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  1. 開会
  2. 中華人民共和国産電解二酸化マンガンに対する不当廉売関税の課税期間の延長に関する調査の開始
  3. 閉会

出席者
特殊関税部会長 河野 真理子 財務省 江島関税局長
委員 古城 佳子 山崎審議官
杉山 晶子 内野審議官
高橋 裕子 奈良井総務課長
田邊 國昭 吉田関税課長
田村 善之 濵口特殊関税調査室長
根本 敏則 経済産業省 濱坂製造産業局素材産業課企画官
野原 佐和子 曽根貿易経済協力局貿易管理部特殊関税等調査室長
三石 誠司
専門委員 石黒 憲彦
佐藤 英明
末冨 純子
藤岡 博
村上 秀徳

 

本稿は、令和5年10月5日の関税・外国為替等審議会 関税分科会 特殊関税部会の議事録です。

 

午後0時01分開会

河野部会長 ただいまから関税・外国為替等審議会関税分科会特殊関税部会を開催いたします。

 委員の皆様方におかれましては、関税分科会に引き続き御出席をいただきまして誠にありがとうございます。

 特殊関税部会長の河野でございます。本日は何とぞよろしくお願い申し上げます。

 それでは、本日の議事に入らせていただきたいと存じます。本日の議題は、議事日程のとおりでございます。

 「中華人民共和国産電解二酸化マンガンに対する不当廉売関税の課税期間の延長に関する調査の開始」につきまして、濵口特殊関税調査室長より御説明をお願いいたします。

濵口特殊関税調査室長 特殊関税調査室長の濵口と申します。どうぞよろしくお願いします。

 資料1に基づき御説明させていただきます。本日は、この議題にあります「中華人民共和国産電解二酸化マンガンに対する不当廉売関税の課税期間の延長に関する調査の開始」の御報告となります。今後、調査の結果がまとまりました際には、改めて当部会に御審議をお願いしたいと考えております。

 それでは、表紙をおめくりいただき、資料1ページ目を御覧ください。

 まず、課税の現状としまして、中華人民共和国産電解二酸化マンガンに対しましては平成20年9月1日から不当廉売関税が課されており、現在、課税期間は令和6年2月29日までとなっております。

 次に、対象貨物の概要ですが、電解二酸化マンガン、英語の頭文字を取って「EMD」と申しますが、当該EMDは一般に灰黒色の粉末であり、主として電池の正極材に使用されております。

 次に、輸入の状況ですが、中国からの輸入数量は、棒グラフの青色に当たりますが、不当廉売関税の課税以降、輸入量が減少し、近年では実質的に停止したと認められる状態となっております。

 次に、2ページ目を御覧ください。調査開始の概要について御説明いたします。課税期間の延長に係る調査については、不当廉売及び不当廉売が本邦の産業に与える実質的な損害が、課税期間の満了後に再発するおそれがあることについて、本邦の生産者等が十分な証拠を提出して延長の求めを行った場合において、必要があると認められる場合に調査を開始することとされております。

 本件につきましては、本年1月23日に、本邦における唯一の生産者であります東ソー日向株式会社及び東ソー株式会社から、中国産EMDに対する不当廉売関税の課税期間の延長を求める申請がございました。

 申請の概要でございますが、まず、不当廉売輸入に関しましては、中国産EMDの第三国への輸出価格は、ダンピングの有無を判断するために用いられる価格として法令等に規定されている価格、これを「正常価格」と申しておりますが、当該正常価格を下回っている。また、中国の供給者は余剰生産能力を持っており、中国を含めた海外においてその追加的な供給を吸収できる市場は存在しない。以上のことから、当該不当廉売関税の課税が終了した場合に、中国産EMDの不当廉売輸入が再発するおそれがあるとされております。

 次に、本邦産業への損害に関してですが、申請書におきましては、第三国への輸出価格を基に推計した中国産EMDの国内販売価格は、直近の期間を除き、国産EMDの価格を下回っている。また、本邦産業の事業環境が必ずしも安定的ではない状況におきまして、中国産EMDの不当廉売輸入が再開することで当該本邦産業が厳しい状況に陥るおそれがあると示されており、以上のことから、本邦産業の実質的な損害等が再発するおそれがあるとされております。

 以上の申請を受けまして、調査当局としましては、調査開始のための十分な証拠があり、また必要があると判断されたため、本年3月8日に調査を開始することとし、その旨を官報において告示、同日公表いたしました。

 最後に、3ページ目を御覧ください。調査手続の流れについて御説明いたします。調査は原則として1年以内に終了することとされており、現在までに質問状の送付、証拠の提出、現地調査と調査に係る手続を進めてきたところであります。今後、調査結果を取りまとめ、課税期間の延長の必要性が認められた場合には改めて当部会にお諮りし、御審議をお願いしたいと考えております。

 私からの説明は以上でございます。

河野部会長 ありがとうございました。ただいまの事務局からの説明につきまして、御質問、御意見等をいただきたいと存じます。何かございましたら、お手をお挙げいただくかネームプレートをお立ていただきたいと思います。

 本日は調査開始ということでございますので、特に御質問等ございませんようでしたら、以上御報告を受けたということで、本日の特殊関税部会を終了いたしたいと存じます。

 御多用中、御出席を賜りまして誠にありがとうございました。

午後0時07分閉会