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財政投融資分科会(令和元年6月14日開催)議事録

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財政制度等審議会財政投融資分科会
議事録

令和元年6月14日
財政制度等審議会


財政制度等審議会財政投融資分科会議事次第

令和元年6月14日(金)13:56〜15:02
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

  • 1.開

  • 2.産業投資の管理運営について
    「今後の産業投資について」(案)
    質疑・応答

  • 3.財政融資資金等の実地監査について
    質疑・応答

  • 4.閉

配付資料

資料1今後の産業投資について(案)
資料2

財務省理財局説明資料
財政融資資金等の実地監査について

出席者(敬称略)

分科会長

池 尾    和 人

可部理財局長

古谷理財局次長

井口総務課長

橋本財政投融資総括課長

金森管理課長

湯下計画官

若原計画官

谷内資金企画室長

山本財政投融資企画官

委員

翁  百合

高田 創

渡部 賢一

臨時委員

冨田 俊基

林田 晃雄

専門委員

川村 雄介

工藤 禎子

家森 信善


13時56分開会

〔池尾分科会長〕まだ定刻前ですけれども、出席予定の委員の方は全員おそろいになりましたので、ただいまから、財政制度等審議会財政投融資分科会を開催いたします。

本日は、今後の産業投資についての報告書のとりまとめをお願いしますが、それとあわせて、財政投融資資金等の実地監査に関する報告もお願いしたいと思っております。

この後、事務局より御説明いたします今後の産業投資についての報告書(案)につきましては、前回5月24日の分科会においていただいた意見、そして、その後、事務局にお寄せいただいた御意見を踏まえて、私と事務局において整理をいたしまして、最終案を提示させていただいております。

それで、その案に関しての議事に入りたいと思いますので、前回お示しした報告書(案)から修正した箇所を中心に、山本企画官に御説明をお願いいたしたいと思います。

〔山本財政投融資企画官〕企画官の山本です。よろしくお願いいたします。私からは、資料1の今後の産業投資について(案)につきまして、前回から修正した主な箇所を御説明させていただきます。

では、2枚お進みいただきまして1ページを御覧ください。「はじめに」を新たに設けております。本報告書のサマリーとしての位置付けにもなります。

最初に1.のところでございますが、ここでは、今回の分科会で今後の産業投資について検討を行った問題意識を記載しておりまして、まず、1.の第一段落の上から7行目を御覧ください。「近年では、官民ファンド向けの出資など、投資の直接の原資としての産投出資が使われる割合が増えている。」と記載がございます。

その背景にかかる記載といたしまして、第二段落の上から2行目を御覧ください。「新産業の創出、ビジネスの新陳代謝の促進、日本企業の海外展開等に係るエクイティ性資金の供給が一層必要であり、産業投資は、民間資金の呼び水・補完としての役割を果たす必要がある。」と記載してございます。

そして、同じく第二段落の下から2行目を御覧ください。「一部のファンドでは累積損失が生じている。」と記載してございます。

続いて2.を御覧ください。こちらでは、本報告書のポイントの1つとして、産業投資のプリンシプルについて記載をしてございます。

続きまして3.を御覧ください。こちらも、本報告書のポイントを記載してございます。

まず(1)では、産業投資のポートフォリオを活用するということを記載してございます。

続いて(2)では、産業投資のガバナンスとして、今後、新たな産投出資を行う場合には、予め出資時に、明確な出資条件を定め、政策性と収益性のガバナンスを行うということを記載してございます。

この(2)の内容はさらに次の2ページに続きますので、2ページを御覧ください。1行目からでございますが、改革工程表2018において、累積損失が生じている官民ファンドとその主務省は、累積損失解消のための計画を本年4月に策定・公表しており、今後、計画と実績に乖離がある場合には、改善計画の策定・公表を行うこととされている旨を記載してございます。

最後に4.を御覧ください。本報告書のとりまとめ後のことといたしまして、「本分科会としては、本報告書を踏まえ、産業投資の管理運営が適切に行われるよう期待する。」という文言でまとめとしてございます。

続きまして2枚お進みいただきまして4ページを御覧ください。冒頭に図表T−3ということで、産業投資の産投機関別残高などの図表がございますが、この図表の下にある文章を御覧ください。こちらの2行目のところに、(1)戦後の日本経済・産業の状況変化と産業投資の基本的な役割という項があり、それ以降、以下年代順に@、Aと説明がありますが、その次、B、2008年頃以降とある項の3行目の文末を御覧ください。「2008年の世界的な金融危機の下で」という文言で始まる文章を記載し、当時の経済状況を踏まえた内容としております。さらにC、現在のところでございます。この項の1行目を御覧ください。「経済の成熟化や金融環境の変化など」という文言で始まる文章が1行目と2行目、さらに次の5ページの1行目の文頭まで続いております。この文章では、産業投資が現在、新産業の創出、ビジネスの新陳代謝の促進、日本企業の海外展開等へ資金供給を行う背景となる日本経済の状況について記載をしております。

1枚お進みいただきまして6ページを御覧ください。図表T−5を追加しております。これは、官民ファンドによる民間資金の呼び水効果についてのデータでございます。

ちょっと飛びまして4枚お進みいただきまして10ページについて説明いたします。ページの真ん中あたりにお進みいただきまして、図表U−6として棒グラフがございます。その棒グラフの下にある文章のところでございますが、@.産業投資の基本的な役割等とあります。この@.の大枠の構成ですが、最初に、イ.産業投資の基本的な役割として、産投の役割についての一般的な考え方を述べております。

次の11ページにお進みいただきまして、上から7行目を御覧ください。ロ.現下の産業投資の課題というのがございます。ここでは、先ほどのイ.の産業投資の基本的な役割を踏まえ、a.新産業の創出、続いて下のほう、b.ビジネスの新陳代謝の促進、それからc.日本企業の海外展開という3つの課題を記載することで、この3つの課題が現下の課題であるということを明確にしております。

