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関税・外国為替等審議会 関税分科会(令和7年10月3日開催)議事録

  1. 開会
  2. 最近の関税政策と税関行政を巡る状況
  3. 国際コンテナ戦略港湾政策の取組状況について
  4. 閉会

出席者
関税分科会長 木村 福成 財務省 寺岡関税局長
委員 阿部 克則 廣光審議官
植田 健一 中澤審議官
内山 智裕 大関総務課長
江藤 名保子 三浦関税課長
片山 銘人 高橋参事官
木村 旬 西野参事官
古城 佳子 井田監視課長
下坂 朝子 藤中業務課長
杉山 晶子 野田調査課長
高橋 裕子 坂本事務管理室長
田邊 國昭 近田特殊関税調査室長
田村 善之 中尾原産地規則室長
樽井 功 香川税関調査室長
手塚 広一郎 平田経済連携室長
野原 佐和子 金山知的財産調査室長
専門委員 石黒 憲彦 国土交通省 末満港湾局港湾経済課長
河野 真理子
末冨 純子
松島 浩道
若江 雅子

 

午後4時00分開会

木村(福)分科会長 それでは、時間も参りましたので、ただいまから関税・外国為替等審議会関税分科会を開催いたします。

 委員の皆様には、御多用のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。

 まず、議事に入ります前に、事務局の構成につきましては、本年7月に人事異動がありましたところ、お手元の座席表をもって御紹介に代えたいと存じます。

 続きまして、7月に新たに着任された寺岡関税局長より一言御挨拶いただきたいと存じます。

寺岡関税局長 関税局長の寺岡でございます。今日はどうぞよろしくお願いいたします。

 皆様におかれましては、日頃から我々の関税行政、そして税関行政に多大なる御協力と御理解を賜っているものと承知してございます。どうぞ今後とも厳しく御指導いただきますよう、よろしくお願いいたします。

 関税行政をめぐる状況が大きく変わっているものですから、一言だけ御挨拶させていただこうと思います。

 まず、近年、世界の安全保障環境や重商政策が大変大きく変わっておりまして、我々関税局・税関をめぐる環境も大きく変化しております。この1年を見ましても、米国関税措置への対応やアンチダンピング措置の発動、経済安全保障に関する輸出管理の徹底など、これまでにない様々な対応が求められるようになっております。

 それから、税関の周りの状況も大変厳しくなっておりまして、足元の輸入許可件数はコロナ禍前と比較して約4.1倍、そして訪日外国人旅行者数も年間4,000万人を超える勢いとなるなど、税関の現場をめぐる状況も激変しており、迅速な通関や速やかな出入国のニーズ等、厳格かつ効果的な水際取締りの両方のニーズがますます重要になっているといった状況でございます。

 こうした大きな変化に対し、本来の我々の使命を果たしていくためには、従来の方法にとらわれず何が必要かを考え、柔軟かつ迅速に対応していくことが必要と考え、日々検討を重ねているということでございます。

 まず、目下の最重要課題の一つであります少額輸入貨物への対応は、既にワーキンググループでも御議論いただいていますけれども、背景には、貨物の増加という量的な問題のみならず、BtoBからBtoCへという質的な変化、これに伴い、情報がどの程度把握できるのかといった問題、また、それを扱う通関業の方々の問題まで、かなり複合的な物流をめぐる要因の変化があると考えておりまして、対応を怠れば税関の機能が十分に発揮できなくなる可能性もあるところ、抜本的な対応を真剣に検討していく必要があると、このように認識してございます。

 このほか、世界的な過剰生産能力を背景として、アンチダンピング課税の要請の増加や、いわゆる迂回の問題によってアンチダンピング関税の効果が減殺されている可能性を踏まえ、迂回防止制度についてもワーキンググループ等での議論を踏まえて検討を進めていきたいと考えております。

 そして、関税局・税関自身の課題として、定員の確保や資機材の充実、AIをはじめとする先端技術の導入、長期的な施設整備や更新といった対応にも、状況の変化に合わせて大きくかじを切って積極的に取り組むべきではないかといった議論をさせていただいております。

 本日は、今後の御審議に向けまして、最近の関税政策と税関行政を巡る状況等につきまして私どもから御説明を申し上げたいと思います。引き続き、様々な課題の解決に向けて、何とぞ忌憚のない御審議を賜りますようお願い申し上げます。

 本日はどうぞよろしくお願いいたします。

木村(福)分科会長 どうもありがとうございました。

 それでは、本日の議事に入らせていただきたいと存じます。本日の議題は、お手元の議事日程のとおりでございます。

 まず、今後の審議の参考として、「最近の関税政策と税関行政を巡る状況」について、大関総務課長より御説明をお願いします。

大関総務課長 総務課長の大関でございます。

 私から「最近の関税政策と税関行政を巡る状況」について御説明を申し上げます。資料1を御覧いただければと存じます。

 まず、2ページは長期の貿易額の推移となっております。近年は、コロナ禍による減少から回復し、輸出入ともに増加しております。貿易赤字額は、2024年は5兆4,712億円と2年連続で減少しております。

 次の3ページの輸出入の最近の動向でございますが、輸出額は、自動車及び鉄鋼の輸出の影響により、足元では減少傾向となっております。輸入額は、エネルギー資源の輸入増等により、2022年は急増しましたが、2025年以降は資源価格の低下を受けて減少傾向となっております。輸出額から輸入額を差し引いた赤字額は、2023年以降、縮小傾向となっております。

 4ページを御覧ください。越境電子商取引の拡大に伴い、輸入許可件数が大幅に増加しております。2024年には航空貨物の輸入許可件数が2019年比約4.2倍、海上貨物についても2019年比約3.1倍と増加しております。また、入国者数についても、円安等を背景とした訪日外国人旅行者数の増加等により、2024年は前年比約1.4倍と増加しています。こうした中、2024年度の税関における収入額は、関税は約0.9兆円、消費税及び地方消費税は約11.3兆円、全体で約13.7兆円となっています。

 5ページを御覧ください。令和6年における不正薬物の押収量は初めて2年連続で2トンを超えました。また、本年上半期においては、大麻の押収量が統計開始以来の過去最高を記録し、既に1トンを超えております。

 6ページを御覧ください。令和6年の知的財産侵害物品の輸入差止件数は3万3,000件超と過去最多を更新し、足元でも高水準で推移しています。また、令和4年10月に改正関税法等が施行され、海外の事業者が郵送等により国内に持ち込む模倣品は個人使用目的でも税関の水際取締りの対象となりました。以降、輸入差止件数は増加した一方で、輸入者が争う旨の申出を行った件数は大きく減少しており、制度改正の効果が見られます。

 7ページを御覧ください。平成30年の罰則強化を含む取組等により、金の密輸入に対する摘発は大幅に減少したものの、このところの金価格の高騰などを背景に令和5年から摘発が増加傾向にあります。また、金の国内生産量には大きな変動がない一方で金輸出額が顕著に増加していることから、税関での摘発は氷山の一角である可能性があり、引き続き厳格に対応する必要があると考えております。

