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関税・外国為替等審議会 関税分科会 企画部会(令和5年6月20日開催)議事録

本稿は、令和5年6月20日の関税・外国為替等審議会 関税分科会 企画部会の議事録です。

 

午前10時00分開会

根本企画部会長/ワーキンググループ座長 時間も参りましたので、ただいまから関税・外国為替等審議会関税分科会企画部会を開催いたします。

 委員の皆様方には、御多用中のところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。企画部会長の根本でございます。本日はよろしくお願いいたします。

 それでは、本日の議事に入らせていただきたいと存じます。

 本日の議題はお手元の議事日程のとおりでございます。

 今回の議題の趣旨でございますけれども、2017年に開催された貿易統計の在り方に関するワーキンググループにおいて貿易統計ホームページの改善や非公表化処理等について議論が行われ、報告書として議論の結果が取りまとめられ、本部会に報告されたところであります。このうち非公表化処理については、関税局において報告書に沿って運用面の詳細な検討が行われる中、改めて議論すべき論点が明らかとなったため、今般、ワーキンググループにおいて再度議論を行い、議論の結果をとりまとめたところです。本日は、このとりまとめについて、ワーキンググループの座長も務めさせていただきました私より説明を行い、皆様より御意見、御質問をいただきたいと思っております。

 それでは、私より説明をさせていただきます。

 資料1の1ページ目を御覧ください。2017年の貿易統計の在り方に関するワーキンググループでは非公表化処理等について議論を行ったところでありますが、今回のワーキンググループでは税関官署別の貿易統計の非公表化処理について議論を行い、その結果をとりまとめました。資料2は本ワーキンググループのとりまとめの全文となります。その概要について資料1に沿って説明させていただきます。なお、議論に御参加いただいた委員は1ページの下に記載のとおりとなります。

 2ページ目を御覧ください。貿易統計においては、一の統計番号の輸出または輸入が1者または2者により行われている場合など、輸出入の数量及び金額が公表されることで、輸出入者の営業上の秘密が明らかとなる場合に、輸出入者からの申請に基づき、非公表化処理を行っております。具体的には、非公表化すべき品目の数量及び金額を、原則として、当該品目の統計番号と同一の号、項の「その他のもの」へ移行させることにより、非公表化処理を行っています。資料下段には具体的な処理のイメージを示しております。

 3ページ目を御覧ください。貿易統計においては、全国分の貿易統計と税関官署別の貿易統計を公表しております。非公表化処理には、全国非公表化と官署非公表化の2つがあり、輸出入者の申請に基づき、関税局において審査を行った上で、いずれか一方を選択して処理しています。全国非公表化については、全国の実績において、一の統計番号の輸出または輸入が1者または2者である場合、全ての税関官署において非公表化するものであり、全国分の貿易統計、税関官署別の貿易統計ともに非公表化処理が行われます。一方で、官署非公表化については、一の税関官署の実績において、一の統計番号の輸出または輸入が1者または2者である場合、当該官署においてのみ非公表化するものであり、全国分の貿易統計では非公表化処理は行われません。

 4ページ目を御覧ください。2017年のワーキンググループの報告書においては、現行の処理方法について、そもそも非公表化の取扱いがなされているかどうかを確認できず、処理方法を改善することが望ましい。また、統計番号の上位の桁の数字を維持し、下位の桁を文字列(「X」など)に置換した非公表化用の統計番号を設け、非公表とすべき統計番号の数量及び金額を当該番号へ移行させる方法に変更することが適当であるとされました。関税局において、2017年の報告書に沿って運用面の詳細な検討が行われる中、非公表化用の統計番号へ移行させた場合、全国非公表化では問題が生じない一方、官署非公表化では、一部を非公表化した官署別の数量・金額の合計と非公表化を行わない全国分の数量・金額の差により、非公表化された品目及びその数量・金額並びにその官署が特定されるリスクがあることが明らかになりました。そのため、官署非公表化の対応について、今回、ワーキンググループで改めて議論しました。その結果は次のページ以降となります。