さらに、イ.産業投資の基本的な役割の中の記述ということで、11ページの上から3行目から6行目の文章を御覧ください。ここでは、近年の経済情勢等を踏まえた産業投資の役割の重要性について述べてございます。

引き続き11ページについて御説明いたします。下4分の1あたりの文章まで下がっていただきまして、A.危機時における役割とあります。この項の上から2行目を御覧ください。「特に、経済・金融に動揺が生じている状況等においては」との文言で始まり、次の12ページの上から2行目まで文章を記載しております。この文章では、危機時における産業投資の役割の意義、重要性について述べているものでございます。

続きまして4枚お進みいただきまして16ページを御覧ください。図表U−13ということで、フランスにおける一元化を例に関する図表がございますが、この図表の下から始まる文章についてでございます。この文章の1番目の段落の上から5行目から始まる記述を御覧ください。「こうした課題や海外での取組状況を踏まえれば、我が国においても、より高い政策効果の発揮や効率化につながると見込まれる場合には、産投機関のあり方の見直しを検討すべきである。」と記載をしてございます。

1枚お進みいただき17ページについて説明いたします。産業投資のプリンシプルを御覧ください。まず冒頭、「産業投資の出資者は、」ということで主語を明記してございます。次に3つ目のポツを御覧ください。「市場における非効率的な資源配分がある場合に、その改善に貢献する観点から」という記述にしてございます。続いて最後、4つ目のポツを御覧ください。「産投機関・主務省においても上述の3つの原則に則った運営がなされるよう」と記載し、出資者として行うガバナンスの具体的方向性を記述しました。

1枚お進みいただきまして18ページについて説明いたします。上のほうに図表V−1ということで、民間のポートフォリオ管理の例がございますが、この図表の下から始まる文章を御覧ください。この文書の第二段落でございますが、「また、産業投資は、適切なリスク管理の下」という文言で始まる部分からこの18ページの最終行までについてでございます。この部分は、産業投資のポートフォリオの活用についての記載でございますが、この段落の1行目から2行目を御覧ください。「民間資金の過不足の状況を分野やステージごとに把握して運営」と記載してございます。

続きまして2行目から3行目を御覧ください。「複数の分野・事業への投資を行うことで全体として収益性・その振れ幅のバランスを取る」とあり、ポートフォリオ活用の具体的な方向性を記述しております。

ちょっと飛びまして8枚お進みいただきまして26ページでございます。上から5行目のところに、A.エコシステム構築の観点というタイトルがございますが、この項の冒頭の第一文を御覧ください。「産業投資の活用を通じ、市場における協調の失敗等による非効率的な資源配分を改善して、日本経済の成長力強化等を図っていく必要がある。」という記載を追加してございます。この文章でまず産投の活用の一般的な目的を記述し、続く第二文以下で特に現状重要なこととしてエコシステム構築の話を展開してございます。

1枚お進みいただきまして27ページにお進みください。上のほうに図表V−18ということで、企業の成長段階ごとの課題に関する図表がございますが、その下にある文章についてでございます。イ.適切な枠組みの設計とある項の最後の2行を御覧ください。「必要に応じて、投資基準等の機動的な見直しや産投機関のあり方の見直しを求める必要がある。」ということで、産投機関のあり方について言及をいたしております。

1枚お進みいただきまして28ページについて御説明いたします。図表V−19ということで、政策性に係るガバナンスの図表がございますが、この図表の下のところでございますが、(3)収益性に係るガバナンスのあり方という項が立ててございます。この項につきましては、資本コストの考え方につき、前回の分科会で大変活発な御議論をいただきました。

ということで、2枚お進みいただきまして30ページを御覧ください。3行目のところでございます。ロ.産業投資及び産投機関の収益性という項目を前回の御議論を踏まえて新たに設けてございます。この項では、まず第一段落で産業投資から産投機関に出資するときの話を述べております。第一段落の1行目文末を御覧ください。「産業投資と産投機関との間で収益性の水準を定める際には、その目標水準は少なくとも産業投資の資本コスト以上となる必要がある。」とした上で、現在、産業投資の資本コストは、国債金利によることとしている旨を記載しております。

続いて第二段落でございますが、ここでは、産投機関から企業に出資するときの話を述べております。この段落の冒頭を御覧ください。「産投機関においては、事務コスト等を含め、最終的な損益が目標水準を上回るよう、各機関におけるリスク等を勘案したハードルレート(産投機関ごとの資本コスト)を適切に定め、投資判断を行うことが必要」と記載しておりまして、参考としてCAPMの算出式を載せてございます。

1枚お進みいただきまして31ページについて御説明いたします。上のほうに図表V−24ということで、新経済・財政再生計画改革工程表2018の表がございますが、その下のところ、B.収益性に係るガバナンスの方策とございます。この項の上から5行目の文末を御覧ください。「産投機関・主務省において産投機関のあり方に係る抜本的な見直しを含め必要な対応を実行するよう促していく必要がある」と記載をしてございます。

報告書本文は、この次の32ページで終了でございます。あと、32ページの後ろのページに分科会委員の名簿を記載しております。また、その次のページでは、この本報告書に係る分科会の開催実績を記載してございます。

私からは以上でございます。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

それでは、ただいまの山本企画官の説明を踏まえて、報告書(案)に関する委員の皆様からの御意見や、あるいはとりまとめですので御感想などがございましたらお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

どうぞ、川村委員。

〔川村委員〕大変お疲れさまでした。前回、非常に白熱した議論もある中で、私としては大変よくまとめていただいたと感じております。今後、この官民ファンドについては、いろいろなメディアを中心に、一歩間違えると誤解を生んでも困るので、この時期にこういうものがきっちり出て、今後、記者レクの対応を行っていただければありがたいと思っております。

