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  1. 開会
  2. 中華人民共和国産及び台湾産ニッケル系ステンレス冷延鋼帯・冷延鋼板に対する暫定的な不当廉売関税の課税
  3. 大韓民国産炭酸二カリウムに対する不当廉売関税の課税期間の延長
  4. 大韓民国産及び中華人民共和国産水酸化カリウムに対する不当廉売関税の課税期間の延長に関する調査の開始
  5. 大韓民国産、中華人民共和国産及び台湾産熱延鋼帯・熱延鋼板に対する不当廉売関税の課税に関する調査の開始
  6. 大韓民国産、中華人民共和国産及び台湾産冷延鋼帯・冷延鋼板に対する不当廉売関税の課税に関する調査の開始
  7. 「不当廉売関税に関する手続等に関するガイドライン」の改正
  8. 閉会

出席者
特殊関税部会長 阿部 克則 財務省 寺岡関税局長
委員 国松 麻季 廣光審議官
古城 佳子 中澤審議官
高橋 裕子 大関総務課長
野原 佐和子 三浦関税課長
山口 博臣 藤中業務課長
専門委員 河野 真理子 近田特殊関税調査室長
佐藤 英明 経済産業省 浅井貿易経済安全保障局貿易管理部貿易管理課長
末冨 純子 武製造産業局素材産業課企画官
松島 浩道 中谷製造産業局金属課企画官
若江 雅子

 

本稿は、令和8年6月23日の関税・外国為替等審議会 関税分科会 特殊関税部会の議事録です。

 

午後2時47分開会

阿部部会長 ただいまから関税・外国為替等審議会関税分科会特殊関税部会を開催いたします。

 委員の皆様方におかれましては、御多用のところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。

 特殊関税部会長の阿部でございます。本日はよろしくお願いいたします。

 それでは、本日の議事に入らせていただきたいと存じます。

 本日の議題は議事日程のとおりでございます。

 まず、「中華人民共和国産及び台湾産ニッケル系ステンレス冷延鋼帯・冷延鋼板に対する暫定的な不当廉売関税の課税」に関して、資料1-1のとおり、暫定的な不当廉売関税の課税について、また、「大韓民国産炭酸二カリウムに対する不当廉売関税の課税期間の延長」に関して、資料1-2のとおり、不当廉売関税を課する期間の延長について、それぞれ財務大臣から当審議会に諮問がなされております。これを受けて、本件が当部会に付託されております。したがいまして、本件につきましては、委員の皆様方に御審議いただいた後に答申の取りまとめを行いたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。

 まず、「ニッケル系ステンレス冷延鋼帯・冷延鋼板産業の現状」につきまして、経済産業省製造産業局金属課、中谷企画官より説明をお願いいたします。

中谷製造産業局金属課企画官(経済産業省) 経済産業省金属課の中谷でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 私のほうからは、資料2-1の「ニッケル系ステンレス冷延鋼帯・冷延鋼板産業の現状」について御説明させていただきます。

 まず、対象品目であるニッケル系ステンレス冷延鋼帯・冷延鋼板とは、掲載した写真のとおりでございまして、ニッケル系ステンレス冷延鋼帯・冷延鋼板はコイル状、もしくは板状の部材でございまして、鉄に10.5%以上のクロムを含有し、ニッケルの含有量が全重量の0.6%を超える合金鋼でございます。ニッケル系ステンレス冷延鋼帯・冷延鋼板は、クロムやニッケルを含有することで、耐食性に優れつつ、美観や清潔感を兼ね備えた特徴を有するようになります。我が国においては、日本製鉄株式会社、日本冶金工業株式会社、ナス鋼帯株式会社、日本金属株式会社を含む7者により生産が行われております。

 次に、ニッケル系ステンレス冷延鋼帯・冷延鋼板の主な用途でございます。当該製品は耐食性及び加工性が求められる様々な用途で使用されておりまして、屋内配管等の建築材、家電・精密機器、鉄道車両のような輸送機器、さらには産業機器等、幅広い分野で利用されております。

