計画が3兆円弱ということでございますので、既にそういった公庫向け融資額を超えた金額がもう6月の段階から出ているということでございます。

さらにこの公庫の融資につきましては、今回のコロナに対応するということで非常に窓口に大勢の方々がいらっしゃって、公庫側でもOBの方を再雇用したりとか、あとは手続の簡略化、簡素化といったご努力をされて懸命に対応されているところではありますけれども、制度として、この危機対応業務の中の商工中金という欄でございますが、ここが基本的には中小・中堅企業向けで実質無利子・無担保制度を行うものとして追加され、また下の欄でございますが、民間金融機関における実質無利子・無担保制度というのも、ちょうど一次の補正予算が通りました後、つまり5月1日からスタートしておりますが、こちらのほうがむしろ、先ほどで申し上げますと国民事業のほうに合うような基準で行っている実質無利子貸付制度でございます。こういった制度をそもそも新しく追加で増やすことによりまして、公庫さんの努力等を併せて、現状、4月、5月でかなりの融資申込みとなったわけですけれども、足元では融資申込み件数も落ちついてきているところなので、きちんとした対応は行われてきているというのが現状でございます。

他方、足下のコロナ感染症の増加数とかそういったものを見ますと、今後についても注意が必要というふうに考えております。

以上で私からの説明を終わります。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

質疑は後でもう少しまとめて行いたいと思いますので、説明を続けさせていただきます。

続きまして、「令和2年度政策コスト分析」について、堀納資金企画室長よりご説明をお願いします。

〔堀納資金企画室長〕令和2年度政策コスト分析についてご説明申し上げます。資金企画室長の堀納でございます。よろしくお願いします。

それでは、資料3−1によりご説明いたします。

上段の枠の1つ目の黒丸ですが、令和2年度財投計画の政策コスト分析は、28機関を対象に実施しました。

2つ目の黒丸でございますが、政策コストの合計はマイナス1兆4,388億円となっており、昨年度より4,607億円減少、つまり政策コストが改善する結果となりました。この主な要因は、矢印の1つ目ですが、前提金利の水準低下による機会費用への影響により1.5兆円減少となりました。

右下のグラフをご覧ください。令和元年度の前提金利が黄色い線であります。令和2年度は赤色の線で、さらにイールドカーブがフラットニングとなり、これまでの最低の金利水準となった結果、出資金等の機会費用が減少したものであります。

他方において、2つ目の矢印ですが、財投機関による将来推計の前提条件の見直しによる影響により、政策コストが1.2兆円増加いたしました。これは、新たな中期計画を策定する法人や、業務運営や財務処理方法等の変更などで見直す必要があれば全ての機関に見直すよう要請したところ、都市再生機構が見直したことが大きな要因で膨れております。都市再生機構においては、賃貸住宅業務について、近年の修繕費の高騰等を踏まえて維持費の見直しを行ったことによる増加であります。

3つ目の黒丸ですが、感応度分析において、低金利環境が分析に及ぼす影響を踏まえて、新たに平成28年1月のマイナス金利政策導入前のケースで試算いたしました。再度右下のグラフをご覧ください。真ん中の青線が日本銀行によるマイナス金利政策導入前の平成28年1月28日の国債流通利回りの実績を使用して試算したところであります。当該前提金利により分析した結果、政策コストは3.8兆円増加する試算となりました。昨年度までは一律1%上昇するという前提で分析しましたが、例えば0%で張りついている9年間の金利も全て1%上昇するといったことでここ二、三年政策コストが約5兆円増えるような試算結果となっていたところでありますが、委員のご意見なども踏まえて、今年、新たに設定したものであります。このような前提金利はマイナス金利政策前に戻るだけで3.8兆円増え、政策コストはマイナス1.4兆円が2.4兆円となる試算結果であります。

中段の囲いでありますが、政策コストは引き続きマイナスとなっているものの、将来的な金利水準の変化によるリスクは依然として大きいことを念頭に、感応度分析のように複数の前提の下で政策コストの推移を捉えていくことが重要と言えます。

続きまして、左下の表をご覧ください。左から2列目の国の支出ですが、昨年度より1,142億円減少しております。この要因は、鉄道建設・運輸施設整備支援機構の整備新幹線の建設工事の進捗による分析期間の経過から補助金等が減少したことが主な要因であります。

左から3列目の国の収入ですが、昨年度より1兆1,994億円政策コストが増加しているものであります。これは、先ほど説明いたしました都市再生機構の見直しによる影響であります。

右からになりますが2列目の分析期首までに投入された出資金等の機会費用は2兆9,588億円減少しておりますが、これは先ほど申し上げました金利低下による効果であります。

最後、一番右になりますが1兆4,128億円コストが増加しているのは、これは余資運用益の減少によるものや、政策コストがマイナスだった地方公共団体金融機構が今年対象機関から外れたことが主な要因であります。

簡単ではありますが、以上、コスト分析の説明であります。ありがとうございました。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

では、説明を続けます。次は「財政融資資金等の実地監査について」、石川管理課長よりご説明をお願いします。

〔石川管理課長〕管理課長の石川でございます。今回の人事異動で7月10日付で就任いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。

私からは、令和元年度に実施しました財政融資資金等の実地監査についてご報告させていただきます。資料は4−1、4−2を用意させていただいておりますけれども、資料4−1を使って概要を説明させていただきます。

初めに法人等実地監査につきましては、財政投融資の対象事業を行う独立行政法人等に対しまして、公的資金の貸手としての視点から、対象事業にふさわしい政策的意義、財務の健全性・償還確実性、資金の適正な執行などの実態について、実地でチェックを行っております。

令和元事務年度は、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構、エネルギー対策特別会計、日本私立学校振興・共済事業団の3機関に対して監査を実施しました。資料の実施状況というところの左から1つ目の石油天然ガス・金属鉱物資源機構につきましては、エネルギーや鉱物の開発に係る出融資事業等が財投対象であります。令和元年度の計画額は370億円となっております。産業投資を原資とするリスクマネー供給事業を経理する投融資等・金属鉱産物備蓄勘定におきまして、平成30年度末で約789億円の繰越欠損金を計上していることから、財務の健全性・償還確実性を中心に確認いたしました。監査の結果、リスクマネー供給事業の財務の健全性確保に向け、投融資等勘定全体での収益性向上の取組について検討を求めました。

次に、2つ目のエネルギー対策特別会計につきましては、石油及び石油ガス国家備蓄基地の改良更新工事等が財投対象であります。令和元年度計画額は130億円となっております。施設の老朽化の進行に伴い大規模な改良更新工事が必要となっていることから、その進め方などについて確認いたしました。監査の結果、国家石油備蓄基地等の改良更新工事の選定方法につきまして課題があることから、緊急時の供給体制を維持するため、中長期的な視点に立った工事計画の策定について検討を求めました。

次に、3つ目の日本私立学校振興・共済事業団につきましては、私立学校の施設整備等に必要な資金の貸付けが財投対象であります。令和元年度計画額は291億円となっております。貸付金残高の減少及び運用利回りの低下、並びに耐震改築低利融資による逆ざやの影響によりまして近年収益が悪化し、利益剰余金が減少傾向にあることから、財務の健全性・償還確実性を中心に確認いたしました。監査の結果、貸付事業を経理する助成勘定の収支改善に向けた実効的な取組として、貸付事業の収益確保のための措置や経費負担について検討を求めました。