特に、かねてから当分科会でもずっと課題になっている、いわゆる政策性と収益性のバランス、そして、それに時間軸が加わるという意味、それから、前回も結構熱い議論になった官民ファンドにおける資本コストとは何なんだというような議論は今後も不断にチェックしながら考えていかなければいけないし、それと、1点というか2点、ここの中に盛り込まれておりますけれども、改めて強調しておきたいことは、1つは、各官民ファンドにはそれぞれ20人から数十人のファンドマネジャーと言われる投資のプロを備えているわけで、当然、彼らに、それなりの人件費を払っていて、ところが、漏れ聞くところでは、そのソーシングのために別途アウトソースをするお金を払うとか、最後は、有料で払ってくるデューデリジェンス、外部に非常に多額のお金をかけているとか、あるいはLP出資ばっかりしてグリーンフィールドがおざなりになってブラウンフィールドばっかり投資する。このような間接コストが絡むようなやり方であれば、それこそ産投が直接注文したほうがいいわけでありまして、なぜそこに官民ファンドという本来自立的に動くべき機関があるのかということを、ちょっと本末転倒になっているのではないか。そういう意味で、中長期の収益性の一方で、そのコスト、官民ファンドが余分なコストを払ってないかということはきっちり見ていく必要があるのだろうなと感じております。

もう一つは、いろいろ見ていったときに、今回は非常にジェネラスな言いぶりになっているんですけれども、現在、十幾つある官民ファンドの中で、間違いなくオーバーラップが見られるというのは、恐らく、ここの分科会委員の皆さんも、程度の差はあれ認識しておられるのではないかなと私は感じておりまして、その上で、今後、中長期的に、それが無駄なコストを払っているものであるとするならば、かなり大胆な判断というのをどこかの時点でしなければならないのではないか。現状ではこういうことだと思いますけれども、各官民ファンドの今後のパフォーマンスが改善されない、あるいは、7年たっても8年たってもJカーブの一方通行で下っていく一方ということになると、そこの段階では当分科会でも大きな判断をしなければならないのではないか。そういう認識にあるということを各ファンドに対して、あるいは主管官庁に対してお伝えいただければと思う次第であります。お疲れさまでございました。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。それでは高田委員、お願いします。

〔高田委員〕どうもありがとうございます。今後の産業投資についてのとりまとめということで、本当にありがとうございました。また、事務方の方も含めて大変な御努力だったと思います。改めてその御努力に御礼をというふうに思っております。

今回の意義ということになるのですけれども、官民ファンドができて10年近くといいましょうか、また、その後、多くのファンドが立ち上がってから5、6年たったということで、1つの節目を迎えたということなのだろうと思います。そういう観点からすると、一定の見直しですとか、また、新たなガバナンスを求めるということは、やはり重要な論点ではないかと私は改めて思っております。

ただ一方で、もう一度振り返って考えてまいりますと、ちょうどバブル崩壊でありますとか、また、リーマンショックを経たこうした一連の状況というのは、有事ですとか危機対応という、また、それに加えましてグローバルなテクノロジーの大変化の潮流でありますとか、そういう様々の状況に対応したものであっただろうと思うんですね。それから一定の期間が経過して、ある程度平時でありますとかニューノーマルになった中で、こういう形での見直しを行うというのもやはり時宜を得たものではなかったなと思っています。その中での事業の推移を見極めた上で、また、今回の議論にもありますように収益性を中心にモニタリングをするというのも、非常に意義があることではないかと私は思っています。

ただ一方で、先ほど申しました歴史的な観点から申しますと、設立の趣旨に立ち返って改めて考えてみる必要もあるのではないかなと思います。すなわち、先ほど申しましたようにバブル崩壊後の資本不足に加えて、今日、我々が非常に意識しますのは、グローバルな技術の転換でありますとか大競争時代に入っている点です。こういった認識が非常に強まっているということなのだろうと思います。

そういう中で、産業投資という投資を行って、利益が上がるまでの長期に耐えることができる、いわゆるペイシェントキャピタルと言われる性格のものは重要です。よりこの投資を行うに当たってもリスク許容度を高めて対応する必要性というのでしょうか、こうした重要性が従来以上に高まっていると言えましょう。また認識されてきているということだろうと思うんです。また一方で、投資の効果を実現するという発想もこういう中で非常に重要になってきていると思います。

ですから、そういう趣旨からいたしますと、短期的なモニタリングを行うのも非常に重要ではあるのですが、同時に、長期の視点に立って、本来の評価の目的に即した対応というものを柔軟に行っていく、また、ポートフォリオ的な視点も重要だと思います。先ほど委員の方からの御説明にもありましたように、そういう中で重複があるというのであれば、このポートフォリオ的なところの中から、もう一回どういうふうにするのかということも視野に入るのだろうと思います。

これまで、この産業投資ということに加えて、財政投融資ということで言いますと、財政投融資全般でいえば融資が多かったんだろうと思うのです。ですから、そのモニタリングとか、それから債権管理というのは、私も結構長くクレジットアナリストを業務でやっていた時期があるんですけれども、そういう融資的な経験の観点から申し上げますと、その管理というものも、アプローチというものも、おのずとこのエクイティのものに対しては違う部分があるということだと思います。

今回も報告書の18ページと19ページの図表にもありますように、どうしてもこうしたエクイティ的な官民ファンドというのは、右上の、いわゆるハイリスク・ハイリターンのところに来るわけでありますから、そういう従来の融資とは異なる特性も十分に認識する必要があるということなんだろうと思いますので、そういう新たな局面に応じてこれから対応していくということはちょうど非常に時宜を得たものだと思いますので、そういう形のものができたというのは非常にいいことだったなと思っている次第でございます。
 以上です。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。それでは林田委員、お願いします。

〔林田委員〕ありがとうございます。手短に申し上げます。報告書全体につきましては、内容に賛同いたします。コメントとしては、収益性に課題が生じた場合のガバナンスに関してなんですけれども、改善目標、計画が達成されない場合には、産投機関・主務省において抜本的見直しを図る必要があると書いてあります。産投機関みずからも抜本的見直しを図るように求めたという点はよかったのではないかと受けとめています。そもそも改善目標あるいは計画を策定する段階で、何か黒字化ありきのような形で非現実的な投資の見通しなんかが出てくるといけないと思います。そうしたことを認めないようにするということも大切ではないかと考えておりますので、出資者である財投当局におきましても、厳しい目で計画をチェックするということをお願いしたいと思います。