 次のページに参りまして、ニッケル系ステンレス冷延鋼帯・冷延鋼板産業の現状でございます。ニッケル系ステンレス冷延鋼帯・冷延鋼板の国外の主な生産国・地域は中国・台湾等でございます。本製品は、先ほど申し上げましたとおり、様々な用途で用いられる重要な基礎資材でございまして、国内の産業基盤を支える役割を果たしております。また、当該製品の国内産業は、川下産業の需要に応えた高品質製品の供給を通じて、国際競争力の強化に寄与するとともに、原子炉設備やダム設備で用いられる部材の生産を通じて、社会インフラの強靱化にも貢献しております。まとめとなりますが、ニッケル系ステンレス冷延鋼帯・冷延鋼板は、耐食性と意匠性を兼ね備えていることから、基礎資材として国内の産業基盤を支える重要な役割を果たしています。このような産業の現状に照らせば、ニッケル系ステンレス冷延鋼帯・冷延鋼板産業が国内から撤退した場合には、国内の産業基盤が揺らぐおそれがございます。

 以上で資料2-1の御説明を終わります。

阿部部会長 ありがとうございました。

 引き続き、「中華人民共和国産及び台湾産ニッケル系ステンレス冷延鋼帯・冷延鋼板に対する暫定的な不当廉売関税の課税」につきまして、近田特殊関税調査室長より説明をお願いいたします。

近田特殊関税調査室長 ありがとうございます。財務省特殊関税調査室長の近田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 資料2-2の1ページ目を御覧ください。本件につきましては、昨年5月に日本製鉄株式会社ほか3者から課税を求める申請があったことを受けまして、同年7月から調査を開始しております。右側の囲みは、これまでの調査の経緯を整理したフロー図となります。調査概要でございますが、関税定率法に規定されております課税の要件、具体的には、不当廉売がされた貨物の我が国への輸入の事実、それから、当該不当廉売輸入による本邦産業への実質的な損害等の事実、これらのそれぞれの要件の事実の有無について調査を行っているところでございます。これらの事実の有無を認定するための調査対象期間は、資料の中段、写真の下にそれぞれ記載してございます。調査におきましてこれら2つの事実が推定されましたことから、本年6月19日、先週の金曜日でございますが、その旨の仮の決定を行いまして、「調査中間報告書」を公表いたしました。この「調査中間報告書」はお手元の資料2-3となります。

 暫定的な不当廉売関税の課税要件は、資料の下段に記載のとおり、先ほど申し上げました不当廉売がされた貨物の輸入の事実の推定、そして、当該輸入が本邦の産業に与える実質的な損害等の事実の推定、さらに、本邦の産業を保護するため必要があると認められることが要件でございます。

 続きまして、2ページにお進みいただければと存じます。調査に際し調査当局が知り得た利害関係者等に質問状等を送付し、回答を求めました。表1の➀に中国供給者が66者、➁に台湾供給者が20者とございます。今回の調査におきましては、資料の下段に記載してございますが、WTO協定及びガイドラインの規定に従いまして標本抽出(サンプリング)を行い、これらの海外供給者の中から、本邦向けの輸出量を基にしまして、中国供給者2者、それから台湾供給者2者を選定し、当該4者については個別に不当廉売差額率を決定することといたしまして、当該4者の回答の精査及び現地調査を実施いたしました。選定されなかった供給者につきましては、当該4者の不当廉売差額率を基に決定することといたしました。

 続きまして、今回の調査において推定することができた2つの事実、すなわち、不当廉売輸入の事実と本邦産業に与える実質的な損害等の有無につきまして、それぞれの詳細を次の2枚にわたって御説明を申し上げます。

 3ページ目でございますが、不当廉売差額率は、正常価格と輸出価格の差を分子とし、また、輸出価格を分母として算出されるものでございます。中国の輸出価格並びに台湾の正常価格及び輸出価格につきましては、サンプリングの結果、選定した4者の質問状回答のうち調査当局が検証できたものについては、当該回答から算出いたしました。証拠を提供できなかった者に係る価格については、調査当局が知ることができた事実に基づき、入手できた証拠により算出いたしました。2つ目の矢羽ですが、中国の正常価格につきましては、中国の供給者から市場経済の条件が浸透している事実があることを明確に示されなかったため、代替国の企業の価格情報を用いて算出いたしました。