 8ページを御覧ください。急増する少額輸入貨物への対応に関するワーキンググループで既に御議論いただいておりますが、少額輸入貨物の輸入件数は顕著な増加傾向となっており、令和6年においては全輸入許可件数の9割超を占めております。主な品目は、個人消費者が越境ECサイトで購入することが見込まれる化粧品や衣類等であり、BtoCによる輸入の増大が少額輸入貨物の増加につながっていると考えられます。また、国別に見ると、中国、次いで韓国を原産地とする貨物の輸入が増加しています。

 9ページを御覧ください。少額輸入貨物の平均価格の推移を見ると、中国、韓国を原産地とする貨物の低価格化が進行しています。中国を原産地とする少額輸入貨物の価格帯別割合の推移を見ると、課税価格が1万円以下の貨物の割合が足元では98%に上っています。こうした傾向から、低価格商品を特徴とする個人消費者向けECサイト事業者の急成長が少額輸入貨物の増加に結びついていると考えられます。税関の現場の実態やECサイトの利用者数、アプリのダウンロード数の数字などを踏まえれば、中国系のTEMUやSHEIN等のECサイトの成長が顕著であると考えられます。

 続きまして、10ページを御覧ください。BtoCによる貨物の輸入が増加する中、社会の安全・安心を脅かす物品等の輸入リスクが高まっています。既に御説明した不正薬物や知的財産侵害物品等は、少額輸入貨物で多く用いられる航空貨物、国際郵便物から数多く摘発されています。左側の写真などで摘発の一例を御紹介しております。実際の摘発件数が上昇していることだけでなく、さらなる潜在的なリスクの大きさも憂慮すべき状況です。水際取締りのさらなる強化策として、輸送単位に着目し、リスクが高いと思われた1マスターエアウェイビルに積載された全ての貨物に対する検査を実施したところ、大量の知的財産侵害物品等を発見しました。この中には従来の税関におけるリスク判定では審査・検査対象とならないものもあったことを考えれば、リスク判定が十分に機能していない可能性があると言え、実際の税関における摘発は氷山の一角にすぎない可能性があります。

 11ページを御覧ください。輸入貨物の急増に伴い、特にBtoCによる貨物を取り扱う一部の保税業者において、適正でない貨物管理が疑われる事案や従業員の関与が疑われる不正事案が発生しています。

 12ページを御覧ください。通関業者についても、一部の者による簡易・迅速な通関手続を利用した輸入申告において多くの不正事案が発生しています。

 13ページを御覧ください。保税業者、通関業者が果たす役割、すなわち社会悪物品の国内への流入防止、関税等の適正な納付や通関手続の適正かつ迅速な実施は、厳格な水際取締りの確保において、社会に対して一層重要性を増しています。税関だけでなく、保税業者、通関業者がそれぞれの役割を果たすことが重要であり、不正事案の発生への対応は喫緊の課題です。

 14ページを御覧ください。少額輸入貨物への課税制度に関し、制度趣旨を逸脱した事案の発生や事業者の事務負担の増加等、適正な課税を行う上での課題が顕在化しております。少額免税制度に関しては、商品価格を実際より低価に改ざんして申告するインセンティブの発生や、国内事業者と国外事業者間で競争上の不均衡の発生が課題となっております。課税価格決定の特例に関しては、越境ECの拡大に伴い、個人使用を目的とする輸入が増加しており、こちらも国内事業者と海外事業者間で競争上の不均衡が発生しております。また、個人使用に供されるものか否かという貨物の用途に応じて特例の適用可否が決まるため、事業者、税関の双方にとって判別が困難であることから大きな負担となっております。

 15ページを御覧ください。参考資料となりますが、輸入貨物が商業貨物か個人使用貨物かにより、課税価格ごとに適用される少額免税制度、課税価格の決定の特例、簡易税率についての概要となっております。

 16ページを御覧ください。不正薬物やテロ関連物資に対する厳格な検査と迅速な通関を両立するため、税関検査等において最先端技術を積極的に導入しております。訪日外国人旅行者数の増加に対応するため、税関検査場電子申告ゲート、いわゆるEゲートを7大空港に配備しております。また、税関手続と入管手続を1台で同時に行うことができる共同キオスクについて、本年4月から羽田空港、関西空港、成田空港に導入しており、税関・入管手続にかかる所要時間の短縮化を図っております。

 17ページを御覧ください。本年は大阪・関西万博が開催されており、10月13日までとなっております。2027年には国際園芸博覧会が予定されており、さらなる水際取締りの強化が求められているところです。税関においては、長期にわたる開催期間を通じ、全国的にテロ対策を強化すべく、集中的な人員投入や輸入貨物等の検査強化、巡回強化などの取組を実施しています。引き続き、警察などの関係機関や民間の関係業界団体と連携したテロ対策を推進してまいります。

 18ページを御覧ください。関税局では、税関行政を取り巻く今後の環境変化を見据え、AI等の先端技術を活用し、業務の一層の高度化・効率化を進めるとともに、利用者への一層の利便性向上を図り、国民の期待に応えられる世界最先端の税関を実現させるため、2020年6月に税関行政の中長期ビジョン「スマート税関構想2020」を公表いたしました。さらに、その後の税関を取り巻く環境の変化やニーズに対応するため、施策をアップグレードして2022年11月に「スマート税関の実現に向けたアクションプラン2022」を策定したところでございます。本年、改めて税関の使命と環境変化を整理し、労働力人口が増えない中、環境変化や拡大する課題に対応すべく、スマート税関構想のアップグレードを検討していきます。

 19ページを御覧ください。ロシア等に対する経済制裁について、これまでG7等と連携しつつ、外為法に基づき、輸出入禁止措置等を順次実施しております。このほか、令和4年よりロシアに対する関税の最恵国待遇を撤回する措置を講じてきましたが、本年3月の政令改正により、当該措置の期限を来年3月末まで延長しております。関税局としては、これらの措置の適切な執行のため、引き続き、他省庁と連携し、G7等と情報の継続的な共有を行うほか、税関においても外為法に基づいた厳格な水際取締りを実施し、第三国迂回等による制裁逃れに対処してまいります。

 20ページを御覧ください。安全保障の裾野が経済・技術分野に急速に拡大する中、経済安全保障上の脅威への対処は政府全体の重要な政策課題です。本年6月に閣議決定された経済財政運営と改革の基本方針2025においても、引き続きその重要性や体制整備の必要性等がうたわれております。関税局・税関としても、こうした政府全体の方針を踏まえて取組を進めており、例えば軍事転用のおそれのある製品や技術の流出につながる不正輸出等の防止の観点から、情報の収集・分析の強化及び適正通関の確保、体制強化、民間事業者との連携や規制対象物品の輸出実績の把握等に取り組んでおります。

 21ページを御覧ください。不当廉売関税措置については、我が国では、自由貿易を推進する立場から、WTO協定との整合性を重視して運用してまいりました。こうした中にあって、過剰生産能力等に対する世界的な関心の高まりもあり、不当廉売関税に関する調査件数も増加してきております。

 次の22ページ及び23ページは、世界の不当廉売関税調査の調査開始件数の推移等を御参考としてお示ししたものとなります。

 続きまして、24ページを御覧ください。こちらは、我が国における不当廉売関税を巡る状況についての資料です。左側の表は、発動済み及び発動中の案件であり、近年、不当廉売関税の発動は増加傾向となっています。右側の表は現在調査中の案件であり、本年7月以降4件について調査中です。