以上です。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。それでは冨田委員、お願いします。

〔冨田委員〕ありがとうございます。今から11年前、リーマンショックの直後なのですけれども、5ページのグラフで見ると官民ファンドを通じたベンチャー投資の開始、それに先立って当審議会でワーキンググループがございまして、私、そのとき以来覚えている言葉が2つあって、1つはデスバレーです。これは、研究開発から事業化に至るまでに死の谷を越えねばならない。もう1つはペイシェントリスクマネー。死の谷を越えるために、民間では供給が困難なペイシェントリスクマネーというもの供給するのが産業投資の役割であるということで、多くの皆様方、識者の方からヒアリングを行いました。それから11年。それでできた官民ファンドについてのいろいろな現実的な問題を解決するという意味では、今回の報告書は、私は1つの明快な答えだと思うんです。

その中で、また今から10年後にどういうことを我々は覚えているかということを言いますと、私なりの印象は4つあって、1つは、ベンチャーキャピタルによるIT投資というのが非常に増えてきている。かつてはソニーの出井さんがこの場所でその必要性を強く言っておられたのですけれども、IT投資は非常に増えてきた。これはグラフにも出ております。

2番目は、産業投資の呼び水効果ということで、DBJから非常に興味深い図を出していただいて、1産業投資を行うとその4倍の投資がなされるという、呼び水効果を考える上で非常に頭がすっきりした、各機関そのとおりになれば非常に大きな効果を持ち得るのではないかと思いました。呼び水効果です。

それから3番目は、仮屋薗さんと朝倉さんからヒアリングをしたときに言われた言葉で、第二の死の谷があるのだと。これは、ある意味では中間的な出口を充実しないと、日本でユニコーン型の企業というのが登場しにくいのだというふうなお話と記憶しております。10年前は死の谷だったんですけど、今度は第二の死の谷ということでした。

それから4番目は、エコシステムの重要性ということをやはりお二人から聞きました。今回の報告書は産業投資の管理運営ということで、関係者、つまり当審議会と申しますか、産業投資、それから主務省そして産投機関、それぞれが何をなすべきかということについて極めて明快に書かれていると思うのです。ただ、私が思うのは、これがうまく生きるかどうかというのは、日本経済の構造変化に大きく依存する部分があるということだと思うのです。それは、報告書でも強調してあるのですけれども、エコシステムの構築という難しい話、さらには、大きな流れといたしまして、メンバーシップ型からジョブ型に雇用形態が変わるであろうというふうな日本全体の社会の展望とか、そういうものの動きと軌を一にして産業投資というものも機能を発揮し効果を持ってくると思うのです。だから、これだけでいい報告書ができても、これが果たして経済の活性化に役に立つかどうかというのは非常に難しいわけでして、そうした観点、つまりエコシステムの構築とか雇用形態といった日本経済の構造変化というものによって、より産業投資が生きてくるのではないかと思います。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。では渡部委員、お願いします。

〔渡部委員〕簡潔に申し上げたいと思います。分科会長、事務局の方の御努力に敬意を表します。

2点だけ。1つは、このプリンシプルがきっちりできたというのは、きれいに整理されて評価できると思います。2点目、これを踏まえて常に、冨田委員の10年前、10年後のお話もあるんですけれども、とにかく毎年レビューする、変化が激しいときですので、レビューというのを大事にやっていくというのがポイントだなという気がいたします。

以上でございます。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。では翁委員。

〔翁委員〕ほとんど皆様と重複しますけれども、簡単にコメントさせていただきます。

事務局の皆様方、会長、大変お疲れさまでございました。私は、今回この報告書、特に政策性、収益性両面からのガバナンスを強調した点や新たなプリンシプルという考え方を打ち出したというところに非常に意義があると思っています。産投の機関、官民ファンドなどの大きな難しさというのは、ガバナンスが非常に複層的だという点だと思っています。ですので、それぞれ、先ほど冨田委員もおっしゃいましたけれども、産投機関、主務省、そして出資者、それぞれ収益性、政策性から見ていくわけなのですが、どの点をそれぞれが見ていけばいいのかということについて、より深くこのガイドラインを念頭において検討が進むことを期待したいと思っております。

それから、官民ファンドみたいなものがあると、その間に民間が育たないという問題があって、いつまでたってもリスクテイクをする投資家がいないというのが日本の大きな課題であると思っております。ですから、今皆様方おっしゃいましたけれども、どうやって官民ファンドというものを通じて民間を育てていくか、これはエコシステムということが非常に大きいのだろうと思うんですけれども、そういったことをより配意しながら、日本の金融市場の問題を少しでも官民ファンドも一緒になって解決していく方向でこれから取組が行われることを期待したいと思っております。

以上でございます。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。では工藤委員、お願いします。

〔工藤委員〕おとりまとめ大変ありがとうございました。

産投というのは、もちろん民間の資金とは違うということではございますけれども、私も政策意義と収益性の両面からレビューすることが非常に大事だと思っております。その際、政策意義が薄れたり競争状況が変わっているところが出てくるかもしれません。その場合、当該分野にお金を出し続けるよりは、次の新しい分野に、新しい形態でふさわしいものを出していくという観点も必要になって参ります。そのためにも、しっかりしたモニタリングを行っていかなければいけないと思っております。

以上です。

〔池尾分科会長〕では家森さん。

〔家森委員〕私もごく短く。このプリンシプルをせっかく作っていただいたので、ぜひ財投機関にしっかりと定着するようにお願いをしたいということが第一であります。

それからもう一つは、こういう形で産投の性格付けをしっかりとしたので、今後、幾つかこれからより深めていくという論点のことは書いてありますので、ぜひこれをこれからここで深めていきたいなと思っております。

