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財政投融資分科会(令和元年11月6日開催)議事録

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財政制度等審議会財政投融資分科会
議事録

令和元年11月6日
財政制度等審議会


財政制度等審議会財政投融資分科会議事次第

令和元年11月6日(水)14:00〜15:30
全省庁共用1208特別会議室(4号館12階)

  • 1.開

  • 2.令和2年度財政投融資計画の編成上の論点

    • 1地方公共団体

      質疑・応答

    • 2独立行政法人日本学生支援機構

      質疑・応答

  • 3.閉

配付資料

資料1財政制度等審議会財政投融資分科会説明資料地方公共団体

資料2財政制度等審議会財政投融資分科会説明資料独立行政法人日本学生支援機構

出席者(敬称略)

分科会長

池尾和人

可部理財局長

鑓水理財局次長

嶋田総務課長

湯下財政投融資総括課長

柳町管理課長

柴田計画官

大関計画官

堀納資金企画室長

山本財政投融資企画官

翁 百合

高田 創

野村浩子

臨時委員

土居丈朗

冨田俊基

林田晃雄

原田喜美枝

専門委員

川村雄介

工藤禎子

家森信善


14時00分開会

〔池尾分科会長〕それでは、予定の時間となりましたので、ただいまから財政制度等審議会財政投融資分科会を開催いたします。

本日は令和2年度財政投融資計画の編成上の論点について御審議いただきますが、本日の対象機関は地方公共団体及び日本学生支援機構になります。

それでは、早速ですが、まず地方公共団体について、大関計画官より要求の概要及び編成上の論点の説明をお願いしたいと思います。

〔大関計画官〕計画官の大関でございます。どうぞよろしくお願いいたします。本日の会議室はペーパーレス会議が行える仕様となっておりませんため、机上に配付した資料を用いて御説明させていただきます。

まず、資料1の地方公共団体向け財政融資の資料を御覧ください。1ページ目を御覧ください。目次でございます。この目次に沿いまして、令和2年度要求の概要、地方公共団体向け財政融資の現状と基本的考え方、編成上の論点の順番で御説明させていただきます。

まず、2年度要求の概要でございます。資料の3ページを御覧ください。8月末に総務省から提出された地方公共団体の財投要求の概要でございます。この表の上段の事業計画実施に必要な資金の合計額、こちらが令和2年度の地方債計画案の規模でございまして、12兆1,105億円、前年度に比べて1,049億円の増加となっております。

5ページの地方債計画(案)の資料と併せて御覧いただければと思いますが、この増加分の1,049億円は臨時財政対策債によるものでございまして、令和2年度は既往債の元利償還分が増加したこと等が要因として挙げられます。その他につきましては、令和2年度の仮試算において、投資的経費の伸びが対前年度比ゼロ%とされていることを踏まえて、地方債計画(案)においても前年度と同額で計上されております。

3ページに戻っていただいて、財政融資資金につきましては、増加分の1,049億円に令和元年度、本年度の地方債計画における資金別のシェアを単純にそのまま当てはめた形で計算し、2兆9,748億円、前年度と比べて241億円の増加となっております。

なお、例年同様、地方債計画は年末の予算編成の状況や地方財政対策を踏まえて最終的な決定を行うこととされておりまして、今後の国の予算編成の内容や地方財政をめぐる動向等に対応して所要の修正が行われる予定とされております。

また、東日本大震災分に係る地方債計画につきましては、所要額の全額を公的資金により確保することとされており、これから年末にかけて別途要求されることとなっております。

次の資料4ページでございますが、こちらは地方債計画額と、そのうち財政融資資金の額について、要求ベースと決定ベースの推移をお示ししております。令和2年度の要求額を前年度と比べますと、要求ベースで見ても決定ベースで見ても金額が大きくなってございます。

続いて、5ページから7ページにつきましては、令和2年度地方債計画(案)、令和2年度地方財政収支の仮試算に関する資料を参考としてつけてございますが、説明は割愛させていただきます。

以上が、地方公共団体に係る令和2年度要求の概要の御説明となります。

次に、地方公共団体向け財政融資の現状と基本的考え方について御説明させていただきます。資料の9ページを御覧ください。こちらは、地方向け財政融資資金の事業別貸付額の推移を示したものでございます。地方向け財政融資資金の規模は、リーマン・ショックへの対応で一時的に膨らんでおりましたが、平成22年度以降は段階的に縮減してまいりました。今年度につきましては、「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」に基づき新設された防災・減災・国土強靱化緊急対策事業に積極的に対応することとしたため、このピンクの部分ですけれども、少し増加してございます。

一方で、防災・減災・国土強靱化緊急対策事業債のピンクの部分と、それから、臨時財政対策債、緑の部分ですが、これらを除きますと、近年、同水準で推移している状況にございます。言いかえれば、臨時財政対策債の引受けを抑制することで財政融資資金の規模を縮小してきていることを示しております。

続いて10ページを御覧ください。こちらのスライドでは、臨時財政対策債を除いた財政融資資金の事業別の貸付割合の推移を示しております。近年、財政融資資金の貸付けは、辺地及び過疎対策事業や災害復旧事業への割合が増加傾向にございます。特に辺地及び過疎対策事業への貸付けは全体の5分の1程度を占めておりまして、公共事業等とともに引き続き大きな比重を占めております。

次の11ページを御覧ください。こちらは、事業区分ごとの財政融資資金の事業内シェアの推移を示しております。一番上、災害復旧事業は、財政融資資金で100%引き受けてございます。辺地及び過疎対策事業も、87.2%とその大宗を財政融資資金で引き受けているところでございます。また、中ほどの水道事業は5割、教育・福祉施設等整備事業及び下水道事業は3割程度と財政融資資金が大きな役割を果たしている分野となってございます。

一方で、地方単独事業、一番下のグレーのラインでございますが、こちらは平成30年度から自然災害防止事業に財政融資資金の供給を開始しておりますものの、今年度0.5%と、ほとんど引き受けていないという現状にございます。

続いて、12ページを御覧ください。検討に当たっての基本的な考え方でございます。下にありますような法律の内容や平成26年の財投分科会の報告書を踏まえてまとめてございます。読み上げますと、「財政融資資金は、段階的に縮減しつつあるものの、地方公共団体の課題やニーズを踏まえ、災害復旧など国が責任を持って対応すべき分野に積極的に対応しつつ、国の政策と密接な関係のある分野への対応をきめ細かく推進していくべきではないか」という考え方でございます。

次のページ以降では、こうした考え方に基づきまして、編成上の論点について御議論いただきたいと考えております。

まず1つ目の論点ですが、過疎対策事業への配分についてでございます。資料の14ページを御覧ください。過疎対策につきましては、昭和45年以来、4次にわたって議員立法として過疎法が制定されております。現行の過疎地域自立促進特別措置法は、令和2年度末に期限が到来することとなっております。

過疎地域につきましては、人口減少要件及び財政力要件によって市町村ごとに指定されることとなっております。平成31年4月時点のデータでは、全国1,718市町村のうち47.6%に当たる817市町村が過疎団体となっています。また、面積で見ますと、国土の約6割が過疎地域となってございます。

過疎法に基づく施策についてでございますが、まず、過疎対策事業債による支援が挙げられます。過疎債は、令和元年度計画額は4,700億円、地方債充当率が100%で、元利償還の70%が交付税措置されることとなっております。また、平成22年度より、ハード事業に加えてソフト事業も対象となっております。過疎債による支援のほかには、国庫補助金の補助率のかさ上げや税制特例措置等が講じられているところでございます。

15ページを御覧ください。過疎債の発行状況及び財政融資の引受割合についてでございます。過疎債発行額は、ハード分、ソフト分ともに、おおむね毎年度増加しておりまして、その大宗を財政融資資金が引き受けている状況でございます。