 25ページを御覧ください。こちらのスライドは、鉄鋼にかかる関税に関する主要国・地域の動向となっております。米国においては、本年3月に全世界向けに鉄鋼に対する25%の追加関税を賦課するとともに、日本に対する無税割当をはじめとする例外措置が廃止されました。本年6月には追加関税率が50%に引き上げられております。EUにおいては、2018年7月に鉄鋼にかかる関税割当を超過した場合に25%の関税を課すセーフガードを暫定措置として発動しており、2019年2月に正式発動後2回延長され、2026年6月までの延長がなされております。カナダにおいては、2025年8月に、関税割当を超過した場合に、割当超過分に50%の追加関税を賦課することとされております。

 26ページを御覧ください。不当廉売関税について、その課税を免れるため、課税範囲から形式的に外れるようにするものの、実質的には同等の商業行為を行う、いわゆる迂回の問題が存在しております。経済産業省より、不当廉売関税に係る迂回防止制度の創設の要望があり、昨年11月に当審議会において議論をしていただきました。そして、昨年12月には、有識者や関係者等の意見も踏まえ、早期の制度創設を念頭に、引き続き精査・検討を継続することが適当であるとの答申を当審議会よりいただきました。これを受けまして、本年9月から不当廉売関税の迂回防止に関するワーキンググループを開催し、御議論いただいているところでございます。

 続いて、国際関係となります。

 28ページを御覧ください。米国の関税措置に関しての内閣官房作成の資料となっております。本年9月4日、トランプ大統領により、我が国に対する関税の引下げ措置に関する大統領令への署名がなされました。同日、訪米中の赤澤経済再生担当大臣は、ラトニック米国商務長官との間で、日米間の合意に基づく投資イニシアティブの大枠について、日米の共通理解を確認するための了解覚書に署名いたしました。また、日米両国は、7月22日の日米間の合意におけるコミットメントを再確認する共同声明を発出いたしました。

 29ページを御覧ください。9月4日に署名された大統領令の概要でございます。相互関税については、8月7日に遡って上乗せなし、すなわち、既存の関税率が15%以上の品目には追加関税が課されず、15%未満の品目については既存の関税率を含め15%は課されるということになりました。自動車・自動車部品の追加関税については、25%から、従来の2.5%と合わせて15%に引き下げられることとなりました。さらに、これまで相互関税の対象となっていた航空機・航空機部品に対しては、相互関税や分野別関税が課されないこととなりました。

 30ページを御覧ください。こちらは、9月4日に発出した、7月22日の日米間の合意におけるコミットメントを再確認する共同声明です。

 31ページを御覧ください。日本では、現在20のEPA等が発効済みです。直近ではCPTPP、日EUやRCEPといった、いわゆるメガEPAが相次いで締結され、EPAのネットワークが拡大しています。2022年1月のRCEP協定発効後は、EPA等が発効済みの国との貿易額が日本の総貿易額の約8割を占めております。

 32ページを御覧ください。主な動きのあるEPAを掲載しております。バングラデシュとは、昨年5月に交渉を開始し、7回の交渉会合を実施しております。UAEとは、昨年9月に交渉開始を決定・公表し、これまで4回の交渉会合を実施いたしております。GCCとは、長期間にわたり交渉が中断したため、昨年、新たに交渉をし直すことで合意し、これまで2回の交渉会合を実施いたしました。トルコとは、2014年に交渉を開始し、17回の交渉会合を実施しました。また、一般見直しを予定しているインドネシアについては、昨年8月に改正議定書に署名し、現在、両国において発効に向けた国内手続を進めております。

 33ページを御覧ください。EPAを利用するための原産地証明書について、貿易に係るビジネス環境整備の一環として、関係省庁と連携しながらデータ交換の取組を推進しています。産業界からの要望を受けて、2021年にインドネシア、タイ及びASEANとの間で協議を開始しました。インドネシアとの間では、既に運用が開始されており、タイとの間では、本年6月に日本への輸入について運用が開始され、本年11月以降に日本からの輸出についても運用開始予定です。データ交換が実現することにより、輸入者においては書類入手に要するリードタイム短縮、税関においては原産地証明書の真正性の確保といった効果が見込まれます。

 34ページを御覧ください。WCOは、世界186か国・地域から成る税関関連の国際機関で、国際貿易の発展に貢献することを目的に、各国の税関制度の調和、統一や国際協力の推進を行っております。我が国は、職員派遣や分担金等の拠出を継続的に実施し、WCOの運営や税関の国際標準の策定等に貢献しています。昨年1月には、WCOの地域組織であるアジア・大洋州地域のRILOを我が国にホストしました。最近の取組として、本年6月のWCO総会において、3か年計画であるWCO戦略プランが承認されました。この中では、Eコマースや、AI等の活用に関する技術と革新のほか、税関による環境関連条約の執行等に関するグリーンカスタムズの3つが重点分野とされており、今後、資料に記載の具体的な取組が行われる予定です。

 35ページ目を御覧ください。貿易の健全な発展と安全な社会の実現を目的として、関税局・税関では、開発途上国税関の税関行政の近代化や執行能力の強化を支援しています。令和6年度には、受入れ研修を26件、専門家派遣を62件実施いたしました。今後も、JICAやWCO等と連携しながら、我が国と結びつきの強いASEAN諸国に重点を置きつつ、政府方針も踏まえて、各地域の特性に応じた支援を実施してまいります。

 37ページ目を御覧ください。令和8年度関税改正の主な検討事項でございます。詳細は次回以降の分科会で御説明いたしますので、ここでは簡単な御紹介をさせていただきたいと存じます。

 まず、暫定税率と特別緊急関税制度については、適用期限の1年延長を、加糖調製品(5品目)については、併せて暫定税率の引下げについて要望があり、検討を行っております。

 次に、航空機部分品等免税制度及び加工再輸入減税制度については、適用期限を3年延長する旨の要望があり、検討をしております。

 さらに、犯則調査・処分に係る手続のデジタル化については、昨年秋の分科会で御議論いただき、刑事訴訟法等の改正が行われる場合には、関税法上の犯則調査手続についても同様にデジタル化を実現するための制度の見直しを行うことが適当である旨、答申をいただいております。刑事手続のデジタル化に対応するための改正刑事訴訟法等が本年5月に成立しておりますので、その改正内容を踏まえ検討を行っております。

 そして、不当廉売関税の迂回防止制度の創設については、早期の制度創設を念頭に、ワーキンググループにおける議論も踏まえ検討を行っております。

 最後に、急増する少額輸入貨物への対応については、水際取締り上の懸念への対応や適正な課税の在り方について、ワーキンググループにおける議論も踏まえ検討を行っております。

 これらについて次回以降の分科会で御審議いただきたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 私からの説明は以上となります。

木村(福)分科会長 どうもありがとうございました。

 それでは、ただいまの説明に関し、あるいは、それに限らず、関税政策・税関行政について幅広く御質問、御意見等をいただきたいと思います。どなたか、いかがでしょうか。

 植田委員、お願いします。

植田委員 いつも大変丁寧な説明をありがとうございます。

 今回ちょっとだけ気になったのが21ページ、不当廉売関税措置をめぐる状況の変化ということで、4ポツ目、この下にいろいろなG7の声明なども出ていますが、確かに、世界的に非市場的政策及び慣行を背景とした過剰生産能力が背景にあるということで、もちろん皆さんが考えられているのは、一部の産業に対する補助金をたくさん使った中国の輸出品のことだというふうに認識されている感じだと思うんです。

