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  1. 開会
  2. 大韓民国産及び中華人民共和国産溶融亜鉛めっき鋼帯及び鋼板に対する暫定的な不当廉売関税の課税
  3. 閉会

出席者
特殊関税部会長 阿部 克則 財務省 寺岡関税局長
委員 内山 智裕 廣光審議官
木村 福成 中澤審議官
国松 麻季 大関総務課長
古城 佳子 三浦関税課長
杉山 晶子 下井参事官
城山 英明 中西業務課長
高橋 裕子 藤中調査課長
田村 善之 中尾特殊関税調査室長
手塚 広一郎 臼谷原産地規則室長
野原 佐和子 経済産業省 森井貿易経済安全保障局貿易管理部特殊関税等調査室長
山口 博臣 中谷製造産業局金属課企画官
専門委員 河野 真理子 北角貿易経済安全保障局貿易管理部特殊関税等調査室室長補佐
佐藤 英明 木内貿易経済安全保障局貿易管理部特殊関税等調査室上席特殊関税等調査官
末冨 純子 焼家製造産業局金属課係長
松島 浩道

 

本稿は、令和8年7月30日の関税・外国為替等審議会 関税分科会 特殊関税部会の議事録です。

 

午後1時30分開会

阿部部会長 ただいまから関税・外国為替等審議会関税分科会特殊関税部会を開催いたします。

 委員の皆様方におかれましては、御多用のところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。

 特殊関税部会長の阿部でございます。本日はよろしくお願いいたします。

 本日の議題に入ります前に、事務局におきまして人事異動がありました。着任された中尾特殊関税調査室長をはじめ事務局の構成につきましては、お手元の座席表をもって御紹介に代えたいと存じます。

 それでは、本日の議事に入らせていただきたいと存じます。本日の議題は議事日程のとおりでございます。

 「大韓民国産及び中華人民共和国産溶融亜鉛めっき鋼帯及び鋼板に対する暫定的な不当廉売関税の課税」に関して、資料1のとおり、財務大臣から当審議会に諮問がなされております。これを受けて、本件が当部会に付託されております。したがいまして、本件につきましては、委員の皆様方に御審議いただいた後に答申の取りまとめを行いたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。

 まず、「溶融亜鉛めっき鋼帯及び鋼板産業の現状」につきまして、経済産業省製造産業局金属課、中谷企画官より説明をお願いいたします。

中谷製造産業局金属課企画官(経済産業省) 経済産業省金属課の中谷でございます。よろしくお願いします。

 私のほうから、資料2-1の「溶融亜鉛めっき鋼帯及び鋼板産業の現状」について御説明させていただきます。

 まず、対象品目である溶融亜鉛めっき鋼帯及び鋼板についてでございます。以降、溶融亜鉛めっき鋼帯及び鋼板についてまとめてめっき鋼板類と呼ばせていただきます。

 掲載しております写真のとおり、めっき鋼板類は薄板製品等の表面に高温で溶かした亜鉛をめっきした鋼材でございます。めっき鋼板類は表面に溶融亜鉛めっきを施すことで優れた防さび機能を有することに特徴があります。我が国においては、日本製鉄、日鉄鋼板、ヨドコウ、神戸製鋼所を含む9者により生産が行われております。

 次に、めっき鋼板類の主な用途でございます。主に耐色性、加工性が求められる様々な用途で使用されておりまして、ガードレールや住宅、フェンス等の建材や冷蔵庫などの電気機器の部品を製造するための原料等、幅広い分野で利用されております。

 次のページに参りまして、めっき鋼板類産業の現状でございます。めっき鋼板類の国外の主な生産国は韓国・中国等でございます。本製品は先ほど申し上げましたとおり、様々な用途で用いられる重要な基礎資材でございまして、国内の産業基盤を支える役割を果たしております。また、自動車部品や電気機器産業といった国内の川下産業の需要に応えた高品質製品の生産を通じて、国際競争力の強化に寄与しているほか、耐食性の優れた建材を国内建築産業に供給することで、日本のインフラの強靭化に貢献しております。