 その結果、調査の中間結果といたしまして、下段の表2のとおり不当廉売差額率を算出し、不当廉売がされた貨物の輸入の事実が推定できたものでございます。

 続きまして、4ページ目、実質的な損害等の事実に関する内容でございます。当該輸入が本邦の産業に与える実質的な損害に関しまして、表3として、令和4年の数値を100とした指数で推移を示してございます。不当廉売がされた貨物の輸入の影響といたしましては、左側の黒丸ですが、中国・台湾産品の輸入量は増加し、本邦における市場占拠率は拡大いたしました。当該貨物は本邦産品を下回る価格で輸入され、本邦で販売されました。次に、本邦産業への影響といたしましては、本邦産品の販売量や売上高が減少いたしました。また、取引先から販売価格の値上げ幅の圧縮、または値下げを要求され、製造原価の上昇分を十分に価格に転嫁することができず、営業利益は大きく減少いたしました。なお、中国、台湾以外の国・地域からの貨物による本邦産品の価格等への影響については認められず、不当廉売がされた貨物の輸入と本邦産業の実質的な損害との間に因果関係が推定されました。

 以上のことから、不当廉売がされた貨物の輸入が本邦の産業に与える実質的な損害等の事実が推定されました。こちらが今回の中間結果の内容となります。

 続きまして、5ページを御覧ください。先ほど御説明を申し上げましたとおり、調査当局の結論といたしまして、不当廉売がされた貨物の輸入の事実及び当該輸入が本邦の産業に与える実質的な損害等の事実について推定いたしました。また、先ほど経済産業省からも産業の現状に係る説明がございましたとおり、今後の調査期間中に生じ得る損害の拡大を防止し本邦産業を保護するために、暫定措置を発動する必要性が認められる状況となっております。

 以上を受けまして、調査によって明らかになった不当廉売差額率に基づきまして、暫定措置の期間を4か月としまして、表4の暫定的な不当廉売関税率を課すことが適当であると考えまして、本日、諮問をお願いしましたものでございます。

 以上が資料2-2の説明となります。ありがとうございます。

阿部部会長 ありがとうございました。

 引き続き、「大韓民国産炭酸二カリウムに対する不当廉売関税の課税期間の延長」について御説明いただいた上で、まとめて御審議いただくこととしたく存じます。

 まず、「炭酸二カリウム産業の現状」について、経済産業省製造産業局素材産業課、武企画官より説明をお願いいたします。

武製造産業局素材産業課企画官(経済産業省) 経済産業省素材産業課、武と申します。よろしくお願いいたします。

 資料3-1「炭酸二カリウム産業の現状」について説明させていただきます。

 まずは、炭酸二カリウムの概要でございます。炭酸二カリウムとは、無機化学薬品として広範な製品に使用され、白い粉末状、顆粒または水に溶解させた無色の液体品という形でございます。国内での生産でございますが、AGC、1者となっております。

 炭酸二カリウムの主な用途でございますが、高精細な高い品質レベルが要求される液晶パネル用のガラス基板など、高付加価値ガラス製造の原料として使用されるほか、中華麺に添加するかんすいの原料、チタン酸カリウムの原料、衣料用洗剤・食器用洗剤の原料、カリウム塩類の原料、医農薬の中間体原料など、幅広い用途で使われております。

 次のページをお願いいたします。炭酸二カリウム産業の現状等でございます。炭酸二カリウムの主な生産国は韓国、米国、台湾等でございます。先ほど申し上げましたとおり、炭酸二カリウムは幅広い用途に用いられる基礎化学品であり、国内の産業基盤を支えております。令和3年に不当廉売関税が課税後も、関税を加味した韓国品の価格は、関税が賦課されていない第三国品の価格と近似しており、関税賦課後もなお、韓国の供給者は継続して価格競争力を維持しているということでございます。その結果、韓国産炭酸二カリウムの輸入量は増加傾向にあり、国内需要量に占める市場占拠率も拡大しているということでございます。これにより採算が悪化する中、令和4年に日本曹達が国内産業から撤退、AGCが国内で唯一の生産者となり、国内生産量ですけれども、調査対象期間を通じて42%減少と。結果として国内市場の輸入依存度は拡大しているということでございます。現在もなお、韓国産品を引き合いとした追加的な値下げの要求や、販売量減少に至った例が確認される等、国内産業は脆弱な状況にございます。課税期間が満了した場合には、さらなる低価格輸出を通じて、国内産業に必要な炭酸二カリウムを輸入品に大きく依存する状況となるおそれがあり、その結果、韓国からの輸入による価格支配が生じるおそれがあるほか、川下産業を含むサプライチェーン全体に悪影響を及ぼすおそれがあると考えております。