 ただ、同時に、いわゆる国際経済学上のこれまでのいろいろな研究を考えてみますと、これはかなり昔から言われてきたことで、産業向けの補助金、農業などもそうなんですけれども、ひっくるめて、国内的にいいと思われているものでも、世界的な貿易に与える悪影響があって、互いにそれをやり合うと結局悪い均衡に行くというものがあるので、そういうふうに補助金の競争みたいなものはやめるべきだというのは前から経済学的には言われています。もちろん、そういうことがWTOでもずっと話されてはいるものの、WTOの議論は止まっていることも知っているんですけれども、その上で、最近はG7の財務大臣・中央銀行総裁会議も気にしているということですね。これは当然で、財政状況が最近悪化している中、補助金の競争は各国の財政をさらに悪化させる。補助金競争すると、貿易上の結果がどこの国にもないままに、財政が悪化する一方になるわけです。

 そういう意味で、最近、私がいろいろ聞いているところでは、IMFなどでもここ一、二年かなりこの補助金競争を興味を持って分析などをやっているということなので、WTO、IMF、いろいろな場を使って――決してこれは中国の問題だけというふうに言わずに、世界的に何らかの形で過剰な補助金競争みたいなのを止めることを考えていくようにしていただければと思います。

 これには前例もあって、こちらに前いらっしゃった浅川元財務官は、過剰な税金の競争を、OECDの場を中心に止めてきました。つまり日本が中心となってそれを止めてきた枠組みをつくったこともありますので、補助金競争についてもこういうことはできれば日本が中心となってやっていただけたらと思います。よろしくお願いします。

木村(福)分科会長 ありがとうございます。何かお答えがありますか。コメントということだと思いますが。

三浦関税課長 植田先生、御指摘ありがとうございます。ここの部分でありますけれども、まさに原則としては、WTOとその前身であるGATT体制の下で日本がこれだけ発展してきた自由貿易、自由で公正なルールが経済力を維持、発展させるために非常に重要であることを、今、先生のお言葉から改めて認識したところであります。また、補助金に関しても、輸出補助金などに関しましてはWTOに通報する仕組みがありますけれども、なかなかWTOそのものがという状況があるのかもしれません。今の先生のお言葉を胸に、しっかり業務に励んでいきたいと思っておりました。どうもありがとうございます。

木村(福)分科会長 ありがとうございました。

 それでは、木村委員、お願いします。

木村(旬)委員 御説明、ありがとうございました。私のほうからはコメント1つと質問1件がございます。

 まず、コメントですけれども、資料の35ページで紹介されている途上国税関に対する関税の技術協力ですね。これは非常に大事な取組だと思いました。貿易の健全な発展と安全な社会を実現するためという目的に加えて、グローバルサウスの国々と連携を深めるという意味でも大切だと思いました。それだけ日本の税関の方々の能力が高くて、国際的にも優れているという証左だと思います。

 そこで気になるのは、資料の10ページで、税関のリスク判定が十分機能していないのではないか、そういう可能性があると指摘されたことですね。優れた能力を持つ日本の税関の方々の能力がもしかして低下しているのではないかと気になるわけです。ただ、これは税関の検査能力そのものが低下したのではなくて、世界的な経済構造の大きな変化に起因しているものだというふうに伺っています。つまり、越境ECの大幅な増加で少額輸入貨物が大幅に増えて、それに伴って税関のリスク判定に大きな役割を果たしてきた輸入申告情報もBtoBからBtoCに変化して、情報の確認が難しくなってきていることが背景の一つにあるのではないかと伺っています。

 もしそうであるならば、従来のBtoBを前提とした水際取締りではなくて、プラットフォーム事業者などにも協力の範囲を広げて協力の在り方を深めるなど、本分科会で検討されている方向に沿って今後も議論を進めていくのが適切ではないかと思います。そうすれば、税関の優れた技術を保つ効果もまた期待できるのではないかというふうに考えております、というのがコメントの1つです。

 あと、これはお伺いしたいことですけれども、資料の19ページですね。ロシア等に対する経済制裁に関してです。今年9月のG7財務大臣会合で、ウクライナ問題に関連して、アメリカからロシアへの制裁効果を強めるために、ここまではいいんですけれども、セカンダリーサンクションというんですか、中国とかインドへの関税を強化する。つまり、ロシアから抜け道的に原油を輸入している中国とかインドはけしからぬということで、関税を日本とかG7各国が強化するよう、トランプ政権に求められたというふうに伺っております。

 正式には公表されていないようですが、確かにロシア制裁の実効性を高めることは誰もが異論なく、私もそうだと思うんです。だからといって、WTOルールと整合的ではない措置は取れないということだと思います。これは加藤大臣がおっしゃっていたことに尽きるとは思いますが、昨日でしたか、G7財務大臣会合をまた改めて開かれて、あの後、発表された共同声明では、ロシアの収入を断つための取組の一環として、関税も含めた貿易措置の重要性について合意したというふうに、いろいろ事情はあるんでしょうけれども、何か含みを残すような表現もあるように見えますが、改めて日本としての考え方を支障のない範囲でお伺いできればと思います。

三浦関税課長 木村(旬)委員、どうもありがとうございます。まさに今日、財務大臣の会見でもこの点をお尋ねいただいて、財務大臣から回答している内容がありますので少し御紹介させていただきたいと思います。委員が今仰せいただいた共同声明の部分ですね。「我々は、ロシアの収入を断つための取組の一環として、関税及び輸出入禁止を含め、貿易措置の重要性について合意した。」というところでありました。大臣からはロシアの収入を削減する取組が重要であること、日本としても、これからロシアからの輸入禁止を含む措置を講じてきたところ、引き続き取り得る措置について検討していくと申された上で、他方で、関税の引上げ措置については、今、委員が仰せいただいたとおりですけれども、我が国は国際法にのっとって対応するべきであると考えており、特定の国がロシア産原油を輸入している点のみを根拠として、当該国に対して大幅な関税引上げを実施することは困難であるというふうに回答されておりますので、御参考になればと思いまして、御紹介でした。

木村(福)分科会長 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。まず、阿部委員、お願いします。

阿部委員 ありがとうございます。私からは、不当廉売関税措置をめぐる状況の変化ということで、資料21ページからのことに関連して少しお伺いしたいと思います。御紹介ありましたように、不当廉売関税を含む特殊関税措置の発動につきまして、各国も多く発動していますし、我が国におきましても増加傾向にあるということかと思います。そうしますと、不当廉売関税を含め、特殊関税の発動に関する調査に係る作業も増大することが日本におきましても想定されますところ、それに対応する体制、人員の確保も必要かと思います。

 それに関連しまして、資料の23ページ目にこれまで発動実績が多い国も示されておりますけれども、こういった国々におきまして、特殊関税に関する調査に関する体制がどのようになっているか。例えば調査に関わる人員数とかにつきまして、我が国と比較してどのような状況になっているかということについて、もし数字があれば教えていただければと思います。