続きまして、2.の地方公共団体実地監査につきましては、全国の財務局・財務事務所等の資金実地監査官等が、貸付先である地方公共団体に赴き、貸付資金の使用状況及び事業の成果、地方公営企業の経営状況などを実地でチェックを行っております。

貸付資金の使用状況等監査は201団体に実施しました。監査において、貸付対象外事業費の混入など不適切事案を把握し、修正を求めました。また、団体との対話を通じ不適切事案の発生を予防するため、借入れに係る事務処理が適正に行われるよう態勢整備を要請しております。

地方公営企業の経営状況監査は、上水道・下水道・病院事業に重点を置いて318公営企業に実施しました。監査先について、赤字企業は一定数存在しましたが、特に問題がないことを確認しております。今年度も、監査において把握した経営課題に対しアドバイス機能を活用し、課題解決に向けた支援に取り組んでいます。特に上水道事業について、先進事例の情報提供のためのセミナー、勉強会を開催いたしました。

私からは以上でございます。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。

もう1つ説明を続けます。続きまして、「令和元年度の地方公共団体の財務状況把握の結果について」、湯下財政投融資総括課長よりご説明をお願いします。

〔湯下財政投融資総括課長〕よろしくお願いいたします。私のほうからは、資料5に沿って令和元年度の地方公共団体の財務状況把握の結果についてご報告します。

1ページ目をご覧ください。財務局におきましては、財政融資資金の償還確実性を確認する観点から、毎年度、地方公共団体の財務状況の把握を実施し、ヒアリングや診断表の交付を通じてアドバイスを行ってきております。2019年度から既存業務を効率化し、財務の健全化に向けたアドバイス機能の発揮に重点を置くこととしたため、ヒアリング団体数を縮小しまして、全市町村1,741団体のうち194団体にヒアリングを実施しております。

団体の財務状況について、債務高水準、積立低水準、収支低水準の類型で診断基準の該当状況を確認したところ、2019年度のヒアリング実施団体のうち診断基準に該当した団体は66団体でございました。

また、診断基準に該当した団体について、ヒアリングで把握した主な要因を記載したものが下段となっております。まず、1債務高水準の要因でございますが、老朽化した学校施設の更新や耐震化事業などに係る地方債を発行した事例や、土地開発公社の解散に際し、団体が債務保証を行っている公社借入金の償還のために地方債を発行した事例が見られました。

また、2積立低水準の要因といたしましては、学校施設の整備事業や駅前周辺の土地区画整理事業などに充当するため基金の取崩しを行った事例、また病院事業の赤字補てん等のため、基金の取崩しを行った事例が見られました。

3つ目の収支低水準につきましては、消防庁舎整備事業に係る負担金の増加等に伴い、補助費等が増加したことにより収支が悪化した事例や、高齢化の進展に伴う介護保険事業会計等への繰出金が増加したことにより、収支が悪化した事例が見られました。

2ページ目をご覧ください。財務状況把握等を活用しました財務局と地方公共団体の連携事例について、主なものをご紹介いたします。1つ目でございますが、財務状況把握の活用・アドバイス機能の発揮につきまして、東北財務局の事例となりますが、財務状況把握をきっかけとして、地方公共団体からの要望を受け、団体の職員や町議会議員などを対象に財政の理解を促す研修を団体と財務局の共催で実施いたしました。東北財務局では、この研修を実施するに当たって、財務状況把握の診断結果を基に市町村の財政を家計簿に見立て、全国の類似団体との比較要素を入れた東北財務局独自のプログラムを開発し、研修会でタブレットを用いたグループワークを実施いたしました。このほか、他の財務局においても分析結果を地方公共団体に説明するなどしております。

2つ目、地方公共団体の財務健全化に向けた取組事例を収集し、展開した事例でございます。北陸財務局において、PPP/PFIの活用促進のため、県や金融機関等との共催で地方公共団体、地域金融機関、民間事業者などを対象としたセミナーを開催いたしました。

また、中国財務局や九州財務局においても、財務状況把握のヒアリング等で収集した類似団体における取組事例を紹介しております。

3つ目は、財政投融資の周知等により市区町村を支援した事例でございます。関東財務局においては、ヒアリングで把握した地方公共団体の課題を踏まえまして、日本政策投資銀行、PFI推進機構の職員等を招聘し、地方公共団体の職員を対象としたセミナーを行っております。

次のページ以降は参考資料となりますので、ご覧いただければと思います。説明は以上でございます。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

それでは、これまでの説明を踏まえて、委員の皆様からご意見、ご質問をいただきたいと思います。挙手をお願いいたします。ご意見、ご質問のある方は挙手をお願いします。

冨山委員、では、お願いします。

〔冨山委員〕先ほどの緊急融資のところなんですけど、非常に消化されているというのは政策意図的には結構なんですが、現状、多分実際に現場に出ているお金というのはほぼ赤字補てんなんですよね。厳密に言うと資金繰り支援ではなくて、売上げがなくなっちゃった飲食業とか宿泊業とか運輸業に赤字補填上でお金を埋めているという状況で、ウィズコロナは間違いなく長引くので、あれのかなりの部分がきっと貸し倒れます。だから駄目だと言っているんじゃなくて、もうここはしょうがないんで。というのは、後でどなたかから話があると思いますけど、あのゾーンというのは相当な雇用があって、かつ極めて経済弱者雇用なんで、とにかく何とか救っていかなきゃいけないときにこういうお金の出し方は、実は比較的効率的なんで、私はそこには全然反対しないし、出すべきだと言ってきたほうなんですが、一方で、大半が貸し倒れるんですね。問題はその貸倒れ状態になった先が問題で、過去の例だと政府が関わったやつというのは、要は債権放棄もできないわ、要するに税金の問題があるんで身動き取れなくなっちゃって貸しっ放しの状態で、要は過剰債務状態でそういった中堅・中小企業が放置されるということは過去に起きてきていて、それがむしろ状況をさらに長期化、悪化させるということが起きているんです。

そこで私の質問なんですけど、これは別に貸し倒れちゃうこと自体は、正直言って別に公庫のせいでもないし、はっきり言ってウイルスのせいなので、そうなったときに、そのエグジットですよね。例えば債権放棄するなりなんなりするというその処理の仕方について何らかの準備をされているのかどうなのか、その辺をちょっと伺いたいんですけど、よろしくお願いします。

〔湯下財政投融資総括課長〕資料2のところのご質問かと思います。こちらのほうで、おっしゃるとおり一時的な資金繰りということで、当然復活していただいた場合には返していただくということでございますけれども、今回、私どもの計画で大幅に追加をしておりますが、それと併せまして一般会計のほうでも資金繰り対応の強化ということで、合計いたしますと11兆6,390億円が補正予算で措置されておりますが、そのうちの中小・小規模事業者向けの融資に対応する一般会計二次補正予算というのが8兆8,174億円ございまして、この8兆円の中身がまさに実質無利子貸付融資を行うための3年間無利子でございまして、据置期間が5年間ということでございますので、その間の金利分というのがこの主なものでございます。併せまして、公庫のほうにも貸倒れの可能性がございますので資本を追加するという措置を一般会計のほうで行っております。したがいまして、当然、将来これで貸倒れが起きることというのは意識した形で補正予算を組んでおります。

ただ、今ご指摘いただきましたどういう基準で最終決着するかというのは、今後状況を見ながら判断していくということで、今こういった決まった具体的な基準というものまで設けていないところでございます。