 5ページ目を御覧ください。まず初めに、改めての確認となりますけれども、輸出入の数量、金額及び単価が推測されますと、輸出入者のビジネス等にマイナスの影響があるため、輸出入者の営業上の秘密を保護することが必要不可欠であるとの認識を共有いたしました。こうした認識の下、官署非公表化については、輸出入者の営業上の秘密を保護するために、現行の処理方法を維持すること、すなわち、「その他のもの」に移行させることが適当との結論に至りました。これにより、全国分の貿易統計につきましては、新たな非公表化処理により、統計番号の上位の桁を維持することで、当該上位の桁毎の貿易総額が変わらないようにしつつ、非公表化された品目の有無が確認できるようになり、透明性の向上が図られること、これまで同様、貿易総額、相手国別の貿易総額は非公表化処理によって変わることはないため、各貿易総額ベースでは貿易の実態を正確に表したものとなることを確認いたしました。また、税関官署別の貿易統計につきましては、一部の品目において、引き続き非公表化された品目の有無が確認できない場合もございますが、これまで同様、税関官署別の貿易総額、相手国別の貿易総額は非公表化処理によって変わることはないため、各貿易総額ベースでは貿易の実態を正確に表したものとなることを確認いたしました。このように、全国非公表化と官署非公表化で処理方法が異なることとなりますが、営業上の秘密を明らかにしない範囲で、できる限り貿易統計の透明性を高めるという趣旨に鑑みると、最適な方法と評価できると結論づけております。

 6ページ目を御覧ください。これは参考ですけれども、官署非公表化における課題への対応を議論する過程において、その他2つの案についても議論を行いましたが、いずれも適切ではないとの見解で一致いたしました。1つ目の案は、官署非公表化に伴い、税関官署別の貿易統計だけでなく、全国分の貿易統計においても非公表化用の統計番号へ移行させる案でございます。この案は、官署非公表化に伴い、全国分の貿易統計の数値も減少するため、統計の利便性が低下することが指摘されました。2つ目の案は、税関官署別の貿易統計に限り新たに「官署非公表化分」の欄を別途設け、同欄の非公表化用の統計番号へ移行させる案でございます。この案は、非公表化処理対象の官署の貿易総額が減少し、統計の利便性が低下するとともに、統計の連続性が維持されないこととなるため、これまで公表してきた税関官署別の統計の利用者への影響を鑑みますと問題があるとの意見がございました。

 7ページ目を御覧ください。現在の貿易統計ホームページには、非公表化処理について、申請者向けの記載はありますけれども、統計利用者向けの説明はございません。委員より、貿易統計の利用者が非公表化処理に伴い公表値が実際の輸出入取引と異なることがある点を理解した上で利用できるよう、利用者への分かりやすい説明を行うことも重要との意見がございました。これにつきまして、営業上の秘密を明らかにしない範囲で、統計利用者向けの説明として、資料の点線の中にありますように、輸出入者の営業上の秘密が開示されることとなる場合に限り、輸出入者からの申請に基づき非公表化処理を行っていること、非公表化処理の結果、処理を行った一部の品目について、数量及び金額が実際の輸出入取引と異なることがあること、貿易総額、税関官署別の貿易総額、相手国別の貿易総額は変わらないことといった趣旨を記載することが適当との見解で一致いたしました。

 以上が私からの説明になりますけれども、今回及び2017年のワーキンググループで検討した非公表化処理方法の対応策については、貿易統計利用者や輸出入者などに対して十分な周知を行うとともに、必要な実施体制を確保しつつ、可能な限り早期に実施されることを当局にお願いしたいと思います。他方で、統計利用者への説明の部分については、本企画部会終了後、できる限り速やかに貿易統計ホームページへ掲載することを当局にお願いしたいと思います。

 私の説明は以上でございます。ありがとうございました。

 それでは、ただいまの説明につきまして御質問、御意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。

 田村委員、よろしくお願いいたします。

田村委員 どうも、田村です。大変分かりやすい説明をありがとうございました。

 全体の方針に全く異論はないのですけれども、最後の7ページの説明の仕方なんですが、少し分からないところがあります。非公表化処理を行っていることをお知らせするということまでは分かったのですが、どのように非公表化処理を行っているかということまではお知らせしないということでよろしいでしょうか。ちょっと1点、確認したくて質問いたしました。