近田特殊関税調査室長 特殊関税調査室長の近田と申します。

 調査体制についてお尋ねいただきました。各国の体制につきまして、様々なパターンがありますが、我々で承知している範囲、幾つか調べてみますと、一番多いのは、貿易を所管する省庁の中にそのような調査部門を設けて当たっている例が多くございます。それ以外に、独立した部署を設置して調査に当たっている例もございます。人数規模でございますが、各国によってまちまちでございまして、アンチダンピング以外の調査も含めまして数百名規模で体制を構えているところもあれば、30人、40人といった体制を組んで当たっているところもございます。

 いずれにしましても、御指摘のように、案件も、不当廉売関税制度の活用に対する関心が高まっている中、きちんと調査体制を組みながら、WTO協定または法令の手続に沿った手続をしっかり踏んでいくことが調査当局に求められていますので、そのあたりはしっかりと考えながら今後も調査に取り組んでまいりたいと思います。

 ありがとうございます。

木村(福)分科会長 では、手塚委員、お願いします。

手塚委員 国際物流や国際交通の局面では、貨物あるいは旅客がいかにスムーズに動くかが非常に重要と考えております。例えば、検査に関して言いますと、貨物の量が増える、あるいはインバウンドの数が増える形になれば、それはこれまでと同じ人員の数でこれまで以上に対応する仕事の量が増えることになります。したがって、急増した仕事の量がどれだけ対応能力を超えてしまい、検査の質の低下をもたらす恐れがあります。そのような場合には、人員の確保が重要になるかと思います。これが1点。

 もう1点、16ページにある最先端技術の導入についてです。新技術は人員を代替できる側面もあります。その一方で、CTスキャンのような検査機器は、あくまで人の作業を補完する役割をもつものだと思います。ですから、先端技術で代替できるところはそれで良いですが、補完する役割の場合は、人々がより働きやすくするという意味では優れている一方で、それを扱う人員は確保する必要があると思います。スマート税関の実現に向けたアクションプランという税関構想の中でもいろいろ議論はされているかと思いますが、人員をどのように確保して、その必要な人員をどう適切に割り振っていくかという議論は重要かと思います。

井田監視課長 手塚委員、どうもありがとうございます。監視課長の井田でございます。

 私は、空港とかのインバウンドの件について御説明申し上げたいと思います。今御指摘のあった資料16ページを御覧いただきますと、Eゲート、共同キオスクとございまして、その下に「X線」と書いてございます。これはそれぞれ役割が違います。Eゲートというのは、普通、空港に来ると、大昔であれば、紙の申告書を税関職員に渡してインタビューを受けてというのを、今は自動改札のような形で、迅速という側面から導入されている機器でございます。税関・入管共同キオスクというのは、紙に書く代わりにスマホでデータを入れてもらってQRコードを出して、Eゲートを通るための入り口で、税関と入管の手続きが一遍にできるようにということで共同開発しているもので、共同キオスクと呼んでおります。この2点に関しましては、まず迅速に人を通すという側面でございます。

 ただ、横に、「事前情報等を活用」と上に書いてございます。これは言ってしまえばリスク管理の世界でございますけれども、全員を等しく見ていると、それだけ掛け算で事務量が増えてしまいますので、当然、ハイリスクなもの、リスクが低いものを選別して、ハイリスクなところに人員、リソースを投入する考え方、これが一般的な考え方でございます。このリスク管理と、それから、今申し上げた迅速の機器というものを掛け算していきながらどうやって最適化していくかと考えております。もちろん人員が増えるのが一番ありがたいのですけれども、現実社会ではなかなかそれができませんので、それをどのように最適化していくかということをこの掛け算でやっていく。

 もう1つ御指摘があったX線の話、これは、ハイリスクな人間をあぶり出した後に、その人を調べる機器でございますので、Eゲート、共同キオスクとX線では役割が違うというところだけは申し上げておきたいと思います。

大関総務課長 総務課長の大関でございます。私からも補足させていただきますが、人員の確保という点では、関税局・税関におきましては、毎年、定員要求をしっかりと行ってきておりまして、今回、令和8年度に向けましても数百名単位で要求をさせていただいております。不正薬物、金地金等の密輸の厳格な取締りのための体制強化、それからインバウンド急拡大に対応するための体制強化などで要求させていただいております。

 また、昨今、アメリカなどでも問題になっているフェンタニル等、こういった新しい課題もございますので、そうしたものにも対応すべく、しっかりと要求をしておりまして、定員については確保の努力をしておりますし、これからも続けていくつもりです。

手塚委員 人材の確保と新技術の導入、双方をしっかりとやっているということですね。

木村(福)分科会長 ありがとうございます。

 それでは、オンラインで野原委員、お願いします。

野原委員 少し関税分科会からはみ出るかもしれないですが、1点コメントさせていただきたいと思います。

 資料23ページに、WTO加盟国・地域における不当廉売関税の課税状況が各国比較されております。これを見ると、日本は被発動国としての件数は合計177件、発動国としての件数は17件と、10倍の差がある状況です。これは、日本企業の国際競争力の高さや輸出の多さが背景にあるからだと思いますが、それにしても日本からの発動件数があまりにも少ないのではないかと思います。

 それは、AD措置申請の手続が煩雑であったり、データ収集や専門的法務スキルが必要であったり、多くの中小企業が自ら申請するにはハードルが高いのではないかと思います。国際的な貿易の競争力や公正な競争条件を確保するという意味で、各プレーヤーが適時適切な不当廉売の申請ができる制をつくることも重要なのではないかと思います。関税分科会としては、申請案件に対する対応について議論しているが、日本の、特に中小企業を取り巻く環境を改善するべく、関連省庁等と連携して、不当廉売関税の申請をしやすくなるよう工夫していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。御意見を伺いたいと思います。

近田特殊関税室長 特殊関税室長の近田と申します。

 今、委員から御指摘いただきましたように、日本企業が不当廉売関税の活用をしやすくする環境、それによって競争力確保等に資するような環境整備が必要ではないかという御指摘をいただきました。不当廉売関税制度を日本において使いやすくする、活用環境に資するという観点で、経済産業省と私ども財務省と両方になりますけれども、申請を考えている企業に対しての相談機会を御提供差し上げる。あるいは、申請するためにどのようなデータ等をそろえていただいたらいいのかといったことを御理解いただけるようにするための申請手続の御案内、また、法令に加えてガイドラインというものもございますけれども、そういったことの公表などに当たっております。こうしたことを通じまして、経済産業省と連携した取組になりますけれども、産業所管省と一緒に不当廉売関税の活用がしやすい環境にも配意しながら当たってまいりたいと思います。ありがとうございます。

野原委員 よろしくお願いします。

木村(福)分科会長 どうもありがとうございます。

 では、末冨委員、お願いします。

末冨委員 ありがとうございます。1点質問させていただければと思います。11ページのところで、輸入貨物の急増に伴う一部の保税業者による不正事案の発生の御案内をいただきました。昨年だったかと思いますけれども、保税地域の活用について、御省において特別ワーキンググループを設置いただき、活用の場面を拡大し、それをウェブサイトなどで紹介していらっしゃるというふうに記憶しているんです。それはすばらしい取組だったと思っているのですが、一部保税業者による不正が発覚したことについて、もしもその不正業者に何らかの特徴とか、例えば新規業者であるとか、国外の業者か国内の業者とか、もしも特徴みたいなものを把握していらっしゃれば教えていただければと思います。

