財政制度等審議会財政投融資分科会
議事要旨
1.日時
令和2年12月18日(金)15:00~16:38
2.場所
財務省第3特別会議室(本庁舎4階) / オンライン
3.出席者(敬称略)
[委員]
池尾和人、翁百合、高田創、野村浩子、渡部賢一
[臨時委員]
江川雅子、土居丈朗、冨田俊基、林田晃雄、原田喜美枝
[専門委員]
川村雄介、家森信善
[財務省]
伊藤財務副大臣、大鹿理財局長ほか
4.議題
(1)報告事項
(交付税及び譲与税配付金特別会計借入金の償還計画の変更について)
(2)令和3年度財政投融資計画等
(議案第1号)令和3年度財政投融資計画
(議案第2号)令和3年度財政融資資金運用計画
(議案第3号)令和3年度の財政融資資金の融通条件
(1)報告事項(交付税及び譲与税配付金特別会計借入金の償還計画の変更について)
○委員からの主な意見等は以下のとおり。
- 危機対応として地方交付税の財源を確保するためのやむを得ない措置であることは理解するが、危機の際にはいつでもこうした対応がとられるわけではないことを地方公共団体に理解してもらう必要がある。
- コロナ関連の財政負担によって財政健全化目標の達成が見通せない中、変更後計画のとおり令和11年度から毎年1兆円という償還ができるのか懸念がある。今後、なし崩し的に計画が後ろ倒しにされることのないよう、総務省・主計局に対し交付税特会借入金償還のプライオリティを認識させる必要がある。
- 償還計画のリスケは財政規律面から非常に問題であり、景気が改善したら前倒して返済するなど、税収の上振れ下振れの取扱いが非対称にならないような対応の検討が必要。
○令和3年度財政投融資計画等に係る議案第1号から第3号までについて、事務局より概略以下のとおり説明を行った。
- 令和3年度財政投融資計画は、総額40兆9,056億円であり、具体的内容は議案第1号のとおり。
- 令和3年度財政融資資金運用計画は、総額38兆3,027億円であり、具体的内容は議案第2号のとおり。
- 令和3年度の財政融資資金の融通条件については、議案第3号のとおり。
○委員からの主な意見等は以下のとおり。
- 日本政策金融公庫の規模について、コロナ対応という状況下では妥当なのかもしれないが、緊急融資の実態としては赤字補填であり、事業者に償還原資があるのかは疑問。生産性改善や事業の構造改革をどのように考えているのか、将来的な道筋を担保できるようにしっかりモニタリングしていく必要がある。
- 政策の意図は認めつつも、財投というツールとの親和性という意味では疑問のある事業がある。急いで投資をする必要があるのか疑念のあるものもある。同様の意見を前回申し上げたが、計画策定に反映されていないように感じる。
- 必要な計画規模は積みあがっていると思うが、必要なところに支援がいきわたっているか、細やかな目配りが必要。従来の枠組みでは支援できない方もいると思われ、期間限定での規制緩和やルール見直しにより、お金ではなくて支援できるところはないか。中小企業であればコンサル等も含めて血の通った支援であってほしい。
- 大学の研究やインフラ整備等、ある程度長期的に取り組まなければならないことは本来一般会計でやらなければならないが、財投に回ってきている印象がある。全体的に国として意義のある資金配分ができるように考えていただきたい。
- 大学ファンドは、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)に倣って運用の指針を策定するとしているが、GPIFの扱う年金と借金である財政融資は根本から違うので、概念が同じという発想は避けるべき。
- 大学ファンドの理念は良いが、使い道については本当に機能するようにすべき。財政規律の観点からもよくチェックが入るようにしてほしい。
- 財政融資は、一度貸付けを行い、その後要求がない場合には分科会で議論されなくなる傾向があるが、大学ファンドは超長期の制度でもあり、今後とも分科会の意見を聴くような仕組みを作ってはどうか。
(注)本議事要旨は、今後字句等の修正があり得ることを念のため申し添えます。
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財務省理財局財政投融資総括課調査係
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