根本企画部会長/ワーキンググループ座長 はい、そのとおりであります。

田村委員 続けて質問ですけれども、統計を分かりやすくするという観点からすれば、非公表化処理をどのようにして行っているかという手法についても告知したほうがよろしいのではないかと思います。それで、営業上の秘密を明らかにしない範囲でとあるので、私が気づいていないのかもしれませんが、もし非公表化処理の方法までをお知らせすることによって輸出入者の営業上秘密が明らかになることがあるのであれば、控えたほうがいいと思うんですけれども、そうでないのであれば、なぜ非公表化処理の方法をお知らせしないのかが少し分からないと思いましたので、御説明いただけると幸いです。

根本企画部会長/ワーキンググループ座長 ありがとうございます。統計利用者と非公表を望む輸出入者の両方の利害をうまく調整する必要があると思います。統計利用者はできるだけどういうふうに処理されているのかということを知りたいと思うでしょうけれども、輸出入者は、その処理の仕方を説明すればするほど特定化されてしまうというふうなことになりますので、そこら辺の兼ね合いで決めるということだと思います。我々は、ホームページにどういうふうに記載するのがいいのかということで、いろいろ代替案も考えまして、例えば、実際に行う一部の品目について、計上先を近接する統計番号に計上することとしとか、いろいろ代替案を考えてみたのですが、結局、説明するとなっても、中途半端な説明になってしまうんですね。ものすごく詳しく説明してしまうと、処理の仕方が分かってしまって、輸出入者にとって、それはちょっと書き込み過ぎかなと。かといって、中途半端な説明ですと、またそれは、実際にどういうふうにやっているのかという、統計利用者のほうからさらにいろんな質問が来るというか、いろんな詮索をされるということもあって、結局、中途半端な説明よりも、処理をしているということはちゃんとお伝えしようと。そして、ホームページに載せる点線の説明で一番重要なメッセージは、今まで非公表化処理を行っているということ自体を統計利用者にはお知らせしていなかったわけですし、しかも、統計を使う方に対して、官署別の貿易総額とか相手国別の貿易総額は変わらないので、安心して使ってほしいという、そちらのほうをむしろこちらとしては伝えたいメッセージなので、その処理の仕方について詳しく説明するということは、今回はちょっと控えたほうがいいだろうということがワーキンググループの総意といいますか、出した結論であります。

田村委員 御説明を聞いてもまだよく分からないところがありまして、今日いただいた説明は分かりやすいと思います。しかし、この説明をして、その結果、具体的に何か、私が気づいていないだけかもしれませんけど、例えば、今日の説明をして、あるいは、文章が長くなれば、どこかにリンクでも貼っていただいて、今日のような資料を出しておいていただければいいような気がします。それで、今日説明した輸出入者の営業上秘密が明らかになることがあるのでしょうか。ちょっとだけ説明すると、何かうるさくいろいろと言われそうだというのは、あまりにも抽象的で、心配し過ぎるように思われるのと、研究者のことを考えると、安心しろと言われても、どのような非公表化処理かが分からないままで安心しろと言われても困るのではないかとやはり思います。

根本企画部会長/ワーキンググループ座長 少し補足説明をお願いしてもよろしいですか。

吉田関税課長 関税課長の吉田でございます。私から、十分な御説明になるかは分かりませんけれども、補足を若干させていただければと思います。

 委員の御指摘、視点も大事な指摘というふうに承知をしておりますが、今回、注書きを載せました趣旨といたしますと、非公表化されたデータの推測を容易にすることではなくて、やはり、統計利用者の方に、一部の品目において数量が実際の取引と異なる点があることを御留意くださいということと、総額自体は変わりませんので、そこは安心してお使いくださいということをきちんと御理解いただくということでございます。どちらかというと、注書きを載せた趣旨に鑑みて、主目的を重視してこういう記載にとどめておるという結論になったと私どもは受け止めさせていただいているところでございます。