 まとめとなりますが、めっき鋼板類は耐食性と加工性を兼ね備えていることから、基礎資材として国内の産業基盤を支える重要な役割を果たしています。このような産業の現状に照らせば、めっき鋼板類産業が国内から撤退した場合には、国内の産業基盤が揺らぐおそれがございます。

 以上で資料2-1の御説明を終わります。

阿部部会長 ありがとうございました。

 引き続き、「溶融亜鉛めっき鋼帯及び鋼板に対する暫定的な不当廉売関税の課税」につきまして、中尾特殊関税調査室長より説明をお願いいたします。

中尾特殊関税調査室長 関税局特殊関税調査室長の中尾です。

 資料2-2、韓国産及び中国産溶融亜鉛めっき鋼帯、鋼板に対する暫定的な不当廉売関税の課税について御説明いたします。

 資料の1ページ目を御覧ください。調査の概要等でございます。今回の調査対象貨物である溶融亜鉛めっき鋼帯及び鋼板につきましては、先ほど経済産業省のほうから御説明いただいたとおりでございます。

 資料中段右側の囲みは、これまでの調査の経緯を整理したフロー図となります。令和7年4月の課税申請を受けまして、昨年8月から今年にかけて調査を進めてまいりましたが、今般、中間結果を取りまとめました。この結果に基づき、先週、7月24日に仮の決定を行い、中間報告書を公表いたしました。

 資料3ページ目以降で中間結果の内容を報告させていただきますが、まずは資料下段の暫定的な不当廉売関税の課税要件について説明させていただきます。➀不当廉売がされた貨物の輸入の事実の推定、➁当該輸入が本邦の産業に与える実質的な損害等の事実の推定、そして➂本邦の産業を保護するため必要があると認められること、これらが暫定的な不当廉売関税の課税要件となっております。

 資料の2ページ目を御覧ください。調査に際し、調査当局が知り得た利害関係者等に質問状等を送付し回答を求めたところ、提出があった者をまとめたものがこちらの表となります。表1の➀に韓国供給者16者、➁に中国供給者54者とございます。これらは韓国と中国の輸出者及び生産者となります。

 今回の調査におきましては、海外の供給者数が多いことから、標本抽出(サンプリング)を行いました。資料の下段にサンプリングについて説明しておりますが、これはWTOのアンチダンピング協定にも規定されているものとなります。➀、➁の海外供給者の中から本邦向け輸出量などを基に、韓国供給者2者及び中国供給者2者の計4者を選定して、個別に不当廉売差額率を決定することとしました。サンプルとして選定されなかった供給者につきましては、これら4者の不当廉売差額率を基に決定することとしました。

 3ページ目を御覧ください。ここから今回の調査の中間結果について御説明させていただきます。

 まず課税要件の1つ目である不当廉売がされた貨物の輸入の事実の推定です。不当廉売差額率は、正常価格と輸出価格の差を分子に、輸出価格を分母として算出されるものです。韓国の正常価格及び輸出価格並びに中国の輸出価格につきましては、選定した4者の質問状への回答を精査し、調査当局が検証できたものについては当該回答を基に価格を算出しました。また、回答内容が検証できなかった場合には、調査当局として入手・検証できた情報により価格を算出しております。中国の正常価格につきましては、中国の供給者から市場経済の条件が浸透している事実があることについて明確に示されなかったため、代替国の企業の価格情報を用いて算出しました。

 調査の中間結果を資料下段に示しております。表2のとおり、32.49から68.67%の不当廉売差額率を算出し、課税要件である不当廉売がされた貨物の輸入の事実が推定されたところです。

 資料の4ページ目を御覧ください。課税要件の2つ目である当該輸入が本邦の産業に与える実質的な損害等の事実の推定です。表の3は、対象貨物の韓国・中国からの輸入量など各項目について、令和4年度の数値を100とし、令和6年度までの3年間の状況を指数で表したものです。表の左側に説明文がございますが、不当廉売がされた貨物の輸入の影響につきましては、調査対象期間において韓国・中国産品の輸入量が増加し、これら産品の本邦における市場占有率が拡大していました。また、韓国・中国産品は本邦産品を常に下回る価格で輸入され、また販売されておりました。