次のページからは、過疎債の対象経費について御説明いたします。16ページはハード分についてでございます。ハード分について見ますと、道路、小中学校校舎等、観光・レクリエーション施設、一般廃棄物処理施設の順で活用されている状況が伺えます。

次に、17ページのソフト分についてでございます。ソフト分の対象経費につきましては、この枠の下に記載されているとおり、市町村の行政運営に通常必要とされる内部管理経費、生活保護等法令に基づき負担が義務づけられている経費、地方債の元利償還に要する経費を除き、将来にわたり過疎地域の自立促進に資する事業を広く対象とすることとされておりまして、産業の振興、保健・福祉、交通通信・情報化、教育の振興など、従前から実施されていた事業も含めて幅広い分野で活用されております。

次に、18ページを御覧ください。ソフト分の活用事例についてでございますが、総務省で行ったサンプル調査によれば、ソフト分の活用事例として多いのは、観光施設維持管理、まつり・花火大会支援、バス路線維持、デマンドタクシー運行、出産給付などとなってございます。こうした事業の中には、事業効果が一時的にとどまるものや、非過疎地域においても実施されている個人給付もあるとの指摘がなされております。

19ページを御覧ください。こうした点を踏まえまして、論点1の過疎対策事業への配分につきましては、過疎対策事業は国が責任を持って対応すべき分野であることから、引き続き積極的に配分することを基本とすべきであるが、活用状況について把握していくことが必要ではないかということを御提案させていただいております。

なお、下の段に枠で囲っておりますのは、現行の過疎法に対する附帯決議でございます。その4番目に、「過疎対策事業債については、引き続き所要額を確保することとし、特にソフト対策に係る資金の確保・充実に万全を期すとともに、過疎地域の実情に応じた主体的かつ創意工夫に富んだソフト対策の取組を十分尊重すること」とされているところでございます。

続いて、論点2、地方単独を含む防災・減災に資する事業への配分について、御議論いただきたいと思います。資料の21ページを御覧ください。財政融資資金における地方単独事業の推移についてでございますが、財投改革以降、地方公共団体の自立的な財政運営を促す観点から、地方公共団体の資金調達は市場公募等の民間資金によることを基本とし、地方単独事業に占める財政融資資金の規模は縮減してまいりました。

22ページを御覧ください。他方で、平成26年の財投分科会の報告書におきましては、上の枠の下線部でございますが、大規模な災害等への対応強化等の防災・減災に資する真に必要な施設整備等に積極的に対応し、これまで規模を縮減してきた地方単独事業であっても融資の対象としていくとされてございます。

本年度におきましては、近年頻繁に発生する自然災害等に対応するため、「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」に基づき、防災・減災・国土強靱化緊急対策事業に積極的に財政融資資金を供給いたしました。

一方、地方単独事業におきましては、3か年緊急対策に併せて創設された緊急自然災害防止対策事業や、東日本大震災を教訓として制度化された緊急防災・減災事業について、財政融資資金の貸付対象とはなっていないという状況にございます。

23ページでございます。以上を踏まえまして、論点2の地方単独を含む防災・減災に資する事業への配分につきましては、近年頻繁に発生する自然災害等に対応するため、「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」に基づき、本年度に引き続き、防災・減災・国土強靱化緊急対策事業に積極的に財政融資資金を供給するとともに、地方単独事業であっても、防災・減災に資する事業など、国として重点的に資源配分すべき事業については、財政融資資金の貸付対象として検討すべきではないかということを御提案させていただいております。

続いて、論点3「臨時財政対策債への配分について」でございます。資料の25ページにお進みください。臨時財政対策債のうち財政融資資金が占める割合につきましては、一貫して減少させてきているところでございます。26ページを御覧ください。これまでの財投分科会における御議論を踏まえまして、臨時財政対策債については、資金調達能力の低い地方公共団体に対して柔軟に対応しつつ、赤字補塡の性格を有することを踏まえ、引き続き抑制的に配分することを基本とすべきではないかと考えております。

私からの説明は以上でございます。どうぞ忌憚のない御意見を伺えれば幸いでございます。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。それでは、ただいまの大関計画官からの説明を踏まえまして、委員の皆様方から御意見あるいは御質問をお願いしたいと思いますが、なお、総務省の担当部局である坂越地方債課長にお越しいただいておりますので、総務省の方に御質問していただいても結構です。それでは、どなたからでも御自由に御発言をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

では、川村委員。

〔川村委員〕質問2つと若干意見めいたことなんですけれども、臨財債の残高ベースでどのぐらいになっているかというデータがもしあったら教えていただきたいというのが質問の1つ、もう1つの質問は、資料の17、18、19ページあたりの過疎対策事業債の中で、ハード、ソフト、とりわけソフトの部分について、活用状況について把握していくことは当然のことだと思うんですけれども、具体的にどんな把握の仕方をされる御予定なのか。一般的に、これを投融資と考えれば、当該事業に対して一定の時間軸を持った中、リターンがどのぐらいあるのかというのが一番常識的な話だと思うんです。例えば、花火大会であるとか、いろいろそういうものがあって、それは単発ではなかなか考えられないと思うんですけど、5年、10年経ったときに、それがどのぐらいの経済効果を生むものであるのかといったような、できるだけ定量的な把握が望ましいんだと思うんですけれども、この辺についての考え方を教えていただければというところが質問です。

意見というのは、先ほどの冒頭、臨財債に絡んでですが、趨勢的にどんどん減らしていくというのは当然の話でありまして、特に自治体に対する財政規律という問題と、他方で、そうは言っても困窮している自治体に対して、いわばお金をぐるぐるっと回していく中で、とりあえず面倒を見ていくみたいな性格もあって、一概にそれは否定できるものじゃないものの、傾向としては、当然のことながら、引き続き注意して抑制的な運用をお願いしたいということで、そこで、先ほど、残高がどうだったかなということを見ようと思った次第です。

以上です。

〔池尾分科会長〕それでは、事務局から、まず、残高の情報をお願いできますかね。

〔総務省 坂越自治財政局地方債課長〕54兆円です。

〔川村委員〕制度発足以来、どんな感じでしょう、残高ベースで。

〔総務省 坂越自治財政局地方債課長〕御案内のとおり、ずっと上がってきていたんですけど、最近はもう償還をしていかなくちゃという思いで、地財対策とか打っていて、今年も7,000億円減額していますので、若干減になりつつあると思います。

〔池尾分科会長〕ソフト分の活用事例の把握の中身というか、あるいはやり方とかについてはどなたにお答えいただくのがよろしいのかということですが。

〔大関計画官〕ソフト分の活用状況の把握につきまして御質問いただきました。現在、融資を実行する段階で、各団体から予算措置されていること等を確認した上で融資を実行しているところでございます。こうしたものについて、財務局が一律に、過疎債は多様な事業に使われていますので、一律に把握をして調査をするということではないんですけれども、財務状況把握ですとかそういう中でヒアリング等を行う機会があれば、そうした機会を捉えて活用状況についてフォローをし、優良な事例などございましたら、さまざまな機会を捉えて横展開を図っていくということを考えております。過疎対策事業については、御説明いたしましたとおり、かなり幅広い分野に活用することが可能な仕組みとなっております。そうしたものの中から、より有益な、地方の自立促進につながるような事例、こういったものがあれば、ほかの団体に紹介していくというような取組をしていきたいと考えています。

〔川村委員〕すみません、今の後段の部分なんですけど、特に18ページにあるみたいに、非過疎地域において個人給付があるとか、この世界というのは、ある意味、細心に対応しないと、いろんな意味で、変な醜聞に絡んだり、それを突かれたりという事実上のリスクもあるし、レピュテーションリスクもある世界なので、とりわけそういう意味で、こういうものとセットにした状況把握というのは、きっちり脇を締めてやっていただきたいと思います。これはお願いです。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