井田監視課長 監視課長の井田でございます。保税制度も所管しておりますので、お答え申し上げます。

 末冨委員、どうもありがとうございました。去年の見直しのときにいろいろ御助言いただいたと記憶しております。

 そのときに3本柱がございまして、保税地域の活用をしていただくこと、手続をより簡便にして使い勝手のいいものにすること、それとともに厳格な水際取締り、その3本柱でやっておりました。ここで出てくる話というのは一部の保税業者において、これは厳格な水際取締りのほうにかかってくる話でございます。今、保税業者が貨物の自主管理という形で、ある程度自分の責任でもって貨物を管理していただくということで保税行政をやらせていただいておりますけれども、大多数は正当な業者で、一部の不正を行う業者がいることで、そこに関していかに行政的な指導をしていくか。そこに関しては今考えているところでございまして、単なる指導、それから搬入停止というきつい処分の間に、何らかの業務改善するような手法がないかというところで、ここも御相談をさせていただきたいと思っております。

 どういう業者が不正を働くかというのを一言で申し上げるのはなかなか難しいところでございます。やはり信頼に足る者、それなりにしっかりやっている人というのは安心してお任せできるのですけれども、そうではない、ちょっと言い方が難しいのですが、実績がないとか、長くやられている方に比べればリスクが高いような傾向は一般的にはあるのかというふうに思いますけれども、そこに関しましても今後もいろいろ研究をして、どのように効果的に貨物管理をしていっていただくかというところは、また御相談も差し上げながら努めてまいりたいというふうに思います。ありがとうございます。

末冨委員 ありがとうございました。

木村(福)分科会長 ほかにいかがでしょうか。一旦よろしいでしょうか。

 それでは、取りあえずこの議題は終了とさせていただきます。もし何かあれば、また御発言ください。

 それでは、続きまして、国土交通省より国際コンテナ戦略港湾政策の取組状況について御報告を受けたいと思います。よろしくお願いします。

末満港湾局港湾経済課長(国土交通省) 国土交通省港湾局港湾経済課長の末満と申します。

 とん税・特別とん税の特例措置に御理解賜りまして、感謝申し上げます。

 それでは、資料2に基づきまして御説明をさせていただきます。

 まず、1ページを御覧ください。世界の各地域の港湾におけるコンテナ取扱個数の推移でございます。ここ10年で全世界では1.3倍、約2億TEU。日本を除くアジアの港湾でも1.3倍、約1億TEU増加しているところでございますけれども、日本ではほぼ横ばいの状況でございます。大型コンテナ船の寄港を誘致するには、コンテナ貨物が豊富にあることが重要な要素となるために、相対的に日本は厳しい状況におかれていると認識しているところでございます。

 続いて、2ページ目でございます。近年、コンテナ船の大型化が急速に進んでおります。例えば、2010年時点では世界の最大船型は約1万3,000TEU前後でございましたが、直近では2万4,000TEU程度で、15年で倍近く大型化しているところでございます。我が国におきましても、これに対応して、横浜港の南本牧地区で水深18メーターの岸壁を整備するなどの取組を行っているところでございます。船舶の大型化により多くの荷物が積卸しできる港が指向されることで、寄港地が絞られることとなります。ですので、港湾の国際間競争の激化につながっているところでございます。

 続いて、3ページ目を御覧ください。国際コンテナ戦略港湾である京浜港、阪神港とアジアの主要港の国際基幹航路の寄港回数を比較したものでございます。2010年代以降の推移を見ますと、アジア主要国についてはおおむね横ばいでございますけれども、国際コンテナ戦略港湾については、2010年代で寄港回数は減少し、近年は横ばいとなっているところでございます。

 続いて、4ページ目でございます。この国際基幹航路が減少するとどういったことが起こるかというと、国際海上輸送のリードタイムの長期化や不安定化が生じると考えているところでございます。例えば、日本は北米に一番近い場所に位置しているので、北米方面については、釜山港等のアジア近隣港でトランシップするよりも、我が国からの直航航路を利用するほうがリードタイムが短くなります。基幹航路の喪失はリードタイムの長期化を意味し、日本企業にとっては在庫コストの増加、サプライチェーンの不安定化につながることから、スライドの右下のところでございますけれども、日本発着の国際基幹航路を求める声を伺っているところでございます。また、物流を第三国港湾に依存する場合、有事においては予期せぬ物流不安定化のリスクがございます。これはスライドの左側のグラフでございますけれども、コロナウイルス感染症のパンデミックによる物流混乱時において、釜山港経由のリードタイムが大幅に増加し、戦略港湾経由との差が最大で50日に達したという事例もございます。

 続いて、5ページ目でございます。このスライドでは、国際基幹航路の喪失の影響を整理しております。基幹航路の喪失は、輸出ルートの選択肢の減少など、サプライチェーンの脆弱化につながるものと考えております。最終的には、企業の海外流出や物流コストの増加により、我が国経済活動に大きな悪影響を及ぼしますし、我が国の貨物量が減るとさらに航路が減少する悪循環に陥る懸念がございます。このため、京浜港、阪神港を国際コンテナ戦略港湾に選択し、施策を集中して実施しているところでございます。

 続いて、6ページ目を御覧ください。こちらは国際コンテナ戦略港湾政策の概要でございます。国際基幹航路の確保は、我が国企業の国際物流のリードタイムの短縮のみならず、経済安全保障を確保していくためにも重要と考えております。このため、国内外の貨物を集約する集貨、近隣の産業立地等の促進により新たなコンテナ貨物を創出する創貨、施設整備や入出港コストの低減により国際基幹航路の寄港を促す環境を整える競争力強化という3本柱の施策を強力に推進しております。とん税・特別とん税の軽減措置につきましては、入出港コストの低減に直結する施策であり、競争力強化のコアとなる施策の一つでございます。

 続いて、7ページ目を御覧ください。こちらは、とん税・特別とん税の軽減措置の概要でございます。とん税・特別とん税は、純トン数に対して課税されるため、より大型の船は必要な納税額が大きくなります。特に、欧州・北米航路に就航するコンテナ船は、近海航路の船舶と比較して船型が大きく、また航路距離が長いことで、1隻当たりの年間の寄港回数が少なくなるため、一時納付のメリットが小さくなり、釜山港などの競合港と比較して入出港コストの競争力が小さくなってしまいます。そのため、本特例措置により、一時納付の税率を通常の半分とすることで、これらの港湾との遜色ない競争環境の確保を図るものでございます。

 続いて、8ページ目でございます。とん税等の特例措置をはじめとする継続的な取組により、国際基幹航路の寄港を下支えする効果が発現していると考えております。一例として、Premier Allianceが運航する欧州方面のFP2という航路が本年5月から京浜港、阪神港に新たに寄港しているところでございます。

 続いて、9ページ目でございます。こちらは、本特例措置に関しまして、国際コンテナ戦略港湾に基幹航路を寄港している主要船社の声を紹介させていただいているところでございます。例えば、A社でございますけれども、基幹航路を維持する観点から重要。B社でございますけれども、航路の継続を決める際に後押しになった。10ページでございますけれども、C社、特例措置のコスト削減効果は特に大きい。D社、税の負担が大きいため、制度的支援が不可欠といったような声がございました。