 私からの資料の説明は以上でございます。ありがとうございました。

阿部部会長 ありがとうございました。

 引き続き、「大韓民国産炭酸二カリウムに対する不当廉売関税の課税期間の延長」につきまして、近田特殊関税調査室長より説明をお願いいたします。

近田特殊関税調査室長 ありがとうございます。

 資料3-2、1ページ目を御覧ください。本件は令和3年6月から不当廉売関税を課しているものでございまして、現在の課税期間は本年6月までとなっております。本件につきましては、昨年6月にAGC株式会社から課税期間の延長を求める申請があったことを受けまして、同年8月から調査を開始しております。調査内容ですが、関税定率法に規定されております課税期間の延長要件、具体的には、不当廉売がされた貨物の我が国への輸入の継続または再発のおそれ、及び当該不当廉売輸入による本邦産業への損害等の継続または再発のおそれ、これらのそれぞれの要件の有無について調査を行っているところでございます。

 また、これらの要件の充足の有無を認定するための調査対象期間は、それぞれ資料の最下段に記載のとおりでございます。

 続きまして、2ページ目を御覧ください。昨年8月に調査を開始しました後、本年4月に、最終決定の基礎となります重要な事実を利害関係者に対して開示いたしました。これによりまして、利害関係者からの反論等の意見表明の機会を設けたものでございます。このような手続を経まして、資料3-3におつけしておりますとおり「調査結果報告書」を取りまとめまして、本日の部会で御審議をお願いしているものでございます。

 3ページ目を御覧ください。不当廉売がされた貨物の本邦への輸入が継続し、または再発するおそれについて、調査により判明した事実の概要でございます。まず、本件では、不当廉売の現状を調査するため、韓国から本邦への炭酸二カリウムの輸出価格と韓国国内での販売価格である正常価格を比較いたしました。この結果、韓国から本邦への輸出価格が正常価格よりも低いことが認められました。また、韓国の供給者には相当程度の余剰生産能力があること、将来における生産量の増加が認められることが判明いたしました。

 また、韓国供給者の余剰生産能力を全て吸収できるような市場が韓国国内においても、また、海外市場においても存在しないということも認められております。

 以上のことから、不当廉売がされた貨物の我が国への輸入が、不当廉売関税の課税期間満了後に継続し、または再発するおそれがあると認定をしているところでございます。

 続きまして、4ページ目を御覧ください。本邦産業の損害が継続し、または再発するおそれに関して、調査により判明した事実の概要でございます。

 まず、本邦産業の状況ですが、現行の不当廉売関税賦課の下、本邦産業の損害に係る指標は表2にまとめているとおりでございまして、売上高、営業利益については調査対象期間の5年間で改善した一方で、調査対象貨物の輸入量、本邦産業の生産量、販売量、市場占拠率については悪化をしております。

 次に、損害が継続し、または再発するおそれですが、韓国産炭酸二カリウムの輸入価格は、令和4年を除きましては、調査対象期間中、本邦産品の国内販売価格を下回っておりました。このような状況で指定された期間が満了した場合には、韓国産品の輸入価格は現行の不当廉売関税分が下がることが推定され、本邦の産業はさらなる国内販売価格の引下げを余儀なくされる可能性が高いと考えております。その結果、本邦の産業は、製造原価に見合わない価格設定を強いられることとなり、事業の継続が困難になるおそれがあると考えられます。

 以上のことから、不当廉売がされた貨物の輸入の本邦の産業に与える実質的な損害等の事実が、不当廉売関税の課税期間満了後に継続し、または再発するおそれがあると認定したところでございます。

 続きまして、5ページ目を御覧ください。先ほども触れましたが、本年4月に、今し方御説明を差し上げましたような調査により判明した内容を含む最終決定の基礎となる重要な事実を、「重要事実の開示」というふうに申しますが、利害関係者に対して通知いたしました。