では、土居委員、お願いします。

〔土居委員〕今の18ページの過疎対策事業、ソフト分の活用事例の件ですけれども、私も財務状況把握などで、個別の事業の具体的な内容に踏み込んだ形でいろいろと調査していただいて、計画官がおっしゃったように、好事例があれば、それを横展開ないしは情報発信していくことは非常に大事だと思います。

特に、資料の14ページにもありますように、今の法律が令和2年度末で期限が切れるということですし、この法律に基づいて、各自治体が過疎対策事業促進計画というのをそもそも立てていて、その計画に即して事業を展開しているということで、おそらくこれきりでもう次はないということは、国会で全会一致して成立しているということを見ると、なかなかなさそうなので、次なる局面で、つまり、令和3年度からまた新たな何らかの過疎対策を講じることになるんだと思いますので、その計画をおそらくは各自治体が今後お立てになられるという、その計画策定にもこの好事例を積極的に活用していただく機会がそこで出てくるということですので、ちょっと財政投融資の枠を超えている部分はあるかもしれませんけれども、そういう意味で自立促進になっていることを強調して足りないぐらいなんですけれども、自立促進になっているかどうかというところが非常に重要なキーポイントになってくると思いますので、その点、ぜひ財務状況把握などでいろいろと調査していただけるといいと思います。

加えて、今の過疎地域自立支援特別措置法の枠組みというのは、全く問題がないとはとても思えない。政令指定都市に過疎地域があるという極めて矛盾した状況があって、これはもちろん平成の大合併の影響もあるんですけれども、なぜ政令指定都市という、「大都市」と言われるような、かぎ括弧つき大都市と言われるような都市に過疎地域があるのかということであります。これはもう今後、本来ならば、そもそも法律で、財政投融資以前の問題として改めていただくべきなんですけれども、この分科会の枠を超えている部分がありますので、これは願ってやまないという、少し神頼み的なレベルになってしまうとはいえ、総務省の方も来ておられるので、少しお耳に入れておいていただくということを含めて、そもそもの法律のたてつけから、政令指定都市に過疎地域があるという変な状況はやめていただくと。本当に自立支援が必要な過疎地域に対して法律が適用されるような形になっていただくことを願ってやまないということであります。

しかも、14ページの下の方にありますように、過疎対策事業債は充当率100%ということですから、この過疎対策事業債が充当される事業が真っ当な事業でないと、いわゆる、単なる利子つき補助金と、かつて大昔に揶揄されたようなことが、ここでまた令和の時代にも起こっているなんていうことが言われかねませんので、やはり適切に過疎対策事業が充当されるように、まずは次なる時期の法律のたてつけをしっかりしていただくとともに、法律は法律ですから、その法律が定められた後で、どういう事業に対して起債を同意するかというところは、同意等基準もありますし、さらには理財局の御判断もあると思いますから、そこで適切な事業に過疎対策債が充当されるというような形で今後導入することが、そういう活用がされることが望ましいことを、議事録に残る形で、この財政投融資分科会でこういう意見があったことを申し述べさせていただきたいと思います。

それから、もう1点は、17ページに対象経費のリストがありまして、こういう把握というのは極めて重要だと思いますので、今後継続的に理財局でも、総務省と協力してということになるかもしれませんけれども、総務省の御協力を得ながら把握を努めていただいて、どのような形で過疎対策債が利用されたかということ及び、それをフィードバックする形で財投編成にも今後活用していただくことを私から意見として申し上げさせていただきたいと思います。

以上です。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。

それでは、冨田委員、お願いします。

〔冨田委員〕ありがとうございます。2点です。1つは過疎対策ですが、これから人口減少が本格化していくわけでして、14ページで書いてある過疎地域の要件、この要件を満たす公共団体の数も、それから、国土に占める面積もこれから増えていくものと考えられます。そういう中において、国会で過疎対策が必要だと言うのも分かるのですが、基本的には、これからの人口減少というものを見据えて、そして、いわゆるコンパクトシティーという考え方からして、過疎対策もこれまでどおりではないんだということを全体的な検討で示していく必要があるのではないかと思います。

それを考えますと、この過疎対策事業債の償還確実性、元利の70%は交付税ですけれども、じゃ、残りは何かということについて個別に御審査がありやなきやということについてお教えいただきたいのが1点目です。

それから、もう1点は臨時財政対策債についてなんです。総額は、基本的には地方財政計画をつくるときにマクロで決まるものだと理解しております。それは、一般財源総額を実質横ばいにするというルールの中において決まっていくものだと思います。そのときに、個別に臨時財政対策債はどのように地方公共団体が幾ら発行するのかということを決めておられるのかということについてお教えいただきたいと思います。

以上2点です。

〔池尾分科会長〕1点目は理財局ですか。では、総務省の方からお願いします。

〔総務省 坂越自治財政局地方債課長〕御質問ありがとうございます。過疎債の償還確実性ですが、御指摘のとおり7割交付税措置ですので、3割自己負担ということで、そこの大半は財政融資資金を借りさせていただいているわけですけれども、委員よく御案内のとおりなんですけれども、事前に発行する際には同意ということで、同意等基準の中において健全性を事前チェックということで、財務省さんと一緒に健全性が担保されるように確認しておりますし、実質公債費比率という比率で判断していますけれども、悪くなれば許可にしたりして、原則発行禁止にしているところが1つの歯どめになっているかと思いますし、事後的にも、地方公共団体財政健全化法がありますので、いろいろな財政健全化指標によってしっかりと把握しているということで、実際の指標を見ても、過疎団体を含めまして、健全化法がつくられた10年前からかなり指標は改善しておりますので、健全化団体や再生団体はほとんどないような状態になっておりますので、償還確実性については大丈夫だと考えておりますし、制度的にも担保されると考えております。

それから、もう1点、臨財債の部分ですね。マクロは地財で決まってミクロはどうなっているかということなんですけれども、ミクロは発行可能額ということで交付税の算定をする中において発行可能額が出て、その発行可能額の範囲内において自治体がマックス発行してもいいですし一部だけ発行してもいいという中において、以前は交付税特会借入金だったわけですけれども、臨財債になって、自分で資金調達しなくちゃいけないという中において、マックス発行しない団体もあるわけですね。そこは一定の市場規律が働いていると思っているんですけれども、そういう中において自治体の判断で、臨財債も交付税措置されるといっても、地方債、借金残高になりますので、議会でも結構いろいろ御審議いただく、御指摘いただく部分でもありますので、自治体が議決か、議会とか住民等の対話の中において自主的に判断されていると考えております。

以上です。

〔池尾分科会長〕よろしいですか。どうもありがとうございました。

それでは、工藤委員、お願いします。

〔工藤委員〕ありがとうございます。過疎対策事業の配分についてコメントさせていただきます。過疎対策事業の活用状況を把握していくことが必要であるということにつきましては、全く異論ございません。その上で、どのように活用状況を評価していくべきか、ということが今後の課題だと感じました。

そのためには、既に総務省さんで検討を進めていただいているところかと思いますが、関係省庁で連携いただきまして、過疎地域の自立がどうあるべきか、そのために過疎債はどう使われていくべきか、どのように効果を見える化するか、ということを、皆さんもおっしゃっていましたけれども、よく整理していただく必要があるかと思っております。

過疎対策事業は、国土の維持と財政の持続可能性の両立を考えながら対応していくべき分野だと考えております。自治体それぞれの実情に合わせた使い方は当然あろうかと思いますけれども、部分最適ではなく全体最適を考えて評価していく視点もぜひ取り入れていただければと思います。

また、地方の公共事業全般についてですが、財政の持続可能性や支出の効率化という観点では、引き続きPFIなどを通じた民間資金の活用を推進していただければと思います。地域金融機関を中心に、PFI事業に融資したいというニーズはよく聞かれます。他方で、ノウハウや人材不足を理由に、PFIに参画できない自治体や地元企業もまだまだ存在しています。こうした課題の解決に向けて、ノウハウの共有や広域連携、あるいは民間資金活用に対するインセンティブの付与などの対応をぜひよろしくお願いしたいと思います。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