以上です。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。

それでは、特に報告書自体に関して修正をしろというふうな御意見はなかったと思いますので、本日提示させていただきました本報告書(案)を当分科会の報告書ということにさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)


〔池尾分科会長〕
どうもありがとうございました。

それでは、本当はこの報告書は麻生大臣に提出しなければいけないのだと思いますが、政務の方々は国会等の所用で御不在ですので、代理として可部理財局長に本報告書の受領をお願いしたいと思います。

それでは、どうぞよろしくお願いいたします。

〔可部理財局長〕ありがとうございました。

〔池尾分科会長〕それでは、引き続き御挨拶をお願いしたいと思います。

〔可部理財局長〕ただいまこの時間に衆議院の財政金融委員会が開かれておりまして、大臣、副大臣はそちらのほうに出席をさせていただいておりますので、かわりまして私のほうから御挨拶させていただきたいと存じます。

池尾分科会長をはじめ委員の皆様方におかれましては、このたび産業投資について大変充実した報告書をおとりまとめいただき厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。

政府といたしましては、経済の再生、また、成長力の強化に取り組んでいる中で、成長資金を供給するという産業投資は引き続き大変重要な役割を果たすべきものだと考えております。今後の産業投資につきまして、その役割、あるいは先ほど委員の先生方からもお話がございましたけれども、ガバナンスの構造を含めた課題、こうしたことを踏まえて、プリンシプルをお定めいただきました。また、具体的な取組のあり方をお示しいただきました。これらは大変意義深いものと考えております。本報告書で示されました内容を今後の産業投資の管理運営の指針としながら、しっかりとその運営に取り組んでまいりたいと考えております。

最後に、今後ともなお一層の御指導を賜りますよう心からお願いを申し上げまして、御挨拶とさせていただきます。まことにありがとうございました。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

それでは、続きまして、財政融資資金等の実地監査につきまして、金森管理課長から御説明をお願いしたいと思います。

〔金森管理課長〕管理課長の金森でございます。どうぞよろしくお願いいたします。私からは、資料2の財政融資資金等の実地監査について、御説明させていただきます。

まず2ページ目を御覧ください。法人等実地監査の概要及び実施状況です。理財局では、公的資金の貸し手として、2005年から財投機関に対して監査を実施しておりまして、2018事務年度におきましては、左下の欄にあります4つの機関に対して監査を実施しております。

次の3ページ目を御覧ください。監査結果の概要でございます。最初に、大学改革支援・学位授与機構でございます。当機構は、国立大学病院の施設整備に要する資金の貸付事業が財投対象となっておりまして、2005年、2011事務年度に続きまして今回で3回目の監査となります。監査結果ですが、貸付審査等の実効性についてです。機構は、貸付審査等に当たって、病院の財務状況について、債務残高等がキャッシュフローと比較して過大となっていないかの確認を行うこととしていますが、これに関しまして、債務残高等は機構借入金に限定する一方で、機構借入金以外により整備された施設の減価償却をキャッシュフローに含めているほか、収支計画は、収入支出の算定根拠等の確認に至っていないことから、速やかな改善を求めております。

次に4ページ目を御覧ください。海外通信・放送・郵便事業支援機構(JICT)でございます。JICTは2015年度に設置された官民ファンドでございます。監査結果ですが、まず投資案件の発掘・組成についてです。機構では、投資候補の段階から案件管理を行っていますが、多くは検討段階で中止・中断しております。今後、案件組成・発掘を拡大していくためには、関係先の新規開拓を含めた民間事業者との関係強化や情報収集のための総務省との連携強化が必要と考えられますことから、改善に向けた検討を求めております。

次に、投資検討態勢になります。支援撤回に至った案件を検証したところ、事業計画の実現可能性について検証が十分でなかったこと、支援決定後、適時適切にモニタリングが実施されていなかった事実を確認いたしました。既に規定整備等の業務改善が行われているところでございますが、今後の投資検討・モニタリングについて、投資案件に応じた実効性ある投資案件の評価・検証に取り組むことを求めております。

次に5ページ目でございます。国立がん研究センターでございます。国立がん研究センターは、中央区築地の中央病院と千葉県柏市の東病院の2つの病院を運営しておりまして、2013事務年度に続きまして今回2回目の監査となります。監査結果ですが、センターでは、今後予定している両病院の大規模改修や将来の建替えに向け、昨年、中長期のキャッシュフロー見通しを試算したところですが、経営の安定に向けて医業収支等に応じた投資枠の適切な管理と目指すべき収益水準を検討する上で、中長期キャッシュフロー見通しを有効に活用して、中長期計画、予算などとともに一体的に作成・管理していくことを求めております。

次に6ページ目を御覧ください。民間都市開発推進機構でございます。民間都市開発推進機構は、開発が長期にわたる民間都市開発プロジェクトに対するメザニン支援事業が財投対象となっておりまして、今回が初めての監査となります。監査結果ですが、監査を実施した範囲において改善を要する事項は認められませんでした。監査で把握した案件発掘等に関する留意事項を記載しております。

以上が2018事務年度の法人等監査の結果でございます。

なお、昨事務年度に実施した監査先のフォローアップ結果につきましては、14ページ目以降に参考資料として添付しておりますが、説明は省略させていただきます。

続きまして8ページ目を御覧ください。地方公共団体に対する実地監査の概要及び実施状況です。全国の財務局・財務事務所では、資金の使用状況や公営企業の経営状況につきまして実地で確認をしております。また、2016年度からは本省と財務局が連携した監査を実施しております。具体的な取組につきましては、この後9ページ目で御説明いたします。

まず、2018年度の実施状況でございます。中段ブルーの表の公営企業の経営状況についての監査ですが、B欄、C欄にありますとおり391の企業に対して監査を実施し、改善を求めた先は1先となっております。

次に、下段の貸付資金の使用状況等についての監査ですが、239団体に対して実施し、改善を求めた先は6先となっております。この6先につきましては、後ほど12ページ目で御説明をいたします。