 本邦産業への影響ですが、本邦産業は需要量が減少する中で、本邦産品の販売先を維持・確保するべく、価格の引下げを余儀なくされる一方、輸入品との価格差による取引先からのさらなる値下げ要求には応じることができず、販売量は減少したことが確認できました。結果として、調査対象期間においては売上高及び営業利益は大きく減少していました。

 最後ですが、韓国・中国以外のほかの国からの貨物による本邦産品の価格等への影響は認められず、韓国・中国からの不当廉売がされた貨物の輸入と本邦産業への損害との間に因果関係が推定されました。

 この結果、不当廉売がされた貨物の輸入が本邦の産業に与える実質的な損害等の事実が推定されました。

 以上が調査の中間結果の内容となります。

 資料の5ページ目を御覧ください。暫定措置の発動について説明させていただきます。中間結果におきまして、不当廉売がされた貨物の輸入の事実及び当該輸入が本邦の産業に与える実質的な損害の事実が推定されております。加えまして、先ほど経済産業省からも産業の現状、また重要性に係る説明がございましたが、今後の調査期間中に生じ得る損害の拡大を防止し、本邦産業を保護するために、暫定措置を発動する必要性が認められる状況となっております。したがいまして、調査によって明らかになった不当廉売差額率に基づいて、表の4に記載の29.2から55.3%の暫定的な不当廉売関税率を4か月間課すことが適当であると考えております。

 説明は以上となります。

阿部部会長 ありがとうございました。

 ここまでの事務局からの説明につきまして、御質問、御意見等を頂きたいと存じます。いかがでございましょうか。

 末冨委員、よろしくお願いいたします。

末冨委員 ありがとうございます。中国の正常価格の選定に当たって、代替国の企業の価格情報を用いて算出ということを御説明いただきまして、調査中間報告書の中には代替国選定についての詳細な手続が御説明されていますが、この代替国の決定に当たって、候補国が随分とたくさんあって、詳細な手続を取っていらっしゃると調査報告書から理解していますが、かいつまんで概要を教えていただければと思います。

阿部部会長 中尾室長、お願いいたします。

中尾特殊関税調査室長 御質問ありがとうございます。代替国についての御質問がございました。既に委員も御承知かと思いますけれども、中国と比較可能な最も近い経済発展段階にある国の企業の価格情報を用いまして、中国の正常価格としております。具体的には、詳細は報告書にも記載がございますが、まず今回の対象貨物である溶融亜鉛めっき鋼帯及び鋼板を生産している国、トルコ、メキシコ、ロシア、ブラジル、タイなど、13か国・地域につきまして、まず1人当たりの国民総所得、GNIが中国に近い国から順番に優先順位をつけております。そして、これらの13か国の企業に質問票を送り、回答のあった企業のうち、今申し上げました最も優先順位が高い国の企業の価格情報を用いて正常価格を認定しております。このようにして代替国を選んでおりますけれども、代替国名を明らかにすることによりまして、代替国企業が特定され、当該企業の製品価格等の秘密情報をほかの企業が推測できると当該企業に不利益が及ぶ場合があることから、具体的にどの国かということは公表はしていないということになります。

阿部部会長 末冨委員、よろしいでしょうか。

末冨委員 ありがとうございます。

阿部部会長 ほかにはいかがでしょうか。

 それでは、オンラインで御参加の委員も含めまして、御質問はこれ以上ないようでございますので、答申の取りまとめを行いたいと存じます。

 本日、オンラインで御参加の委員におかれましては、画面での共有がなされていないようでございます。答申案につきましては事前に各委員にお送りしているということでございますので、そちらを御覧いただければと存じます。内容を御確認いただけますでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。ありがとうございます。

 それでは、特に御質問、御意見等ございませんようでしたら、当部会として本案のとおり決定することとしたいと存じますが、よろしいでしょうか。

〔異議なし〕

阿部部会長 ありがとうございます。御異議がございませんようですので、「大韓民国産及び中華人民共和国産溶融亜鉛めっき鋼帯及び鋼板に対する暫定的な不当廉売関税の課税」につきまして、当部会といたしまして、答申案どおり決定することとし、これをもって関税・外国為替等審議会としての答申といたしたいと存じます。

 以上をもちまして本日の特殊関税部会を終了いたします。本日は、御多用のところ御出席賜りまして、誠にありがとうございました。

午後1時47分閉会