それでは、原田委員、お願いします。

〔原田委員〕皆様、繰り返し発言なさっていらっしゃる過疎対策に関するところで、短くコメントをさせていただきます。19ページに書いていただいている論点1のところですけれども、活用状況についてはぜひとも把握していっていただきたいと、皆様、同じ意見ですけれども、私もそのように思います。

ソフト事業への配分が可能になってから、事業効果の検証が可能なものではなく、事業効果が検証不可能なものも入ってきているようであります。それでも、花火大会ですとか盆踊りですとか地域のおまつりですとか、効果の把握が不可能だけれども、なぜこれが過疎対策のお金から出るのか疑問という使徒はあるかと思いますので、細かく見ていっていただければと考えます。

例えば、効果を検証しやすい使徒などとして、空き家を改修して移住を促進するですとか、地方に移住する人に一定金額を引っ越し代として給付して移住してもらうですとか、そういった定量的に把握できる事業もたくさんあるかと思いますので、そういったものはより把握していただいて、そうでないものは、何らかの形でもう少し見えるように使っていただければと思います。

本来、地方交付税そのものは過疎対策を含んでいる制度であろうと思いますけれども、そこにプラスアルファで過疎対策事業への配分というものがあって、活用状況の把握が十分できていないと、定期的に計量できていないところは今後改善していっていただく必要があると思います。

以上になります。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

それでは、林田委員、お願いします。

〔林田委員〕ありがとうございます。私も、ほとんどほかの委員の方々がおっしゃったので、簡単にですけれども、過疎対策事業、やはり活用状況について把握していくことが重要であると思います。それで、中身が大切だというお話がいろいろな委員からありましたけれども、本当に過疎対策に資するものであるのかというのを、中身に突っ込んで審査していただきたいなと。例えば、隣のまちで花火大会をやっているからうちもやろうとか、それが本当に過疎対策になるのかとか、そういったところにまで踏み込んで審査をしていただければと思います。

それから、臨財債についてですけれども、抑制的に配分するという基本方針で、25ページの表を見ますと、きれいに、最初は1%刻みで減り、それから、0.5%刻みでシェアが減っていっている。そうすると、令和2年度は何となく22.5%になるのかなという、何か事前の了解事項みたいなものがあるのか、そうではないのか、そのあたりのことと、このシェア割でやる場合には、総額が増えた場合には引受の実額が増えてしまうケースも、見ると2回か3回あるんですけれども、抑制的に配分するということから言うと、これはシェア配分のことを言っているのか、実額としても抑えていくという決意を込めた表現なのか、そのあたりの解釈というか、理解を教えていただきたいと思います。

以上です。

〔池尾分科会長〕後半は質問でしたので、事務局からお答えいただけますか。

〔大関計画官〕具体的な引受割合なり引受額については、今後、年末に向けた予算編成ですとか地方財政の状況などを踏まえて検討していくことになります。したがって、具体的な数値について何らかの目標とかそういったものを、ここで表明するのは難しい状況にありますけれども、ただ、これまでも申し上げていたとおり、赤字補塡の意味合いがあるというものでございますので、抑制的に関与していくということ、そういう方針で臨みたいと考えている次第でございます。

〔池尾分科会長〕交渉をするんでしょうけれども、過去の実績を踏まえればということで、落としどころが見えてくるみたいな感じになるんですかね。

〔林田委員〕そうなんですかね。了解しました。

〔池尾分科会長〕では、高田委員、お願いします。

〔高田委員〕御説明ありがとうございました。私からは、1つ意見と、もう1つは、ある程度御見解をお聞かせいただきたいという点であります。

まず意見の方なんですけれども、もう多くの委員の方々がおっしゃっておられます過疎対策事業ということなんですけれども、先ほど冨田委員の御発言にもございましたように、現在のこれだけ高齢化、人口減少の状況の中でありますと、当然のことながら、こういう過疎地域が増えやすいというところ、あると思うんです。それでは、そういう地域が増えるから、どんどんこれにつけていくのかといえば、一方で、財政的な観点から考えますと、そういう状況であるからこそ、当然のことながら、持続的な対応のために改善をしていくべきとなります。一方、中長期的な改善を目指すためのインセンティブづけみたいなものがないと、「いたずらに」という言い方も語弊はあるかもしれませんけれども、こうした分野のところがやっぱり増えていきやすいという現状があるんだろうと思います。

そうしてまいりますと、特に18ページのところにありますが、これも多くの委員の方から御指摘がございましたけれども、ソフト分の活用事例という中で、上の四角内、2番目の丸にありますが、事業効果が一時的にとどまるものや、非過疎地域においても実施されている個人給付もあるというような状況の中で考えますと、やはり持続的な対応のために、ある程度、先ほど、コンパクトシティーという議論もございましたけれども、そういう1つの在り方を目指したインセンティブ付けというような改善事例みたいなものも必要になってくるんじゃないかなと思います。特に、こうした傾向にある中を単純に延長線上で延ばしていくという発想以上に、改めて改善の状況も必要ではないかと思います。

それから、2番目に御見解をお聞かせいただきたい点なんですけれども、後半部分のところの、特に防災・減災に関する事業の配分ということでございますけれども、例えば、この資料の9ページ、10ページのところにありますように、ちょうど令和元年におきまして、防災・減災・国土強靱化緊急対策事業がかなり増えているということでもございます。それから、23ページのところにございますように、地方単独を含む防災・減災に資する事業の配分について、特に今後、この3か年の緊急対策に基づいて対応していくということなんですけれども、こうした重要性は誰が見ても、昨今の状況を鑑みますと、この重要性を理解できるわけでありますけれども、どのぐらいの目途と言うんでしょうか、方向付けと言うんでしょうか、がある程度念頭にあるのかと思います。なかなか金額という意味で明示することは難しいんだろうと思うんですけれども、どのぐらいの、程度の目処ですとか、時期としては3か年ということなのかもしれませんけれども、時期と金額の目安というんでしょうか、もしくは割合の目安と申しましょうか、この辺に対する、もしくは増額というんでしょうか、そんな目安みたいなものがあるようでしたら教えていただきたいという点でございます。

以上です。

〔池尾分科会長〕それでは、後半の部分についてお答えいただけますか。

〔大関計画官〕防災・減災・国土強靱化緊急対策事業については3か年の計画ということでございますので、令和2年度におきましても引き続き積極的にということでございますが、規模については現時点でお答えするのはなかなか難しいと思っております。

規模を検討するに当たりましては、財投は民業補完という性格もございますので、民間資金との役割分担ですとか、あるいは機構資金との役割分担とかそういったものについてよく検討した上で、実際に財投から出すとしたらどの程度出すのかということは検討してまいりたいと思います。

〔湯下財政投融資総括課長〕補足的に説明させていただきますが、防災・減災・国土強靭化緊急対策事業につきましては、国全体としては、2020年までの3か年で総事業費7兆円ということが今決まって、それに向かって進んでおります。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。高田委員がおっしゃった前半のことは、本当にもっともなんですが、財投分科会の議論の範ちゅうは明らかに超えていて、現在の特別措置法が令和2年度末に期限が来るということで、その次の法案の、土居委員とかおっしゃっていましたが、それの国会での審議に期待するということでしか言えないと思うんですね。現行の法律では自立を目指すとなっていて、全ての地域が自立できればそれにこしたことはないと思うんですが、やはりそこはより現実的に考えると、コンパクト化とか集約化にもっと方向性を打ち出すべきじゃないかとかいうことは個人的に思うんですけれども、それは国会で審議していただくことに期待することになるかと思います。

それでは、最後、翁委員、お願いします。

〔翁委員〕論点2の防災・減災でございますが、本当に最近の自然災害などを見ましても、この重要性はよく認識はしております。その中で留意点としては、やはりハード面とソフト面をどうやって組み合わせていくかがすごく大事なんではないかと思っておりまして、人口が減少する中で、ソフトのいろいろな対応の充実、ハザードマップや避難計画とかそういったことによってかなり減災できる部分もございますので、防災と減災に当たりましては、ハードとソフトをこういう人口減少下でどういうふうにやって有効に対策をしていくか、資源配分していくかということにぜひ意を配っていただければと思っております。