 点線の参考部分に記載のWTO協定の規定にもございますとおり、本件の利害関係を有する者に自己の利益を擁護する機会を与えるためのものでございまして、調査内容に対する反論等の意見表明の機会を設けているものでございます。

 重要事実の開示の結果につきまして、6ページ目を御覧いただきます。利害関係者からの主な反論の内容を左側、オレンジの部分、それに対する調査当局の見解を右側、ブルーの部分に記載させていただいておりますが、これらの反論の内容を検証・確認いたしましたところ、重要事実の内容を変更する必要性は認められなかったところでございます。

 このことから、調査当局の見解といたしまして、不当廉売がされた貨物の輸入及び当該輸入による本邦産業に与える損害等の事実が、不当廉売関税の課税期間満了後に継続し、または再発するおそれがあると認定されました。

 以上を受けました最終決定(案)でございますが、課税期間を延長することが適当であり、期間はWTO協定及び法令で認められました期間内であります5年間とさせていただきたいと考えているものでございます。

 私からの説明は以上になります。ありがとうございます。

阿部部会長 ありがとうございました。

 ここまでの事務局からの説明につきまして、御質問、御意見等をいただきたいと存じますが、いかがでしょうか。

 近田室長、補足をお願いいたします。

近田特殊関税調査室長 ありがとうございます。ただいま御説明を差し上げました資料につきまして、一部数字の誤りがございましたので、大変恐縮ですが、この場をお借りしまして訂正をさせていただきます。

 先ほど、最初に御説明いたしました中国・台湾産ニッケル系ステンレス冷延鋼帯・冷延鋼板に係る資料2-2にお戻りいただければと思います。資料2-2の4ページを御覧いただければと思いますが、今、スクリーンにも投影されてございます。この表の中で一部誤記がございましたので、訂正をさせていただきます。表3の下から2番目の「本邦産品の売上高(I)」に関する指標でございますが、一番右側の「(参考)➀と➂の差」としてある「▲12」としております点が、正しくは「▲18」でございました。大変恐縮でございますが、この場をお借りして訂正をさせていただきます。後ほどホームページ等に掲載いたします資料については差し替えをさせていただければと存じます。大変失礼いたしました。ありがとうございます。

阿部部会長 ありがとうございました。

 それでは、委員の皆様から御質問、御意見等はよろしいでしょうか。

 ありがとうございました。それでは、御質問等がございませんようでしたら、答申の取りまとめを行いたいと存じます。

〔答申書案配付、オンライン画面に表示〕

阿部部会長 お手元に答申書案が資料の一番下にございまして、答申書が2つあるかと存じます。1点がニッケル系ステンレス冷延鋼帯及び冷延鋼板、もう1つが炭酸二カリウムに対する不当廉売関税の延長です。2点ございますので、御確認をお願いいたします。

 それでは、御質問、御意見等はございますでしょうか。オンラインのほうの委員の方もよろしゅうございますか。

 特に御質問、御意見等がございませんようでしたら、当部会として本案のとおり決定することとしたいと存じますが、よろしいでしょうか。

〔異議なし〕

阿部部会長 ありがとうございます。御異議がございませんようですので、「中華人民共和国産及び台湾産ニッケル系ステンレス冷延鋼帯・冷延鋼板に対する暫定的な不当廉売関税の課税」及び「大韓民国産炭酸二カリウムに対する不当廉売関税の課税期間の延長」につきまして、当部会といたしまして、答申案どおり決定することとし、これをもって関税・外国為替等審議会としての答申といたしたいと存じます。

 諮問については以上となります。ありがとうございました。

 引き続き、「大韓民国産及び中華人民共和国産水酸化カリウムに対する不当廉売関税の課税期間の延長に関する調査の開始」ほか2件について、近田特殊関税調査室長より説明をお願いいたします。

近田特殊関税調査室長 ありがとうございます。それでは、ここからは、調査を開始しております案件について、延長案件1件を含む3件でございますが、調査開始に至った事情を御説明いたします。なお、調査開始案件につきましては、今回、委員の先生方に何か御判断をお願いするものではございません。