〔冨山委員〕今の段階で政治的に用意するのはちょっと難しいと思うんですけど、要は公庫の側の資本充実をしても問題は解決しないので、ポイントは経済全体をちゃんと回すという意味合いで言っちゃうと、要するに前の、20年前の状況もそうなんだけど、みんな資本を入れて、要は金融機能強化法でお金を入れて、それで引き当てするんだけど、引き当てした状態で放置するんですよ、やっぱり。それがある意味では金融機関としては合理的なんですよね。だって、そこで放棄を確定させるよりは、もう引き当てているわけだから、そこでわざわざ放棄して処理する動機づけがなくて、万が一、何か知らないけど生き返ってくれれば、その引き当てたものが戻り益になる可能性があるので、どっちかというと放置するインセンティブが働くし、あのときの私の経験で言うと、特に公的金融機関ほどそこは堅いんですよ、信用協会含めて。そうすると、変な話、公的なところから借りちゃっているほうがちょっと禁断の果実みたいなところがあって、正直言ってそういった整理とか、その後の再生・再編に向かわせるのがすごく難しいという状況が当時明確にありました。

あの当時よりは柔軟になっているという話は聞いているんですが、恐らく今回も相当、だからどこかの段階でちゃんとした制度的枠組みを用意してあげないと、逆に信用協会にしても、あるいは公庫にしても、分かっているけど身動きが取れないという状況がきっと起きる、これは私、100%起きると思っているので、それについて、これは財務省のマターでは直接ないかもしれないんですけど、これは政府全体として20年前の過ちをここで繰り返さないことが大事なので、くどいようですが、ここでお金を出すこと自体は私は反対していません、むしろ賛成派です。しかしながら、必ずそうそういう展開に、これは今回100%なると思っているので、それに関しては相当真面目に用意しておかないと、ポストコロナにおける日本経済のリカバリーを、今出したお金が結果的に足を引っ張ることになっちゃうと全く意味がなくなっちゃうんで、そこはぜひ、これは政府全体マターでありますけど財務省のほうでもしっかり意識してもらって、その用意をしてもらいたいと思います。

以上です。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

それでは、次に工藤委員、お願いします。

〔工藤委員〕ありがとうございます。2点コメントいたします。

まず、資料2についてです。今もお話があった企業の資金繰りについては、民間金融機関としても、資料に載せていただいた実質無利子・無担保融資をはじめ、自治体や政策機関等と連携して取り組んでおります。大手企業については、業種にもよりますが手元流動性資金の確保が一服してきたという感覚があります。一方、中堅・中小・零細企業については、引き続き予断を許さない状況が続いていると認識しています。

今後は、冨山さんのおっしゃった問題もあるかと思いますが、膨れ上がる企業の債務にどう対処するかという論点がまず顕在化してくると思っています。企業が過重債務に陥れば返済が重荷になっていくということはもちろん、財務の劣化によって新たな資金調達も困難になっていきます。影響が一層長期化した場合、及び経済回復局面においてもこれが足かせになっていくということが考えられます。今回、二次補正で資本性資金の枠組みというのも措置いただいていますが、特に出資の形態を取るものについては、企業がこうした状況に陥ることを防ぐために有効な対策だと思っています。引き続き、企業の状況、ステージにおいてどういう資金を出していけばいいのかということを、政府におかれても目配りしていただきたいと思っています。

続いて2点目、資料4−1です。財政融資資金の実地監査についてです。JOGMECについてお話がありまして、収益性に課題がある、繰越欠損金が発生しているというお話がございました。今回の監査では、機構のガバナンスに着目して課題と対策を整理していただいたと理解しており、それは大変意義があると思っています。ただ、財務省だけではないのですが、エネルギー政策全体の中でこれをどう評価するのかという視点も忘れないでいただきたいと思います。例えば政策的な視点から見れば、今の時点でこの程度の欠損金が発生するのは問題ないという考え方もあるのではないかと思いますし、逆に施策として軌道修正すべき点というのがあるのかもしれません。本来そういう大きな視点で捉えていくべきものだと思いますので、ガバナンスの問題にとどまらず、政策的な視座を踏まえて問題の所在を明らかにし、その上で対策を講じていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

では、土居委員、お願いします。

〔土居委員〕ありがとうございます。

私から2点ありまして、まず、地方公共団体の財務状況把握のご報告、ありがとうございます。今年度の実施は非常に現状厳しい、新型コロナウイルス感染症の影響で昨年度どおりにはできないということかもしれませんけれども、毎年やるという継続が大事ですので、件数は多くできないかもしれませんけれども、引き続き、もちろんオンサイトはいいんですけれども、実地にて自治体に対してヒアリングするというところが今年は難しいかもしれませんけれども継続してやっていただくということは大事だと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。

それからもう1つは、実地監査の中でも特に公営企業についてですけれども、今もう既に報じられているように公立病院の経営状況が悪くなっているという話があって、もちろんコロナの影響という意味では特殊事情であるということは承知してはいるんですが、ただ悪化した状況からどういうふうに改善させていくかということは非常に重要なアドバイスといいましょうか、当該自治体にとっても悩んでいるところだと思いますので、それをぜひ、これを機に積極的に監査でアドバイスをしてさしあげていただきたいと。特に病院の赤字というのは、もちろん新型コロナウイルス感染拡大で、いわゆる受診控えをするということで外来に患者が来なかったというようなこともあるし、さらにはコロナの感染者を受け入れるために通常のベッドの数を減らさなければいけなかったということもあるんですけども、これを言うとちょっと語弊はありますが、平時は、本来はそれほど受診しなくてもいいとか、そこまで入院しなくてもいいという患者が、結局この機会に幸いに受診を適切に行ったと、過剰に入院しなくて済んだという面で収入が減って、その分だけ収支を悪化させているという部分もあるわけです。もちろん簡単にそれは色分けできないにしても、平時で過剰だった入院とか受診を適正規模、適正水準に下げたということによって収支が悪化している分まで赤字はコロナのせいだというふうに見てしまうと、経営の効率化に何のいい影響もないということになりますので、やはりそこはきちんと理由づけを分けて、もちろん分析するのはなかなか容易ではないにしても、分析は難しいにしても、理由づけとしてはコロナの影響の部分と、過剰だった部分が適正に戻ったという部分で収支が悪化しているという部分とがあるということを意識しながら、病院事業についての公営企業の経営状況の把握と実地監査、さらにはアドバイスというものをしていただきたいというふうに思います。

私からは以上です。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。

それでは、高田委員、お願いします。

〔高田委員〕ありがとうございます。

私のほうは意見に近いんですけれども、先ほど冨山委員からのご発言にあったところとかなり関連する部分が多いんですが、従来の財投資金というのは、例えば希少性のある資金の配分であったりとか、ある程度いわゆる金融面というんでしょうか、普通のローンというんでしょうか、そうした形での通常のところでの対応ということで、もちろん希少性のあるものを配分するとか、もしくはある程度金利面での補助があるという面での補助金的な、いわゆる第2の予算的な部分はあったと思います。一方、今回の二次補正において、特にコロナの環境下における対応というのは、実際かなり質が違うお金を対応しているんだという意識が私は必要なのではないかと思います。

