財政制度等審議会財政投融資分科会
議事要旨
1.日時
令和3年12月23日(木) 10:01~11:47
2.場所
財務省国際会議室(本庁舎4階)/ オンライン
3.出席者(敬称略)
[委員]
翁百合、高田創、土居丈朗、渡部賢一、渡辺努
[臨時委員]
江川雅子、冨田俊基、林田晃雄、原田喜美枝
[専門委員]
川村雄介、家森信善
[財務省]
岡本財務副大臣、角田理財局長ほか
4.議題
(1)報告事項
○大学ファンドについて
○交付税及び譲与税配付金特別会計借入金の償還計画の変更について
(2)令和4年度財政投融資計画等
(議案第1号)令和4年度財政投融資計画
(議案第2号)令和4年度財政融資資金運用計画
(議案第3号)令和4年度の財政融資資金の融通条件
(1)報告事項
○大学ファンドについて
○委員からの主な意見等は以下のとおり。
- 内閣府・文部科学省からの回答によって、大学への助成よりも財政融資資金の償還が優先されることが明確になったが、大学関係者に対し、大学ファンドの運用益が出ない限りは、大学助成はないことを周知徹底すべき。
- JSTによる市場運用にあたっては、モニタリングも大事だが、運用を縛ることのないよう運用の自由度を確保してほしい。
- 大学の3%成長が大学ファンドからの支援要件となれば、成長自体が目的化し、本来の政策目的である研究力をあげることに支障が出るのではないか懸念している。
- 本件については、今後も当分科会で継続的な報告を求めるなどフォローアップしていく必要がある。
○委員からの主な意見等は以下のとおり。
- 交付税特別会計借入金の償還計画は、完済まで30年以上ある計画のため、変更理由について、丁寧に説明するとともに、着実な実行を進めてほしい。
○令和4年度財政投融資計画等に係る議案第1号から第3号までについて、事務局より概略以下のとおり説明を行った。
- 令和4年度財政投融資計画は、総額18兆8,855億円であり、具体的内容は議案第1号のとおり。
- 令和4年度財政融資資金運用計画は、総額16兆4,488億円であり、具体的内容は議案第2号のとおり。
- 令和4年度の財政融資資金の融通条件については、議案第3号のとおり。
○質疑が行われ、全ての議案について原案のとおり了承された。
○委員からの主な意見等は以下のとおり。
- 日本政策金融公庫をはじめとして、令和4年度の計画額は妥当な額だと思う。他方で、コロナ対応で措置された実質無利子・無担保融資の返済が令和5年度頃から本格的に始まることを踏まえると、令和4年度は残高管理や今後の成長にどう繋げていくかを検討すべき重要な期間であり、分科会としてもモニタリングしていきたい。
- 大学ファンドへの計画額約5兆円を除くとコロナ禍前の計画額と同水準であるが、日本政策金融公庫においても十分な事業規模が確保されており、財投がコロナ対応から後退したわけではないことを、丁寧に情報発信していただきたい。
- 日本政策金融公庫などのコロナ対応における貸付実績や貸付先の状況を今後も報告いただきたい。
- 「デジタル田園都市国家構想」の推進などの重要課題に対応していると思うが、特に上下水道等の生活インフラの改修・更新は重要な課題であり、今後もしっかり資金が配分されるようお願いしたい。
- 新たに脱炭素化事業支援機構が設立される予定であるが、足元の課題のみならず先々の課題も見据えた支援を検討していく必要。官民ファンド全体としても引き続きモニタリングしていく必要がある。
- 農林水産業者の平均年齢も高齢化してきている中、成長産業化には後継者不足や農地整備などの根本的な課題の解決に向けた規制緩和を促していくことも重要である。
- 指定金融機関を通じたツーステップ・ローンにおいては、事業者に対するガバナンスをどう効かせていくかが課題であり、支援する事業が政策目的に沿ったものとなっているかチェックしていく必要がある。
(注)本議事要旨は、今後字句等の修正があり得ることを念のため申し添えます。
問い合わせ先
財務省理財局財政投融資総括課調査係
電話 代表03(3581)4111 内線2578