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平成17年度関税改正に関する関税・外国為替等審議会答申の概要(平成16年12月15日)別記

(別記)コンプライアンスの優れたものに対する輸出通関制度

.概要
 セキュリティ対策の強化と国際物流の高度化に対応した物流促進の両立を図るため、コンプライアンス(法令遵守)の確保等を条件に、あらかじめ税関長の承認を受けた輸出者には、次の取扱いをする。

 

(1)

保税地域外での通関(申告及び許可)を可能とする。

(参考)現行制度上、輸出申告は、貨物を保税地域に搬入した後に行うこととされているが、保税地域外での通関後に保税地域に搬入すること等を可能とする。

 

(2)

審査及び検査の実施等についてコンプライアンスをより反映する。


 
.輸出者の承認

 輸出者が承認を受けるためには、次のような要件を満たす必要がある。

 

1

 過去3年間、関税法又は関税定率法その他関税に関する法律の規定に違反して刑に処せられ、又は通告処分を受けていないこと。

 

2

 過去2年間、関税法第70条(証明又は確認)に規定する他の法令の規定に違反して刑に処せられていないこと。

3

  過去2年間、上記1及び2に掲げた法令以外の法令の規定に違反して禁錮以上の刑に処せられていないこと。

4

  本制度の適用を受ける輸出に関する業務を適正に遂行することができる能力を有していること。

5

  本制度の適用を受ける輸出に関する業務を適正に遂行するために必要となる当該者及び当該者の従業者が遵守すべき事項を規定した社内規則を定めていること。



.承認を受けた輸出者の責任

 

(1)

帳簿の備付け、保存及び書類の保存

 承認を受けた輸出者は、貨物の品名、数量、価格、仕向人の氏名又は名称、輸出許可日等を記載した帳簿を備付け、これを保存する。
 また、貨物の輸出に関して作成し又は受領した書類(例:仕入書、契約書等)を併せて保存する。
 なお、帳簿及び書類は、国税の電子帳簿保存法に準じて、電子保存を可能とする。

 

(2)

事後的な監査

 本制度の適正な運営を確保するために、税関は事後的な監査等を行う。
(3)承認の取消し

 承認を受けた輸出者が承認を受けた要件に適合しなくなったとき等は、承認を取り消す。



.輸出申告

(1)本制度の対象となる貨物

 

 

 原則すべての輸出貨物を対象とする。例外となる貨物としては、輸出時の貨物の確認を要件として再輸入の際に関税を軽減する貨物、外国為替及び外国貿易法の規定により経済産業大臣の輸出の許可を要する貨物等取締り上支障がある貨物とする。

 

(2)

申告及び許可

本制度の適用を受ける輸出申告については、以下の取扱いとする。
1審査及び検査の実施等については、コンプライアンスをより反映する。
2輸出申告に際しては、原則として、仕入書を提出することを要しない。
3輸出申告は、貨物の蔵置場を管轄する税関に行う。