と申しますのは、先ほど冨山委員からのご発言にもあったんですが、今回のコロナの厳しい業種に対応しての状況というのは、私は「コロナ7業種」というような言い方をしているんですが、具体的には陸運、小売、宿泊、飲食、生活関連、娯楽、医療、福祉というような分野なんですけれども、こういう生活関連のところが非常に厳しい状態になっていて、事実上の赤字運転資金というんでしょうか、ということは、事実上の資本を出しているのと同じような状況になっていると。ですから、従来の普通の融資というところから、エクイティーを対応しているんだというようなかなりの発想の転換が必要なのではないかというふうに思います。

となりますと、かなりの部分が、先ほどのご意見にもあるように資本が事実上の不良債権化するというんでしょうか、ですから事実上の財政政策を行っているのとかなり近いような状況になっていると考えることもできるんだろうと思うんです。となりますと、従来の金融の世界からいわゆる財政、予算の中での位置づけというようなものを総合的にどう管理していくのかというような発想が必要だということだと思います。

それともう1つ、これも先ほどの冨山さんのご発言にありましたように、結局これを出した先、従来であれば、従来の財投に関係した機関というんでしょうか、そうしたところの普通の融資としての回収過程ということでの普通の定常状態での対応ということになるわけですが、今回の場合は、先ほどのお話もありますようになかなか回収が難しい、しかもそれをリストラクチャリングしてどう対応していくのかという次の段階での発想というんでしょうか、また次の段階のところでの対応というものも想定しながら対応していかないとと思います。せっかくこれだけ価値のあるものを対応したにも関わらず、効果というんでしょうか、イグジットができないということにもなりますので、そういうようなかなり発想の転換が必要です。すなわち、質の変化というものを意識した、今後の、単に今回対応するだけではなくて、それが長い時間的な時間軸を持った対応というんでしょうか、こういうものが必要になってくるんだということをちょっと念頭に置く必要があると私は思います。特にこれからもモニタリングというんでしょうか、もしくは変化への対応の重要性というものがあるのではないかと思っております。

私の点は以上でございます。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

それでは、原田委員、お願いします。

〔原田委員〕ありがとうございます。

2点ございます。1つは、先ほどから大勢の委員の方々がおっしゃっている資料2の日本公庫の貸付等に関するところで、日本公庫への追加が第二次補正で37兆円と、これは恐らく余るんじゃないかなと、大分余るんじゃないかなと思っています。日本公庫の窓口が逼迫して対応が追いつかなくてということで民間が乗り出すようになりました。民間も無利子・無担保ですが、これは日銀が0.1%の当座預金に付利するということで、民間はかなり頑張って貸し出すんじゃないかと思うんですが、しかも協会の保証つきです。この7ページにまとめていただいている表がありますけれども、6月までの状況を資料2の7ページにまとめていただいておりますけれども、これを今後も細かくフォローしていっていただきたいなというふうに思います。

セーフティネット保証で4号、5号、それぞれ100%と80%の保証がついているものになっているかと思いますが、民間も含めてそうなっているかと思うんですけれども、それぞれどのくらいの比率なのか、多分4号のほうが多いんじゃないかと思うんですが、各信用保証の比率ごとになど、より詳しく継続して数字を出していっていただきたいなというのが1つお願いになります。

関連して、今日の最後の議題で官民ファンドの検証などの話がありますが、恐らく公庫ですとか民間から借りている先に、官民ファンドの出資先などがきっと交ざっていると思うんですけれども、そういったところも含めてより細かく監視をしていっていただきたいなと。今後何年にもわたってこの問題は尾を引いていくと思いますので、責任の所在というのがきっとどこかで問題になるかと思いますし、財投の分科会だけの議論ではないんですけれども、できるだけ数字で追っていって、責任を追及できるところは追及していくという姿勢を持っていただければというのが1つ目になります。

もう1つは、先ほど公営企業の経営状況のところで病院の運営、病院事業について土居委員からコメントをしていただいたところです。資料4−2の14ページになります。私のほうからは、公営企業の上下水道のことでコメントさせていただきます。過去何度か公営企業の経営状況については具体的に詳細に取り上げていただいておりますが、今回は概要だけになりますけれども、数字を見ていましても過去、長い間、経営状況は改善していない、もしかしたらむしろ悪化しているんじゃないかと思われるような状況が、上水道、下水道で観察できます。右のほうの赤字企業の比率の推移を見ていただきますと上水道が悪化している、下水道は少し改善しているけれども、改善しているかと言われるとあまりそういう数字でもなく、赤字企業の比率は、下水道に至っては半分を超えていますので、ずっと改善しないという状況がもう長年定着しているかのように見えます。収入の増加ですとか支出の削減といったものが実際図られているかどうかというところも見えませんし、セミナーなどを開催していただいているかとは思うんですけれども、努力目標を設置するとか、改善しているところがあるんだったら事例としてお示しいただきたいです。多分しばらく危機対応で忙しく、なかなかこういうところの個々の小さな事業体の状況までは報告いただけないのかもしれませんが、インフラとして重要なところであります。ただインフラとして重要だからずっと赤字でいいんだという議論にはならないと思いますので、ここも継続して、少しでも改善傾向が定着するように監視していっていただければなと思います。

以上になります。

〔池尾分科会長〕それでは、続いて林田委員、お願いします。

〔林田委員〕ありがとうございます。

皆さんが言及されている資料2で、未曾有の危機ですので未曾有の量の財投の枠を用意するというのは仕方がない、やむを得ないことだと思っておりまして、別に補正そのものに反対するというわけではありませんけれども、1つ企業に対する資本性劣後ローンの供給評価についてなんですけれども、一時的に追い込まれた企業を支えて日本の産業基盤を守るという意義は大きいと考えております。ただ、これは財投の対応というのが本当にベストだったのかなという点については、ちょっと考えるところがあります。

冨山委員もちょっと言及されていたかつての金融機関に対する資本増強のための公的資金注入ですが、あのときはたしか交付国債のスキームを使って必要額に応じて真水を入れると。ただ劣後ローンであったり、優先株であったりするので返済義務のようなものは生じるということで、結局戻り益が出たということでありまして、返済に対する規律というものは保ちつつ、一般会計で対応することによって何が何でもやっぱり返さなきゃいけないんだという負い目が若干薄らいで、資本を入れるという意味合いからすると一般会計で対応してもよかったのではないかなと思っています。

財投を今回活用することになった経緯というのは詳しくは承知しておりませんけれども、仮に一般会計が足りないから財投でというような安易な、打ち出の小づち論のようなことで使われることがないように、財投当局にも頑張って政策の立案、調整に当たっていただきたいということが1つです。

それから、2つ目はちょっと質問めいているんですけれども、財務状況把握の資料の中に診断表という言葉は全然出てきていないんです。診断表については、マーケットの規律を高める、効かせるという意味も含めて公開、公表したほうがいいのではないかというのが私の持論でありまして、その点について財投当局として現状でのお考えを聞きたいと。診断表という言葉が出てきていないということに深い意味はないんだとは思うんですけれども、その辺をちょっと確認しておきたいなと思います。

以上です。

〔池尾分科会長〕では、お願いします。

〔湯下財政投融資総括課長〕診断表という言葉がないというのに深い意味はございません。分析結果を地方公共団体に説明するということは変わっておりません。

また、分析結果の中身につきましても、極力公表するように促すという従来の私どもの考え方は変わっておりません。ただ、2019年度につきましては新型コロナウイルスの感染拡大の影響等により、団体との接触が最後の最後、診断表を渡す段階で減少してしまったということがございましたので、足元で例年より公表率が低いという状況になっているのは事実でありますが、引き続き団体において診断表が有効に活用されるように取り組んでいきたいと考えております。