 それでは、まず、「大韓民国産及び中華人民共和国産水酸化カリウムに対する不当廉売関税の課税期間の延長に関する調査の開始」について御説明いたします。

 資料4でございます。1ページ目を御覧ください。本件は、平成28年に不当廉売関税の課税決定が行われました後、令和3年に延長調査を実施いたしまして、課税期間を令和8年8月までとして、韓国産49.5%、中国産73.7%の不当廉売関税が課されております、現在課税中の案件でございます。

 右側、貨物の概要でございますが、水酸化カリウムは、一般に、水に溶解した液体品、または白色片状の固形物でありまして、主として炭酸カリウム等のカリ塩類の原料、化学肥料の原料、アルカリ電池の電解液、液体石けんや洗剤の原料等に使用されるものでございます。

 資料の下段に輸入量の推移を示してございます。韓国からの輸入は、不当廉売関税を課税中にもかかわらず、令和2年と比較しまして増加傾向にあります。一方、中国からの輸入は、令和3年以降、実績はございません。

 続きまして、2ページ目、調査開始の概要を御覧ください。今回の課税申請につきましては、本邦における水酸化カリウムの生産者団体から課税期間の延長を求める申請がなされたものでございます。不当廉売関税の課税期間の延長の求めを受けて調査を開始するに当たっては、不当廉売がされた貨物の輸入及び当該輸入の本邦の産業に与える実質的な損害等の事実が、課税期間の満了後に継続、または再発するおそれがあることにつきまして、十分な証拠が示されていることが必要となります。

 申請書の内容によりますと、まず、1つ目の青い帯、「不当廉売がされた貨物が本邦に輸入されている事実が課税期間の満了後に継続するおそれ」といたしまして、韓国の本邦向けの輸出価格及び中国の第三国向けの輸出価格は、正常価格よりも安価な状態であること。また、韓国及び中国の供給者は余剰生産能力を有しており、地理的に隣接するアジア市場に、本邦市場を除いて、その追加的供給を吸収できる市場は存在しないことが述べられております。

 次に、2つ目の青い帯、「本邦の産業に与える実質的な損害等の事実が不当廉売関税の課税期間満了後に再発するおそれ」といたしまして、本邦産業は不当廉売がされた貨物の価格を引き合いに出され、製造原価の上昇分を販売価格に転嫁できず、価格の押し下げ、または価格上昇の妨げを受けていること。令和2年と比較しますと、韓国産水酸化カリウムの輸入量は増加した一方で、本邦産業の生産量、販売量は減少し、市場占拠率は低下したこと。また、今後も製造原価の上昇分を販売価格に十分転嫁できない状態が継続した場合に、現在維持できている営業利益は維持できなくなる可能性が高いことが挙げられております。

 これらの内容を調査当局として精査いたしました結果、調査のための十分な証拠があり、また、必要があると判断いたしましたことから、韓国産及び中国産水酸化カリウムに対する不当廉売関税の課税期間の延長に関する調査を令和7年12月に開始いたしまして、その旨を官報において告示、同日、公表いたしました。

 3ページを御覧いただきます。調査手続の今後の大まかな流れを示してございます。令和7年12月に調査を開始し、利害関係者に対して質問状等を送付し、既に回答を受領して、分析等を進めております。調査開始日以降に記載してある日付はそれぞれの手続の回答期限となっております。調査は原則として1年以内に終了することとされております。今後、必要に応じ現地調査等の調査手続を進めてまいります。調査の結果、課税期間の延長の必要性が認められた場合には、改めて当部会にお諮りいたしまして、御審議を賜りたいというふうに考えております。

 以上が1つ目の資料4の御説明でございます。

 続きまして、資料5の「大韓民国産、中華人民共和国産及び台湾産熱延鋼帯・熱延鋼板に対する不当廉売関税の課税に関する調査の開始」について御説明を申し上げます。

 1ページ目を御覧いただければと存じます。以下、対象貨物を「熱延鋼帯等」というふうに呼びますが、熱延鋼帯等は、鉄、または非合金鋼等のフラットロール製品のうち、熱間圧延をした鋼帯及び鋼板になります。丸めたものが写真で御覧いただくような鋼帯、板状のものが鋼板となります。用途といたしましては、自動車用のホイールやサスペンション、ガスボンベ等の容器、自動販売機等に利用されるものでございます。

