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関税・外国為替等審議会 関税分科会 特殊関税部会(令和6年10月10日)議事録

  1. 開会
  2. 中華人民共和国産黒鉛電極に対する不当廉売関税の課税に関する調査の開始
  3. 閉会

出席者
特殊関税部会長 河野 真理子 財務省 高村関税局長
委員 片山 銘人 内野審議官
古城 佳子 中澤審議官
杉山 晶子 吉田総務課長
高橋 裕子 大関関税課長
田村 善之 石谷参事官
根本 敏則 仲監視課長
野原 佐和子 藤中業務課長
三石 誠司 酒井調査課長
森田 朗 藤岡特殊関税調査室長
専門委員 阿部 克則 香川経済連携室長
佐藤 英明 経済産業省 信田貿易経済安全保障局貿易管理部
末冨 純子 特殊関税等調査室長
藤岡 博 菊池製造産業局素材産業課企画官
村上 秀徳

 

本稿は、令和6年10月10日の関税・外国為替等審議会 関税分科会 特殊関税部会の議事録です。

 

午後0時09分開会

河野部会長 それでは、少し時間が遅れておりますけれども、ただいまから関税・外国為替等審議会関税分科会特殊関税部会を開催いたします。

 委員の皆様方におかれましては、関税分科会に引き続き御出席を頂きまして誠にありがとうございます。

 特殊関税部会長の河野でございます。本日はよろしくお願い申し上げます。

 それでは、本日の議事に入らせていただきたいと存じます。本日の議題は議事日程のとおりでございます。

 議事といたしましては「中華人民共和国産黒鉛電極に対する不当廉売関税の課税に関する調査の開始」につきまして、藤岡特殊関税調査室長より御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

藤岡特殊関税調査室長 特殊関税調査室長の藤岡でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 それでは、資料について御説明させていただきます。本件は不当廉売関税に関する手続等についてのガイドラインの規定に従って、調査開始に至った事情を説明させていただきます。本日何らかの御判断をお願いするというものではございません。

 それでは、資料1ページを御覧ください。今回の課税申請については本年2月に国内で対象産品を生産しております企業3社から申請がなされたものです。

 対象貨物の黒鉛電極は、こちらの写真のとおり円柱状で黒色のものであり、大きさは多様で、幅広いサイズが製造されております。用途としましては、右の図のとおり電気炉の電極として使用されます。大きな電流を流すことで高温となるため、鉄スクラップを溶かして製鋼すること等に用いられています。

 申請の対象国は中国です。中国からの黒鉛電極の輸入の状況は資料の下段に示しております。左が輸入量、右が輸入額です。特に令和2年以降、中国からの輸入量が増えていることを御確認いただけると思います。

 続いて、2ページを御覧ください。不当廉売関税の課税の求めを受けて調査を開始するにあたりまして、不当廉売された貨物が本邦に輸入されている事実及びその輸入が本邦の産業に実質的な損害等を与える事実という2つの要件について、十分な証拠が示されていることが必要となります。

 こちらは申請書の概要です。まず1点目は不当廉売された貨物の輸入の事実についてです。中国産黒鉛電極の本邦への輸出価格は正常価格よりも低くなっており、その不当廉売差額率は37.70%と算出されております。

 次に、2点目は本邦の産業に与える実質的な損害等の事実についてです。不当廉売された貨物の輸入量が増加する等しまして、本邦の産業は価格押下げの影響を受けることにより営業利益が減少する等、実質的な損害が生じております。

 また、仮に実質的な損害が現に認められない場合においても、保護的措置が取られない限り、調査対象貨物の輸入量は増加する可能性が高く、価格も引下げを余儀なくされることが想定され、実質的な損害が生じるおそれが認められます。

 これらの事情から、調査当局としまして調査開始のための十分な証拠があり、また必要があると判断がなされましたので、中国産黒鉛電極に対する不当廉売関税の課税に関する調査を本年4月24日に開始することとし、その旨を官報において告示、同日公表いたしました。

 3ページ目を御覧いただきたいと思います。調査手続の今後の大まかな流れを示しています。本年4月24日に調査を開始しまして、利害関係者に対して質問状等を送付しています。既に回答を受領して分析等を進めています。調査は原則として1年以内に終了することとされており、今後必要に応じ、現地調査等の調査手続を進めてまいります。調査結果を取りまとめ、課税措置を講じることが必要であると認められる場合には、当部会にお諮りさせていただきたいと考えております。

 私からの説明は以上でございます。

河野部会長 ありがとうございました。ただいまの事務局からの御説明につきまして、御質問、あるいは御意見等を頂きたいと存じます。いかがでございましょうか。

 よろしゅうございますか。調査の開始ということでございますので、特に御質問、御意見がございませんようですので、以上をもちまして本日の特殊関税部会を終了いたしたいと存じます。

 本日は御多用のところ、御出席を賜りまして誠にありがとうございました。

午後0時14分閉会