田村委員 今日のこの資料は公開されるのでしょうか。

吉田関税課長 はい、本日、説明に使用させていただきました資料につきましては、審議会の資料として公表されることになります。

田村委員 それであれば、この資料は一般的に頑張ってアクセスしようと思えばアクセスできるわけですから、例えば、この中に、「××の審議会の××の日の資料参照」とかでも書いていただければ親切で、もしよろしければURLを貼っていただくくらいのことをすべきだということをお伝えしておきます。以上です。

吉田関税課長 事務局からお答えをさせていただきます。

 ワーキンググループの御議論の結果としてこういう形で報告をまとめていただいたということを踏まえて私どもは対応させていただくところでございますけれども、今御指摘がございました点を踏まえまして、今後具体的にどういうふうな対応が可能かについては、ちょっと検討させていただければと思います。

山崎審議官 審議官の山崎でございます。

 今回は審議会の資料ということでございますので、委員の先生方にお伝えしておくべきであろうということで、このように書かせていただいたわけでございますけれども、具体的な処理方法を知らせることによって、データが推測されてしまうことが望ましくないのではないかということで、ワーキンググループではこのような結論になったのではないかと思います。ワーキンググループの先生方の御意見を伺っていても、やはり、中途半端に処理方法を出すよりは、そこは書かずにおくことがむしろ適当ではないかという結論になったのではないかというふうに私は理解しております。

根本企画部会長/ワーキンググループ座長 山崎審議官にもワーキングに出席いただいて、我々のワーキンググループの総意として、詳しく説明することはかえって混乱を招くというふうな結論に至ったわけですけれども、今、山崎審議官からおっしゃってもらったことは確かに重要なポイントではなかったかと思います。よろしいですか。

 伊藤委員、関連するコメントならばよろしくお願いいたします。

伊藤委員 伊藤です。どうもありがとうございました。基本的な方針は私も賛成です。ちょっとややこしい問題ではあると思いますが、この方向でよろしいかと思っています。

 先ほどの御質問と一部関連すると思いますが、コメントが1点と、細かい御質問が1点あります。

 細かい御質問というのは、月次の集計の場合と年次の集計の場合というのはどのような扱いになるのかということが御質問です。年次に集計すれば、貿易の金額とか取引企業数もかなり多くなると思いますので、年次に集計した場合は秘匿の必要がないようなケースもあり得ると思いますが、月次で非公表化処理をした場合は、年次のほうもそのようになるということでしょうか。月次と、年次の集計とでどのような処理をされるのか、これが細かい点ですが御質問です。

 コメントは、先ほどの点とも若干関連すると思いますが、私の理解では、非公表化処理をした品目については文字列に置換したコードを振るということだと理解していまして、文字列が振られているところを見れば、この辺りで非公表化処理をしているのだなということは分かるわけです。実際、この辺で非公表化処理をしているということが分かったほうがいいと思いますので、別のコードを振るということはいいと思いますが、ある程度この辺りで非公表化処理をしているということは分かりますので、先ほどの文言をもう少し研究者にとって分かりやすく書いてもあまり支障はないような気がします。個人的にも、なるべくなら分かりやすい形の丁寧な説明があったほうがよいのではないかと思います。さらに、こういうデータを分析する立場から考えますと、文字列がコードの中に入ると、データが扱いづらくなるということがあります。最近はデータサイエンスが重要になってきて、大規模データをダウンロードして分析することが活発になっています。なるべくなら、大量のデータを分析するという視点からも、あまり文字列ではない形で、扱いやすいデータの形で公表していただけるとよいということ、そして分析者に分かりやすい説明ができるだけあったほうがいいと思っております。