それから、御質問にはなりますが、地方単独事業であっても、今回、国として重点的に資源配分すべき事業については貸付対象として検討すべきではないかと書いてございますが、これ、具体的には民間資金でやることが難しいところと考えるのか、それとも、非常に広域的で国としてやっていかなければいけないところと考えるのか、国として重点的に資源配分すべき事業について、何かもう少し具体的なことがございましたら教えていただきたいと思っております。

〔池尾分科会長〕いかがですか。

〔大関計画官〕防災・減災に関する事業につきましては、26年の分科会の報告書におきましても、国として重点的に資源配分すべき事業であるという御指摘を頂戴しているところでございます。それから、防災・減災と国土強靱化については、まさに骨太などでも仕組みとしてしっかり取り組んでいくということでございますので、これは国を挙げて取り組んでいる課題であるということでございます。

そうした中で、昨今の災害発生状況を踏まえれば、地方公共団体における防災・減災事業に対するニーズも増えることが予想されるということで、ここに対して財投からも資金を配分していったらどうかと考えているところでございます。

〔湯下財政投融資総括課長〕追加でございますが、今、計画官から申し上げたのは、性質に関するものでございます。あと、民間との関係で切り分けますと、やはり公共事業全般的に言えることですけれども、災害復旧とかで新しくつくる場合、期限が長いものが多いというものですので、そこは短くて済むものは民間にまかせておけば良いのですが、むしろ長いものが必要になっている、それに対するニーズをどうするかという観点で今回の御提案を申し上げているということでございます。

〔池尾分科会長〕それでは、まだいろいろと議論すべき点が残されているかとは思いますが、時間の制約がございますので、このあたりで質疑を終了したいと思います。追加の御質問等ございましたら、後ででも結構ですので、事務局を通じてお願いします。

それでは、総務省担当部局の皆様には御退席いただきます。どうもありがとうございました。

(総務省 退席)

〔池尾分科会長〕次に、日本学生支援機構について取り上げたいと思いますので、交代されるのをお待ちください。

(文部科学省、日本学生支援機構 入室)

〔池尾分科会長〕それでは、まず大関計画官より要求の概要及び編成上の論点の説明を始めていただけますか。

〔大関計画官〕それでは、次に、日本学生支援機構について御議論いただきたいと存じます。お手元の資料2をお願いいたします。資料に沿って御説明させていただきます。

1枚おめくりいただきまして、目次でございます。日本学生支援機構の機関の概要、要求の概要、論点1として有利子奨学金の事業規模、論点2として機構の財務の健全性でございます。

2ページ以降、機関の概要等でございます。

3ページを御覧ください。こちらが機構の概要となっております。日本学生支援機構は、国が行っていた留学生に対する奨学金の給付事業や日本育英会の奨学金貸与事業等の学生支援事業を総合的に実施する機関として、平成16年4月に設立された独立行政法人でございます。

4ページでございますが、学生数等の動向となります。18歳人口、水色の部分でございますが、平成4年の205万人をピークに減少傾向となっております。一方で、高等教育機関への進学率は上昇しております。なお、文部科学省の推計によりますと、住民税非課税世帯の高等教育進学率は平成27年度で40%程度となっておりますが、来年4月から始まる高等教育の修学支援新制度の実施により上昇することが見込まれます。

次に、5ページを御覧ください。奨学金利用者の動向となります。先ほど申し上げましたとおり、18歳人口は減少傾向となっておりますが、進学率の上昇により、高等教育機関の学生数は近年、350万人程度で推移しております。そのうち奨学金貸与人員は130万人程度となっておりまして、貸与率で申し上げれば、平成30年度において36.2%となっております。

次、6ページでございますが、大学卒業までにかかる教育費の一例を示しております。例えば、全て国公立ですと800万円程度、全て私立ですと2,300万円程度という状況となっております。

次に、令和2年度の要求の概要でございます。資料の8ページまでお進みください。8ページは要求の概要でございます。機構は、令和2年度の要求におきまして、在学中の学生等への奨学金を貸与するための事業規模として7,807億円、元年度の計画額から823億円の増、また、奨学金貸与が終了する学生の貸与総額に係る借換えの資金として、財政融資資金6,614億円を要求しております。

9ページでございますが、事業規模と財投借入の推移を示したものとなります。ここまでが概要の説明となります。

次のページから論点の御説明をさせていただきます。まず1つ目、有利子奨学金の事業規模についてでございます。資料の11ページを御覧ください。論点を先に提示させていただきます。

まず1つ目といたしまして、令和2年度要求では、修学支援新制度の支援対象者による有利子奨学金の併用を想定し、有利子奨学金の事業規模を増加させているが、適正な事業規模とする必要があるのではないか。

2つ目として、給付型と貸与型奨学金を併用する者に対しては、返還義務のある貸与型奨学金が返還義務のない給付型奨学金と混同されることがないよう、制度の周知等奨学金事業の理解を促進するための取組を強化する必要があるのではないかでございます。

論点に関する資料として、12ページをお願いいたします。12ページは、貸与型奨学金事業の推移になります。近年は、有利子から無利子へといった流れのもと、有利子の貸与人員は減少する一方で、無利子の貸与人員は増加傾向にございました。しかしながら、先ほど申し上げましたとおり、来年度は有利子の貸与人員が増加するという要求となっております。これは、修学支援新制度の実施による影響でありまして、13ページで御説明いたします。次のページを御覧ください。

13ページの上段は、来年4月から始まる高等教育の修学支援新制度の概要でございます。大学や短大など高等教育機関への修学支援として、住民税非課税世帯やそれに準ずる世帯の学生を対象に、授業料等の減免制度を創設するとともに、給付型奨学金の支給を拡充することとなっております。

ただし、この新制度におきましては、給付等を受ける学生が無利子奨学金を併用しようとする場合、無利子奨学金の貸与額が調整される仕組みになっています。左下の参考の表を御覧いただければと存じますが、例えば、国公立大学に通学する自宅外生の場合ですが、無利子奨学金の貸与上限額は5万1,000円となります。この学生が住民税非課税世帯である場合には、新制度における給付額等は月額約11万円強となります。この例のように、給付等の額が無利子奨学金の貸与上限額を上回っている場合には、無利子奨学金の貸与は受けることができないことになります。

したがいまして、このような学生が給付等に加えて、さらに貸与を希望する場合には、有利子奨学金を利用することになります。機構では、この新制度の実施により有利子奨学金を併用する者が増加すると想定して、これまでの有利子と無利子の奨学金の併用実績を参考に、約9万人の増加を見込んだ要求となっているところでございます。

私どもとしては、この事業規模について、新入生や在学中の学生の動向を見ながら、適正な事業規模に精査していく必要があるのではないかと考えております。また、給付型と貸与型を併用する者に対して、これらが混同されることがないよう、奨学金事業の理解を促進するための取組を強化する必要があると考えております。

次に、機構の財務の健全性について御説明したいと思います。資料の15ページを御覧ください。先に論点を挙げさせていただいております。1つ目といたしまして、修学支援新制度の円滑な実施に向けて「骨太の方針2019」等に記載された財務の健全性に係る事項の検討を進め、見直しが必要なものは速やかに実行に移す必要があるのではないか。2つ目として、昨年の財投分科会におきまして、機関保証制度の利用促進について御議論いただきました。それを踏まえて、文部科学省から機関保証への一本化も視野に入れつつ、保証制度の在り方について検討する必要があると考えている、制度の見直しについては、2020年度を目途として検討を進めていく旨の回答がなされまして、昨年12月の財投分科会において御報告させていただいたところでございます。