 続いて、11ページになります。とん税・特別とん税の特例措置に加えまして、競争力強化に向けて港湾管理者や港湾運営会社においても様々な取組を実施しているところでございます。具体的には、大型の外国コンテナ船の入港料の減免や、国際基幹航路の新規開設に対する支援、また、地方港と国際コンテナ戦略港湾を結ぶ内航コンテナ航路である国際フィーダー航路の入港料の減免等を実施しております。とん税・特別とん税の特例措置は、入出港コスト削減の柱となる取組ですが、それに依存することなく、関係者と連携して不断の努力をしてまいりたいと考えているところでございます。

 続いて、12ページ、13ページでございますけれども、こちらは国際コンテナ戦略港湾政策の目的でもある国際基幹航路数と輸送力の推移を掲載してございます。京浜港、阪神港とも、新型コロナによる海上物流の混乱を受けて輸送力は低下しましたが、特例措置の効果もあり、近年は維持しているところでございます。

 続いて、14ページ目を御覧ください。国際コンテナ戦略港湾での集貨の取組の一つでございます。こちらは、地方港発着の貨物を国際コンテナ戦略港湾に集める取組を港湾運営会社等と連携して行っているところでございます。国際フィーダー航路の寄港回数が京浜港、阪神港ともそれぞれ4割ずつ増加するなど、国内輸送網の構築が進んでいるところでございます。今後は、近隣のアジア各国からの集貨も進めていきたいと考えているところでございます。

 最後に、競争力強化の取組として港湾におけるDX・GXの取組を御紹介いたします。

 15ページでございます。「ヒトを支援するAIターミナル」の実現というところで、遠隔操作化された荷役機械の導入や新技術の開発に係る支援を実施しているところでございます。

 また、16ページでございますが、脱炭素化に配慮した港湾機能の高度化を図ることで、荷主や船社に積極的に選択される港湾を目指しているところでございます。本年3月には、港湾のターミナルにおける脱炭素化の取組を客観的に評価する認証制度を創設したところでございます。今後、本制度も活用しつつ、港湾の脱炭素化の取組を促進することとしております。

 説明は以上になります。

木村(福)分科会長 どうもありがとうございました。

 ただいまの御説明について、御質問、御意見等がありましたらお願いします。どなたかいかがでしょうか。

古城委員 御説明、ありがとうございました。

 競争力を増すために、魅力的な港にしなきゃいけないという施策の一つとして、とん税や特別とん税を下げることも重要だと前からお話を伺っているのですけれども、それに関して7ページのグラフについて教えていただきたいです。入港の手数料、入出港コストが書いてあるのですけれども、横浜と釜山と上海が比べられています。とん税のところは分かるのですけれども、曳船料が日本の場合はほかに比べて結構大きくなっています。こういった点は、何か工夫してもうちょっと合理的にできるとか、あるいは、水先案内料も、この頃、人手不足で人員の手当てができなくてというようなニュースなんかも聞いたりしているのですけれども、そのあたりをもうちょっと努力して下げるとか、そういうことはできるのでしょうか。

末満港湾局港湾経済課長(国土交通省) 御質問、ありがとうございます。様々なコストがある中で、水先料とか曳船料は、グラフを見ますとなかなか高いところの御指摘だと思います。我々港湾局が、直接、今所掌しているわけではないところでございますけれども、港湾の競争力強化は、先生がおっしゃられるように、入出港コスト全体をどうやって下げていくかというのも一つ大きな視点かなと思っておりますので、そこは関係者とこういう現状を共有して、議論していく必要があるかなと思っているところでございます。

古城委員 税金を下げるというのは結構簡単に考えられると思うのでうすが、それだけに頼らずに、もうちょっとほかの側面からも考えていただけるといいのではないかと思います。

木村(福)分科会長 どうもありがとうございます。

 河野委員、お願いします。

河野委員 ありがとうございます。私からは、6ページの国際コンテナ戦略港湾政策の概要部分について、コメントさせていただきたいと思います。

 古城委員がおっしゃったように、いろいろな意味で日本の港湾はまだ努力をしなければいけない点はあることは確かだと思いますけれども、寄港に関する税は重要な要素です。特に今回のとん税・特別とん税に関しては基幹航路のみでの引下げとなっております。

 日本の港湾への基幹航路の入港を維持・強化するためには、日本の港湾で、今後いかに集貨するかが重要です。先ほどお話があったように、コンテナ船の大型化により基幹航路の船舶が寄港する港が絞られていく中で、どれだけの貨物が日本の港にあるかというのがやはり何よりも大きな課題になるかと存じます。その場合に、もちろん日本の中での集貨のための努力は重要です。多くの日本海側の港からの貨物が釜山港でトランシップされているという状況を変え、太平洋側の阪神港と京浜港に集荷できるような政策が必要と言えます。もう1つ大事なのは、アジアからのトランシップ貨物を日本の港に引きつけるための政策をとることではないかと考えております。

 そのためには、基幹航路だけに着目した政策ではなく、基幹航路に載せるためのトランシップ貨物を集めるためにアジアからの寄港をいかに刺激するかが重要な意味を持ちますので、いろいろな点で努力をしなければならないと思います。こういった点も政策的には考慮していただければありがたいと思います。

その意味では、先ほど資料1の関連でお話が出ました、昨年度、保税地域制度の改善というのは大変大きな意味を持っていて、創貨のために何より大事だと思います。アジアからの集貨という点にもっと着目した政策を取っていただけると大変ありがたいと思います。

 すみません。コメントをさせていただきました。

木村(福)分科会長 ありがとうございました。コメントということですが、何かお答えになりますか。

末満港湾局港湾経済課長(国土交通省) 河野先生、ありがとうございます。おっしゃられるように、日本の荷物をしっかり集めていくのは当然ですけれども、人口減少とかもございますので、それに加えて、しっかりとアジアの荷物を、特に北米は、アジア地域ではラストポートになるところでもありますので、アジア各国の荷物をどうやって集めていくかというのはしっかり考えていかなくてはいけないというふうに思っております。

 一方で、さっき古城先生からもありましたけれども、それを例えば税金の免除でというのも、それはそれで大変難しいところも重々承知しているところでございます。そういう意味で、様々な施策、今日も11ページで御紹介させていただきましたけれども、港湾管理者とか港湾運営会社の取組もございますし、いろいろな方と連携してやっていきたいと思っております。また、創貨の取組で話がありましたけれども、こちらは関税局さんとも勉強会とかもさせていただいているところでございまして、いろいろな関係省庁の皆さんとも協力しながら対応していきたいと考えているところでございます。

井田監視課長 監視課長、井田でございます。保税地域に言及いただきましたので、コメントを申し上げます。

 港湾地区、創貨という部分で、貨物が陸揚げされる部分というのは保税地域でございまして、その保税地域の中の動き、コントロールをいかに円滑化するかということも当然ソフト面のバックアップになるというふうに我々は考えております。今、末満課長からありましたとおり、私も末満課長とお会いして勉強会等をやっておりますので、国交省港湾局と財務省関税局と、いろいろほかの省庁も絡んでくるのだと思いますけれども、それぞれの持ち場で、どのような活用をして、私で言えば創貨の部分でバックアップできるかということを考えていきたいと思っております。ありがとうございます。