〔林田委員〕この前、地方公共団体の議論をしたときに、その議論をしたかなり前には公表まで求めるのは時期尚早だという整理だったと思うんですけれども、それからかなり経っていますので、時期尚早論というのは、もう当たらないのではないかなと思います。

以上です。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

では、中里委員、お願いします。

〔中里委員〕上智大学の中里です。よろしくお願いします。ご説明ありがとうございました。

2つお話をさせていただきたいと思います。1つは、先ほどから議論になっている資料2のところ、新型コロナ関連の融資のことです。先ほど高田委員からお話もありましたように資本性の強いローンの場合には、最終的に財政、要するに予算のほうで受けるべきなのか、それとも財政融資、融資で受けるべきなのか、そこの間仕切りというか境界線が非常に曖昧になってくると思うんです。それから、金融政策と政策金融も、今の新型コロナ関連の融資でいうと、この境が曖昧になっているところがあると思いますけども、今回の財投ではなくて予算のほうで、2号補正でたしか10兆円超が資金繰り対策ということで予算計上されていると思うんですけれども、財政で、予算で受ける部分と、財政融資で受ける部分の仕切りとか間仕切りの考え方というのはやはり整理しておく必要があると思います。それがまず一点です。

それからもう一点は、これはコロナの関連ではないんですけれども、資料3−1の政策コスト分析のことに関して1つ申し上げておきたいんです。資料3−1の右下のところに政策コスト分析の前提金利の記載があると思うんですけど、今回から金利の想定が変わってますよね。理財局さんのほうで非常に工夫されて、金利の想定について現実に近いような形で想定が精緻化されたと、これについては非常によいことだと思います。このことに関して、今々というのではなくてもう少し先の話を1つだけさせてください。この右下のグラフの下のところをご覧いただくといいと思うんですけども、想定金利が通常は概算決定日、つまり予算等の概算が決まった時点のもので、この政策コスト分析のリリースがあるのはそこから半年ぐらい経つんですね。今は極めて緩和的な金融環境の下で非常に金利が低く推移していて、かつ、今はイールドカーブ・コントロールのこともあるので金利が大きく振れるということはないと思うんですけれども、例えばこれから金融が正常化していくと、当然のことながら金利が大きく変わる可能性が、局面によってはあるわけです。そういうことを考えると、もちろんこれは概算決定日で決めないといけないので、概算決定日の金利をもとに資料を作るということはよいと思うんですが、例えば金利が大きく変動した場合には、政策コスト分析の結果自体も大きく変わるわけですので、そのことも踏まえて、想定金利の設定の時期を柔軟に、例えば参考で足元というか直近のものだとどうなるかというようなことを付記するとか、そういうことを考えていただきたいと。これは大分先の話なんですけれども、なるべく金融が正常化するというのは早いほうが日本経済全体にとっていいわけなので、そういうことについても併せてご検討いただきたいと思います。

以上、質問というよりは意見です。どうもありがとうございます。私からは以上です。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございます。

では、冨田委員、お願いします。

〔冨田委員〕政策コスト分析なんですけども、今回、中里委員がご指摘の箇所、金利感応度の分析について、マイナス金利導入前のイールドカーブを基にしてインプライド・フォワード・レートを計算して、それはなだらかに、かなりゆっくりですけども2%に向けて上昇してという形のもので金利感応度を計測する形になったんで、私は、前回までは、全域にわたって1%シフトする形で、何かちょっと「鬼面、人を驚かす」ようなシナリオだったのですが、それが非常に現実化されたというふうに思います。

それも踏まえてなんですが、先ほどのご説明の中で、同じページの2つ目の黒丸のところで将来推計の前提条件を見直して新たな中期計画を踏まえてというお話がありまして、具体的にURだけは話があったが、私は政策金融機関についても、貸倒率と利ざやの関係などについて、財投機関はやはりご自身の経営計画として、貸倒率がこうだから利ざやをどうするとか、そういう形で使われていくことが政策コスト分析の重要な側面だと思います。したがって、政策コスト分析でといってもう20年も経つわけですけども、これから先、そうした財投機関における積極活用ということを踏まえて、またそれがこの政策コスト分析に反映されるようなものにしていく必要があるのではないかと思います。

もう一点は実地監査についてです。これは先ほどお話がございましたことと関係するのですが、資料でいうと9ページの真ん中の少し下、上下水道、病院の表の下です。「監査先について、赤字企業は一定数存在するものの、監査時点における償還確実性に特に問題がないことを確認」と書いてありますが、これまで何回も、とりわけ下水道について地方の普通会計からの繰入れが、それも基準外繰入れというのが大量になされていることをこの分科会でも議論してまいりました。それは資料の15ページの、先ほどご指摘のあった三角形のグラフがあるところで、これを見ますと真ん中の下水道については特に経費の回収率がすごく低い、公費負担分を除くと。だから非常に巨額の公費負担を前提にした回収であれば、先ほどのように償還確実性に問題がないことを確認でいいのでしょうけども、大元の国の財政がやっぱり揺らいでくるリスクが非常に大きいわけですので、あそこまで断定的に書いてしまうことはいかがなものかと私は思います。

以上です。

〔池尾分科会長〕では、野村委員、お願いします。

〔野村委員〕もう各委員からお話が出尽くしていますが、簡単に2点だけコメントいたします。

まず資料2の7ページ目、先ほど原田委員からもご指摘がありましたように、今は未曾有の危機ではございますが、今後のためにぜひ分野別というかジャンル別、国民・中小、大手企業、それから福祉・医療といった分野別の実績、それからかなり先の話にはなりますけど回収率といったものを、段階を経てで結構ですのでデータを出していただきたいと思います。それが今後の分析材料になるかと思います。

それから2点目が、地方自治体、公共団体への監査に関連して、先ほどから出ていますようにやはり上下水道、インフラが非常に厳しい状況かと思います。財務局がアドバイス機能を持っているということなのですが、ぜひここに加えていただきたい視点が、ここにアカデミズム、研究機関も巻き込んで産官学連携で先端技術を活用しての課題解決ができないかという視点です。例えば下水道に関して言いましても、非常に老朽化した施設をロボットを活用してチェックしていくとか、下水の汚泥処理をエネルギー利用するというような、既に新しい動きも出てきておりますので、そういう最先端技術も生かしての課題解決に取り組んでいく、もちろんそれが全て赤字解決の切り札になるというわけではありませんけども、そういう視点も持ってぜひ情報共有・提供を後押ししていただきたいと思います。

以上です。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

それでは、渡部委員、お願いします。

〔渡部委員〕ありがとうございます。

それでは、重複を省いて単純な実務的な質問だけさせていただきます。地方公共団体への監査、あるいはモニタリング等をされて、あるいはアドバイス機能を発揮されているということですが、こういう状況でいわゆるオンサイトではなかなか難しいのは、ますますそういう状況は強くなっていると思うんですが、単純な質問で、総務省さんからデータベースをいただくとかいろいろ書いていらっしゃるんですけども、いわゆるデジタル化というのが、もうこれは何年もやっていらして進んでいて、本省あるいは財務局ベース、それから各地方公共団体、状況によっては各公営企業、かなりの数があるわけですけれども、そういうのはほとんどデジタル化されていて、財務局ないし本省のほうは、そういう手作業ではなくて、出てきたものについて償還の確実性を見る時間、あるいはアドバイスをする時間、こちらに8割、9割の時間が割けているという状況なんでしょうか、それとも数字をつくるのに8割、9割の時間を割くというような状況なんでしょうか。