現在、文部科学省において検討が進められているところと承知しておりますが、この対応方針に従って、機構の財務の健全性を確保する観点から、保証制度の在り方を速やかに検討する必要があるのではないかと考えております。

続いて、16ページでございます。今年の6月に閣議決定されました「骨太の方針2019」の抜粋を載せております。下線のところでございますが、日本学生支援機構について、必要な業務の見直しなど機能強化を図ることとされております。その具体的な見直しの内容については、※3のところですが、将来にわたる財務の健全性の観点からの延滞債権の縮減や未収財源への対応、保証制度の在り方等についての検討を含むとされているところでございます。

17ページでございますが、保証制度の在り方についての文部科学省における現在の検討状況でございます。文部科学省においては、近年の社会環境の変化に伴い、人的・機関保証のそれぞれに課題が生じてきていることから、保証制度の在り方を検討するため、今年の3月に、保証制度の在り方に関する有識者会議を設置したところでございます。有識者会議は現在、5回まで開催されていると伺っています。これまでの会議において委員から示された意見は、文部科学省作成の資料になりますが、次のページのとおりでございます。

18ページでございます。こちらの会議の詳細や今後の見通しにつきましては、私からの説明の後、文部科学省から御説明をさせていただきます。私どもといたしましては、昨年の財投分科会で御議論いただいたとおり、機構の財務の健全性を確保する観点から保証制度の在り方が検討されていくことが重要であると考えております。

次に、19ページを御覧ください。19ページは、機構の延滞債権、リスク管理債権の動向を示したものとなります。赤色の線が延滞債権比率でございます。こちらは低下傾向となっておりますが、青色の線のリスク管理債権比率は上昇傾向となっています。その要因は、この緑の部分ですけれども、返還期限猶予や減額返還といった貸出条件緩和債権が増加していることによるものでございます。

この貸出条件緩和債権は、将来延滞に陥るリスクが高い、注意しなければならない債権であると考えております。一例として、貸出条件緩和債権のうち、返還期限猶予を行った債権が翌年度どうなったのかを示したものが次のページでございます。20ページを御覧ください。

20ページは、平成29年度に返還期限猶予中であった債権が30年度にどのような債権となったのかを調べたものになりますが、30年度においても約50%が再度返還期限猶予債権となっています。また、約15%が延滞債権となっております。

また、一般猶予の返還期限猶予債権につきましては、右側のピンクの部分に書かせていただきましたが、平成26年度に猶予期間を5年から10年に延長しておりまして、今年度以降、猶予期間10年を使い切った債権が出てくることが見込まれております。返還期限猶予債権につきましては延滞に陥るリスクが高い債権であるということで、今後も注視していかなければならないと考えています。

論点に関する資料の説明はここまでとなります。次ページ以降は参考資料になりますが、その中で1点、機構の財務に関する事項として御紹介させていただきます。24ページをお願いいたします。24ページは「骨太の方針2019」に記載のありました未収財源の関係で、未収財源措置予定額の状況を示したものとなります。この未収財源措置予定額ですが、機構の業務運営に要する費用のうち、後年度において国から財政措置されるものを積み上げたものでございまして、BS上、資産として計上されております。機構の設立時288億円であったものが、事業規模の拡大とともに膨らみまして、平成30年度末時点で1,005億円となっております。

以上、私からの説明となりますが、先ほども申し上げましたとおり、保証制度の検討状況につきまして文部科学省から御説明をさせていただきます。よろしくお願いします。

〔文部科学省 森大臣官房審議官〕文部科学省でございますけれども、資料の17ページ、18ページのところで保証制度の在り方の検討についてでございます。先ほど、財務省から御説明いただいたようなところでございますけれども、昨年11月の財投分科会における御指摘を踏まえまして、機関保証への一本化も視野に入れつつ保証制度の在り方を検討するために、本年3月に文部科学省内に有識者会議を設置いたしまして、日本学生支援機構や保証機関でございます日本国際教育支援協会の意見も聞きながら、奨学生、保証人など、それぞれの立場からのメリット、デメリット等について議論し、整理を行ってきたところでございます。

文部科学省といたしましては、現在、保証制度における選択比率は、人的保証制度、機関保証制度でほぼ同等というニーズがあるということでございまして、今、ほぼ半々の選択率でございます。一方で、また返還状況を見た場合に、機関保証の選択者に比べまして人的保証の選択者のほうが、返還状況ですと現状ではよいという状況もあり、そういうところもございます。

一方で、先ほど御説明ありました、来年4月から高等教育の修学支援制度、新しい制度が始まりまして、住民税非課税世帯や準ずる世帯に対する経済的支援として、給付型奨学金が導入されることによりまして、貸与については、かなりケースが変わることも予想されるところがございます。そういった状況も見た上で検討する必要があろうかと思ってございます。

さらには、機関保証の場合には保証料がかかることもございまして、返還者本人の負担軽減も配慮しながらも、さらには保証機関の健全性の確保も必要でございますので、これらの課題にも留意しつつ、有識者会議での議論も踏まえた上で、引き続きここら辺の問題について検討を進めていきたいと思っているところでございます。

御説明は以上でございます。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。それでは、ただいまの大関計画官及び文部科学省からの御説明を踏まえて、委員の皆様から御意見、御質問をお願いしたいと思いますが、日本学生支援機構の方、それから、ただいま御説明いただきましたが、文部科学省の担当部局の方々にもお越しいただいていますので、直接御質問いただいても結構です。では、野村委員。

〔野村委員〕御説明ありがとうございます。昨年も同趣旨のことを申し上げたように思いますが、この奨学金の持続可能性を考えますと、非常に大きなリスクが、学生の間での借金という意識の希薄さではないかと思っております。奨学金という、言葉は悪いですけれども、非常に甘い名前の衣に包んでいますが、その内実はローンであり借金であるという意識が学生の間で非常に薄いことを、学生を前にして強く感じているところです。

学生は、大学4年間を、どうやり繰りするかという短期的な視点しかなくて、それだけで精いっぱいです。これから何十年とわたって返済義務を負うことの重さが実感できないのは致し方ないかもしれませんが、その厳しさが見えていないことが課題ではないかと思っています。

ということで、奨学金の仕組み、例えば、先ほど御説明にあった貸与型と給付型の違いについて丁寧に説明するという制度の仕組みの説明にとどまらず、長期にわたる収支を見通すような、マネーリテラシーを高めるような研修を行ってはどうでしょうか。奨学金を利用するに当たり、そうしたセミナー受講を必須条件とするような措置があってもいいのではないかと思っています。

例えばですが、年収300万円未満だった場合とか年収500万円未満だった場合、所得はどのぐらいで、手取りの中でどのぐらい返していかなきゃいけないか、その重みがどういうことか、そういう現実を具体的に示して実感させるところまで丁寧に説明しないと学生には伝わらないのではないかと思っています。

それから、2つ目が機関保証と人的保証についてです。機関保証に一本化することも視野に入れてはどうかと、昨年、こちらの分科会で議論がされたかと思います。問題意識としては、人的保証の難しさというか、危うさがあることから出された意見だったかと思いますが、今、文科省さんの御説明とかを伺うと、どうも人的保証の課題について認識のずれがあるように感じています。どちらが良い悪いではないのですが、そのあたりの課題認識をもう少しすり合わせる必要があるのではないかと思っています。

以上です。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

工藤委員、お願いします。

〔工藤委員〕ありがとうございます。機構の財務の健全性に関連して申し上げます。支払期限の猶予や延滞について、必ずしも個人の問題に帰することはできない部分もあるかとは思いますが、一方で、やはりモラルハザードを防ぎ、制度の持続可能性を確保するためにも、貸与型の奨学金について返済をより確実なものにするための努力はやっていくべきだと思います。