 以上です。

根本企画部会長/ワーキンググループ座長 ありがとうございます。

 後半の、非公表化を最初の桁数を残して「X」にするという点について。全国の貿易統計に関しては、以前は「その他のもの」に入っていたものが、そのような形で非公表化用の番号になりますので、非常に分かりやすいというか、透明性がある、非公表化をどこでしているかということが分かります。今日まさに議論しているのは、官署別で同じ処理をすると分かってしまう問題をどう処理するかで、官署別のものに関しては、残念ですけれども「その他のもの」にして、少しそこは分かりにくくしないと、輸出入者の秘密が守れないのではないかと、そういうふうなことで提案しているということです。

 最初の御質問について、事務局からお願いしてよろしいですか。

吉田関税課長 最初の論点について御説明を申し上げます。月次と年次というお話でございましたが、貿易統計につきましては基本的に月次で集計して公表しているものでございまして、その処理について御議論をいただいたというものでございます。年次につきましては、月次を集計した結果として出されるものでございますので、基本的に、処理は月次においてどういう処理を行うかということが基本になるというふうに御理解いただければと思います。

伊藤委員 ありがとうございました。承知しました。

根本企画部会長/ワーキンググループ座長 ほかにいかがでしょうか。

山崎審議官 先ほどの私自身の発言についての補足いたします。今、企画部会におられる方々というのは、基本的にデータの利用者側に立たれている方々が非常に多いと思います。一方で、ワーキンググループでは、輸出入者の方々であるとか、実際に非公表化処理を要望する立場におられる方々にも御参加いただいて、議論をしたわけですけれども、やはり、非公表化をすることによって得られる利益を絶対に守りたいという気持ちを非常に強く持っておられたのが個人的には印象深くございます。例えば、先ほどのホームページでの書きぶりについても、私どもでも、なるべくどういう処理かということが分かりやすくなったほうがいいのではないかということで、先ほど根本座長がおっしゃったような、近接する番号に計上というような表現ができないだろうかということもいろいろ考えて見たのですが、やはり、輸出入者の利益をしっかり守るためには、何らかの行動がきっかけで非公表化したかったことが特定されてということはぜひとも避けていただきたいと、そういう思いを非常に強く持っておられたわけでございます。したがいまして、そういった方々の立場に立てばということで申し上げたということを補足させていただきたいと思います。

根本企画部会長/ワーキンググループ座長 ありがとうございます。

 この点に関して、ほかの委員の方々から何かコメントがあればお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。佐藤委員、お願いいたします。

佐藤委員 審議会の資料として本日の資料1、資料2が公開されるのであれば、ホームページにリンクを貼るかはともかく、このワーキンググループの報告書の存在を指摘しておくということが適切であろうと考えます。以上です。

根本企画部会長/ワーキンググループ座長 ありがとうございます。

吉田関税課長 今、御議論になっている論点について、少し補足で御説明させていただければと思います。

 実は、私どもの統計の根拠にもなっております経済統計に関する国際条約というものがございますけれども、この中においても、この条約のいずれの規定も、個々の事業所に関する情報を漏らす結果となるような事項を収録し、または発表するいかなる義務を課すものではないということでございます。やはり、情報を提供する側の秘密の保持ということも十分留意するようにということが条約上も記載されているところでございます。

 以上でございます。

根本企画部会長/ワーキンググループ座長 ありがとうございます。

 藤岡委員、どうぞよろしくお願いいたします。

藤岡委員 1点質問でございますけれども、今回は、税関官署別の貿易統計についてと、全国単位での統計について、扱いを異にするという案であるというふうに承知をいたしました。今回の案としましては、結論としては、税関官署の非公表化では、特定のリスクの問題が非常に挙げられることでございまして、結論的には現行の処理方法を維持するという御提案であると承知いたしました。税関官署という言葉で、少し分かりにくいところがあろうかと思いますが、外国貿易等に関する統計基本通達で税関官署コードは公表されておりますけれども、税関官署は全国でどの程度の数に上るのか、具体的にどのようなものまで対象になっているのか、その数です。また、当然でございますけれども、各国においても貿易統計を公表しているわけでございますが、官署別までどのくらい国で公表をしているのかという点について、追加の御説明をお願いしたいと思います。

