財政制度等審議会財政投融資分科会
議事要旨
1.日時
令和3年7月28日(水) 14:00~16:09
2.場所
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)/ オンライン
3.出席者(敬称略)
[委員]
翁百合、高田創、土居丈朗、野村浩子、渡部賢一、渡辺努
[臨時委員]
江川雅子、冨田俊基、冨山和彦、林田晃雄、原田喜美枝
[専門委員]
川村雄介、工藤禎子、家森信善
[財務省]
角田理財局長ほか
4.議題
(1)令和2年度財政融資資金運用報告書
(2)令和3年度政策コスト分析
(3)大学ファンドに係る現状報告
5.議事経過
(1)令和2年度財政融資資金運用報告書
○委員からの主な意見等は以下のとおり。
- 財政投融資の運用額が増加しているが、真に必要なものに対応しているのか事後的にもしっかり確認していただきたい。また、財政投融資の執行率が低いが、財投機関が執行率を上げることを目的として不必要に財投を執行することがないよう、今後も注意して見ていきたい。
- コロナ禍において経済を支えるという財政投融資の役割が確認できた。コロナ禍で危機対応として使われた資金に関しては、今後、執行プロセスもしっかり検証していただきたい。
- 使途別として、中小零細企業向けが増加している。足元では倒産件数も少なくなって安心感が出ていることは間違いないが、赤字が出ているような企業に対する融資があることも否めない。こうしたリスクについて十分に認識しておく必要がある。また、出口戦略に向けたモニタリングをしっかり行っていく必要がある。
- 財投債の年限構成も踏まえ、引き続き財政投融資特別会計のALM(資産負債管理)をしっかり行っていただきたい。
(3)大学ファンドに係る現状報告
○委員からの主な意見等は以下のとおり。
- 本来、大学ファンドは寄付等で運用を行うべきところ、今回の大学ファンドは、財政融資資金という有償資金でのファンド運営であり、極めて異例なものである。
- 重要なことは財政融資資金の償還確実性であり、これを担保する必要がある。具体的な償還計画を財政投融資分科会にお示しいただきたい。
- 長期・分散投資により、リスクを取って高いリターンを目指すということだが、元本毀損するような運用があってはならない。もし、元本毀損するようなことがあり、損失を補填しなければならない事態になれば、国民負担になってしまう。
- 財政融資資金を償還しなくてはならないということを、内閣府CSTI(科学技術・イノベーション推進事務局)、文部科学省だけでなく、実際に運用を行う国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)やその外部委託先、また、支援を受ける大学も認識すべき。
- 透明性のあるガバナンス・組織の体制をしっかり整えるべき。リターン目標が非常に高いので、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の運用・チェック体制をしっかり整える必要がある。
- 大学への支援額を年間3,000億円にするという前提に疑問がある。この前提のせいで無理な運用になるのではないか。また、もし運用益が出なければ支援しないということであろう。
- 大学ファンドだけがリスクを負うべきではなく、支援を受ける大学もリスクを負うべき。
- 撤退ラインが明確に示されていない。具体的に設定すべきではないか。
- 将来的には、各大学が自立して各大学の基金を運営していくことが目標であるとのことだが、本当に自立できるのか疑問である。ノウハウの蓄積や体制構築等を今の仕組みでどのように実現するかが見えない。
(注)本議事要旨は、今後字句等の修正があり得ることを念のため申し添えます。
問い合わせ先
財務省理財局財政投融資総括課調査係
電話 代表03(3581)4111 内線2578