以上質問でございます。

〔池尾分科会長〕事務局からお願いします。

〔石川管理課長〕ご指摘のとおりデジタル化がそれぞれの部署で進んでいるところでございますので、そういった方向で財務局、本省等も含めて、なるべくそういう接点の少ないような形で取組を進めていきたいと考えているところでございます。

〔池尾分科会長〕現状はどのぐらいの労力をかけている感じなんでしょうか。

〔石川管理課長〕申し訳ありません、今は数字を持ち合わせていないんですけれども、また後ほど調べましてご説明したいと思っております。

〔池尾分科会長〕それでは、時間もありますので、そろそろ質疑はこの辺にしたいと思うんですが、今回答いただけなかったこととかは後日事務局経由でお知らせしたいと思いますので、よろしくお願いします。

それでは、最後に「官民ファンドの投資計画に対する検証等」について、山本企画官及び農林水産省担当部局のほうよりご説明をお願いします。

〔山本財政投融資企画官〕企画官の山本です。よろしくお願いします。

官民ファンドの部分を、まず私から説明します。改革工程表によりA−FIVE、クールジャパン機構、それからJOIN、JICTの4ファンドについては、投資計画、収支計画の検証を行うこととされておりまして、各ファンドの監督官庁において、今年3月末時点の計画の進捗状況を今年5月に検証しております。今日はその結果のご報告がこのテーマとなっております。なお、前回報告は昨年11月の分科会で行っております。

今回は4ファンドございますが、そのうちA−FIVEの検証結果、これについての議論というものがメインとなっておりますので、A−FIVEにつきましては、後ほど農林水産省・A−FIVEよりご説明をいただきます。私からは資料の全体的な構成とか、ほかの3ファンドの検証結果をご説明します。

まず、資料の構成についてですが、先ほど申し上げた4ファンドとその監督官庁の連名で資料6−1から6−4まで4点の資料が提出されておりますが、いずれも構成は同じでございます。1つは、今パソコンに映っております検証結果の報告についての資料、もう1つは参考資料でございます。

この参考資料は、昨年11月の分科会での委員からのご指摘を踏まえまして、今回新たにご提出いただきました。内容といたしましては、各官民ファンドにおける投資事業活動の具体的な状況についての各種データなどを取りまとめたものでございます。検証報告自体ではありませんが、検証報告を議論するに際しての参考資料という位置づけです。この資料は今回初めて提出されたものですが、今回限りということではなく、今後分科会で官民ファンドにつきご議論いただく際には、このような資料も併せて議論という形になるかと思いますので、その際には必要な改善を行っていきたいと考えておりまして、改善点など忌憚のないご意見を委員の皆様からいただければ幸いでございます。

次に、A−FIVE以外の3ファンドの検証結果でございます。クールジャパン機構は累積損益が未達成、JICTは投資額が未達成、JOINは累損、投資額のいずれも達成でございます。

この2ファンドの未達成の主な原因はコロナウイルスによる投資先企業の経営へのダメージとか、投資実行の遅延というものでして、両ファンドともこの未達分は今年度計画を達成する過程で解消していくとしておりまして、今回は計画自体の見直し、改善計画の策定は行わないとしております。

私からの説明は以上でございます。引き続きA−FIVEの検証結果等につきまして、農林水産省・A−FIVEからご説明を願います。それでは、よろしくお願いします。

〔池尾分科会長〕お願いします。

〔農林水産省杉中食料産業局審議官〕農林水産省食料産業局審議官、杉中です。

農林漁業成長産業化支援機構(A−FIVE)についてご説明させていただきます。お手元の資料6−1の1ページを使って説明させていただきます。

昨年4月、改革工程表2018に基づき投資計画を策定し、累積損失の解消を進めてまいりました。しかしながら、昨年11月に当分科会でもご報告させていただきましたとおり、令和元年9月末での出資実行は約16億円と、短期の目標である33億円を大きく下回る結果となったことを踏まえまして、農林水産省としてA−FIVEの在り方について抜本的な見直しを含めた検討に着手いたしました。この結果、投資計画どおりに累積損失を解消し、収益を確保することは困難であるという結論に至りまして、同年12月に江藤農林水産大臣より、A−FIVEについて、令和3年度以降は新しい出資の決定を行わず、可能な限り速やかに解散するとの方針が示されたところでございます。本改善計画は、このような経緯等を踏まえ策定されたものでございます。このような方針の下で投資計画の見直しを行った結果が1ページ目でございます。

計画の見直しに関しましては、業務の即時終了を含めて様々なオプションを検討し、累積損失の拡大を最小にするということを目指すものでございます。具体的には、昨年度末段階で出資の検討が相当程度進んでいて一方的な打切りを行うことが不適当な案件、かつ政策性及び収益性が高いものについては令和2年度中に出資決定を行うこと。また、回収業務につきましては、令和7年度までを目途に回収を終えるという方針の下で策定いたしました。本改善計画では、令和7年度の累積損失は120億円となることを見込んでおります。

農林水産省といたしましては、A−FIVEにおいて本計画が着実に実行されるよう必要な協力・助言を行っていくとともに、さらなる経費の削減等を促してまいりたいと考えております。また、農林水産省におきましては、A−FIVEがこのような結果に至った原因につきまして検討を行うため、本年1月31日、本分科会の委員である高田委員をはじめ有識者で構成されるA−FIVEの検証に関する検討会を設置し、その検討を進めているところであり、本年夏頃を目途にその結果を取りまとめることといたしております。

以上で説明を終わらせていただきます。

〔池尾分科会長〕はいありがとうございました。

それでは、ただいまの山本企画官、それから農林水産省のほうからの説明を踏まえて、委員の皆様からご意見をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

では、冨山委員、お願いします。

〔林田委員〕林田です。すみません。

〔池尾分科会長〕はい。

〔林田委員〕林田です。間もなく回線が切れてしまうので、ごめんなさい。

〔池尾分科会長〕では、先に林田委員、どうぞ。

〔林田委員〕A−FIVEに関しては、当初からコンセプトにちょっと無理があるのではないかという懸念を持っておりましたけれども、それが現実になってしまったなという印象を持っております。

一方で、新産業の育成をはじめ時代の要請に応えるために、直接金融の手法を応用した政策資金供給の重要性は今後一層高まると思っています。先ほどもちょっと説明がありましたがA−FIVEの失敗について要因をしっかりと分析して、同じ轍を踏まないように教訓をしっかりと取っていただきたいと、それを教訓に生かしていただきたいと思います。

以上です。ごめんなさい。ありがとうございました。

〔池尾分科会長〕では、冨田委員、お願いします。

〔冨田委員〕ありがとうございます。

最初にご説明いただいたページ、1枚紙ですが、2020年度の累損見込み、それと2025年度、令和7年度の累損の水準があまり変わらない。この中身を見ると、この資料の一番最後に人件費等の合計が年間大体11億円とあります。そうすると、これから5年間で50億円ぐらいの経費がかかるわけです。もちろん削減するとさっきおっしゃったわけだけども。それと、この資料の参考資料の1枚目に投資金額、出資残高が20年3月末で101億円、100億円あると。そうすると、粗々の類推をいたしますに、この1ページの資料の累損の計算というのは、今ある出資がほとんど全額回収できるという前提の下に、何かこれまでの欠損がたくさん出ているものとは違って、非常に楽観的な回収が100%に近い、そういう形の推計になって、経費を削減すれば、ここにあるような累損で解散できるんだという試算になっているんですけども、そういう理解でよろしいですか。