吉田関税課長 今、官署の数についての御質問をいただいたところでございます。官署別の貿易統計については本日御報告があったところでございますが、我が国においては、税関官署別ということで申し上げますと、147の官署について、それぞれ個々の官署別の貿易統計を公表してございます。海外においては、ここまで詳細に細かい貿易統計を公表している国というのは、私どもが承知している範囲ではございません。大体、港が集約されているとか、あとは、非公表化の処理に関しましても、国によっては分からないように大括りにしてしまうとか、そういった処理の仕方をしております。その中で、我が国の公表の仕方というのは極めて詳細になされているというふうに理解をしてございます。

藤岡委員 ありがとうございます。

 140を超える官署を見てまいりますと、公表されている単位は、東京税関本関に始まり、細部にわたって公表されております。官署別について見ると、当該地区に限られた事業者しかないケースもあると思いますので、営業上の秘密を保護することは必要不可欠であるということは、我々においても認識が共有されておりますし、法令上、国際条約上の要請でもございます。官署別の表示と全体の表示は非常に機微にわたる部分がございますので、慎重な配慮をした上で公表を検討されたのが本会のワーキンググループの報告だと思っております。妥当だと思っております。ワーキンググループでも言っておられますけれども、営業上の秘密を保護するということが必要不可欠であります。個々の事業者にとって、輸出入の数量、金額、単価が推測されるということは、取引の営業のために必要不可欠な情報が外部にさらされるというものでございます。輸出入申告は言うまでもございませんが、個々の輸出入取引について、いつ、誰が、どこで、何を、幾らで取引をしたかということが含まれます。官署単位別の数字も含め、日本は、現時点でも、実は諸外国に比して、非常に詳細な公開がなされている状況にあるのではないかと思っております。申すまでもなく、統計公表の趣旨は極めて重要なものでございます。それを前提としながらも、その更なる前提として、個々の営業上の秘密、関税法施行令で言えば、私人の秘密には、容易な推測をもたらすような情報提供については、慎重にならなければいけないと思っております。これはまさに取引の自由、営業の自由を守るものだと私は思います。

 もう1点、これは申告者にとって当然、事業者にとって、あるいは私人にとって極めて重要なことでございますが、税関と私人、申告者の間の信頼関係を維持するということが円滑な税関行政、この場合は統計作成について極めて重要なことであります。貿易統計の長期にわたる安定した円滑な作成の基盤となることでございますので、営業の秘密を守るということは、単に営業者の利益ではなくて、統計の利用者にとってこれは非常に重要なことで、まさに統計のユーザーにとって、安定して正確で適切な統計がこれからも出され続けるということが極めて重要であり、世界に比しても極めて、公開された情報を我々が得るための材料であるということではないかと私には思われます。

 いずれにいたしましても、今回、日本貿易会の方々にも参加していただき、あるいは、有識者の学者の方が参加してまとめられたご報告でございますので、こういった趣旨に基づいて、適切に当局において御判断していただければいいのではないかと思っています。

 以上でございます。

根本企画部会長/ワーキンググループ座長 ありがとうございます。

 統計利用者への説明の仕方について議論をしてきたところでありますけれども、このままの表現でいいのではないかという御意見もいただいているところですが、田村委員、いかがでしょうか。

田村委員 私の意見は一切変わっておりません。佐藤委員のおっしゃるとおり、ワーキンググループのこの資料が公開されるのであれば、先ほどのいろいろな方の御説明を聞いても、何をためらっておるのかがよく分からないです。以上です。

根本企画部会長/ワーキンググループ座長 ありがとうございました。

 それでは、集約をしていきたいのですけれども、田村委員の御意見も分かるところですが、今日の企画部会の資料がウェブ上で公開されるということでもありますし、この文言で進めていきたいというふうに思いますけれども、よろしいでしょうか。

〔「異議なし」の声あり〕

根本企画部会長/ワーキンググループ座長 ありがとうございました。

 それでは、ほかに御意見はございますか。ありがとうございました。非常に活発な議論が本日もできました。ほかに御意見がないようなので、これで本日の会議は終了したいと思います。

本日は御多用中のところ御出席いただきまして、誠にありがとうございました。

午前10時42分閉会