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財政投融資分科会(令和2年12月14日~17日開催)議事要旨

財政制度等審議会財政投融資分科会
議事要旨

令和2年12月14日~17日
財政制度等審議会
財政投融資分科会

<今回、以下の議題についての意見を求めるため、分科会長により、審議会が招集された。本件については、緊急に審議会の審議を経ることが必要であるが、会議を開催することが困難であるため、持ち回りにて審議することとされた。令和2年12月14日~17日に持ち回り審議を実施。>

    ・議題 令和3年度財政投融資計画の編成上の論点について

 【持ち回り開催の出席者】

池尾和人分科会長
翁百合委員、高田創委員、野村浩子委員、渡部賢一委員
江川雅子臨時委員、土居丈朗臨時委員、冨田俊基臨時委員、冨山和彦臨時委員、
中里透臨時委員、林田晃雄臨時委員、原田喜美枝臨時委員
川村雄介専門委員、工藤禎子専門委員、家森信善専門委員

議事概要

○事務局より、令和3年度財政投融資計画の編成上の論点として、(独)鉄道建設・運輸施設整備支援機構について説明を行った。

○委員からの主な意見等は以下のとおり。
  • コロナ禍でJRの収入が大分落ちていると思うが、貸付料収入に問題はないのか。需要見通しと経営見通しを今後も確認していく必要がある。
  • 財政融資の償還確実性は債務残高見通しのグラフで示されているが、どのような前提を置いているのか。貸付料などのキャッシュフローやP/L等の情報もあった上で議論できればより良いと思う。
  • 金沢・敦賀間の費用便益分析はコロナ前の平成30年時点で0.9であるが、償還確実性との整合性はどう考えればいいのか。
  • 金沢は人気の観光地であるため需要が見込めると思うが、北陸新幹線の需要見通しに妥当性はあるのか。
  • 北陸新幹線が災害時に代替輸送手段となったとのことだが、新幹線は駅間が離れているため、地元の足として有効な代替手段となったのか疑問。実際はどうだったのか。
  • 新幹線の保守はだれが責任をもって行うのか。またその財源はどう手当てするのか。上下分離方式ではJRが保守能力を今後も維持できるかが心配である。
  • 民間借入予定分を財政融資に置き換えることで金利が抑制されるのは良いことだと思うが、これは民業圧迫には当たらないのか。
  • 財投はコストがかからず資金を動かして貸しているだけと思われがちだが、実際には利子補給により補助金を出しているのと同等の効果があり、国民負担の裏打ちの元に措置されていると考える。
  • コロナと鉄道整備を関連付けることに違和感を覚える。
  • 新幹線はネットワーク効果があると考えているが、整備費が多額になるだけに管理はしっかり行ってほしい。
  • 令和3年度要求の3,000億円は当初予定していた民間借入分を置き換えるということだが、北陸新幹線の事業費の増嵩分にはどう対応するのか。
  • 工事の遅延及び事業費の増嵩は大変遺憾である。敦賀以西の詳細なルートの決定及び着工の可否も含め、国交省検証委員会の検証結果を適切に反映できるよう、国交省や機構には徹底していただきたい。
  • 工事費の妥当性など全体的なコントロールは誰が行うのか、ガバナンスが非常に不十分だと感じた。価格抑制の仕組みを整備し、ガバナンスを効かせてほしい。
  • 北陸新幹線の工事遅延はガバナンスの面で重い問題だと思うので、今後処分等が出た際に、それを遵守しなければ資金も出さない、といった条件付けをするなどした方がいいと考える。
  • 情報共有不足については、本省よりもその外延部に対してしっかりと指導を行うことが大切。その際、問題を生じさせたことに対して厳しく指導すると、情報共有の遅れにつながり、また同じことが起こる可能性がある。早く情報を上げるよう指導する方が重要である。

 

(以上)