〔池尾分科会長〕A−FIVEか農林水産省のほうからお答えいただけますか。

〔農林水産省杉中食料産業局審議官〕冨田委員のご質問に対してですけれども、基本的に結果としては委員がおっしゃるとおりですけれども、今回の改善計画の策定に当たりまして、A−FIVEに関する投資倍率等の見直しも行いまして、過去の実績、あと将来の見込みを踏まえて、これまでは1.5倍ぐらいを想定をしていたんですが、1.1倍程度になるという形で想定して計算しております。その結果、できるだけ事務的な一般管理費というのは減らすという前提の下に1.1倍程度の回収で、令和2年度に出資をやめたときの回収見込みということで、2025年までに120億円というのを計算した次第でございます。

〔冨田委員〕関連質問、よろしいですか。

〔池尾分科会長〕どうぞ。

〔冨田委員〕そうすると、これまでの回収率は3ページの資料だと0.7倍とあるんですけども、それが今後は1.1倍回収できると、それを令和3年度までに売却先もちゃんと決めて、ここで想定したような値段で売却するんだというご計画だということで、そういう理解でよろしいですか。

〔農林水産省杉中食料産業局審議官〕0.7倍につきましては、特に食の劇団という破綻要因というのが大きく引き下げておりますけれども、残るものについての現状の業績等を考えて1.1倍程度、これは投資としてはかなり低いIRRになりますけれども、このあたりの回収はできるのではないかというふうに見ています。

〔冨田委員〕では、そういう理解でよろしいということですね。

〔池尾分科会長〕ほかに質問か意見かございませんか。

では、冨山委員、お願いします。

〔冨山委員〕ありがとうございます。

先ほどの林田さんの話とちょっとかぶるんですけど、このA−FIVEについて、もうかなり前ですけど当分科会で議論したときに、説明に来た農水省の担当の人と私とで大激論した記憶があります。申し訳ないけど、これは完全に「ほら見たことか」で、たしかもともとかなり小規模で、かつ折半出資みたいなことを言っていたような、ふうにやろうとして、たくさん数をやりますみたいな話で、それってどう考えても投資的には成り立たないというか絶対失敗するモデルなので、そこのところは根本から切り替えて、基本的に大規模投資モデルに切り替えないと駄目なんじゃないかと言ったら、何かいろいろ大変すごい勢いで怒られた記憶があります、おまえは農業の何たるを分かっていないんじゃないかみたいな感じで。

ポイントは、だからこれ、申し訳ないけど、要するに「ほら見たことか」なんですよ、私に言わせれば。ということは、どうして「ほら見たことか」のことをやってしまったのかというのは、僕は設立の段階からどんな議論がされたか、本分科会の議論も含めて多分議事録は残っていると思うんで、そこをちゃんと検証したほうがいいと思いますよ。でないと、これはまた同じような、こういう領域が重要であるということについて私も異論はないのですが、しかしながら、資本投資というのは投資の中では一番ある種高度で難しい枠組みなので、ですから、それを成功させようと思うと物すごくナローパスにならざるを得ないわけです。したがって、やっぱり今回みたいに分かっていてやっぱり駄目というのは、私は財政規律であるとかガバナンスという観点からこれはまずいと思っているので、そういう意味で自分自身が立場上、私一人が止められる話ではないので、あのときに止められなかったことに関してはすごく反省もありますけども、あるいは忸怩たる思いがありますが、ここはしっかりと検証してもらって、今後そういう意味では転んでもただでは起きないことにできるので、そこは最大のアセットにしてもらうことを心より祈っています。

それからあと、ほかの機構に関して指摘あったんですが、ここへ来てやっぱりコロナショックで既存のポートフォリオ案件がいろいろ毀損するというケースが出てくると思います。もともとどちらかというとイノベーションであるとか成長モードでやっている案件も、これは当たり前なんだけど、世の中は別にこれが成長イノベーションで、これが再生というのは状況によって変わるわけで、今までの機構のいろいろな取組を見ていると、皆守りに弱いんですよ。要は案件が想定どおりにいかなくなって、やや再生モードに、あるいはやや疑似破綻モードに近くなったときに物すごくもろいです、ほとんどの機構が、それに対する対応が。結果的に損切りするタイミングが遅れてしまったりとか、あるいはズルズルと引っ張り込まれて追加的な投融資をしていってさらに傷口を広げるということが起きがちなので。ですので、その根本原因はもともと成長イノベーションモードでの組織能力でやってきているので、結果的に再生とかターンアラウンドモードになると、大体それに対応する組織能力を持ってないんですね。そういう経験者もいないし、専門家もいないしということになります。

ですので、この後のモニタリングとして、少なくともこのコロナの状況というのは絶対に長引くし、それこそ廃業、閉店それから倒産が本格化するのは今年の下期以降です。今はとにかくめちゃめちゃな勢いで金をつないでいるのでそれが顕在していないですけど、この後に物すごいことにきっとなるので、したがって、その状況下でどう各機構が、特にさっきおっしゃっていた7業種ですか、とかに関わっているものもあるはずなんで、どうしていくかというのはこれからが勝負なので、そういった組織能力をどう強化していく、あるいはどう補完するかということは、モニタリング上、ぜひ見ていっていただけるとうれしいなと思います。

以上です。

〔池尾分科会長〕では、渡部委員、お願いします。

〔渡部委員〕A−FIVEについての質問1点ですけれども、今後経費削減等をし、投資回収を図って努力しますというのもあるんですけれども、出口という言葉を使っていいかどうか分からないですけれども、それを考えた場合には、この参考資料に、例えば人材も、投資業務を1年以上担った者は68名、転職等もしたとあるので、農林漁業分野にも詳しい人がまちにいるということを考えて丸々転売するという1つのクロージングというか出口の在り方、今のままで経費削減だ、一生懸命回収しますというよりも、冨山委員もおっしゃったように経済の局面がかなり変化する中で、今はA−FIVEとしては手じまうと、農林水産省さんとしては手じまうという選択肢というか、それはないんでしょうかというのが質問です。

〔農林水産省杉中食料産業局審議官〕よろしいですか。

今回の改善計画について、即時に事業を終了するということも含めて検討したんですけれども、特にA−FIVEの対象となっている6次産業化の分野で事業計画が非常に高くて、マネタイズする期間が長いということで、現状すぐやめてしまったりするということにすると、恐らく損失というのは120億円よりもっと大幅に累積損失が出るだろうということで、ある程度事業の終わりが見える段階でエグジットしたほうがいいんじゃないかということです。エグジットの仕方につきましても、もともとA−FIVEの問題の1つというのは自社株買いを前提にしているということがありますので、できるだけ回収をよくできるようなエグジットの仕方というのは今後のA−FIVEの業務の中で検討して、できる限り損失を減らしていきたいというふうに思っています。

〔池尾分科会長〕では、土居委員。

〔土居委員〕ありがとうございます。

今共有されているスライドのちょうど右下に令和7年度末の累積損失は120億円という見込みだと、それで事実上損失がある種確定されるということだと思うんですけども、まずその損失は、ほかの委員の方もご発言されているように大変遺憾であります。なぜこうしたことが起こったのかということについては、しっかりと猛省をお願いしたいと思いますけれども、その上で、この損失が出るからには、なくなるわけじゃないので何らかの損失処理をせざるを得ない。この損失処理をどうされるのかということが私の質問なんですけれども、最終的には財政投融資特別会計の投資勘定でこれを相殺するということで本当にいいのか。むしろ一般会計の農林水産省の予算をちょうど120億円削減するというようなことぐらいないと懲りないし、こういうことで無罪放免というような形になってしまっていいんだろうかというふうに思うわけです。