次に9ページ目を御覧ください。上水道事業における連携監査についてです。上水道事業については、人口減少に伴う料金収入の減少や施設の老朽化が進む中、更新が進んでいないといった経営課題に対応するため、昨年12月に水道法が改正されまして、広域連携、官民連携の推進により経営基盤の強化を図っていく方向性が示されております。そこで、上水道事業の連携監査につきましては、広域連携、官民連携について特徴的な取組を行っている団体から連携監査先を選定いたしまして、経営幹部との意見交換を通じて取組が進んだ背景や取組の効果について把握をいたしました。この後10ページ目で御説明をいたします。

また、水道事業者の3分の2は給水人口が5万人未満の小規模事業者でございまして、こうした小規模事業者の経営基盤は脆弱な傾向にあります。他方、政令市のような大規模事業者には、水道事業に関する技術・ノウハウが蓄積されておりまして、その中には100%出資会社を通じて小規模事業者に技術・ノウハウを提供している者がいることを監査で把握いたしました。そこで財務局と連携いたしまして、財務局主催の小規模事業者向けのセミナーを開催して、小規模事業者への支援事例を紹介してもらい、小規模事業者に気づきを得る場を提供するなど課題解決に向けたサポートを試行的に今年度実施しております。

次に10ページ目を御覧ください。こちらが連携監査により把握した広域連携、官民連携の好事例でございます。

まず、左側が広域連携の好事例です。概要ですが、群馬県東部の太田市を中心とする3市5町が事業統合して、2016年4月から給水人口45万人の群馬東部水道企業団として事業を開始しております。

広域連携が進んだ背景と効果ですが、2009年度に渡良瀬川流域の両毛地区6市の水道事業者間で議論がスタートし、給水人口の多い太田市や館林市が議論を主導して、最終的には県の用水事業と末端給水事業のエリアが合致する3市5町で事業統合することとなりました。太田市は、従来から行政改革への対応で民間委託に積極的に取り組んでいたことから問題意識が高く、まず事業統合による補助金を活用した浄水場や管路の統廃合、更新投資の実施、次に官民出資会社の活用による人材育成・事業継承と、段階を追って課題の解決に取り組んでおります。

次に、右側が官民連携の好事例です。概要ですが、熊本県荒尾市は、給水人口5万人の小規模事業者で、経営・管理業務といったコア業務を除いて大手の民間事業者と地元業者の共同出資会社に2016年度から包括委託をしております。

官民連携が進んだ背景ですが、荒尾市は三池炭鉱の街で、三池炭鉱の専用水道と市の水道を一元化するという課題を抱えておりましたが、2012年に同じ課題を抱える隣の、県はまたぐのですが、福岡県の大牟田市と浄水場を共同設置いたしました。この共同浄水場建設を契機に、工事を受託した大手民間事業者と官民連携の可能性について対話を重ねた結果、荒尾方式と呼ばれているのですが、そう呼ばれているような包括委託に発展したものです。この官民連携を主導した当時の荒尾市の水道事業管理者は、共同浄水場検討時の大牟田市の水道局長でございました。大牟田市と異なる小規模事業者の実態を見て技術継承等の持続的な運営体制の観点から官民連携推進の必要性を痛感し、これが推進力になったものと考えられます。

官民連携の効果ですが、2016年度には電子化された施設台帳を整備したり、2017年度には施設の健全度評価や水需要予測に連動した施設の更新需要を作成し、さらに2018年度には施設の再構築計画を策定いたしました。今年度は財政収支の検討を行う予定です。このように官民連携によってコスト削減というよりは実効性の高い経営計画の策定が進んでいるということが確認されております。

次に11ページ目を御覧ください。今後の地方監査の取組でございます。上水道事業につきましては、改正水道法が本年10月に施行され、広域連携、官民連携を推進し、経営基盤の強化を図っていくこととされております。具体的には、都道府県が広域連携の推進役と位置付けられまして、中長期の経営見通しに基づく水道広域化推進プランを2022年度末までに策定・公表、そして、これを踏まえて関係市町村の同意を得て水道基盤強化計画を策定することが求められております。

このように広域連携、官民連携の推進が重要な課題となる中で、本事務年度の連携監査で把握いたしましたのは、1つは、各地域の実情に応じて事業統合のほかにも施設の共同化ですとか管理の一体化など打ち手は多様であるということ、2つ目として、できることから進めるアプローチも重要であるということの2点でございます。

そこで、来事務年度の上水道事業の監査につきましては、第一に、引き続き連携監査を通じて広域連携、官民連携に係る特徴的な事例を把握するということ、第二に、財務局監査において、監査先の事情に応じた対話を充実させることで監査先の真の経営課題を把握すること、第三に、連携監査を通じて把握した情報等に基づいて、監査先へのアドバイス機能を発揮することで自主的な改善を支援するとともに、特に小規模事業者につきましては、必要に応じて財務局主催のセミナーを開催し、課題解決に向けたサポートを継続すると、こういう3つの取組を行っていく方針でございます。

最後ですが、12ページ目を御覧ください。こちら側の貸付資金の使用状況等の監査における指摘事例でございます。

左上の円グラフは、先ほど8ページ目の下段の表にありました改善を求めた6団体を分類したものでございます。

そして右側に、代表的な事例を3つ掲げております。事例1は、対象外事業費である備品等の混入による借入超過で、ここでは消火器などが入っておりました。事例2は、事業費の過大計上による借入超過、そして事例3は控除財源である補助金の計上漏れによる借入超過の事例です。

左下に措置別の円グラフがありますが、借入超過が100万円以上のものについては繰上償還を求めております。

以上が実地監査の説明でございます。

最後に、参考資料になりますが、19ページ目以降に財務状況把握の実施結果と上下水道コンセッション推進のための補償金免除繰上償還の実施結果について付けております。説明は省略させていただきます。

私からの説明は以上でございます。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。

ただいまの金森管理課長からの御説明を踏まえて、委員の皆様から御意見、御質問いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