 下段に輸入量の推移をお示ししてございます。韓国、中国及び台湾からの輸入が全輸入量の大半を占めているものでございます。

 続きまして、2ページ目を御覧ください。調査開始の概要でございます。今回の課税申請につきましては、本年2月に国内生産者4社から申請がなされたものでございます。不当廉売関税の課税の求めを受けて調査を開始するに当たりましては、不当廉売がされた貨物が本邦に輸入されている事実、及びその輸入が本邦の産業に与える実質的な損害等を与える事実という2つの要素につきまして、十分な証拠が示されていることが必要となります。

 まず、1点目の不当廉売輸入の事実につきましては、1つ目の青帯の下でございますが、申請書の内容によりますと、韓国、中国及び台湾産品の本邦への輸出価格は正常価格よりも低くなっており、その不当廉売差額率は、それぞれ資料に記載のようなパーセンテージの間というふうに算出をされております。

 次に、2点目の本邦産業への実質的な損害等の事実につきましては、不当廉売がされた貨物の輸入量が増加する一方で、本邦産品の国内販売量及び市場占拠率は減少していること、不当廉売がされた貨物の国内販売価格は、本邦産品の価格を大幅に下回っているため、本邦産品の販売量が大幅に減少し、また、輸入品を引き合いに値下げを要求され、本邦の産業は製造コストの上昇に応じた値上げを拒否された結果として、本邦産業の売上高営業利益率が低い水準にとどまるなど、実質的な損害が生じているが申請書において掲げられてございます。

 これらの内容を調査当局として精査いたしました結果、調査開始のための十分な証拠があり、また、必要があると判断いたしまして、不当廉売関税の課税に関する調査を本年6月1日、今月に開始いたしまして、その旨を官報で告示、同日、公表をしてございます。

 3ページ目の調査手続の流れにつきましては、先ほどと重複いたしますので割愛いたしますが、本年6月1日の調査開始から、原則として1年以内の調査完了を目指して、現在、手続を進めているところでございます。

 続きまして、資料6でございます。「大韓民国産、中華人民共和国産及び台湾産冷延鋼帯・冷延鋼板に対する不当廉売関税の課税に関する調査の開始」についてでございます。

 資料の1ページ目の概要でございますが、対象貨物は「冷延鋼帯等」というふうに呼ばせていただきますが、冷延鋼帯等につきましては、鉄、または非合金鋼等のフラットロール製品のうち、熱間圧延等の工程を経た後、冷間圧延をした鋼帯及び鋼板になります。スケール、つまり酸化皮膜がなく、滑らかで光沢のある表面を有しているものでございます。用途といたしましては、自動車用のホワイトボディー、家電、ロッカーなどの鋼製家具、ドラム缶等の容器などに使用されるものでございます。

 下段に輸入量の推移をお示ししてございますが、こちらも、韓国、中国及び台湾からの輸入量が全輸入量の大半を占めるというものでございます。

 続きまして、2ページ目、調査開始の概要でございます。今回の課税申請につきましては、本年2月に国内生産者3社から申請がなされたものでございます。

 先ほどの案件と同様、2つの要素のうち、1点目の「不当廉売がされた貨物が本邦に輸入されている事実」につきましては、申請書の内容によりますと、韓国、中国及び台湾産冷延鋼帯等の本邦への輸出価格が正常価格よりも低くなっており、不当廉売差額率は、資料に記載の韓国産、中国産、台湾産、それぞれが記載のように算出をされているものでございます。

 次に、2点目の帯、「本邦の産業に実質的な損害を与えている事実」につきましては、不当廉売がされた貨物の輸入量が国内需要量と比較して相対的に増加し、国内市場占拠率が上昇した一方で、本邦産品の国内販売量及び市場占拠率が減少していること。また、不当廉売がされた貨物の国内販売価格は本邦産品の価格を大幅に下回っているため、本邦産品の販売量が大幅に減少し、また、輸入品を引き合いに値下げを要求され、本邦産業が製造コストの上昇に応じた値上げを拒否された結果といたしまして、本邦産業の売上高営業利益率が低い水準にとどまるなど、実質的な損害が生じていることが申請書において掲げられてございます。