さらに言えば、もしそういうことにコミットできれば、一般会計予算が削られるということにコミットできれば、できるだけこの120億円を110億円なり100億円なりへ、今後さらに追加の努力をして損失を減らすということもできると思いますから、何らかの形で、これは財務省全体ということになるのかもしれません。つまり理財局だけでなくて主計局も含めてということかもしれませんけれども、しっかり損失がこれ以上大きくならないように、さらには損失を出したということはどういうペナルティーがあるかということを一度きちんと知らしめないと、またこういうことが今後起こってはいけないという意味では、財政投融資特別会計の投資勘定でこれをのみ込めるのかもしれないけれども、決してそういう形で処理するのではなく、きちんと責任を取っていただく形で予算編成へ反映していただきたいと思います。

以上です。

〔池尾分科会長〕そういうことですね。

野村委員、お願いします。

〔野村委員〕ありがとうございます。

先ほど来出ておりますようにA−FIVEの課題を徹底検証した上でという大前提ですけども、農林水産省さんに質問なのですが、今後A−FIVEの機能をどこにどのように引き継いでいくというお考えなのか。つまり第6次産業の創生であるとか、第1次産業を通しての地域経済活性化という政策目的が消えてなくなるわけではございませんので、どこでその役割を担って推進していくのか、現時点でのプランと進捗を分かる範囲で教えていただければと思います。

以上です。

〔池尾分科会長〕いかがでしょうか。

〔農林水産省杉中食料産業局審議官〕よろしいですか。

まず、土居委員の発言についてでございますけれども、A−FIVEのことについては徹底的に検証を行いたいと思っております。その中で、今も議論を行っておりますけれども、A−FIVEの運用実績ということだけではなくて、もともとのA−FIVEの法律に基づくような様々な制約というようなものも、なかなか自由な事業活動を行えなかったというようなところもあるのかなと思っております。いずれにしても、そういう形での検証をした上で今後の在り方ということを検討したいと思いますけれども、そもそものペナルティーの在り方等につきましては、これは官民ファンド全体の話でございますので、財務省のほうと検討したいと思っております。

また、2点目ですけれども、まさにA−FIVEの検証をしているわけですけれども、事業を早期にやめる背景としては、もともと6次産業化というもので期待される投資の倍率(IRR)よりも管理コストのほうが高いという構造の下で、黒字がコストを上回るということが難しいだろうと、そういうことで早期に事業を終了するということを決定したということを考えると、6次産業化ということに限定した新事業の創出というのは投資になかなか馴染まないんじゃないと考えています。ただ、農林水産部門全体としたときに直接金融、最初のほうの委員のご指摘にもありましたけれども、これが必ずしも必要ではないと、そういうことではないと思っておりますが、ただ、今のような官民ファンドという形でそれをやるということは考えておりません。少なくとも現段階で今後どうするかということは、農林水産省としてはまだ決定しておりませんので、今後の政策的な課題の在り方として検討していきたいと考えています。

〔池尾分科会長〕では、翁委員、お願いします。

〔翁委員〕重複がございますけれども申し上げます。やはり6次産業化ということを目指しながら、非常に限定的なことしかできないような組織であり、企業の参入も限られていて、そもそもこういった枠組み自体に大きな問題があったのではないかと考えております。ぜひしっかり検証して何が問題であったかということを明確にして、公表していただいきたいと思います。

もう今はあまり大きな動きにはなっておりませんけれども、各省庁が官民ファンドをぜひ作りたいというような機運でこれだけ多くの官民ファンドができてしまっています。しかし、ナローパスであるとさっき冨山さんもおっしゃっていましたけれども、いろいろなガバナンスとか人材とかそういったものの枠組みとか全てがそろわないとうまくいかないものなのに、非常に安易につくられているということに危惧を持っております。ぜひそういった問題点をしっかり明確に世間に出して、多くの省庁にも知っていただきたいと思っております。

それからほかのファンドについても、これはほかの先生方もおっしゃったんですけれども、どんどん再生モードに入っていくと思います。ですので、今ある人材で十分なのか分からないのですけれども、新しいこのコロナの環境の中で判断して再生モードに入っていくなり、投資を打ち切るなり、そういった非常にハードな判断が要請される時期に入っていくと思います。しっかりとほかのファンドについても体制を整備してこの危機を乗り切っていただくように理財局のほうからもおっしゃっていただきたいなと思っております。

以上でございます。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

それでは、時間の関係もあるのでそろそろ審議はこれまでというふうにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

それでは、以上ということにさせていただきます。

〔高田委員〕すみません。

〔池尾分科会長〕高田委員、どうぞ。

〔高田委員〕よろしいですか、すみません。

先ほど農林水産省のほうからもご説明ありましたように、A−FIVEのところについては私もメンバーで検証の委員に入らせていただいて、検証しているところであります。こういう形での検証というのは、1つの実例というんでしょうか、これまであまりなかったことなんじゃないかなと思います。そういう意味でいいますと、今回、A−FIVEのところに関しての部分は、もちろんそれはそれで先ほどからいろいろな先生方のご議論の中でもあったし、反省もあると思うんですけれども、当然のことながらほかの官民ファンドへも様々な議論として参考になる点もあるんじゃないかなというふうに思います。そういう意味では、今回の実例みたいなものをぜひ役に立ていただく、またこの検証の作業というものをこちらの分科会等でもある程度共有していただくというのは重要なのではないかなというふうに思います。

ただ、1つ留意点は、もちろん今回のところでの損失ということになるんですけれども、そこの損失があるからもう全てを非常に厳しくというんでしょうか、対応をということだけではなくて、全体の仕組みとしてどうあるべきなのかということ自体も私は必要ではないかというふうに思っています。特にこうしたエクイティー関係の投資というのは一定部分の損失は必ず出るわけなんで、そういうことも全体のポートフォリオの中の制度の1つの制度設計としながら、どういう形で今後リスクマネジメントを行っていくのかというような発想も私は必要なのではないかなというふうに思います。ですから、1つの損失のところだけでとかくということにはなるんですけれども、もう少し幅をもった議論も必要ではないかと思います。

ただ一方で、今回これだけ足下はコロナの対応ということで非常に厳しくなっているわけでございますから、そういう点も含めて全体のマネジメントなりをどうできるのかという点も必要です。今回は、官民ファンドができてから初めての大きなリスク、ストレステストと、ストレス状況ということにもなりますので、従来の延長線上にはない対応というのも必要だと思いますので、そういう発想も全体の管理として必要ではないかと思います。

すみません、以上でございます。

〔池尾分科会長〕それでは、これまで議論していただいた内容のほかに追加でご意見とかご質問等がございましたら、いつものように事務局までお寄せください。

それから、本日の議事内容につきましては、この後、事務局より記者レクを行います。議事録につきましては、委員の皆様方のご了解をいただいた後、財務省ホームページに掲載いたします。

それでは、本日はご多用中のところ、誠にご熱心に議論いただきましてありがとうございました。これにて散会したいと思います。どうもありがとうございました。

15時25分閉会

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