では川村委員、お願いします。

〔川村委員〕ありがとうございました。質問と、意見というか感想と1つずつ。

まず感想、意見。地公体のほうですけれども、大変広域に、かつPPPというのでしょうか、いわば官民連携が非常にうまくいったケースということで非常に結構だと思います。これについて、こういう監査にとどまらないアドバイス機能というのでしょうか、助言機能というか、これもミッションの1つ、重要な1つとして挙げられていて、この辺の効果が出てきたのかな、一部、寄与もあるのかな、今後もぜひ続けてもらいたいなというのが意見、感想です。

質問は、その前の監査のほうのJICTで、今日の前段のイシューとも若干絡んでしまうのですけれども、ちょっと気になるというかよく分からないところが、これで見ると4ページ、改善・検討等を求めた事項の中に、「検討の過程で中止・中断となるものも多い」という、ここの具体的な意味なんですが、実際いろいろソーシングして、検討を始める、検討をちょっと開始したけれども、これはどうも違うよねとやめるのはたくさんあるんだと思うんですね。だから、それ自体は別に、検討の過程で中止・中断となることがネガティブだと言われてしまうと、なかなかファンドのほうもやれないということになるのですが。

例えば、想像ですけれども、実際NDAを結びMOUを交わし、かつ、それこそデューデリみたいなことに実際費用をかけて、さあ行くぞと思ったけれども、金と手間を相当かけ契約的にもある程度の縛りになったけど、やめてしまったというようなケースはないのか。通常であれば支援決定に行くのが普通なんだけれども、そうではない中断になったものが大変多いと、こういう意味なのかなと理解しているのですが、ちょっとそこの部分を教えていただきたいのと、もう一つ同じ、支援決定した後、短期間で撤回したというのは、これはどういうことなのか、どういうケースかちょっと想像しにくいものですから、この点を教えていただければと思います。

〔金森管理課長〕まず、最初の点ですが、これは例えばプロジェクトが持ち込まれるんですが、参加事業者が集まらないなどにより、デューデリより前の段階で検討が中断している事例が多くみられたということです。

あと、後者の支援撤回ですが、これは支援先がベンチャー的な事業であり、支援決定後、事業計画の前提が予定どおり行かないまま資金繰りがタイトになってしまい、民事再生が申請されたため、支援撤回ということになっております。

〔池尾分科会長〕よろしいですか。では工藤委員、お願いします。

〔工藤委員〕ありがとうございます。今のJICTの支援撤回、支援決定から撤回の期間が非常に短かったという点についてですが、こうした事態は幾ら検証を重ねても起こるときには起きてしまうと思います。ただ、ここに記載がありますように、事業計画の実現可能性の検証が必ずしも十分ではなかった、適時適切なモニタリングが実施できていなかったという事実があったということでございますと、人材の確保やガバナンスといったところが本当に足りているのかなと疑問に思います。

先程の議論でもあったと思うのですが、こうした面からも、本当に官民ファンドがたくさん存在している状況において、それ自体はそれぞれの主務官庁がある中でやむを得ないとはいえ、例えばモニタリングの部分だけ横串を刺したような機能を持たせるということも可能性としてはあるのかなと思いました。

2点目ですが、地公体の監査につきましては、こういうことをやっているということを全く知りませんでした。PPPがなかなか進まない現状において、財務省のほうでこういった監査を通じてアドバイス機能も発揮しているということは大変すばらしいことだと思いました。今後、弾みをつけるためにも、ぜひ好事例の横展開、広く知らせていくということもお願いしたいと存じます。ありがとうございました。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。では高田委員。

〔高田委員〕どうもありがとうございます。感想なのですけれども、特に後半部分の地方公共団体に対する実地監査のところで、これまでの委員の方の御議論とも同じなのですが、特にこういう中で広域連携ですとか、それから官民連携の好事例ということに注目しています。すなわち、アドバイス機能を通じて、特にこの民間の力を発揮しているといったところというのは、ある面でいいますと産業投資の、ある面でソフトな部分というのです。ハードなお金ということだけではなくてこういうソフトの部分みたいなこともやはり重要な状況でもありますので、こうしたものを通じた事例というのをより広めていくということはやはり重要なことなのではないかと思います。

ですから、こうした監査ということにとどまらず、場合によってはこうした事例みたいなものを世の中に広く広めていきながら、こうしたソフトな面でも、いろんな意味での日本の力を広く示していくことはやはり重要だと思います。特にこの水道事業なんていうのは先進的なところというのは場合によってはもっともっと海外に広げていく部分なんかも出てきております。こうしたところあたりを注目しながら、よりその収益性を持った対応といった点は、今後ますます地域の中で二極化が進んでいく中でも重要になってくると思います。よりそういう意識を世の中に持っていただくということも重要かなと思った次第でございます。

以上です。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございます。では冨田委員。

〔冨田委員〕同じく地方公共団体に対する実地監査なのですが、公営企業4,671社に対して14兆円の融資残高。これからの大きな問題は、もう言わずもがなですけれども、人口減少が進んでいくわけでして、そして、それが特に地方部におきましては顕著に人口減少が予測されるわけでして、ここで見ているよりも公営企業の経営状況はもっともっと悪化していくことが予想されるわけです。非常に料金を高くとることができれば別ですが。

だから、償還確実性という観点からの実地監査なのですけれども、基本的に今日お話があった広域化といったことを推し進めておく必要があると思うのです。ただ、それをどうやって周知徹底していくかということが大きな課題だと思うのです。今日御説明はなかったのですけれども、18ページに監査実施企業の経営状況というのがあって、これはもう目を覆うほどの悪い状況でして、回収率だって左側は非常に悪くて、さらに経常損益と書いたところを見ると、地方の普通会計からの繰入れがないと、その繰入れというのも基準外ですから、決してやるべきことではないはずのものです。繰入れを除くとここにあるように赤字企業が圧倒的に多い。また、左下を見ると、上水道よりも下水道がかなり悪い。考えてみると、これまで下水道は集合処理という形で進めてきたのですけれども、人口密度が急速に減少していく、低下していくという中においては、これまで集合処理から考え方を変えて、個別処理の浄化槽にしていかなければいけない所も随分増えてくると思うのです。だから、そういうことも含めた対策を考えないと、償還確実性はどうかということになると思うのです。