今、野村委員からもお話がありましたけれども、学生の方の返済の認識の薄さというのは、まだまだこちらサイドでも改善の努力ができるのではないかと思います。返済の必要性をよく認識していない背景には、単に周知の問題だけではなく、お金を借りることについての実感がないということもあるのではないかと思います。そういう意味では、高校生や大学生の段階から計画的にお金を借りること、返していくことを学んでおくことが重要でございまして、制度の十分な周知・広報とあわせて、金融経済教育にも引き続き力を入れていくべきだと思います。

金融経済教育というと堅苦しくなってしまうのですけれども、無料の家計簿アプリですとか、お金の管理自体は以前と比べて大分簡単になってきております。今の時代、スマートフォンを持っていない学生さんはいらっしゃらないと思いますので、そういったサービスと連携して、奨学金の返済プランを組めるようになると、若いうちから計画的な返済を考えることができるのではないかと思います。こうしたテクノロジーを活用した対応も考えていただければと存じます。

以上です。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

では、家森委員、お願いします。

〔家森委員〕ありがとうございます。まず、今回、修学支援が拡大をして、まさに親の所得に関係なく学ぶ機会が広がるということ、私も大学人として非常にありがたいことではあると思います。貸与型奨学金の事業規模については、借りたい学生さんが心配なく借りられるようにしていただきたいと思います。というのがまず第1点です。

2つ目は、金融経済教育の関係です。この資料の最後にありますが、高校生をターゲットとした広報についてです。私は、FP協会の仕事をしているので、FPの方々を活用していただいていることは存じておりますが、まだ規模感として、私が思うには十分ではなくて、FPの方々も研修は受けたけど、実際に教えに行くところまで、なかなか呼ばれてないというようなことをおっしゃっています。、せっかく要員をつくられたなら、もっと使っていただいて、しっかり広報をしていただきたいというのが2つ目です。ややセンシティブなことですけれども、現在も奨学金がちゃんと学生のために使われていない例があると相談業務の中で聞いておりますので、そういうケースが出てこないように、つまり、子供さんの権利をしっかり守れるように指導していただきたいと思っております。

それから、督促についてです。資料の例ではたまたまそう書いているだけなのかもしれませんが、20ページのところで支援機構さんとして、一般猶予の方については、電話とか郵送とかで連絡をしていますとされています。ほかの金融機関ですと、こういうときにはもっとケアやコンサルをされて、どういうふうに返していくかという点での相談対応をとられます。それと同じことを機構自身がやるのは難しい面もあると思いますが、外部との連携をしていただくなりして、無理やりに回収するのではなくて、どうやったら返せるかという、まさに、さきほど工藤先生から御指摘があったように、ライフプランニングを一緒に立てて、ゆっくりと返せるような仕組みをとっていくことが大事です。もちろん期限を忘れているという方だけなら現在の方法で十分に効果的ですが、もう少し、学生さん、生徒さんの生活をこれからずっと維持していくという観点で、ライフプランをつくり直すというような指導の仕方をしていただければ債権回収にもつながると思います。例えば、同じ政府系の機関でもある、住宅支援機構でも、金額が違いますけど、そちらでもかなりそういうケアをされて効果が出ていると聞いておりますので、日本学生支援機構さんでも一層のケアをしていただければという意見を持っております。

以上です。

〔池尾分科会長〕今の点、何かお答えというか、レスポンスがあればお願いしたいと思いますが。

〔日本学生支援機構 石川奨学事業戦略部長〕日本学生支援機構でございます。返還意識の涵養ということで、最初御質問いただきました。事業の継続可能性ということでも、返還意識の涵養は大変重要なことだと考えております。私ども、先ほど委員から参考資料の御紹介をいただきましたけれども、参考資料の一番最後、26ページに、「高校生をターゲットとした広報活動」というところで、平成29年度からスカラシップ・アドバイザーの派遣という事業を開始しております。これは、ファイナンシャル・プランナーの方に、私どものほうで養成プログラムという研修をして、その後、テストをした上でその修了者にスカラシップ・アドバイザーという資格を認定するものでございまして、各高校であったり、あとは大学等、これは当人から依頼があったときに、こちらからスカラシップ・アドバイザーを派遣するものでございまして、まだ制度が始まって間もないということでございまして、まだ確かに規模感としては十分ではないと認識しております。

高校の段階から、進学資金であったり将来のライフプランであったり、そういったアドバイスをいただきながら進学資金についての認識を植えていくことにまず取り組んでおります。

あと、返還意識の涵養ということで申し上げますと、奨学金の申込みの際に、スカラネットという画面で申込みをするわけですけれども、その中で、まず重要事項の確認を必ずしていただくことになっております。その中で、貸与奨学金については、奨学金の返還義務があることを認識させて、そこをチェックしないと次の画面に進めないといった取組をして、返還意識の涵養に取り組んでいると。

そのほかにも、重要事項として10項目ほど質問を設定しておりまして、それを全て確認していただく手続になっております。これは、申込みのときだけではなくて、適格認定とかの、引き続き奨学金を受けるときの手続においても、いろいろ返還意識の涵養という形で確認をいただいているところでございます。

あと、返還猶予についてでございます。これは私ども、教育的施策としてやっている事業でございまして、そのセーフティーネットとして設けている仕組みでございます。経済的に困難な方が返還に困ったときには返還期限猶予、あるいは割賦額を半分あるいは3分の1に減額する減額返還制度というものを設けております。そういった制度を周知することによって、延滞に陥らないという取組をしておるところでございます。

また、返還猶予期限が切れた場合には、各返還者の方に、猶予期限が切れて返還が始まりますので、引き続き猶予を願い出る場合にはその手続をしてくださいという案内の通知を差し上げたり、先ほど出たようなSMSでお知らせしたりといったところを取り組んでおるところでございます。

〔文部科学省 森大臣官房審議官〕あと、保証制度の在り方についての認識でございますけれども、もともと日本学生支援機構の奨学金の保証制度については人的保証しかなかった。その中で、独立行政法人化するときに機関保証の制度を入れまして、平成16年に入れて、それで機関保証はスタートからすれば増えてきたというのはございます。私どもとしても、現在の人的保証の仕組みというのは、連帯保証人に原則父母の方がなり、それにプラスして、保証人に4親等以内の親族、大体おじさんとかおばさんになっていただく、そういう仕組みでやってきたわけでございます。

これを今後の家族の在り方といいますか、そういうことを考えていったときに、これをこのまま維持できるのかどうかという問題もございますし、また、JASSOとしての業務の進め方、そういうことからしますと、この機関保証を伸ばしていきたいという考え方は基本的な認識として持ってございます。

ただ一方で、現状の返還の状況でありますとか、あるいは、しばしば指摘されるところでございますけれども、保証料の問題、さらには機関保証が広がってきたときに、きちっと、いわば低廉な保証料でやっていけるかどうか、そこら辺を見きわめた上で進めていく必要があろうかということでございまして、基本的な方向性としてはそういう認識のもとで検討を進めているということではございます。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。

では、林田委員、お願いします。

〔林田委員〕ありがとうございます。この制度の周知等、奨学金事業の理解を促進する取組に関してなんですけれども、先ほどから、セミナーを貸付時に行ったり金融教育を行ったり、これも大変大事なことだと思いますし、貸すときに学生にしっかりと周知している取組なども文部科学省の方からお聞きしたんですけれども、人間というのは忘却の動物でございまして、やっぱり繰り返し繰り返し周知されないと、つい忘れてしまうところがあると思います。そういうことからいきますと、やはり新制度が入ったいい機会でもありますので、ネーミングをちょっと考えてもいいのかなという気はしております。例えば、給付型については「奨学給付金」とするとか、貸与型については「奨学貸与金」と、文字をひっくり返すだけでも大分印象が変わるのかなという感じがします。

それに関連してなんですけれども、18ページに、文科省の方が作成してくださった資料で、「全体」とあるところの最初のところに、国の奨学事業は教育ローンと趣旨・目的が異なるという御意見がありますけれども、どういうふうに趣旨・目的が異なっていて、ローンではないんだという御意見のようなんですけれども、このあたり、手短にどういう趣旨なのか教えていただけるとありがたいのですが。

