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財政制度等審議会財政投融資分科会
議事要旨

1.日時
  令和6年5月24日(金) 14:25~16:22

2.場所
  財務省第3特別会議室(本庁舎4階)/ オンライン

3.出席者(敬称略)
  [委員]
  翁百合、丸田健太郎、渡辺努
  [臨時委員]
  有吉尚哉、岡田章裕、工藤禎子、小枝淳子、山内利夫
   
  [財務省]
  奥理財局長ほか

4.議題
(1)産業投資について
(2)諸外国における財政投融資類似制度(委員より報告)

5.議事経過
(1)産業投資について

 ○委員からの主な意見等は以下のとおり。

  • 社会変化のスピードが増して不確実性も増す中、リスクマネーへの需要の高まりとともに産業投資の重要性が高まっている。

  • 呼び水効果について、民間からも大いに評価されていると認識。官民ファンド等からの出資が民間資金供給を誘発する面もあり、これも産業投資の意義に含まれる。

  • 産業投資に関するガバナンスの向上は重要。官民ファンドにおける公正価値評価の導入などはしっかり実施していただきたい。我が国における普及という意味でも官民ファンドにおける活用は重要である。民間の取組で参考になる部分は取り入れれば良い。

  • 政策性と収益性は別次元であるため、収益が上がれば成功という訳ではなく、官が資金供給する意義にも留意してモニタリングすべきである。

  • 各産投機関に求められる採算性は異なるため、産業投資全体として収益目標を持ち管理することがあってよい。

  • 高い目標でなくても良いが、資本コストを上回るリターンの目標を明確にしてモニタリングすることが重要である。

  • 収益性に深刻な懸念を抱える産投機関については、追加の財政措置を行わないことや役員の選解任等に対する議決権行使をしっかり行うことがガバナンス改善のために重要であり、最終的には組織の統廃合も含めて検討していく必要がある。

  • 財務省は各機関に最終的には議決権行使をする意図があることを明確にしてガバナンスを果たすべき。議決権行使は、産投機関の日常的モニタリングを行ったうえで、長期の視点および産業投資全体のポートフォリオのリスク管理の視点から対応を考えるべき。

  • ファンドマネージャーの能力は、過去の失敗を振り返り生かすことができるかどうかで分かる。各産投機関の評価として、特徴的な案件を中心に事実ベースで確認していく、過去の失敗事例も含めて振り返ることが必要ではないか。

  • モニタリングの高度化には専門性が求められ、民間ではプロフェッショナルが収益という明確なインセンティブの下で行っているが、理財局の場合はそれらが十分ではなく、担当者が失敗によるマイナス評価を恐れて保守的モニタリングとなることも考えられるため、態勢も含めて検討する必要がある。

  • 官民ファンドによる短期の政府保証借入については、財投計画外であるものの、産業投資と一体的に管理できるよう規律付けることが必要である。

  • 産業投資の重要性が高まる中、機動的に対応できるように財源確保策を検討すべき。一定の範囲で財源を平準化し、柔軟性を確保しておくことは必要である。

  • 一般会計から投資勘定への繰入等も検討すべきである。

  • 投資勘定における借入れを含む資金調達について、民間でもレバレッジを効かせるために一般的に行われており、現実的な手法の一つであるが、上限を見ていく必要がある。

(2)諸外国における財政投融資類似制度(委員より報告)

  • オーストラリア、シンガポール両国の政府系ファンド等に共通する特徴として、強弱の差はあるものの、いずれも財務目標を強く意識している点が挙げられる。ただし、オーストラリアの一部のファンド等では、政策目標も意識されている。

  • 両国とも、民間資金の不足に対して、アカウンタビリティを確保しながら、政府金融と補助金を合理的に使い分けていくという政府の意思が明瞭である。

  • スタートアップの支援方針については、両国とも、補助金から民間資金への支援の連続性や、海外進出の重要性を強く意識している。

 

(注)本議事要旨は、今後字句等の修正があり得ることを念のため申し添えます。

 

問い合わせ先

財務省理財局財政投融資総括課調査係

電話 代表03(3581)4111  内線2578