ただ、これは、住民が負担と受益をそれぞれ比較考量して考える必要があるのですけれども、そのときに大事なことは、他の地方公共団体のコスト、上水道、下水道あるいは病院も含めて、そういうものとの比較において、そういう受益と負担のより実感を持って住民の方が判断するということになればいいと思うので、こうした資料が広く公表されていくことが、人口減少という不可避の課題に対して注意を喚起する上で非常に重要だろうと思います。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。今、冨田委員のからの御発言の最後にあった部分ですけれども、この監査結果を各地方自治体とかでどのぐらい活用したり情報開示的に利用されているかというのが分かったら少し。

〔金森管理課長〕監査結果のほうは、外向けに公表ということはないのですが、首長等に監査結果をお渡しいたしまして、状況を御説明しています。監査という性質上、外向けには出しておりません。

〔冨田委員〕この経営状況というのも出てないですか。あと、マクロ的に示して、おたくの公共団体、市長さんここですよとか、そういうふうに示すことはやっておられませんか。

〔金森管理課長〕類似の団体との比較で、あなたの自治体の位置はここですということは計数的に示しておりますので、こういうきっちりした資料にはなっておりませんが、数字できちんとそれは示した上で議論をしております。

〔冨田委員〕そうすると、住民には示していないということですね。

〔金森管理課長〕はい。

〔冨田委員〕だから、値上げする前にやることがあるでしょうというふうな。

〔池尾分科会長〕だから、そういう意味でいうと、首長さんの意識と取組にかかっている感じですよね。首長さんまでは伝えているんだから。

はい、どうぞ。

〔林田委員〕私も、説明のなかった部分で恐縮ですけれども、財務状況把握、21ページですか、活用する事例が増えていると、たくさんあるということで非常に結構だと思います。毎年申し上げているのですけれども、これだけ活用が進んできていますので、診断表に関して公開ということもそろそろ考えるべき時期に来ているのではないかなということを申し上げたいと思います。

以上です。

〔池尾分科会長〕翁委員。

〔翁委員〕少し違うことで御質問したいのですが、前半のほうでいろいろなところの監査をやっておられるのですが、頻度とかそういったことについて、例えば民都とかは今回初回になっておりますが、どういうふうな考え方でやっておられるのかちょっと教えていただければと思います。

〔金森管理課長〕例えば新設の団体、今回JICTのようなところですと、3回ぐらい決算を経た後で入らせていただくと。そういう意味で、2015年にできているので今入っているということでございます。

それから民都のほうは、2011年からこの事業をやっているのですが、実はその間にスポット監査を2015年にやっておりますので、そこからまた間を置いて今回やるという考え方でございます。ですから、四、五年間隔でやっているという感じだと思います。

〔翁委員〕金融庁の監督とか検査の場合は、非常に重点的に見なければいけないところの頻度を増やしたりとか、そういうことも工夫しているかと思うのですけれども、そういった点については今どのようなお考えでいらっしゃるのでしょうか。

〔金森管理課長〕監査をして指摘をして改善状況を頂くのですけれども、その改善が好ましくなかったりすれば、当然、周期を短くして入っていくと。例えば、過去にも日本学生支援機構に周期を短くして監査に入った事例があります。

〔翁委員〕分かりました。ありがとうございます。よろしくお願いします。

〔池尾分科会長〕そろそろ予定の時間が迫っているのですが、追加で御発言の御希望があればと思いますが、よろしいでしょうか。では家森さん。

〔家森委員〕一言だけです。今回この10ページで効果ということをお示ししていただいているのですけれども、広域連携のほうは具体的に139億円のコスト削減というように数字で分かるのですが、官民連携の効果のほうは、どちらかというと精神論的なものなので、これから進んでいくのだろうと思いますけれども、より見える化できて実態把握できるようになっていくと、先ほど先生方がおっしゃっている公開をしていく中でも説得力が増すのではないかなと思いました。

以上です。

〔金森管理課長〕実は荒尾市のほうは、この推進した水道管理事業者が、コスト削減ではなくてむしろ設備の更新をきちんとやっていかなければいけないと、水道の持続可能性を高めなければいけないということを念頭に置いて包括委託をしています。官民連携の効果でアセットマネジメントや中期事業計画に関する支援を受けると書いてありますけれども、こういうことはなかなか小規模事業者はできないんですね。というのも漏水とかがあるとすぐその対応に追われて、なかなか腰を据えて考えることができないので、そこを支援してもらうということです。ですので、コスト削減という意味ではあまり効果がないと。荒尾市が今考えているのは、むしろ水道料金を住民にきちっと説明をして適正水準に上げていこうということをメインに考えてございます。浄水場の共同設置のほうは2つの市でやっていますので、これは効果が上がっているのですけれども。

〔池尾分科会長〕よろしいでしょうか。それでは、予定の時間となりましたので、議事はここまでにしたいと思います。

御議論いただいた内容のほかに追加の御意見、御質問等がございましたら、いつも申し上げておりますが、事務局までお寄せいただければと思います。

また、本日の議事内容につきましては、この後、事務局より記者レクを行います。議事録につきましては、皆様の御了解をいただいた後、財務省ホームページに掲載いたします。

それから、次回の日程がもう決まっておりまして、7月26日、14時から、財政融資資金運用報告と政策コスト分析について御審議をいただく予定となっておりますので、よろしくお願いいたします。

それでは、本日は御多用中のところ御参集いただきまして、また、御熱心に御審議いただきまして、まことにありがとうございました。これにて散会とさせていただきます。

15時02分閉会

財務省の政策