〔池尾分科会長〕時間が限られていますので、本当に短くお願いします。

〔文部科学省 西條高等教育局学生・留学生課長〕議論の中で出ているのは、制度としては、これは教育ローンであるということではあるんですが、貸与の部分については、ただ一方で、与信がないとか、借りたい人は誰でも借りられるという、学びたい人が学べる体制をつくるというところが原則としてあるところが教育ローンにして、ローンという制度ではあるんだけれども、単なる教育ローンではないという御意見が出ているところでございます。

〔池尾分科会長〕ネーミングの話は毎年私も申し上げていて、だから、教育ローンでないというのは結構なんですけれども、「奨学ローン」という名前にしていただければいいというのが私の意見で、「奨学貸付金」でもいいんですけれども。だから、「ローン」なり「貸付け」というのを言葉として入れておくことの意味はやっぱり大きいと思うので、毎年申し上げているんですが、なかなか反映はされないままにということで。どうもありがとうございます。

川村委員、お願いします。

〔川村委員〕手短に。要するに、これはローンであるということを改めて学生たちにも周知していただきたい。これはなぜ財融なのかということになれば、これは返還してもらうことを、時間軸は長くても大前提にしているわけで、以前、分科会長もおっしゃっていたように、これは国として教育投資というか、要するに、ある人間に対してベットしてお金を出すことが、将来高いリターンをもって、それはキャッシュベースだけじゃなくて、国全体に付加価値を生む見込みがあるから融資をしているわけであって、あるいは、給付型でも、そういう意味は後者の部分は当てはまるので、これが言葉のやり繰りかもしれませんが、教育ローンと趣旨・目的が異なるとか言われると非常に違和感が強いので、だったら、財投以外を当てにしてくださいという話になるので、これは厳しくやっていただきたいという点と、もう1つは、特に一部メディア等で、れんちゅうきゅう厳しくて、悪代官と哀れな学生みたいな、職がないのにみたいなことを言っていますけれども、これ、全く議論が違うので、やはり借りたお金は返しましょうという太古の昔から当たり前の話のことが議論がメディア的にすれ違うところがあるので、これは財務省あるいは文科省さんとしても十分留意されて周知をしていただきたいと思います。

あと、データ的に細かいことは後日にいたします。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございます。

では、高田委員、お願いします。

〔高田委員〕手短に幾つか意見をということなんですけれども、私も今の川村委員の議論とも関連するんですが、やっぱりファイナンスというような論点が入り口面でも欠けている部分があるんじゃないのかなという意識があります。ファイナンスであるとすれば、入り口のところの教育ではありますけれども、ファイナンスとしてのディシプリンも必要なので、やっぱりそこに金融教育的なものも必要になるんでしょうし、それから、リスク管理債権のところ、19ページのところ、20ページも議論があるんですけれども、これだけのリスク管理債権があり、また一方で15%が延滞債権になっているというのは、普通の水準で考えたら大変な水準であるわけなので、そういうことからすると、やっぱり回収でありますとか、さまざまなところを、普通のファイナンスに則って、場合によっては民間の力を活用することもあるのかもしれませんけれども、必要になる部分はあるんじゃないのかなと思います。その辺の入り口と、それから、借りたものに対しての回収という、そういうディシプリンは必要な部分ではないかと思います。

それから、そもそも教育のためのローンになるわけですけれども、要は、所得配分の機能として対応しているのか、それとも、いわゆるヒューマン・キャピタルを充実させる、国家の意思としてというところの座標軸がやや曖昧になっている部分があるのではないかなと思います。もしくは国民の認識においてもというような部分もあるんじゃないかと思います。

そういう点を踏まえた上での対応も必要であると思いますし、また、今のこの御時世からいたしますと、単に新卒、いわゆる普通の学生だけではなくて、リカレント教育というんでしょうか、そうした部分のところにも生かせる動きも必要になってきている。要は、社会人ももう1回対応できるような動きにも必要な部分があるんじゃないかと思います。

以上です。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。

では、翁委員、お願いします。

〔翁委員〕機関保証のところについて、先ほど、人的保証と比べると返還率が劣るというようなお話があったんですけれども、後で結構ですので数字を教えていただきたいと思うんです。おそらくここでも御指摘ありますけれども、少し誤解があって、自身の返済が滞ったときに保証機関が支払うということで、少し延滞とかそういったことが出ている可能性もあるんじゃないかと思うんですが、制度全体を考えれば、最終的には代位弁済した後、返済を個人に請求するわけですし、また、代位弁済を受ければ、個人の方はそれなりの制約を受けることになってまいります。やはり制度全体として考えますと、機関保証、先ほどもおっしゃっていましたけれども、全体としてディシプリンの上では機関保証を広めていくほうが、高齢化とかそういった社会環境の変化もありますし、同時にこういった全体を考えましても、どの数字を見ておっしゃっているのか分からないんですが、そういうことも含めて御検討いただければと思います。

以上です。

〔池尾分科会長〕原田委員、お願いします。

〔原田委員〕数字に関する質問が幾つかありまして、すぐに分からないような場合は後日教えていただければと思います。貸出条件緩和債権というのが19ページにありまして、比率が増えていますけれども、猶予する人の属性について把握していらっしゃったら、ぜひとも教えていただきたいです。

と言いますのは、先ほど御説明いただきましたが、1年ごとに猶予を申請して、10年目で、もう10年延長が切れる人たちがそろそろ出てくるということですので、そういう方々が、例えば、どういう制度の奨学金を受けているのか。例えば、機関保証を利用しているですとか、人的保証を利用しているですとか、つい最近、所得連動型というのもできたかと思うんですけれども、そういうものを利用しているですとか、幾つかの奨学金のタイプがあるかと思いますので、どういう制度を利用している人たちで、あと、どういう年齢でどういう性別の方々が多いのかといったところを、今後、10年切れる人たちに限らず、全体としてお示しいただければと思います。

と言いますのも、例えば、参考資料で22ページに学歴別の生涯賃金差というのが図で挙げられておりますけれども、これはおそらく男女別にすると、かなりの差が出るところじゃないかと思っています。何となくなんですけれども、猶予を申請している人たちの中に女性で主婦の人たちが多いのではないかという気がしないでもありませんで、そうしますと、延滞しているということになる、あるいは機関保証、代位弁済になったような場合に、多分、不利益が大きく出る人たちが特定の属性でいるのであれば、彼らに対する対応などは今後別途考えていくべきではないかと思いますので、そういった属性に関するところで把握していらっしゃることがあれば、後日で構いませんので教えてください。

〔池尾分科会長〕幾つか御質問がありましたが、本日、ここの場で答えていただくのは時間的制約もありまして難しいので、例えば、最後の原田委員からありました属性別分析のようなことをやられていれば、属性別の分析結果について、事務局を通じてお答えいただければと思います。それから、川村委員も幾つか数字的な御質問があるようですので、それについても後日、事務局を通じて追加の、ほかの委員に関しましても、ございましたらお願いしたいと思います。

それでは、ますます議論をしたいという雰囲気になっているようですが、予定している時間は既に10分過ぎて1時間半経ちましたので、本日の議事はここまでにさせていただきたいと思います。

先ほど申しましたが、この場で議論いただいた内容のほかに、追加の御質問、御意見ございましたら、事務局までお寄せいただければと思います。

本日の議事内容につきましては、この後、事務局より記者レクを行います。議事録につきましては、委員の皆様の御了解をいただいた後、財務省ホームページに掲載いたします。

次回は、来週の火曜日になっております。午前10時から、官民ファンド等について御審議を行うことを予定しておりますので、よろしくお願いいたします。

それでは、本日は御多用中のところ御参集いただきまして、まことに熱心に御議論いただきまして、大変ありがとうございました。これで閉会といたします。

15時30分閉会

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