 これらの内容を調査当局として精査いたしました結果、調査開始のための十分な証拠があり、また、必要があると判断いたしまして、不当廉売関税の課税に関する調査を同じく本年6月1日に開始いたしまして、その旨を官報で告示、公表をいたしました。

 資料の3ページは先ほどと同様でございまして、こちらの案件につきましても、本年6月の調査開始以降、原則として1年以内の調査完了を目指しまして手続を進めているところでございます。

 私からの調査開始案件に関する御報告は以上となります。ありがとうございます。

阿部部会長 ありがとうございました。

 続きまして、「「不当廉売関税に関する手続等についてのガイドライン」の改正について」、三浦関税課長より説明をお願いいたします。

三浦関税課長 三浦より、「「不当廉売関税に関する手続等についてのガイドライン」の改正について」、資料7に沿って御説明を申し上げたいと思います。

 不当廉売関税の迂回防止制度につきまして、迂回防止に関するワーキングでの取りまとめと、本審議会の答申に沿った改正法が今国会において成立し、4月1日から施行されております。委員の皆様方に、関税分科会と、それから、ワーキンググループで御審議いただき、答申を頂きましたことに、改めて御礼を申し上げたいと存じます。

 本制度の運用を補助するものとして、「不当廉売関税に関する手続等についてのガイドライン」を改正しまして、4月にホームページで見ていただけるように公表をしております。これについて、改めて簡単に御報告させていただこうと思います。

 今回の改正点としましては、迂回防止制度の創設に伴うものと、現行の不当廉売関税の課税措置に係る事項ということがございます。スライドの1を見ていただきまして、矢羽が2つございますけれども、調査期間等に関するものと、それから、課税要件に関するものがあります。それぞれ特徴的なものを、ワーキングなどで御議論いただいた点を中心に御紹介させていただこうと思います。

 調査期間等につきましては、次のページを御覧いただきますと、矢印がございまして、青い矢印のところはデータ収集期間でありまして、上のほうは原措置である通常の不当廉売関税のデータ収集期間で、3年となっておりますけれども、迂回防止調査につきましては原則として1年間ということをガイドラインで明記しております。これによって、効率的な調査を行うことにつなげることになろうかと思います。

 2点目は、おめくりいただきますと、課税要件の詳細がございます。ワーキンググループで御覧いただきました図をベースに、法律、省令での規定を薄い字で書いておりまして、青枠のところがガイドラインの記載事項ということになります。5点ありますけれども、1つだけお耳に入れるとすれば、➇というところ、一番右下のところにある、経済的正当性の欠如というのは何かということについて、ワーキンググループでも御審議を賜りました。これについて、不当廉売関税の課税を免れる目的ということを判断するためにどういうことが考えられるか、例えば、関係企業の設立時期、生産、輸出、販売が開始された時期、投資の額、その時期といったことを総合的に考慮するということを追記したというものであります。

 最後のページでありますけれども、4ページ目は、この機会に、原措置であります元となる不当廉売関税に関しましても、WTO協定等との整合性を保ちつつ、利害関係者の方々の予見可能性の向上と適正な調査の効率的な実施ということを目指して改正をしたというものであります。

 4点ありますけれども、1点目と3点目を御覧いただきますと、例えば、当局からの質問状への回答がない場合や、正確性に欠けるような回答であった場合、あるいは、期限内に回答がないといったような場合に、効果的、効率的に調査を進められるような取組みを行っているということを御報告させていただければと思います。

 説明は以上でございます。よろしくお願い申し上げます。

阿部部会長 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの事務局からの御説明につきまして、委員の皆様から御質問、御意見をいただきたいと存じますが、いかがでしょうか。オンラインで御参加の委員の方もよろしいでしょうか。

 ありがとうございます。今回御説明いただきましたように、最近、不当廉売関税の調査の件数が増加する傾向があるようでございまして、国際的に見ましても、過剰生産が問題となっておりますところ、EUなども対応を強化するということのようでございまして、我が国におきましても、不当廉売等に対して調査当局が適切に御対応いただくということをお願いしたいと存じます。

 それでは、ほかに御質問等がございませんようでしたら、以上をもちまして本日の特殊関税部会を終了いたします。本日は、御多用のところ御出席賜りまして、誠にありがとうございました。

午後3時30分閉会