木村(福)分科会長 どうもありがとうございました。

 植田委員、お願いします。

植田委員 御説明をどうもありがとうございます。昨年述べたコメントと同じなので、繰り返させていただきますと、まさに国際コンテナ戦略港湾政策の6ページのところ、基本的には同じようなコメントなのですけれども、私が思い出しているのは、アジアからの集貨というよりも、今、釜山とか上海に集まっているものを取ってくるような国際的な競争も考えた上で、本来的にはどこに国際コンテナ戦略港湾を持ってくるかというところまで一度考えていただければと思います。ぱっと地図を見れば、どちらかというと、京浜や阪神よりは九州辺りのほうが釜山とかの代替になりやすいのじゃないかと思われるのが1つと、人件費とか地価の問題とか地方創生の観点からも、必ずしも京浜とか阪神にこだわる必要はないのではないかと思っています。

 ここで話すことではないのかもしれませんけれども、コメントとして、次回、新しく戦略港湾を考えるときにぜひ考えていただければと思います。

木村(福)分科会長 御意見ということだったと思いますが、よろしいでしょうか。

 オンラインで、下坂委員、お願いします。

下坂委員 コメントになります。ただいまご説明いただいた通り、近年、日本の物流拠点としての国際的な競争力が低下しておりまして、経済界としても貿易立国の危機に直面しておりますことを懸念しております。日本で製造しても、それを輸出するためにコストがかかり過ぎてしまえば、企業は日本を製造拠点として選ぶことができなくなってしまいますから、国内港湾の競争力強化というのは日本の製造業にとっても非常に重要な課題であると考えております。

 経団連は、今月、政府における新たな総合物流施策大綱の策定を見据え、2030年を視野に入れた物流に関する提言を公表する予定です。その中で、我が国の国際物流拠点としての地位の低下を踏まえて、国際競争力強化、成長戦略に資する施策を提言することにしております。日本の港湾の競争力を強化するためには、日本の地理的な優位性を生かして、アジア地域から南北アメリカ大陸向けの貨物を集約して、国際物流ネットワークのハブになるための戦略の立案と実行が急務と考えます。例えば、政府には、国際的な船舶の大型化の流れに対応するために、海運、造船を含む海事クラスターの国際競争力強化に向けた取組などを進めていただくようにお願いしたいと思います。

末満港湾局港湾経済課長(国土交通省) また、提言等を見させていただいて、しっかりと取り組んでいきたいというふうに考えております。

木村(福)分科会長 どうもありがとうございます。

 手塚委員、お願いします。

手塚委員 幾つか確認をさせてください。

 まず1つは、拠点となる港湾には制約がありますよね。というのは、船舶の大型化によって、水深がある程度確保されていなければいけないなどの理由から、必ずしも地理的にここが有利だからということだけで選べるわけではない、という理解でよろしいでしょうか。

末満港湾局港湾経済課長(国土交通省) そのとおりでございまして、ハード的な部分の制約と、あと、荷物がそもそもどれぐらいあるか、集めやすいかという部分、物量とハードというところは大きな要素かなと考えております。

手塚委員 それに派生してですが、トランシップというのは、基本的に積替えというふうに理解してよろしいでしょうか。ある港で、京浜港を経由して、どこか最終目的地に行くための積替えすることをして、トランシップメントと言ってよろしいでしょうか。

末満港湾局港湾経済課長(国土交通省) そのとおりです。

手塚委員 今競争しているというのは、トランシップのコンテナの数をいかに増やしていくかということを目的の1つにしていると考えてよろしいでしょうか。

末満港湾局港湾経済課長(国土交通省) 1つは、さっき河野先生からもありましたけれども、日本のコンテナ貨物が日本の港から全て出ているか。例えば北米とか欧州に行くときに、日本の港からダイレクトに北米とか欧州に行っているかというと、特に日本海側においては、釜山港にまず持っていってヨーロッパ行きとか北米行きの船に積み替えて出しているところがございます。ですので、それをできるだけ京浜港や阪神港に持ってきてもらう。陸送なり海上輸送なりで持ってきてもらって、そこからダイレクト航路に載せて北米とか欧州に持っていく。

 ただ、それだけだとなかなか貨物量も限られているところもございますので、次に近隣のアジア諸国から日本で積み替えて、例えば北米に持っていくというふうなことも今後やっていかなければいけないと考えているところでございます。

手塚委員 コンテナの船会社がどこの港を選ぶかについて、Aという港を選ぼうが、Bという港を選ぼうが、基本的には最終目的地まで運んでもらうという意味では、どこの港を選んでも、同じであるということですね。このとき、船会社は、どれだけ安く行けるか、あるいは価格が低いかを見ながら選んでおり、今のとん税のような措置がなくなり相対的に高くなれば、これまで使っていた会社が逃げていく恐れもある、理解でよろしいですか。

末満港湾局港湾経済課長(国土交通省) 恐らく、寄港自体は、単純なコストだけではなくて、荷量だとか様々な要因があると思っておりますので、先生おっしゃられたように、とん税がなくなったら逃げるかどうか分からないですけれども、我々としては、御説明させていただいたように、これが下支えになっている。競争力強化のコアの柱の一つでございますので、大変ありがたい措置だというふうに考えているところでございます。

手塚委員 最後にコメントです。やはり選ばれる港湾をめざすということになれば、相対的にみて価格が低くということが必要になってきます。したがって、とん税の措置もそうですし、あるいは先ほど意見が出てきたような形でのコスト削減もそうですし、相対的に全体としての価格を下げて選ばれることが必要になってくる、と思います。ですから、河野先生の話にかぶせてしまうのですけれども、今回の措置も含めて努力が必要である、と思いました。

木村(福)分科会長 どうもありがとうございました。

 ほかに何かございますか。よろしいでしょうか。

 それでは、本日も活発に御意見、御質問いただきまして、ありがとうございました。

 最後に、事務局より連絡事項がございますので、三浦関税課長よりお願いします。

三浦関税課長 ありがとうございます。

 本分科会における議事録の取扱いにつきましては、当審議会議事規則第5条の規定により、原則公開とされております。本日御発言いただきました委員の皆様方には、議事録案がまとまりました段階で御発言部分を事務局から送付申し上げます。送付後1週間程度の間に御意見などがない場合には、恐れ入りますが、御了解を頂戴したものとさせていただきたいと存じております。

 議事録の取扱いにつきましては、今後ともこの扱いで進めさせていただきたいと存じます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 また、本分科会の終了後に、引き続きこの会場におきまして特殊関税部会を開催させていただきますので、恐れ入りますが、特殊関税部会の先生方におかれましてはそのままお待ちいただければと存じます。

木村(福)分科会長 ありがとうございます。

 次回から令和8年度関税改正について本格的な議論を行うこととなりますが、俯瞰的な議論ができるよう、事務局には、改正内容のみならず、関連する制度なども適宜御紹介いただくようお願いいたします。

 それでは、以上をもちまして本日の関税分科会を終了いたしたいと存じます。

 次回の関税分科会の開催につきましては、11月5日(水曜日)15時開始を予定しております。詳細につきましては、事務局と調整の上、別途御連絡を差し上げます。

 本日は、御多用のところ御出席賜りまして、誠にありがとうございました。

午後5時26分閉会